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JP5622124B2 - シリコンウェーハの研磨方法 - Google Patents
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JP5622124B2 - シリコンウェーハの研磨方法 - Google Patents

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Description

この発明は、シリコンウェーハの研磨方法、詳しくは研磨液を供給しながら、シリコンウェーハと研磨布とを相対的に回転させて、シリコンウェーハの表裏面のうち、被研磨面となる少なくとも表面を研磨するシリコンウェーハの研磨方法に関する。
近年、シリコンウェーハの表面を研磨する方法としては、シリカ粒子などの遊離砥粒をアルカリ性水溶液中に含有させた研磨液を供給しながら、シリコンウェーハと研磨布とを相対的に回転させて行うCMP(化学的機械的研磨)が一般的である。CMPは、遊離砥粒による機械的研磨作用と、アルカリ性水溶液による化学的研磨作用とを複合させ、シリコンウェーハの表面に高い平坦度が得られることで知られている。CMP処理では、通常、粗研磨から仕上げ研磨へと複数の段階を経てウェーハ表面が研磨される。
初期段階の粗研磨は、所望とする厚みまでシリコンウェーハを研磨することを目的とし、ポリウレタンなどの硬質の研磨布を用いて研磨速度が比較的速い条件で、研磨後のシリコンウェーハの厚さのバラツキを小さく、平坦化するように研磨される。この粗研磨工程では、研磨布の種類や遊離砥粒サイズを変更し、シリコンウェーハの研磨量(取り代)を複数段階(例えば1〜3段階)に分けながら研磨処理されることもある。
仕上げ研磨は、シリコンウェーハの表面の粗さを改善することを目的に行われ、スエードのような軟質の研磨布および微小サイズの遊離砥粒を使用し、ヘイズと呼ばれるウェーハ表面上の微小な面粗さのバラツキを低減するように研磨される。この仕上げ研磨工程も粗研磨工程と同様に、研磨布の種類や遊離砥粒サイズを変更しながら、複数段階に分けてなされる場合もある。
しかしながら、遊離砥粒を含む研磨液(スラリー)を用いて仕上げ研磨を実施した場合、ある程度のウェーハ表面の粗さを改善することはできるものの、研磨液中の遊離砥粒の凝集を原因として、シリコンウェーハの表面には、加工起因の欠陥であるマイクロスクラッチが発生していた。
一方、特許文献1では、研磨材(砥粒)を含む仕上げ研磨後、遊離砥粒による仕上げ研磨により発生した潜傷(マイクロスクラッチなど)が存在しなくなるまで、研磨材を含まない化学的研磨液を研磨布に供給しながらウェーハを研磨することが提案されている。具体的には、遊離砥粒を含むスラリーを使用して仕上げ研磨したウェーハについて、研磨材を含まない0.2重量%のNaOH水溶液により約30分の研磨を行って、深さ5μmまで除去するようにウェーハ表面を研磨することにより、スクラッチ像がほぼ消滅することが報告されている。
特許第3202305号公報
しかしながら、特許文献1のような、遊離砥粒を含まない化学的研磨液を使用し、仕上げ研磨後のシリコンウェーハの表面を潜傷が存在しなくなるまで研磨した場合、ウェーハ表面が等方性エッチングされてしまい、遊離砥粒を含む仕上げ研磨直後のシリコンウェーハに比べて、シリコンウェーハの表面のヘイズレベルが悪化する現象が発生する問題があった。
この発明は、シリコンウェーハ表面のヘイズレベルを改善できるシリコンウェーハの研磨方法を提供することを目的としている。
一般的に行われる遊離砥粒を含む研磨液を使用して仕上げ研磨を行えば、粗研磨で得られたシリコンウェーハ表面のヘイズレベルをある程度まで向上させることができる。しかしながら、遊離砥粒を用いた仕上げ研磨後のシリコンウェーハ表面のヘイズレベルは、使用する遊離砥粒の平均粒径に大きく依存し、微小径サイズの砥粒を使用するほどヘイズレベルの向上が図れるものの、砥粒の平均粒径を小さくすれば研磨液中の砥粒の分散性が低下して砥粒が凝集してしまい、シリコンウェーハ表面へのスクラッチなどの加工起因の欠陥を引き起こす問題がある。このため、遊離砥粒を含む研磨液を使用した仕上げ研磨では、砥粒の凝集を生じない平均粒径の範囲内でしか研磨が行えず、仕上げ研磨により改善できるヘイズレベルに限界があった。
本発明者らは、上述した仕上げ研磨におけるヘイズレベルの問題を解決すべく、遊離砥粒を含まない弱塩基性水溶液を主剤とした研磨液を用いて研磨(最終研磨)することで、仕上げ研磨したシリコンウェーハ表面のヘイズ成分である凹凸部の凸部を選択的にエッチングして除去することを想起し、鋭意研究の結果、以下の知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち、遊離砥粒を含まない最終研磨によって達成できるヘイズレベルは、化学的研磨液中のアルカリ種およびアルカリ濃度に依存し、低濃度のアルカリ濃度とすることにより、ヘイズ値を低減できることを突き止め、この発明の完成に至った。
請求項1に記載の発明は、遊離砥粒を含む仕上げ研磨液を研磨布に供給しながら、該研磨布とシリコンウェーハとを相対的に回転させて、該シリコンウェーハの表裏面のうち、少なくとも表面を仕上げ研磨し、該仕上げ研磨後、固定砥粒を有しない研磨布を用い、該仕上げ研磨液に含まれる前記遊離砥粒が該研磨布の表面に残存していない状態で、遊離砥粒を含まない弱塩基性水溶液を主剤とし、水溶性高分子が添加された最終研磨液を研磨布に供給しながら、該研磨布と前記シリコンウェーハとを相対的に回転させて、該シリコンウェーハの仕上げ研磨された面を最終研磨するシリコンウェーハの研磨方法であって、前記シリコンウェーハの最終研磨された面のヘイズ値が、該シリコンウェーハの仕上げ研磨された面のヘイズ値より低くなるように、前記最終研磨液の弱塩基性水溶液のアルカリ濃度を調整し、前記最終研磨液の弱塩基性水溶液のアルカリ濃度は、該弱塩基性水溶液がアンモニア水の場合には0.1〜1000ppm、該弱塩基性水溶液が水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の場合には0.1〜100ppm、該弱塩基性水溶液がアンモニアと炭酸水素アンモニウムとの混合水溶液の場合には0.1〜500ppmであるシリコンウェーハの研磨方法である。
この発明のシリコンウェーハの研磨方法によれば、シリコンウェーハの最終研磨時、弱塩基性水溶液のアルカリ濃度を、シリコンウェーハの仕上げ研磨面のヘイズ値に達するアルカリ濃度未満としたので、遊離砥粒を含まない弱塩基性水溶液を主剤とした最終研磨液のアルカリエッチング作用を原因として、シリコンウェーハの最終研磨面のヘイズレベルを、仕上げ研磨面のヘイズレベルより悪化しないようにすることができる。
また、最終研磨液に水溶性高分子を添加したため、ヘイズレベルをさらに改善することができる。
この発明に係る実施例1のシリコンウェーハの研磨方法を示すフローシートである。 この発明に係る実施例1のシリコンウェーハの研磨方法に用いられる片面鏡面研磨装置の正面図である。 この発明に係る実施例1〜実施例3のシリコンウェーハの研磨方法における最終研磨液への種類別のアルカリ剤の添加量と、ヘイズレベルとの関係を示すグラフである。 この発明に係る実施例1のシリコンウェーハの研磨方法における最終研磨液へのヒドロキシエチルセルロースの添加量とヘイズレベルとの関係を示すグラフである。 (a)〜(c)は、従来のシリコンウェーハの研磨方法における有砥粒研磨の段階別のヘイズレベルの変化を示すシリコンウェーハの要部拡大断面図である。 (a)〜(c)は、この発明に係るシリコンウェーハの研磨方法における無砥粒研磨の経時的なヘイズレベルの変化を示すシリコンウェーハの要部拡大断面図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
この発明のシリコンウェーハの研磨方法は、遊離砥粒を含む仕上げ研磨液を研磨布に供給しながら、該研磨布とシリコンウェーハとを相対的に回転させて、該シリコンウェーハの表裏面のうち、少なくとも表面を仕上げ研磨し、該仕上げ研磨後、遊離砥粒を含まない弱塩基性水溶液を主剤とした最終研磨液を研磨布に供給しながら、該研磨布と前記シリコンウェーハとを相対的に回転させて、該シリコンウェーハの仕上げ研磨された面を最終研磨するシリコンウェーハの研磨方法であって、前記シリコンウェーハの最終研磨された面のヘイズ値が、該シリコンウェーハの仕上げ研磨された面のヘイズ値より低くなるように、前記最終研磨液の弱塩基性水溶液のアルカリ濃度を調整したシリコンウェーハの研磨方法である。
ここで、この発明のシリコンウェーハの研磨方法により、シリコンウェーハの仕上げ研磨されたシリコンウェーハの表面のヘイズレベルを改善可能な点について詳述する。
この発明のシリコンウェーハの研磨方法では、最終研磨液には遊離砥粒が含まれていないので、遊離砥粒の凝集による加工起因の欠陥は発生せず、使用可能な砥粒サイズの制限によるヘイズレベルの制約を受けることがない。
特に、この発明のシリコンウェーハの研磨方法では、最終研磨液として弱塩基性水溶液を主剤とした研磨液を使用し、最終研磨されたシリコンウェーハの表面のヘイズ値が、仕上げ研磨されたシリコンウェーハの表面のヘイズ値より低くなるように弱塩基性水溶液のアルカリ濃度を調整して、シリコンウェーハの表面を研磨することが肝要となる。
しかも、図5(a)〜図5(c)に示すように、粗研磨としての1次研磨を含み、研磨布13を使って行われる仕上げ研磨としての2次研磨および3次研磨は、研磨液中に遊離砥粒aが含まれた有砥粒研磨である。そのため、研磨後のヘイズレベルは、仕上げ研磨時の遊離砥粒aの粒径に依存する。したがって、長時間研磨しても砥粒サイズを変更しない限り、シリコンウェーハWの研磨面のヘイズレベルの低下は望めない。
しかしながら、図6(a)〜図6(c)に示すように、最終研磨としての4次研磨は、遊離砥粒aを含まない弱塩基性水溶液のアルカリエッチング作用による無砥粒研磨であるため、シリコンウェーハWの最終研磨面のヘイズレベルは長く研磨するほど、仕上げ研磨面よりもヘイズ値を低下させることができる。
ここで、弱塩基性水溶液とは、弱塩基性物質を水溶液にするときの電離度が小さいものであり、アンモニア水溶液、アンモニアと炭酸水素アンモニウムとの混合水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液などが挙げられる。例えば、アンモニアを水溶液にすると水酸化アンモニウムになり、その一部がアンモニウムイオンと水酸化物イオンに電離して塩基性を示す。電離する水酸化アンモニウムはごく一部であって、残りは水酸化アンモニウムとして水中に存在する。したがって、実効的に効く水酸化物イオンは強塩基性物質を用いた場合に比べて少ないので、エッチング速度は比較的緩やかである。また、弱塩基性物質は、金属イオンが非常に少ない高純度品の入手が容易である。
しかしながら、例えば、弱塩基性水溶液を充填したエッチング槽内にシリコンウェーハを浸漬させ、その表面をアルカリエッチングする処理を行っても、シリコンウェーハの表面のヘイズ成分である凹凸部の凸部を選択的にエッチングする作用は殆ど得られない。
低アルカリ濃度に調整した弱塩基性水溶液を研磨液として使用し、かつウェーハ表面を研磨処理することにより、ヘイズレベルを低減することができる。これは、最終研磨処理中のシリコンウェーハおよび研磨定盤のうち、少なくとも1つの回転により、低アルカリ濃度の弱塩基性水溶液がウェーハの径方向に流動し、シリコンウェーハの深さ方向に対するエッチング作用よりも遠心方向(ウェーハ径方向)のエッチング作用が優先され、シリコンウェーハの表面のヘイズ成分である凹凸部の凸部が選択的にエッチングされ、ヘイズレベルが低減されるものと推測される。
一方、NaOHやKOHなどの電離度が1に近い強塩基性水溶液を使用した場合、これらの強塩基性物質を水溶液にすれば、ナトリウムイオン(カリウムイオン)と水酸化物イオンに完全に電離する。このため、シリコンに対するエッチング作用が強すぎて、シリコンウェーハの表面のヘイズ成分である凹凸部の凸部を選択的にエッチングする作用は得られず、凹凸部の全体が均一に等方エッチングされてしまい、最終研磨面のヘイズレベルは仕上げ研磨面のヘイズレベルよりむしろ悪化してしまうことになる。また、不純物として金属イオンが残留する欠点もある。
また、この発明のシリコンウェーハの研磨方法では、最終研磨液に水溶性高分子を添加することで、最終研磨後のシリコンウェーハの表面のヘイズレベルをさらに低減させることができる。すなわち、最終研磨液中の水溶性高分子はシリコンウェーハの表面に付着し、エッチング反応を抑制する働きがある。このため、シリコンウェーハの表面のヘイズ成分である凹凸部の凸部に付着した水溶性高分子は研磨布との接触により拭き取られ、凸部のアルカリエッチングが進行し、一方、シリコンウェーハ表面のヘイズ成分である凹凸部の凹部内には水溶性高分子が付着して滞留し、凹部に対するアルカリエッチングの進行が抑制され、凸部の選択的エッチング作用が進行すると推測される。
研磨対象とするシリコンウェーハとしては、例えば単結晶シリコンウェーハ、多結晶シリコンウェーハなどを採用することができる。また、エピタキシャルシリコンウェーハ、SOIシリコンウェーハなどでもよい。シリコンウェーハの直径としては、例えば100mm、125mm、150mm、200mm、300mm、450mmなどが挙げられる。
粗研磨されるシリコンウェーハの面は、表面、裏面およびこれらの両方でもよい。粗研磨では、例えばポリウレタン製などの硬質の研磨布を使用し、平均粒径30〜100nmの遊離砥粒(コロイダルシリカ、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒など)を含む粗研磨液を研磨布に供給しながら、研磨後のシリコンウェーハの厚さのバラツキを小さく、平坦化するように研磨される。粗研磨工程は、研磨布の種類や粗研磨液に含まれる遊離砥粒のサイズを変更し、シリコンウェーハの被研磨面の研磨量を、例えば2段階または3段階に分けて研磨してもよい。
粗研磨液としては、pH8〜pH13に調整されたアルカリ性水溶液を用いることが望ましく、アルカリ剤として、塩基性アンモニウム塩、塩基性カリウム塩、塩基性ナトリウム塩などが添加されたアルカリ性水溶液、または炭酸アルカリ性水溶液、またはアミンが添加されたアルカリ性水溶液などが望ましい。なお、粗研磨は、遊離砥粒を含まない高濃度アルカリ性水溶液からなる粗研磨液を使用する無砥粒研磨方式であってもよい。
ウェーハ表裏面を粗研磨する場合は、シリコンウェーハを収納するキャリアプレートと、このキャリアプレートを挟む研磨布を貼張した上定盤および下定盤とを備えた両面研磨装置を用いて研磨することが望ましい。両面研磨装置としては、例えばサンギヤ(遊星歯車)方式のもの、または、キャリアプレートに自転をともなわない円運動をさせる無サンギヤ方式のものを採用することができる。これにより、一度の研磨処理でウェーハ表面だけでなく、ウェーハ裏面の高平坦化までを達成することができる。
仕上げ研磨において、遊離砥粒を含むアルカリ性水溶液を仕上げ研磨液とすることができる。例えば、アルカリ性水溶液中に、コロイダルシリカ(砥粒)、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒などの遊離砥粒が混入されたものを採用することができる。これにより、シリコンウェーハの被研磨面は、主に遊離砥粒によるメカニカルな研削作用と、アルカリによるケミカル作用により研磨される。
仕上げ研磨液用のアルカリ性水溶液に添加される遊離砥粒の平均粒径は、マイクロスクラッチなどの加工起因の欠陥を発生させないように、砥粒が凝集しない粒径範囲で選定すればよく、平均粒径が10〜50nmのものを使用することが望ましい。平均粒径が10nm未満では、研磨液中の砥粒の分散性が低下して砥粒が凝集して、シリコンウェーハ表面へのスクラッチなどの加工起因の欠陥を引き起こす恐れがある。50nmを超えれば、仕上げ研磨後のシリコンウェーハの表面のヘイズ値が大きく悪化し、その後に砥粒を含まない弱塩基性水溶液、例えばアンモニア水溶液を主剤とする無砥粒研磨を行っても、現状要求されるヘイズレベルにまで低減することが困難となる。平均粒径はBET法により測定されたものである。
使用するアルカリ性水溶液としては、粗研磨液と同様に、pH8〜pH13に調整されたアルカリ性水溶液を用いることが望ましく、アルカリ剤として、塩基性アンモニウム塩、塩基性カリウム塩、塩基性ナトリウム塩の何れかなどが添加されたアルカリ性水溶液、または炭酸アルカリ性水溶液、またはアミンが添加されたアルカリ性水溶液などを例示できる。
なお、仕上げ研磨は、粗研磨のようなシリコンウェーハの平坦度を調整する研磨とは異なり、ウェーハ表面の微小なうねりやヘイズレベルの改善を目的として実施するものである。現状では、仕上げ研磨されたシリコンウェーハを洗浄(SC−1洗浄)後、ウェーハ表面を表面検査装置(KLA−Tencor社製、SP2を用いたDWOモード)で評価した場合で、0.03〜0.2ppmのヘイズレベルのものが製造される。
仕上げ研磨用の研磨布としては、粗研磨用のポリウレタンなどの硬質の研磨布とは異なり、軟質の研磨布が適している。具体的には、ベロアタイプやスエードタイプのものを採用することができる。ベロアタイプの研磨布は、単層構造のいわゆる不織布であり、立体的な構造の多孔質シート状材料である。スエードタイプの研磨布は、いわば工業材料用の人工皮革で、合成繊維および特殊合成ゴムにより形成した立体構造の不織布からなる基体層と、耐摩耗性に優れたポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の高分子樹脂に多数の微細なポア(孔)を形成した表面層とから構成したものである。
最終研磨液としては、遊離砥粒を含まない弱塩基性水溶液を主剤としたものを採用している。ここで、「遊離砥粒を含まない弱塩基性水溶液」とは、最終研磨液の主剤である弱塩基性水溶液中に、コロイダルシリカ、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒などの遊離砥粒が混入されていないものをいう。これにより、シリコンウェーハの最終研磨面は、ケミカル作用により研磨され、遊離砥粒を用いた仕上げ研磨のようなメカニカル作用による加工ダメージの発生を回避することができる。しかも、遊離砥粒を利用しない研磨であるため、砥粒凝集に起因したマイクロスクラッチなどの加工起因の欠陥発生も低減することができる。
最終研磨液用の弱塩基性水溶液のアルカリ濃度(アルカリ剤の含有量)は、最終研磨された面のヘイズ値が、シリコンウェーハの仕上げ研磨された面のヘイズ値より低くなるように調整される。アルカリ濃度が、シリコンウェーハの仕上げ研磨面のヘイズ値に達する濃度値以上では、シリコンウェーハの表面のエッチング作用が過度に高まり、最終研磨面のヘイズレベルが仕上げ研磨面より悪化する。
最終研磨液の弱塩基性水溶液がアンモニア水の場合において、弱塩基性水溶液のアルカリ濃度は、0.1〜1000ppmの範囲に調整することが望ましい。0.1ppm未満では、仕上げ研磨面のヘイズレベルの改善効果が小さい。また、1000ppmを超えれば、過度のアルカリエッチング反応によりシリコンウェーハの最終研磨面に面荒れを生じ易い。0.1〜1000ppmの範囲であれば、シリコンウェーハの仕上げ研磨面のヘイズ成分(有砥粒研磨により発生したウェーハ面の凹凸部分)を低減することができる。なお、アンモニア水の場合は、アルカリ濃度が500ppmを超えたあたりからヘイズ値が悪化していく傾向がある。そのため、効果的なヘイズ値の改善効果を得る観点からは、アルカリ濃度を10〜500ppmの範囲に調整することが特に望ましい。
最終研磨液の弱塩基性水溶液が水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の場合において、弱塩基性水溶液のアルカリ濃度は、0.1〜100ppmの範囲に調整することが望ましい。0.1ppm未満では、仕上げ研磨面のヘイズレベルの改善効果が小さい。また、100ppmを超えれば、過度のアルカリエッチング反応によりシリコンウェーハの最終研磨面に面荒れを生じ易い。0.1〜100ppmの範囲であれば、シリコンウェーハの仕上げ研磨面のヘイズ成分(有砥粒研磨により発生したウェーハ面の凹凸部分)を低減することができる。なお、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の場合は、アルカリ濃度が50ppmを超えたあたりからヘイズ値が悪化していく傾向がある。そのため、効果的なヘイズ値の改善効果を得る観点からは、アルカリ濃度を1〜50ppmの範囲に調整することが特に望ましい。
最終研磨液の弱塩基性水溶液がアンモニアと炭酸水素アンモニウムとの混合水溶液の場合において、弱塩基性水溶液のアルカリ濃度は、0.1〜500ppmの範囲に調整することが望ましい。0.1ppm未満では、仕上げ研磨面のヘイズレベルの改善効果が小さい。また、500ppmを超えれば、過度のアルカリエッチング反応により、シリコンウェーハの最終研磨面に面荒れを生じ易い。なお、アンモニアと炭酸水素アンモニウムとの混合水溶液の場合は、アルカリ濃度が100ppmを超えたあたりからヘイズ値が悪化していく傾向がある。そのため、効果的なヘイズ値の改善効果を得る観点からは、アルカリ濃度を10〜100ppmの範囲に調整することが特に望ましい。
最終研磨用の研磨布としては、仕上げ研磨で使用される軟質の研磨布を採用することができ、特に、スエードタイプの研磨布を採用することが望ましい。理由は定かではないが、本発明者らは、ベロアタイプよりスエードタイプの方がヘイズレベルの改善効果が高いことを確認している。具体的には、JIS K 6253−1997/ISO 7619により規定されたショアC硬度で40°〜80°、圧縮弾性率が60〜100%の研磨布などが適している。
最終研磨(粗研磨および仕上げ研磨も同じ)は、シリコンウェーハと研磨布とを相対的に回転させることにより行われる。「相対的に回転させる」とは、シリコンウェーハを回転させる、研磨布を回転させる、あるいはシリコンウェーハと研磨布との両方を回転させることをいう。シリコンウェーハおよび研磨布の回転方向は任意である。例えば、両方を回転させる場合のシリコンウェーハと研磨布との回転方向は、同一でも異なってもよい。
最終研磨の際、シリコンウェーハの仕上げ研磨面の研磨量は、0Åを超えて80Å以下とすることが望ましい。すなわち、最終研磨は、仕上げ研磨されたシリコンウェーハの表面のヘイズ成分である凹凸部の凸部のみを選択的に除去しようとするものである。そのため、0Åを超えて80Å以下という極僅かな研磨量で凸部を除去することができ、十分なヘイズ改善効果が得られる。研磨時間もこの研磨量となるように設定すればよく、最大でも10分間以下の研磨時間で十分である。これにより、仕上げ研磨面のヘイズ値よりもヘイズ値を小さくすることができる。
シリコンウェーハの最終研磨(粗研磨および仕上げ研磨も同じ)では、枚葉式の研磨装置を使用しても、複数枚のシリコンウェーハを同時に研磨するバッチ式の研磨装置を使用してもよい。また、表面のみの片面研磨でも、ウェーハ表裏面を同時に研磨する両面研磨でもよい。さらに、最終研磨用の研磨装置は、仕上げ研磨用の研磨装置を継続して使用して研磨液のみ変更するようにしてもよい。しかしながら、仕上げ研磨で使用した遊離砥粒が研磨布の表面に残留し、これを除去する洗浄操作や、研磨液交換作業などを行う必要があるため、仕上げ研磨用のものとは異なる最終研磨専用の研磨装置を使用することが特に望ましい。
最終研磨液には、水溶性高分子を添加した方が望ましい。これにより、最終研磨後のシリコンウェーハのヘイズレベルを、さらに低減することができる。
水溶性高分子には、ノニオン系のポリマーおよびモノマーのうちの1種もしくは複数種、または、アニオン系のポリマーおよびモノマーのうちの1種もしくは複数種などを使用する。
水溶性高分子としては、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリエチレングリコール(PEG)を使用することが望ましい。特に、ヒドロキシエチルセルロースは、高純度のものを比較的容易に入手でき、ウェーハ表面で高分子膜を形成し易いため、アルカリによるエッチング反応を抑制する効果が高いという特性を有する。ただし、各種の水溶性高分子のうち、弱塩基性水溶液によるシリコンウェーハのエッチングを促進させるものは不適当である。水溶性高分子は、1種類だけを使用しても、複数種類を使用してもよい。
また、水溶性高分子に代えて、界面活性剤または脂肪族アルコールでもよい。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどを採用することができる。また、脂肪族アルコールとしては、例えば、ポリビニルアルコールなどを採用することができる。
最終研磨液中の水溶性高分子の濃度は、0.1〜1000ppmの範囲で設定すればよく、特に10〜100ppmが好ましい。水溶性高分子としてヒドロキシエチルセルロースを採用した場合も、添加量10〜100ppmが好ましい。過剰に添加すれば、研磨そのものが行えなくなってしまうおそれがある。
ラッピングおよび面取り加工が施された、直径300mm、結晶方位(100)のシリコンウェーハを複数枚準備し、これらのシリコンウェーハに対して、粗研磨に該当する1次研磨と、仕上げ研磨の前段部分となる2次研磨と、仕上げ研磨の後段部分となる3次研磨と、最終研磨に該当する4次研磨とからなる4段階の研磨を施した(図1のフローシート)。
1次研磨工程では、無サンギヤ方式の両面研磨装置を用い、1次研磨液を使用してシリコンウェーハの表裏面を同時に研磨する1次研磨を実施した。1次研磨液には、平均粒径70nmのコロイダルシリカ粒子(遊離砥粒)が5重量%添加されたKOH水溶液を使用し、シリコンウェーハの表裏面を粗研磨した。このときの研磨量は、片面で10μmとした。
次に、1次研磨されたシリコンウェーハWの表面に対して、遊離砥粒を含む2次研磨液を供給しながら、片面鏡面研磨装置により2次研磨を施した。
図2に示すように、片面鏡面研磨装置10は、研磨定盤11と、その上方に配置された研磨ヘッド12とを備えている。研磨定盤11の上面には、硬質発泡ウレタンパッド製の研磨布13が貼着されている。研磨ヘッド12はヘッド駆動部14の回転軸14aに固定され、研磨ヘッド12の下面にはシリコンウェーハWが1枚、研磨ヘッド12に真空吸着されている。また、研磨定盤11の中央部の上方には、2次研磨液を研磨布13に供給するスラリーノズル15が配置されている。2次研磨液は、0.08重量%のKOH水溶液に、平均粒径が70nmのコロイダルシリカ粒子が0.5重量%添加したものを使用した。
2次研磨時には、回転軸14aを介して、ヘッド駆動部14により研磨ヘッド12を回転させながらこれを徐々に下降させ、シリコンウェーハWを研磨布13に押圧する。この状態で、スラリーノズル15から2次研磨液を研磨布13に供給しながら、シリコンウェーハWの表面を2次研磨した。これにより、シリコンウェーハWの1次研磨された表面に、0.6μmの研磨量とした仕上げ研磨の前段部分を施した。
次に、2次研磨されたシリコンウェーハWの表面を3次研磨する。具体的には、2次研磨で使用した片面鏡面研磨装置10を用い、0.08重量%のKOH水溶液に、平均粒径が35nmのコロイダルシリカ粒子が0.5重量%添加された3次研磨液を研磨布13に供給しながら、シリコンウェーハWの表面を3次研磨した。これにより、シリコンウェーハWの2次研磨された表面に、研磨量0.04μmとした仕上げ研磨の後段部分を施した。
次いで、3次研磨されたシリコンウェーハWに、所定のSC1洗浄液によるSC1洗浄を施す。その後、ウェーハ表面のヘイズレベルを測定した。測定の結果、シリコンウェーハWの表面のヘイズ値は0.077ppmであった。ヘイズ値の測定には、表面検査装置として、KLA Tencor社製、SP2を採用し、そのDWOモード(Dark Field Wide Obliqueモード、暗視野ワイド斜め入射モード)を使用して測定した。なお、本実施例では、仕上げ研磨を2次研磨、3次研磨の二段階で行った例を示したが、3次研磨条件で2次研磨を行う一段研磨処理であってもよい。
次に、3次研磨後のシリコンウェーハWの表面を、遊離砥粒を含まない4次研磨液(最終研磨液)を用いて4次研磨(最終研磨)した。具体的には、1次研磨〜3次研磨で使用した片面鏡面研磨装置10を用い、研磨布13として、JIS K 6253−1997/ISO 7619により規定されたショアC硬度が64°、圧縮弾性率が63%のスエード製のもの(千代田株式会社製のシーガル)を使用した。
4次研磨時には、遊離砥粒を含有しないアンモニア水からなる4次研磨液を、0.4リットル/分で研磨布13へ供給しながら、研磨定盤11および研磨ヘッド12の回転速度が50rpm(回転方向は反対向き)、研磨圧が100g/cm、研磨時間が3分間で、しかも濃度を0.1〜1000ppmで変化させた研磨条件で、シリコンウェーハWの表面を4次研磨した。その結果を、図3のグラフに示す。図3のグラフは、最終研磨後のシリコンウェーハWの表面のヘイズ値が、仕上げ研磨面のヘイズ値(0.077ppm)に達するまでに必要となるアルカリ剤の添加量(アルカリ濃度)の違いを確認する試験の結果である。ヘイズ値の測定には、表面検査装置(KLA−Tencor社製、SP2を用いたDWOモード)を使用した。また、最終研磨面のヘイズ値を測定する前に、シリコンウェーハWの表面を所定のSC1洗浄液により洗浄した。
図3のグラフから明らかなように、最終研磨液がアンモニア水の場合には、ウェーハ表面のヘイズ値が0.077ppmに達するまでに必要なアンモニアの添加量は約1000ppmとなる。例えば、最終研磨液のアンモニア水に添加されたアンモニアの添加量が100ppmのとき、最終研磨面のヘイズ値は0.065ppmであった。
次に、同じく図3のグラフを参照して、この発明の実施例2に係るシリコンウェーハの研磨方法を説明する。
実施例2では、実施例1のアンモニア水に代わる弱塩基性水溶液として、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の水溶液を採用し、実施例1と同じ条件で、3次研磨後のシリコンウェーハWの表面を4次研磨した。その結果を、同じく図3のグラフに示す。
図3のグラフから明らかなように、最終研磨液が水酸化テトラメチルアンモニウムの水溶液の場合には、その添加量が0.1〜50ppmの範囲で、その添加量の増大に伴いシリコンウェーハWの表面のヘイズレベルが低下した。一方、水酸化テトラメチルアンモニウムの添加量が50ppmを超えた時点からその添加量の増大につれ、ウェーハ表面のヘイズレベルも悪化し、この添加量が約100ppmに達した時、ヘイズレベルは仕上げ研磨面のヘイズ値に達した。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と同じであるので説明を省略する。
次に、同じく図3のグラフを参照して、この発明の実施例3に係るシリコンウェーハの研磨方法を説明する。
実施例3では、実施例1のアンモニア水に代わる弱塩基性水溶液として、アンモニアと炭酸水素アンモニウム(NHHCO)との混合物の水溶液を採用し、実施例1と同じ条件で、3次研磨後のシリコンウェーハWの表面に対して4次研磨を行った。その結果を、同じく図3のグラフに示す。なお、アンモニアと炭酸水素アンモニウムとの混合割合は、重量比で1:1である。
図3のグラフから明らかなように、最終研磨液が、アンモニアと炭酸水素アンモニウム(NHHCO)との混合水溶液の場合には、アンモニアと炭酸水素アンモニウムとの添加量が0.1〜100ppmの範囲において、このアルカリ剤の添加量の増大に伴いシリコンウェーハの表面のヘイズレベルが低下した。一方、アンモニアと炭酸水素アンモニウムとの混合物の添加量が100ppmを超えた時点から、この混合物の添加量の増大に伴いウェーハ表面のヘイズレベルも悪化し始め、その添加量が約500ppmに達した時、そのヘイズレベルは仕上げ研磨面のヘイズ値に達した。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と同じであるので説明を省略する。
次に、図4のグラフを参照して、この発明の実施例4に係るシリコンウェーハの研磨方法を説明する。
最終研磨における水溶性高分子の添加の有効性を確認するため、実施例1で行った1次研磨〜3次研磨の条件で仕上げ研磨されたシリコンウェーハWを用い、4次研磨(最終研磨)用の最終研磨液の主剤として、遊離砥粒を含まず、アンモニア(NH )の濃度が100ppmのアンモニア水からなる4次研磨液を用い、これに、ヒドロキシエチルセルロース(HEC;水溶性高分子)を添加し、その添加量を変化させて研磨実験を3回(1回目;▲、2回目;●、3回目;◆)行った。他の4次研磨条件は実施例1と同じである。
最終研磨液中のヒドロキシエチルセルロースの添加量と、シリコンウェーハWの最終研磨面のヘイズ値とを、表面検査装置(KLA−Tencor社製、SP2)を使用し、DWOモードで測定した結果を図4のグラフに示す。
図4のグラフから明らかなように、ヒドロキシエチルセルロースの添加量が0.1〜1000ppmのとき、大幅にシリコンウェーハWのヘイズレベルが低下することが確認された。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と同じであるので説明を省略する。
この発明は、表面粗さが低減した半導体デバイス用シリコンウェーハの製造方法として有用である。
13 研磨布、
W シリコンウェーハ、
a 遊離砥粒。

Claims (1)

  1. 遊離砥粒を含む仕上げ研磨液を研磨布に供給しながら、該研磨布とシリコンウェーハとを相対的に回転させて、該シリコンウェーハの表裏面のうち、少なくとも表面を仕上げ研磨し、
    該仕上げ研磨後、固定砥粒を有しない研磨布を用い、該仕上げ研磨液に含まれる前記遊離砥粒が該研磨布の表面に残存していない状態で、遊離砥粒を含まない弱塩基性水溶液を主剤とし、水溶性高分子が添加された最終研磨液を研磨布に供給しながら、該研磨布と前記シリコンウェーハとを相対的に回転させて、該シリコンウェーハの仕上げ研磨された面を最終研磨するシリコンウェーハの研磨方法であって、
    前記シリコンウェーハの最終研磨された面のヘイズ値が、該シリコンウェーハの仕上げ研磨された面のヘイズ値より低くなるように、前記最終研磨液の弱塩基性水溶液のアルカリ濃度を調整し、
    前記最終研磨液の弱塩基性水溶液のアルカリ濃度は、
    該弱塩基性水溶液がアンモニア水の場合には0.1〜1000ppm、
    該弱塩基性水溶液が水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の場合には0.1〜100ppm、
    該弱塩基性水溶液がアンモニアと炭酸水素アンモニウムとの混合水溶液の場合には0.1〜500ppmであるシリコンウェーハの研磨方法。
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