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JP5606882B2 - 太陽光発電診断装置 - Google Patents
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JP5606882B2 - 太陽光発電診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光発電システムの故障を診断する太陽光発電診断装置に関する。
近年、化石燃料の使用に伴う二酸化炭素等の排出による地球の温暖化、原子力発電所の事故や放射性廃棄物による放射能汚染など、地球環境とエネルギーに対する関心が高まっている。このような状況の下、太陽の入射光を利用した光電変換素子である太陽電池は無尽蔵かつクリーンなエネルギー源として注目されている。
太陽光発電システムの一つに、図1に示すような、系統連系型のシステムがある。太陽電池アレイ10にて発電される電力は、パワーコンディショナ20を介して、商用系統などの電力系統へ供給される。パワーコンディショナ20は、DC/AC変換を行い、効率的に電力を取り出す。
ところで、太陽電池アレイ10は、一辺が1〜2m程度の太陽電池モジュール11で構成されている。太陽電池モジュール11は、一辺が10cm程度の太陽電池セル12を縦横に並べて構成されている。太陽電池モジュール11を直列に接続したものを太陽電池ストリング13と呼ぶ。
このとき、例えば太陽電池ストリング13を構成する太陽電池モジュール11の一つが故障すると、その分だけ、該当する太陽電池ストリング13からの発電量は小さくなり、太陽電池アレイ10全体の発電量が小さくなる。
ところが、太陽光発電システムにおける発電量は、日射量によっても大きく変化するため、発電量が低下したとしても、太陽電池モジュール11などの故障による発電量の低下なのか、日射量の低下による発電量の低下なのか、の判断は容易ではない。
これを解決するための技術として、設置場所の地形、気象条件、システム自体の構成などの太陽光発電システムの設置条件を入力し、正常稼働時の基準出力特性を算出し、この基準出力特性と稼働中の太陽光発電システムにおける出力特性を比較し、比較結果に基づいて故障診断を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−326375号公報
しかしながら、特許文献1に記載される技術では、設置条件から基準出力特性を算出するものであり、例えば日射量を計測する日射計などが必要となるなど、装置構成が複雑になる虞がある。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、設置条件などの入力を必ずしも必須とせず、太陽光発電システムからの出力に基づき、適切な故障診断を実現することにある。
上述した目的を達成するためになされた請求項1に記載の太陽光発電診断装置は、情報取得部と、情報記憶部と、診断部とを備えている。
情報取得部は、太陽光発電システムに具備される計測器から、発電量を導出可能な発電相当量を取得する。発電相当量は、発電量そのものであってもよいし、発電量を導出可能な電流量であってもよい。例えば太陽電池アレイで発電される電力は数秒ごとにサンプリングされることを前提に、これらサンプリングデータを基に1分間の平均発電量を発電相当量とすることが考えられる。また、情報記憶部は、情報取得部にて取得される離散的な発電相当量を過去から現在にわたって記憶するためのものである。
そして、診断部により、情報記憶部に記憶された発電相当量に基づき、基準値算出処理、評価値算出処理、及び、故障判断処理が実行される。
基準値算出処理では、情報記憶部にて記憶された発電相当量に基づき、サンプル期間の特定の評価時間帯における発電相当量から上位の発電相当量が抽出される。サンプル期間は、故障判断の基準となる期間であり、例えば過去一ヶ月の期間として設定される。サンプル期間には、後述する評価期間よりも過去の期間が設定されるのであるが、部分的に重なる場合も考えられる。また、抽出されたサンプル期間の発電相当量に応じた基準値が算出される。例えば基準値は、サンプル期間における上位の発電相当量の平均値として算出されるという具合である。
一方、評価値算出処理では、情報記憶部にて記憶された発電相当量に基づき、評価期間の評価時間帯における発電相当量から上位の発電相当量が抽出される。評価期間は、例えば過去一週間の期間として設定される。また、抽出された評価期間の発電相当量に応じた評価値が算出される。例えば評価値は、評価期間における上位の発電相当量の平均値として算出されるという具合である。
なお、評価時間帯は、任意に設定すればよく、例えば半日であってもよいし、1日であってもよい。また、数日〜数ヶ月という時間帯を設定してもよい。また、評価時間帯における発電相当量は、積算処理されたものとしてもよいし、平均処理されたものとしてもよい。このように、発電相当量から評価時間帯における発電相当量を算出する際、積算処理や平均処理が必要なことを考えると、上述した情報記憶部には、積算処理や平均処理された後のデータを記憶するようにしてもよい。
そして、故障判断処理では、基準値と評価値との差分を求めることによって、故障が判断される。
つまり、過去のサンプル期間の発電相当量と評価対象となる評価期間の発電相当量とに基づき故障を判断するのであるが、それぞれの期間で上位の発電相当量を抽出することにより、日射量が十分な条件の下、両期間の発電相当量を比較するのである。これにより、設置条件などの入力を不要とし、太陽光発電システムからの出力に基づき、適切な故障診断を実現することができる。
ところで、サンプル期間の発電相当量のうち上位のものを抽出する際、請求項2に示すように、サンプル期間の発電相当量のうち最上位からM(Mは自然数)番目までの発電相当量を抽出することが考えられる。例えば、最上位から3番目までの発電相当量を抽出するという具合である。また、雲の移動に起因する瞬間的な日射強度の増加によりあるタイミングで発電相当量が定常時よりも大きく計測される場合があることを考慮して、請求項3に示すように、サンプル期間の発電相当量のうち上位M´番目まで(M´は自然数)の発電相当量を除く上位の発電相当量を抽出するようにしてもよい。
一方、評価期間の発電相当量のうち上位のものを抽出する際、サンプル期間の場合と同様、請求項4に示すように、評価期間の発電相当量のうち最上位からN(Nは自然数)番目までの発電相当量を抽出することが考えられる。また、雲の移動に起因する瞬間的な日射強度の増加によりあるタイミングで発電相当量が定常時よりも大きく計測される場合があることを考慮して、請求項5に示すように、評価期間の発電相当量のうち上位N´番目まで(N´は自然数)の発電相当量を除く上位の発電相当量を抽出するようにしてもよい。
より具体的に説明すれば、例えば、それぞれの期間における最上位から3番目までの3つの発電相当量を抽出することが考えられる。また例えば、それぞれの期間における最上位を除く2番目から4番目までの3つの発電相当量を抽出することが考えられる。ただし、各期間で同じ数の発電相当量を抽出することには限定されず、例えば、サンプル期間では上位5つの発電相当量を抽出し、評価期間では上位3つの発電相当量を抽出してもよい。また、必ずしも複数の発電相当量を抽出する必要はなく、最上位の発電相当量だけを抽出する構成や2番目の発電相当量だけを抽出する構成も含まれる。
このように上位の発電相当量を抽出するようにすれば、十分な日射量となる蓋然性が高く、妥当な発電相当量を抽出することができ、サンプル期間に基づく基準値及び、評価期間に基づく評価値が妥当なものとなる。
ところで、基準値及び評価値は、上述したように、抽出した発電相当量の平均値とすることが考えられる(請求項6)。ただし、サンプル期間の中に故障した後の発電相当量が含まれると、平均値が大きく推移して基準値としての用を成さない可能性がある。
そこで、請求項7に示すように、過去の複数のサンプル期間における基準値の推移に基づき基準値の経時変化を予測するためのトレンドが設定されるようになっており、診断部は、基準値算出処理にて算出された基準値がトレンドから外れている場合、当該基準値による故障判断処理を行わないようにしてもよい。つまり、基準値の推移を記録してトレンド管理するのである。
「トレンド」は、複数の基準値から例えば最小二乗法で近似されるトレンド直線として設定することが考えられる。この場合、トレンド直線からの乖離度によって基準値がトレンドから外れているか否かを判断する。もちろん、直線でなく曲線で近似してもよい。また、「トレンド」は、複数の基準値の推移から基準値の上限及び下限を示すトレンド範囲として設定することが考えられる。この場合、基準値がトレンド範囲から外れているか否かを判断する。
このようにすれば、たとえサンプル期間の中に故障した後の発電相当量が含まれた場合であっても、従来のトレンドから大きく逸脱する基準値は、サンプルデータとして不適切と判断することができる。また、トレンドは、多照年や寡照年などの気象状況、温度変化などの季節的要因、PVモジュールの経年劣化などを加味して設定することが考えられる。このように基準値をトレンド管理すれば、気象状況、季節的要因、経年劣化などから想定される変化幅を逸脱する変化が基準値に生じていることをもって、故障を判断することもできる。
この意味で、「太陽光発電システムに具備される計測器から、発電量を導出可能な発電相当量を取得する情報取得部と、前記情報取得部にて取得される離散的な前記発電相当量を過去から現在にわたって記憶するための情報記憶部と、前記情報記憶部にて記憶された前記発電相当量に基づき、故障判断の基準となる期間であるサンプル期間の特定の評価時間帯における発電相当量から上位の発電相当量を抽出し、当該発電相当量に応じた基準値を算出する基準値算出処理、及び、前記基準値に基づいて故障を判断する故障判断処理、を実行可能な診断部とを備え、過去の複数のサンプル期間における前記基準値の推移に基づき前記基準値の経時変化を予測するためのトレンドが設定されるようになっており、前記診断部は、前記基準値算出処理にて算出された前記基準値が前記トレンドから外れている場合、前記故障判断処理にて故障したと判断することを特徴とする太陽光発電診断装置。」としてもよい。
なお、さらに故障診断の精度を向上させるという観点から、請求項8に示すように、特定の評価時間帯として複数の時間帯を設定するようにしてもよい。この場合、診断部は、基準値算出処理及び評価値算出処理にて複数の時間帯における基準値及び評価値を算出し、故障判断処理にて、複数の時間帯のそれぞれについて基準値と評価値との差分を求めることにより、故障を判断する。このようにすれば、一つの評価時間帯だけでなく、複数の評価時間帯についての総合的な判断がなされるため、さらに故障診断の精度を向上させることができる。
また、故障診断の精度を向上させるという観点から、請求項9に示すように、特定の評価時間帯として複数の時間帯が設定されることを前提に、診断部は、基準値算出処理及び評価値算出処理にて複数の時間帯のそれぞれにおけるピーク値を上位の発電相当量として抽出し、複数の時間帯におけるピーク値を積算処理して基準値及び評価値を算出し、故障判断処理にて、基準値と評価値との差分を求めることにより、故障を判断するようにしてもよい。例えば、6時〜7時、7時〜8時、8時〜9時、・・・という具合に1時間毎に評価時間帯を設定し、サンプル期間及び評価期間におけるピーク値をそれぞれの評価時間帯における上位の発電相当量として抽出し、抽出したピーク値を積算して晴天時の日積算発電量として基準値及び評価値を算出するという具合である。このようにすれば、一つの評価時間帯だけでなく、複数の評価時間帯についての総合的な判断がなされるため、さらに故障診断の精度を向上させることができる。
ところで、上述したように過去一ヶ月間をサンプル期間とし過去一週間を評価期間とすることが一例として考えられるが、サンプル期間及び評価期間は任意に設定すればよい。
そこで、請求項10に示すように、サンプル期間及び評価期間の少なくとも一方は、設定変更可能となっていることとしてもよい。例えば季節などで異なる日射量を考慮して妥当なサンプル期間及び評価期間を設定すれば、確実な故障診断に寄与する。
なお、日射量が十分な場合に故障診断の正当性が高くなることに鑑み、請求項11に示すように、評価時間帯が太陽の南中時刻を含むようにするとよい。このようにすれば、故障診断の正当性が高くなる。
また、請求項12に示すように、故障判断処理によって故障したと判断された回数が予め設定された設定回数を越えると、通知部が、故障診断の結果を外部へ通知するようにしてもよい。このようにすれば、例えば利用者以外の第三者が故障を管理することもできるため、確実な故障の発見につながる。
このように複数回の故障判断を行うような構成では、請求項13に示すように、故障判断処理にて故障したと判断した場合、当該判断時の評価期間を、次の故障判断処理では、サンプル期間から外すようにすることが好ましい。このようにすれば、サンプル期間における発電相当量の信頼性を向上させることができ、サンプルの精度を向上させることができる。
太陽光発電システムを模式的に示す説明図である。 太陽光発電診断装置を示す機能ブロック図である。 診断処理の一例を示すフローチャートである。 サンプル期間における基準値の算出の一例を示す説明図であり、(a)はサンプル期間の評価時間帯における発電量を示し、(b)は上位の発電量の抽出を示し、(c)はサンプル期間における基準値を示す説明図である。 評価期間における評価値の算出の一例を示す説明図であり、(a)は評価期間の評価時間帯における発電量を示し、(b)は上位の発電量の抽出を示し、(c)は評価期間における評価値を示す説明図である。 故障判断の手法の一例を示す説明図である。 サンプル期間における基準値の算出の別例を示す説明図であり、(a)はサンプル期間の評価時間帯における発電量を示し、(b)は上位の発電量の抽出を示し、(c)はサンプル期間における基準値を示す説明図である。 評価期間における評価値の算出の別例を示す説明図であり、(a)は評価期間の評価時間帯における発電量を示し、(b)は上位の発電量の抽出を示し、(c)は評価期間における評価値を示す説明図である。 故障判断の手法の別例を示す説明図である。 発電量の抽出方法の別例を示す説明図である。 複数の評価時間帯を設定する場合の別手法を示す説明図である。 基準値のトレンド管理を示す説明図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。図2は、太陽光発電診断装置の機能ブロック図である。
図2に示すように、太陽光発電診断装置30は、太陽光発電システムに対して用いられる。太陽光発電システムでは、図1に示したように、太陽電池アレイ10にて発電される電力がPCS20にて取り出されて商用系統などの電力系統へ供給される。
太陽光発電診断装置30は、計測データ受信部31、実績履歴DB部32、ユーザ設定部33、診断部34、表示部35、及び、送信部36を備えている。
計測データ受信部31は、太陽光発電システム側の計測器50から各種の情報を取得するための構成である。例えば、コンピュータシステムの入力ポートとして具現化される。なお、計測器50からの情報は、有線で取得されるようにしてもよいし、無線で取得されるようにしてもよい。
計測器50は、電力計測部52を有している。電力計測部52は、発電量を送信する。なお、電力計測部52はPCS20の機能として実現されるが、計測器50自体がPCS20の機能として実現されることもある。
発電量は、1分間の平均発電量となっている。詳しく言うと、電力計測部52は、太陽電池アレイ10にて発電される電力を所定秒(例えば6秒)ごとにサンプリングし、1分間の平均の発電量を送信する。
計測データ受信部31にて受信された情報は、実績履歴DB部32に記憶される。上述したように、発電量は1分間の平均発電量である。また、実績履歴DB部32には、ユーザ設定部33にて設定される各種のパラメータが記憶されている。
診断部34は、演算処理部37、及び、故障判断処理部38を有している。
演算処理部37は、サンプル期間の評価時間帯における発電量を算出する。具体的に、演算処理部37は、実績履歴DB部32に記憶された1分間の発電量を基に、積算処理を行い、サンプル期間の評価時間帯における発電量を求める。また、演算処理部37は、サンプル期間の評価時間帯における発電量のうち最上位から3番目までの発電量を抽出し、これら発電量の平均値を求める。この平均値が、基準値となる。
さらにまた、演算処理部37は、評価期間の評価時間帯における発電量を算出する。具体的に、演算処理部37は、実績履歴DB部32に記憶された1分間の発電量を基に、積算処理を行い、評価期間の評価時間帯における発電量を求める。また、演算処理部37は、評価期間の評価時間帯における発電量のうち最上位から3番目までの発電量を抽出し、これら発電量の平均値を求める。この平均値が、評価値となる。
なお、本実施形態では、評価時間帯は、南中時刻を含む11〜12時の一時間として設定されている。また、サンプル期間は、過去一ヶ月(30日)として設定されており、一方、評価期間は、評価日を含む直近の一週間(7日)として設定されている。
故障判断処理部38は、基準値と評価値とを比較して、故障を判断する。具体的には、基準値と評価値との差分を求め、基準値と評価値との差分乖離度(差分率)を求める。そして、この差分乖離度が予め定められた設定乖離度よりも大きい場合に、故障した、と判断する。
表示部35は、例えば液晶表示装置として具現化される。表示部35には、故障判断処理部38によって故障したとの判断がなされた場合、その旨が表示される。また、送信部36は、コンピュータシステムの出力ポートとして具現化され、所定条件成立時に、外部コンピュータシステムへ、故障診断結果を通知する。
次に、診断処理の一例を、図3のフローチャートに基づいて説明する。
最初のS100では、発電量を取得する。この処理は、図2中の計測器50からの情報を、計測データ受信部31にて取得するものである。
続くS110では、発電量を記憶する。この処理は、S100にて受信した発電量を、図2中の実績履歴DB部32に記憶するものである。これにより、上述したように、1分間の平均発電量が記憶されることになる。
次のS120では、サンプル期間の発電量を算出して抽出する。例えば、図4(a)に示すように、サンプル期間である4月4日から5月3日までの評価時間帯における発電量をそれぞれ積算して算出する。そして、最上位から3番目までの発電量を抽出する。図4(a)に示した例では、4月8日がランク「1」で最上位となっており、4月17日がランク「2」で2番目となっており、4月25日がランク「3」で3番目となっている。したがって、図4(b)に示すごとく、これらの発電量が抽出される。
次のS130では、サンプル期間の発電量に基づく基準値を算出する。この処理は、S120にて抽出した最上位から3番目までの発電量の平均値を求めるものである。この平均値が基準値として採用される。図4(a)の例では、図4(c)に示すように、基準値が「8.912」として算出される。
続くS140では、評価期間の発電量を算出して抽出する。例えば、図5(a)に示すように、評価期間である5月4日から5月10日までの評価時間帯における発電量をそれぞれ積算して算出する。そして、最上位から3番目までの発電量を抽出する。図5(a)に示した例では、5月9日がランク「1」で最上位となっており、5月6日がランク「2」で2番目となっており、5月5日がランク「3」で3番目となっている。したがって、図5(b)に示すごとく、これらの発電量が抽出される。
次のS150では、評価期間の発電量に基づく評価値を算出する。この処理は、S140にて抽出した最上位から3番目までの発電量の平均値を求めるものである。この平均値が評価値として採用される。図5(a)の例では、図5(c)に示すように、評価値が「7.668」として算出される。
続くS160では、S130及びS150で算出した基準値及び評価値に基づき、故障を判断する。具体的には、基準値と評価値との差分を求め、この差分から差分乖離度を算出する。例えば図6に示すように、差分が「−1.244」として、差分乖離度が「−13.96」として求められる。そして、予め定められる設定乖離度を差分乖離度が上回っている場合には、故障したと判断する。
故障判断後に実行されるS170では、故障したことを表示する。この処理は、表示部35(図2参照)を介して故障したことを知らせるものである。
次のS180では、故障回数をインクリメントする。故障回数は、故障判断が累積して何回なされたかを示すものである。
続くS190では、故障回数が予め設定される設定回数を越えたか否かを判断する。ここで設定回数を越えたと判断された場合(S190:YES)、S200にて故障したことを送信部36(図2参照)から外部へ通知し、その後、診断処理を終了する。なお、故障診断結果及び故障回数は、例えば図2に示すように、実績履歴DB部32に記憶しておくことが考えられる。一方、設定回数を越えていないと判断された場合(S190:NO)、S200の処理を実行せず、診断処理を終了する。
次に、太陽光発電診断装置30の発揮する効果を説明する。
本実施形態では、発電量を取得し(図3中のS100)、この発電量を記憶しておき(S110)、サンプル期間の評価時間帯における発電量を算出し、これらのうちで上位の発電量を抽出し(S120)、その平均値を基準値とする(S130)。また、評価期間の評価時間帯における発電量を算出し、これらのうちで上位の発電量を抽出し(S140)、その平均値を評価値とする(S150)。そして、基準値と評価値との差分に基づき、システムの故障を判断する(S160)。
つまり、本実施形態では、過去のサンプル期間の発電量と評価対象となる評価期間の発電量とに基づき故障を判断するのであるが、それぞれの期間で上位の発電量を抽出することにより、日射量が十分な条件の下、両期間の発電相当量を比較するのである。これにより、設置条件などの入力を不要とし、太陽光発電システムからの出力に基づき、適切な故障診断を実現することができる。
また、図2に示すように、日射量や温度情報を取得する構成は、不要となる。
さらにまた、上位の発電量を抽出することにより、たとえデータが欠損している場合であっても、妥当な故障診断が行える。例えば図4(a)では、4月14日の発電量が「0」となっておりデータが欠損していると思われるが、このデータは故障診断に用いられないため、妥当な故障診断が実現される。
また、本実施形態では、評価時間帯が11時〜12時となっており、太陽の南中時刻が含まれる。これにより、日射量が十分となる可能性が高くなり、故障診断の正当性が高くなる。
さらにまた、本実施形態では、故障回数をインクリメントし(図3中のS180)、予め設定される設定回数を故障回数が越えた場合(S190:YES)、外部へ通知する(S200)。これにより、例えば利用者以外の第三者が故障を管理することもできるため、確実な故障の発見につながる。
なお、本実施形態における計測器50が「太陽光発電システムに具備される計測器」に相当する。また、本実施形態における太陽光発電診断装置30が「太陽光発電診断装置」に相当し、計測データ受信部31が「情報取得部」に相当し、実績履歴DB部32が「情報記憶部」に相当し、診断部34が「診断部」に相当し、送信部36が「通知部」に相当する。
さらにまた、演算処理部37の機能としての処理が「基準値算出処理」及び「評価値算出処理」に相当し、図3中のS120〜S150として具現化される。さらにまた、故障判断処理部38の機能としての処理が「故障判断処理」に相当し、図3中のS160として具現化される。
以上、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施できる。
(イ)上記実施形態では、評価時間帯を11時〜12時として設定し、当該一つの評価時間帯について基準値及び評価値を算出し、故障診断を行っていた。
これに対し、複数の評価時間帯を設定し、複数の評価時間帯における基準値及び評価値を算出して、評価時間帯毎に基準値及び評価値による故障判断を行ってもよい。例えば、11時〜12時、及び、12時〜13時という2つの評価時間帯を設定するという具合である。
この場合は、図3中のS120及びS130において、サンプル期間である4月4日から5月3日まで、2つの評価時間帯のそれぞれについて発電量を算出する(図7(a)参照)。次に、それぞれの評価時間帯で、最上位から3番目までの発電量を抽出して、基準値を算出する(図7(b),(c)参照)。
また、図3中のS140及びS150において、評価期間である5月4日から5月10日まで、2つの評価時間帯のそれぞれについて発電量を算出する(図8(a)参照)。次に、それぞれの評価時間帯で、最上位から3番目までの発電量を抽出して、評価値を算出する(図8(b),(c)参照)。
そして、S160では、評価時間帯ごとに基準値と評価値との差分及び差分乖離度を求め、故障を判断する(図9参照)。このときは、図9(b)に示すように、2つの時間帯のいずれの時間帯においても「故障」と判断された場合に、総合的に「故障」と判断することが考えられる。また、図9(c)に示すように、2つの時間帯のいずれか一方の時間帯で「故障」と判断された場合に、総合的に「故障」と判断することが考えられる。
このようにすれば、一つの評価時間帯だけでなく、複数の評価時間帯についての総合的な判断がなされるため、さらに故障診断の精度を向上させることができる。
(ロ)また、複数の評価時間帯を設定する場合、複数の時間帯におけるピーク値を積算処理して基準値及び評価値を算出し、基準値と評価値との差分を求めることにより、故障を判断するようにしてもよい。
具体的には、図11(a)に示すように、例えば10月1日から10月5日までの5日間をサンプル期間とし、1日のうち6時から18時までの間、1時間毎の発電量を算出する。そして、各時間帯におけるピーク値を求める。図11(a)では、記号Cで示す丸印をつけてピーク値を示した。図11(b)は、日毎の6時〜18時の発電量の積算を示すものである。ここで、最も右側に示すグラフは、各時間帯におけるピーク値の積算(最大値積算)となっている。この最大値積算を基準値として採用することが考えられる。なお、評価値についても同様に、評価期間の各時間帯におけるピーク値を積算して求める。
つまり、ここでは、抽出したピーク値を積算し、晴天時の日積算発電量として基準値及び評価値を算出するのである。このようにすれば、一つの評価時間帯だけでなく、複数の評価時間帯についての総合的な判断がなされるため、さらに故障診断の精度を向上させることができる。
(ハ)また、繰り返し故障診断を行う場合、基準値をトレンド管理することが考えられる。例えば、過去の複数のサンプル期間における基準値の推移に基づき基準値の経時変化を示すトレンドを設定する。
具体的には、図12(a)に示すように、t日間という過去の複数のサンプル期間における基準値の推移を基に、最小二乗法などによって、基準値のトレンド直線を算出することが考えられる。ここでは直線で示したが、曲線であってもよい。このとき、このトレンド直線からの乖離度に基づき、基準値がトレンドから外れていると判断された場合(記号Kで示す基準値)、当該基準値を故障診断に用いないようにしてもよい。
また、図12(b)に示すように、t日間という過去の複数のサンプル期間における基準値の推移を基に、基準値の上限及び下限を示すトレンド範囲を算出することが考えられる。このとき、基準値がトレンド範囲から外れている場合(記号K1,K2で示す基準値)、当該基準値を故障判断に用いないようにしてもよい。
このようにすれば、たとえサンプル期間の中に故障した後の発電量が含まれた場合であっても、従来のトレンドから大きく逸脱する基準値は、サンプルデータとして不適切と判断することができる。その結果、基準値を妥当なものとすることができる。
さらに、基準値がトレンドから外れている場合には、評価値を用いることなく、故障したとの診断を行うことも考えられる。なお、この場合、多照年や寡照年などの気象状況、温度変化などの季節的要因、PVモジュールの経年劣化などを加味して設定することが考えられる。このように基準値をトレンド管理すれば、気象状況、季節的要因、経年劣化などから想定される変化幅を逸脱する変化が基準値に生じていることをもって、故障を判断することもできる。
(ニ)上記実施形態では、サンプル期間及び評価期間の発電量を抽出する際、最上位から3番目までの発電量を抽出するようにしていた。
抽出する発電量の数は特に限定されない。例えば、1つ、2つ、あるいは、4つ以上の発電量を抽出するようにしてもよい。また、サンプル期間から抽出される数と評価期間から抽出される数とが違っていてもよい。さらにまた、発電量があるタイミングで実際よりも大きく計測される場合があることを考慮して、最上位あるいは最上位から所定番目までの発電量を除く上位の発電量を抽出するようにしてもよい。例えば、サンプル期間及び評価期間のそれぞれから2番目の発電量を抽出し、この2つの発電量を基準値及び評価値としてもよい(図10参照)。
(ホ)上記実施形態では、評価時間帯を12時〜13時の1時間としているが、例えば1時間を上回る時間帯を設定してもよい。半日、1日、数日、数ヶ月を評価時間帯とすることも考えられる。また、上記実施形態では評価時間帯の発電量を積算処理で算出しているが、評価時間帯の発電量を平均処理で算出してもよい。
(へ)上記実施形態では、計測器50から送信される情報をそのまま実績履歴DB32に記憶しているが、上記(ハ)で説明した評価時間帯に合わせて積算処理をした後のデータを実績履歴DB部32に記憶するようにしてもよい。この場合、図2に破線で示すように、計測データ受信部31にて受信された情報を、データ処理部39によって前処理することが例示される。
(ト)上記実施形態では、抽出された発電量の平均値を基準値及び評価値としていた(図3中のS130及びS150)。これに対し、抽出された発電量の中央値を基準値及び評価値としてもよい。また、抽出された発電量の標準偏差を用いて基準値及び評価値を算出するようにしてもよい。このようにすれば、サンプル期間や評価期間に故障後の発電量が含まれる場合であっても、基準値や評価値が大きく推移することがなく、妥当な基準値及び評価値が得易い。
(チ)上記実施形態では、発電量を取得する構成であったが(図3中のS100)、発電量を導出可能な電流量を取得するようにしてもよい。また、差分から差分乖離度を算出するようにしていたが、差分そのもので故障を判断するようにしてもよい。
(リ)上記実施形態では、故障診断結果及び故障回数を、実績履歴DB部32に記憶している。このとき、故障診断結果に基づき、故障したと判断された評価期間は、次の故障判断において、サンプル期間から外すようにすることが考えられる。具体的には、図3中のS130にて、サンプル期間に故障したと判断された評価期間を含む場合、その評価期間分だけ過去に遡ってサンプル期間を設定するという具合である。このようにすれば、サンプル期間における発電量の信頼性を向上させることができ、サンプルの精度を向上させることができる。
(ヌ)上記実施形態では、サンプル期間の評価時間帯における発電量を算出し、それらのうちで最上位から3番目の発電量を抽出して基準値を算出していた。
これに対し、例えば一日毎に評価時間帯の発電量を算出し、過去の発電量と比較して、例えば最上位から3番目までの発電量を常に保持する構成としてもよい。
(ル)上記実施形態は稼働中の出力を取得するものであったが(図3中のS100)、例えば夜の決まった時間に人工光源を用いて発電を行うようにし、これを実績履歴DB部32に保存することにより、同様の故障診断を行うようにしてもよい。
(ヲ)上記実施形態では、系統連系システムを例に挙げたが、系統連系しない独立型の太陽光発電システムでも、同様に適当することができる。
10:太陽電池アレイ
11:太陽電池モジュール
12:太陽電池セル
13:太陽電池ストリング
20:パワーコンディショナ(PCS)
30:太陽光発電診断装置
31:計測データ受信部
32:実績履歴DB部
33:ユーザ設定部
34:診断部
35:表示部
36:送信部
37:乖離度算出処理部
38:故障判断処理部
39:データ処理部
50:計測器
52:電力計測部

Claims (13)

  1. 太陽光発電システムに具備される計測器から、発電量を導出可能な発電相当量を取得する情報取得部と、
    前記情報取得部にて取得される離散的な前記発電相当量を過去から現在にわたって記憶するための情報記憶部と、
    前記情報記憶部にて記憶された前記発電相当量に基づき、故障判断の基準となる期間であるサンプル期間の特定の評価時間帯における発電相当量から上位の発電相当量を抽出し、当該発電相当量に応じた基準値を算出する基準値算出処理、
    前記情報記憶部にて記憶された前記発電相当量に基づき、評価期間の前記評価時間帯における発電相当量から上位の発電相当量を抽出し、当該発電相当量に応じた評価値を算出する評価値算出処理、
    及び、前記基準値と前記評価値との差分を求めることによって、故障を判断する故障判断処理、
    を実行可能な診断部と、
    を備えていることを特徴とする太陽光発電診断装置。
  2. 請求項1に記載の太陽光発電診断装置において、
    前記診断部は、前記基準値算出処理にて、前記サンプル期間の発電相当量のうち、最上位からM番目までの発電相当量を抽出すること
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
  3. 請求項1に記載の太陽光発電診断装置において、
    前記診断部は、前記基準値算出処理にて、前記サンプル期間の発電相当量のうち、上位M´番目までの発電相当量を除く上位の発電相当量を抽出すること
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽光発電診断装置において、
    前記診断部は、前記評価値算出処理にて、前記評価期間の発電相当量のうち、最上位からN番目までの発電相当量を抽出すること
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽光発電診断装置において、
    前記診断部は、前記評価値算出処理にて、前記評価期間の発電相当量のうち、上位N´番目までの発電相当量を除く上位の発電相当量を抽出すること
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の太陽光発電診断装置において、
    前記基準値及び前記評価値は、前記抽出した発電相当量の平均値であること
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の太陽光発電診断装置において、
    過去の複数のサンプル期間における前記基準値の推移に基づき前記基準値の経時変化を予測するためのトレンドが設定されるようになっており、
    前記診断部は、前記基準値算出処理にて算出された前記基準値が前記トレンドから外れている場合、当該基準値による前記故障判断処理を行わないこと
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の太陽光発電診断装置において、
    前記特定の評価時間帯として複数の時間帯が設定されており、
    前記診断部は、前記基準値算出処理及び前記評価値算出処理にて前記複数の時間帯における基準値及び評価値を算出し、前記故障判断処理にて、前記複数の時間帯のそれぞれについて前記基準値と前記評価値との差分を求めることにより、故障を判断すること
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の太陽光発電診断装置において、
    前記特定の評価時間帯として複数の時間帯が設定されており、
    前記診断部は、前記基準値算出処理及び前記評価値算出処理にて前記複数の時間帯のそれぞれにおけるピーク値を前記上位の発電相当量として抽出し、前記複数の時間帯におけるピーク値を積算処理して基準値及び評価値を算出し、前記故障判断処理にて、前記基準値と前記評価値との差分を求めることにより、故障を判断すること
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の太陽光発電診断装置において、
    前記サンプル期間及び前記評価期間の少なくとも一方は、設定変更可能となっていること
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の太陽光発電診断装置において、
    前記評価時間帯は、南中時刻を含む時間帯であること
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の太陽光発電診断装置において、
    前記故障判断処理によって故障したと判断された回数が予め設定された設定回数を越えると、故障診断の結果を外部へ通知する通知部を備えていること
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の太陽光発電診断装置において、
    前記診断部は、前記故障判断処理にて故障したと判断した場合、当該判断時の前記評価期間を、次の故障判断処理では、前記サンプル期間から外すこと
    を特徴とする太陽光発電診断装置。
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