JP5628082B2 - 多電極片面サブマージアーク溶接用ボンドフラックス - Google Patents
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られることから、造船、鉄骨、造管、橋梁、車両など幅広い分野で適用されている。
近年、エネルギー産業の発展に伴い鋼材の高強度化および高靭性化、また構造物の大型化に伴う板厚の極厚化などが検討され、高強度または極厚の鋼材の適用比率が年々増加している。そこで、サブマージアーク溶接においては、溶接施工における生産性の向上や安全性、耐久性の確保のため、更なる品質向上が求められており、その中でも特に溶接の高能率化と溶接金属の高靭性化の要望が極めて大きい。
量が多く、母材希釈率が大きいため、溶接作業性や溶接金属の性能は、フラックスとワイヤの成分組成でほぼ決定される。サブマージアーク溶接の中でも特に上記片面サブマージアーク溶接方法は、溶接入熱量が多く、母材希釈率が大きいことが特徴である。
アーク溶接用フラックスおよび片面溶接方法の開発が試みられている。例えば特開平5−337651号公報(特許文献1)には、4電極による高速片面サブマージアーク溶接方法に関する基礎的な技術の開示がある。これは高速度の片面サブマージアーク溶接において健全な欠陥の無い溶接金属を得るためにワイヤ径、溶接電流、電極間の距離、フラックスおよびワイヤ成分を限定し改善を図ったものである。
陥を発生するため、健全で安定した表ビードおよび裏ビードを得ることはできない。
生産効率を劣化させる。
いて、質量%で、SiO2:10〜30%、Al2O3:4〜16%、MgO:8〜26%、MnO:0.5〜5.0%、CaO:2〜14%、CaF2:1.0〜8.0%、TiO2:3〜15%、Na2O:1.0〜5.0%、B2O3:0.1〜3.0%、Fe:15〜40%、Si:1.0〜5.0%、Mo:0.1〜3.0%を含有し、その他は脱酸剤、金属炭酸塩からのCO 2 分、K 2 OおよびLi 2 Oからなるアルカリ金属酸化物および不可避不純物の合計が3.8%以下であり、フラックスの粒度構成が質量%で、粒径850μm以上:20〜45%、粒径300〜850μm:40〜75%、粒径150〜300μm:3〜15%、粒径150μm以下:5%以下で、見掛密度が0.90〜1.30g/cm3であることを特徴とする多電極片面サブマージアーク溶接用ボンドフラックスにある。
多電極高速片面サブマージアーク溶接においても表ビード表面に鉄粒突起が発生せず、溶接欠陥の無い健全な溶接金属を形成させ、表ビードおよび裏ビードともに安定したビード形状およびビード外観を得ることができ、さらに優れた機械性能の溶接金属を得ることができる。
とによって、良好な溶接金属の引張強度および靭性が得られることを見出した。
たが、裏ビード形状が不安定で溶込み不良、アンダーカット等の溶接欠陥が発生し、さらに鉄粉を除去したことにより溶着効率が低下するため、溶接速度低下に伴って、生産性が著しく低下した。以上のことから、高速度の片面サブマージアーク溶接では安定した裏ビード形状、溶込みと高い溶着効率を得るためには、フラックス中の鉄粉は必須成分であり、除去できないことが判明した。
果、SiO2、Al2O3、MgO、TiO2等のスラグ組成を最適化することによって大幅に鉄粒突起を減少できることを見出した。しかし、フラックス化学組成は溶接作業性や溶接金属機械性能に大きな影響を及ぼすため、良好な溶接作業性と溶接金属機械性能を維持し、鉄粒突起を完全に無くすことはフラックス化学組成の検討だけで改善することはできなかった。
SiO2は、良好な溶接ビードを形成するための重要な成分であるが、過多になると溶接金属中の酸素量が増加して靭性が低下する。SiO2が10%未満ではビード趾端部のなじみが悪くなりスラグ剥離性が不良になり、また、特に高速度の片面サブマージアーク溶接においてはアンダーカットも生じる。一方、30%を超えると溶接金属の酸素量が増加して靭性が低下する。したがって、SiO2は10〜30%とする。
観を得るためには極めて重要な成分である。また、アーク安定性を良好にする効果もある。Al2O3が4%未満ではその効果が得られない。一方、16%を超えると凸ビードとなりスラグ剥離性も不良になる。したがって、Al2O3は4〜16%とする。
Oが8%未満ではフラックスの塩基度が低くなり、溶接金属中の酸素量が増加して靭性が低下する。一方、26%を超えるとフラックスの軟化溶融点が高くなり、ビード表面に突起物の発生や波目が粗くなりスラグ剥離性およびビード外観が不良となる。したがって、MgOは8〜26%とする。
Oが0.5%未満ではスラグの粘度が低下して流動性が悪くなり、特に高速度の片面サブマージアーク溶接においてはビード蛇行およびアンダーカットが生じる。一方、5.0%を超えるとスラグの粘度が高くなりすぎてスラグ巻き込み、焼き付きが発生してスラグ剥離性が不良になる。したがって、MnOは0.5〜5.0%とする。
%未満ではビード趾端部のなじみが悪くビード外観が不良となり、高速度の片面サブマージアーク溶接ではアンダーカットも生じる。一方、14%を超えるとスラグ流動性が不良となりビード高さが不均一でスラグ剥離性も不良になる。したがって、CaOは2〜14%とする。
損なわれる。CaF2が1.0%未満では靭性改善の効果がなく、8.0%を超えるとビード外観が不良となる。したがって、CaF2は1.0〜8.0%とする。
TiO2は、ビード表面の平滑性を得るのに効果があり、かつ、靭性向上にも有効である。その含有量が3%未満ではビード表面の平滑性および靭性の向上の効果がなく、15%を超えるとビード趾端部の立ち上がり角度が大きくなりビード外観およびスラグ剥離性が不良になるので、その含有量を3〜15%とする。
めには極めて重要な成分である。Na2Oが1.0%未満ではその効果が得られない。一方、5.0%を超えるとビード表面の光沢が失われ外観が不良になる。さらに、溶接ヒュームの発生量が著しく増加する。したがって、Na2Oは1.0〜5.0%とする。
得られず、3.0%を超えると溶接金属が硬化しかえって靭性が低下するので、その含有量を0.1〜3.0%とする。
Feは、溶着効率の向上およびアークの集中性に効果がある。その含有量が15%未満では溶着効率が低下し、アークの集中性が劣るので裏ビードのビード形状が不安定になる。一方、40%を超えるとビード表面に鉄粒突起が発生してスラグ剥離性が不良になるので、その含有量を15〜40%とする。
脱酸効果が得られず靭性が低下する。5.0%を超えると溶接金属の硬さが過剰となって靭性が低下するので、その含有量を1.0〜5.0%とする。
Moは、溶接金属の焼入れ性増大元素として重要な成分である。その含有量が0.1%未満では溶接金属の強度が低くなり靭性向上にも効果がなく、3.0%を超えると溶接金属の焼入れ性が過大となり硬さが過剰となって靭性が低下するので、その含有量を0.1〜3.0%とする。
る極めて重要な粒子である。850μm以上の粒子が20%未満では表ビードに鉄粒突起が発生し、ビード形状が凸になる。さらにガス抜けが悪くなりピットおよびポックマークなどの溶接欠陥も発生する。一方、45%を超えると表ビードの幅が広がりすぎて溶込みが浅くなり、裏ビード形状が不安定となる。したがって、粒径850μm以上の粒子は20〜45%とする。
る極めて重要な粒子である。300〜850μmの粒子が40%未満では表ビードに鉄粒突起が発生し、ビード形状が凸になる。さらにガス抜けが悪くなりピットおよびポックマークなどの溶接欠陥も発生する。一方、75%を超えると表ビードの幅が広がりすぎて溶込みが浅くなり裏ビード形状が不安定となる。したがって、粒径300〜850μmの粒子は40〜75%とする。
ビード形状を形成するための重要な粒子である。150〜300μmの粒子が3%未満では細かい粒子が少なすぎてアークの集中性が悪くなり健全な溶込み形状を得られず裏ビードが不安定となる。一方、15%を超えると全体的にフラックス粒径が細かくなることにより表ビード幅が狭くなり、また、ガス抜けの劣化によってピットおよびポックマークなどの溶接欠陥が発生する。したがって、粒径150〜300μmの粒子は3〜15%とする。
性を不良にする粒子である。150μm以下の粒子が5%を超えるとビード表面に鉄粒突起が発生してスラグがこびり付き易く剥離性が悪くなり、表ビード幅が狭くなる。さらにガス抜けの劣化によってピットおよびポックマークなどの溶接欠陥も発生する。したがって、粒径150μm以下の粒子は5%以下とする。
子である。見掛密度が0.90g/cm3未満では溶接時のアーク吹上げが激しくなりアークが不安定となる。また、表ビードの幅が広がりすぎて溶込みが浅くなり裏ビード形状が不安定となる。一方、1.30g/cm3を超えるとアーク雰囲気が押し潰され、表ビード幅が狭く凸形状となりアンダーカットも生じる。したがって、フラックスの見掛密度は0.90〜1.30g/cm3とする。
びLi 2 Oからなるアルカリ金属酸化物およびP、S等の不可避不純物の合計が3.8%以下であり、PおよびSは共に低融点の化合物を生成して靭性を低下させるのでできるだけ低いことが好ましい。また、本発明の多電極片面サブマージアーク溶接用ボンドフラックスを用いた片面溶接は、安定したアーク、ワイヤ送給性、溶着効率向上を可能とした溶接をするために、組合せるワイヤ径は4.0〜6.4mmとし、3電極以上の多電極片面サブマージアーク溶接に適用する。
表1に示す各種フラックス成分および粒度構成、見掛密度に調整したボンドフラックスと表2に示す化学組成の裏フラックス、表3に示す化学組成のワイヤを用いて、表4に示す化学組成の板厚20mmの鋼板を図2に示す開先角度50°、ルートフェイス3mmの開先形状に加工し、表5に示す3電極または4電極による溶接条件で、図1に示すFCuB片面サブマージアーク溶接試験を実施した。
0〜550℃で2時間焼成し、各種粒度構成および見掛密度に整粒した。また、表3に示すワイヤは原線を縮径、焼成、酸洗、メッキして素線とし、それらの素線を4.8mmおよび6.4mm径まで伸線して用いた。
片(JIS Z2202 4号)および引張試験片(JIS Z 2201 A1号)を採取して、機械試験を実施した。靭性の評価は、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験を行い、各々繰返し数3本の平均値で評価した。なお、シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーは100J以上を良好とした。引張強度の評価は490MPa以上を良好とした。これらの調査結果を表6にまとめて示す。
構成および見掛密度が適正であるので3電極または4電極による片面サブマージアーク溶接ともに表ビード表面の鉄粒突起およびスラグこびり付きは無く溶接作業性が良好で、溶接部に欠陥が無く、溶接金属の機械性能も優れており、極めて満足な結果であった。
が不良でアンダーカットが発生した。また、Moが高いので溶接金属の引張強度が高く吸収エネルギーが低値であった。フラックス記号F12は、SiO2が多いので溶接金属の酸素量が多く吸収エネルギーが低値であった。また、MnOが少ないのでビードが蛇行してアンダーカットが生じた。さらに、Na2Oが多いのでビード表面の光沢がなく外観が不良で、溶接ヒュームの発生量も著しく多かった。
であった。また、Feが少ないので溶着効率が悪く、アークの集中性が悪く裏ビードのビード形状が不安定であった。さらに、Moが少ないので溶接金属の引張強度が低く吸収エネルギーも低値であった。
あった。また、Siが少ないので酸素量が多く吸収エネルギーが低値であった。さらに、フラックスの粒度構成で粒径150〜300μmの粒子が少ないのでアークの集中性が悪く健全な溶込み形状を得られず裏ビードが不安定であった。
が低値であった。また、TiO2が多いのでビード趾端部の立ち上がり角度が大きくなりビード外観およびスラグ剥離性が不良であった。さらに、フラックスの見掛密度が小さいので溶接時のアーク吹上げが激しくなりアークが不安定であった。
りスラグ剥離性およびビード外観が不良であった。また、Siが多いので溶接金属の引張強さが高くなり吸収エネルギーが低値であった。さらに、フラックスの粒度構成で粒径300〜850μmの粒子が多いので表ビードの幅が広がりすぎて溶込みが浅くなり裏ビード形状が不安定であった。
陥が生じた。また、CaF2が多いのでビード形状が不良であった。さらに、B2O3が多いので溶接金属の引張強度が高く吸収エネルギーが低値であった。また、フラックスの粒度構成で粒径850μm以上の粒子が多いので表ビードの幅が広がりすぎて溶込みが浅くなり裏ビード形状が不安定であった。
じた。また、B2O3が少ないので溶接金属の吸収エネルギーが低値であった。さらに、フラックスの粒度構成で粒径850μm以上の粒子が少ないので表ビードに鉄粒突起が発生し、ガス抜けが悪くなりピットおよびポックマークが発生した。
った。また、CaF2が少ないので溶接金属の吸収エネルギーが低値であった。さらに、フラックスの粒度構成で粒径300〜850μmの粒子が少ないので表ビードに鉄粒突起が発生し、ガス抜けが悪くなりピットおよびポックマークが発生した。
の吸収エネルギーが低値であった。またNa2Oが少ないのでアーク状態が不安定でビード形状が不良であった。さらに、フラックスの粒度構成で粒径150〜300μmの粒子が多いので表ビード幅が狭く、ガス抜けが悪くピットおよびポックマークも発生した。
が不良であった。また、フラックスの見掛密度が大きいので表ビード幅が狭く凸形状となりアンダーカットも生じた。フラックス記号F22は、フラックスの粒度構成で粒径15
0μm以下の粒子が多いのでビード表面に鉄粒突起が発生しスラグがこびり付き剥離性
が不良で、表ビード幅が狭くなった。また、ガス抜けが悪くピットおよびポックマークも発生した。
2 裏フラックス
3 エアーホース
4 被溶接鋼板
5 ワイヤ
6 表フラックス
特許出願人 日鐵住金溶接工業株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊 他1
Claims (1)
- 多電極片面サブマージアーク溶接用ボンドフラックスにおいて、質量%で、
SiO2:10〜30%、
Al2O3:4〜16%、
MgO:8〜26%、
MnO:0.5〜5.0%、
CaO:2〜14%、
CaF2:1.0〜8.0%、
TiO2:3〜15%、
Na2O:1.0〜5.0%、
B2O3:0.1〜3.0%、
Fe:15〜40%、
Si:1.0〜5.0%、
Mo:0.1〜3.0%を含有し、
その他は脱酸剤、金属炭酸塩からのCO 2 分、K 2 OおよびLi 2 Oからなるアルカリ金属酸化物および不可避不純物の合計が3.8%以下であり、フラックスの粒度構成が質量%で、粒径850μm以上:20〜45%、粒径300〜850μm:40〜75%、粒径150〜300μm:3〜15%、粒径150μm以下:5%以下で、見掛密度が0.90〜1.30g/cm3であることを特徴とする多電極片面サブマージアーク溶接用ボンドフラックス。
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|---|---|---|---|
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