JP5623767B2 - 帯電防止離型性ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
さらに、シリコーン化合物と帯電防止性機能を有する化合物とを化学的に混合させた帯電防止性機能を有した離型フィルムも提案されている(特許文献5)。この手法だと塗膜は均一化するが、特殊な化合物となるため安定的なこの化合物の製造ができない場合がある。
このように、シリコーン化合物を用いた離型性ポリエステルフィルムについて、シリコーン離型剤と帯電防止剤とを併用したときに簡便かつ安定的に生産でき、しかも塗膜均一性が高く、離型性、帯電防止性の品質が安定している塗膜層が求められているのが現状である。
該カチオンポリマーが、下記式(1)または下記式(2)で表わされる単量体から形成された構成単位A、および下記式(3)または下記式(4)で表わされる単量体から形成された構成単位Bを含んでなり、
該離型剤がシリコーン化合物であり、含有量が帯電防止離型層の重量を基準として20重量%以上である帯電防止離型性ポリエステルフィルムによって達成される。
帯電防止離型層表面における後述する測定方法による粘着テープの剥離強度が300g/10mm以下であること、
該カチオンポリマーが、さらに下記式(5)で表わされる単量体から形成された構成単位Cを含んでなること、
カチオンポリマーの全構成単位を基準として構成単位Aを60モル%以上99.9モル%以下、構成単位Bを0.1モル%以上40モル%以下の範囲で含んでなること、
シリコーン化合物がポリジメチルシロキサン、エポキシ基含有シリコーン、アミノ基含有シリコーン、および炭素数6以上の炭化水素基を有するシリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種であること、の少なくともいずれか1つを具備するものも包含する。
[ポリエステルフィルム]
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを例示することができる。
ポリエステルフィルムは、例えば次の方法で製造することができる。すなわち、ポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて非晶未延伸フィルムとし、縦方向(以下、連続製膜方向、長手方向、MD方向と称することがある)および横方向(以下、幅方向、TD方向と称することがある)に延伸する。縦方向の延伸は例えば温度60〜130℃、好ましくは90〜125℃で、2.0〜4.0倍、好ましくは2.5〜3.5倍に延伸する。横方向の延伸は、例えば温度60〜130℃、好ましくは90〜125℃で、2.0〜4.0倍、好ましくは3.0〜4.0倍に延伸する。二軸延伸後の面積倍率は13以下とすることが好ましい。
ポリエステルフィルムの厚みは、ハンドリング性、成形性などの点から必要な強度を得るために、好ましくは12〜100μm、さらに好ましくは25〜75μmである。
本発明の帯電防止離型性ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に、帯電防止剤および離型剤を含む帯電防止離型層を有し、該帯電防止剤がポリオキシアルキレン鎖を含有するカチオンポリマーであり、該離型剤がシリコーン化合物であることを特徴としている。
ポリオキシアルキレン鎖を含有するカチオンポリマーとして、例えば下記式(1)または下記式(2)で表わされる単量体から形成された構成単位A、および下記式(3)または下記式(4)で表わされる単量体から形成された構成単位Bを含むカチオンポリマーが挙げられる。
また本発明のカチオンポリマーは、式(3)または(4)で表わされる単量体で構成されるポリオキシアルキレン鎖を含有する構成単位Bを必須成分として含むことにより、シリコーン化合物との相溶性が向上し、帯電防止剤とシリコーン化合物を同じ塗膜中で用いたときに優れた塗膜均一性が得られ、帯電防止離型層のヘーズが良好になるため塗布斑がめだちにくくなり、しかもこれら離型剤と帯電防止剤が均一分散しているため、離型性、帯電防止性の双方の品質が安定になる。構成単位Bにおけるポリオキシアルキレン鎖は、2〜20の繰り返し数であり、さらに好ましくは5〜15、特に好ましくは8〜15である。
構成単位Aが下限値に満たない場合、十分な帯電防止性能が発現しないことがある。また構成単位Aが上限値を超える場合、相対的に構成単位Bが減るため、シリコーン化合物との相溶性が悪くなり、塗膜均一性が低下することがある。構成単位Bが下限値に満たない場合、シリコンーン化合物とカチオンポリマーが十分に相溶しないため、相分離が生じてしまい、塗膜が均一になりにくく、さらに離型性、帯電防止性の品質にばらつきが生じやすい。また、構成単位Bが上限値を超える場合、カチオンポリマーの耐熱性、耐湿性が低下するため、塗工膜のブロッキング耐性が低下する場合がある。
構成単位Cを形成する式(5)で表わされる単量体の具体例として、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ターシャリーブチルオキシメチルアクリルアミド、N−ヘキシルオキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N−ターシャリーブチルオキシメチルメタクリルアミド、N−ヘキシルオキシメチルメタクリルアミド等が挙げられるが、なかでもN−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドが好ましい。
これら一般的なビニル共重合体の構成単位Dを導入する場合は、カチオンポリマーの全構成単位を基準として、1モル%以上40モル%以下の範囲で含むことが好ましく、さらに好ましくは5モル%以上30モル%以下の範囲である。これらは一例であり、構成単位Dはこれらに限定されるものではない。
本発明において、離型性を発現させるためにシリコーン化合物が用いられ、かかるシリコーン化合物として、ポリジメチルシロキサン、エポキシ基含有シリコーン、アミノ基含有シリコーン、および炭素数6以上の炭化水素基を有するシリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
離型剤としてシリコーン化合物を用いることにより、どのような環境下でも離型性が高く、多種多様な用途に使用できる。これらのシリコーン化合物の中でも、特にポリジメチルシロキサンや、エポキシ基含有シリコーンまたはアミノ基含有シリコーンといったシリコーン化合物が離型剤としてよく用いられるものの、カチオンポリマーと混ざりにくい化合物であり、本発明のポリオキシアルキレン鎖を含有するカチオンポリマーを用いた場合の塗膜均一性の改良効果が特に高くなる。また、特にエポキシ基含有シリコーンまたはアミノ基含有シリコーンといった極性成分を有するシリコーン化合物は、本発明のポリオキシアルキレン鎖を含有するカチオンポリマーとの相溶性がさらに良好となり、塗膜均一性が向上することから好ましい。
これらの中でも、R21の炭素数6〜20の炭化水素基として、帯電防止剤との相溶性がより良好なフェニル基が最も好ましく用いることができる。
本発明で用いるシリコーン成分は、塗工時の取扱易さ、作業環境から水分散液あるいは乳化液の形態で使用するのが好ましい。良好な水分散、乳化液の形態を得るには、界面活性剤の使用が好ましく、塗液の他の成分との分散安定性のため、ノニオン系界面活性剤が特に好ましい。
帯電防止離型層には、塗膜の凝集力を向上させるために、さらに架橋剤を添加させることが好ましい。架橋剤としては、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物を例示することができ、その他カップリング剤を用いることもできる。取り扱い易さや塗液のポットライフが長いことからエポキシ化合物、オキサゾリン化合物を用いることが好ましく、カップリング剤を用いることも好ましい。
本発明の帯電防止離型層における各添加剤の割合は、帯電防止離型層の重量を基準として本発明のカチオンポリマー、すなわち帯電防止剤が35〜90重量%、シリコーン化合物からなる離型剤が1〜50重量%、界面活性剤が0〜15重量%であることが好ましい。
また帯電防止剤の含有量は35〜70重量%であることがより好ましく、35〜65重量%であることがさらに好ましい。シリコーン離型剤の含有量は10〜40重量%であることがより好ましく、20〜30重量%であることがさらに好ましい。界面活性剤の含有量は5〜12重量%であることがより好ましい。
本発明において帯電防止離型層の塗設に用いられる上記組成物は、塗布層を形成させるために、水溶液、水分散液あるいは乳化液等の水性塗液(以下、水性塗布液と称することがある)の形態で使用されることが好ましい。
本発明に用いる水性塗布液の固形分濃度は、該塗布液の重量を基準として通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。固形分濃度が下限に満たないとポリエステルフィルムへの塗れ性が不足することがある。また固形分濃度が上限を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が低下することがある。
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組合せて用いることができる。
帯電防止離型層の厚みは、乾燥後の厚みとして、好ましくは0.01〜0.1μm、さらに好ましくは0.01〜0.06μmである。帯電防止離型層の厚みが下限値に満たないと帯電防止性や離型性が十分に発現しないことがあり、また上限値を超えると塗布液を高濃度にしたり、塗布量を増やす必要があるため塗布しにくくなる傾向にあり、塗工性が不均一になることがある。
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用して、下記式(I)より塗布層ヘーズを測定した。
塗布層ヘーズ=フィルムヘーズ−塗布層未塗工フィルムヘーズ ・・・(I)
A+:0.1%未満
A:0.1〜0.4%未満
B:0.4〜0.8%未満
C:0.9%以上
この評価で、Aまでが実用性能を満足する。
三波長の蛍光灯の光をフィルム表面に当て、正反射光で塗布状況を観察する。
A+:塗布層が均一である。
A:極弱い斑がある。
B:弱い斑がある。
C:強い斑がある。
この評価で、Aまでが実用性能を満足する。
サンプルフィルムの帯電防止層表面の表面固有抵抗を、タケダ理研社製・固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度60%の条件で、印加電圧100Vで1分後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定する。尚、表面固有抵抗値は1×1013[Ω/□]以下が好ましく、1×1012以下が更に好ましい。
帯電防止離型表面に粘着テープ(日東電工株式会社製、製品名「No.31B」)を貼合せ、5kgの圧着ローラーで圧着し20時間放置後、帯電防止離型表面と粘着テープとの剥離力を引張試験機にて測定した。なお、剥離強度の好ましい範囲は300g/10mm以下である。剥離強度が300g/10mmより大きいと、離型フィルムを貼り付けた積層シートから樹脂シート等を剥離分離して使用する際に剥離が困難となることがある。
包埋樹脂でフィルムを固定し断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して、透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM2010)を用いて、塗布層の厚みを測定した。
平均粒子径が1.5μmの酸化ケイ素の粒子を0.01wt%を含む溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.63dl/g、Tg=78℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、表1に示す塗布層構成成分からなる塗布液(3wt%塗布液)をロールコーターで均一に塗布した。
次いで、この塗布フィルムを引き続いて110℃で乾燥し、140℃で横方向に3.7倍に延伸し、更に230℃で熱固定して表1に示す塗膜(帯電防止離型層)を有する二軸延伸ポリエステルフィルム(厚さ38μm)を得た。これら実施例フィルムは、一回の工程で帯電防止性と離型性の両機能を安定して有する層を製膜でき、高い生産性が得られた。
帯電防止剤5:ポリオキシアルキレン鎖非含有アニオンポリマー ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー有機化学株式会社製 商品名「ポリナスPS−50」)
シリコーン2:アミノ基変性シリコーン(信越化学工業株式会社製 商品名「X−51−1178」)
シリコーン3:エポキシ基変性シリコーン(信越化学工業株式会社製 商品名「Polon MF−18T」)
シリコーン4:フェニル基変性シリコーン(信越化学工業株式会社製 商品名「X−52−8148」)
架橋剤:オキサゾリン化合物(株式会社日本触媒製 商品名「エポクロスWS−700」)
界面活性剤:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名「ナロアクティーCL−85」)
Claims (5)
- ポリエステルフィルムおよびその少なくとも一方の面に帯電防止剤および離型剤を含む帯電防止離型層を有する帯電防止離型性ポリエステルフィルムであって、該帯電防止剤がポリオキシアルキレン鎖を含有するカチオンポリマーであり、
該カチオンポリマーが、下記式(1)または下記式(2)で表わされる単量体から形成された構成単位A、および下記式(3)または下記式(4)で表わされる単量体から形成された構成単位Bを含んでなり、
(上式(1)中、R1およびR2はそれぞれHまたは炭素数1〜3の飽和炭化水素基であり、R3は炭素数1〜10のアルキレン基であり、R4およびR5はそれぞれ炭素数1〜3の飽和炭化水素基であり、R6はHまたは炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、Y-はハロゲンイオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオン、アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオンまたはアルキルスルホネートイオンである)
(上式(2)中、R7およびR8はそれぞれHまたは炭素数1〜3の飽和炭化水素基であり、R9は炭素数1〜10のアルキレン基であり、R10およびR11はそれぞれ炭素数1〜3の飽和炭化水素基であり、R12はHまたは炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、Z-はハロゲンイオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオン、アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオンまたはアルキルスルホネートイオンである)
(上式(3)中、R13およびR14はそれぞれHまたは炭素数1〜3の飽和炭化水素基であり、A1は分子中に合計2〜20個のオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンジオールから1つの水酸基を除いた残基をそれぞれ表わす)
(上式(4)中、R15およびR16はそれぞれHまたは炭素数1〜3の飽和炭化水素基であり、A2は分子中に合計2〜20個のオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンジオールから1つの水酸基を除いた残基をそれぞれ表わす)
該離型剤がシリコーン化合物であり、含有量が帯電防止離型層の重量を基準として20重量%以上であることを特徴とする帯電防止離型性ポリエステルフィルム。 - 帯電防止離型層表面における下記測定方法による粘着テープの剥離強度が300g/10mm以下である、請求項1に記載の帯電防止離型性ポリエステルフィルム。
[剥離強度の測定方法]
帯電防止離型層表面に粘着テープ(日東電工株式会社製、製品名「No.31B」)を貼合せ、5kgの圧着ローラーで圧着し20時間放置後、引張試験機にて測定する。 - カチオンポリマーの全構成単位を基準として構成単位Aを60モル%以上99.9モル%以下、構成単位Bを0.1モル%以上40モル%以下の範囲で含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止離型性ポリエステルフィルム。
- シリコーン化合物がポリジメチルシロキサン、エポキシ基含有シリコーン、アミノ基含有シリコーン、および炭素数6以上の炭化水素基を有するシリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の帯電防止離型性ポリエステルフィルム。
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