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JP5605982B2 - 換気装置および空調換気システム - Google Patents
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JP5605982B2 - 換気装置および空調換気システム - Google Patents

換気装置および空調換気システム Download PDF

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Description

本発明は、情報処理機器が搭載されたラックが設置される情報処理機器室を空調するためのシステムに関する。
従来、通信・情報処理機器を上下方向に搭載したラックのラック列が設置されている通信・情報処理機器室を空調するシステムとして、ラック列の間に形成される空間の上方に、床面と対向するように設けられた吹出口と、室内上部空間の空気を取り入れるための吸込口とを有する局所冷却装置を配置する、空調システムがある(特許文献1を参照)。
また、ラック内部の高温部に直接冷気を供給、またはラック内部の高温部から直接排気するファンユニット装置があり(特許文献2を参照)、冷却装置をラックと対向して配置し、ラックからの高温排気を、ペルチェ素子で冷却した板面と床吹出口から吹き出される冷気との対流伝熱で冷却する冷却装置があり(特許文献3を参照)、ラック頂部に通信機器等からの発熱を排気するファン群を設け、これらの排気ファン群からの高温排気の、ラックの前面側へのショートサーキットを防止するために、ラック頂部に回り込み防止板を取り付けた機器収納用ラックがある(特許文献4を参照)。
特許第3842631号公報 特開2001−272091号公報 特開2003−294264号公報 特開2004−184070号公報
従来、IDC(Internet Data Center、インターネットデータセンター)のような通信施設や計算センターにおいて、外部侵入者によってサーバや通信機器等が破壊されることを予防することと同時に、設置コストを削減する目的で、サーバや通信機器等の情報処理機器が搭載されるラックが用いられている。このようなIDCでは、ラックに高集積CPUを搭載したサーバや通信機器、周辺装置等が高集積に搭載されているために、高顕熱負荷を処理するための空調システムが必要となる。
従来、IDCのような通信施設や計算センターでは、発熱負荷密度が1kW/m未満であったことから、全空気方式の空調システムが採用されている。特に、ラックが設置される情報処理機器室(マシン室)では二重床内に電力配線や通信配線を布設することから、この二重床内の配線布設空間を活用して空調空気を供給する床吹出し空調方式が多く採用されている(図5を参照)。
しかし、ラック内部に設置される情報処理機器等の熱源は、機器冷却用の小型ファンが機器前面にあったり背面にあったりと、機器によって排熱特性が異なる。更に、これらの機器を納めるラックは、放熱特性から多孔板で製作されることが多いために、冷気が供給される空間からラック内の暖気が排気される空間への空気の流れが一方向流ではなく、更に、ラック内部において温度差換気が生じ、暖気の排気前にラック内で空気が攪拌されてしまうといった問題があった。また、ラックの頂部に排気ファンを設置する方式があるが、ラックが多孔板で作成されている場合、排気ファンは、誘引によりショートサーキットを助長し、更に通信機器群からの発熱を情報処理機器室全体に拡散させることとなっていた。従来技術の抱える上記問題点により、従来の方式では、発熱負荷密度にして約1kW/m程度が情報処理機器室の除熱の限界であると看做されている。
なお、発熱負荷密度が1kW/mを超える場合には、循環系空調システムの所要設置台数が情報処理機器室の一方の壁側では収まらないことが多いため、直膨コイルを有する天吊型空調装置で発熱負荷の一部を処理する方法がとられることがある(図6を参照)。しかし、このような方法を採用しても、上記方法と同様、発熱を情報処理機器室全体に拡散させる方式であるために、更なる発熱負荷増に対応することは困難であり、空調による除熱の限界に至ることは自明である。また、ラック内に搭載された情報処理機器の冷却に、水冷式ペルチェ素子を採用した冷却装置を設備する方法もあるが、ラックに搭載された情報処理機器の移動や移設、メンテナンスにおけるフレキシビリティの欠如、冷却水の漏水対策、コスト高等の問題が発生する。
本発明は、上記した問題に鑑み、情報処理機器等が搭載されたラックが設置された情報処理機器室において、情報処理機器等からの発熱を効率的に除熱することを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、情報処理機器が搭載されたラックに併設され、ラック内部の暖気を排気してラック内部をラック前面側の空間に対して低圧に維持する換気装置を用いることで、情報処理機器等が搭載されたラックが設置された情報処理機器室において、情報処理機器等からの発熱を効率的に除熱することを可能にした。
詳細には、本発明は、側面に設けられた吸込口であって、情報処理機器が搭載されるラックに併設された状態で該ラックの側面に面する吸込口と、背面に設けられた排気口であって、前記ラックに併設された状態で該ラックの背面側の空間に面する排気口と、前記ラック内部の空気を前記吸込口より吸い込み、前記排気口より該ラックの背面側へ排気することで、該ラック内部を該ラック前面側の空間に比べて低圧とする排気手段と、を備える換気装置である。
ここで、情報処理機器とは、サーバ装置や通信機器等の、ラックに搭載され、稼動によって発熱する機器類である。但し、ラックに搭載される機器には、バックアップ機器としての無停電電源装置等、情報処理機器以外の機器が含まれてもよい。本発明では、情報処理機器であるか否かに拘らず、ラックに搭載される各種機器による発熱を除熱することが出来る。
換気装置には、吸込口および排気口が設けられる。吸込口は、換気装置がラックに併設された状態でラックの側面に面するように設けられる。また、吸込口は、吸込み効率を向上させるために、ラックの側面に密着するように設けられてもよい。そして、排気口は、ラックの背面側の空間に面するように設けられる。吸込口および排気口をこのように配置し、排気手段によってラック内部の空気を吸い出し、背面側の空間に排気することで、ラック内部がラック前面側の空間に比べて低圧に維持される。即ち、本発明によれば、換気装置の稼動によって生じる差圧によって、ラック前面側からラック内部を通りラック背面側へ流れる安定した気流が形成および維持され、ラック前面側に冷気を供給することで、ラック内部における情報処理機器の発熱を高効率で除熱することが可能となる。同時に、差圧によってラック前面側、ラック内部、およびラック背面側の空間が区画されるために、情報処理機器において発生した熱の拡散を防止し、上記一方向の冷却気流によって速やかに除熱を行うことが可能となる。また、換気装置をラックに併設する方式であるため、ラック自体の変更や改造、情報処理機器自体の変更や改造が不要であり、通常用いられているラックの構成を変更せずに換気装置を追加するのみで、除熱の高効率化を行うことが出来る。
また、本発明に係る換気装置は、前記ラックに併設された状態で該ラックの側面のみを
覆う略直方体の形状を有することで、該ラック前面および背面からの該ラック内部へのアクセスを許可してもよい。通常、ラックに搭載された情報処理機器の変更、追加、除去等を行う場合や、情報処理機器のメンテナンスを行う場合等には、ラックの前面および背面から、ラックに搭載された情報処理機器にアクセスする必要がある。本発明によれば、ラック内部からの排気を行うことでラック前後の空気の流れを作り出す換気装置を設けることによって除熱の効率を高めた状態で、ラック内部の情報処理機器へアクセスすることが可能である。
また、前記排気手段は、前記排気口近傍に設けられた排気ファンを駆動することによって前記ラック内部からの空気の吸い込みおよびラック背面側への排気を行い、前記吸込口は、前記ラックに併設された状態で、該ラックに搭載された情報処理機器の後端より後方且つ前記排気ファンより前方に設けられてもよい。
一般に、情報処理機器は、機器の背面に小型排気ファンを有し、機器の前端または側面から吸気し、機器の後端より排気を行っている。このため、排気ファンおよび吸込口をこのように配置することで、ラック内部の空気の流れを、ラック前方(前面側)から後方(背面側)への一方向とし、ラック内部における温度差換気や空気の攪拌を防止することが出来る。即ち、情報処理機器において発生した熱が拡散せずにラック背面側の空間に送られ、より高い効率での除熱が可能となる。
また、本発明に係る換気装置は、前記換気装置の前面近傍に設けられ、前記排気手段に電源を供給する無停電電源装置を更に備えてもよい。停電時等には、ラックに設けられた情報処理機器は、別途設けられた予備電源等で動作することがある。このような場合にも、無停電電源装置によって排気手段に電源が供給されることで、ラック内部からの強制的な排気を維持し、除熱の効率が落ちて情報処理機器等に不具合が発生することを防止することが出来る。更に、無停電電源装置が換気装置の前面近傍に設けられることで、メンテナンス用の扉等からのアクセスが容易となり、また、ラック内から排気される高温の空気に曝されにくく、性能を長く維持することが可能である。
また、本発明は、換気装置と空調システムとが相互に補完し合うことによって高効率且つ安定した高顕熱負荷処理を行う空調換気システムとしても把握することが出来る。即ち、本発明は、情報処理機器が搭載されたラックの列が設置された情報処理機器室の空調を行うための空調換気システムであって、前記ラックの列の両側に形成された空気の通路のうちの一方である暖気通路から空気を取り込む還気取込部、該還気取込部によって取り込まれた空気の温度調節を行うことで冷気を生成する温度調節部、および該温度調節部によって生成された冷気を前記ラックの列の両側に形成された空気の通路のうちの他方である冷気通路へ供給するための冷気送出部を有する空調システムと、前記ラックに併設される換気装置であって、該換気装置の側面に設けられて前記ラックの側面に面する吸込口と、背面に設けられて前記暖気通路に面する排気口と、前記ラック内部の空気を前記吸込口より吸い込み、前記排気口より前記暖気通路へ排気することで、該ラック内部を前記冷気通路に比べて低圧とし、前記空調システムによって前記冷気通路へ供給された冷気を該ラック内部へ取り込ませる排気手段と、を備える換気装置と、を備える空調換気システムである。
ここで、情報処理機器室に設置されるラックとしては、情報処理機器を搭載可能なものであればどのような形式のラックが採用されてもよいが、本発明に係る換気装置は、ラック側面からラック内部の空気を吸い込んで排気する換気装置であるため、前記ラックは、搭載された情報処理機器から発生する熱を放熱するための開口を少なくとも側面に有することが好ましい。例えば、側面多孔板製または全面多孔板製のラックを採用することが出来る。
本発明に係る情報処理機器室では、ラックの列の両側の空間が、夫々冷気通路および暖気通路として用いられる。冷気通路は、空調システムによって冷気が供給される空間であり、換気装置の働きによって形成される差圧および空気の流れによって、冷気通路に供給された冷気はラック内部に流れ込む。また、暖気通路は、換気装置の働きによってラック内部の暖気が排気される空間であり、空調システムは、この暖気通路から空気を取得して冷気を生成し、再び冷気通路へ供給する。
本発明によれば、ラックに併設された換気装置によって、ラック内部の空気が吸い出され背面側の空間に排気されることで、ラック内部が冷気通路に比べて低圧に維持される。即ち、本発明によれば、換気装置の稼動によって生じる差圧によって、冷気通路からラック内部を通り暖気通路へ流れる安定した空気の流れが形成および維持される。ここで、空調システムが冷気通路に冷気を供給することで、ラック内部における情報処理機器の発熱を高効率で除熱することが可能となる。同時に、差圧によって冷気通路、ラック内部、および暖気通路の空間が区画されるために、情報処理機器において発生した熱の拡散を防止し、上記一方向の冷却気流によって速やかに除熱を行うことが可能となる。また、換気装置をラックに併設する方式であるため、ラック自体の変更や改造、情報処理機器自体の変更や改造が不要であり、通常用いられているラックの構成を変更せずに換気装置を追加するのみで、除熱の高効率化を行うことが出来る。
前記ラックは、該ラックに搭載された前記情報処理機器の、メンテナンスの際にアクセスされる前後面が前記冷気通路側および前記暖気通路側を向くように並べられ、前記換気装置は、前記ラックに併設された状態で該ラックの側面のみを覆う略直方体の形状を有し、該換気装置幅分の間隔をおいて並べられたラックの間に挟まれて設置されてもよい。本発明によれば、ラック内部からの排気を行うことで冷気通路から暖気通路への空気の流れを作り出す換気装置を設けることによって除熱の効率を高めた状態で、ラック内部の情報処理機器へアクセスすることが可能である。
前記空調システムは、外気を取り込む外気取込部を更に有し、前記冷気送出部は、前記外気取込部より取り込まれた外気および前記還気取込部より取り込まれた還気を合わせた量の冷気を前記冷気通路に供給することで、前記ラック内部を前記冷気通路と比べて低圧としてもよい。即ち、換気装置によってラック内部の空気が排気されることに加えて、空調システムによって冷気通路にラック内部からの排気と略同量の還気と外気とをあわせた量の冷気が供給されることで、冷気通路を陽圧、ラック内部を陰圧とし、ラック内部と冷気通路との間の差圧をより安定的に維持することが可能となる。
また、前記空調システムは、前記還気取込部によって取り込まれた空気のうち前記外気取込部によって取り込まれた外気分の空気を、前記情報処理機器室の室外に排気することで、前記暖気通路を前記ラック内部に比べて低圧とする室外排気部を更に有してもよい。換気装置によってラック内部の空気が排気されることに加えて、空調システムによって暖気通路から外気分に当たる空気が排気されることによって、ラック内部と暖気通路との間の差圧をより安定的に維持し、ラック内部から暖気通路への暖気の流出を促進し、更に暖気通路からラック内部へ空気が流入することを防止することが出来る。また、外気取込部による外気取込と、暖気通路から室外への排気とが行われることによって、情報処理機器室の換気が行われ、作業者や保守員の作業環境を良好に保つことが出来る。
また、空調換気システムは、上記空調システムでは除熱の能力が不足する場合等に、前記情報処理機器室の天井付近に設けられ、前記暖気通路より吸気し、吸気した空気より冷気を生成し、生成した冷気を前記冷気通路へ供給する空調機を更に備えてもよい。空調システムの能力不足を補うために設けることが可能な空調機としては、例えば天吊型空調機
が挙げられる。天吊型空調機であれば、情報処理機器室の床面積が不足し、空調システムの床設置が不可能となっているような状況であっても、追加設置を行うことが出来る。このような天吊型空調機の吸気口を暖気通路側に設け、送風口を冷気通路側に設けることで、上記した冷気通路、ラック内部および暖気通路の差圧による区画を維持したまま、空調換気システムによる顕熱負荷処理能力を向上させることが可能となる。
また、前記情報処理機器室の天井に、前記ラックの列に沿って設けられ、前記冷気通路と前記暖気通路との間での冷気と暖気との混合を防止する垂れ壁を更に備えてもよい。このような垂れ壁を設けることによって、差圧によって区画されている冷気通路、ラック内部および暖気通路が、より安定的に区画され、より効果的に、冷気と暖気の混合や、情報処理機器において発生した熱の拡散を防止することが可能となる。
また、前記垂れ壁は、前記ラックの上端よりも下方まで達する縦長、および前記ラックの列の両端よりも外側まで達する幅員のうち少なくとも何れかを有してもよい。垂れ壁が十分な高さおよび幅を有することで、垂れ壁による冷気と暖気との混合防止効果や、熱の拡散防止効果を向上させることが出来る。
なお、上記天吊型空調機は、上記垂れ壁と組み合わせて設置されることが好ましい。例えば、前記空調機は、前記冷気通路の上方に設置された本体、該本体に設けられて前記冷気通路に開口する送風口、および前記垂れ壁を貫通する吸気管を介して該本体に接続されることで前記暖気通路の上方に開口する吸気口を有してもよい。このような空調機を設けることで、垂れ壁による区画の効果を損なわずに、天吊型空調機による補助効果を得ることが可能である。
なお、上記発明は、ラックに併設された換気装置を用いた換気方法や、情報処理機器室における空調換気の方法等、方法の発明として把握されてもよい。
本発明によって、情報処理機器等が搭載されたラックが設置された情報処理機器室において、情報処理機器等からの発熱を効率的に除熱することが可能となる。
本発明に係る換気装置および空調換気システムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る換気装置10を含む空調換気システムが設置された情報処理機器室(マシン室)1を示す平面図である。また、図2は、本実施形態に係る空調換気システムが設置された情報処理機器室1を示す側面図である。情報処理機器室1には複数のラック列9が設置されており、夫々のラック列9は、情報処理機器91が搭載されたラック90と換気装置10とが、互いに側面を接するように交互に、且つラック90と換気装置10との前面および背面の向きが一致するように、横に並べられている(図3を参照。図3は、本実施形態に係るラック列9におけるラック90と換気装置10との並びを示す図である。)。なお、本実施形態では、1のラック列9に4つのラック90が並べられ、情報処理機器室1にはラック列9が4列並べられているが、1のラック列9に並べられるラック90の数、および情報処理機器室1に並べられるラック列9の数は、特に限定されない。
本実施形態で用いられるラック90は、ラック90内に上下方向に設けられたレールに情報処理機器91等が固定されることで、情報処理機器91が上下方向に並べられて搭載され、ラック90の前面および背面から内部の情報処理機器91にアクセス可能な構造を
有する。ラック90の前面及び背面には、ラック90内部への冷気の流入およびラック90内部からの暖気の排気を可能とするための、例えばドアガラリ(ルーバ)等が設けられた開口を有する扉(図示は省略する)が設けられてもよい。情報処理機器搭載用のラック90としては上記説明したような構造のものが一般的に用いられているが、ラック90の具体的な構造は特に限定されず、本実施形態に係る空調換気システムは、情報処理機器91等が集積されることでラック内部の顕熱負荷の処理が必要となる様々なタイプのラックに適用することが可能である。
ラック列9の両側のうちラック90および換気装置10の前面が向いている側の空間は、後述する循環系空調システムおよび天吊型空調機30によって冷気が供給される冷気通路である。冷気通路に供給された冷気は、ラック90に搭載された情報処理機器91のファンおよび換気装置10の稼動によって、ラック90内に取り込まれる。ラック列9の両側のうちラック90および換気装置10の背面が向いている側の空間は、ラック90に搭載された情報処理機器91のファンおよび換気装置10によって暖気が排気される暖気通路である。暖気通路に排気された暖気は、後述する循環系空調システムの還気取込口23、および天吊型空調機30の吸気口32、の少なくとも何れかによって吸気される。また、複数のラック列9は略平行に並べられ、隣り合うラック列9は、夫々に設置されたラック90が互いに前面同士または背面同士で向き合うように配置される。ラック列9がこのように配置されることによって、ラック列9の間の通路は、冷気通路および暖気通路のうち何れか一方として用いられる。本実施形態では、後述する冷気送出口22が情報処理機器室1の床に列状に並べて設けられ、この列を挟んでラック90の前面同士が向き合うようにラック列9が配置される。また、後述する還気取込口23についても、天井に冷気送出口22の列と平行に並べて設けられ、この列を挟んでラック90の背面同士が向き合うようにラック列9が配置される。
情報処理機器室1には、循環系空調システムが設けられる。循環系空調システムは、暖気通路の天井に設けられた、暖気通路の空気(還気)を取り込むための還気取込口23と、情報処理機器室1の外部(通常は屋外)から外気を取り込む外気取込部(図示は省略する)と、還気取込口23より取り込まれた還気および外気取込部によって取り込まれた外気を温度調節することで冷気を生成し、後述する二重床内の床下チャンバ24へ冷気を送る温度調節装置21と、冷気通路の床面に設けられ、温度調節装置21によって生成された冷気を冷気通路に供給するための冷気送出口22と、を備える。ここで、温度調節装置21は、直膨コイルを有する従来型のパッケージエアコンであってよい。また、情報処理機器室1は、人間が常時在室するような部屋ではなく、作業者または保守員が必要に応じて入室する部屋であり、情報処理機器にとって最適な環境を提供するための部屋である。このため、本実施形態に係る循環系空調システムは、外気の取込および排出によって外気との換気を行うが、人間が常時在室するような部屋における換気量に比べて本空調システムの換気量は少なくてよく、給気温度は摂氏15度程度に設定される。外気温が高い場合には、換気量を減らすことで、空調システムの効率を高めることが出来る。
本実施形態に係る情報処理機器室1は、情報処理機器91への配線のための二重床構造を備えており、循環系空調システムは、この二重床内に形成された床下チャンバ24(図2および図3を参照)をダクトとして利用して、床に備えられた冷気送出口22まで冷気を送り、冷気送出口22から冷気通路へ冷気を供給する。なお、床面に設けられた冷気送出口22には、その開口率を任意に変更することが可能な空気量調節機構が備えられる。これは、例えばシャッター等の構造を有する機構であり、情報処理機器室1の床面に複数設けられた冷気送出口22毎に、冷気の供給量を調整することが可能となっている。また、循環系空調システムは、天井裏のスペースに設けられ、還気取込口23を個別に温度調節装置21に接続する還気ダクト25(図2を参照)を利用して、天井に備えられた還気取込口23から取り込まれた暖気を、温度調節装置21へ送る。但し、還気ダクト25に
代えて、躯体天井と情報処理機器室1の天井との間の空間を天井チャンバとして利用してもよい。なお、冷気送出口22および床下チャンバ24は、本発明の冷気送出部に相当し、還気取込口23およびダクト25(または天井チャンバ)は、本発明の還気取込部に相当する。
情報処理機器室1には、更に、天井に吊り下げ設置される天吊型空調機30が設けられる(図2および図3を参照)。天吊型空調機30は、直膨型の冷却コイルを有し、図示しない室外機との間を冷媒配管で接続された空調機であり、吸気口32と、吸気口32より吸気した暖気を温度調節することで冷気を生成する本体部と、生成された冷気を送出する送風口31と、を有する。冷媒は、冷媒流量を調節するための電子膨張弁(図示は省略する)を通過して、冷却コイルに供給される。なお、冷媒配管は、情報処理機器室1の上部を通り、1台の室外機に対して複数の天吊型空調機30を接続することが可能である。室外機には、空冷型、水冷型の何れの室外機が採用されてもよい。
また、天吊型空調機30は、冷気通路の温度を検出するための温度センサ(図示は省略する)によって検出された冷気通路の温度に応じて、稼動/停止、および運転能力を決定する。天吊型空調機30は、このように制御されることで、循環型空調システムによる空調を補助するように動作し、空調換気システム全体としての効率的な空調を実現する。なお、天吊型空調機30の設置台数または設置間隔は、情報処理機器室1における発熱負荷密度に応じて決定されることが好ましい。
また、冷気通路と暖気通路とを区画するために、情報処理機器室1の天井からガラスまたは樹脂ガラス等で製作した垂れ壁40が設けられる。なお、垂れ壁40は、気流のコアンダー効果によって、垂れ壁40に沿った安定した下降気流を形成する。このため、垂れ壁40はラック90の冷気通路側の上端に接する必要はない(但し、垂れ壁40はラック90に接して設けられてもよい)。より確実に暖気通路と冷気通路とを区画するために、垂れ壁40の高さH1は、ラック90と天井の間隔H2より長いことが好ましく、垂れ壁40の幅員W1は、ラック列長W2より長いことが好ましい(図3を参照)。本実施形態では、垂れ壁40は、冷気通路の両脇において、天井からラック90の上端より低い位置まで垂下されている。なお、垂れ壁40がラック90の上端より低い位置まで垂下されるために、垂れ壁40の下部とラック90との間には、若干の隙間があくこととなるが、高温の空気は通路を天井方向へ上昇するため、この隙間によって暖気と冷気とが混合することはない。また、天吊型空調機30の吸気口32は、暖気通路側に開放され、吸気口32と天吊型空調機30の本体とを繋ぐ吸気管は、垂れ壁40を貫通する。なお、本実施形態では、天吊型空調機30を備える空調換気システムについて説明しているが、循環系空調システムと換気装置10との組み合わせによって十分な冷却能力を得ることが出来る場合には、天吊型空調機30は設置されなくてもよい。
図4Aは、本実施形態に係る換気装置10を前面方向から見た斜視図であり、図4Bは、本実施形態に係る換気装置10を背面方向から見た斜視図である。換気装置10は、前面に設けられ、後述する排気ファン13の回転数等を設定および制御するための操作盤14と、同じく前面に設けられ、無停電で直流電力を排気ファン13に供給するための図示しないUPS(Uninterruptible Power Supply、無停電電源装置)と、両側面に設けられ、併設されたラック90内部の暖気を吸い込むための縦長の吸込口11と、背面に設けられ、ラック90内部より吸い込まれた暖気を排出する複数の排気口12と、吸込口11より暖気を吸い込んで排気口12より排気するための空気の流れを作り出すために各排気口12に設けられる排気ファン13と、を備える。但し、ラック90の間に挟まれずにラック列9の端に設けられる換気装置10では、吸込口11は、ラック90に面する一方の側面のみに設けられてもよい。なお、本実施形態では、UPSによって供給される直流電流による駆動を可能とするために、直流駆動の排気ファン1
3が採用される。また、操作盤14およびUPSは、換気装置10の前面に扉が設けられる場合には、換気装置10の内部であってこの扉を開けることでアクセス可能な位置に、前面に扉が設けられていない場合には、換気装置10の前面に露出した直接アクセス可能な位置に設けられる。
換気装置10は、情報処理機器群からの発熱によって温度上昇した暖気をラック90内部から吸引排出し、暖気通路側に放出することで、ラック90内部の圧力を冷気通路の圧力
より常に低く維持する。吸込口11は、上下方向にラック90の高さ全体に近い長さを有し、また、排気口12および排気ファン13は、上下方向にラック90の高さ全体に近い長さの列状に配置される。これによって、ラック90の上端から下端にかけて均一にラック90内の発熱を排出し、ラック90内部の温度分布に起因する温度差換気を防止することが出来る。但し、吸込口は、一続きの大きな開口である必要はなく、スリットおよび/またはパンチ孔状の開口が、ラック90の高さ全体に近い長さに亘って設けられてもよい。また、情報処理機器91は通常、内蔵ファンによって背面側に排気を行うことが多いため、換気装置10の吸込口11は、換気装置10の側面における背面寄りの位置、即ち併設されるラック90の背面寄りに設けられる。
より具体的には、換気装置10の吸込口11は、ラック90内部に設置された情報処理機器91の後端に一致するかそれより排気ファン13側(但し、排気ファンより前方)に設けられることが好ましい。このようにすることで、ラック90内の空気を攪拌することなく、ラック90前部からラック90後部への一方向の空気の流れに沿って、ラック90内の熱を排熱することが可能となり、更に、冷気通路とラック90内部との差圧をより効果的に維持することに資する。但し、吸込口11の位置や形状は、実施の形態に応じて適宜最適な位置および形状が採用されてよい。また、換気装置10は、密着してラック90とラック90の間に設置され、その寸法および形状は、幅150mm程度、ラック90と同一高さ(例えば2,000mm程度)およびラック90と同一奥行き(例えば900mm程度)の箱状であることが好ましい。
なお、本実施形態において用いられるラック90は、例えば、側面多孔板製または全面多孔板製のラックである。このようなラック90の側面に換気装置10を密着設置することで、ラック90の前面および背面にメンテナンス空間を確保しつつ、ラック90側面の多孔板のうち、換気装置10の吸込口11が接する部位は排気流路に連通し、吸込口11が接しない部位は換気装置10の側板によって閉塞される。そして、圧力差によって冷気通路と暖気通路とを区画し、高効率の情報処理機器冷却に必要な、一方向の気流の形成を担保することが出来る。
次に、本実施形態に係る空調換気システム全体における空気の流れを説明する。図1から3に示された白地矢印は冷気の流れ、斜線矢印は暖気の流れを示す。情報処理機器91の稼動によって発生した顕熱は、ラック90内部の空気の温度を上げる。ここで、換気装置10は、ラック90に密着して設けられており、排気ファン13の駆動によって、ラック90内の暖気を強制的に排気する。ここで、ラック90内の排気はラック90内の情報処理機器91に備えられたファン類よりも高い排気性能を有する換気装置10によって強制排気されるため、ラック90内において発生した熱は発生点から速やかに排除され、ラック90内での温度差のある空気の攪拌を防止することが出来る。
換気装置10によって暖気通路に排気された暖気は、循環系空調システムの還気取込口23より吸気されて循環系空調システムの本体(温度調節装置21)に送られるか、天吊型空調機30の暖気通路側の側面に設けられた吸気口32より吸気されて天吊型空調機30の本体部に送られる。なお、ここで還気取込口23より取り込まれた暖気は、天井裏のダクト25を通って温度調節装置21に送られる。そして、吸気された暖気は、循環系空
調システムの温度調節装置21または天吊型空調機30の本体部によって温度調節され、冷気となる。
循環系空調システムの温度調節装置21によって生成された冷気は、床面に設置された冷気送出口22から冷気通路へ供給される。なお、ここで温度調節装置21によって生成された冷気は、二重床内の床下チャンバ24を通って冷気送出口22へ送られる。また、天吊型空調機30の本体部によって生成された冷気は、送風口31を介して冷気通路に供給される。
ここで、先述した換気装置10による強制排気処理により、ラック90内部は、冷気通路に比べて低圧に保たれている。これによって、冷気通路に供給された冷気は、情報処理機器室1内で拡散することなく、積極的に冷気通路からラック90内部に流れ込み、ラック90に搭載された情報処理機器91等を高効率で冷却する。
また、循環系空調システムは、還気取込口23より取り込まれた還気と外気取込部より取り込まれた外気との合計量を空調した冷気を、二重床に設けられた冷気送出口22から冷気通路へ供給することで、冷気通路を、ラック90内部に比べて高圧に維持する。即ち、このことによっても、ラック90内部は、冷気通路に比べて低圧に維持される。更に、暖気通路の天井に設けられた還気取込口23から暖気を取り込んで循環系空調システムに還気し、還気した空気のうち、外気取込部によって取り込まれた外気分を排気することで、暖気通路は、ラック90内部に比べて低圧に維持される。なお、本実施形態では、空調システムによる外気の取り込みが行われて上記差圧が維持されるため、換気装置10の排気ファン13の能力は、換気装置10が併設されたラック90に取り込まれる空気の量と換気装置10によってこのラック90から吸引排出される空気の量とが略等しく(1対1)なるように設定される。但し、空調システムによる外気の取り込みが行われない場合には、ラック90に取り込まれる空気の量に対して換気装置10による吸引排出量が多くなるようにすることによって、冷気通路とラック90の内部との差圧を確保してもよい。
即ち、本実施形態によれば、冷気通路、ラック90内部、暖気通路の順に、より低圧となるため、情報処理機器室1全体において、区画された3空間の間における一方向の空気の流れが維持される。このため、排熱の拡散等が発生せず、発熱負荷密度が1kW/mを超えるような情報処理機器室1においても、空調機によって供給される冷気を用いて、情報処理機器91等からの発熱を高効率に、且つ安定して除熱することが可能となる。また、天吊型空調機30は、暖気通路上部より吸気し、生成した冷気を冷気通路上部から供給するが、天吊型空調機30による吸気および冷気の供給が行われる情報処理機器室1の上部空間は、垂れ壁40によって冷気通路と暖気通路とが区画されている。このことによっても、冷気通路、ラック90内部および暖気通路の間の差圧は維持される。
本実施形態によれば、換気装置10がラック90側面に設けられ、更に、ラック90前面および背面に面した空間は冷気通路および暖気通路として利用されるために、ラック90の前面および背面のメンテナンス空間を確実に確保することが出来る。また、冷気通路、ラック90内部および暖気通路の間に圧力差を設定し、圧力差に応じた気流方向を確保するため、情報処理機器室1に設置された空調システムの顕熱負荷処理能力を向上させるためにラック90またはラック90に搭載される情報処理機器91等に特別な変更、改造等を行うことが不要であり、ラック90の配置変更や搭載情報処理機器の変更にも柔軟に対応することが出来、運用上のフレキシビリティを完全に確保することが可能である。
実施形態に係る換気装置を含む空調換気システムが設置された情報処理機器室を示す平面図である。 実施形態に係る空調換気システムが設置された情報処理機器室を示す側面図である。 実施形態に係るラック列におけるラックと換気装置との並びを示す図である。 実施形態に係る換気装置を前面方向から見た斜視図である。 実施形態に係る換気装置を背面方向から見た斜視図である。 従来の空調システムが設置された情報処理機器室を示す側面図である。 従来の天吊型空調機を含む空調システムが設置された情報処理機器室を示す側面図である。
符号の説明
1 情報処理機器室
10 換気装置
11 吸込口
12 排気口
13 排気ファン
14 操作盤
21 温度調節装置
22 冷気送出口
23 還気取込口
24 床下チャンバ
25 ダクト
30 天吊型空調機
31 送風口
32 吸気口
40 垂れ壁

Claims (9)

  1. 側面全体が開口するラックの側面に面する吸込口であって、情報処理機器が搭載されるラックに併設された状態で該ラックの側面に面し、該ラックに搭載された情報処理機器の後端より後方且つ排気ファンより前方に設けられる吸込口と、
    背面に設けられた排気口であって、前記ラックに併設された状態で該ラックの背面側の空間に面する排気口と、
    前記排気口近傍に設けられた排気ファンを駆動することによって、前記ラック内部の空気を前記吸込口より吸い込み、前記排気口より該ラックの背面側へ排気することで、該ラック内部を該ラック前面側の空間に比べて低圧とする排気手段と、を備え、
    前記吸込口は、スリット状の開口とパンチ孔状の開口とのうち少なくとも何れか一つの開口が、前記ラックの高さ全体に近い長さに亘って設けられている換気装置。
  2. 前記ラックに併設された状態で該ラックの側面のみを覆う略直方体の形状を有することで、該ラック前面および背面からの該ラック内部へのアクセスを許可する、請求項1に記載の換気装置。
  3. 前記換気装置の前面近傍に設けられ、前記排気手段に電源を供給する無停電電源装置を更に備える、請求項1または2に記載の換気装置。
  4. 情報処理機器が搭載されたラックの列が設置された情報処理機器室の空調を行うための空調換気システムであって、
    前記ラックの列の両側に形成された空気の通路のうちの一方である暖気通路から空気を取り込む還気取込部、該還気取込部によって取り込まれた空気の温度調節を行うことで冷気を生成する温度調節部、および該温度調節部によって生成された冷気を前記ラックの列の両側に形成された空気の通路のうちの他方である冷気通路へ供給するための冷気送出部を有する空調システムと、
    前記ラックに併設される換気装置であって、該換気装置の側面に設けられて側面全体が開口するラックの側面に面し、該ラックに搭載された情報処理機器の後端より後方且つ排気ファンより前方に設けられる吸込口と、該換気装置の背面に設けられて前記暖気通路に面する排気口と、前記排気口近傍に設けられた排気ファンを駆動することによって、前記
    ラック内部の空気を前記吸込口より吸い込み、前記排気口より前記暖気通路へ排気することで、該ラック内部を前記冷気通路に比べて低圧とし、前記空調システムによって前記冷気通路へ供給された冷気を該ラック内部へ取り込ませる排気手段と、を備える換気装置と、を備え、
    前記吸込口は、スリット状の開口とパンチ孔状の開口とのうち少なくとも何れか一つの開口が、前記ラックの高さ全体に近い長さに亘って設けられている空調換気システム。
  5. 前記ラックは、該ラックに搭載された前記情報処理機器の、メンテナンスの際にアクセスされる前後面が前記冷気通路側および前記暖気通路側を向くように並べられ、
    前記換気装置は、前記ラックに併設された状態で該ラックの側面のみを覆う略直方体の形状を有し、該換気装置幅分の間隔をおいて並べられたラックの間に挟まれて設置される、請求項4に記載の空調換気システム。
  6. 前記ラックは、側面多孔板製または全面多孔板製であることで、搭載された情報処理機器から発生する熱を放熱するための開口を少なくとも側面に有する、請求項4または5に記載の空調換気システム。
  7. 前記情報処理機器室の天井付近に設けられ、前記暖気通路より吸気し、吸気した空気より冷気を生成し、生成した冷気を前記冷気通路へ供給する空調機を更に備える、請求項4からの何れか一項に記載の空調換気システム。
  8. 前記情報処理機器室の天井に、前記ラックの列に沿って設けられ、前記冷気通路と前記暖気通路との間での冷気と暖気との混合を防止する垂れ壁を更に備え、
    前記空調機は、前記冷気通路の上方に設置された本体、該本体に設けられて前記冷気通路に開口する送風口、および前記垂れ壁を貫通する吸気管を介して該本体に接続されるこる吸気口を有する、請求項に記載の空調換気システム。
  9. 前記垂れ壁は、前記ラックの上端よりも下方まで達する縦長、および前記ラックの列の両端よりも外側まで達する幅員のうち少なくとも何れかを有する、請求項に記載の空調換気システム。
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