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JP5618014B2 - 転舵装置 - Google Patents
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JP5618014B2 - 転舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、転舵装置に関し、特に、伝達比可変機構を備えた転舵装置に関する。
従来より、ステアリングホイールの操舵角に対する車輪の転舵角の比である伝達比を電動モータを用いて変化させる伝達比可変装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような伝達比可変装置を用いることで、ステアリングホイールの操舵角に対する車輪の転舵角を状況に応じて変化させることができる。
特開2010−215067号公報
車両停車中にステアリングホイールを操舵する、いわゆる据え切り時には、運転手は大きな力を必要とする。しかしながら、上述の特許文献に記載された技術では、据え切り時において操舵トルクに応じて電動パワーステアリング装置が作動することから、必要な補助力を発生させるために大きなパワーステアリング用モータを使用する必要が生じる。このため、パワーステアリング用モータの小型化、低コスト化、または削除が困難であった。
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、パワーステアリング用モータの小型化、低コスト化、または削除を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の転舵装置は、ステアリングホイールの操舵角に対する車輪の転舵角の比である伝達比を変化させる伝達比可変機構を備える。前記伝達比可変機構は、前記ステアリングホイールが所定車速未満で操舵された場合、前記ステアリングホイールの切り増し時は前記所定車速以上で操舵される場合に比べて前記伝達比を低下させ、前記ステアリングホイールの戻し時は切り増し時に比べて前記伝達比を低下させる。
この態様によれば、伝達比を小さくして据え切ることができる。また、ステアリングホイールの戻し時は切り増し時に比べて伝達比を低下させるため、ステアリングホイールの切り増し操舵と戻し操舵を繰り返すことにより、車輪を大きく転舵させることができる。
前記伝達比可変機構は、前記ステアリングホイールが前記所定車速未満で戻された場合、戻し開始時の前記車輪の角度まで前記所定車速以上で転舵させるために前記ステアリングホイールが位置すべき通常操舵角度に達するまで切り増し時に比べて前記伝達比を低下させてもよい。
この態様によれば、車輪を逆方向に転舵させることなく通常操舵角度までステアリングホイールを簡易に戻すことができる。このため、所定車速以上となってステアリングホイールを通常操舵角度に戻すときの違和感を抑制することができる。
前記伝達比可変機構は、前記ステアリングホイールを少なくとも戻す方向に回転可能に設けられ、前記所定車速未満で前記ステアリングホイールへの操舵力が解除された場合、前記通常操舵角度に達するまで前記ステアリングホイールを戻してもよい。
この態様によれば、運転者はステアリングホイールを放すだけでステアリングホイールを通常操舵角度まで戻すことができる。このため、通常操舵条件を満たして伝達比が高くなるときの違和感をより適切に抑制することができる。
本発明によれば、パワーステアリング用モータの小型化、低コスト化、または削除を実現することができる。
(a)および(b)は、本実施形態に係る転舵装置の構成を示す図である。 (a)は、通常伝達比状態の伝達比可変機構を示す図である。 本実施形態に係る転舵装置による操舵制御の実行手順を示すフローチャートである。 図3におけるS12の据え切りモード制御の実行手順を詳細に示すフローチャートである。 図4におけるS22の据え切り時操舵制御の実行手順を示すフローチャートである。 図4におけるS24の据え切り時非操舵制御の実行手順を示すフローチャートである。 (a)は、車輪が徐々に転舵される様子を示す図である。(b)は、通常モード中に(a)に示す車輪の転舵角を実現するためのステアリングホイールの操舵角を示す図である。(c)は、(a)に示す車輪の転舵角を実現するためのステアリングホイールの操舵角を示す図である。 (a)は、据え切りモード中においてステアリングホイールが切り増されたときのとステアリングホイール角度θsに対するメインシャフト角度θmおよびリングギア角度θrを示す図である。(b)は、(a)の状態からステアリングホイールが放されたときのステアリングホイール角度θsに対するメインシャフト角度θmおよびリングギア角度θrを示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。
図1(a)および図1(b)は、本実施形態に係る転舵装置10の構成を示す図である。図1(a)は、転舵装置10の主要な構成の斜視図を示しており、図1(b)は、転舵装置10の構成を模式的に示している。
転舵装置10は、転舵装置10は、ステアリングホイール12の操舵角度に応じて車輪20を転舵させる装置であり、ステアリングホイール12、ステアリングシャフト14、メインシャフト16、伝達比可変機構18、および転舵機構19を有する。
伝達比可変機構18は、ステアリングホイール12の操舵角に対する車輪20の転舵角の比である伝達比を変化させる。伝達比可変機構18は、サンギア22、遊星ギア24、リングギア26、第1ディスク28、第2ディスク30、シャフト32、第1回転部材40、ドラム42、固定部材44、第1クラッチ50、第2クラッチ52、第2回転部材54、固定部材56、第3クラッチ58、戻し機構60、および電子制御ユニット(以下、「ECU」という)100を有する。
ステアリングシャフト14の上端は、ステアリングホイール12に同軸に固定されている。ステアリングシャフト14の下端は、サンギア22に同軸に固定されている。サンギア22には、同一形状の複数の遊星ギア24が噛み合っている。さらにその外周を囲う様に、複数の遊星ギア24にリングギア26が噛み合っている。本実施形態では、4つの遊星ギア24が用いられている。なお、遊星ギア24の数が2つに限られないことは勿論である。
複数の遊星ギア24の各々は、シャフト32が同軸に貫通して固定されている。サンギア22の上方には第1ディスク28がステアリングシャフト14と同軸且つステアリングシャフト14に対して回転可能に配置されている。複数のシャフト32の各々の上端は、この第1ディスク28に回転可能に支持されている。サンギア22の下方には第2ディスク30がサンギア22と同軸に回転可能に配置されている。複数のシャフト32の各々の上端は、この第2ディスク30に回転可能に支持されている。
第2ディスク30には、メインシャフト16の上端が同軸に固定されている。メインシャフト16は、下端が転舵機構19に接続されている。転舵機構19は、メインシャフト16の回転運動を転舵対象となる車輪20の転舵運動に変換する。転舵機構19の構成は公知であるため、その詳細な構造についての説明は省略する。
ステアリングシャフト14には、第1回転部材40が固定されている。リングギア26には、ドラム42が固定されている。この第1回転部材40とドラム42との間に第1クラッチ50が設けられている。車両本体には、固定部材44が固定されている。固定部材44とドラム42との間には、第2クラッチ52が設けられている。メインシャフト16には、第2回転部材54が固定されている。車両本体には、固定部材56が固定されている。第2回転部材54と固定部材56との間には、第3クラッチ58が設けられている。
第1クラッチ50がオンになると、第1回転部材40とドラム42とがともに回転するよう両者が固定される。第1クラッチ50がオフになると、第1回転部材40とドラム42とが相対的に回転可能となる。第2クラッチ52がオンになると、ドラム42と固定部材44とがともに回転するよう両者が固定される。第1クラッチ50がオフになると、ドラム42と固定部材44とが相対的に回転可能となる。第3クラッチ58がオンになると、第2回転部材54と固定部材56とがともに回転するよう両者が固定される。第3クラッチ58がオフになると、第2回転部材54と固定部材56とが相対的に回転可能となる。
第1クラッチ50、第2クラッチ52、および第3クラッチ58は、それぞれ電ECU100に接続されている。ECU100は、第1クラッチ50、第2クラッチ52、および第3クラッチ58のオン、オフを制御する。なお、第1クラッチ50、第2クラッチ52、および第3クラッチ58のように、オン、オフすることで接続および接続解除が可能なクラッチは公知であるため、これらの構成についての詳細な説明は省略する。
ステアリングシャフト14には、戻し機構60が取り付けられている。戻し機構60は、ステアリングホイール12を戻す方向に回転させる。戻し機構60は、モータ62、モータギア64、およびギア66を有する。ギア66は、ステアリングシャフト14が挿入され固定されている。モータギア64は、モータ62のモータ軸に固定されている。モータギア64とギア66とは噛み合っている。
これにより、伝達比可変機構18によってステアリングシャフト14と車輪20との接続が解除され伝達比がゼロに設定されたときには、モータ62を作動させることでステアリングシャフト14を回転させることが可能となる。
本実施形態では、ECU100は、第1クラッチ50、第2クラッチ52、および第3クラッチ58のオン、オフを制御することで、通常伝達比状態、低伝達比状態、および伝達比ゼロ状態のいずれかに移行させる。車輪20の転舵角とメインシャフト16の回転角は比例するため、以下、ステアリングホイール12の操舵角に対するメインシャフト16の回転角の比を「伝達比」として説明する。なお、本実施形態において「操舵角」は、車両直進時に位置すべきステアリングホイール12の初期位置からのステアリングホイール12の回転角度をいうものとする。
通常伝達比状態では、伝達比は1に設定される。すなわち、通常伝達比状態では、メインシャフト16はステアリングホイール12の操舵角と同一角度回転する。低伝達比状態では、伝達比は1/3に設定される。したがって、ステアリングホイール12の操舵角の1/3の角度だけメインシャフト16が回転する。伝達比ゼロ状態では、伝達比はゼロに設定される。したがって、ステアリングシャフト14とメインシャフト16との接続が解除され、ステアリングシャフト14を操舵してもメインシャフト16は回転しない。以下、図2(a)〜図2(c)に関連して、通常伝達比状態、低伝達比状態、および伝達比ゼロ状態について詳細に説明する。
図2(a)は、通常伝達比状態の伝達比可変機構18を示す図である。通常伝達比状態では、ECU100は、第1クラッチ50をオン、第2クラッチ52をオフ、第3クラッチ58をオフにする。これにより、第1回転部材40、ドラム42を介してステアリングシャフト14とリングギア26とが固定される。ステアリングシャフト14とサンギア22とはもともと固定されているため、サンギア22とリングギア26との両者に噛み合っている複数の遊星ギア24も、ステアリングシャフト14の操舵角と同一角度、サンギア22の軸を中心に公転する。メインシャフト16は、シャフト32および第2ディスク30を介して複数の遊星ギア24の公転角度と同一角度回転する。したがって、メインシャフト16は、ステアリングシャフト14の操舵角と同一角度回転し、通常伝達比状態における伝達比は1となる。
図2(b)は、低伝達比状態の伝達比可変機構18を示す図である。低伝達比状態では、ECU100は、第1クラッチ50をオフ、第2クラッチ52をオン、第3クラッチ58をオフにする。これにより、リングギア26はドラム42および固定部材44を介して車両本体に固定されるため、回転不能となる。このため、ステアリングシャフト14が回転すると、サンギア22が回転するがリングギア26が回転せず、サンギア22とリングギア26との間にある複数の遊星ギア24が自転しながらサンギア22の周りを公転する。
本実施形態では、リングギア26が固定されているとき、サンギア22が1回転する間に複数の遊星ギア24が1/3回転するよう、それぞれのギアの諸元が設定されている。上述のように、複数の遊星ギア24の公転角度がメインシャフト16の回転角となる。このため、ステアリングシャフト14の操舵角の1/3だけメインシャフト16が回転し、低伝達比状態における伝達比は1/3となる。
図2(c)は、伝達比ゼロ状態の伝達比可変機構18を示す図である。伝達比ゼロ状態では、ECU100は、第1クラッチ50をオフ、第2クラッチ52をオフ、第3クラッチ58をオンにする。これにより、メインシャフト16が第2回転部材54および固定部材56を介して車両本体に固定され、回転不能となる。したがって、複数の遊星ギア24は、自転は可能だが公転が不能となる。一方、リングギア26は車両本体にもステアリングシャフト14にも固定されない状態となる。このため、ステアリングシャフト14を回転させると、複数の遊星ギア24は、公転せずに自転するため、リングギア26はサンギア22の回転方向と逆方向に空転することになる。したがって、ステアリングシャフト14の操舵角に対してメインシャフト16の回転角はゼロになり、伝達比ゼロ状態における伝達比はゼロとなる。
なお、伝達比可変機構18は、伝達比ゼロ状態に代えて、ステアリングホイール12の戻し時は切り増し時に比べて伝達比を低下させる第2低伝達比状態としてもよい。例えば伝達比可変機構18に第2遊星ギヤ機構が第2低伝達比状態用に設けられ、第2低伝達比状態では、この第2遊星ギヤ機構を用いて、ステアリングホイール12の戻し時に切り増し時に比べて伝達比を低下させてもよい。
ここで、据え切り時は、通常伝達比状態のように伝達比が高いと、電動パワーステアリング装置などを用いて操舵力を補助しなければ運転者はステアリングホイール12を操舵するために大きな力が必要となる。これに対し、伝達比可変装置を用いて、据え切り時に伝達比を低下させる対応も考えられる。しかし、伝達比を低下させるとステアリングホイール12の限界操舵角まで操舵しても車輪20を大きく転舵させることが困難となる。
このため、本実施形態では、伝達比可変機構18は、ステアリングホイール12が所定車速未満で操舵された場合、ステアリングホイール12の切り増し時は所定車速以上で操舵される場合に比べて伝達比を低下させ、ステアリングホイール12の戻し時は切り増し時に比べて伝達比を低下させる。具体的には、伝達比可変機構18は、ステアリングホイール12が据え切りされたと判定するために満たすべき所定の据え切り条件を満たすか、ステアリングホイール12が車両走行中に操舵されたと判定するために満たすべき所定の通常操舵条件を満たすかを判定する。本実施形態では、所定速度未満のときに据え切り条件を満たすと判定し、所定速度以上のときに通常操舵条件を満たすと判定する。なお、据え切り条件および通常操舵条件がこれに限定されないことは勿論である。据え切り条件を満たす場合、伝達比可変機構18は、ステアリングホイール12の切り増し時は通常操舵条件を満たす場合に比べて伝達比を低下させ、ステアリングホイール12の戻し時はステアリングホイール12と車輪20との接続を解除して伝達比をゼロにする。以下、フローチャートに関連してこの伝達比制御について詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係る転舵装置10による操舵制御の実行手順を示すフローチャートである。転舵装置10が搭載される車両の車輪20近傍には、車輪20の回転速度を検出することで車速を検出する車速センサ(図示せず)が設けられている。ECU100は、車速センサの検出結果を取得し、車速がゼロ、または車両が停止中とみなせる所定速度未満か否かを判定することで車両停止中か否かを判定する(S10)。
車両停止中の場合(S10のY)、ECU100は、据え切り条件を満たしたと判定し、据え切りモード制御を実行する。車両走行中の場合(S10のN)、ECU100は、通常操舵条件を満たしたと判定し、通常モード制御を実行する。この通常モード制御では、ECU100は、第1クラッチ50をオン、第2クラッチ52をオフ、第3クラッチ58をオフにして伝達比可変機構18を通常伝達比状態とする。
図4は、図3におけるS12の据え切りモード制御の実行手順を詳細に示すフローチャートである。ステアリングシャフト14には、ステアリングシャフト14の操舵角を検出する舵角センサ(図示せず)が設けられている。ECU100は、舵角センサの検出結果を取得する。ECU100は、舵角センサの検出結果を用いてステアリングホイール12が操舵されたか否かを判定する(S20)。ステアリングホイール12が操舵されている場合(S20のY)、ECU100は、据え切り時操舵制御を実行する(S22)。操舵されていない場合(S20のN)、ECU100は、据え切り時非操舵制御を実行する(S24)。
図5は、図4におけるS22の据え切り時操舵制御の実行手順を示すフローチャートである。据え切り時操舵制御では、ECU100は、舵角センサの検出結果を用いて、ステアリングホイール12が切り増しされたか戻されたかを判定する(S50)。ステアリングホイール12が切り増しされた場合(S50のY)、ECU100は、第1クラッチ50をオフ、第2クラッチ52をオン、第3クラッチ58をオフにして伝達比可変機構18を低伝達比状態とする(S52)。
以下、通常伝達比状態においてステアリングホイール12が操舵されたときの、車輪20の転舵角に対応するステアリングホイール12の操舵角を通常操舵角度という。ステアリングホイール12が戻された場合(S50のN)、ECU100は、そのときのステアリングホイール12の操舵角が通常操舵角以上か否かを判定する(S54)。
通常操舵角以上の場合(S54のY)、ECU100は、第1クラッチ50をオフ、第2クラッチ52をオフ、第3クラッチ58をオンにして伝達比可変機構18を伝達比ゼロ状態とする(S56)。このように伝達比可変機構18は、据え切り条件を満たすときにステアリングホイール12が戻された場合、ステアリングホイール12の戻し開始時の車輪20の角度まで通常操舵条件を満たすときに転舵させるためにステアリングホイール12が位置すべき通常操舵角度に達するまで、伝達比をゼロにする。これにより、運転者は、低伝達比状態でステアリングホイール12を切り増し、伝達比ゼロ状態でステアリングホイール12を戻すことができる。このため、切り増しと戻しを繰り返すことで、通常伝達比状態よりも低い操舵力でステアリングホイール12を大きく転舵させることが可能となる。
通常操舵角以上でない場合(S54のN)、ECU100は、第1クラッチ50をオフ、第2クラッチ52をオン、第3クラッチ58をオフにして伝達比可変機構18を低伝達比状態とする(S52)。したがって、通常操舵角度より小さい角度までステアリングホイール12を戻そうとする場合、伝達比ゼロ状態ではなく低伝達比状態になるため、車輪20の転舵角を低伝達比状態で戻すことができる。
図6は、図4におけるS24の据え切り時非操舵制御の実行手順を示すフローチャートである。ECU100は、そのときのステアリングホイール12の操舵角が通常操舵角より大きいか否かを判定する(S80)。
通常操舵角より大きいの場合(S80のY)、ECU100は、第1クラッチ50をオフ、第2クラッチ52をオフ、第3クラッチ58をオンにして伝達比可変機構18を伝達比ゼロ状態とする(S82)。次にECU100は、戻し機構60を作動させてステアリングホイール12を通常操舵角まで戻す(S84)。このようにECU100は、据え切りモード中にステアリングホイール12への操舵力が解除された場合、通常操舵角度に達するまでステアリングホイール12を戻す。これにより、車両が走行開始したときに通常モードに円滑に移行させることができる。ステアリングホイール12の操舵角がすでに通常操舵角となっている場合(S80のN)、ECU100は、S82およびS84をスキップしてステアリングホイール12の戻し動作を回避する。
図7(a)は、車輪20が徐々に転舵される様子を示す図である。図7(b)は、通常モード中に図7(a)に示す車輪20の転舵角を実現するためのステアリングホイール12の操舵角を示す図である。このように通常モード中は、ステアリングホイール12を大きく操舵することなく車輪20を転舵させることができる。
図7(c)は、図7(a)に示す車輪20の転舵角を実現するためのステアリングホイール12の操舵角を示す図である。このように据え切りモード中は、通常モードと同様に車輪20を転舵させるためにはステアリングホイール12を大きく操舵する必要がある。しかし、その分小さい操舵力でステアリングホイール12を操舵することができる。また、運転者は、ステアリングホイール12を操舵後にステアリングホイール12を放すだけで、通常モード中であれば位置すべきステアリングホイール12の操舵角である通常操舵角度までステアリングホイール12を自動的に戻すことができる。このため、ステアリングホイール12を通常操舵角度に位置させる頻度を高めることができ、車両が走行開始しても通常モードへ円滑に移行させることができる。
図8(a)は、据え切りモード中においてステアリングホイール12が切り増されたときのとステアリングホイール角度θsに対するメインシャフト角度θmおよびリングギア角度θrを示す図である。図8(a)および(b)において、θsはステアリングホイール角度、θmはメインシャフト角度、θrはリングギア角度を示している。ステアリングホイール角度θsは、車両直進時の初期位置からのステアリングホイール12の操舵角をいう。メインシャフト角度θmは、車両直進時の初期位置からのメインシャフト16の回転角をいう。また、車両直進時の初期位置からのリングギア26の回転角をいう。
また、ラインL1は、通常伝達比状態でのステアリングホイール角度θsとメインシャフト角度θmとの関係を示す。ラインL2は、低伝達比状態でのステアリングホイール角度θsとメインシャフト角度θmとの関係を示す。ラインL3は、通常伝達比状態でのステアリングホイール角度θsとリングギア角度θrとの関係を示す。
図8(a)に示すように、ステアリングホイール12を操舵してステアリングホイール角度θsが限界操舵角以下の第1操舵角θs1まで増加する間、ステアリングホイール角度θsとメインシャフト角度θmとの関係A1はラインL2に沿って移行する。したがってメインシャフト角度θmは、通常モード中を示すL1に比べて1/3の角度回転し、運転手はその分だけ小さい操舵力でステアリングホイール12を操舵できる。一方、ステアリングホイール角度θsが限界操舵角以下の第1操舵角θs1まで増加する間、リングギア26はロックされているため、ステアリングホイール角度θsとリングギア角度θrとの関係B1は、リングギア角度θrがゼロのまま横軸と平行に移動する。
図8(b)は、図8(a)の状態からステアリングホイール12が放されたときのステアリングホイール角度θsに対するメインシャフト角度θmおよびリングギア角度θrを示す図である。
ステアリングホイール角度θsが第1操舵角θs1まで増加した後、ステアリングホイール12が放されると、戻し機構60は、ステアリングホイール12を戻す方向に回転させるため、ステアリングホイール角度θsは減少する。このときメインシャフト16はロックされメインシャフト角度θmが変化しないため、ステアリングホイール角度θsとメインシャフト角度θmとの関係A2は横軸と平行になる。A2がラインL1に到達したときにステアリングホイール角度θsが通常操舵角度に達するため、このときの第2操舵角θs2で戻し機構60によるステアリングホイール12の戻し動作が停止する。
ステアリングホイール12が放されると、伝達比ゼロ状態となってリングギア26のロックが解除されるため、ステアリングホイール角度θsとリングギア角度θrとの関係B2は、ステアリングホイール角度θsが第2操舵角θs2に達したときにラインL3と交差するよう直線的に変化する。さらに車輪20を転舵させたい場合、運転者は、ステアリングホイール12の切り増した後にステアリングホイール12を放してステアリングホイール12と通常操舵角度まで戻す動作を繰り返すことで、車輪20をさらに転舵角させることができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を本実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
10 転舵装置、 12 ステアリングホイール、 14 ステアリングシャフト、 16 メインシャフト、 18 伝達比可変機構、 19 転舵機構、 20 車輪、 22 サンギア、 24 遊星ギア、 26 リングギア、 28 第1ディスク、 30 第2ディスク、 32 シャフト、 40 第1回転部材、 42 ドラム、 44 固定部材、 50 第1クラッチ、 52 第2クラッチ、 54 第2回転部材、 56 固定部材、 58 第3クラッチ、 100 ECU。
本発明は、転舵装置に利用可能であり、特に、伝達比可変機構を備えた転舵装置に利用可能である。

Claims (3)

  1. ステアリングホイールの操舵角に対する車輪の転舵角の比である伝達比を変化させる伝達比可変機構を備え、
    前記伝達比可変機構は、前記ステアリングホイールが所定車速未満で操舵された場合、前記ステアリングホイールの切り増し時は前記所定車速以上で操舵される場合に比べて前記伝達比を低下させ、前記ステアリングホイールの戻し時は切り増し時に比べて前記伝達比を低下させることを特徴とする転舵装置。
  2. 前記伝達比可変機構は、前記ステアリングホイールが前記所定車速未満で戻された場合、戻し開始時の前記車輪の角度まで前記所定車速以上で転舵させるために前記ステアリングホイールが位置すべき通常操舵角度に達するまで切り増し時に比べて前記伝達比を低下させることを特徴とする請求項1に記載の転舵装置。
  3. 前記伝達比可変機構は、前記ステアリングホイールを少なくとも戻す方向に回転可能に設けられ、前記所定車速未満で前記ステアリングホイールへの操舵力が解除された場合、前記通常操舵角度に達するまで前記ステアリングホイールを戻すことを特徴とする請求項2に記載の転舵装置。
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