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JP5609766B2 - 燃料供給システム - Google Patents
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JP5609766B2 - 燃料供給システム - Google Patents

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Description

本発明は、液体燃料を気化させて、気化された燃料をエネルギ出力手段へ供給する燃料供給システムに関する。
従来、特許文献1に、燃料としての液体メタノールを燃料気化手段にて加熱気化し、燃料気化手段にて気化された気体メタノールを改質器にて水素に改質し、さらに、改質器にて改質された水素を、電気エネルギを出力するエネルギ出力手段である燃料電池へ供給する燃料供給システムが開示されている。
より具体的には、この特許文献1の燃料供給システムでは、燃料気化手段として、触媒燃焼加熱装置にて発生させた熱を熱源として、改質器へ供給されるメタノールを加熱気化する触媒付熱交換器を採用している。そして、燃料電池の通常作動時には、燃料電池から排出されたオフガス(余剰水素)を触媒燃焼加熱装置へ供給して燃焼させている。
また、システムの低温起動時などには、電気ヒータ等の補助熱源にて加熱気化したメタノールを触媒燃焼加熱装置へ供給することによって、改質器へ供給されるメタノールを加熱気化している。これにより、システムの低温起動時等であっても、燃料電池に対して速やかに水素を供給できるようにしている。
特開2000−220805号公報
ところが、特許文献1の燃料供給システムでは、低温起動時等に燃料電池に対して速やかに水素を供給するために、燃料であるメタノールを触媒付熱交換器にて燃焼させて、燃焼後の排ガスを外部へ排気している。そのため、触媒付熱交換器へ供給された燃料(メタノール)は、低温起動時等に燃料電池に対して速やかに水素を供給するという目的以外には、有効に利用されていない。
例えば、触媒付熱交換器へ供給される燃料は、燃料電池の燃料として電気エネルギを出力させるために利用することができないので、燃料の総消費量に対するエネルギ出力手段が出力できる総エネルギ量が低下してしまう。つまり、触媒付熱交換器へ供給された燃料は、システム全体としての燃費を向上できるように有効に利用されていない。
特に、燃料として、比較的蒸発潜熱が高い燃料(例えば、メタノール、アンモニア等)を採用する構成では、触媒付熱交換器にて燃焼させる燃料の供給量を増加させなければならないので、燃費が著しく悪化してしまう。
上記点に鑑み、本発明は、燃料を有効に利用可能な燃料供給システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、液化された燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵手段(11)と、液体燃料貯蔵手段(11)から流出した液化された燃料を気化する燃料気化手段(13)と、燃料気化手段(13)にて気化した気化燃料を消費してエネルギを出力するエネルギ出力手段(EG)と、液体燃料貯蔵手段(11)から流出した液化された燃料と発熱を伴いながら化学反応するとともに、燃料と可逆反応する発熱剤が収容された反応器(14)と、燃料と発熱剤との化学反応物に対して、燃料および発熱剤を再生させる再生熱を供給する熱供給手段(23)とを備え、
反応器(14)にて前記液化された燃料と化学反応物が反応する際に生じる反応熱が、燃料気化手段(13)およびエネルギ出力手段(EG)の少なくとも一方へ供給される燃料供給システムを特徴とする。
これによれば、熱供給手段(23)が化学反応物に対して再生熱を供給することで、燃料が再生されるので、再生された燃料を燃料気化手段(13)およびエネルギ出力手段(EG)の少なくとも一方へ供給して有効に利用することができる。すなわち、燃料を有効に利用可能な燃料供給システムを提供することができる。
さらに、反応器(14)にて生じた反応熱を燃料気化手段(13)へ供給することで、燃料気化手段(13)にて速やかに燃料を気化して、エネルギ出力手段(EG)へ供給することができる。さらに、反応器(14)では、燃料と発熱剤との化学反応によって熱を生じさせるので、従来技術のように外部から供給されるエネルギによって発熱する補助熱源を必要とせず、システム全体としての簡素化を図ることができる。
なお、本請求項における「反応熱が、前記燃料気化手段(13)および前記エネルギ出力手段(EG)の少なくとも一方へ供給される」とは、燃料気化手段(13)あるいはエネルギ出力手段(EG)自体を加熱するように反応熱を供給することのみを意味するものではなく、燃料気化手段(12)あるいはエネルギ出力手段(EG)へ供給される燃料を加熱するように反応熱を供給すること等を含む意味である。
つまり、本請求項における「反応熱が、前記燃料気化手段(13)および前記エネルギ出力手段(EG)の少なくとも一方へ供給される」とは、燃料気化手段(13)あるいはエネルギ出力手段(EG)自体の暖機や燃料気化手段(13)あるいはエネルギ出力手段(EG)へ供給される燃料の加熱等、燃料を有効に利用可能な全ての反応熱の供給が含まれる。また、本請求項におけるエネルギ出力手段(EG)が出力する「エネルギ」には、機械的エネルギ、電気エネルギ、熱エネルギ等が含まれる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の燃料供給システムにおいて、燃料気化手段(13)は、液化された燃料を気化させる気化空間(VS)を形成するケーシング(13a)を有し、反応器(14)は、気化空間(VS)内に配置されていることを特徴とする。これによれば、反応器(14)が気化空間(VS)内に配置されているので、気化空間(VS)内にて気化される燃料に反応熱を極めて効率的に伝熱することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の燃料供給システムにおいて、エネルギ出力手段(EG)は、発熱を伴いながらエネルギを出力し、熱供給手段(23)は、エネルギ出力手段(EG)が発熱した熱を化学反応物に供給することを特徴とする。これによれば、エネルギ出力手段(EG)が発熱した熱を化学反応物の再生熱とすることができるので、化学反応物を再生するための熱源装置を必要とすることなく、自律運転が可能となる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料供給システムにおいて、燃料および発熱剤を再生させた際に生成される再生燃料が、エネルギ出力手段(EG)へ供給されることを特徴とする。
これによれば、具体的に、再生燃料をエネルギ出力手段(EG)へ供給することで、エネルギ出力手段(EG)にエネルギを出力させるために有効に利用することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料供給システムにおいて、燃料は、アンモニアであり、エネルギ出力手段(EG)は、アンモニアを燃焼させることによって機械的エネルギを出力し、さらに、エネルギ出力手段(EG)にてアンモニアが燃焼した際に生成される窒素酸化物を還元する窒素酸化物処理手段(17)を備え、燃料および発熱剤を再生させた際に生成される再生燃料が、窒素酸化物処理手段(17)へ供給されることを特徴とする。
これによれば、具体的に、再生燃料を窒素酸化物処理手段(17)へ供給することで、窒素酸化物処理手段(17)にて窒素酸化物を還元するために有効に利用することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の燃料供給システムにおいて、燃料は、水素を含有する化合物であり、さらに、燃料を水素に改質させる改質手段(16)を備え、発熱剤を再生させた際に生成された再生燃料が、改質手段(16)へ供給されることを特徴とする。
これによれば、具体的に、再生燃料を改質手段(16)へ供給することで、改質手段(16)にて水素を生成するために有効に利用することができる。
また、請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の燃料供給システムにおいて、発熱剤として、ハロゲン化金属を採用してもよい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の燃料供給システムの全体構成図である。 第1実施形態の気化器の模式的な断面図である。 第2実施形態の燃料供給システムの全体構成図である。
(第1実施形態)
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本実施形態の燃料供給システム1の全体構成図である。この燃料供給システム1は、車両に適用されており、車両走行用の駆動力を出力するエンジン(内燃機関)EGへ燃料を供給するものである。まず、燃料供給システム1は、加圧されて液化された高圧液体燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵手段としての高圧タンク11を備えている。
この高圧タンク11に貯蔵される燃料は、エンジンEGにて燃料として燃焼させるために可燃性を有し、さらに、その製造コストを低減させるために高圧下においては常温(15℃〜25℃程度)でも液化させやすい燃料であることが望ましい。
そこで、本実施形態では、燃料として、可燃性を有し、常温であっても1.5MPa以下で液化する燃料として、アンモニア(NH3)を採用している。さらに、アンモニアは水素を含有する燃料(化合物)であるから、改質することによって可燃性を有する水素ガスを生成することもできる。
この他にも同等の性質を有する燃料として、ジメチルエーテル、アルコール含有燃料等を採用することもできる。さらに、水素を含有する燃料であって、同燃料の分子中に、硫黄(S)、酸素(O)、窒素(N)およびハロゲンのうち少なくとも1種の原子が含まれるものであり、かつ、分子間にて水素結合が発現するものを採用してもよい。
高圧タンク11の燃料流出口には、流量調整弁12aを介して、燃料を気化させる燃料気化手段である気化器13の流入ポート13b、および、燃料と可逆的に化学反応する発熱剤が収容された反応器14の燃料流入出ポート14dが接続されている。流量調整弁12aは、高圧タンク11から流出した液体燃料を減圧させながら、気化器13へ流入する気化器側燃料流量および反応器14へ流入する反応器側燃料流量を調整するものである。
具体的には、この流量調整弁12aとしては、気化器側燃料流量および反応器側燃料流量との双方を調整するとともに、高圧タンク11から気化器13へ至る燃料通路および高圧タンク11から反応器14へ至る燃料通路を閉塞可能に構成された全閉機能付きの三方式流量調整弁等を採用できる。なお、流量調整弁12aは、後述するシステム制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
さらに、反応器14の燃料流入出ポート14dには、開閉弁12bを介して、気化器13の流出ポート13cが接続されている。この開閉弁12bは、反応空間14aにて化学反応物から再生された燃料を気化器13の下流側へ導く燃料通路を開閉する電磁弁で、システム制御装置から出力される制御電圧によって、その作動が制御される。
次に、図2を用いて、気化器13および反応器14の詳細構成を説明する。なお、図2は、気化器13の構造を模式的に示した断面図である。図2に示すように、本実施形態の気化器13および反応器14は一体的に構成されている。なお、図2中の実線矢印は燃料の流れを示しており、破線矢印は冷却水の流れを示している。
具体的には、気化器13は、内部に流入した液体燃料を気化させる気化空間VSを形成するケーシング13aを有し、このケーシング13aには、高圧タンク11側から気化空間VS内へ液体燃料を流入させる流入ポート13b、および、気化空間VSにて気化した気体燃料をエンジンEGの燃焼室側へ流出させる流出ポート13cが接続されている。
反応器14は、この気化空間VS内に配置されており、略長方形状の金属板材にプレス加工等を施して形成された複数種かつ複数枚のプレート部材を所定の順序で順次積層することによって、各プレート部材間に燃料あるいは熱媒体を流入させる複数の空間を区画形成して構成されている。つまり、反応器14は、いわゆるプレート積層型の熱交換器と同等の構造に構成されている。
より具体的には、本実施形態の反応器14では、各プレート部材間に、燃料流入出ポート14dから流入した液体燃料と発熱剤とを反応させる反応空間14a、熱媒体であるエンジンEGの冷却水を流通させる熱媒体通路空間14b、および、流入ポート13bから流した気化空間VS内の燃料を流通させる燃料通路空間14cが順次積層配置されるように区画形成されている。
従って、この反応器14では、隣接配置される各空間14a〜14c内の流体間同士、あるいは、流体と発熱剤等とを熱交換させることができる。例えば、エンジンEGの作動時のように冷却水温度が上昇している場合には、熱媒体通路空間14bを流通する冷却水の有する熱を、反応空間14a内の燃料と発熱剤との化学反応物、あるいは、燃料通路空間14c内を流通する燃料に放熱させ、これらを加熱することができる。
反応空間14aは複数形成されており、これらの反応空間14aは、反応器14の各プレート部材同士を積層配置した際に、プレート部材の積層方向に延びるように形成されて、燃料の分配および集合を行う燃料側タンク14hに連通している。さらに、燃料流入出ポート14dは、この燃料側タンク14hに接続されている。
さらに、本実施形態では、反応空間14aに収容される発熱剤として、ハロゲン化金属である塩化ストロンチウム(SrCl2)を採用している。
塩化ストロンチウムは、以下の化学式に示すように、アンモニアと発熱を伴いながら可逆的に化学反応する。従って、この化学反応によって生成される化学反応物であるアンモニア・塩化ストロンチウム(SrCl2・8NH3)は、吸熱することによって再びアンモニアと塩化ストロンチウムとに再生される。
Figure 0005609766
ここで、塩化ストロンチウムは、白色粉末状の化学物質であるので、本実施形態では、この塩化ストロンチウムを網状金属板あるいは表裏を貫通する貫通穴が形成された金属薄板にて形成された筐体に収納した状態で、反応空間14a内に配置している。これにより、燃料(アンモニア)を燃料流入出ポート14dから流入出させる際に、塩化ストロンチウムが燃料とともに反応空間14aから流出してしまうことが抑制されている。
熱媒体通路空間14bは複数形成されており、これらの熱媒体通路空間14bは、反応器14の各プレート部材同士を積層配置した際に、積層方向に延びるように形成されて冷却水の集合あるいは分配を行う一対の熱媒体側タンク14i、14jに連通している。さらに、一方の熱媒体タンク14iには、冷却水を流入させる熱媒体流入ポート14eが接続され、他方の熱媒体タンク14jには冷却水を流出させる熱媒体流出ポート14fが接続されている。
なお、熱媒体流入ポート14eおよび熱媒体流出ポート14fは、エンジンEGの冷却水を循環させる冷却水循環回路20に接続されている。この冷却水循環回路20については後述する。
燃料通路空間14cは複数形成されており、この燃料通路空間14cには、気化空間VS内の燃料と反応空間14a内の燃料および発熱剤との熱交換、並びに、気化空間VS内の燃料と熱媒体通路空間14bを流通する冷却水との熱交換を促進する熱交換フィン14gが配置されている。
次に、気化器13の流出ポート13cから流出した気体燃料の流れは、図1に示すように分岐部13dにて3つの流れに分岐される。この際、開閉弁12bが開いている場合には、反応器14の反応空間14aにて再生された燃料が気化器13の流出ポート13cから流出した燃料と合流して分岐部13にて分流される。
分岐部13dにて分岐された第1の気体燃料は、気体燃料をエンジンEGの燃焼室内へ噴射供給する燃料噴射弁(インジェクタ)15へ導かれ、第2の気体燃料は、気体燃料を改質して水素ガスを発生させる改質器(リフォーマ)16へ導かれ、さらに、第3の気体燃料は、エンジンEGにて気体燃料が燃焼した際に生成される排ガスに含まれる窒素酸化物(NOX)を還元する窒素酸化物処理手段であるNOX処理機17へ導かれる。
本実施形態のエンジンEGは、いわゆるレシプロ型エンジンで構成されており、気化器13から供給される気化燃料を燃焼して消費し、発熱を伴いながら車両走行用の駆動力となる機械的エネルギを出力するエネルギ出力手段を構成している。
インジェクタ15は、エンジンEGのシリンダヘッドに固定されて、エンジンEGの吸気ポートに向けて気体燃料を噴射するものである。これにより、気体燃料と燃焼用空気(吸気)が混合された混合気が燃焼室内へ供給される。より具体的には、インジェクタ15は、吸気経路内に燃料を供給する燃料供給通路を開閉する電磁弁によって構成されている。
さらに、インジェクタ15の電磁弁は、システム制御装置から出力される制御電圧によってその作動が制御され、システム制御装置がこの電磁弁を開く時間を調整することによって、燃焼室内へ供給される燃料の供給流量が調整される。なお、図1では、図示の明確化のため、エンジンEGの1つの気筒のみを模式的に図示しているが、このエンジンEGは、多気筒型(例えば、4気筒)のエンジンであり、インジェクタ15は、各気筒に対して1個ずつ設けられている。
リフォーマ16は、気体燃料を触媒下で改質可能温度まで加熱して改質反応させることによって、水素ガスを発生させる改質手段である。具体的には、本実施形態では、燃料として水素含有燃料であるアンモニアを採用しているので、燃料を350℃以上となるまで加熱して、触媒下にて改質反応をさせて水素ガスを発生させている。リフォーマ16にて発生した水素ガスは、補助燃料として吸気に混合されてエンジンEGの吸気ポートより燃焼室へ供給される。
さらに、エンジンEGにて燃焼した気体燃料および水素ガスの排ガスは、エンジンEGの排気ポートから排出されてNOX処理機17へ流入する。NOX処理機17は、気体燃料(アンモニアガス)を触媒下でエンジンEGの排気ポートから排出された排ガスに含まれる窒素酸化物と選択的に反応させて、窒素酸化物を水と窒素とに分解して浄化するものである。NOX処理機17によって窒素酸化物が浄化された排ガスは、大気に排気される。
次に、冷却水循環回路20について説明する。冷却水循環回路20は、エンジンEGを冷却する冷却水(例えば、エチレングリコール水溶液)を循環させる熱媒体循環回路である。具体的には、エンジンEG内に形成されたエンジン冷却用通路22、冷却水ポンプ23、前述の反応器14に設けられた熱媒体流入ポート14eおよび熱媒体流出ポート14f等を冷却水配管にて接続した回路である。
冷却水ポンプ23は、エンジンEG内に形成されたエンジン冷却用通路22へ冷却水を圧送する電動式の水ポンプであり、システム制御装置から出力される制御信号によって回転数(流量)が制御される。
そして、システム制御装置が冷却水ポンプ23を作動させると、冷却水は、図1の破線矢印に示すように、冷却水ポンプ23→エンジン冷却用通路22→反応器14(具体的には、反応器14の熱媒体流入ポート14e→反応器14の熱媒体通路空間14b→反応器14の熱媒体流出ポート14f)→冷却水ポンプ23の順に循環する。
これにより、エンジンEGの通常作動時には、冷却水がエンジン冷却用通路22を流通する際に、エンジンEGの廃熱を吸熱して温度上昇し、温度上昇した冷却水が反応器14の熱媒体通路空間14bを流れる際に、反応空間14a内の燃料と発熱剤との化学反応物あるいは燃料通路空間14cを流通する気化空間VS内の燃料に放熱する。
従って、エンジンEGの作動時に、システム制御装置が冷却水ポンプ23を作動させると、反応空間14a内の化学反応物あるいは燃料通路空間14cを流通する気化空間VS内の燃料を加熱することができる。つまり、本実施形態の冷却水ポンプ23は、反応空間14a内の化学反応物に対して、燃料および発熱剤を再生させる再生熱を供給する熱供給手段を構成している。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。システム制御装置は、制御処理や演算処理を行うCPUおよびプログラムやデータ等を記憶するROMおよびRAM等の記憶回路を含む周知のマイクロコンピュータ、各種制御対象機器への制御信号あるいは制御電圧を出力する出力回路、各種センサの検出信号が入力される入力回路、並びに、電源回路等から構成されている。
システム制御装置の出力側には、前述した各種制御対象機器12a、12b、15、23等が接続され、システム制御装置はこれらの制御対象機器の作動を制御する。システム制御装置の入力側には、エンジンEGの作動を制御するために用いられる物理量を検出するエンジン制御用のセンサ群等が接続されている。
具体的には、エンジン制御用のセンサ群としては、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、エンジンEGの回転数を検出する回転数センサ、インジェクタ15へ流入する燃料圧力を検出する燃圧センサ、エンジンEGの吸気経路に配置されて吸気流量を調整するスロットルバルブの弁開度を検出するスロットルポジションセンサ、エンジンEG(具体的には、エンジン冷却用通路22)から流出した冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ(いずれも図示せず)等が設けられている。
さらに、システム制御装置の入力側には、車両を起動あるいは停止させるスタートスイッチ、エンジンEGを始動させるイグニションスイッチ等のスイッチ群の操作信号が入力される。
また、システム制御装置は、上述した各種制御対象機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、システム制御装置のうち各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御手段を構成している。例えば、冷却水ポンプ23の作動を制御する構成が熱供給制御手段を構成している。
次に、上記構成における本実施形態の燃料供給システム1の作動について説明する。まず、イグニションスイッチが投入されてエンジンEGが始動すると、システム制御装置が、その記憶回路に記憶されたエンジン制御プログラムを実行する。このエンジン制御プログラムでは、エンジンの運転状態に応じて、各種制御対象機器の作動を制御する。
エンジン制御プログラムが実行されると、システム制御装置が、予め記憶回路に記憶されている基準回転数(基準冷却水圧送能力)となるように、冷却水ポンプ23を作動させる。さらに、システム制御装置は、所定の制御周期毎にエンジン制御用のセンサ群の各種検出値を読み込み、読み込まれた検出値に基づいて、流量調整弁12a、開閉弁12b、インジェクタ15、冷却水ポンプ23等の制御対象機器の作動状態を決定する。
まず、エンジンEGの起動時には、流量調整弁12aについては、高圧タンク11から気化器13の流入ポート13bおよび反応器14の燃料流入出ポート14dの双方に燃料を流入させる作動状態とし、さらに、開閉弁12bを閉弁状態とする。これにより、エンジンEGの起動時には、高圧タンク11から反応器14の反応空間14aへ流入した液体燃料が、上記化学式に示すように発熱剤と発熱反応する。
そして、この反応熱によって、燃料通路空間14cを流通する気化空間VS内の燃料および熱媒体通路空間14bを流通する冷却水が加熱される。その結果、燃料通路空間14cを流通する燃料の気化が促進され、気化器13の流出ポート13cから速やかに気体燃料を流出させることができるとともに、冷却水循環回路20を循環する冷却水温度を速やかに上昇させて、エンジンEGの暖機を促進できる。
なお、本実施形態では、具体的に、冷却水温度センサによって検出された冷却水の温度が、予め定めた第1基準温度KT1(本実施形態では、40℃)以下である場合に、エンジンEGの起動時としている。その後、冷却水温度センサによって検出された冷却水の温度が、予め定めた第2基準温度KT2(本実施形態では、90℃)以上となった際には、エンジンEGの起動時ではなくなったものとして、通常運転に移行する。
通常運転では、流量調整弁12aについては、高圧タンク11から反応器14の燃料流入出ポート14dへ燃料を流入させることなく、気化器13の流入ポート13bへ燃料を流入させる作動状態とし、さらに、開閉弁12bを開弁状態とする。従って、通常運転時には、反応空間14aには燃料は流入せず、燃料と発熱剤が反応することはない。
さらに、冷却水の温度が第2基準温度KT2以上に上昇しているので、反応器14の熱媒体通路空間14bを流通する冷却水の有する熱が、燃料通路空間14cを流通する燃料および反応空間14a内の化学反応物に放熱され、燃料通路空間14cを流通する燃料および反応空間14a内の化学反応物が加熱される。
その結果、燃料通路空間14cを流通する燃料の気化が促進されるとともに、反応空間14aの化学反応物を燃料と発熱剤とに再生することができる。この際、再生された再生燃料は、冷却水の有する熱によって気化している。さらに、通常運転時には、開閉弁12bが開いているので、再生された燃料を気化器13の気化器13の流出ポート13cから流出した燃料に合流させることができる。
次に、インジェクタ15については、システム制御装置が、所定の制御周期毎に読み込まれたエンジン回転数、アクセル開度信号、スロットルバルブの弁開度等に基づいて、予め記憶回路に記憶されている制御マップを参照して、エンジンEGに要求されている要求出力を出力させるために必要な目標供給流量を決定する。
さらに、決定した目標供給流量、エンジン回転数、インジェクタ15入口側の燃料圧力等に基づいて、予め記憶回路に記憶されている制御マップを参照して、インジェクタ15から燃焼室へ供給される供給流量が目標供給流量となるインジェクタ15の開弁時間を決定する。
そして、システム制御装置は、出力回路あるいは駆動回路(EDU)を介して、決定された開弁時間の間だけ燃料を供給するように、インジェクタ15に対して制御電圧を出力する。
その後、スタートスイッチによって車両の停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→インジェクタ15の開弁時間等の決定→決定された開弁時間となる制御電圧の出力といった制御ルーチンを繰り返す。これにより、要求されている駆動トルクを発生させながらエンジンEGを作動させることができる。
さらに、本実施形態のシステム制御装置は、エンジンEGの始動に伴って、リフォーマ16に設けられた改質用加熱手段としての電気ヒータ(図示せず)に対して、エンジンEGによって駆動される発電機(図示せず)から電力を供給し、改質可能な温度以上となるまで燃料を加熱する。これにより、エンジンEGの燃焼室に水素ガスを補助燃料として供給することができる。
本実施形態の燃料供給システム1は、上記の如く作動するので、以下のような優れた効果を得ることができる。
本実施形態の燃料供給システム1では、エンジンEGの起動時に、反応器14の反応空間14aへ液体燃料を流入させるので、燃料(アンモニア)と発熱剤(塩化ストロンチウム)との反応熱によって、気化器13における燃料の気化を促進し、エンジンEG、リフォーマ16およびNOX処理機17へ速やかに気体燃料を供給することができる。
さらに、通常運転時には、冷却水ポンプ23がエンジンEGの廃熱によって加熱された冷却水を反応器14へ圧送することによって、燃料と発熱剤との化学反応物(アンモニア・塩化ストロンチウム)に対して、化学反応物を燃料と発熱剤とに再生させる再生熱を供給することができる。そして、再生された燃料をエンジンEG、リフォーマ16およびNOX処理機17へ供給することができる。
従って、エンジンのEGの起動時に、速やかに液体燃料を気化させてエンジンEGへ供給するために利用した燃料を、エンジンEGの通常運転時に再生させて有効に利用することができる。
また、本実施形態の燃料供給システム1では、通常運転時にエンジンEGの廃熱を利用して、化学反応物を再生させているので、化学反応物を再生させるために外部から供給されるエネルギによって発熱する補助熱源等を必要せず、自律運転を行うことができる。従って、システム全体としての簡素化を図ることができる。
また、本実施形態の燃料供給システム1では、反応器14が気化器13の気化空間VS内に配置されているので、気化空間VS内にて気化される燃料に反応熱を極めて効率的に伝熱することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、反応器14を気化器13の気化空間VS内に収容することによって、気化器13と一体的に構成した例を説明したが、本実施形態では、図3の全体構成図に示すように、反応器14と気化器13とを別体で構成した例を説明する。
具体的には、本実施形態の反応器14は、第1実施形態と同等の構成のプレート積層型の熱交換器構造のものであって、第1実施形態と同様の反応空間および熱媒体通路空間が形成されており、燃料通路空間は廃止されている。
さらに、本実施形態の冷却水循環回路20には、気化器13の気化空間VS内に配置された冷却水通路21が接続されている。従って、本実施形態では、システム制御装置が冷却水ポンプ23を作動させると、冷却水は、図3の破線矢印に示すように、冷却水ポンプ23→反応器14→エンジン冷却用通路22→冷却水通路21→冷却水ポンプ23の順に循環する。
この冷却水通路21は、その内部を流通する冷却水と気化器13の気化空間VS内を流れる燃料とを熱交換させて、燃料の気化を促進させる機能を担う冷却水配管である。さらに、本実施形態では、気化空間VS内で蛇行状に延びる冷却水通路1を採用し、冷却水と燃料との熱交換表面積を拡大させている。さらに、この冷却水通路1に熱交換促進用のプレート状フィン等を配置してもよい。
また、本実施形態の反応器14の燃料流入出ポート14dには、開閉弁12bを介して、NOX処理機17の燃料流入口が接続されている。その他の構成および作動は第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態の燃料供給システムを作動させると、エンジンEGの起動時には、高圧タンク11から反応器14の反応空間へ流入した液体燃料が、第1実施形態と同様に発熱剤と反応して発熱する。そして、この反応熱によって、反応器14の熱媒体通路空間を流通する冷却水が加熱され、高温となった冷却水がエンジンEGのエンジン冷却用通路22および気化空間VS内の冷却水通路21を流通する。
その結果、冷却水循環回路20を循環する冷却水温度を速やかに上昇させて、エンジンEGの暖機を促進できるとともに、燃料通路空間14cを流通する燃料の気化が促進され、気化器13の流出ポート13cから速やかに気体燃料を流出させることができる。
さらに、通常運転では、気化空間VS内の冷却水通路21を流通する冷却水の有する熱が、気化空間VS内の燃料に放熱されるとともに、反応器14の熱媒体通路空間を流通する冷却水の有する熱が、反応空間内の化学反応物に放熱され、反応空間内の化学反応物が加熱される。
その結果、気化空間VS内の燃料の気化が促進されるとともに、反応器14の反応空間の化学反応物が、燃料と発熱剤とに分解再生されて、再生された燃料をNOX処理機17へ供給することができる。従って、第1実施形態と同様に、エンジンのEGの起動時に、速やかに液体燃料を気化させてエンジンEGへ供給するために利用した燃料を、エンジンEGの通常運転時に再生させて有効に利用することができる。
また、本実施形態では、気化器13と反応器14と別体として構成しているので、気化器13の気化空間VS内に反応器14を収容する空間を設ける必要がなく、気化器13の小型化を図ることができる。
さらに、反応器14の設計レイアウトの自由度が増加するので、例えば、反応器14から再生燃料を供給する供給対象装置(本実施形態では、NOX処理機17)とを近づけて配置することができる。その結果、反応器14から流出した再生燃料が、供給対象装置へ至る配管にて外気に放熱してしまう熱ロスを抑制することもできる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、燃料気化手段として、気化器13の気化空間VS内に反応器14あるいは冷却水通路21を配置した構成の気化器13を採用したが、燃料気化手段の構成はこれに限定されない。例えば、気化空間VS内に液体燃料を霧状に噴射する気化器を採用してもよい。この場合は、高圧液化燃料を霧状に噴射する噴射弁の開度あるいは開弁時間を調整することによって気化器13にて気化させる液体燃料の流量を調整することもできる。
(2)上述の実施形態では、エネルギ出力手段として、エンジンEGを採用した例を説明したが、エネルギ出力手段は、これに限定されない。例えば、燃料ガス(水素ガス)と酸化剤ガス(空気)とを電気化学反応させて、電気エネルギを出力する燃料電池を採用してもよい。
この場合は、燃料電池の起動時には、燃料と発熱剤との反応熱によって燃料電池の冷却水を加熱することで、燃料電池の早期暖機を図ることができる。また、通常運転時には、熱供給手段が燃料電池の冷却水の有する熱を、再生熱として燃料と発熱剤との化学反応物に供給すればよい。
(3)上述の実施形態では、再生熱を供給する熱供給手段として、エンジンEGの廃熱を冷却水(熱媒体)を介して供給する冷却水ポンプ23を採用した例を説明したが、熱供給手段は、これに限定されない。
例えば、熱媒体として気体を採用して、熱供給手段として気体を圧送するコンプレッサ等を採用してもよい。具体的には、エンジンEGの排ガスの有する熱を再生熱として化学反応物へ供給してもよい。また、熱供給手段は、エンジンEG等のエネルギ出力手段の廃熱のみならず、リフォーマ16あるいはNOX処理機17の廃熱を再生熱として化学反応物へ供給してもよい。
(4)第2実施形態では気化器13と反応器14とを別体化して、反応器14から流出した再生燃料をNOX処理機17へ供給する例を説明したが、もちろん、エンジンEGへ供給してもよいし、リフォーマ16へ供給してもよい。さらに、第1実施形態のように、分岐部13dの燃料流れ上流側へ供給して、エンジンEG、リフォーマ16およびNOX処理機17の全てに供給してもよい。
(5)上述の実施形態では、高圧タンク11から気化器13あるいは反応器14へ供給される液体燃料の流量を調整する流量調整手段として、三方式の流量調整弁からなる流量調整弁12aを採用した例を説明したが、流量調整手段はこれに限定されない。例えば、高圧タンク11から気化器13へ至る燃料通路および高圧タンク11から反応器14へ至る燃料通路の双方にそれぞれ流量調整弁を配置してもよい。
高圧タンク11から気化器13へ至る燃料通路および高圧タンク11から反応器14へ至る燃料通路の双方にそれぞれ開閉弁を配置して、それぞれの開閉弁の開弁時間を調整することによって、化器側燃料流量および反応器側燃料流量を調整するようになっていてもよい。
(6)上述の実施形態では、本発明の燃料供給システムを車両に適用した例を説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、燃料を燃焼させて熱エネルギを出力するボイラ装置等に適用してもよい。
13 気化器
13a ケーシング
14 反応器
16 改質器
17 NOX処理機
23 冷却水ポンプ

Claims (7)

  1. 液化された燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵手段(11)と、
    前記液体燃料貯蔵手段(11)から流出した前記液化された燃料を気化する燃料気化手段(13)と、
    前記燃料気化手段(13)にて気化した気化燃料を消費してエネルギを出力するエネルギ出力手段(EG)と、
    前記液体燃料貯蔵手段(11)から流出した前記液化された燃料と発熱を伴いながら化学反応するとともに、前記燃料と可逆反応する発熱剤が収容された反応器(14)と、
    前記燃料と前記発熱剤との化学反応物に対して、前記燃料および前記発熱剤を再生させる再生熱を供給する熱供給手段(23)とを備え、
    前記反応器(14)にて前記液化された燃料と前記化学反応物が反応する際に生じる反応熱が、前記燃料気化手段(13)および前記エネルギ出力手段(EG)の少なくとも一方へ供給されることを特徴とする燃料供給システム。
  2. 前記燃料気化手段(13)は、前記液化された燃料を気化させる気化空間(VS)を形成するケーシング(13a)を有し、
    前記反応器(14)は、前記気化空間(VS)内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給システム。
  3. 前記エネルギ出力手段(EG)は、発熱を伴いながら前記エネルギを出力し、
    前記熱供給手段(23)は、前記エネルギ出力手段(EG)が発熱した熱を前記化学反応物に供給することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料供給システム。
  4. 前記燃料および前記発熱剤を再生させた際に生成される再生燃料が、エネルギ出力手段(EG)へ供給されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料供給システム。
  5. 前記燃料は、アンモニアであり、
    前記エネルギ出力手段(EG)は、前記アンモニアを燃焼させることによって機械的エネルギを出力し、
    さらに、前記エネルギ出力手段(EG)にて前記アンモニアが燃焼した際に生成される窒素酸化物を還元する窒素酸化物処理手段(17)を備え、
    前記燃料および前記発熱剤を再生させた際に生成される再生燃料が、前記窒素酸化物処理手段(17)へ供給されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料供給システム。
  6. 前記燃料は、水素を含有する化合物であり、
    さらに、前記燃料を水素に改質させる改質手段(16)を備え、
    前記発熱剤を再生させた際に生成された再生燃料が、前記改質手段(16)へ供給されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の燃料供給システム。
  7. 前記発熱剤は、ハロゲン化金属であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の燃料供給システム。
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