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JP5620726B2 - 液体吐出ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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JP5620726B2 - 液体吐出ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は液体吐出ヘッドに係り、特に、複数の吐出口(ノズル)に対応した複数の圧力室に対して共通の流路から液体が供給される構造を有する液体吐出ヘッド及びこれを用いたインクジェット記録装置におけるノズル間の流体的相互干渉(クロストーク)を防止する技術に関する。
一般にインクジェットヘッドは、ノズルに連通した圧力室に液体を充填し、該圧力室に設けられたエネルギー発生素子を駆動することにより、ノズルからインク滴を吐出するインク吐出要素(イジェクタ)を複数備えている。このように複数のイジェクタを有するインクジェットヘッドにおいて、複数の圧力室が共通のインク流路(共通流路)に並列に接続され、当該共通流路から各圧力室にインクを供給する流路構造が知られている(特許文献1〜3)。
かかる流路構造を持つインクジェットヘッドは、1つのエネルギー発生素子を駆動してノズルからインクを吐出させると、この吐出時のインクの流れが共通流路を介して同じ通流路に連通する他のノズルに影響を与え、吐出が不安定になるクロストークという現象が生じる。
クロストークの問題に対し、特許文献1には、インクリザーバとノズルの主流路との間を結ぶ連通流路に大気連通孔を備え、この大気連通孔におけるインクのメニスカス振動により圧力波を消費吸収する構成が開示されている。特許文献2は、インクジェットヘッドにおいて、インクを吐出するための吐出ノズルの他に、インクを吐出しないダミーノズルを備える構成が開示されている。その一方、特許文献3は、ゴミや気泡の排出性を高めることを目的として、インク供給路の途中にフィルタを配置するとともに、このフィルタから上流側に経路分岐したバイパス流路を設け、当該バイパス流路の終端にダミーノズルを設ける構成を提案している。
特開平8−132639号公報 特開2004−195959号公報 特開2003−226010号公報
しかし、特許文献1の構成ではエネルギー発生素子で発生した吐出エネルギーが大気連通孔のメニスカスによって吸収されるため、ノズルから液滴を吐出させるためには過剰な吐出エネルギーが必要となる。また、特許文献1中の図1によると、大気連通孔はヘッド上面に形成された溝(大気連通孔用溝)の底部に開口しており、ノズルが形成されたノズル面とは異なる面に配置されている。このため、ごみやインクの固着により大気連通孔が詰まった場合のメンテナンスが困難であり、クロストーク抑制の効果を十分に発揮し得ない。
特許文献2に記載の技術は、ダミーノズルに個別に圧力波を発生させて印刷範囲端部に位置する吐出ノズルへも内部に位置する吐出ノズルとほぼ同じクロストークを作用させ、印刷範囲端部の濃度ムラを解消するものであり、クロストーク自体を軽減する技術ではない。また、特許文献3はダミーノズルから気泡を除去することが目的であり、同文献3もクロストークを軽減するための技術ではない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、吐出に必要なエネルギー(振動)を減衰させることなく、クロストークを低減することができる液体吐出ヘッド及びこれを用いたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために以下の発明態様を提供する。
(発明1):発明1に係る液体吐出ヘッドは、液滴を吐出する複数のノズルと、前記複数のノズルに対応して設けられた複数の圧力室と、前記複数の圧力室のそれぞれに対応して配置され、各圧力室内の液体に吐出力を与えるエネルギー発生素子と、前記複数の圧力室に連通し、各圧力室に液体を供給する共通流路と、前記圧力室毎に各圧力室と前記共通流路との間をつなぐ個別の流路部分に設けられた絞り部と、前記共通流路に連通し、前記複数のノズルが形成されたノズル面に開口を有する大気開放孔と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、共通流路につながる大気開放孔に液体のメニスカスが形成される。エネルギー発生素子を駆動してノズルから液滴を吐出させた際のリフィルによる流体振動は、大気開放孔におけるメニスカスの振動により吸収され、クロストークが抑制される。また、圧力室と共通流路の間の個別流路部分に絞り部が設けられているため、エネルギー発生素子で発生した吐出エネルギーは共通流路側へ伝搬し難く、吐出力として効率的に利用される。このため、吐出に必要な振動を減衰させることなく、共通流路を介して伝搬する振動を抑えることができる。
さらに、大気開放孔はノズル面に開口しているため、ノズルとともに吸引パージ(ノズル面にキャップを当てて、ノズル及び大気開放孔から液体を吸引除去する動作)などのクリーニング処理が可能であり、メンテナンスが容易である。
「エネルギー発生素子」として、圧電体を用いる態様(ピエゾジェット方式)や、静電アクチュータを用いる態様、サーマルジェット方式における発熱素子(ヒータ)を用いる態様などがある。
(発明2):発明2に係る液体吐出ヘッドは、発明1において、前記ノズルのイナータンスをLa、前記絞り部のイナータンスをLb、前記大気開放孔のイナータンスをLcとすると、Lb>La、かつ、Lb>Lcであることを特徴とする。
Lb>Laの条件を満たすことにより、エネルギー発生素子の駆動によって発生するエネルギーを液滴の吐出のためのエネルギーとして効率的に利用できる。また、Lb>Lcの条件を満たすことにより、共通流路内で発生した振動をノズル(圧力室)に伝搬させることなく、大気開放孔のメニスカス面の振動で効果的に吸収することができる。
(発明3):発明3に係る液体吐出ヘッドは、発明1又は2において、前記共通流路から前記ノズルの開口までの流路抵抗値をRa、前記共通流路から前記大気開放孔の開口までの流路抵抗値をRcとすると、Ra<Rcであることを特徴とする。
Ra<Rcの条件を満たすことにより、ノズル面にキャップを当接させて吸引によりパージを行う際に、吐出用のノズルからより効果的に液体を抜き出すことができる。
(発明4):発明4に係る液体吐出ヘッドは、発明1乃至3のいずれか1項において、前記大気開放孔は、前記共通流路から前記ノズル面に向かって真っ直ぐに伸びたストレート形状の流路によって前記共通流路につながっていることを特徴とする。
かかる態様によれば、ヘッドの製造工程において、ノズル孔と同様のプロセスで大気開放孔を作成することができ、製造が容易である。
(発明5):発明5に係る液体吐出ヘッドは、発明1乃至4のいずれか1項において、前記大気開放孔は、前記共通流路から前記ノズル面に向かって真っ直ぐに伸びたストレート形状の流路部と、該流路部から前記ノズル面の開口に向かって開口面の広さが大きくなるザグリ部と有していることを特徴とする。
かかる態様によれば、ザグリ部にメニスカスが広がり、振動を吸収する作用が一層向上する。
(発明6):発明6に係る液体吐出ヘッドは、発明1乃至5のいずれか1項において、前記共通流路に連通して設けられる前記大気開放孔の数は、当該共通流路に並列に接続されている前記圧力室の数よりも少ないことを特徴とする。
大気開放孔の数は、適宜の設計が可能である。数が多いほど、振動吸収の効果も大きい。
複数の圧力室が並列に接続された共通流路に対して、少なくとも1つの大気開放孔が形成されていればよい。
(発明7):発明7に係る液体吐出ヘッドは、発明1乃至6のいずれか1項において、前記共通流路の一方の端部には、当該共通流路を他の流路と連結させる連結口が設けられ、他方の端部は当該共通流路の終端部となっており、少なくとも前記共通流路の前記終端部に前記大気開放孔が配置されることを特徴とする。
大気開放孔を配置する場所については、様々な設計形態が可能であるが、共通流路の行き止まり部分(終端部分)に配置することが効果的である。
(発明8):発明8に係る液体吐出ヘッドは、発明1乃至7のいずれか1項において、前記共通流路の一方の端部は、連結口を介して他の流路と連結されており、当該連結口から他方の端部の終端部に至る前記共通流路のうち、前記終端部側により多くの前記大気開放孔が配置されることを特徴とする。
共通流路に複数個の大気開放孔を配置する場合、連結口側よりも終端部側に多くの大気開放孔を配置する分布とすることが効果的である。
(発明9):発明9に係る液体吐出ヘッドは、発明1乃至8のいずれか1項において、前記各圧力室にそれぞれ個別に連通する個別回収流路と、前記個別回収流路を介して前記複数の圧力室に連通し、各圧力室から液体を回収する共通回収流路と、前記共通回収流路に連通し、前記複数のノズルが形成されたノズル面に開口を有する大気開放孔と、を備えたことを特徴とする。
圧力室に供給流路と回収流路が連通し、液体を循環させる構成となっている場合、共通回収流路にも大気開放孔を形成することができる。
なお、共通回収流路から回収流路を通って圧力室に液体を供給できる場合には、共通回収流路が発明1でいう「共通流路」に該当するものと解釈できる。
(発明10):発明10に係る液体吐出ヘッドは、液滴を吐出する複数のノズルと、前記複数のノズルに対応して設けられた複数の圧力室と、前記複数の圧力室のそれぞれに対応して配置され、各圧力室内の液体に吐出力を与えるエネルギー発生素子と、前記複数の圧力室に連通し、各圧力室に液体を供給する第1共通流路と、前記第1共通流路を他の第1流路に連結させるために当該第1共通流路に設けられた第1連結口と、前記圧力室毎に各圧力室と前記第1共通流路との間をつなぐ第1個別流路と、前記各圧力室にそれぞれ個別に連通する第2個別流路と、前記第2個別流路を介して前記複数の圧力室に連通し、各圧力室から液体を回収し又は各圧力室に液体を供給する第2共通流路と、前記第2共通流路を他の第2流路に連結させるために当該第2共通流路に設けられた第2連結口と、前記第1共通流路及び第2共通流路のうち、前記第1連結口から前記圧力室までの流路抵抗値と前記第2連結口から前記圧力室までの流路抵抗値とを比較して流路抵抗値が低い方の共通流路に連通し、前記複数のノズルが形成されたノズル面に開口を有する大気開放孔と、を備えたことを特徴とする。
発明10は、発明9で述べた循環系を有する液体吐出ヘッドにおいて、共通回収流路側から個別回収流路を通って圧力室に液体が供給される形態が含まれる。
すなわち、発明9の「共通回収流路」、「個別回収流路」がそれぞれ「第2共通流路」、「第2個別流路」に対応し得る。よって、発明10について、発明1〜9に記載の特徴を組み合わせることができる。
(発明11):発明11に係るインクジェット記録装置は、発明1乃至10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、前記エネルギー発生素子に印加する駆動電圧信号を生成し、前記液体吐出ヘッドの吐出動作を制御する駆動制御手段と、前記液体吐出ヘッドと被描画媒体とを相対移動させる搬送手段と、を備えたことを特徴とする。
インクジェット記録装置に用いるプリントヘッド(記録ヘッド)の構成例として、複数個のヘッドモジュールを繋ぎ合わせて、被描画媒体の全幅以上の長さにわたる複数の吐出口(ノズル)を配列させたノズル列を有するフルライン型ヘッドを用いることができる。このようなフルライン型のヘッドは、通常、被描画媒体(用紙)の相対的な送り方向(相対的搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿ってヘッドを配置する態様もあり得る。
「被描画媒体」は、ヘッドの吐出口から吐出される液滴の付着を受ける媒体(印字媒体、被画像形成媒体、被記録媒体、受像媒体、被吐出媒体など呼ばれ得るもの)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、配線パターン等が形成されるプリント基板、中間転写媒体、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
なお、インクジェット方式のプリントヘッドを用いてカラー画像を形成する場合は、複数色のインク(記録液)の色別にヘッドを配置してもよいし、1つの記録ヘッドから複数色のインクを吐出可能な構成としてもよい。
本発明によれば、吐出に必要なエネルギー(振動)を減衰させることなく、クロストークを効果的に低減することができる。
本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの構成を模式的に示した断面図 本実施形態に係るインクジェットヘッドのノズル面におけるノズルと大気開放孔の配置例を示す平面図 ノズル面におけるノズルと大気開放孔の他の配置例を示す平面図 ノズル面におけるノズルと大気開放孔の他の配置例を示す平面図 大気開放孔の流路形状の例を示した断面図 ヘッドモジュール内部の流路構造を示した透視平面図 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成図
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳細に説明する。
<液体吐出ヘッドの構成例>
図1は本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの構成を模式的に示した断面図である。ここでは、インク滴を吐出するインクジェットヘッド10を例に説明するが、本発明の実施に際して、吐出に用いる液体はインクに限られない。
インクジェットヘッド10は、インク吐出口となるノズル12と、ノズル12に連通する圧力室14と、圧力室14に対応して設けられたアクチュエータ16(「エネルギー発生素子」に相当)と、圧力室14に液体を供給する第1共通流路20と、第1共通流路20から圧力室14にインクを導く第1個別流路22(「個別の流路部分」、「絞り部」に相当)を備える。
ノズル12と、これに対応した圧力室14と、圧力室14に設けられたアクチュエータ16とを含む構成により、1画素のドットを形成する記録素子単位となる吐出要素(イジェクタ)が構成される。図1では1つの吐出要素のみ(1ノズルのみ)を示したが、インクジェットヘッド10には同様の構成からなる複数の吐出要素が設けられている。
第1共通流路20には複数の圧力室14が各第1個別流路22を介して並列に接続されており、第1共通流路20からそれぞれの第1個別流路22を通って各圧力室14にインクが供給される。なお、第1共通流路20は、図示せぬインクリザーバにつながっており、インクリザーバはさらにインク供給源となるインクタンク(不図示)に接続されている。第1共通流路20と圧力室14とをつなぐ第1個別流路22は、圧力室14や第1共通流路20と比べて流路断面積が十分に小さい絞り部(最狭窄部)として機能する。
また、本例のインクジェットヘッド10は、インク供給路兼回収路として用いられる第2共通流路30を備えている。各圧力室14には個別に第2個別流路32(「個別回収流路」に相当)が接続されており、該第2個別流路32を介して各圧力室14と第2共通流路30とが連通している。第2共通流路30は、図示せぬインクリザーバにつながっており、該インクリザーバはインク回収タンク(不図示)に接続されている。第2共通流路30と圧力室14とをつなぐ第2個別流路32も、第1個別流路22と同様に、絞り部として機能する。
第1共通流路20と第2共通流路30の間には圧力差が設けられ、非吐出時には、第1共通流路20から第1個別流路22を通って圧力室14にインクが供給され、圧力室14から第2個別流路32を通って第2共通流路30へとインクがゆっくり流れ出る。このようなインク循環系を採用することにより、各圧力室14に対して常にフレッシュなインクを供給でき、インクの増粘を防止できる。これにより、長時間の安定した吐出が可能である。
この循環系の圧力差でインクが流れる速度は、吐出動作時(印刷時)にインクを打滴するスピード(吐出サイクル)に対して十分に遅く、インクを吐出するスピート(ノズルから出ていく液)の方が速い。したがって、連続吐出動作時には、圧力室14から第2個別流路32へと向かうインクの流れが遅くなって、最終的には第2共通流路30から第2個別流路32を通って圧力室14にインクが供給されるようになる。このように、第2共通流路30及び第2個別流路32からなる回収系は、吐出動作時にインク供給流路として機能し、第1個別流路22及び第2個別流路32の両側から圧力室14内にインクが流入する。
本例のアクチュエータ16には、圧電素子が用いられている。図には示されていないが、圧電素子は下部電極と上部電極の間に圧電体を介在させた構造を有している。下部電極は複数のアクチュエータ16に対して共通の電極(共通電極)となっており、上部電極は各アクチュエータ16に個別の個別電極となっている。
圧力室14の上壁を構成する振動板42に圧電素子が接合された構造によって、ユニモルフ形のアクチュエータが構成され、圧電体のd31方向の歪みによって振動板42が撓み変形するものとなっている。アクチュエータ16の電極間に駆動電圧が印加されることにより、アクチュエータ16が変位して圧力室14の容積が変化する。この容積変化によってノズル12からインクが吐出される。
なお、ここでは、d31モードの圧電アクチュエータを例示しているが、エネルギー発生素子としては、これに限らず、d33モードやせん断モードを利用する圧電アクチュエータ、静電アクチュータ、発熱素子など、様々な態様が可能である。採用される吐出方式に対応した相応のエネルギー発生素子が用いられる。
本例のインクジェットヘッド10は、第1共通流路20の下に、当該第1共通流路20と連通しノズル面11に開口する大気開放孔24(以下、「第1大気開放孔」という。)が形成されている。第2共通流路30の下にも同様に、当該第2共通流路30と連通しノズル面に開口する大気開放孔34(以下、「第2大気開放孔」という。)が形成されている。
第1大気開放孔24及び第2大気開放孔34にはそれぞれインクのメニスカス51、52が形成される。ノズル12からのインク吐出に伴うリフィルによる各共通流路(20,30)の振動(クロストーク)を大気開放孔(24,34)のメニスカス51、52の振動により吸収し、他のノズル孔への伝播を抑制する。
大気開放孔(24,34)の大きさ、数、形状は、特に限定されない。数が多いほど、振動抑制効果は高まる。大気開放孔(24,34)によって用紙(被描画媒体)上の意図しない位置にインク滴を付着させない観点から、大気開放孔(24,34)の条件として、共通流路(20,30)に伝わる振動によりメニスカス(51,52)が揺れて大気開放孔(24,34)からインクが溢れても、ノズル面11から垂れ落ちない(メニスカスが破壊されない)ことが必要である。流体振動によってメニスカスを維持できる程度の開口面積と孔数、孔の配置分布が設計される。概ね、吐出用のノズル12と同程度大きさの孔が形成される。
同一の共通流路(20,30)に接続される圧力室14の数や共通流路(20,30)の共振周波数を考慮して、その共振周波数で打滴するときの同時吐出ノズル数に対応した設計を行うことが好ましい。
なお、図1のような流路構造は、シリコン(Si)をエッチングして流路部となる溝や孔等を形成したり、熱拡散接合の技術などを利用して基板同士を接合したりすることによって作製可能である。
(ノズルと大気開放孔の配置例について)
図2はインクジェットヘッド10のノズル面11の平面図(吐出側から見た図)である。図2中、ノズル面11の裏側に存在する流路構造は破線で示した。ここでは、複数のノズル12が1列に並んだノズル列のみを示したが、このようなノズル列を複数列備える形態も可能である。
図2において、第1共通流路20の左側の端部に符号26で示した連結口は、供給側のインクリザーバ(不図示)へとつながる流路接続部である。この連結口26と反対側の端部(図2の右側の端部)にはインクリザーバその他の流路へとつながる連結口が設けられておらず、行き止まりの終端部となっている。
第1共通流路20には、図1で説明した第1大気開放孔24を複数個形成することが可能であるが、1つの共通流路に対して大気開放孔を1つだけ設ける場合には、図2のように、行き止まりの壁となっている終端部に第1大気開放孔24を配置することが好ましい。このような配置形態により、もっとも効果的に振動の影響を低減できる。
また、図2において、第2共通流路30の右側の端部に符号36で示した連結口は、回収側のインクリザーバ(不図示)へとつながる流路接続部である。この連結口36と反対側の端部(図2の左の端部)にはインクリザーバその他の流路へとつながる連結口が設けられておらず、行き止まりの終端部となっている。
第2共通流路30には、図1で説明した第2大気開放孔34を複数個形成することが可能であるが、1つの共通流路に対して大気開放孔を1つだけ設ける場合には、図2のように、行き止まりの壁となっている終端部に第2大気開放孔34を配置することが好ましい。このような配置形態により、もっとも効果的に振動の影響を低減できる。
吐出時に第1共通流路20と第2共通流路30から均等のバランスで圧力室14にインクが供給される構成の場合、第1共通流路20と第2共通流路30にそれぞれ同等に大気開放孔(24,34)を設ける態様が好ましい。
圧力室14に対するインクの供給バランスが均等でない場合には、そのバランスに応じて大気開放孔(24,34)の配置形態を設計することが好ましい。供給量の多い方の共通流路に、より多くの大気開放孔が配置される。
なお、図2では、ノズル12、大気開放孔(24,34)、連結口(26,36)の形状をいずれも矩形としたが、各部の流路断面形状は特に限定されず、円形、楕円形、半円形、半楕円形、多角形など、様々な形態が可能である。
また、圧力室14の形状についても、図2では平面視で円形の圧力室を示したが、圧力室の形状も特に限定されず、楕円形、菱形、多角形その他、様々な形態が可能である。
(変形例1)
図2では、1つの共通流路(20,30)に対して、それぞれ1つの大気開放孔(24,34)を形成する例を示したが、大気開放孔の数、及び配置の分布(配置形態)は様々な設計が可能である。
例えば、図2において、供給側の連結口26(「第1連結口」に相当)から圧力室14までの流路抵抗値(連結口26から第1共通流路20、第1個別流路22を通って圧力室14に至る流路系の流路抵抗値)と、回収側の連結口36(「第2連結口」に相当)から圧力室14までの流路抵抗値(連結口36から第2共通流路30、第2個別流路32を通って圧力室14に至る流路系の流路抵抗値)と、異なる場合、流路抵抗値が低い方の流路系に属する共通流路(20又は30)に大気開放孔を配置すると効果的である。具体例として、第1共通流路20及び第1個別流路22を含む流路の流路抵抗値が第2共通流路30及び第2個別流路32を含む流路の流路抵抗値よりも小さい場合には、第1共通流路20のみに少なくとも1つの大気開放孔(24)を形成し、第2共通流路30には大気開放孔を形成しないという形態が可能である。或いはまた、流路抵抗値の小さい方の共通流路に、より多くの大気開放孔を配置するという形態も可能である。
なお、符号26で示した連結口26に接続されるインクリザーバ(不図示)が「他の第1流路」に相当し、符号36で示した連結口36に接続されるインクリザーバ(不図示)が「他の第2流路」に相当する。
(変形例2)
図3は、他の変形例を示す図である。図3中、図1及び図2で説明した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図3に示すとおり、1つの共通流路(20,30)に対して、大気開放孔(24A〜24C、34A〜34C)を複数個配置することができる。同図では、第1共通流路20の終端部(右側の端部)と、当該終端部により近い2つのノズル12の近傍にそれぞれ大気開放孔24A、24B、24Cが形成されている。第2共通流路30についても同様に、第2共通流路30の終端部(左側の端部)と、当該終端部により近い2つのノズル12の近傍にそれぞれ大気開放孔34A、34B、34Cが形成されている。
図3では、共通流路(20,30)から個別流路(22,32)に分岐する分岐点の付近に大気開放孔(24B,24C,34B,34C)を配置したが、大気開放孔(24B,24C,34B,34C)と個別流路(22,32)の位置関係はこれに限られない。例えば、隣り合う個別流路同士の中間の位置に大気開放孔を配置する形態も可能である。
また、図3では、1つの共通流路(20,30)について3つの大気開放孔(24A〜24C,34A〜34C)を形成したが、大気開放孔の数はこれに限定されず、4以上でもよく、ノズル数と同数であってもよい。
大気開放孔がノズル数よりも少ない場合、共通流路(20,30)内でクロストークの影響が大きい部分に、すなわち、行き止まりの壁となっている終端部の近くに、より多くの大気開放孔を配置すると、一層効率よく振動を吸収できる。
(変形例3)
図1乃至図3では、圧力室14のインクを循環させる循環型のヘッドを説明したが、循環系(回収系)の流路を有していない非循環型のヘッドについても、本発明を適用できる。図4に、非循環型のヘッドにおけるノズルと大気開放孔の配置例を示した。図4中、図3で説明した例と同一又は類似の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
<好ましい大気開放孔の条件について>
(イナータンスの条件)
インク吐出用のノズル、絞り部、大気開放孔のそれぞれのイナータンスをLa、Lb、Lcとすると、Lb>La、かつ、Lb>Lcであることが望ましい。
イナータンスLは、インクの密度をρ、流路の長さをl、流路の流線に垂直な断面積をSとすると以下の式(数1)で表される。
Figure 0005620726
Lb>Laであることにより、エネルギー発生素子(アクチュエータ)を駆動して与えたエネルギーを液滴の吐出のために有効に使うことができ、効率的に吐出できる。また、Lb>Lcであることにより、共通流路内で発生した振動がノズルに伝わることなく、大気開放孔のメニスカス面の振動で吸収することが可能である。
(流路抵抗の条件)
共通流路から吐出用のノズルまでの流路抵抗値をRa、共通流路から大気開放孔までの流路抵抗値をRcとすると、Ra<Rcであることが好ましい。この様に設計されることにより、ノズル面にキャップを当接させて吸引によりパージを行う際、吐出用のノズルからより効果的にインクを抜き出すことができ、吐出流路内(圧力室内)に混入したゴミや気泡を効率的に排除できる。
なお、流路抵抗Rはインク粘度η、流路の断面周長をTとすると以下の式(数2)で表される。
Figure 0005620726
(大気開放孔の形状について)
図5(a)、(b)に、大気開放孔の例を示した。ここでは、第1共通流路20に連通する第1大気開放孔24を説明するが、第2共通流路30に連通する第2大気開放孔34についても同様である。
図5(a)に示した大気開放孔24は、第1共通流路20からノズル面11に向かって真っ直ぐに延びたストレート形状の流路26を介して第1共通流路20に連通している。
このように第1共通流路20から真下に直線的に形成される流路26は、ノズル孔と同様の製造プロセスで形成することができる。
図5(b)に示した大気開放孔24は、第1共通流路20からノズル面11に向かって真っ直ぐに延びたストレート形状の流路部分(符号26、以下「ストレート部」という。)の出口側にザグリ部27が付加されたものとなっている。本例のザグリ部27は、ストレート部26の下端からノズル面11に向かって次第に開口面積が大きくなる逆テーパー形状となっている。
このような構成によれば、非吐出時には、ストレート部26とザグリ部27の境界のところにメニスカス51が形成され、吐出時には第1共通流路20に伝わる振動によってメニスカス51がザグリ部27へと広がる。これにより、流体振動を吸収する液の溢れ量が多くなり、図5(a)の例と比較して、振動の吸収効果が一層向上する。
(絞りの種類について)
上述の実施形態では、絞り部の構成として、断面積を小さくしたものを説明したが、絞りの形態はこれに限定されない。例えば、流路内に柱を立てた形状のものなど、流路中に流れを阻害(規制)する部材を配設する構成も可能である。また、直線的な管路に代えて、鉛直方向にアップ/ダウンする折り返し型の流路を採用することも可能である。
<ヘッドモジュールの例について>
図2〜図4では、1列のノズル列を説明したが、ノズル12の並び方は直線状に配列させる形態に限らず、V字型、W字型など、直線を組み合わせて成る折れ線状や、波線型のように曲線に沿った配列形態など、様々な設計が可能である。
図6には、ノズルがマトリクス状に二次元配列されたヘッドモジュールの例を示した。
図6は、ヘッドモジュール内部の流路構造を示した透視平面図である。図6においてy方向が用紙(被描画媒体)の送り方向(副走査方向)であり、x方向は用紙の幅方向(主走査方向)である。このヘッドモジュール300は、x方向に対して角度γの傾きを有するv方向に沿った長辺側の端面と、y方向に対して角度αの傾きを持つw方向に沿った短辺側の端面とを有する平行四辺形の平面形状となっている。
図6のようなヘッドモジュールを用紙幅方向に複数個つなげて長尺化し、用紙幅の全描画範囲を1回の走査で画像形成できるページワイドのインクジェットヘッドバー(シングルパス印字が可能なフルライン型のインクジェットヘッド)が構成される。
図6において、符号380はノズルを表す。図示のように、図中のw方向に沿ってノズル380が並んだノズル列ごとに、それぞれノズル列を挟んで供給側インク流路310と、回収側インク流路320が設けられている。供給側インク流路310と回収側インク流路320は、それぞれ図1〜図3で説明した第1共通流路20と第2共通流路30に相当している。
図6においてw方向に沿って設けられた供給側インク流路310は、供給側共通流路本流330(供給側のインクリザーバに相当)から分岐した支流路となっており、供給側共通流路本流330は図示せぬ供給接続口を介して図示せぬインクタンクに接続される。また、回収側インク流路320は回収側共通流路本流340(回収側のインクリザーバに相当)から分岐した支流路となっており、回収側共通流路本流340は図示せぬ接続口を介して図示せぬ回収タンクに接続される。
供給側共通流路本流330と各供給側インク流路310との流路接続部(分岐部分)が図2等で説明した連結口26に相当する。また、回収側共通流路本流340と各回収側インク流路320との流路接続部(分岐部分)が図2等で説明した連結口36に相当する。
また、図6には示されていないが、各供給側インク流路310、回収側インク流路320には、図2又は図3で説明したように、それぞれ大気開放孔が配置されている。
<実施形態の作用効果>
図1〜図6で説明した本発明の実施形態によれば、吐出用のノズルからの噴射効率を低下させることなく、クロストークの影響を低減できる。また、大気開放孔はノズル面11に開口しており、吐出用のノズルと同じメンテナンス手段(吸引キャップによる吸引パージなど)によってクリーニングが可能であるため、インク固着などにより、大気開放孔が詰まって、クロストーク軽減効果が低下することを防ぐことができる。
<インクジェット記録装置の構成例について>
上述した本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドを用いたインクジェット記録装置の例について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成例を示す全体構成図である。本例のインクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部(プレコート部)114、描画部116、乾燥部118、定着部120、及び排紙部122から構成されている。インクジェット記録装置100は、描画部116の圧胴(描画ドラム170)に保持された記録媒体124(「被描画媒体」に相当、以下、便宜上「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成するシングルパス方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体124上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体124上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
(給紙部)
給紙部112には、枚葉紙である記録媒体124が積層されており、給紙部112の給紙トレイ150から記録媒体124が一枚ずつ処理液付与部114に給紙される。本例では、記録媒体124として、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
(処理液付与部)
処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム(「プレコート胴」とも言う)154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体124を挟み込むことによって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。処理液塗布装置156は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラ(計量ローラ)と、該アニックスローラと処理液ドラム154上の記録媒体124に圧接されて計量後の処理液を記録媒体124に転移するゴムローラとで構成される。ローラによる塗布方式に代えて、スプレー方式、インクジェット方式などの各種方式を適用することも可能である。
処理液が付与された記録媒体124は、処理液ドラム154から中間搬送部126を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
(描画部)
描画部116は、描画ドラム(「描画胴」或いは「ジェッティング胴」とも言う)170、用紙抑えローラ174、及びインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを備えている。描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備える。描画ドラム170に固定された記録媒体124にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yからインクが付与される。
インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yはそれぞれ、記録媒体124における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッドであり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列(2次元配列ノズル)が形成されている。各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yは、記録媒体124の搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yには、対応する色インクのカセット(インクタンク)が取り付けられる。インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから、描画ドラム170の外周面に保持された記録媒体124の記録面に向かってインク滴が吐出される。
これにより、予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。インクと処理液の反応の一例として、本実施形態では、処理液に酸を含有させPHダウンにより顔料分散を破壊し凝集するメカニズムを用い、色材滲み、各色インク間の混色、インク滴の着弾時の液合一による打滴干渉を回避する。こうして、記録媒体124上での色材流れなどが防止され、記録媒体124の記録面に画像が形成される。
各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yの打滴タイミングは、描画ドラム170に配置された回転速度を検出するエンコーダ(不図示)に同期させる。 さらに、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのノズル面の清掃、増粘インク排出(吸引パージ)などのメンテナンス動作は、ヘッドユニットを描画ドラム170から退避させて実施するとよい。
本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
描画部116で画像が形成された記録媒体124は、描画ドラム170から中間搬送部128を介して乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図7に示すように、乾燥ドラム(「乾燥胴」とも言う)176、及び溶媒乾燥装置178を備えている。乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備える。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、複数のハロゲンヒータ180と、各ハロゲンヒータ180の間にそれぞれ配置された温風噴出しノズル182とで構成される。乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体124は、乾燥ドラム176から中間搬送部130を介して定着部120の定着ドラム184へ受け渡される。
(定着部)
定着部120は、定着ドラム(「定着胴」とも言う)184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188、及びインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備える。定着ドラム184の回転により、記録媒体124が搬送され、その記録面に対して、ハロゲンヒータ186による予備加熱と、定着ローラ188による定着処理と、インラインセンサ190による検査が行われる。
定着ローラ188は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体124を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ188は、定着ドラム184に対して圧接するように配置されており、定着ドラム184との間でニップローラを構成するようになっている。この定着ローラ188で記録媒体124を加熱することによって、インクに含まれるラテックスのTg温度(ガラス転移点温度)以上の熱エネルギーが付与され、ラテックス粒子が溶融される。これにより、記録媒体124の凹凸に押し込み定着が行われるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢性が得られる。
なお、図7の実施形態では、定着ローラ188を1つだけ設けた構成となっているが、画像層厚みやラテックス粒子のTg特性に応じて、複数段設けた構成でもよい。
一方、インラインセンサ190は、記録媒体124に記録された画像(テストパターンなども含む)について、吐出不良チェックパターンや画像の濃度、画像の欠陥などを計測するための読取手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
上記の如く構成された定着部120によれば、乾燥部118で形成された薄層の画像層内のラテックス粒子が定着ローラ188によって加熱加圧されて溶融されるので、記録媒体124に固定定着させることができる。
なお、高沸点溶媒及びポリマー微粒子(熱可塑性樹脂粒子)を含んだインクに代えて、紫外線(UV)露光にて重合硬化可能なモノマー成分を含有していてもよい。この場合、インクジェット記録装置100は、ヒートローラによる熱圧定着部(定着ローラ188)の代わりに、記録媒体124上のインクにUV光を露光するUV露光部を備える。このように、UV硬化性樹脂などの活性光線硬化性樹脂を含んだインクを用いる場合には、加熱定着の定着ローラ188に代えて、UVランプや紫外線LD(レーザダイオード)アレイなど、活性光線を照射する手段が設けられる。
(排紙部)
図7に示すように、定着部120に続いて排紙部122が設けられている。排紙部122は、排出トレイ192を備えており、この排出トレイ192と定着部120の定着ドラム184との間に、これらに対接するように渡し胴194、搬送ベルト196、張架ローラ198が設けられている。記録媒体124は、渡し胴194により搬送ベルト196に送られ、排出トレイ192に排出される。搬送ベルト196による用紙搬送機構の詳細は図示しないが、印刷後の記録媒体124は無端状の搬送ベルト196間に渡されたバー(不図示)のグリッパーによって用紙先端部が保持され、搬送ベルト196の回転によって排出トレイ192の上方に運ばれてくる。
また、図7には示されていないが、本例のインクジェット記録装置100には、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体124の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
〔変形例〕
図7の実施形態では、記録媒体124に直接インク滴を打滴して画像を形成する方式(直接記録方式)のインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、一旦、中間転写体上に画像(一次画像)を形成し、その画像を転写部において記録紙に対して転写することで最終的な画像形成を行う中間転写型の画像形成装置についても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を有するページワイドのフルライン型ヘッドを用いたインクジェット記録装置(1回の副走査によって画像を完成させるシングルパス方式の画像形成装置)を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、シリアル型(シャトルスキャン型)ヘッドなど、短尺の記録ヘッドを移動させながら、複数回のヘッド走査により画像記録を行うインクジェット記録装置についても本発明を適用できる。
<ヘッドと用紙を相対移動させる手段について>
上述の実施形態では、停止したヘッドに対して被描画媒体を搬送する構成を例示したが、本発明の実施に際しては、停止した被描画媒体に対してヘッドを移動させる構成も可能であり、ヘッドと被描画媒体を両方移動させる構成も可能である。
<本発明の応用例について>
上記の実施形態では、グラフィック印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを描画するインクジェットシステムに広く適用できる。
10…インクジェットヘッド、11…ノズル面、12…ノズル、14…圧力室、16…アクチュエータ、20…第1共通流路、22…第1個別流路、24…第1大気開放孔、26…連結口、30…第2共通流路、32…第2個別流路、34…第2大気開放孔、36…連結口、42…振動板、51…メニスカス、52…メニスカス、100…インクジェット記録装置、124…記録媒体、170…描画ドラム、300…ヘッドモジュール、310…供給側インク流路、320…回収側インク流路、380…ノズル

Claims (10)

  1. 液滴を吐出する複数のノズルと、
    前記複数のノズルに対応して設けられた複数の圧力室と、
    前記複数の圧力室のそれぞれに対応して配置され、各圧力室内の液体に吐出力を与える
    エネルギー発生素子と、
    前記複数の圧力室に連通し、各圧力室に液体を供給する共通流路と、
    前記圧力室毎に各圧力室と前記共通流路との間をつなぐ個別の流路部分に設けられた絞
    り部と、
    前記共通流路に連通し、前記複数のノズルが形成されたノズル面に開口を有する大気開
    放孔と、をえ、
    前記ノズルのイナータンスをLa、前記絞り部のイナータンスをLb、前記大気開放孔の
    イナータンスをLcとすると、Lb>La、かつ、Lb>Lcであることを特徴とする液体吐
    出ヘッド。
  2. 請求項1において、
    前記共通流路から前記ノズルの開口までの流路抵抗値をRa、前記共通流路から前記大
    気開放孔の開口までの流路抵抗値をRcとすると、Ra<Rcであることを特徴とする液体
    吐出ヘッド。
  3. 請求項1又は2において、
    前記大気開放孔は、前記共通流路から前記ノズル面に向かって真っ直ぐに伸びたストレ
    ート形状の流路によって前記共通流路につながっていることを特徴とする液体吐出ヘッド
  4. 請求項1乃至のいずれか1項において、
    前記大気開放孔は、前記共通流路から前記ノズル面に向かって真っ直ぐに伸びたストレ
    ート形状の流路部と、該流路部から前記ノズル面の開口に向かって開口面の広さが大きく
    なるザグリ部と有していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項において、
    前記共通流路に連通して設けられる前記大気開放孔の数は、当該共通流路に並列に接続
    されている前記圧力室の数よりも少ないことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項において、
    前記共通流路の一方の端部には、当該共通流路を他の流路と連結させる連結口が設けら
    れ、他方の端部は当該共通流路の終端部となっており、
    少なくとも前記共通流路の前記終端部に前記大気開放孔が配置されることを特徴とする
    液体吐出ヘッド。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項において、
    前記共通流路の一方の端部は、連結口を介して他の流路と連結されており、
    当該連結口から他方の端部の終端部に至る前記共通流路のうち、前記終端部側により多
    くの前記大気開放孔が配置されることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項において、
    前記各圧力室にそれぞれ個別に連通する個別回収流路と、
    前記個別回収流路を介して前記複数の圧力室に連通し、各圧力室から液体を回収する共
    通回収流路と、
    前記共通回収流路に連通し、前記複数のノズルが形成されたノズル面に開口を有する大
    気開放孔と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 液滴を吐出する複数のノズルと、
    前記複数のノズルに対応して設けられた複数の圧力室と、
    前記複数の圧力室のそれぞれに対応して配置され、各圧力室内の液体に吐出力を与える
    エネルギー発生素子と、
    前記複数の圧力室に連通し、各圧力室に液体を供給する第1共通流路と、
    前記第1共通流路を他の第1流路に連結させるために当該第1共通流路に設けられた第
    1連結口と、
    前記圧力室毎に各圧力室と前記第1共通流路との間をつなぐ第1個別流路と、
    前記各圧力室にそれぞれ個別に連通する第2個別流路と、
    前記第2個別流路を介して前記複数の圧力室に連通し、各圧力室から液体を回収し又は
    各圧力室に液体を供給する第2共通流路と、
    前記第2共通流路を他の第2流路に連結させるために当該第2共通流路に設けられた第
    2連結口と、
    前記第1共通流路及び第2共通流路のうち、前記第1連結口から前記圧力室までの流路
    抵抗値と前記第2連結口から前記圧力室までの流路抵抗値とを比較して流路抵抗値が低い
    方の共通流路に連通し、前記複数のノズルが形成されたノズル面に開口を有する大気開放
    孔と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、
    前記エネルギー発生素子に印加する駆動電圧信号を生成し、前記液体吐出ヘッドの吐出
    動作を制御する駆動制御手段と、
    前記液体吐出ヘッドと被描画媒体とを相対移動させる搬送手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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