以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
本発明は、不揮発性メモリ(不揮発性記憶素子、フラッシュメモリ、不揮発性半導体記憶装置)を備えた半導体装置であり、不揮発性メモリは、主として電荷蓄積部にトラップ性絶縁膜(電荷を蓄積可能な絶縁膜)を用いたものである。以下の実施の形態では、不揮発性メモリは、nチャネル型MISFET(MISFET:Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を基本としトラップ性絶縁膜を用いたメモリセルをもとに説明を行う。また、以下の実施の形態での極性(書込・消去・読出時の印加電圧の極性やキャリアの極性)は、nチャネル型MISFETを基本としたメモリセルの場合の動作を説明するためのものであり、pチャネル型MISFETを基本とする場合は、印加電位やキャリアの導電型等の全ての極性を反転させることで、原理的には同じ動作を得ることができる。
本実施の形態の半導体装置を図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図である。図2は、本実施の形態の半導体装置におけるメモリセルMCの部分拡大断面図(要部断面図)であり、図1の一部(メモリセル領域1Aの一部)が拡大して示してある。図3は、図2において点線の円で囲まれた領域RG1の拡大図である。図4は、本実施の形態の半導体装置における容量素子C1の部分拡大断面図(要部断面図)であり、図1の一部(キャパシタ形成領域1Bの一部)が拡大して示してある。図5は、図4において点線の円で囲まれた領域RG2の拡大図である。なお、図2は、理解を簡単にするために、図1の構造のうち、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGおよび絶縁膜3,5と、それらの直下の基板領域(p型ウエルPWを構成する半導体基板1の一部)のみが図示されている。
本実施の形態の半導体装置は、不揮発性メモリを備えた半導体装置であり、図1には、不揮発性メモリのメモリセル領域1Aおよびキャパシタ形成領域1Bの要部断面図が示されている。メモリセル領域1Aは不揮発性メモリのメモリセルMCが形成された領域であり、キャパシタ形成領域1Bは、PIP型の容量素子C1が形成された領域である。メモリセル領域1Aとキャパシタ形成領域1Bとは、同一の半導体基板1の主面における互いに異なる領域に対応する。理解を簡単にするために、図1においては、メモリセル領域1Aとキャパシタ形成領域1Bとを互いに隣接して示しているが、両者は隣り合っていなくともよく、メモリセル領域1Aとキャパシタ形成領域1Bとの位置関係(実際の位置関係)は、必要に応じて変更することができる。また、図1では、メモリセル領域1Aとキャパシタ形成領域1Bを分離して示しているが、これらは同一の半導体基板1に形成されている。キャパシタ形成領域1Bに形成された容量素子C1は、周辺回路などで用いられる。ここで、周辺回路とは、例えばCPUなどのプロセッサ、制御回路、センスアンプ、カラムデコーダ、ロウデコーダ、入出力回路などである。
図1に示されるように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)1には、素子を分離するための素子分離領域2が形成されており、この素子分離領域2で分離(規定)された活性領域に、p型ウエルPWが形成されている。p型ウエルPWは、主としてメモリセル領域1Aに形成されており、キャパシタ形成領域1Bには、素子分離領域2が形成されているため、p型ウエルPWは形成されていない。
メモリセル領域1Aのp型ウエルPWには、図1に示されるようなメモリトランジスタおよび制御トランジスタ(選択トランジスタ)からなる不揮発性メモリのメモリセルMCが形成されている。メモリセル領域1Aには、実際には複数のメモリセルMCがアレイ状に形成されているが、図1のメモリセル領域1Aには、そのうちの1つのメモリセルMCの断面が示されている。メモリセル領域1Aは、素子分離領域2によって他の領域から電気的に分離されている。
図1〜図3に示されるように、本実施の形態の半導体装置における不揮発性メモリのメモリセルMCは、スプリットゲート型のメモリセルであり、制御ゲート電極(選択ゲート電極)CGを有する制御トランジスタ(選択トランジスタ)とメモリゲート電極(メモリ用ゲート電極)MGを有するメモリトランジスタとの2つのMISFETを接続したものである。
ここで、電荷蓄積部(電荷蓄積層)を含むゲート絶縁膜およびメモリゲート電極MGを備えるMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)をメモリトランジスタ(記憶用トランジスタ)といい、また、ゲート絶縁膜および制御ゲート電極CGを備えるMISFETを制御トランジスタ(選択トランジスタ、メモリセル選択用トランジスタ)という。従って、メモリゲート電極MGは、メモリトランジスタのゲート電極であり、制御ゲート電極CGは、制御トランジスタのゲート電極であり、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGは、不揮発性メモリ(のメモリセル)を構成するゲート電極である。
以下に、メモリセルMCの構成を具体的に説明する。
図1〜図3に示されるように、不揮発性メモリのメモリセルMCは、半導体基板1のp型ウエルPW中に形成されたソースおよびドレイン用のn型の半導体領域MS,MDと、半導体基板1(p型ウエルPW)の上部に形成された制御ゲート電極(第1ゲート電極)CGと、半導体基板1(p型ウエルPW)の上部に形成されて制御ゲート電極CGと隣合うメモリゲート電極(第2ゲート電極)MGとを有している。そして、不揮発性メモリのメモリセルMCは、更に、制御ゲート電極CGおよび半導体基板1(p型ウエルPW)間に形成された絶縁膜(第1絶縁膜)3と、メモリゲート電極MGおよび半導体基板1(p型ウエルPW)間とメモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CG間とに形成された絶縁膜(第2絶縁膜)5とを有している。
制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGは、それらの対向側面(側壁)の間に絶縁膜5を介した状態で、半導体基板1の主面に沿って延在し、並んで配置されている。制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの延在方向は、図1の紙面に垂直な方向である。制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGは、半導体領域MDおよび半導体領域MS間の半導体基板1(p型ウエルPW)の上部に絶縁膜3,5を介して(但し、制御ゲート電極CGは絶縁膜3を介し、メモリゲート電極MGは絶縁膜5を介して)形成されており、半導体領域MS側にメモリゲート電極MGが位置し、半導体領域MD側に制御ゲート電極CGが位置している。
制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとは、間に絶縁膜5を介在して互いに隣り合っており、メモリゲート電極MGは、制御ゲート電極CGの側壁上に絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に形成されている。また、絶縁膜5は、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)の間の領域と、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGの間の領域の、両領域にわたって延在している。
制御ゲート電極CGと半導体基板1(p型ウエルPW)の間に形成された絶縁膜3(すなわち制御ゲート電極CGの下の絶縁膜3)が、制御トランジスタのゲート絶縁膜として機能し、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)の間の絶縁膜5(すなわちメモリゲート電極MGの下の絶縁膜5)が、メモリトランジスタのゲート絶縁膜(内部に電荷蓄積部を有するゲート絶縁膜)として機能する。
絶縁膜3は、例えば酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜などにより形成することができる。また、絶縁膜3は、上述の酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜など以外にも、酸化ハフニウム膜、酸化アルミニウム膜(アルミナ)または酸化タンタル膜など、窒化シリコン膜よりも高い誘電率を有する金属酸化膜を使用してもよい。
絶縁膜5は、酸化シリコン膜(酸化膜、第1酸化シリコン膜)5aと、酸化シリコン膜5a上の窒化シリコン膜(窒化膜、電荷蓄積層)5bと、窒化シリコン膜5b上の酸化シリコン膜(酸化膜、第2酸化シリコン膜)5cと、酸化シリコン膜5c上の絶縁膜5dとを有する積層膜からなる。絶縁膜5のうち、最上層の絶縁膜5dは、メモリゲート電極MGに接している。すなわち、絶縁膜5dの上面が絶縁膜5の上面(最表面)を形成しており、絶縁膜5dの上面がメモリゲート電極MG(の下面および側面)に接している。絶縁膜5のうち、最下層の酸化シリコン膜5aは、半導体基板1の基板領域(Si基板領域、チャネル領域が形成される領域)に接している。
絶縁膜5は、酸化シリコン膜5aと窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cと絶縁膜5dとの積層構造を有しているため、メモリゲート電極MGおよび半導体基板1(p型ウエルPW)間の領域とメモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CG間の領域とに延在している絶縁膜5を、積層ゲート絶縁膜(積層構造のゲート絶縁膜)とみなすこともできる。但し、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間の絶縁膜5は、メモリトランジスタのゲート絶縁膜として機能するが、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間の絶縁膜5は、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間を絶縁(電気的に分離)するための絶縁膜として機能する。
絶縁膜5のうち、窒化シリコン膜5bは、電荷を蓄積するための絶縁膜であり、電荷蓄積層(電荷蓄積部)として機能する。すなわち、窒化シリコン膜5bは、絶縁膜5中に形成されたトラップ性絶縁膜である。このため、絶縁膜5は、その内部に電荷蓄積部(電荷蓄積層、ここでは窒化シリコン膜5b)を有する絶縁膜とみなすことができる。
窒化シリコン膜5bの上下に位置する酸化シリコン膜5cおよび酸化シリコン膜5aは、電荷ブロック層(電荷ブロック膜、電荷閉じ込め層)として機能することができる。窒化シリコン膜5bを酸化シリコン膜5cおよび酸化シリコン膜5aで挟んだ構造とすることで、窒化シリコン膜5bへの電荷の蓄積が可能となる。酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5bおよび酸化シリコン膜5cは、ONO(oxide-nitride-oxide)膜とみなすこともできる。
絶縁膜5のうち、最上層の絶縁膜5dは、フェルミレベルピニング(Fermi level pinning)を生じ得る絶縁膜であることを、主要な特徴の一つとしている。また、この絶縁膜5dは、誘電率(比誘電率)が高いことを、主要な特徴の他の一つとしている。すなわち、絶縁膜5dは、フェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜であるとともに、窒化シリコンよりも誘電率が高い絶縁膜(高誘電率膜)でもある。このため、フェルミレベルピニングを生じ得ることと、誘電率が高いことの両方の観点から、Hf(ハフニウム),Zr(ジルコニウム),Al(アルミニウム),Ta(タンタル),La(ランタン)のうちの少なくとも1種を含む金属化合物により、絶縁膜5dを形成(構成)する。この金属化合物としては、上記材料の金属酸化物が特に好適である。絶縁膜5dとして好適な材料を具体的に挙げると、酸化ハフニウム(HfOx、代表的なのはHfO2)、酸化ジルコニウム(ZrOx、代表的なのはZrO2)、酸化アルミニウム(AlxOy、代表的なのはAl2O3)、酸化タンタル(TaxOy、代表的なのはTa2O3)、または酸化ランタン(LaxOy、代表的なのはLa2O3)である。詳細は後述するが、絶縁膜5において、絶縁膜5dの厚みt1は、酸化シリコン膜5cの厚みt2より薄くなっている(すなわちt1<t2)。絶縁膜5dの厚みt1が、酸化シリコン膜5cの厚みt2の半分以下(すなわちt1≦t2×0.5)であれば、より好ましい。
絶縁膜5dは、フェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜であるため、絶縁膜5dとメモリゲート電極MGとの間の界面でフェルミレベルピニングが起きる。すなわち、絶縁膜5dはメモリゲート電極MGに接しているため、絶縁膜5dとメモリゲート電極MGとの間の界面でフェルミレベルピニングが起き、絶縁膜5dが無い場合(この場合には酸化シリコン膜5cがメモリゲート電極MGに接することになる)に比べて、フェルミレベル(フェルミ準位)が低い位置(低いエネルギー位置)で固定される。
別の見方をすると、酸化シリコン膜5cに接してn型のシリコン膜6n(メモリゲート電極MG)を形成した場合に比べて、絶縁膜5dに接してn型のシリコン膜6n(メモリゲート電極MG)を形成した場合の方が、界面近傍でのn型のシリコン膜6n(メモリゲート電極MG)のフェルミレベルが低くなるように、絶縁膜5dの材料を選択しておくのである。これは、Hf(ハフニウム),Zr(ジルコニウム),Al(アルミニウム),Ta(タンタル),La(ランタン)の少なくとも1種を含む金属化合物により、絶縁膜5dを形成(構成)することで実現でき、そのなかでも好適なのは、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、または酸化ランタンである。従って、絶縁膜5dを、酸化ハフニウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜、または酸化ランタン膜のいずれかとすれば、特に好ましい。
半導体領域MSは、ソース領域またはドレイン領域の一方として機能する半導体領域であり、半導体領域MDは、ソース領域またはドレイン領域の他方として機能する半導体領域である。ここでは、半導体領域MSはソース領域として機能する半導体領域、半導体領域MDはドレイン領域として機能する半導体領域である。半導体領域MS,MDは、n型の不純物が導入された半導体領域(n型不純物拡散層)よりなり、それぞれLDD(lightly doped drain)構造を備えている。すなわち、ソース用の半導体領域MSは、n−型半導体領域7aと、n−型半導体領域7aよりも高い不純物濃度を有するn+型半導体領域8aとを有し、ドレイン用の半導体領域MDは、n−型半導体領域7bと、n−型半導体領域7bよりも高い不純物濃度を有するn+型半導体領域8bとを有している。n+型半導体領域8aは、n−型半導体領域7aよりも接合深さが深くかつ不純物濃度が高く、また、n+型半導体領域8bは、n−型半導体領域7bよりも接合深さが深くかつ不純物濃度が高い。
メモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CGの側壁(互いに隣接していない側の側壁)上には、酸化シリコンまたは窒化シリコンなどの絶縁体(酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、絶縁膜)からなる側壁絶縁膜(サイドウォール、サイドウォールスペーサ)SWが形成されている。すなわち、絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGに隣接する側とは逆側のメモリゲート電極MGの側壁(側面)上と、絶縁膜5を介してメモリゲート電極MGに隣接する側とは逆側の制御ゲート電極CGの側壁(側面)上とに、側壁絶縁膜SWが形成されている。
ソース部のn−型半導体領域7aはメモリゲート電極MGの側壁に対して自己整合的に形成され、n+型半導体領域8aはメモリゲート電極MGの側壁上の側壁絶縁膜SWの側面(メモリゲート電極MGに接する側とは逆側の側面)に対して自己整合的に形成されている。このため、低濃度のn−型半導体領域7aはメモリゲート電極MGの側壁上の側壁絶縁膜SWの下に形成され、高濃度のn+型半導体領域8aは低濃度のn−型半導体領域7aの外側に形成されている。従って、低濃度のn−型半導体領域7aはメモリトランジスタのチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域8aは低濃度のn−型半導体領域7aに接し、メモリトランジスタのチャネル領域からn−型半導体領域7aの分だけ離間するように形成されている。
ドレイン部のn−型半導体領域7bは制御ゲート電極CGの側壁に対して自己整合的に形成され、n+型半導体領域8bは制御ゲート電極CGの側壁上の側壁絶縁膜SWの側面(制御ゲート電極CGと接する側とは逆側の側面)に対して自己整合的に形成されている。このため、低濃度のn−型半導体領域7bは制御ゲート電極CGの側壁上の側壁絶縁膜SWの下に形成され、高濃度のn+型半導体領域8bは低濃度のn−型半導体領域7bの外側に形成されている。従って、低濃度のn−型半導体領域7bは制御トランジスタのチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域8bは低濃度のn−型半導体領域7bに接し、制御トランジスタのチャネル領域からn−型半導体領域7bの分だけ離間するように形成されている。
メモリゲート電極MG下の絶縁膜5の下にメモリトランジスタのチャネル領域が形成され、制御ゲート電極CG下の絶縁膜3の下に制御トランジスタのチャネル領域が形成される。制御ゲート電極CG下の絶縁膜3の下の制御トランジスタのチャネル形成領域には、制御トランジスタのしきい値調整用の半導体領域(p型半導体領域またはn型半導体領域)が必要に応じて形成され、メモリゲート電極MG下の絶縁膜5の下のメモリトランジスタのチャネル形成領域には、メモリトランジスタのしきい値調整用の半導体領域(p型半導体領域またはn型半導体領域)が必要に応じて形成されている。
制御ゲート電極CGは導電体(導電体膜)からなるが、好ましくはn型ポリシリコン膜(n型不純物を導入した多結晶シリコン膜、ドープトポリシリコン膜)のようなシリコン膜4nからなる。シリコン膜4nは、n型のシリコン膜であり、n型不純物が導入されて低抵抗率とされている。具体的には、制御ゲート電極CGは、パターニングされたシリコン膜4nからなる。
メモリゲート電極MGは、シリコン膜6nからなる。シリコン膜6nは、n型のシリコン膜であり、n型不純物が導入されて低抵抗率とされている。シリコン膜6nは、好ましくは、n型ポリシリコン膜(n型不純物を導入した多結晶シリコン膜、ドープトポリシリコン膜)である。メモリゲート電極MGは、後述するように、半導体基板1上に制御ゲート電極CGを覆うように形成したシリコン膜6nを異方性エッチングし、制御ゲート電極CGの側壁上に絶縁膜5を介してこのシリコン膜6nを残存させることにより形成されている。このため、メモリゲート電極MGは、制御ゲート電極CGの側壁上に絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に形成されている。
メモリゲート電極MG(を構成するシリコン膜6n)の上部(上面)と制御ゲート電極CG(を構成するシリコン膜4n)の上部(上面)とn+型半導体領域8a,8bの上面(表面)には、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術などにより、金属シリサイド層(金属シリサイド膜)11が形成されている。金属シリサイド層11は、例えばコバルトシリサイド層またはニッケルシリサイド層などからなる。金属シリサイド層11により、拡散抵抗やコンタクト抵抗を低抵抗化することができる。また、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間のショートをできるだけ防止するという観点から、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGの一方または両方の上部に金属シリサイド層11を形成しない場合もあり得る。
また、図1、図4および図5に示されるように、不揮発性メモリのメモリセルMCが形成されている半導体基板1と同一の半導体基板1上に、容量素子C1が形成されている。キャパシタ形成領域1Bの容量素子C1について具体的に説明する。
図1に示されるように、キャパシタ形成領域1B全体で、半導体基板1に素子分離領域2が形成されている。図1、図4および図5に示されるように、キャパシタ形成領域1Bの半導体基板1上、すなわち素子分離領域2上には、容量素子C1の下部電極(第1電極)LEが形成されている。キャパシタ形成領域1Bの下部電極LEは、メモリセル領域1Aの制御ゲート電極CGと同層の導電体膜によって形成されている。すなわち、制御ゲート電極CGと下部電極LEとは、いずれもシリコン膜4n(パターニングされたシリコン膜4n)によって形成されている。制御ゲート電極CGおよび下部電極LEを構成するシリコン膜4nは、n型の不純物が導入されて低抵抗率とされている。メモリセル領域1Aおよびキャパシタ形成領域1Bを含む半導体基板1の主面上にシリコン膜4nを形成してから、このシリコン膜4nをフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法などを用いてパターニングすることで、メモリセル領域1Aに制御ゲート電極CGが形成され、キャパシタ形成領域1Bに下部電極LEが形成されているのである。
下部電極LE上には、容量絶縁膜DEを介して上部電極(第2電極)UEが形成されている。この容量絶縁膜DEは、メモリセル領域1Aの絶縁膜5と同層の絶縁膜によって形成されている。すなわち、容量素子C1の容量絶縁膜DEは、メモリセルMCのメモリトランジスタのゲート絶縁膜と同層の絶縁膜5によって形成されている。換言すれば、容量素子C1の容量絶縁膜DEと、メモリセルMCのメモリトランジスタのゲート絶縁膜とは、いずれも絶縁膜5によって形成されている。このため、容量素子C1の容量絶縁膜DEは、酸化シリコン膜5aと、酸化シリコン膜5a上の窒化シリコン膜5bと、窒化シリコン膜5b上の酸化シリコン膜5cと、酸化シリコン膜5c上の絶縁膜5dとを有する積層膜(すなわち絶縁膜5)からなる。
容量絶縁膜DEおよび上部電極UEは積層パターンとしてパターン化されており、下部電極LEの少なくとも一部を覆うように形成されている。容量絶縁膜DEを構成する絶縁膜5のうち、最上層の絶縁膜5dは、上部電極UEに接している。また、下部電極LEを容量絶縁膜DEおよび上部電極UEの積層パターンが覆っている領域では、容量絶縁膜DEを構成する絶縁膜5のうち、最下層の酸化シリコン膜5aは、下部電極LEに接している。
また、キャパシタ形成領域1Bの上部電極UEは、メモリセル領域1Aのメモリゲート電極MGと同層の導電体膜によって形成されている。すなわち、メモリゲート電極MGと上部電極UEとは、いずれもシリコン膜6nによって形成されている。メモリゲート電極MGおよび上部電極UEを構成するシリコン膜6nは、n型の不純物が導入されて低抵抗率とされている。
メモリゲート電極MGおよび上部電極UEは、メモリセル領域1Aおよびキャパシタ形成領域1Bを含む半導体基板1の主面上に制御ゲート電極CGおよび下部電極LEを覆うようにシリコン膜6nを形成してから、このシリコン膜6nを異方性エッチングすることによって、形成されている。メモリゲート電極MGは、この異方性エッチングの際に、制御ゲート電極CGの側壁上に絶縁膜5を介してこのシリコン膜6nをサイドウォールスペーサ状に残存させることにより形成される。このため、メモリゲート電極MGは、サイドウォールスペーサ状に残ったシリコン膜6nにより形成されている。一方、上部電極UEは、この異方性エッチングの前に、シリコン膜6n上にレジストパターン(後述のフォトレジストパターンRP1に対応)を形成しておき、このレジストパターンの下にシリコン膜6nを残すことで、形成されている。このため、上部電極UEは、パターニングされたシリコン膜6nによって形成されている。
下部電極LE、容量絶縁膜DEおよび上部電極UEにより、容量素子(PIP型容量素子)C1が形成される。下部電極LEが容量素子C1の一方の電極(第1電極)として機能し、上部電極UEが容量素子C1の他方の電極(第2電極)として機能し、容量絶縁膜DEが容量素子C1の誘電体膜として機能する。側壁絶縁膜SWは、上部電極UEの側面上や、容量絶縁膜DEおよび上部電極UEの積層パターンで覆われていない領域における下部電極LEの側面上にも、形成されている。
なお、容量絶縁膜DEおよび上部電極UEの積層パターンは、下部電極LEの全面を覆っているのではなく、図1とは異なる断面において、下部電極LEの一部は、容量絶縁膜DEおよび上部電極UEの積層パターンで覆われていない状態となっている。これは、容量絶縁膜DEおよび上部電極UEの積層パターンで覆われていない領域の下部電極LEに後述のプラグPGを接続できるようにするためである。
容量素子C1は、いわゆるPIP(Polysilicon Insulator Polysilicon)型容量素子である。ここでPIP型容量素子とは、2層のポリシリコン層(ここでは下部電極LEおよび上部電極UE)と、それらの間に挟まれた絶縁膜(ここでは容量絶縁膜DE)とからなる容量素子(ポリシリコン容量素子)である。
半導体基板1上には、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、下部電極LE、上部電極UEおよび側壁絶縁膜SWを覆うように、層間絶縁膜として絶縁膜12が形成されている。絶縁膜12は、酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜と該窒化シリコン膜上に該窒化シリコン膜よりも厚く形成された酸化シリコン膜との積層膜などからなる。後述するように、絶縁膜12にコンタクトホールCNTが形成され、コンタクトホールCNTにプラグPGが埋め込まれ、プラグPGが埋め込まれた絶縁膜12上に配線M1などが形成されているが、図1では図示を省略している。
図6は、メモリセルMCの等価回路図である。図7は、本実施の形態の「書込」、「消去」および「読出」時における選択メモリセルの各部位への電圧の印加条件の一例を示す表である。図7の表には、「書込」、「消去」および「読出」時のそれぞれにおいて、図1および図2に示されるようなメモリセル(選択メモリセル)のメモリゲート電極MGに印加する電圧Vmg、ソース領域(半導体領域MS)に印加する電圧Vs、制御ゲート電極CGに印加する電圧Vcg、ドレイン領域(半導体領域MD)に印加する電圧Vd、およびp型ウエルPWに印加される電圧Vbが記載されている。なお、図7の表に示したものは電圧の印加条件の好適な一例であり、これに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更可能である。また、本実施の形態では、メモリトランジスタの絶縁膜5中の電荷蓄積層(電荷蓄積部)である窒化シリコン膜5bへの電子の注入を「書込」、ホール(hole:正孔)の注入を「消去」と定義する。
書込み方式は、いわゆるSSI(Source Side Injection:ソースサイド注入)方式と呼ばれるホットエレクトロン書込みを用いることができる。例えば図7の「書込」の欄に示されるような電圧を、書込みを行う選択メモリセルの各部位に印加し、選択メモリセルの絶縁膜5中の窒化シリコン膜5b中に電子(エレクトロン)を注入する。ホットエレクトロンは、2つのゲート電極(メモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CG)間の下のチャネル領域(ソース、ドレイン間)で発生し、メモリゲート電極MGの下の絶縁膜5中の電荷蓄積層(電荷蓄積部)である窒化シリコン膜5bにホットエレクトロンが注入される。注入されたホットエレクトロン(電子)は、絶縁膜5中の窒化シリコン膜5b中のトラップ準位に捕獲され、その結果、メモリトランジスタのしきい値電圧が上昇する。
消去方法は、BTBT(Band-To-Band Tunneling:バンド間トンネル現象)ホットホール注入消去方式を用いることができる。すなわち、BTBT(バンド間トンネル現象)により発生したホール(正孔)を電荷蓄積部(絶縁膜5中の窒化シリコン膜5b)に注入することにより消去を行う。例えば図7の「消去」の欄に示されるような電圧を、消去を行う選択メモリセルの各部位に印加し、BTBT(Band-To-Band Tunneling)現象によりホール(正孔)を発生させ電界加速することで選択メモリセルの絶縁膜5中の窒化シリコン膜5b中にホールを注入し、それによってメモリトランジスタのしきい値電圧を低下させる。
読出し時には、例えば図7の「読出」の欄に示されるような電圧を、読出しを行う選択メモリセルの各部位に印加する。読出し時のメモリゲート電極MGに印加する電圧Vmgを、書込み状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧と消去状態におけるメモリトランジスタのしきい値電圧との間の値(図7の場合は0V)にすることで、書込み状態と消去状態とを判別することができる。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図8は、本実施の形態の半導体装置の製造工程の一部を示すプロセスフロー図である。図9〜図23は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
図9に示されるように、まず、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)1を用意(準備)する(図8のステップS1)。それから、半導体基板1の主面に、活性領域を規定(画定)する素子分離領域(素子間分離絶縁領域)2を形成する(図8のステップS2)。素子分離領域2は、酸化シリコンなどの絶縁体からなり、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法またはLOCOS(Local Oxidization of Silicon )法などにより形成することができる。例えば、半導体基板1の主面に素子分離用の溝を形成した後、この素子分離用の溝内に、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜を埋め込むことで、素子分離領域2を形成することができる。キャパシタ形成領域1Bでは、半導体基板1の主面全体に素子分離領域2が形成される。
次に、半導体基板1のメモリセル領域1Aにp型ウエルPWを形成する(図8のステップS3)。p型ウエルPWは、例えばホウ素(B)などのp型の不純物を半導体基板1にイオン注入することなどによって形成することができる。p型ウエルPWは、半導体基板1の主面から所定の深さにわたって形成される。
次に、メモリセル領域1Aに後で形成される制御トランジスタのしきい値電圧を調整するために、必要に応じて、メモリセル領域1Aのp型ウエルPWの表面部(表層部)に対してチャネルドープイオン注入を行う。
次に、希釈フッ酸洗浄などによって半導体基板1(p型ウエルPW)の表面を清浄化した後、図10に示されるように、半導体基板1の主面(p型ウエルPWの表面)に、ゲート絶縁膜用の絶縁膜3を形成する(図8のステップS4)。絶縁膜3は、例えば薄い酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜などにより形成することができる。絶縁膜3の膜厚(形成膜厚)は、例えば2〜3nm程度とすることができる。絶縁膜3を熱酸化法により形成した場合には、素子分離領域2上には絶縁膜3は形成されない。
次に、半導体基板1の主面全面上に、すなわちメモリセル領域1Aの絶縁膜3上とキャパシタ形成領域1Bの素子分離領域2上に、制御ゲート電極CG形成用と下部電極LE形成用とを兼ねる導体膜(導電体膜)としてシリコン膜4nを形成(堆積)する(図8のステップS5)。
シリコン膜4nは、多結晶シリコン膜からなり、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法などを用いて形成することができる。シリコン膜4nの膜厚(堆積膜厚)は、例えば100〜200nm程度とすることができる。成膜時はシリコン膜4nをアモルファスシリコン膜として形成してから、その後の熱処理でアモルファスシリコン膜を多結晶シリコン膜とすることもできる。
シリコン膜4nは、n型不純物が導入されて低抵抗とされている。シリコン膜4nにn型不純物が導入されるのは、シリコン膜4nの成膜時であっても、成膜後であってもよい。シリコン膜の成膜時にn型不純物を導入する場合には、シリコン膜4nの成膜用のガスにドーピングガス(n型不純物添加用のガス)を含ませることで、n型不純物が導入されたシリコン膜4nを成膜することができる。一方、シリコン膜の成膜後にn型不純物を導入する場合には、意図的には不純物を導入せずにシリコン膜を成膜した後に、このシリコン膜にn型不純物をイオン注入法などで導入することで、n型不純物が導入されたシリコン膜4nを形成することができる。いずれにしても、メモリセル領域1Aおよびキャパシタ形成領域1Bに、n型不純物が導入されたシリコン膜4nが形成される。
次に、メモリセル領域1Aおよびキャパシタ形成領域1Bのシリコン膜4nをエッチングによりパターニングする(図8のステップS6)。ステップS6のパターニング工程は、例えば次のようにして行うことができる。
すなわち、シリコン膜4n上にフォトリソグラフィ法を用いてフォトレジストパターン(ここでは図示しないけれども、メモリセル領域1Aにおける制御ゲート電極CG形成予定領域とキャパシタ形成領域1Bの下部電極LE形成予定領域にこのフォトレジストパターンが形成される)を形成し、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、シリコン膜4nをエッチング(ドライエッチング)してパターニングする。その後、このフォトレジストパターンを除去する。
このようにして、ステップS6でシリコン膜4nがパターニングされ、図11に示されるように、メモリセル領域1Aに、パターニングされたシリコン膜4nからなる制御ゲート電極CGが形成され、キャパシタ形成領域1Bに、パターニングされたシリコン膜4nからなる下部電極LEが形成される。メモリセル領域1Aの制御ゲート電極CGとキャパシタ形成領域1Bの下部電極LEとは、同層のシリコン膜4nからなるが、互いに分離されている。また、メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGの下に残存する絶縁膜3が、制御トランジスタのゲート絶縁膜となる。従って、シリコン膜4nからなる制御ゲート電極CGは、半導体基板1(p型ウエルPW)上にゲート絶縁膜としての絶縁膜3を介して形成された状態となっている。
メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGで覆われた部分以外の絶縁膜3(すなわちゲート絶縁膜となる部分以外の絶縁膜3)は、ステップS6のパターニング工程で行うドライエッチングや、あるいはそのドライエッチング後にウェットエッチングを行うことによって除去され得る。
次に、メモリセル領域1Aに後で形成されるメモリトランジスタのしきい値電圧を調整するために、必要に応じて、メモリセル領域1Aのp型ウエルPWの表面部(表層部)に対してチャネルドープイオン注入を行う。
次に、洗浄処理を行って、半導体基板1の主面を清浄化処理した後、図12に示されるように、半導体基板1の主面と制御ゲート電極CGの表面(上面および側面)と下部電極LEの表面(上面および側面)上に、メモリトランジスタのゲート絶縁膜用と容量素子の容量絶縁膜用とを兼ねる絶縁膜5を形成する(図8のステップS7)。なお、図13および図14は、図12の一部を拡大した部分拡大断面図であり、図13には、メモリセル領域1Aの一部が拡大して示してあり、図14には、キャパシタ形成領域1Bの一部が拡大して示してある。
絶縁膜5は、上記のように、内部に電荷蓄積部(電荷蓄積層)を有する絶縁膜であり、絶縁膜として、下から順に形成された酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、酸化シリコン膜5cおよび上記絶縁膜5dの積層膜からなるが、図面を見やすくするために、図12では、酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、酸化シリコン膜5cおよび絶縁膜5dの積層膜を、単に絶縁膜5として図示している。従って、実際には、図13および図14に示されるように、絶縁膜5は、酸化シリコン膜(酸化膜)5aと、酸化シリコン膜5a上の窒化シリコン膜(窒化膜)5bと、窒化シリコン膜5b上の酸化シリコン膜(酸化膜)5cと、酸化シリコン膜5c上の絶縁膜5dとの積層膜からなる。ステップS7において、図12に示されるように、絶縁膜5は、半導体基板1(p型ウエルPWおよび素子分離領域2を含む)の主面(表面)と制御ゲート電極CGの表面(側面および上面)と下部電極LEの表面(側面および上面)とに形成される(但し制御ゲート電極CGの下部と下部電極LEの下部とには絶縁膜5は形成されない)。また、成膜工程上、素子分離領域2上にも絶縁膜5が形成されることが一般的であるが、素子分離領域2上には絶縁膜5が形成されなくともよい。
絶縁膜5のうち、酸化シリコン膜5a,5cは、例えば酸化処理(熱酸化処理)またはCVD法あるいはその組み合わせにより形成することができる。この際の酸化処理(熱酸化処理)には、ISSG(In Situ Steam Generation)酸化を用いることも可能である。絶縁膜5のうち、窒化シリコン膜5bは、例えばCVD法により形成することができる。絶縁膜5のうち、絶縁膜5dは、スパッタリング法、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)法またはCVD法などを用いて形成することができる。
また、本実施の形態においては、トラップ準位を有する絶縁膜(電荷蓄積層)として、窒化シリコン膜5bを形成しているが、信頼性の面などで窒化シリコン膜が好適であるが、窒化シリコン膜に限定されものではなく、例えば酸化アルミニウム膜(アルミナ)、酸化ハフニウム膜または酸化タンタル膜など、窒化シリコン膜よりも高い誘電率を有する高誘電率膜を電荷蓄積層(電荷蓄積部)として使用することもできる。また、シリコンナノドットで電荷蓄積層(電荷蓄積部)を形成することもできる。
例えば、まず、半導体基板1(p型ウエルPW)の表面上と制御ゲート電極CGの表面(側面および上面)上と下部電極LEの表面(側面および上面)上とに酸化シリコン膜5aを熱酸化法(好ましくはISSG酸化)により形成する。それから、酸化シリコン膜5a上に窒化シリコン膜5bをCVD法で堆積し、更に窒化シリコン膜5b上に酸化シリコン膜5cをCVD法または熱酸化あるいはその両方で形成する。その後、酸化シリコン膜5c上に絶縁膜5dをスパッタリング法、ALD法またはCVD法で形成する。これにより、酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、酸化シリコン膜5cおよび絶縁膜5dの積層膜からなる絶縁膜5を形成することができる。
酸化シリコン膜5aの厚みは、好ましくは2〜5nm程度とすることができ、窒化シリコン膜5bの厚みは、好ましくは5〜15nm程度とすることができ、酸化シリコン膜5cの厚みは、好ましくは4〜10nm程度とすることができ、絶縁膜5dの厚みは、好ましくは0.5〜2nm程度とすることができる。
メモリセル領域1Aに形成された絶縁膜5は、後で形成されるメモリゲート電極MGのゲート絶縁膜として機能し、電荷保持(電荷蓄積)機能を有し、また、キャパシタ形成領域1Bに形成された絶縁膜5は、容量素子C1の容量絶縁膜(誘電体膜)として機能する。
絶縁膜5は、電荷保持機能が必要であるため、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜5b)を電荷ブロック層(ここでは酸化シリコン膜5a,5c)で挟んだ構造を有しており、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜5b)のポテンシャル障壁高さに比べ、電荷ブロック層(ここでは酸化シリコン膜5a,5c)のポテンシャル障壁高さが高くなる。そして、本実施の形態では、絶縁膜5は、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜5b)を電荷ブロック層(ここでは酸化シリコン膜5a,5c)で挟んだ構造に、更に、フェルミレベルピニングを生じることができかつ高い誘電率を有する絶縁膜5dを最上層に加えた構造を有している。
次に、図15に示されるように、半導体基板1の主面全面上に、すなわち絶縁膜5上に、メモリセル領域1Aにおいては制御ゲート電極CGを覆うように、キャパシタ形成領域1Bにおいては下部電極LEを覆うように、シリコン膜6nを形成(堆積)する(図8のステップS8)。シリコン膜6nは、メモリゲート電極MG形成用と上部電極UE形成用とを兼ねた導電体膜である。なお、図15および以降の図16〜図23でも、上記図12と同様に、図面を見易くするために、酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、酸化シリコン膜5cおよび絶縁膜5dの積層膜を、単に絶縁膜5として図示している。
シリコン膜6nは、多結晶シリコン膜からなり、CVD法などを用いて形成することができる。n型のシリコン膜6nの膜厚(堆積膜厚)は、例えば30〜150nm程度とすることができる。成膜時はシリコン膜6nをアモルファスシリコン膜として形成してから、その後の熱処理でアモルファスシリコン膜を多結晶シリコン膜とすることもできる。
シリコン膜6nは、n型不純物が導入されて低抵抗とされている。シリコン膜6nの成膜後のイオン注入でシリコン膜6nにn型不純物を導入することもできるが、シリコン膜6nの成膜時にシリコン膜6nにn型不純物を導入することが、より好ましい。シリコン膜6nの成膜時にn型不純物を導入する場合には、シリコン膜6nの成膜用のガスにドーピングガス(n型不純物添加用のガス)を含ませることで、n型不純物が導入されたシリコン膜6nを成膜することができる。いずれにしても、メモリセル領域1Aおよびキャパシタ形成領域1Bに、n型不純物が導入されたシリコン膜6nが形成される。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて、キャパシタ形成領域1Bにおける上部電極UE形成予定領域のシリコン膜6n上にフォトレジストパターンRP1を形成する。
次に、異方性エッチング技術により、シリコン膜6nをエッチバック(エッチング、ドライエッチング、異方性エッチング)する(図8のステップS9)。このステップS9のエッチバック工程の後、フォトレジストパターンRP1が除去され、図16にはこの段階が示されている。
ステップS9のエッチバック工程では、シリコン膜6nの堆積膜厚の分だけシリコン膜6nを異方性エッチング(エッチバック)することにより、制御ゲート電極CGの両方の側壁上に(絶縁膜5を介して)シリコン膜6nをサイドウォールスペーサ状に残し、フォトレジストパターンRP1の下にシリコン膜6nを残し、他の領域のシリコン膜6nを除去する。これにより、図16に示されるように、メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGの両方の側壁のうち、一方の側壁上に絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に残存したシリコン膜6nにより、メモリゲート電極MGが形成され、また、他方の側壁上に絶縁膜5を介してサイドウォールスペーサ状に残存したシリコン膜6nにより、シリコンスペーサSP1が形成される。このシリコンスペーサSP1は、導電体からなるサイドウォールスペーサ、すなわち導電体スペーサとみなすこともできる。メモリゲート電極MGとシリコンスペーサSP1とは、制御ゲート電極CGの互いに反対側となる側壁上に形成されており、制御ゲート電極CGを挟んでほぼ対称な構造を有している。また、キャパシタ形成領域1Bにおいて、エッチングマスクとして機能するフォトレジストパターンRP1の下に、エッチングされずに残存したシリコン膜6nにより、上部電極UEが形成される。
また、図示していないが、後でメモリゲート電極MGに接続するコンタクトホールの形成予定領域は、この領域を予めフォトレジストパターン(フォトレジストパターンRP1と同層のフォトレジストパターン)で覆った状態でステップS9のエッチバック工程を行うことで、シリコン膜6nをエッチングせずに残存させておく。
ステップS9のエッチバック工程を行った段階で、メモリゲート電極MGとシリコンスペーサSP1と上部電極UEとで覆われていない領域の絶縁膜5が露出される。メモリセル領域1Aにおけるメモリゲート電極MGの下の絶縁膜5が、メモリトランジスタのゲート絶縁膜となる。シリコン膜6nの堆積膜厚によってメモリゲート長(メモリゲート電極MGのゲート長)が決まるので、上記ステップS8で堆積するシリコン膜6nの堆積膜厚を調整することで、メモリゲート長を調整することができる。
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、メモリゲート電極MGおよび上部電極UEが覆われかつシリコンスペーサSP1が露出されるようなフォトレジストパターン(図示せず)を半導体基板1上に形成してから、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとしたドライエッチングにより、シリコンスペーサSP1を除去する(図8のステップS10)。その後、このフォトレジストパターンを除去する。ステップS10のエッチング工程により、図17に示されるように、シリコンスペーサSP1が除去されるが、メモリゲート電極MGおよび上部電極UEは、フォトレジストパターンで覆われていたので、エッチングされずに残存する。
次に、図18に示されるように、絶縁膜5のうち、メモリゲート電極MGおよび上部電極UEで覆われずに露出する部分をエッチング(例えばウェットエッチング)によって除去する(図8のステップS11)。この際、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGの下とメモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CG間とに位置する絶縁膜5は、除去されずに残存し、キャパシタ形成領域1Bにおいて、上部電極UEの下に位置する絶縁膜5は、除去されずに残存し、他の領域の絶縁膜5は除去される。キャパシタ形成領域1Bにおいて、上部電極UEの下に残存した絶縁膜5が、容量素子C1の容量絶縁膜DEとなる。
次に、イオン注入法などを用いて例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物を、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGをイオン注入阻止マスクとして用いて半導体基板1(p型ウエルPW)に導入(ドーピング)することで、n−型半導体領域(不純物拡散層)7a,7bを形成する(図8のステップS12)。
この際、n−型半導体領域7aは、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGの側壁(絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGと隣合う側とは反対側の側壁)に自己整合して形成され、n−型半導体領域7bは、メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGの側壁(絶縁膜5を介してメモリゲート電極MGと隣合う側とは反対側の側壁)に自己整合して形成される。n−型半導体領域7aおよびn−型半導体領域7bは、メモリセル領域1Aに形成されるメモリセルのソース・ドレイン領域の一部として機能することができる。n−型半導体領域7aとn−型半導体領域7bとは、同じイオン注入工程で形成することができるが、異なるイオン注入工程で形成することも可能である。
次に、図19に示されるように、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの側壁(絶縁膜5を介して互いに隣合う側とは反対側の側壁)上に、例えば酸化シリコンなどの絶縁体からなる側壁絶縁膜(サイドウォール、サイドウォールスペーサ)SWを形成する(図8のステップS13)。例えば、半導体基板1の主面全面上に酸化シリコン膜などの絶縁膜を堆積し、この絶縁膜を異方性エッチング(エッチバック)することによって、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの側壁上に選択的にこの絶縁膜残して、側壁絶縁膜SWを形成することができる。図19に示されるように、側壁絶縁膜SWは、上部電極UEの側壁(側面)上にも形成され得る。
次に、イオン注入法などを用いて例えばヒ素(As)またはリン(P)などのn型の不純物を、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGとそれらの側壁上の側壁絶縁膜SWとをイオン注入阻止マスクとして用いて半導体基板1(p型ウエルPW)に導入(ドーピング)することで、高不純物濃度のn+型半導体領域(不純物拡散層)8a,8bを形成する(図8のステップS14)。
この際、n+型半導体領域8aは、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGの側壁上の側壁絶縁膜SWに自己整合して形成され、n+型半導体領域8bは、メモリセル領域1Aにおいて、制御ゲート電極CGの側壁上の側壁絶縁膜SWに自己整合して形成される。これにより、LDD(lightly doped drain)構造が形成される。n+型半導体領域8aとn+型半導体領域8bは、同じイオン注入工程で形成することができるが、異なるイオン注入工程で形成することも可能である。
n−型半導体領域7aとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域8aとにより、メモリトランジスタのソース領域として機能するn型の半導体領域MSが形成され、n−型半導体領域7bとそれよりも高不純物濃度のn+型半導体領域8bとにより、選択トランジスタのドレイン領域として機能するn型の半導体領域MDが形成される。
このようにして、メモリセル領域1Aに不揮発性メモリのメモリセルMCが形成される。
次に、必要に応じてエッチング(例えば希フッ酸などを用いたウェットエッチング)を行って、n+型半導体領域8a,8bの上面(表面)と制御ゲート電極CGの上面とメモリゲート電極MGの上面(側壁絶縁膜SWで覆われていない部分)と上部電極UEの上面(側壁絶縁膜SWで覆われていない部分)とを清浄化(露出)させる。このときのエッチングは、自然酸化膜を除去する程度の軽いエッチングとすることができる。
次に、サリサイド技術を用いて、図20に示されるように、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、n+型半導体領域8a,8bおよび上部電極UEの上部(上面、表面、上層部)に、それぞれ金属シリサイド層(金属シリサイド膜)11を形成する。金属シリサイド層11を形成したことにより、拡散抵抗やコンタクト抵抗などを低抵抗化することができる。この金属シリサイド層11は、次のようにして形成することができる。
まず、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、上部電極UEおよびn+型半導体領域8a,8bの上面(表面)上を含む半導体基板1の主面全面上に、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、上部電極UEおよび側壁絶縁膜SWを覆うように、金属膜(図示せず)を形成(堆積)する。この金属膜は、例えばコバルト(Co)膜またはニッケル(Ni)膜などからなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。それから、半導体基板1に対して熱処理を施すことによって、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、上部電極UEおよびn+型半導体領域8a,8bの上層部分(表層部分)を上記金属膜と反応させる。これにより、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、上部電極UEおよびn+型半導体領域8a,8bの上部(上面、表面、上層部)に、それぞれ金属シリサイド層11が形成される。金属シリサイド層11は、例えばコバルトシリサイド層(上記金属膜がコバルト膜の場合)またはニッケルシリサイド層(上記金属膜がニッケル膜の場合)とすることができる。その後、未反応の上記金属膜を除去する。図20にはこの段階の断面図が示されている。また、図20の断面図では示されないが、下部電極LEの上面のうち、上部電極UEおよび容量絶縁膜DEの積層パターンで覆われていない領域には、金属シリサイド層11が形成され得る。
次に、図21に示されるように、半導体基板1の主面全面上に、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、下部電極LE、上部電極UEおよび側壁絶縁膜SWを覆うように、層間絶縁膜として絶縁膜(層間絶縁膜)12を形成(堆積)する。絶縁膜12は、酸化シリコン膜の単体膜、あるいは、窒化シリコン膜と該窒化シリコン膜上に該窒化シリコン膜よりも厚く形成された酸化シリコン膜との積層膜などからなり、例えばCVD法などを用いて形成することができる。絶縁膜12の形成後、必要に応じてCMP(Chemical Mechanical Polishing)法などを用いて絶縁膜12の上面を平坦化する。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて絶縁膜12上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして、絶縁膜12をドライエッチングすることにより、図22に示されるように、絶縁膜12にコンタクトホール(開口部、貫通孔)CNTを形成する。なお、図22および後述の図23には、メモリセル領域1Aが示され、キャパシタ形成領域1Bについては図示を省略している。
次に、コンタクトホールCNT内に、導電体部(接続用導体部)として、タングステン(W)などからなる導電性のプラグPGを形成する。
プラグPGを形成するには、例えば、コンタクトホールCNTの内部(底部および側壁上)を含む絶縁膜12上に、バリア導体膜13aを形成する。このバリア導体膜13aは、例えば、チタン膜、窒化チタン膜、あるいはそれらの積層膜とすることができる。それから、このバリア導体膜13a上にタングステン膜などからなる主導体膜13bをコンタクトホールCNTを埋めるように形成し、絶縁膜12上の不要な主導体膜13bおよびバリア導体膜13aをCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、プラグPGを形成することができる。
コンタクトホールCNTおよびそれに埋め込まれたプラグPGは、n+型半導体領域8a,8b、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、下部電極LEおよび上部電極UEの上部などに形成される。コンタクトホールCNTの底部では、半導体基板1の主面の一部、例えばn+型半導体領域8a,8b(の表面上の金属シリサイド層11)の一部、制御ゲート電極CG(の表面上の金属シリサイド層11)の一部、メモリゲート電極MG(の表面上の金属シリサイド層11)の一部、下部電極LE(の表面上の金属シリサイド層11)の一部、上部電極UE(の表面上の金属シリサイド層11)の一部などが露出される。なお、図22においては、n+型半導体領域8b(の表面上の金属シリサイド層11)の一部が、コンタクトホールCNTの底部で露出して、そのコンタクトホールCNTを埋めるプラグPGと電気的に接続された断面が示されている。
次に、プラグPGが埋め込まれた絶縁膜12上に配線(配線層)M1を形成する。この配線M1を、ダマシン技術(ここではシングルダマシン技術)を用いて形成する場合について説明する。
まず、図23に示されるように、プラグPGが埋め込まれた絶縁膜12上に絶縁膜(層間絶縁膜)14を形成してから、この絶縁膜14に、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いて配線溝(絶縁膜14において配線M1が埋め込まれる溝)を形成する。それから、半導体基板1の主面上(すなわち配線溝の底部および側壁上を含む絶縁膜14上)にバリア導体膜(例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜など)を形成し、続いて、CVD法またはスパッタリング法などによりバリア導体膜上に銅のシード層を形成し、さらに電解めっき法などを用いてシード層上に銅めっき膜を形成し、銅めっき膜により配線溝の内部を埋め込む。その後、配線溝内以外の領域の銅めっき膜、シード層およびバリアメタル膜をCMP法により除去して、銅を主導電材料とする第1層目の配線M1を形成する。配線M1は、絶縁膜14の配線溝に埋め込まれた状態となっている。なお、図面の簡略化のために、図23では、配線M1を構成する銅めっき膜、シード層およびバリア導体膜を一体化して示してある。
配線M1は、プラグPGを介して、メモリトランジスタのソース領域(半導体領域MS)、制御トランジスタのドレイン領域(半導体領域MD)、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、上部電極UEあるいは下部電極LEなどと電気的に接続される。なお、図23においては、配線M1の一例として、制御トランジスタのドレイン領域(半導体領域MD)にプラグPGを介して電気的に接続された配線M1が示されている。
その後、デュアルダマシン法などにより2層目以降の配線を形成するが、ここでは図示およびその説明は省略する。また、配線M1およびそれよりも上層の配線は、ダマシン配線(埋込配線)に限定されず、配線用の導電体膜をパターニングして形成することもでき、例えばタングステン配線またはアルミニウム配線などとすることもできる。
次に、本実施の形態の特徴と効果について、より詳細に説明する。
まず、第1の比較例の半導体装置について説明する。図24は、第1の比較例の半導体装置の要部断面図であり、本実施の形態の上記図2に相当するものである。
図24に示される第1の比較例の半導体装置は、不揮発性メモリのメモリセルを有する半導体装置であり、半導体基板のp型ウエルPW101の上部に、不揮発性メモリセルを構成する制御ゲート電極CG101とメモリゲート電極MG101とが互いに隣合うように形成されている。制御ゲート電極CG101とp型ウエルPW101との間には、ゲート絶縁膜としての絶縁膜103が形成されている。また、メモリゲート電極MG101とp型ウエルPW101との間および制御ゲート電極CG101とメモリゲート電極MG101との間には、酸化シリコン膜105a、窒化シリコン膜105bおよび酸化シリコン膜105cの積層膜からなる絶縁膜105が形成されている。制御ゲート電極CG101とメモリゲート電極MG101とは、それぞれn型のシリコン膜からなる。
このような構造の第1の比較例の半導体装置は、次のような課題を有している。
書込み時には、絶縁膜105中の窒化シリコン膜105b中に電子(エレクトロン)を注入する。書込み状態のメモリセルは、窒化シリコン膜105b中に電子が蓄積(保持)された状態となる。一方、消去時には、絶縁膜105中の窒化シリコン膜105b中にホール(正孔)を注入する。消去状態のメモリセルは、窒化シリコン膜105b中にホールが蓄積(保持)された状態となる。
書込み動作による窒化シリコン膜105bへの電子注入時には絶縁膜105の膜質劣化は生じないため、多くの電子を注入し窒化シリコン膜105bに蓄積させることができる。そのため、書込み動作後に絶縁膜105から電子が多少抜けたとしてもデータ(書込み状態)は維持され、長時間放置しても問題は生じにくい。しかし、消去動作による窒化シリコン膜105bへのホール注入では絶縁膜105の膜質劣化が大きいため、窒化シリコン膜105bへのホール注入量を書き込み時の電子注入量よりも抑え目にする。そのため、消去動作後に絶縁膜105からホールが抜けてしまうと、データ(消去状態)が失われてしまう可能性が高くなる。
図25は、課題と効果を説明するための説明図である。
図25の(a)および(b)には、図24に示される第1の比較例の半導体装置におけるメモリセルのうち、メモリゲート電極MG101とその下に位置する絶縁膜105およびp型ウエルPW101が模式的に示されており、制御ゲート電極CG101の図示は省略してある(絶縁膜105のうち制御ゲート電極CG101およびメモリゲート電極MG101間に位置する部分の図示も省略してある)。また、図25の(c)には、本実施の形態の半導体装置におけるメモリセルのうち、メモリゲート電極MGとその下に位置する絶縁膜5およびp型ウエルPWが模式的に示されており、制御ゲート電極CGの図示は省略してある(絶縁膜5のうち制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MG間に位置する部分の図示も省略してある)。図25の(a)、(b)および(c)に示されるメモリセル(のメモリトランジスタ)は、いずれも消去状態に対応する。
図25の(a)においては、メモリセル(のメモリトランジスタ)は消去状態であり、絶縁膜105中の窒化シリコン膜105b中にホール(正孔)h1が蓄積(保持)された状態となっている。しかしながら、待機状態などでメモリゲート電極MG101に0V(ゼロボルト)が供給されている間に、窒化シリコン膜105b中に蓄積(保持)されているホール(正孔)h1が、半導体基板(p型ウエルPW101)側に不必要に抜けてしまう現象(この現象を図25の(a)に矢印21で模式的に示している)が生じる虞がある。また、半導体基板(p型ウエルPW101)側から窒化シリコン膜105b中に電子(エレクトロン)e1が不必要に注入されてしまう現象(この現象を図25の(a)に矢印22で模式的に示している)が生じる虞もある。これらの現象が生じると、メモリトランジスタのしきい値(しきい値電圧)が上昇してしまい、データ(消去状態)が失われてしまうため、これらの現象を抑制または防止することが望まれる。
上記現象(矢印21,22で模式的に示される現象)を抑制または防止するためには、まず、酸化シリコン膜105aおよび酸化シリコン膜105cの膜厚を厚くすることが考えられる。しかしながら、これらの膜厚を厚く形成すると、制御ゲート電極CG101およびメモリゲート電極MG101間に形成された絶縁膜105全体の膜厚が厚くなるため、不揮発性メモリの読出し電流(読出し時にソース・ドレイン間に流れる電流値)の減少や、あるいは、書込み速度の低下などが引き起こされ、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能が低下してしまう(このことに関しては、図28を用いて後で説明している)。すなわち、酸化シリコン膜105aおよび酸化シリコン膜105cの膜厚を厚くすることでは、不揮発性メモリのデータの保持特性を向上させることはできても、不揮発性メモリを有する半導体装置のデータの保持特性以外の性能が低下してしまうことになる。
上記現象(矢印21,22で模式的に示される現象)を抑制または防止するために、更に、図25の(b)に示されるように、メモリゲート電極MG101に若干の負電圧(但しこの負電圧の絶対値は、消去動作時にメモリゲート電極MG101へ印加する電圧の絶対値よりも小さい)を印加しておくことが考えられる。このメモリゲート電極MG101に印加する若干の負電圧は、例えば−0.5V程度とすることができる。
メモリゲート電極MG101に若干の負電圧(例えば−0.5V程度)を印加しておけば(図25の(b)の状態)、このメモリゲート電極MG101の負電圧は、窒化シリコン膜105b中に蓄積(保持)されているホールh1が半導体基板(p型ウエルPW101)側に抜けてしまう現象(図25の(a)に矢印21で模式的に示される現象)を抑制するように作用する。また、メモリゲート電極MG101の負電圧(例えば−0.5V程度)は、半導体基板(p型ウエルPW101)側から窒化シリコン膜105b中に電子e1が注入されてしまう現象(図25の(a)に矢印22で模式的に示される現象)を抑制するように作用する。このため、書込み、消去、読出しのいずれの動作も行っていない待機状態のメモリセルのメモリゲート電極MG101に対して若干の負電圧を印加しておけば、上記現象(矢印21,22で模式的に示される現象)でデータ(消去状態)が失われるのを抑制または防止することができ、不揮発性メモリのデータの保持特性を向上することができる。
しかしながら、書込み、消去、読出しのいずれの動作も行っていない待機状態のメモリセルのメモリゲート電極MG101に負電圧を印加しておくことは、不揮発性メモリを有する半導体装置の回路構成を複雑にし、あるいは、消費電力の増大を招いてしまう。
そこで、本実施の形態では、フェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜5dを、絶縁膜5の最上層とし、この絶縁膜5dをメモリゲート電極MGに接触させることで、上記現象(矢印21,22で模式的に示される現象)に起因する問題を解決している。これについて、バンド構造を踏まえながら説明する。
図26は、上記図24の第1の比較例の半導体装置におけるA1−A1線(A1−A1線は図24に示してある)に沿った位置でのエネルギーバンド構造を示す説明図(エネルギーバンド図)である。図27は、本実施の形態の半導体装置におけるA2−A2線(A2−A2線は図3に示してある)に沿った位置でのエネルギーバンド構造を示す説明図(エネルギーバンド図)である。上記図24のA1−A1線の位置は、図3のA2−A2線の位置にほぼ相当している。なお、図26および図27において、縦軸(縦方向)はエネルギーに対応し、横軸(横方向)は、A1−A1線(図26の場合)またはA2−A2線(図27の場合)に沿った位置に対応する。図26および図27において、伝導帯端ECと価電子帯端EVとを実線で示し、フェルミレベル(フェルミ準位)EFを点線で示してある。
上記図24の第1の比較例の半導体装置では、酸化シリコン膜105cに接してn型のシリコン膜からなるメモリゲート電極MG101が形成されているため、バンド構造は、図26のようになる。
それに対して、本実施の形態では、酸化シリコン膜5c上に絶縁膜5dを形成し、この絶縁膜5dに接してn型のシリコン膜6nからなるメモリゲート電極MGを形成している。絶縁膜5dは、フェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜であるため、絶縁膜5dとメモリゲート電極MGとの間の界面でフェルミレベルピニングが起きる。本実施の形態では、絶縁膜5dとメモリゲート電極MGとの間の界面でフェルミレベルピニングが起きることで、絶縁膜5dが無い場合(図24の第1の比較例がこれに対応する)に比べて、フェルミレベルEFを低い位置(低いエネルギー位置)に固定することができる。
このため、図27に示される、絶縁膜5dとメモリゲート電極MGとの間の界面付近でのメモリゲート電極MGのフェルミレベルEFは、図26に示される、酸化シリコン膜105cとメモリゲート電極MG101との間の界面付近でのメモリゲート電極MG101のフェルミレベルEFよりも、低い位置(低いエネルギー位置)に位置したものとなる。
図26(第1の比較例の場合に対応)において、円で囲んだ領域23,24(酸化シリコン膜105aとp型ウエルPW101との界面近傍領域に対応)では、半導体基板(p型ウエルPW101)のバンドが曲がっているのに対して、図27(本実施の形態の場合に対応)では、酸化シリコン膜5aとp型ウエルPWとの界面近傍領域で、半導体基板(p型ウエルPW)のバンドは、あまり曲がらずにフラットに近くなっている。これは、図26の場合(第1の比較例に対応)に比べて、図27の場合(本実施の形態に対応)では、絶縁膜5dによるフェルミレベルピニングが起きて、メモリゲート電極MGのフェルミレベルEFが低くなっているためである。
絶縁膜5dによるフェルミレベルピニングが起きてメモリゲート電極MGのフェルミレベルEFが低くなると、メモリゲート電極MGのフェルミレベルEFが低くなった分、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間の電位差は小さくなる。すなわち、図26(第1の比較例の場合に対応)におけるメモリゲート電極MG101と半導体基板(p型ウエルPW101)との間の電位差(図26の電位差V1にほぼ相当)に比べて、図27(本実施の形態の場合に対応)におけるメモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間の電位差(図27の電位差V2にほぼ相当)は、小さくなっている(V2<V1)。
つまり、上記第1の比較例の場合(絶縁膜5dを形成しない場合、すなわちフェルミレベルピニングが起きない場合)に比べて、本実施の形態の場合(絶縁膜5dを形成した場合、すなわちフェルミレベルピニングが起きる場合)には、絶縁膜5dによるフェルミレベルピニングが起きることで、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間の電位差(の絶対値)が小さくなっていると言うことができる。
また、このことは、本実施の形態の図27のエネルギーバンド構造(すなわち図3のA2−A2線に沿ったエネルギーバンド構造)は、第1の比較例の半導体装置において、メモリゲート電極MG101に負電位(絶縁膜5dによるフェルミレベルピニングに起因したメモリゲート電極MGのフェルミレベルEFの低下量に相当する負電位)を与えた場合のエネルギーバンド構造にほぼ相当したものとなっていることを意味する。換言すれば、第1の比較例の半導体装置において、メモリゲート電極MG101に若干の負電位(例えば−0.5V程度)を印加したのとほぼ同等のエネルギーバンド構造(A1−A1線またはA2−A2線に沿ったエネルギーバンド構造)を、絶縁膜5dを設けた本実施の形態の半導体装置では得られることを意味する。従って、第1の比較例の半導体装置において、メモリゲート電極MG101に若干の負電位を印加した場合と、本実施の形態の半導体装置において、メモリゲート電極MGに0V(ゼロボルト)を印加した場合とが、エネルギーバンド構造的には等価になる。このため、図25の(c)のように絶縁膜5dを設けることは、図25の(b)のように絶縁膜5dを設けずにメモリゲート電極MG101に負電位を印加することと、ほぼ等価となる。なお、図25の(c)においては、メモリセル(のメモリトランジスタ)は消去状態であり、絶縁膜5中の窒化シリコン膜5b中にホール(正孔)h1が蓄積(保持)された状態となっており、メモリゲート電極MGの電位は0Vである。
このように、本実施の形態では、絶縁膜5dによるフェルミレベルピニングによって、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間の電位差(の絶対値)を小さくする作用、別の見方をすると、第1の比較例の半導体装置においてメモリゲート電極MG101に若干の負電位(例えば−0.5V程度)を印加したのとほぼ同等のエネルギーバンド構造を得られる作用を得ることができる。この作用により、本実施の形態では、次のような効果を得ることができる。
すなわち、窒化シリコン膜5b中に蓄積(保持)されているホールh1が半導体基板1(p型ウエルPW)側に不必要に抜けてしまう現象(上記図25の(a)に矢印21で模式的に示される現象)を抑制することができる。また、半導体基板1(p型ウエルPW)側から窒化シリコン膜5b中に電子e1が不必要に注入されてしまう現象(上記図25の(a)に矢印22で模式的に示される現象)を抑制することができる。これにより、上記現象(矢印21,22で模式的に示される現象)でデータ(消去状態)が失われるのを抑制または防止することができ、不揮発性メモリのデータすなわち不揮発性メモリの記憶情報の保持特性を向上することができる。従って、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能を向上させることができる。
また、本実施の形態では、絶縁膜5dによるフェルミレベルピニングによって、メモリゲート電極MG、絶縁膜5およびp型ウエルPWのエネルギーバンド構造を制御することで、上記現象(矢印21,22で模式的に示される現象)でデータ(消去状態)が失われるのを抑制または防止することができる。このため、書込み、消去、読出しのいずれの動作も行っていない待機状態のメモリセルのメモリゲート電極MGに負電位を印加しなくとも、データ(消去状態)が失われるのを抑制または防止することができる。従って、書込み、消去、読出しのいずれの動作も行っていない待機状態のメモリセルでは、メモリゲート電極MGに供給する電位を0V(ゼロボルト)とすることができるため、不揮発性メモリを有する半導体装置の回路構成を簡略化でき、また、消費電力を低減することができる。
また、第1の比較例の半導体装置において、メモリゲート電極MG101に0V(ゼロボルト)を印加した場合と、本実施の形態の半導体装置において、メモリゲート電極MGに0V(ゼロボルト)を印加した場合とを比べると、絶縁膜5dが形成されることによってフェルミレベルピニングが起きるため、フェルミレベルピニングの分だけメモリトランジスタのしきい値(しきい値電圧)は、本実施の形態の半導体装置の方が高くなる。そのため、本実施の形態では、書込み時に絶縁膜5中の窒化シリコン膜5b中に注入する電子を低減できるため、書込み速度を向上することもできる。
図28は、第2の比較例の半導体装置の要部断面図であり、本実施の形態の上記図2や第1の比較例の上記図24に相当するものである。
図28に示される第2の比較例の半導体装置は、不揮発性メモリのメモリセルを有する半導体装置であり、半導体基板のp型ウエルPW201の上部に、不揮発性メモリセルを構成する制御ゲート電極CG201とメモリゲート電極MG201とが互いに隣合うように形成されている。そして、制御ゲート電極CG201とp型ウエルPW201との間には、ゲート絶縁膜としての絶縁膜203が形成されている。また、メモリゲート電極MG201とp型ウエルPW201との間および制御ゲート電極CG201とメモリゲート電極MG201との間には、酸化シリコン膜205a、窒化シリコン膜205bおよび絶縁膜205dの積層膜からなる絶縁膜205が形成されている。制御ゲート電極CG201とメモリゲート電極MG201とは、それぞれn型のシリコン膜からなる。絶縁膜205dは、本実施の形態の絶縁膜5dと同種の材料により形成されている。
このような構造の第2の比較例の半導体装置は、次のような課題を有している。
図28に示される第2の比較例の半導体装置では、本実施の形態の絶縁膜5dと同種の材料により形成された絶縁膜205dがメモリゲート電極MG201と接しているため、絶縁膜5dによるフェルミレベルピニングが生じることによって、上記矢印21,22で模式的に示される現象を抑制できる。
しかしながら、図28に示される第2の比較例の半導体装置では、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜205b)に蓄えられた電荷が電荷蓄積層から抜けるのを防止(ブロック)する電荷ブロック層として、酸化シリコン膜205aと絶縁膜205dとを用いている。すなわち、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜205b)の下側の電荷ブロック層には酸化シリコン膜205aを用い、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜205b)の上側の電荷ブロック層には絶縁膜205dを用いている。
電荷蓄積層(本実施の形態では窒化シリコン膜5b、第1の比較例の場合は窒化シリコン膜105b、第2の比較例の場合は窒化シリコン膜205b)に蓄えられた電荷が電荷蓄積層から抜けるのを防止(ブロック)する電荷ブロック層としての機能と信頼性は、絶縁膜5d,205dに使用可能な材料膜(フェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜)に比べて、酸化シリコン膜の方が優れている。すなわち、フェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜5d,205dは、酸化シリコン膜に比べて、電荷ブロック層としての機能と信頼性の面では劣っている。このため、図28に示される第2の比較例の半導体装置は、図24に示される第1の比較例の半導体装置や図2などに示される本実施の形態の半導体装置に比べて、絶縁膜205dを電荷ブロック層に用いている分、窒化シリコン膜205b中への電荷の保持(閉じ込め)機能が劣ってしまう。
絶縁膜205dの電荷ブロック機能を向上させるためには、絶縁膜205dの膜厚を厚くすることが有効である。また、酸化シリコン膜105cよりも絶縁膜205d(フェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜)の誘電率が高いため、図24の第1の比較例の半導体装置と図28の第2の比較例の半導体装置とで、酸化シリコン膜105cと絶縁膜205dとに印加される電界を同じにするには、酸化シリコン膜105cよりも絶縁膜205dを厚くする必要がある。
しかしながら、スプリットゲート型のメモリセルでは、絶縁膜205dはメモリゲート電極MG201とp型ウエルPW201との間だけではなく、メモリゲート電極MG201と制御ゲート電極CG201との間にも介在している。このため、絶縁膜205dの膜厚を厚くした場合には、メモリゲート電極MG201と制御ゲート電極CG201との間の距離L1(この距離L1は図28に示されており、絶縁膜205の膜厚が距離L1に相当したものとなる)が大きくなる。p型ウエルPW201において、メモリゲート電極MG201と制御ゲート電極CG201との間に介在する絶縁膜205の下方には、メモリゲート電極MG201によっても、制御ゲート電極CG201によっても電界が印加されにくく、チャネル領域が形成されにくい領域25が形成されているが、この領域25のゲート長方向の寸法は、上記距離L1(絶縁膜205の膜厚に相当)が大きくなるほど、大きくなる。この領域25は、抵抗成分となるため、上記距離L1(絶縁膜205の膜厚に相当)が大きくなって、領域25のゲート長方向の寸法が大きくなると、不揮発性メモリのメモリセルの読出し電流(読出し動作時にソース・ドレイン間に流れる電流値)の減少や、あるいは、書込み速度の低下などを引き起こしてしまう。このため、スプリットゲート型のメモリセルでは、メモリゲート電極MG201と制御ゲート電極CG201との間の距離L1を小さくして領域25のゲート長方向の寸法を小さくすることが望まれる。
そこで、本実施の形態では、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜5b)に蓄えられた電荷が電荷蓄積層から抜けるのを防止(ブロック)する電荷ブロック層として、酸化シリコン膜5aと酸化シリコン膜5cとを用いている。すなわち、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜5b)の下側の電荷ブロック層には酸化シリコン膜5aを用い、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜5b)の上側の電荷ブロック層には酸化シリコン膜5cを用いている。
本実施の形態では、電荷ブロック層としての機能と信頼性に優れた酸化シリコン膜5cを、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜5b)の上側の電荷ブロック層として用いているため、上記第2の比較例の場合に比べて、電荷ブロック層としての機能と信頼性を向上させることができ、窒化シリコン膜5b中への電荷の保持(閉じ込め)機能を向上させることができる。このため、不揮発性メモリのデータの保持機能を向上させることができる。
また、本実施の形態では、酸化シリコン膜5cを、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜5b)の上側の電荷ブロック層として用いているため、絶縁膜5dは、電荷ブロック層としての機能は必要ない。すなわち、本実施の形態では、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜5b)とメモリゲート電極MGとの間に介在する酸化シリコン膜5cと絶縁膜5dのうち、酸化シリコン膜5cに電荷ブロック層としての機能を担わせている。このため、絶縁膜5dは、フェルミレベルピニングを生じることが可能な厚みがあればよく、電荷ブロック層として要求される厚みは必要ないため、絶縁膜5dの厚みを薄くすることができる。一方、酸化シリコン膜5cは、電荷ブロック層として機能させるため、電荷ブロック層として要求される厚みを確保しておく。
すなわち、本実施の形態は、電荷ブロック層としての機能は、絶縁膜5dではなく酸化シリコン膜5cに担わせ、絶縁膜5dにはフェルミレベルピニングを生じさせる機能を担わせ、フェルミレベルピニングを生じることが可能な範囲で絶縁膜5dの厚みを薄くすることを、主要な特徴の一つとしている。このため、図5に示されるように、本実施の形態では、絶縁膜5dの厚みt1は、酸化シリコン膜5cの厚みt2より薄くなっており(すなわちt1<t2)、絶縁膜5dの厚みt1が、酸化シリコン膜5cの厚みt2の半分以下(すなわちt1≦t2×0.5)であれば、より好ましい。
また、絶縁膜5dは、フェルミレベルピニングを生じることが可能な厚みを確保しておけば、できるだけ薄い方が好ましく、この観点から、絶縁膜5dの厚みt1は0.5nm以上で2nm以下であることが好ましい(すなわち0.5nm≦t1≦2nm)。一方、酸化シリコン膜5cは、電荷ブロック層として機能を十分に確保できるように、酸化シリコン膜5cの厚みt2は4nm以上であることが好ましい(すなわちt2≧4nm)。
また、酸化シリコン膜5aの厚みと窒化シリコン膜5bの厚みと酸化シリコン膜5cの厚みの合計の厚みt3は、電荷蓄積層(ここでは窒化シリコン膜5bに対応)としての機能と電荷ブロック層(ここでは酸化シリコン膜5a,5c)としての機能などを考慮して決められる。一方、絶縁膜5dは、フェルミレベルピニングを生じることが可能な厚みを確保しておけば、絶縁膜5全体の厚みの増大をできるだけ抑制できるように薄くすることが好ましく、この観点から、絶縁膜5dの厚みt1は、酸化シリコン膜5aの厚みと窒化シリコン膜5bの厚みと酸化シリコン膜5cの厚みの合計の厚みt3の10%以下であることが好ましい(すなわちt1≦t3×0.1)。
本実施の形態では、酸化シリコン膜5cが電荷ブロック層として機能するため、絶縁膜5dを薄くしても、窒化シリコン膜5b中への電荷の保持(閉じ込め)機能には問題が生じず、また、絶縁膜5dを薄くすることで、絶縁膜5を介在して隣接するメモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間の距離L2(この距離L2は図2に示されており、絶縁膜5の膜厚が距離L2に相当したものとなる)を小さくすることができる。本実施の形態とは異なり、もし絶縁膜5dが厚いと、上記距離L2が大きくなって、上記領域25に相当する領域のゲート長方向の寸法が大きくなってしまい、上記第2の比較例で関連して説明したように、不揮発性メモリのメモリセルの読出し電流の減少や、書込み速度の低下などを引き起こしてしまう。ここで、上記領域25に相当する領域とは、図28に示されるように、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間に介在する絶縁膜5の下方に位置し、メモリゲート電極MGによっても制御ゲート電極CGによっても電界が印加されにくく、チャネル領域が形成されにくい領域に対応する。それに対して、本実施の形態では、絶縁膜5dを上述のように薄くすることで、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間の距離L2を小さくすることができ、上記領域25に相当する領域のゲート長方向の寸法を小さくして、不揮発性メモリのメモリセルの読出し電流を増大でき、また、書込み速度を向上することができる。従って、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能を向上させることができる。
また、本実施の形態では、絶縁膜5dは、フェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜であり、かつ上述のように厚みt1が薄いという特徴だけでなく、誘電率(比誘電率)が高いという特徴も有している。絶縁膜5dの誘電率(比誘電率)を高くする理由について、以下に説明する。
酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5bおよび酸化シリコン膜5cの各膜厚は、各膜の機能(窒化シリコン膜5bは電荷蓄積層としての機能、酸化シリコン膜5a,5cは電荷ブロック層として機能)を考慮して決められる。このため、本実施の形態とは異なり、誘電率が低い(例えば酸化シリコン膜と同程度の)絶縁膜5dを追加した場合、絶縁膜5dを形成していない場合(上記第1の比較例に対応)に比べて、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間に介在する絶縁膜5の実効膜厚が、絶縁膜5dの追加による膜厚の増加の分、増加してしまう。ここで、絶縁膜5の実効膜厚は、等価酸化膜厚(Equivalent Oxide Thickness:EOT)に対応する。メモリゲート電極MGと半導体基板1との間に介在する絶縁膜5の実効膜厚(等価酸化膜厚)が増加すると、書込み動作時や消去動作時にメモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間に介在する絶縁膜5に生じる電界が小さくなるため、書込み速度や消去速度が低下する可能性があり、これを防ぐためには、書込み動作時や消去動作時の動作電圧を大きくする必要がある。
それに対して、本実施の形態では、絶縁膜5dの誘電率を高くしたことで、絶縁膜5dを追加しても、絶縁膜5dを形成していない場合(上記第1の比較例に対応)と比べて、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間に介在する絶縁膜5の実効膜厚(等価酸化膜厚)の増加を抑制することができる。このため、絶縁膜5dを追加しても、書込み動作時や消去動作時にメモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間に介在する絶縁膜5に生じる電界の低下を抑制または防止できるため、書込み速度や消去速度の低下を防止できる。従って、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能を向上させることができる。また、書込み動作時や消去動作時の動作電圧の増大を防ぐことができる。
なお、書込み動作時や消去動作時にメモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間に介在する絶縁膜5に生じる電界については、絶縁膜5の実効膜厚(等価酸化膜厚)で規定されるため、この電界の低下を防ぐためには、絶縁膜5dの実効膜厚(等価酸化膜厚)を薄くすることが望ましい。一方、上記領域25に相当する領域のゲート長方向の寸法が大きくなることによる問題を解決するには、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間の距離L2を小さくすることが必要であり、そのためには、絶縁膜5dの実効膜厚(等価酸化膜厚)ではなく絶縁膜5dの物理的な厚みt1を薄くすることが望ましい。従って、本実施の形態では、絶縁膜5dの物理的な厚みt1を薄くし、更に絶縁膜5dの誘電率を高くすることで、絶縁膜5dの実効膜厚(等価酸化膜厚)を更に薄くしている。
このように、本実施の形態では、絶縁膜5dは、フェルミレベルピニングを生じ得ることと、誘電率が高いことの両方の観点から選択することが必要であり、この観点から、絶縁膜5dは、Hf(ハフニウム),Zr(ジルコニウム),Al(アルミニウム),Ta(タンタル),La(ランタン)のうちの少なくとも1種を含む金属化合物により形成する。絶縁膜5dとして特に好適な材料膜を具体的に挙げると、酸化ハフニウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜または酸化ランタン膜である。これらの材料で絶縁膜5dを形成することで、本実施の形態の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、同じ半導体基板1に不揮発性メモリ(のメモリセルMC)と容量素子C1とが形成(混載)されている。そして、不揮発性メモリのメモリセルMCでメモリトランジスタのゲート絶縁膜として用いた絶縁膜5と同層の絶縁膜5を、容量素子C1の容量絶縁膜DEとして用いている。すなわち、同工程で形成された同層の絶縁膜5を、メモリセル領域1Aではメモリトランジスタのゲート絶縁膜として使用し、キャパシタ形成領域1Bでは容量絶縁膜DEとして使用している。従って、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間および制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間に介在する絶縁膜5と、キャパシタ形成領域1Bにおいて、下部電極LEと上部電極UEとの間に介在する容量絶縁膜DE(絶縁膜5)とは、同じ層構造を有している。但し、メモリセル領域1Aでメモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間および制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間に介在する絶縁膜5と、キャパシタ形成領域1Bで下部電極LEと上部電極UEとの間に介在する容量絶縁膜DEとは、上記ステップS7で絶縁膜5を形成した段階では一体化されていたが、上記ステップS11で分離されるため、製造された半導体装置においては分離されている。
容量素子C1の容量値は、容量絶縁膜DEを介在した下部電極LEと上部電極UEとの対向面積と、容量絶縁膜DEの厚みと、容量絶縁膜DEの誘電率とで規定される。本実施の形態とは異なり、絶縁膜5dの誘電率が低い場合(例えば酸化シリコン膜と同程度の場合)には、絶縁膜5dを追加すると、絶縁膜5dを形成していない場合に比べて、容量絶縁膜DEの厚みが厚くなることで、容量素子C1の容量値が低下してしまう。絶縁膜5dを形成していない場合と同等の容量値を確保しようとすると、容量絶縁膜DEを介在した下部電極LEと上部電極UEとの対向面積を大きくする必要が生じるため、キャパシタ形成領域1Bの面積の増大を招き、ひいては半導体装置の面積の増大を招いてしまう。
それに対して、本実施の形態では、絶縁膜5dの誘電率を高くしているため、絶縁膜5dを追加しても、絶縁膜5dを形成していない場合と比べたときの容量素子C1の容量値の低下を抑制することができる。このため、容量絶縁膜DEを介在した下部電極LEと上部電極UEとの対向面積の増加を抑制または防止でき、キャパシタ形成領域1Bの面積の増大を抑制または防止できる。従って、半導体装置の面積の増大を抑制または防止することができる。
また、絶縁膜5dを絶縁膜5の上部(上層部)に形成していることにより、絶縁膜5dを形成しない場合と比較して、物理膜厚が厚くなり、絶縁膜5dと接する状態で形成されているシリコン酸化膜5cの欠陥密度を低減することが可能となり、容量素子としての信頼性を向上させることが可能となる。従って、半導体装置の信頼性を向上させることが可能となる。
また、メモリセル領域1Aにおけるメモリトランジスタのゲート絶縁膜とキャパシタ形成領域1Bにおける容量素子C1の容量絶縁膜DEとに、同工程で形成された同層の絶縁膜5を用いたことで、不揮発性メモリ(のメモリセルMC)と容量素子C1とを有する半導体装置の製造工程数を低減することができる。
また、本実施の形態では、上述のように絶縁膜5dの物理的な厚みt1を薄くすることが重要であるが、これが重要になるのは、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとが絶縁膜5を介して隣接した構造(スプリットゲート型のメモリセル構造)だからである。この構造の場合は、メモリゲート電極MGと制御ゲート電極CGとの間に介在する絶縁膜5の下方に、メモリゲート電極MGによっても、制御ゲート電極CGによっても電界が印加されにくく、チャネル領域が形成されにくい領域(上記領域25に相当する領域)が形成されてしまうため、この領域のゲート長方向の寸法を小さくすることが、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能を向上させる上で極めて重要となる。このため、本実施の形態では、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間および制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間に形成された絶縁膜5において、酸化シリコン膜5cの物理的な厚みt2は電荷ブロック層として必要な厚みを確保し、一方、フェルミピニングを生じさせるための絶縁膜5dの物理的な厚みt1は薄くすることで、各層の機能を確保しながら、絶縁膜5全体の物理的な厚みを薄くできる。これにより、上記領域25に相当する領域が生じることに起因する問題を解決することができる。
一方、本実施の形態とは異なり、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとが絶縁膜5を介して隣接していない構造の場合、すなわち半導体基板1(p型ウエルPW)上に絶縁膜5を介してゲート電極が配置されているが、そのゲート電極に絶縁膜5を介して隣接する他のゲート電極が存在しない場合には、上記領域25に相当する領域自体が発生しないため、絶縁膜5dの物理的な厚みを厚くすることによる課題自体が発生しない。このため、絶縁膜5dの物理的な厚みt1を薄くする必要性は、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとが絶縁膜5を介して隣接した構造(スプリットゲート型のメモリセル構造)の場合に初めて発生するものと言うことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、上記実施の形態1の変形例であり、上記実施の形態1の技術を適用可能な他の不揮発性メモリについて説明する。
図29は、第1の変形例の半導体装置の要部断面図であり、上記図1に対応するものであるが、キャパシタ形成領域1Bの図示は省略し、メモリセル領域1Aだけが示されている。
上記実施の形態1の半導体装置では、メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜6nは、n型のシリコン膜であったが、図29に示される第1の変形例の半導体装置では、メモリゲート電極MGは、n型のシリコン膜6nの代わりのp型のシリコン膜6pで構成されている。シリコン膜6pは、p型不純物が導入されて低抵抗率とされており、好ましくは、p型ポリシリコン膜(p型不純物を導入した多結晶シリコン膜、ドープトポリシリコン膜)である。また、図29に示される第1の変形例の半導体装置の製造工程は、上記ステップS8でn型のシリコン膜6nの代わりにp型のシリコン膜6pを形成すること以外は、上記実施の形態1と同様に行うことができる。また、図29に示される第1の変形例の半導体装置の場合は、n型のシリコン膜6nの代わりにp型のシリコン膜6pを形成したことで、上記容量素子C1の上記上部電極UE(図29では図示せず)は、p型のシリコン膜6pで形成されたものとなる。図29に示される第1の変形例の半導体装置の他の構成は、上記実施の形態1の半導体装置と同様であるので、ここではその説明は省略する。
図30は、第2の変形例の半導体装置の要部断面図であり、上記図1に対応するものであるが、キャパシタ形成領域1Bの図示は省略し、メモリセル領域1Aだけが示されている。
上記実施の形態1の半導体装置では、メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜6nは、n型のシリコン膜であったが、図30に示される第2の変形例の半導体装置では、メモリゲート電極MGは、n型のシリコン膜6nの代わりのp型のシリコン膜6pで構成されている。また、上記実施の形態1の半導体装置では、制御ゲート電極CGを構成するシリコン膜4nは、n型のシリコン膜であったが、図30に示される第2の変形例の半導体装置では、制御ゲート電極CGは、シリコン膜4nの代わりのp型のシリコン膜4pで構成されている。シリコン膜6pは、p型不純物が導入されて低抵抗率とされており、好ましくは、p型ポリシリコン膜(p型不純物を導入した多結晶シリコン膜、ドープトポリシリコン膜)である。また、シリコン膜4pは、p型不純物が導入されて低抵抗率とされており、好ましくは、p型ポリシリコン膜(p型不純物を導入した多結晶シリコン膜、ドープトポリシリコン膜)である。また、上記実施の形態1の半導体装置では、p型ウエルPWであった領域が、図30に示される第2の変形例の半導体装置では、導電型が逆になり、n型ウエルNWとなっている。また、上記実施の形態1の半導体装置では、n−型半導体領域7a、n−型半導体領域7b、n+型半導体領域8aおよびn+型半導体領域8bであった領域が、図30に示される第2の変形例の半導体装置では、導電型が逆になり、それぞれp−型半導体領域7c、p−型半導体領域7d、p+型半導体領域8cおよびp+型半導体領域8dとなっている。
また、図30に示される第2の変形例の半導体装置の製造工程は、上記ステップS3でp型ウエルPWの代わりにn型ウエルNWを形成し、上記ステップS5でn型のシリコン膜4nの代わりにp型のシリコン膜4pを形成し、上記ステップS8でn型のシリコン膜6nの代わりにp型のシリコン膜6pを形成する。そして、上記ステップS12で、n−型半導体領域7a,7bの代わりにp−型半導体領域7c,7dを形成し、上記ステップS14でn+型半導体領域8a,8bの代わりにp+型半導体領域8c,8dを形成する。これ以外は、上記実施の形態1と同様に行うことができる。
また、図30に示される第2の変形例の半導体装置の場合は、n型のシリコン膜4n,6nの代わりにp型のシリコン膜4p,6pを形成したことで、上記容量素子C1の上記下部電極LE(図30では図示せず)はp型のシリコン膜4pで形成されたものとなり、上記上部電極UE(図30では図示せず)は、p型のシリコン膜6pで形成されたものとなる。図30に示される第2の変形例の半導体装置の他の構成は、上記実施の形態1の半導体装置と同様であるので、ここではその説明は省略する。
従って、上記実施の形態1の半導体装置は、制御トランジスタ(制御ゲート電極CGを有するMISFET)とメモリトランジスタ(メモリゲート電極MGを有するMISFET)とは、いずれもnチャネル型のMISFETであり、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとは、いずれもn型シリコン(より特定的にはn型ポリシリコン)により形成されていた。一方、上記図29に示される第1の変形例の半導体装置は、制御トランジスタ(制御ゲート電極CGを有するMISFET)とメモリトランジスタ(メモリゲート電極MGを有するMISFET)とは、いずれもnチャネル型のMISFETであり、制御ゲート電極CGはn型シリコン(より特定的にはn型ポリシリコン)により形成され、メモリゲート電極MGはp型シリコン(より特定的にはp型ポリシリコン)により形成されている。また、図30に示される第2の変形例の半導体装置は、制御トランジスタ(制御ゲート電極CGを有するMISFET)とメモリトランジスタ(メモリゲート電極MGを有するMISFET)とは、いずれもpチャネル型のMISFETであり、制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとは、いずれもp型シリコン(より特定的にはp型ポリシリコン)により形成されている。絶縁膜5の構成(積層構造)は、上記実施の形態1の半導体装置と、上記図29に示される第1の変形例の半導体装置と、図30に示される第2の変形例の半導体装置とで同じである。
図29に示される第1の変形例の半導体装置の場合や、図30に示される第2の変形例の半導体装置の場合においても、上記実施の形態1の技術(特に絶縁膜5の構成)を適用することで、上記実施の形態1で説明したような効果を得ることができる。
図29に示される第1の変形例の半導体装置の場合では、メモリゲート電極MGはp型のシリコン膜6pで形成されている。このため、上記絶縁膜5dは、p型のシリコン膜6pで形成されたメモリゲート電極MGに接するため、上記絶縁膜5dとメモリゲート電極MGとの間の界面でフェルミレベルピニングが起きると、実施の形態1よりやや低い位置でフェルミレベルが固定される。この場合には、上記実施の形態1で説明した効果よりも大きな効果を得ることが可能である。
図30に示される第2の変形例の半導体装置の場合では、メモリセルがpチャネル型のMISFETで形成されており、上記実施の形態1の半導体装置とは、導電型が逆である。このため、上記絶縁膜5dは、p型のシリコン膜6pで形成されたメモリゲート電極MGに接するため、上記絶縁膜5dとメモリゲート電極MGとの間の界面でフェルミレベルピニングが起きると、絶縁膜5dが無い場合(この場合には酸化シリコン膜5cがメモリゲート電極MGに接することになる)に比べて、フェルミレベル(フェルミ準位)が高い位置(高いエネルギー位置)で固定されることになる。この場合には、上記実施の形態1の正負を入れ換えた効果を得ることが可能である。つまりメモリゲート電極MGに印加する電圧が0Vであっても若干の正電位(例えば0.5V程度)を印加したのとほぼ同等のエネルギーバンド構造を得られる作用を得ることができる。つまり、窒化シリコン膜5b中に蓄積(保持)されている電子が半導体基板側に不必要に抜けてしまう現象を抑制することができる。また、半導体基板から窒化シリコン膜5b中にホールが不必要に注入されてしまう現象を抑制することができる。これにより、データ(書込み状態)が失われるのを抑制または防止することができ、不揮発性メモリのデータ、すなわち不揮発性メモリの記憶情報の保持特性を向上することができる。従って、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能を向上させることができる。
図31は、第3の変形例の半導体装置の要部断面図であり、上記図1に対応するものであるが、キャパシタ形成領域1Bの図示は省略し、メモリセル領域1Aだけが示されている。
上記実施の形態1の半導体装置では、制御ゲート電極CGの一方の側壁上に絶縁膜5を介してメモリゲート電極MGが形成されていたが、図31に示される第3の変形例の半導体装置では、制御ゲート電極CGの両方の側壁上に絶縁膜5を介してメモリゲート電極MG1,MG2が形成されている。
すなわち、図31に示される第3の変形例の半導体装置では、制御ゲート電極CGの一方の側壁上に絶縁膜5を介してメモリゲート電極MG1がサイドウォールスペーサ状に形成されており、制御ゲート電極CGの他方の側壁上に絶縁膜5を介してメモリゲート電極MG2がサイドウォールスペーサ状に形成されている。メモリゲート電極MG1とメモリゲート電極MG2とは、制御ゲート電極CGの互いに反対側となる側壁上に形成されており、制御ゲート電極CGを挟んでほぼ対称な構造を有している。メモリゲート電極MG1については、上記実施の形態1の半導体装置におけるメモリゲート電極MGと同様である。すなわち、図31に示される第3の変形例の半導体装置は、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG1(上記実施の形態1のメモリゲート電極MGに対応)、メモリゲート電極MG1の側壁上の側壁絶縁膜SW、p型ウエルPW、n−型半導体領域7a、n+型半導体領域8a、制御ゲート電極CG上の金属シリサイド層11およびn+型半導体領域8a上の金属シリサイド層11については、上記実施の形態1の半導体装置と同様である。また、図31に示される第3の変形例の半導体装置は、制御ゲート電極CGおよび半導体基板1(p型ウエルPW)間に形成された絶縁膜3と、メモリゲート電極MG1および半導体基板1(p型ウエルPW)間とメモリゲート電極MG1および制御ゲート電極CG間とに形成された絶縁膜5とについても、上記実施の形態1の半導体装置と同様である。
しかしながら、図31に示される第3の変形例の半導体装置は、上述のように、制御ゲート電極CGの側壁(メモリゲート電極MG1が形成されている側とは反対側の側壁)上に絶縁膜5を介してメモリゲート電極MG2がサイドウォールスペーサ状に形成されており、メモリゲート電極MG2および半導体基板1(p型ウエルPW)間とメモリゲート電極MG2および制御ゲート電極CG間とに、絶縁膜5が形成されている。メモリゲート電極MG2および半導体基板1(p型ウエルPW)間とメモリゲート電極MG2および制御ゲート電極CG間とに形成されている絶縁膜5は、メモリゲート電極MG1および半導体基板1(p型ウエルPW)間とメモリゲート電極MG1および制御ゲート電極CG間とに形成されている絶縁膜5と、同工程(上記ステップS7に対応)で形成された同層の絶縁膜であり、同じ構造(層構造)を有しているが、互いに分離されている。
メモリゲート電極MG1、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MG2は、それらの対向側面(側壁)の間に絶縁膜5を介した状態で、半導体基板1の主面に沿って延在し、並んで配置されている。メモリゲート電極MG1、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MG2の延在方向は、図31の紙面に垂直な方向である。メモリゲート電極MG1,MG2および制御ゲート電極CGは、半導体領域MDおよび半導体領域MS間の半導体基板1(p型ウエルPW)の上部に絶縁膜3,5を介して(制御ゲート電極CGは絶縁膜3を介し、メモリゲート電極MG1,MG2は絶縁膜5を介して)形成されており、半導体領域MS側にメモリゲート電極MG1が位置し、半導体領域MD側にメモリゲート電極MG2が位置し、中央に制御ゲート電極CGが位置している。メモリゲート電極MG2の側壁(制御ゲート電極CGと接する側とは逆側の側面)上には側壁絶縁膜SWが形成されている。
また、図31に示される第3の変形例の半導体装置は、ドレイン用の半導体領域MDを構成するn−型半導体領域7bはメモリゲート電極MG2の側壁(制御ゲート電極CGと接する側とは逆側の側面)に対して自己整合的に形成されている。また、ドレイン用の半導体領域MDを構成するn+型半導体領域8bは、メモリゲート電極MG2の側壁上の側壁絶縁膜SWの側面(メモリゲート電極MG2と接する側とは逆側の側面)に対して自己整合的に形成されている。このため、低濃度のn−型半導体領域7bはメモリゲート電極MG2の側壁上の側壁絶縁膜SWの下に形成され、高濃度のn+型半導体領域8bは低濃度のn−型半導体領域7bの外側に形成されている。従って、低濃度のn−型半導体領域7bはメモリゲート電極MG2の下方のチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域8bは低濃度のn−型半導体領域7bに接し、メモリゲート電極MG2の下方のチャネル領域からn−型半導体領域7bの分だけ離間するように形成されている。メモリゲート電極MG1,MG2およびn+型半導体領域8a,8bの上部には金属シリサイド層11が形成されている。
図31に示される第3の変形例の半導体装置の他の構成は、上記実施の形態1の半導体装置と同様であるので、ここではその説明は省略する。
図31に示される第3の変形例の半導体装置の製造工程について説明する。図32〜図35は、図31に示される第3の変形例の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、メモリセル領域1Aの要部断面図が示されている。キャパシタ形成領域1Bにおける製造工程については、上記実施の形態1と同様であるので、ここではその説明は省略し、メモリセル領域1Aにおける製造工程について説明する。
上記実施の形態1と同様にして上記ステップS9(シリコン膜6nのエッチバック工程)までを行って、上記図16に対応する図32の構造を得る。上記実施の形態1のメモリゲート電極MGが、図32におけるメモリゲート電極MG1に対応し、上記実施の形態1のシリコンスペーサSP1が、図32におけるメモリゲート電極MG2に対応する。このため、図31に示される第3の変形例の半導体装置を製造する場合には、上記実施の形態1で行ったステップS10(シリコンスペーサSP1の除去工程)において、フォトリソグラフィ技術を用いて、メモリセル領域1Aおよび上部電極UEが覆われるようなフォトレジストパターン(図示せず)を半導体基板1上に形成してから、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとしたドライエッチングにより、周辺回路部に残ったシリコンスペーサ(図示せず)を除去する。その後、このフォトレジストパターンを除去する。すなわち、上記実施の形態1では、シリコンスペーサSP1を除去したが、図31に示される第3の変形例の半導体装置を製造する場合には、シリコンスペーサSP1を除去せずに残してメモリゲート電極MG2として用いるのである。
上記ステップS9に相当する工程(シリコン膜6nのエッチバック工程)を行ってメモリゲート電極MG1,MG2を形成した後、上記実施の形態1の上記ステップS11と同様の工程を行って、図33に示されるように、絶縁膜5のうち、メモリゲート電極MG1,MG2および上記上部電極UE(図33では図示せず)で覆われずに露出する部分をエッチング(例えばウェットエッチング)によって除去する。この際、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MG1の下とメモリゲート電極MG1および制御ゲート電極CG間とに位置する絶縁膜5は、除去されずに残存する。また、メモリゲート電極MG2の下とメモリゲート電極MG2および制御ゲート電極CG間とに位置する絶縁膜5も、除去されずに残存する。
次に、上記実施の形態1の上記ステップS12(n−型半導体領域7a,7bを形成するイオン注入工程)と同様の工程を行って、n−型半導体領域7a,7bを形成する。この際、n−型半導体領域7aは、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MG1の側壁(絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGと隣合う側とは反対側の側壁)に自己整合して形成され、n−型半導体領域7bは、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MG2の側壁(絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGと隣合う側とは反対側の側壁)に自己整合して形成される。
次に、上記実施の形態1の上記ステップS13(側壁絶縁膜SW形成工程)と同様の工程を行って、図34に示されるように、メモリゲート電極MG1,MG2の側壁(絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGに隣合う側とは反対側の側壁)上に、側壁絶縁膜SWを形成する。
次に、上記実施の形態1の上記ステップS14(n+型半導体領域8a,8bを形成するイオン注入工程)と同様の工程を行って、n+型半導体領域(不純物拡散層)8a,8bを形成する。この際、メモリセル領域1Aにおいて、n+型半導体領域8aは、メモリゲート電極MG1の側壁上の側壁絶縁膜SWに自己整合して形成され、n+型半導体領域8bは、メモリゲート電極MG2の側壁上の側壁絶縁膜SWに自己整合して形成される。
次に、上記実施の形態1と同様にして、図35に示されるように、金属シリサイド層11を形成する。金属シリサイド層11は、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG1,MG2、n+型半導体領域8a,8bおよび上記上部電極UE(図35では図示せず)の上部(上面、表面、上層部)に、それぞれ形成される。
その後、上記実施の形態1と同様にして、上記絶縁膜12、上記コンタクトホールCNT、上記プラグPG、上記絶縁膜14および上記配線M1を形成するが、ここではその図示および詳しい説明は省略する。
図30に示される第3の変形例の半導体装置の場合においても、上記実施の形態1の技術(特に絶縁膜5の構成)を適用することで、上記実施の形態1で説明したような効果を得ることができる。
さらに、図示はしていないが、第4の変形例の半導体装置は、上記実施の形態1の半導体装置および本実施の形態で説明した第1〜3の変形例の半導体装置の制御ゲート電極CG上に更にキャップ絶縁膜を形成し、メモリゲート電極MG(MG1、MG2)を制御ゲート電極CGとキャップ絶縁膜との積層膜の側壁に形成する半導体装置である。絶縁膜5は、メモリゲート電極MG(MG1、MG2)の下と、制御ゲート電極CGとキャップ絶縁膜との積層膜およびメモリゲート電極MG(MG1、MG2)の間とに位置する。第4の変形例の半導体装置の場合においても、上記実施の形態1の技術(特に絶縁膜5の構成)を適用することで、上記実施の形態1で説明したような効果を得ることができる。また、第4の変形例においても、キャパシタ形成領域1Bに形成される容量素子C1は、上記実施の形態1および上記第1〜3の変形例と同様の構成となり、下部電極LE上には、キャップ絶縁膜と同層の絶縁膜は形成されず、除去されている。これは、キャップ絶縁膜を除去することにより、下部電極LEと上部電極UEとの間に形成される(絶縁膜の)膜厚を薄くすることで、容量の低下を防ぐためである。
第4の変形例の半導体装置の製造工程に関しては、図8のプロセスフローにおけるステップS5とステップS6との間にキャップ絶縁膜となる絶縁膜を形成する工程が追加され、ステップS6においてキャップ絶縁膜となる絶縁膜もシリコン膜4nと同時にパターニングし、ステップS6とステップS7の間に下部電極LE上に形成されたキャップ絶縁膜を除去する工程が追加される以外は、図8のプロセスフローと同様であるため、詳細な説明は省略する。
(実施の形態3)
上記実施の形態1は、絶縁膜5の最上層の絶縁膜5dを、フェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜で、かつ、誘電率が高い絶縁膜として形成し、さらに、メモリゲート電極MGをシリコン膜6nで形成した。一方、本実施の形態においては、絶縁膜5を酸化シリコン膜5aと窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの積層構造で形成し、メモリゲート電極MGを金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層膜で形成する。また、本実施の形態においても、上記実施の形態1と同様に、極性は、nチャネル型MISFETを基本としている。
図36は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図である。図37は、本実施の形態の半導体装置におけるメモリセルMCの部分拡大断面図(要部断面図)であり、図36の一部(メモリセル領域1Aの一部)が拡大して示してある。図38は、本実施の形態の半導体装置における容量素子C1の部分拡大断面図(要部断面図)であり、図36の一部(キャパシタ形成領域1Bの一部)が拡大して示してある。なお、図36、図37および図38は、上記実施の形態1の上記図1図2および図4にそれぞれ対応している。
図36および図37に示されるように、本実施の形態における不揮発性メモリのメモリセルMCは、絶縁膜5が酸化シリコン膜5aと窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの積層構造で形成される。具体的には、本実施の形態における絶縁膜5は、酸化シリコン膜5aと、酸化シリコン膜5a上の窒化シリコン膜5bと、窒化シリコン膜5b上の酸化シリコン膜5cとにより形成されている。従って、本実施の形態における絶縁膜5は、絶縁膜5dを有していない点が、上記実施の形態1における絶縁膜5と相違している。また、本実施の形態におけるメモリゲート電極MGは、金属膜6mn(第1金属膜)とn型のシリコン膜6n(第1シリコン膜)との積層膜で形成され、金属膜6mnは、絶縁膜5を介して、制御ゲート電極CGの側壁から、半導体基板上に延在して形成されている。すなわち、本実施の形態において、メモリゲート電極MGは、絶縁膜5に隣接する金属膜6mnと、金属膜6mnを介して絶縁膜5から離間するn型のシリコン膜6nとの積層膜からなる。従って、本実施の形態におけるメモリゲート電極MGは、シリコン膜6nが絶縁膜5と接しておらず、シリコン膜6nと絶縁膜5との間に位置(介在)する金属膜6mnを更に有している点が、上記実施の形態1におけるメモリゲート電極MGと相違している。金属膜6mnは、仕事関数が大きいことが、主要な特徴である。より特定的には、金属膜6mnの仕事関数は、4.5eV以上である。メモリゲート電極MGの下層に形成される金属膜6mnに、仕事関数が4.5eV以上の金属膜として、例えばチタン(Ti)またはプラチナ(Pt)を用いる(すなわち金属膜6mnをTi(チタン)またはPt(プラチナ、白金)により形成する)ことにより、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との電位差が小さくなる。本実施の形態のメモリセルMCのその他の構成は、上記実施の形態1の構成と同様であるので、その説明を省略する。
一方、容量素子C1は、図36および図38に示されるように、容量絶縁膜DEがメモリセルMCにおける絶縁膜5と同層、即ち、酸化シリコン膜5aと窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cとの積層構造で形成され、上部電極UEがメモリセルMCにおけるメモリゲート電極MGと同層、即ち、金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層構造で形成されている。従って、本実施の形態における容量絶縁膜DEは、絶縁膜5dを有していない点が、上記実施の形態1における絶縁膜5と相違しており、また、本実施の形態における上部電極UEは、シリコン膜6nが容量絶縁膜DEと接しておらず、シリコン膜6nと容量絶縁膜DEとの間に位置(介在)する金属膜6mnを更に有している点が、上記実施の形態1における上部電極UEと相違している。容量絶縁膜DEにおいて、窒化シリコン膜5bは酸化シリコン膜5a上に形成され、酸化シリコン膜5cは窒化シリコン膜5b上に形成されており、また、上部電極UEにおいて、シリコン膜6nは金属膜6mn上に形成されている。容量素子C1の上部電極UEの下層に、上記金属膜6mnを形成することにより、上部電極UEの空乏化の問題を回避することができるため、容量素子としての精度を向上させることができる。本実施の形態の容量素子C1のその他の構成は、上記実施の形態1の構成と同様であるので、その説明を省略する。
本実施の形態におけるメモリセルMCの動作方式および電圧の印加条件も上記実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。本実施の形態の製造工程は、上記図8のプロセスフローを用いて説明する。図39〜図44は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。このうち、図39は上記実施の形態1の上記図13に対応し、図40は上記実施の形態1の上記図14に対応し、図41は上記実施の形態1の上記図15に対応し、図42は上記実施の形態1の上記図16に対応し、図43は上記実施の形態1の上記図17に対応し、図44は上記実施の形態1の上記図18に対応するものである。
まず、上記図8のプロセスフローにおいて、上記ステップS1〜ステップS6までの製造工程は、上記実施の形態1と同様であるため、ここではその説明を省略する。
上記ステップS6において、上記図11に示されるようにシリコン膜4nをパターニングすることにより、制御ゲート電極CG及び下部電極LEを形成した後、ステップS7において、上記図12に示されるように、半導体基板1の主面と制御ゲート電極CGの表面(上面および側面)と下部電極LEの表面(上面および側面)上に、絶縁膜5を形成する。このステップS7(絶縁膜5形成工程)において、本実施の形態では、図39および図40に示されるように、絶縁膜5として、酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5bおよび酸化シリコン膜5cを形成する。本実施の形態においては、上記実施の形態1とは異なり、絶縁膜5として絶縁膜5dは形成しない。本実施の形態において絶縁膜5として形成される各絶縁膜(すなわち酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5bおよび酸化シリコン膜5c)の形成方法、膜厚、材料は上記実施の形態1と同様(絶縁膜5dを形成しないこと以外は同様)となるので、ここではその説明を省略する。
次に、上記ステップS8において、上記図15に対応する図41に示されるように、半導体基板1の主面全面上に、すなわち絶縁膜5上に、メモリセル領域1Aにおいては制御ゲート電極CGを覆うように、キャパシタ形成領域1Bにおいては下部電極LEを覆うように、金属膜6mnおよびシリコン膜6nを順に形成する。すなわち、絶縁膜5上に金属膜6mnが形成され、金属膜6mn上にシリコン膜6nが形成される。金属膜6mnは、仕事関数が4.5eV以上の金属膜として、例えばチタン(Ti)またはプラチナ(Pt)により形成され(すなわち金属膜6mnは例えばTi膜またはPt膜とされ)、最低限、仕事関数が制御できる程度の膜厚として、例えば10nm程度とすることができる。シリコン膜6nはn型の多結晶シリコン膜であり、例えば30〜150nm程度の膜厚とすることができる。金属膜6mnは、シリコン膜6nよりも薄い膜厚で形成されることになる。
従って、ステップS7において、上記実施の形態1ではシリコン膜6nの単体膜を形成したのに対して、本実施の形態では、金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層膜を形成しており、本工程(ステップS7)よりも後の工程は、上記実施の形態1におけるシリコン膜6nが金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層膜に代わったこと以外は、上記実施の形態1の製造工程とほぼ同様に行われることになる。
次に、上記実施の形態1と同様に、上記図15に対応する図41に示されるように、フォトリソグラフィ法を用いて、キャパシタ形成領域1Bにおける上部電極UE形成予定領域のシリコン膜6n上にフォトレジストパターンRP1を形成する。
次に、上記ステップS9において、上記図16に対応する図42に示されるように、異方性エッチング技術により、シリコン膜6nおよび金属膜6mnをエッチバック(エッチング、ドライエッチング、異方性エッチング)する。このステップS9のエッチバック工程では、制御ゲート電極CGの両方の側壁上に(絶縁膜5を介して)シリコン膜6nおよび金属膜6mnの積層膜をサイドウォールスペーサ状に残してメモリゲート電極MGおよびシリコンスペーサSP1とし、上記フォトレジストパターンRP1(図42では図示せず)の下にシリコン膜6nおよび金属膜6mnの積層膜を残して上部電極UEとし、他の領域のシリコン膜6nおよび金属膜6mnを除去する。このとき、金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層膜(からなるメモリゲート電極MGおよびシリコンスペーサSP1)がサイドウォールスペーサ状に精度良く形成されるために、金属膜6mnは少なくともシリコン膜6nよりも薄く形成されることが好ましい。ただし、上述したように、金属膜6mnは、最低限、仕事関数が制御できる程度の膜厚が必要とされるため、本実施の形態においては、上述の膜厚としている。メモリゲート電極MGおよびシリコンスペーサSP1のそれぞれにおいて、金属膜6mnは、絶縁膜5を介して、制御ゲート電極CGの側壁から、半導体基板上に延在して形成されている。このステップS9のエッチバック工程の後、上記フォトレジストパターンRP1が除去され、図42にはこの段階が示されている。
上記実施の形態1では、メモリゲート電極MGおよびシリコンスペーサSP1のそれぞれは、サイドウォールスペーサ状に残存したシリコン膜6nにより形成されていたが、本実施の形態では、メモリゲート電極MGおよびシリコンスペーサSP1のそれぞれは、サイドウォールスペーサ状に残存した金属膜6mnおよびシリコン膜6nの積層膜により形成されている点が、上記実施の形態1と相違している。また、上記実施の形態1では、上部電極UEはシリコン膜6nにより形成されていたが、本実施の形態では、上部電極UEは金属膜6mnおよびシリコン膜6nの積層膜により形成されている点が、上記実施の形態1と相違している。
次に、上記実施の形態1と同様に、上記ステップS10において、上記図17に対応する図43に示されるように、フォトリソグラフィ技術を用いたドライエッチングにより、金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層膜からなるメモリゲート電極MGおよび上部電極UEを残し、メモリゲート電極MGの反対側に形成された金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層膜からなるサイドウォールスペーサSP1を除去する。
次に、上記実施の形態1と同様に、上記ステップS11において、上記図18に対応する図44に示されるように、絶縁膜5のうち、メモリゲート電極MGおよび上部電極UEで覆われずに露出する部分をエッチングによって除去する。この際、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MGの下とメモリゲート電極MGおよび制御ゲート電極CG間とに位置する絶縁膜5は、除去されずに残存し、キャパシタ形成領域1Bにおいて、上部電極UEの下に位置する絶縁膜5は、除去されずに残存し、他の領域の絶縁膜5は除去される。キャパシタ形成領域1Bにおいて、上部電極UEの下に残存した絶縁膜5が、容量素子C1の容量絶縁膜DEとなる。
この後の上記ステップS12〜ステップS14の工程は、上記実施の形態1と同様となるので、ここではその説明を省略する。
その後、上記実施の形態1と同様に、サリサイド技術を用いて、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MGを構成するシリコン膜6n、n+型半導体領域8a,8bおよび上部電極UEを構成するシリコン膜6nの上部に、それぞれ金属シリサイド層11を形成する。その後、上記実施の形態1と同様に、層間絶縁膜として上記絶縁膜12を形成し、絶縁膜12に上記コンタクトホールCNTを形成し、コンタクトホールCNT内に上記プラグPGを形成し、上記絶縁膜14とプラグPGに接続する上記配線M1とを形成するが、ここではその図示および詳しい説明は省略する。
図24で示された第1の比較例が有する課題である、消去状態時に窒化シリコン膜105b中のホールh1が半導体基板側に不必要に抜け落ちる現象、および、消去状態時に半導体基板側から電子e1が不必要に注入される現象を抑制または防止するために、本実施の形態では、メモリゲート電極MGを下層の金属膜6mnと上層のシリコン膜6nとの積層膜により形成し、金属膜6mnに仕事関数が4.5eV以上の金属膜を用いている。本実施の形態におけるメモリセルMCを上述のように形成することにより、メモリゲート電極MGと半導体基板1との間の電位差が小さくなる。言い換えれば、メモリトランジスタのゲート絶縁膜である絶縁膜5に接して仕事関数が4.5eV以上の金属膜6mnを形成することにより、上記実施の形態1と同様に、上記第1の比較例(図24)の半導体装置においてメモリゲート電極MG101に若干の負電位(例えば−0.5V程度)を印加したのとほぼ同等のエネルギーバンド構造を得られる作用を得ることができる(エネルギーバンド構造の図示は省略する)。この作用により、本実施の形態では、次のような効果を得ることができる。
すなわち、窒化シリコン膜5b中に蓄積されているホールh1が半導体基板1側に不必要に抜けてしまう現象を抑制することができる。また、半導体基板1側から窒化シリコン膜5b中に電子e1が不必要に注入されてしまう現象を抑制することができる。これにより、上記現象でデータ(消去状態)が失われるのを抑制または防止することができ、不揮発性メモリのデータすなわち不揮発性メモリの記憶情報の保持特性を向上することができる。従って、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能を向上させることができる。
また、本実施の形態では、絶縁膜5上にメモリゲート電極MGの下層の膜として仕事関数の大きい金属膜6mnを形成することによって、メモリゲート電極MG、絶縁膜5およびp型ウエルPWのエネルギーバンド構造を制御することで、上記現象(矢印21,22で模式的に示される現象)でデータ(消去状態)が失われるのを抑制または防止することができる。このため、書込み、消去、読出しのいずれの動作も行っていない待機状態のメモリセルのメモリゲート電極MGに負電位を印加しなくとも、データ(消去状態)が失われるのを抑制または防止することができる。従って、書込み、消去、読出しのいずれの動作も行っていない待機状態のメモリセルでは、メモリゲート電極MGに供給する電位を0Vとすることができるため、不揮発性メモリを有する半導体装置の回路構成を簡略化でき、また、消費電力を低減することができる。
また、第1の比較例(図24)の半導体装置において、メモリゲート電極MG101に0V(ゼロボルト)を印加した場合と、本実施の形態の半導体装置において、メモリゲート電極MGに0V(ゼロボルト)を印加した場合とを比べると、絶縁膜5上にメモリゲート電極MGの下層の膜として仕事関数が4.5eV以上の金属膜6mnを形成することによって、メモリトランジスタのしきい値は、本実施の形態の半導体装置の方が高くなる。そのため、本実施の形態では、書込み時に絶縁膜5中の窒化シリコン膜5b中に注入する電子を低減できるため、書込み速度を向上することもできる。
また、本実施の形態では、同じ半導体基板1に不揮発性メモリと容量素子C1とが形成されている。そして、不揮発性メモリのメモリセルMCのメモリゲート電極MGと同層の金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層膜を、容量素子C1の上部電極UEとして用いている。すなわち、金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層膜と同工程で形成された同層の膜を、メモリセル領域1Aではメモリゲート電極MGとして使用し、キャパシタ形成領域1Bでは上部電極UEとして使用している。従って、メモリセル領域1Aにおいて、絶縁膜5に接して形成される金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層膜と、キャパシタ形成領域1Bにおいて、容量絶縁膜DE(絶縁膜5)上に形成される上部電極UEとは、同じ層構造を有している。
本実施の形態では、容量絶縁膜DE(絶縁膜5)上に、金属膜6mnが下層でシリコン膜6nが上層となる積層膜からなる上部電極UEを形成し、容量絶縁膜DEに接する状態で金属膜6mnが形成されているため、上部電極UEの空乏化の問題を回避することができる。従って、容量素子としての精度を向上させることができ、半導体装置の性能を向上させることができる。
また、メモリセル領域1Aにおけるメモリゲート電極MGとキャパシタ形成領域1Bにおける容量素子C1の上部電極UEとに、同工程で形成された同層の金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層膜を用いたことで、不揮発性メモリ(のメモリセルMC)と容量素子C1とを有する半導体装置の製造工程数を低減することができる。
本実施の形態の半導体装置としては、図36および図37に示されるような制御ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとが絶縁膜5を介して隣接した構造(スプリットゲート型のメモリセル構造)となるメモリセルに限定されるわけではなく、制御ゲート電極CGを形成せず、絶縁膜5とメモリゲート電極MGとからなるメモリセルにも適用することが可能であり、上記スプリットゲート型のメモリセル構造と同様の効果を有する。
その場合、メモリセルは、半導体基板1上に形成された絶縁膜5上にメモリゲート電極MGが形成され、メモリゲート電極MGは金属膜6mnを下層としシリコン膜6nを上層とする積層膜で形成される。このようなメモリセルを形成した場合、容量素子C1の下部電極LEには、例えばメモリセルMCおよび容量素子C1と同一基板上に形成される周辺回路を構成するMISFETのゲート電極と同層のシリコン膜で形成することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態は、上記実施の形態3の変形例であり、上記実施の形態3の技術を適用可能な他の不揮発性メモリについて説明する。
図45は、上記実施の形態3の第1の変形例の半導体装置の要部断面図であり、上記図36に対応するものであるが、キャパシタ形成領域1Bの図示は省略し、メモリセル領域1Aだけが示されている。ここで、上記図29に示される上記実施の形態1の第1の変形例の半導体装置と混乱しないように、図45に示される上記実施の形態3の第1の変形例の半導体装置を、以下では第5の変形例の半導体装置と称することとする。
上記実施の形態3の半導体装置では、メモリゲート電極MGは、仕事関数が4.5eV以上の金属材料からなる金属膜6mnとn型のシリコン膜であるシリコン膜6nとの積層膜で形成されていたが、図45に示される第5の変形例の半導体装置では、メモリゲート電極MGは、仕事関数が4.5eV以上の金属材料からなる金属膜6mnとp型のシリコン膜であるシリコン膜6pとの積層膜で形成されている。すなわち、図45に示される第5の変形例におけるメモリゲート電極MGは、絶縁膜5に隣接する金属膜6mnと、金属膜6mnを介して絶縁膜5から離間するp型のシリコン膜6pとの積層膜からなる。シリコン膜6pは、p型不純物が導入されて低抵抗率とされており、好ましくは、p型ポリシリコン膜(p型不純物を導入した多結晶シリコン膜、ドープトポリシリコン膜)である。
図45に示される第5の変形例の半導体装置の製造工程は、上記図41の上記ステップS8で、n型のシリコン膜6nを形成する代わりに、p型のシリコン膜6pを形成すること以外は、上記実施の形態3と同様に行うことができる。
また、図45に示される第5の変形例の半導体装置の場合は、上記図41の上記ステップS8で、n型のシリコン膜6nの代わりに、p型のシリコン膜6pを形成したことで、上記容量素子C1の上記上部電極UE(図45では図示せず)は、金属膜6mnと金属膜6mn上のp型のシリコン膜6pとの積層膜で形成されたものとなる。図45に示される第5の変形例の半導体装置の他の構成は、上記実施の形態3の半導体装置と同様であるので、ここではその説明は省略する。
図46は、上記実施の形態3の第2の変形例の半導体装置の要部断面図であり、上記図36に対応するものであるが、キャパシタ形成領域1Bの図示は省略し、メモリセル領域1Aだけが示されている。ここで、上記図30に示される上記実施の形態1の第2の変形例の半導体装置と混乱しないように、図46に示される上記実施の形態3の第2の変形例の半導体装置を、以下では第6の変形例の半導体装置と称することとする。
上記実施の形態3の半導体装置では、メモリゲート電極MGは、仕事関数が4.5eV以上の金属材料からなる金属膜6mnとn型のシリコン膜であるシリコン膜6nとの積層膜で形成されていたが、図46に示される第6の変形例の半導体装置では、メモリゲート電極MGは、仕事関数が4.5eV以下の金属材料からなる金属膜6mp(第2金属膜)とp型のシリコン膜であるシリコン膜6p(第2シリコン膜)との積層膜で形成されている。すなわち、図46に示される第6の変形例におけるメモリゲート電極MGは、絶縁膜5に隣接する金属膜6mpと、金属膜6mpを介して絶縁膜5から離間するp型のシリコン膜6pとの積層膜からなる。このため、上記実施の形態3のメモリゲート電極MGを構成する金属膜6mnの仕事関数は、4.5eV以上であるが、図46に示される第6の変形例のメモリゲート電極MGを構成する金属膜6mpの仕事関数は、4.5eV以下となっている。金属膜6mpは、仕事関数が4.5eV以下の金属として、例えばTa(タンタル),Al(アルミニウム)またはLa(ランタン)を用いる(すなわち金属膜6mpをTa(タンタル)またはAl(アルミニウム)またはLa(ランタン)により形成する)。シリコン膜6pは、p型不純物が導入されて低抵抗率とされており、好ましくは、p型ポリシリコン膜である。また、上記実施の形態3の半導体装置では、制御ゲート電極CGを構成するシリコン膜4nは、n型のシリコン膜であったが、図46に示される第6の変形例の半導体装置では、制御ゲート電極CGは、シリコン膜4nの代わりのp型のシリコン膜4pで構成されている。シリコン膜4pは、p型不純物が導入されて低抵抗率とされており、好ましくは、p型ポリシリコン膜である。また、上記実施の形態3の半導体装置では、p型ウエルPWであった領域が、図46に示される第6の変形例の半導体装置では、導電型が逆になり、n型ウエルNWとなっている。また、上記実施の形態3の半導体装置では、n−型半導体領域7a、n−型半導体領域7b、n+型半導体領域8aおよびn+型半導体領域8bであった領域が、図46に示される第6の変形例の半導体装置では、導電型が逆になり、それぞれp−型半導体領域7c、p−型半導体領域7d、p+型半導体領域8cおよびp+型半導体領域8dとなっている。
また、図46に示される第6の変形例の半導体装置の製造工程を上記実施の形態3の製造工程に基づいて説明する。上記ステップS3でp型ウエルPWの代わりにn型ウエルNWを形成し、上記ステップS5でn型のシリコン膜4nの代わりにp型のシリコン膜4pを形成する。そして、上記図41の上記ステップS8で、仕事関数が4.5eV以上の金属である金属膜6mnとn型のシリコン膜6nの代わりに、仕事関数が4.5eV以下の金属である金属膜6mpとp型のシリコン膜6pを形成する。そして、上記ステップS12で、n−型半導体領域7a,7bの代わりにp−型半導体領域7c,7dを形成し、上記ステップS14でn+型半導体領域8a,8bの代わりにp+型半導体領域8c,8dを形成する。これ以外は、上記実施の形態3と同様に行うことができる。
また、図46に示される第6の変形例の半導体装置の場合は、n型のシリコン膜4n,6nの代わりにp型のシリコン膜4p,6pを形成し、仕事関数が4.5eV以上の金属である金属膜6mnの代わりに仕事関数が4.5eV以下の金属である金属膜6mpを形成したことで、上記容量素子C1の上記下部電極LE(図46では図示せず)はp型のシリコン膜4pで形成されたものとなり、上記上部電極UE(図46では図示せず)は、仕事関数が4.5eV以下の金属膜である金属膜6mpと金属膜6mp上のp型のシリコン膜6pとの積層膜で形成されたものとなる。図46に示される第6の変形例の半導体装置の他の構成は、上記実施の形態3の半導体装置と同様であるので、ここではその説明は省略する。
従って、上記実施の形態3の半導体装置は、制御トランジスタ(制御ゲート電極CGを有するMISFET)とメモリトランジスタ(メモリゲート電極MGを有するMISFET)とは、いずれもnチャネル型のMISFETであり、制御ゲート電極CGはn型シリコンにより形成され、メモリゲート電極MGは仕事関数が4.5eV以上の金属膜とn型シリコンとの積層膜により形成されていた。一方、上記図45に示される第5の変形例の半導体装置は、制御トランジスタ(制御ゲート電極CGを有するMISFET)とメモリトランジスタ(メモリゲート電極MGを有するMISFET)とは、いずれもnチャネル型のMISFETであり、制御ゲート電極CGはn型シリコンにより形成され、メモリゲート電極MGは仕事関数が4.5eV以上の金属膜とp型シリコンとの積層膜により形成されている。また、図46に示される第6の変形例の半導体装置は、制御トランジスタ(制御ゲート電極CGを有するMISFET)とメモリトランジスタ(メモリゲート電極MGを有するMISFET)とは、いずれもpチャネル型のMISFETであり、制御ゲート電極CGはp型シリコンにより形成され、メモリゲート電極MGは仕事関数が4.5eV以下の金属膜とp型シリコン膜との積層膜により形成されている。絶縁膜5の構成は、上記実施の形態3の半導体装置と、図45に示される第5の変形例の半導体装置と、図46に示される第6の変形例の半導体装置とで同じである。
図45に示される第5の変形例の半導体装置の場合や、図46に示される第6の変形例の半導体装置の場合においても、上記実施の形態3の技術(特にメモリゲート電極MGの構成)を適用することで、上記実施の形態3で説明したような効果を得ることができる。
図45に示される第5の変形例の半導体装置の場合では、メモリゲート電極MGは、下層で仕事関数が4.5eV以上の金属膜6mnと上層でp型のシリコン膜6pとの積層膜で形成されている。このため、上記実施の形態3の半導体装置よりも、メモリゲート電極MGと半導体基板1(P型ウエルPW)との間の電位差が小さくなる。この場合には、上記実施の形態3で説明した効果よりも大きな効果を得ることが可能である。さらに、通常、容量素子の上部電極と下部電極が異なる導電型のシリコン膜により形成された場合は、上部電極及び下部電極がともに空乏化する場合があるため、容量の変動が大きくなり、容量素子としての精度が低下してしまう可能性がある。それに対して、第5の変形例のように、上部電極UEの下層を金属膜6mnで形成することにより、上部電極UEの空乏化の問題を回避することができるため、容量の変動が小さくなり、容量素子としての精度を向上させ、半導体装置の性能を向上させることが可能となる。
図46に示される第6の変形例の半導体装置の場合では、メモリセルがpチャネル型のMISFETで形成されており、上記実施の形態3の半導体装置とは、導電型が逆である。さらに、メモリゲート電極MGは、下層で仕事関数が4.5eV以下の金属膜6mpと上層でp型のシリコン膜6pとの積層膜で形成されている。このため、メモリゲート電極MGをp型のシリコン膜6pのみで形成する場合に比べて、メモリゲート電極MGと半導体基板1(N型ウエルNW)との間の電位差が小さくなる。この場合には、上記実施の形態3の正負を入れ換えた効果を得ることが可能である。つまり、メモリゲート電極MGに印加する電圧が0Vであっても若干の正電位(例えば0.5V程度)を印加したのとほぼ同等のエネルギーバンド構造を得られる作用を得ることができる。つまり、窒化シリコン膜5b中に蓄積(保持)されている電子が半導体基板側に不必要に抜けてしまう現象を抑制することができる。また、半導体基板から窒化シリコン膜5b中にホールが不必要に注入されてしまう現象を抑制することができる。これにより、データ(書込み状態)が失われるのを抑制または防止することができ、不揮発性メモリのデータ、すなわち不揮発性メモリの記憶情報の保持特性を向上することができる。従って、不揮発性メモリを有する半導体装置の性能を向上させることができる。さらに、第5の変形例と同様に、通常、容量素子の上部電極と下部電極が異なる導電型のシリコン膜により形成された場合は、上部電極及び下部電極がともに空乏化する場合があるため、容量の変動が大きくなり、容量素子としての精度が低下してしまう可能性がある。それに対して、第6の変形例の半導体装置のように、上部電極UEの下層を金属膜6mpで形成することにより、上部電極UEの空乏化の問題を回避することができるため、容量の変動が小さくなり、容量素子としての精度を向上させ、半導体装置の性能を向上させることが可能となる。
図47は、上記実施の形態3の第3の変形例の半導体装置の要部断面図であり、上記図36に対応するものであるが、キャパシタ形成領域1Bの図示は省略し、メモリセル領域1Aだけが示されている。ここで、上記図31に示される上記実施の形態1の第3の変形例の半導体装置と混乱しないように、図47に示される上記実施の形態3の第3の変形例の半導体装置を、以下では第7の変形例の半導体装置と称することとする。
上記実施の形態3の半導体装置では、制御ゲート電極CGの一方の側壁上に絶縁膜5を介してメモリゲート電極MGが形成されていたが、図47に示される第7の変形例の半導体装置では、制御ゲート電極CGの両方の側壁上に絶縁膜5を介してメモリゲート電極MG1,MG2が形成されている。
すなわち、図47に示される第7の変形例の半導体装置では、制御ゲート電極CGの一方の側壁上に絶縁膜5を介してメモリゲート電極MG1がサイドウォールスペーサ状に形成されており、制御ゲート電極CGの他方の側壁上に絶縁膜5を介してメモリゲート電極MG2がサイドウォールスペーサ状に形成されている。メモリゲート電極MG1とメモリゲート電極MG2とは、制御ゲート電極CGの互いに反対側となる側壁上に形成されており、制御ゲート電極CGを挟んでほぼ対称な構造を有している。メモリゲート電極MG1については、上記実施の形態3の半導体装置におけるメモリゲート電極MGと同様である。すなわち、図47に示される第7の変形例の半導体装置は、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG1(上記実施の形態3のメモリゲート電極MGに対応)、メモリゲート電極MG1の側壁上の側壁絶縁膜SW、p型ウエルPW、n−型半導体領域7a、n+型半導体領域8a、制御ゲート電極CG上の金属シリサイド層11およびn+型半導体領域8a上の金属シリサイド層11については、上記実施の形態3の半導体装置と同様である。また、図47に示される第7の変形例の半導体装置は、制御ゲート電極CGおよび半導体基板1(p型ウエルPW)間に形成された絶縁膜3と、メモリゲート電極MG1および半導体基板1(p型ウエルPW)間とメモリゲート電極MG1および制御ゲート電極CG間とに形成された絶縁膜5とについても、上記実施の形態3の半導体装置と同様である。
しかしながら、図47に示される第7の変形例の半導体装置は、上述のように、制御ゲート電極CGの側壁(メモリゲート電極MG1が形成されている側とは反対側の側壁)上に絶縁膜5を介してメモリゲート電極MG2がサイドウォールスペーサ状に形成されており、メモリゲート電極MG2および半導体基板1(p型ウエルPW)間とメモリゲート電極MG2および制御ゲート電極CG間とに、絶縁膜5が形成されている。メモリゲート電極MG2および半導体基板1(p型ウエルPW)間とメモリゲート電極MG2および制御ゲート電極CG間とに形成されている絶縁膜5は、メモリゲート電極MG1および半導体基板1(p型ウエルPW)間とメモリゲート電極MG1および制御ゲート電極CG間とに形成されている絶縁膜5と、同工程(上記図39の工程に対応)で形成された同層の絶縁膜であり、同じ構造(層構造)を有しているが、互いに分離されている。メモリゲート電極MG1,MG2のそれぞれは、絶縁膜5に隣接する金属膜6mnと、金属膜6mnを介して絶縁膜5から離間するp型のシリコン膜6pとの積層膜からなる。
メモリゲート電極MG1、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MG2は、それらの対向側面(側壁)の間に絶縁膜5を介した状態で、半導体基板1の主面に沿って延在し、並んで配置されている。メモリゲート電極MG1、制御ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MG2の延在方向は、図47の紙面に垂直な方向である。メモリゲート電極MG1,MG2および制御ゲート電極CGは、半導体領域MDおよび半導体領域MS間の半導体基板1(p型ウエルPW)の上部に絶縁膜3,5を介して(制御ゲート電極CGは絶縁膜3を介し、メモリゲート電極MG1,MG2は絶縁膜5を介して)形成されており、半導体領域MS側にメモリゲート電極MG1が位置し、半導体領域MD側にメモリゲート電極MG2が位置し、中央に制御ゲート電極CGが位置している。メモリゲート電極MG2の側壁(制御ゲート電極CGと接する側とは逆側の側面)上には側壁絶縁膜SWが形成されている。
また、図47に示される第7の変形例の半導体装置は、ドレイン用の半導体領域MDを構成するn−型半導体領域7bはメモリゲート電極MG2の側壁(制御ゲート電極CGと接する側とは逆側の側面)に対して自己整合的に形成されている。また、ドレイン用の半導体領域MDを構成するn+型半導体領域8bは、メモリゲート電極MG2の側壁上の側壁絶縁膜SWの側面(メモリゲート電極MG2と接する側とは逆側の側面)に対して自己整合的に形成されている。このため、低濃度のn−型半導体領域7bはメモリゲート電極MG2の側壁上の側壁絶縁膜SWの下に形成され、高濃度のn+型半導体領域8bは低濃度のn−型半導体領域7bの外側に形成されている。従って、低濃度のn−型半導体領域7bはメモリゲート電極MG2の下方のチャネル領域に隣接するように形成され、高濃度のn+型半導体領域8bは低濃度のn−型半導体領域7bに接し、メモリゲート電極MG2の下方のチャネル領域からn−型半導体領域7bの分だけ離間するように形成されている。メモリゲート電極MG1,MG2を構成するシリコン膜6nおよびn+型半導体領域8a,8bの上部には金属シリサイド層11が形成されている。
図47に示される第7の変形例の半導体装置の他の構成は、上記実施の形態3の半導体装置と同様であるので、ここではその説明は省略する。
図47に示される第7の変形例の半導体装置の製造工程について説明する。図48〜図50は、図47に示される第7の変形例の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、メモリセル領域1Aの要部断面図が示されている。キャパシタ形成領域1Bにおける製造工程については、上記実施の形態3と同様であるので、ここではその説明は省略し、メモリセル領域1Aにおける製造工程について説明する。
上記実施の形態3と同様にして上記ステップS9(シリコン膜6nおよび金属膜6mnのエッチバック工程)までを行って、上記図42に対応する図48の構造を得る。上記実施の形態3のメモリゲート電極MGが、図48におけるメモリゲート電極MG1に対応し、上記実施の形態3において、制御ゲート電極CGにおけるメモリゲート電極MG1が形成されている側とは反対側の側壁上に絶縁膜5を介して形成されたシリコンスペーサSP1が、図48におけるメモリゲート電極MG2に対応する。
上記実施の形態3の上記ステップS9に相当する工程(シリコン膜6nおよび金属膜6mnのエッチバック工程)を行ってメモリゲート電極MG1,MG2を形成した後、図49に示されるように、上記実施の形態3の上記ステップS11と同様の工程を行って、絶縁膜5のうち、メモリゲート電極MG1,MG2および上記上部電極UEで覆われずに露出する部分をエッチング(例えばウェットエッチング)によって除去する。この際、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MG1の下とメモリゲート電極MG1および制御ゲート電極CG間とに位置する絶縁膜5は、除去されずに残存する。また、メモリゲート電極MG2の下とメモリゲート電極MG2および制御ゲート電極CG間とに位置する絶縁膜5とも、除去されずに残存する。
次に、上記実施の形態3の上記ステップS12(n−型半導体領域7a,7bを形成するイオン注入工程)と同様の工程を行って、n−型半導体領域7a,7bを形成する。この際、n−型半導体領域7aは、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MG1の側壁(絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGと隣合う側とは反対側の側壁)に自己整合して形成され、n−型半導体領域7bは、メモリセル領域1Aにおいて、メモリゲート電極MG2の側壁(絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGと隣合う側とは反対側の側壁)に自己整合して形成される。
次に、上記実施の形態3の上記ステップS13(側壁絶縁膜SW形成工程)と同様の工程を行って、図50に示されるように、メモリゲート電極MG1,MG2の側壁(絶縁膜5を介して制御ゲート電極CGに隣合う側とは反対側の側壁)上に、側壁絶縁膜SWを形成する。
次に、上記実施の形態3の上記ステップS14(n+型半導体領域8a,8bを形成するイオン注入工程)と同様の工程を行って、n+型半導体領域(不純物拡散層)8a,8bを形成する。この際、メモリセル領域1Aにおいて、n+型半導体領域8aは、メモリゲート電極MG1の側壁上の側壁絶縁膜SWに自己整合して形成され、n+型半導体領域8bは、メモリゲート電極MG2の側壁上の側壁絶縁膜SWに自己整合して形成される。
次に、上記実施の形態3と同様にして、金属シリサイド層11を形成する。金属シリサイド層11は、制御ゲート電極CG、メモリゲート電極MG1,MG2のシリコン膜6n、n+型半導体領域8a,8bおよび上記上部電極UE(図35では図示せず)の上部(上面、表面、上層部)に、それぞれ形成される。
その後、上記実施の形態3と同様にして、上記絶縁膜12、上記コンタクトホールCNT、上記プラグPG、上記絶縁膜14および上記配線M1を形成するが、ここではその図示および詳しい説明は省略する。
図47に示される第7の変形例の半導体装置の場合においても、上記実施の形態3の技術(特にメモリゲート電極MGの構成)を適用することで、上記実施の形態3で説明したような効果を得ることができる。
さらに、図示はしていないが、上記実施の形態3の第4の変形例(以下ではこれを第8の変形例と称することとする)の半導体装置は、上記実施の形態3の半導体装置および本実施の形態で説明した第5〜7の変形例の半導体装置の制御ゲート電極CG上にさらにキャップ絶縁膜を形成し、メモリゲート電極MG(MG1、MG2)を制御ゲートCGとキャップ絶縁膜との積層膜の側壁に形成する半導体装置である。絶縁膜5は、メモリゲート電極MG(MG1、MG2)の下と、制御ゲート電極CGとキャップ絶縁膜との積層膜およびメモリゲート電極MG(MG1、MG2)の間とに位置する。第8の変形例の半導体装置の場合においても、上記実施の形態3の技術(特にメモリゲート電極MGの構成)を適用することで、上記実施の形態3で説明したような効果を得ることができる。また、第8の変形例においても、キャパシタ形成領域1Bに形成される容量素子C1は、上記実施の形態3および本実施の形態で説明した上記第5〜7の変形例と同様の構成となり、下部電極LE上には、キャップ絶縁膜と同層の絶縁膜は形成されず、除去されている。これは、キャップ絶縁膜を除去することにより、下部電極LEと上部電極UEとの間に形成される(絶縁膜の)膜厚を薄くすることで、容量の低下を防ぐためである。
第8の変形例の半導体装置の製造工程に関しては、上記実施の形態3の製造工程において、上記図8のプロセスフローにおける上記ステップS5と上記ステップS6との間にキャップ絶縁膜となる絶縁膜を形成する工程が追加され、上記ステップS6においてキャップ絶縁膜となる絶縁膜もシリコン膜4nと同時にパターニングし、上記ステップS6と上記ステップS7の間に下部電極LE上に形成されたキャップ絶縁膜を除去する工程が追加される以外は、上記実施の形態3の製造工程と同様であるため、詳細な説明は省略する。
(実施の形態5)
上記実施の形態1,2においては、絶縁膜5の最上層の絶縁膜5dをフェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜で、かつ、誘電率が高い絶縁膜として形成することにより、あるいは、上記実施の形態3,4においては、メモリゲート電極MGを金属膜6mn(金属膜6mp)とシリコン膜6n(シリコン膜6p)との積層膜で形成することにより、上述の所望の効果を得ることができた。本実施の形態においては、絶縁膜5の最上層に絶縁膜5dを形成し、かつ、メモリゲート電極MGを金属膜6mn(金属膜6mp)とシリコン膜6n(シリコン膜6p)との積層膜で形成する場合について説明する。本実施の形態においても、上記実施の形態1,3と同様に、極性は、nチャネル型MISFETを基本として説明する。
図51は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図である。図52は、本実施の形態の半導体装置におけるメモリセルMCの部分拡大断面図(要部断面図)であり、図51の一部(メモリセル領域1Aの一部)が拡大して示してある。図53は、本実施の形態の半導体装置における容量素子C1の部分拡大断面図(要部断面図)であり、図51の一部(キャパシタ形成領域1Bの一部)が拡大して示してある。なお、図51は、上記実施の形態1,3の上記図1,図36に対応し、図52は、上記実施の形態1,3の上記図2,図37に対応し、図53は、上記実施の形態1,3の上記図4,図38に対応している。
図51および図52に示されるように、本実施の形態における不揮発性メモリのメモリセルMCは、絶縁膜5が酸化シリコン膜5aと窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cと絶縁膜5dとの積層構造からなり、絶縁膜5dは、フェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜であり、かつ、誘電率が高い絶縁膜である。すなわち、本実施の形態における絶縁膜5は、上記実施の形態1における絶縁膜5と同様の構成(積層構造)を有している。従って、本実施の形態において、絶縁膜5を構成する酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、酸化シリコン膜5cおよび絶縁膜5dは、上記実施の形態1において、絶縁膜5を構成する酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、酸化シリコン膜5cおよび絶縁膜5dとそれぞれ同様であるので、ここではその詳しい説明は省略する。絶縁膜5dは、フェルミレベルピニングを生じ得る絶縁膜であるため、絶縁膜5dとメモリゲート電極MGとの間の界面でフェルミレベルピニングが起き、絶縁膜5dが無い場合に比べて、フェルミレベルが低い位置で固定される。即ち、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との間の電位差が小さくなる。
また、本実施の形態におけるメモリゲート電極MGは、金属膜6mnとn型のシリコン膜6nとの積層膜で形成され、金属膜6mnは、絶縁膜5を介して、制御ゲート電極CGの側壁から、半導体基板上に延在して形成されている。すなわち、メモリゲート電極MGは、絶縁膜5に隣接する金属膜6mnと、金属膜6mnを介して絶縁膜5から離間するn型のシリコン膜6nとの積層膜からなる。従って、本実施の形態におけるメモリゲート電極MGは、上記実施の形態3におけるメモリゲート電極MGと同様の構成(積層構造)を有しており、本実施の形態において、メモリゲート電極MGを構成する金属膜6mnおよびシリコン膜6nは、上記実施の形態3において、メモリゲート電極MGを構成する金属膜6mnおよびシリコン膜6nとそれぞれ同様である。金属膜6mnは、仕事関数が大きい(より特定的には仕事関数が4.5eV以上である)ことが、主要な特徴である。メモリゲート電極MGの下層に形成される金属膜6mnに、仕事関数が4.5eV以上の金属膜として、例えばチタン(Ti)またはプラチナ(Pt)を用いる(すなわち金属膜6mnをTiまたはPtにより形成する)ことにより、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との電位差が小さくなる。本実施の形態のメモリセルMCのその他の構成は、上記実施の形態1の構成と同様であるので、その説明を省略する。
一方、容量素子C1は、図51および図53に示されるように、容量絶縁膜DEがメモリセルMCにおける絶縁膜5と同層、即ち、酸化シリコン膜5aと窒化シリコン膜5bと酸化シリコン膜5cと絶縁膜5dとの積層構造で形成され、上部電極UEがメモリセルMCにおけるメモリゲート電極MGと同層、即ち、金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層構造で形成されている。従って、本実施の形態における容量絶縁膜DEは、上記実施の形態1における容量絶縁膜DEと同様の構成(積層構造)を有しており、本実施の形態における上部電極UEは、上記実施の形態3における上部電極UEと同様の構成(積層構造)を有している。容量素子C1の上部電極UEの下層に、上記金属膜6mnを形成することにより、上部電極UEの空乏化の問題を回避することができるため、容量素子としての精度を向上させることができる。本実施の形態の容量素子C1のその他の構成は、上記実施の形態1の構成と同様であるので、その説明を省略する。
本実施の形態におけるメモリセルMCの動作方式および電圧の印加条件も上記実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
本実施の形態の半導体装置の製造工程は、上記実施の形態3の半導体装置の製造工程において、上記ステップS7の絶縁膜5の形成工程を、上記実施の形態1のステップS7の絶縁膜5の形成工程と同様に行えばよく(すなわち絶縁膜5として酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、酸化シリコン膜5cおよび絶縁膜5dの積層膜を形成する)、それ以外は上記実施の形態3の製造工程と同様であるので、ここではその説明は省略する。
本実施の形態においても、絶縁膜5の上層に絶縁膜5dを形成し、かつ、メモリゲート電極MGの下層に金属膜6mnを形成することにより、メモリゲート電極MGと半導体基板1(p型ウエルPW)との電位差を小さくすることができ、上記実施の形態1の第1の比較例の半導体装置においてメモリゲート電極MG101に若干の負電位(例えば−0.5V程度)を印加したのとほぼ同等のエネルギーバンド構造を得られる作用を得ることができる。従って、上記実施の形態1および上記実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においても、不揮発性メモリのメモリセルMCでメモリトランジスタのゲート絶縁膜として用いた絶縁膜5と同層の絶縁膜5を、容量素子C1の容量絶縁膜DEとして用いているため、容量絶縁膜DEの上層には誘電率が高い絶縁膜である絶縁膜5dが形成されることになり、上記実施の形態1の半導体装置における容量素子C1と同様の効果を得ることができる。更に、不揮発性メモリのメモリセルMCでメモリトランジスタのメモリゲート電極MGとして用いた導電膜と同層の導電膜(金属膜6mnとシリコン膜6nとの積層膜)を、容量素子C1の上部電極UEとして用いているため、容量絶縁膜DE上に金属膜が形成されることになり、上記実施の形態3の半導体装置における容量素子C1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態において、上記実施の形態2,4で説明した変形例と同様の変形例を本実施の形態にも適用できる。すなわち、本実施の形態の第1の変形例として、上記図45に示される上記第5の変形例の半導体装置において、絶縁膜5として上記実施の形態1と同様の絶縁膜5(すなわち酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、酸化シリコン膜5cおよび絶縁膜5dの積層膜からなる絶縁膜5)を用いた場合が挙げられる。また、本実施の形態の第2の変形例として、上記図46に示される上記第6の変形例の半導体装置において、絶縁膜5として上記実施の形態1と同様の絶縁膜5(すなわち酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、酸化シリコン膜5cおよび絶縁膜5dの積層膜からなる絶縁膜5)を用いた場合が挙げられる。また、本実施の形態の第3の変形例として、上記図47に示される上記第7の変形例の半導体装置において、絶縁膜5として上記実施の形態1と同様の絶縁膜5(すなわち酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、酸化シリコン膜5cおよび絶縁膜5dの積層膜からなる絶縁膜5)を用いた場合が挙げられる。また、本実施の形態の第4の変形例として、上記第8の変形例(図示せず)の半導体装置において、絶縁膜5として上記実施の形態1と同様の絶縁膜5(すなわち酸化シリコン膜5a、窒化シリコン膜5b、酸化シリコン膜5cおよび絶縁膜5dの積層膜からなる絶縁膜5)を用いた場合が挙げられる。これらの場合(変形例)においても、上記実施の形態2,4で説明した変形例(上記第1〜第8の変形例)と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態6)
上記実施の形態1〜5においては、同じ半導体基板1に不揮発性メモリ(のメモリセルMC)に加えて容量素子C1が形成(混載)されている半導体装置の説明をしたが、容量素子C1は必ずしもメモリセルMCと同じ半導体基板上に形成されている必要はなく、容量素子C1として単独で形成してもよい。
図54は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図である。図55は、図54に示される容量素子C1の部分拡大断面図(要部断面図)であり、図54の一部が拡大して示してある。
図54および図55に示される容量素子C1は、上記実施の形態1で説明した容量素子C1と同様の構成であるため、その説明を省略する。
図54および図55に示される容量素子C1においては、絶縁膜5dを絶縁膜5の上部(上層部)に形成していることにより、絶縁膜5dを形成しない場合と比較して、物理膜厚が厚くなり、絶縁膜5dと接する状態で形成されているシリコン酸化膜5cの欠陥密度を低減することが可能となり、容量素子としての信頼性を向上させることが可能となる。更に、絶縁膜5dを高い誘電率を有する膜として形成しているため、上述しているように、絶縁膜5dを追加しても、絶縁膜5dを形成していない場合と比べたときの容量素子C1の容量値の低下を抑制することができる。このため、容量絶縁膜DEを介在した下部電極LEと上部電極UEとの対向面積の増加を抑制または防止でき、キャパシタ形成領域の面積の増大を抑制または防止できる。即ち、半導体装置の面積の増大を抑制または防止しながら、半導体装置の信頼性を向上させることが可能となる。
図56は、本実施の形態における他の形態の半導体装置の要部断面図である。図57は、図56に示される容量素子C1の部分拡大断面図(要部断面図)であり、図56の一部が拡大して示してある。
図56および図57に示される容量素子C1は、上記実施の形態3で説明した容量素子C1と同様の構成であるため、その説明を省略する。
図56および図57に示される容量素子C1においては、上部電極UEの下層に金属膜6mnを形成することにより、上部電極UEの空乏化の問題を回避することができるため、容量の変動が小さくなり、容量素子としての精度を向上させ、半導体装置の性能を向上させることが可能となる。
また、図56および図57に示される容量素子C1においては、上記実施の形態3の第5、第6の変形例(図45、図46)の半導体装置における容量素子C1のように、上部電極UEをp型のシリコン膜(上記シリコン膜6pに対応)で形成した場合においても、上部電極UEの下層に金属膜6mnを形成することにより、上部電極UEの空乏化の問題を回避することができるため、容量の変動が小さくなり、容量素子としての精度を向上させ、半導体装置の性能を向上させることが可能となる。
図58は、本実施の形態における更に他の形態の半導体装置の要部断面図である。図59は、図58に示される容量素子C1の部分拡大断面図(要部断面図)であり、図58の一部が拡大して示してある。
図58および図59に示される容量素子C1は、上記実施の形態5で説明した容量素子C1と同様の構成であるため、その説明を省略する。
図58および図59に示される容量素子C1においては、絶縁膜5dを絶縁膜5の上部(上層部)に形成していることにより、絶縁膜5dを形成しない場合と比較して、物理膜厚が厚くなり、絶縁膜5dと接する状態で形成されているシリコン酸化膜5cの欠陥密度を低減することが可能となり、容量素子としての信頼性を向上させることが可能となる。更に、絶縁膜5dを高い誘電率を有する膜として形成しているため、上述しているように、絶縁膜5dを追加しても、絶縁膜5dを形成していない場合と比べたときの容量素子C1の容量値の低下を抑制することができる。このため、容量絶縁膜DEを介在した下部電極LEと上部電極UEとの対向面積の増加を抑制または防止でき、キャパシタ形成領域の面積の増大を抑制または防止できる。即ち、半導体装置の面積の増大を抑制または防止しながら、半導体装置の信頼性を向上させることが可能となる。
また、図58および図59に示される容量素子C1においては、上部電極UEの下層に金属膜6mnを形成することにより、上部電極UEの空乏化の問題を回避することができるため、容量の変動が小さくなり、容量素子としての精度を向上させ、半導体装置の性能を向上させることが可能となる。
また、図58および図59に示される容量素子C1においては、上記実施の形態3の第5、第6の変形例(図45、図46)の半導体装置における容量素子C1のように、上部電極UEをp型のシリコン膜(上記シリコン膜6pに対応)で形成した場合においても、上部電極UEの下層に金属膜6mnを形成することにより、上部電極UEの空乏化の問題を回避することができるため、容量の変動が小さくなり、容量素子としての精度を向上させ、半導体装置の性能を向上させることが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。