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JP5616751B2 - 金型構造 - Google Patents
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本発明は、コアピンを備えた金型構造に関する。
製品表面から製品内部へと延びる孔又は凹部を有する製品を鋳造する場合、鋳巣を防止し、また、鋳造後のタップ加工等の加工性を向上させるために、孔又は凹部となる位置にコアピンを配置し、孔又は凹部の概略形状を形成することが一般的に行われている。
コアピンは、溶湯注入時や離型時に荷重、衝撃を受けて折損する場合があるため、金型とは別に構成され、折損した場合には新しいコアピンと交換される。このため、コアピンには交換容易性が求められる。
この点に関し、特許文献1はコアピンの交換を容易にするために、端部にフランジ部を有する止め治具を、金型を貫通する孔を通じてコアピンの背面に連結し、フランジ部と金型背面との間にスペーサを配置する構成を提案している。この構成によれば、スペーサを除去して止め治具を押し込めば、コアピン全体が金型表面から露出し、コアピンを容易に交換することができる。
特開平11−285802号公報
しかしながら、特許文献1に記載の金型構造では、コアピンを交換する前にスペーサを除去する必要がある。金型背面側に他の部品(金型を支持するブロック、エジェクターピンを変位させるためのエジェクタープレート、エジェクタープレートが収容される空間を閉塞するバックプレート等)が配置される場合は、これらの他の部品を取り外す必要があり、コアピンの交換容易性についてはなお改善の余地があった。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、コアピンの交換容易性を向上させることを目的とする。
本発明のある態様によれば、金型構造であって、コアピンと、金型表面から金型背面まで貫通するコアピン取付け孔を有する金型と、前記コアピンが先端に着脱可能に装着され、前記コアピンとの装着位置から離れた位置にフランジ部を有し、かつ、前記コアピン取付け孔内に配置されて軸方向に移動可能なホルダと、前記フランジ部に当接し、前記ホルダを前記金型背面側から挿入される工具を介して前記金型表面側に変位させる時に反力を発生する弾性部材と、を備えたことを特徴とする金型構造が提供される。
本発明の別の態様によれば、金型構造であって、コアピンと、金型表面から金型背面まで貫通するコアピン取付け孔を有する金型と、前記コアピンが先端に着脱可能に装着される装着部を有し、かつ、前記コアピン取付け孔内に配置されて軸方向に移動可能なホルダと、前記ホルダを前記金型背面側に付勢する弾性部材と、を備え、前記コアピン交換時に、前記金型背面側から挿入される工具を介して前記ホルダに前記弾性部材に対抗する力を付与することによって前記コアピンを前記金型表面側に移動させる、ことを特徴とする金型構造が提供される。
これらの態様によれば、ホルダを軸方向に移動させるための工具を金型背面側から挿入し、弾性部材の反力に抗してホルダを軸方向に移動させれば、コアピン全体が金型表面から露出し、コアピンを交換することができる。
金型背面側に他の部品が配置される場合であっても、ホルダを軸方向に移動させるための工具が通るのに必要な孔をこれらの部品に形成しておけばこれらの部品を取り外さなくてもコアピンを交換することができ、コアピンの交換容易性が向上する。
本発明の実施形態に係る金型構造の断面図である。 ホルダの断面図及び側面図である。 コアピンの交換手順を説明するための図である。 コアピンの交換手順を説明するための図である。 金型構造の一部変形例を示した図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る金型構造10の断面を示している。図中右側の面は金型表面1a、すなわち、金属の溶湯が注入されるキャビティの内面である。図中左側の面は金型背面1bであり、金型背面1b側には、金型1を支持するブロック、エジェクターピンを駆動するエジェクタープレート、エジェクタープレートを収容する空間を閉塞するバックプレート等の他の部品が配置される。この実施形態では、ダイカスト鋳造を想定するが、鋳造の種類はこれに限定されず、重力鋳造、低圧鋳造等であってもよい。
金型1には、金型表面1aから金型背面1bまで貫通するコアピン取付け孔2が形成されている。コアピン取付け孔2は、途中に段部2aを有し、金型背面1b側の端部内周にネジ部2bを有する。コアピン取付け孔2内には、コアピン3の一部、ホルダ4、コイルスプリング5、フロントケース6、リヤケース7及びスペーサ8が配置され、ボルト9によって固定される。
コアピン3は、製品に形成される孔又は凹部に対応したピン形状の先端部3aと、コアピン取付け孔2の金型表面1a側開口と略同径の封止部3bと、コアピン取付け孔2よりも小径の樽型のプラグ部3cと、を含む。封止部3bは、コアピン取付け孔2に嵌合してコアピン取付け孔2の金型表面1a側開口を封止し、鋳造時に溶湯がコアピン取付け孔2内へと流入するのを阻止する。プラグ部3cは、封止部3bの端部から突出し、コアピン3をホルダ4に装着する際に使用される。
ホルダ4は、金型表面1a側にコアピン3のプラグ部3cに嵌合するソケット4aと、ソケット4aに接続し、コイルスプリング5が外嵌され、外周面にネジ部4fを有する軸部4bと、軸部4bの金型背面1b側端部に設けられるフランジ部4cと、を含む。フランジ部4cはフロントケース6内に収容されるコイルスプリング5に当接し、コイルスプリング5を軸方向に支持する。
また、ホルダ4の背面には、ホルダ4を回転させるための工具、本実施形態では六角レンチ20(図3参照)の先端が嵌合する六角凹部4dが形成される。
図2はホルダ4単体の断面図(a)及び、そのA矢視図(b)である。ソケット4aには、ソケット4a端部から軸部4bに至るまで、ホルダ4の軸方向に延びるスリット4eが周方向に間隔をおいて複数形成され、ソケット4aの側壁4gが径方向に分割されている。スリット4eは、例えば、ワイヤカットにより形成される。
スリット4eの存在によってソケット4aの側壁4gの剛性が低下するので、ソケット4aを金型表面1aから露出させ、コアピン取付け孔2の内壁による径方向の拘束を解放すると、コアピン3を自由に着脱することができる。
図1に戻り説明を続けると、フロントケース6は、金型表面1a側にホルダ4の軸部4bに略等しい第1の開口6a、金型背面1b側にホルダ4のフランジ部4cよりも径の大きな第2の開口6bを有する筒状部材である。フロントケース6は、ホルダ4の軸部4b及びフランジ部4cと、コイルスプリング5とを収容する。フロントケース6は、第1の開口6aの内周面にネジ部6cを有しており、該ネジ部6cがホルダ4の軸部4bのネジ部4fと螺合する。これにより、ホルダ4を回転させると、ホルダ4を軸方向に変位させることができる。また、フロントケース6は、金型背面1b側の端部外周にネジ部6dを有する。
リヤケース7は、金型背面1b側に六角レンチ20を挿通可能な開口7aを有し、金型表面1a側の内周面にネジ部7bを有する筒状部材である。リヤケース7のネジ部7bはフロントケース6のネジ部6dに螺合され、リヤケース7はホルダ4のフランジ部4cに当接する。
スペーサ8は、六角レンチ20を挿通可能な貫通孔8aを有する筒状部材であり、リヤケース7の金型背面1b側の端面に当接する。
ボルト9は、軸部のみからなるボルトであり、金型背面1b側に六角レンチ20を挿通可能な開口9aを有する。ボルト9は、コアピン取付け孔2のネジ部2bに螺合され、スペーサ8、リヤケース7及びフロントケース6をコアピン取付け孔2内に形成される段部2aに押し付け、これらの部材をコアピン取付け孔2内に固定する。2つのボルト9が使用されるのは、ボルト9が緩むのを防止するためである。
次に、コアピン3の交換手順について説明する。
コアピン3を交換するには、図3に示すように、まず、金型背面1b側から六角レンチ20を挿入し、六角レンチ20の先端をホルダ4背面の六角凹部4dに嵌合させる。金型背面1b側に配置されるブロック、エジェクタープレート、バックプレート等の部品には、六角レンチ20を挿通させるための貫通孔が形成されており、この手順を実行するにあたり金型背面1b側に配置される他の部品を取り外す必要はない。
次に、六角レンチ20を時計回りに回転させる。すると、コイルスプリング5を圧縮しながらホルダ4が金型表面1a側に移動する。そして、ホルダ4が最大量移動すると、コアピン3全体及ソケット4aが金型表面1aから露出する。
ソケット4aが金型表面1aから露出すると、コアピン取付け孔2の内壁によるソケット4aの側壁4gの拘束が解放されるので、コアピン3を引っ張れば図4に矢印で示すようにソケット4aの側壁4gが側方に拡がり、コアピン3を取り外すことができる。
新しいコアピン3を取り付けるには、側壁4gを押し拡げつつプラグ部3cをソケット4a内に押し込み、新しいコアピン3をソケット4aに装着する。そして、六角レンチ20を反時計回りに回転させ、ホルダ4を金型1内部へと移動させる。ソケット4aがコアピン取付け孔2内に移動すると、ソケット4aの側壁4gがコアピン取付け孔2内壁によって径方向に拘束され、側壁4gによってコアピン3のプラグ部3cが拘束される。
フランジ部4cがリヤケース7に当接するまでホルダ4を移動させたら六角レンチ20を取り外し、これによりコアピン3の交換手順が終了する。
本実施形態の作用効果は次の通りである。
本実施形態では、ホルダ4を軸方向に移動させるための六角レンチ20を金型背面1b側から挿入し、コイルスプリング5の反力に抗してホルダ4を軸方向に移動させれば、コアピン3全体を金型表面1aから露出させ、コアピン3を交換することができる。金型背面1b側に他の部品が配置される場合であっても、六角レンチ20を通すのに必要な貫通孔を金型背面1b側に配置される他の部品に形成しておけば、これらの部品を取り外す必要がなく、コアピン3の交換容易性が向上する(請求項1、5に記載の発明に対応する効果)。
ホルダ4を軸方向に移動させる構成としては、上記実施形態のように、ホルダ4とフロントケース6とをネジ嵌合させ、ホルダ4の背面に形成されている六角凹部4dに六角レンチ20の先端を嵌合させてホルダ4を回転させる構成が好適である。
この構成によれば、少ない力でコイルスプリング5の反力に抗してホルダ4を軸方向に移動させることができ、かつ、六角レンチ20から作業者が手をしたり力を抜いたりしても、ホルダ4が軸方向位置を保持することができる。また、金型背面1b側に配置される部品に形成する貫通孔は、六角レンチ20が通る程度の径の孔で足り、貫通孔の加工が容易であると共に、貫通孔を形成することによる部品の強度低下を抑えることができる(請求項2、3に記載の発明に対応する効果)。
なお、この実施形態では、ホルダ4の背面に形成されている六角凹部4dに六角レンチ20を嵌合させる構成であるが、凹部の形状は六角に限らず四角等、角を有する形状であれば他の形状であってもよい。また、凹部ではなく凸部を形成し、これにソケットレンチのソケットを嵌合させてホルダ4を回転させる構成であってもよい。
また、本実施形態では、コアピン3のプラグ部3cを保持するソケット4aをスリット4eによって周方向に複数に分割した。これにより、ソケット4aを金型表面1aから露出させるだけでソケット4aの側壁4gによるコアピン3の拘束を解放することができ、逆に、ソケット4aをコアピン取付け孔2に没入させるだけでソケット4aの側壁4gによってコアピン3を拘束することができるので、コアピン3の交換性がさらに向上する(請求項4に記載の発明に対応する効果)。
また、本構成では、コアピン3の全長が先端部3a、封止部3b、プラグ部3cの合計長さとなり、最大径が封止部3bの径となるので、コアピン3の製造に必要な材料量が少なくて済み(∵コアピン3は丸棒から旋盤で削りだして製作される。)、コアピン3の製造コストを抑えることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、この実施形態ではホルダ4をフロントケース6とネジ嵌合させているが、他の部材、例えば、金型1に直接ネジ嵌合させることも可能である。
また、ホルダ4をフロントケース6に対して摺動自在に嵌合させてもよい。この場合であってもコイルスプリング5の反力に抗してホルダ4を軸方向に移動させれば、コアピン3全体を金型表面1aから露出させることができる。この場合、ホルダ4を回転させる必要がないので、ホルダ4を軸方向に移動させる工具としては丸棒を利用することができる。
また、図5に示すように、ボルト9を無くしてスペーサ8を金型背面1bまで延長し、金型背面1b側に配置されるブロック30の端面でスペーサ8、リヤケース7及びフロントケース6を押圧し、コアピン取付け孔2内に固定する構成であってもよい。
1 金型
1a 金型表面
1b 金型背面
2 コアピン取付け孔
3 コアピン
4 ホルダ
4c フランジ部
4a ソケット(装着部)
4e スリット
5 コイルスプリング(弾性部材)
6 フロントケース(金型とホルダとの間に介装される部材)
7 リヤケース
10 金型構造
20 六角レンチ(ホルダを回転させるための工具)

Claims (5)

  1. 金型構造であって、
    コアピンと、
    金型表面から金型背面まで貫通するコアピン取付け孔を有する金型と、
    前記コアピンが先端に着脱可能に装着され、前記コアピンとの装着位置から離れた位置にフランジ部を有し、かつ、前記コアピン取付け孔内に配置されて軸方向に移動可能なホルダと、
    前記フランジ部に当接し、前記ホルダを前記金型背面側から挿入される工具を介して前記金型表面側に変位させる時に反力を発生する弾性部材と、
    を備えたことを特徴とする金型構造。
  2. 請求項1に記載の金型構造であって、
    前記ホルダは、前記金型又は前記金型と前記ホルダとの間に介装される部材に螺合しており、
    前記ホルダを回転させるための前記工具が嵌合する嵌合部が前記ホルダの背面に形成されている、
    ことを特徴とする金型構造。
  3. 請求項1に記載の金型構造であって、
    前記金型と前記ホルダとの間に介装される、前記金型背面側が開いたフロントケースと、
    前記フロントケースの前記金型背面側に連結され、前記フランジ部に当接するリヤケースと、
    を備え、
    前記ホルダは前記フロントケースに螺合しており、
    前記ホルダを回転させるための前記工具が嵌合する嵌合部が前記ホルダの背面に形成されており、
    前記ホルダを回転させるための前記工具が挿通される開口が前記リヤケースに形成されている、
    ことを特徴とする金型構造。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の金型構造であって、
    前記コアピンは端部から突出するプラグ部を有し、
    前記ホルダの前記コアピンとの装着部位は前記コアピンの前記プラグ部が挿入されるソケットであり、該ソケットは前記ホルダの軸方向に延びる複数のスリットによって周方向に複数に分割されている、
    ことを特徴とする金型構造。
  5. 金型構造であって、
    コアピンと、
    金型表面から金型背面まで貫通するコアピン取付け孔を有する金型と、
    前記コアピンが先端に着脱可能に装着される装着部を有し、かつ、前記コアピン取付け孔内に配置されて軸方向に移動可能なホルダと、
    前記ホルダを前記金型背面側に付勢する弾性部材と、
    を備え、
    前記コアピン交換時に、前記金型背面側から挿入される工具を介して前記ホルダに前記弾性部材に対抗する力を付与することによって前記コアピンを前記金型表面側に移動させる、
    ことを特徴とする金型構造。
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