[第1実施形態]
図1に示すように、内視鏡システム10は、患者体内の被観察部位を撮像する電子内視鏡11と、電子内視鏡11により得られた撮像信号に基づいて被観察部位の観察像を生成するプロセッサ装置12と、被観察部位を照明する各種照明光を電子内視鏡11へ出射する光源装置13と、観察像を表示するモニタ14とを備えている。
内視鏡システム10では、大別して、体内を白色光などの広帯域光で照明することで被観察部位を全体的に観察する通常観察モードと、波長帯域が制限された狭帯域光で被観察部位を照明して血管などを強調表示した状態で観察する特殊光観察モードとの2つの観察モードを有している。
また、特殊光観察モードには、狭帯域光の光量や画像処理の有無などが異なる「BLI−M1モード(以下、単にM1モードという」、「BLI−Eモード(以下、単にEモードという」、「BLI−M2モード(以下、単にM2モードという)」、「BLI−M3モード(以下、単にM3モードという)」の4種類のモードがある。
電子内視鏡11は、体内に挿入される可撓性の挿入部16と、挿入部16の基端部に連設され、電子内視鏡11の把持及び挿入部16の操作に用いられる操作部17と、操作部17をプロセッサ装置12及び光源装置13にそれぞれ接続するユニバーサルコード18とを備えている。
挿入部16の先端部位である挿入部先端部16aには、被観察部位の照明や撮影に用いられる光学系、イメージセンサなどが内蔵されている。また、挿入部先端部16aの先端面には、観察窓19(図3参照)、照明窓20(図3参照)の他に、図示は省略するが送気送水ノズル、挿入部16内に挿通された鉗子チャネルの出口となる鉗子出口等が設けられている。挿入部先端部16aの後端には、湾曲自在な湾曲部16bが連設されている。
操作部17には、アングルノブ21、操作ボタン22、鉗子入口23などが設けられている。アングルノブ21は、挿入部16の湾曲方向及び湾曲量を調整する際に回転操作される。操作ボタン22は、送気・送水や吸引等の各種の操作に用いられる。鉗子入口23は鉗子チャネルに連通している。
ユニバーサルコード18には、送気・送水チャンネル、信号ケーブル、及びライトガイドなどが組み込まれている。このユニバーサルコード18の先端部にはコネクタ部25aが設けられている。このコネクタ部25aは光源装置13に接続する。また、コネクタ部25aからはコネクタ部25bが分岐している。このコネクタ部25bはプロセッサ装置12に接続する。
図2に示すように、電子内視鏡11は、挿入部16が患者Hの口から体内に挿入される、いわゆる上部消化管内視鏡であり、図中の矢印で示すように食道E、噴門C、胃Sなどの各上部消化管の内部を順番に撮影する。
図3に示すように、光源装置13は、広帯域光源30と、青色半導体レーザ装置(以下、単に青色LDという)31と、光合成部32と、可動絞り(以下、単に絞りという)34a,34bと、集光レンズ35と、光源駆動部37とを備えている。
広帯域光源30は、例えばキセノンランプ、白色LED、マイクロホワイト光源(中心波長445nmの光を出射する光源と、この光の照射により励起発光する蛍光体とのセット)などが用いられ、波長が赤色領域から青色領域(約470〜700nm)にわたる白色の広帯域光BBを発生する。広帯域光源30は、広帯域光BBを常時出射する。広帯域光BBは、直接あるいは図示しない光ファイバなどを介して光合成部32に入射する。
青色LD31は、特殊光観察モード時に、青色の特定の波長帯域(例えば中心波長405nm)に制限された青色(B)狭帯域光Bnを出射する。なお、B狭帯域光Bnの光源としてLDの代わりにLEDなどを用いてもよい。B狭帯域光Bnも広帯域光BBと同様に、直接あるいは図示しない光ファイバなどを介して光合成部32に入射する。
B狭帯域光Bnの波長帯域は、例えばヘモグロビンの光の吸収スペクトルの吸収ピーク(415nm付近)にあわせて調整されている。生体組織の光散乱特性に関する知見などから、照射された光の波長が470nm付近を超えなければ、表層血管では照射された光のほとんどが吸収されて挿入部先端部16aに返らない。逆に表層血管の周辺の生体組織では、比較的強い散乱特性によって照射された光の多くが反射して挿入部先端部16aにまで返る。これにより、表層血管とその周辺の生体組織とのコントラストが極めて高くなるため、表層血管を十分に強調表示することができる。
一方、中深層血管の強調表示は、広帯域光BBに含まれる波長が約500nm〜600nm付近の緑色光を用いて行われる。生体組織の光散乱特性に関する知見などから、照射された光の波長が500nm〜600nm付近の間では、光が表層血管よりも深部にある中深層血管に到達する。この光は中深層血管では吸収される一方で、中深層血管の周辺の生体組織では反射及び散乱される。その結果、中深層血管とその周りの生体組織とのコントラストが高くなるため、中深層血管などを十分に強調表示することができる。なお、広帯域光BBには緑光以外の光も含まれているが、中深層血管を強調表示可能な波長帯域は、表層血管を強調表示可能な波長帯域よりも十分に広い。このため、緑光以外の光の影響による中深層血管のコントラスト低下は最小限に抑えられる。
光合成部32は、例えばダイクロイックミラーや光カプラーなどであり、広帯域光BBとB狭帯域光Bnとを混合して集光レンズ35に向けて出射する。
絞り34aは、広帯域光源30の前方に配置されており、広帯域光源30から出射する広帯域光BBの光量を調整する。絞り34bは、青色LD31の前方に配置されており、青色LD31から出射するB狭帯域光Bnの光量を調整する。集光レンズ35は、光合成部32から入射した広帯域光BB、B狭帯域光Bnをライトガイド41に入射させる。
光源駆動部37は、プロセッサ装置12の制御の下、青色LD31のON(点灯)/OFF(消灯)を制御する。光源駆動部37は、通常観察モード時には青色LD31をOFFにし、特殊光観察モード時には青色LD31をONにする。
また、光源駆動部37は、プロセッサ装置12の制御の下、絞り34a,34bの開口部の面積を変えることで、特殊光観察モードの各モード時に広帯域光源30及び青色LD31からそれぞれ出射される広帯域光BBとB狭帯域光Bnの光量比を制御する。光源駆動部37は、M1モード時には広帯域光BBの光量がB狭帯域光Bnの光量よりも大きくなり、Eモード時にはB狭帯域光Bnの光量が広帯域光BBの光量よりも大きくなるように絞り34a,34bの制御を行う。また、光源駆動部37は、M2モード及びM3モード時には、M1モード時よりも広帯域光BBの光量の比率が高くなるように絞り34a,34bの制御を行う。なお、M2〜M3モードでは光量比は同じ値に設定されている。
上記各構成により光源装置13は、通常観察モード時には広帯域光BBをライトガイド41に入射させ、M1モード時、Eモード時、及びM2〜M3モード時にはそれぞれ光量比の異なる広帯域光BBとB狭帯域光Bnとの混合光をライトガイド41に入射させる。
電子内視鏡11は、ライトガイド41、ズームレンズ42、ズーム機構43、本発明の撮像手段に相当するCCD型イメージセンサ(以下、CCDという)44、アナログ処理回路(AFE:Analog Front End)45、撮像制御部46などを備えている。ライトガイド41は大口径光ファイバ、バンドルファイバなどである。ライトガイド41は、その入射端が光源装置13に挿入されており、その出射端が挿入部先端部16a内に設けられた照射レンズ48に対向している。ライトガイド41から照射レンズ48に入射した照明光は、照明窓20を通して被観察部位に照射される。そして、被観察部位で反射/散乱した光は、観察窓19を通して集光レンズ51に入射する。
ズームレンズ42は、集光レンズ51とCCD44との間において、光軸O方向に移動自在に配置されている。ズーム機構43は、プロセッサ装置12の制御の下、ズームレンズ42を光軸方向に移動してズーミングを行う。
CCD44は、複数のフォトダイオード52(以下、PD52という、図4参照)が2次元配列された撮像面を有しており、集光レンズ51及びズームレンズ42を通して入射した被写体光を各PD52で電気的な撮像信号に変換してAFE45へ出力する。なお、CCDの代わりにMOS型のイメージセンサを用いてもよい。CCD44には、プロセッサ装置12により制御される撮像制御部46が接続している。CCD44は、撮像制御部46からの駆動信号に基づいて、所定のフレームレートで撮像信号をAFE45へ出力する。
図4に示すように、CCD44は、各PD52上に2次元配列された赤色、緑色、青色のマイクロフィルタFR,FG,FBを備えるカラーCCDである。CCD44は、マイクロフィルタFRとその下方(図中では側方、以下同じ)に配置されたPD52とからなるR画素、マイクロフィルタFGとその下方に配置されたPD52とからなるG画素、マイクロフィルタFBとその下方に配置されたPD52とからなるB画素を備える。
マイクロフィルタFRは、赤色帯域の赤色(R)光を透過させる。マイクロフィルタFGは、緑色帯域の緑色(G)光を透過させる。マイクロフィルタFBは、青色帯域の青色(B)光を透過させる。各マイクロフィルタFR,FG,FBにより、撮像面44aに入射する光をRGBの3色に分離することができる。なお、B光にはB狭帯域光Bnが含まれる。
図3に戻って、AFE45は、図示は省略するが、相関二重サンプリング回路(CDS)、自動ゲイン制御回路(AGC)、及びアナログ/デジタル変換器(A/D)から構成されている。CDSは、CCD44からの撮像信号に対して相関二重サンプリング処理を施してノイズを除去する。AGCは、CDSによりノイズが除去された撮像信号を増幅する。A/Dは、AGCで増幅された撮像信号を、所定のビット数のデジタルな撮像信号に変換してプロセッサ装置12に送る。
プロセッサ装置12は、メモリ(記憶手段)53と、CPU54と、デジタル信号処理部(Digital Signal Processor:DSP)55と、フレームメモリ56と、表示制御回路58と、モード切替スイッチ59と、ズームスイッチ60とを備えている。メモリ53には、内視鏡システム10を制御するための各種プログラムやデータが格納されている。
CPU54は、プロセッサ装置12の各部、並びに光源装置13の光源駆動部37に信号線で接続されており、メモリ53から読み出したプログラムやデータに基づき、これらを統括的に制御する。
DSP55は、AFE45から入力される撮像信号に対し、ホワイトバランス調整、色調処理、階調処理、シャープネス処理などの信号処理を行う。DSP55は、通常観察モード時には、AFE45から入力されるB撮像信号、G撮像信号、R撮像信号に上記信号処理を施すことによって、B,G,Rの3色の画素値を持つ通常画像データを生成する。この通常画像データはフレームメモリ56に記憶される。
一方、DSP55は、特殊光観察モードの各モード時には、AFE45から入力されるB撮像信号(B狭帯域撮像信号を含む)、G撮像信号、R撮像信号に適宜信号処理を施すことによって、B,G,Rの3色の画素値を持つ特殊光画像データを生成する。この特殊光画像データもフレームメモリ56に記憶される。
表示制御回路58は、観察モードが通常観察モードである場合には、フレームメモリ56から通常画像データを読み出し、この通常画像データに基づいてモニタ14に観察像を表示させる。この際には、図4に示すように、通常画像データのB,G,Rの3色の画素値を、それぞれモニタ14のBチャンネル、Gチャンネル、Rチャンネルに割り当てて出力する。また、表示制御回路58は、観察モードがM2〜M3モードである場合にも、特殊光画像データのB,G,Rの3色の画素値を、それぞれモニタ14のBチャンネル、Gチャンネル、Rチャンネルに割り当てて出力する。
一方、図5に示すように表示制御回路58は、観察モードがM1〜Eモードである場合には、フレームメモリ56から特殊光画像データを読み出し、この特殊光画像データに基づいてモニタ14に観察像を表示させる。この際には、CCD44のB画素で取得したB画素値をモニタ14のB,Gチャネルに割り当て、G画素で取得したG画素値をモニタ14のRチャネルに割り当てる。モニタ14に表示される観察像の表層血管部分は、B狭帯域光Bnの吸収によりB,Gチャネルが暗くなり、Rチャネルのみが相対的に明るくなるので、茶色に表示される。また、中深層血管部分は、波長500nm〜600nm付近のG光の吸収によりRチャネルが暗くなるので、B,Gチャネルを混合したシアン色や緑色などで表示される。
表示制御回路58には、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)表示部58aが設けられている。図6に示すように、GUI表示部58aは、CPU54の制御の下、現在の観察条件下での観察に好適な観察モード(以下、好適観察モードという)を示すGUI画像62を生成し、このGUI画像62を観察像に合成してモニタ14に表示させる。なお、符号63は、GUI画像62を選択するためのカーソルである。
図3に戻って、モード切替スイッチ59は、例えばプロセッサ装置12のフロントパネルなどに設けられており、観察モードの切り替えを行う際に操作される。モード切替スイッチ59の操作によりカーソル63を移動させてGUI画像62の選択を行うと、カーソル63で選択されたGUI画像62に対応する観察モードへの切り替えが確定する。CPU54は、モード切替スイッチ59で選択された観察モードの種類に応じて、プロセッサ装置12及び光源装置13の各部を制御して、照明光の切り替えやモニタ14に表示される観察像の表示態様の切り替えなどを行う。
ズームスイッチ60は、例えばプロセッサ装置12に接続されたフットペダル式のスイッチであり、撮影時のズーム倍率を変倍する際に操作される。CPU54は、ズームスイッチ60でなされた変倍操作に応じて、ズーム機構43を制御してズームレンズ42を移動させる。これにより、ズーム倍率が医師の所望の倍率に設定される。なお、ズームスイッチを電子内視鏡11の操作部17に設けてもよい。
図7に示すように、メモリ53には、上述のプログラムやデータの他に、観察モード選択用テーブル(以下、単に選択用テーブルという)65と、観察モード実行用テーブル(以下、単に実行用テーブルという)66とが格納される。
選択用テーブル65には、被観察部位の種類、及び被観察部位の非拡大観察/拡大観察を含む観察条件と、個々の観察条件下での好適観察モードとが対応付けて格納されている。なお、好適観察モードは、各観察モードの中で「○」が登録されている観察モードである。
通常観察モード及びM1〜Eモードは、全ての観察条件で好適観察モードとして選択される。また、M2〜M3モードは、広帯域光BBの光量の比率が高く設定されているので、被観察部位の種類によらず非拡大観察時に好適観察モードとして選択される。選択用テーブル65を参照することで、観察条件ごとにそれぞれ好適観察モードを選択することができる。
実行用テーブル66には、各観察モードと、各観察モード下での広帯域光BBとB狭帯域光Bnの光量比と、モニタ14の各カラーチャンネルへの各色画素値の割当を示すカラーチャンネル割当と、フレームメモリ56に格納された画像データに対する高域通過フィルタ(High-Pass Filter:HPF)処理の実行の有無とが対応付けて格納されている。
光量比(BB:Bn)は、通常観察モードでは青色LD31がOFFされるので100:0となる。また、他のM1,E,M2,M3モードではそれぞれ光量比が「2:1」、「1:4」、「3:1」、「3:1」となるように設定されている。
カラーチャンネル割当は、通常割当と特殊割当との2種類からなる。通常割当では、画像データのB,G,Rの3色の画素値を、それぞれモニタ14のBチャンネル、Gチャンネル、Rチャンネルに出力する。また、特殊割当では、画像データのB画素値をB,Gチャネルに出力するとともに、G画素値をRチャネルに出力する。
HPF処理の実行は、E,M1〜M2モードで設定されている。従って、M2モードとM3モードとの違いはHPF処理の有無になる。このような実行用テーブル66を参照することで、観察モードの種類から、光量比、カラーチャンネル割当、HPF処理の有無を決定することができる。
CPU54は、ROMから読み出した各種プログラムを逐次実行することで、観察条件判別部69、好適観察モード選択部70、光源制御部71、表示制御部72、HPF処理部(血管強調処理手段)73として機能する。なお、表示制御部72は、モニタ14と共に本発明の表示手段を構成している。
観察条件判別部69は、被観察部位の種類と、被観察部位の拡大観察の有無とを含む観察条件の判別を行う。被観察部位の種類(食道E、噴門C、胃S)は、フレームメモリ56に新たに記憶された画像データを解析することにより判別する。例えば、食道Eから胃Sに至る上部消化管の径は、一定ではなく各部においてそれぞれ異なっている。具体的に、上部消化管の径は噴門Cが一番小さくなり、逆に胃Sが一番大きくなる。画像データにおいて、挿入部先端部16aの進行方向前方に位置する上部消化管の内部空間は暗部BL(図10参照)となる。このため、暗部BLの面積を求めることで、被観察部位の種類を判別することができる。
例えば暗部BLの面積が所定の面積下限値以上かつ面積上限値未満である場合には、被観察部位が食道Eであると判別する。また、暗部BLの面積が面積下限値未満である場合には、被観察部位が噴門Cであると判別する。そして、暗部BLの面積が面積上限値以上である場合には、被観察部位が胃Sであると判別する。なお、暗部BLの面積は、ズーム倍率が変更された場合にも変化するので、各上限値及び各下限値はズーム倍率毎にそれぞれ定められている。
被観察部位の拡大観察の有無の判別は、例えばズームレンズ42の位置などの情報に基づきズーム倍率を検出した結果に基づき判別する。具体的には、ズーム倍率が所定の倍率上限値を上回る場合には拡大観察が行われ、ズーム倍率が倍率上限値以下となる場合には非拡大観察が行われていると判別する。これら被観察部位の種類及び拡大観察の有無を含む観察条件の判別結果は、好適観察モード選択部70に逐次入力される。
好適観察モード選択部70は、観察条件判別部69の判別結果に基づき、選択用テーブル65を参照して、各観察モードの中から好適観察モードを選択する。この好適観察モードの選択結果は、表示制御部72に逐次入力される。
光源制御部71は、実行用テーブル66を参照して、モード切替スイッチ59で選択された観察モードに応じて光源駆動部37を制御することで、青色LD31のON/OFF、及び広帯域光BBとB狭帯域光Bnの光量比を制御する。
表示制御部72は、実行用テーブル66を参照して、モード切替スイッチ59で選択された観察モードに対応するカラーチャンネル割当を決定し、この決定に従って表示制御回路58を制御する。これにより、被観察部位の種類に応じてモニタ14に表示される観察像の色調が変わる。
また、表示制御部72は、好適観察モード選択部70により選択された好適観察モードを示すGUI画像62がモニタ14に表示されるように、GUI表示部58aを制御する。図6に示したように被観察部位の種類によらず非拡大観察時には、全ての観察モードにそれぞれ対応するGUI画像62が観察像に合成表示される。一方、図8に示すように、被観察部位の種類によらず拡大観察時には、通常観察モード、M1モード、Eモードを示すGUI画像62だけが表示され、図中の点線で示すようにM2〜M3モードを示すGUI画像62は表示されない。
図7に戻って、HPF処理部73は、実行用テーブル66でHPF処理がONに設定されている観察モード下で、フレームメモリ56に格納された画像データに対してその高周波数成分を強調するHPF処理を施す。HPF処理は、空間周波数処理の一種であり、被観察部位の表層血管のエッジを強調させる。これにより、観察像中の表層血管がより強調表示される。なお、HPF処理の方法は周知であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
次に、図9に示すフローチャートを用いて上記構成の内視鏡システム10の作用について説明する。プロセッサ装置12や光源装置13などの電源がONされて内視鏡検査の準備処理が行われると、CCD44の駆動が開始されるとともに、広帯域光源30から広帯域光BBが出射される。なお、電源ON時の初期状態では、観察モードが通常観察モードに設定されるとともに、ズーム倍率が1倍に設定されている。検査準備が完了すると、挿入部16が患者Hの口から食道E内に挿入される。
[食道の観察]
広帯域光源30から出射された広帯域光BBは、光合成部32及び集光レンズ35を経てライトガイド41に入射し、さらに、ライトガイド41及び照明窓20などを経て食道E内に照射される。これにより、食道E内で反射/散乱した広帯域光BBが観察窓19に入射し、さらに集光レンズ51やズームレンズ42などを通してCCD44に入射する。そして、図4に示したようにCCD44に入射した広帯域光BBは、各マイクロフィルタFR,FG,FBにより3色に分離されてそれぞれPD52で受光される。
各PD52は、受光した光を電気的な撮像信号に変換してAFE45へ出力する。AFE45は、CCD44からの撮像信号に各種信号処理を施して、デジタルな青色撮像信号、緑色撮像信号、赤色撮像信号をプロセッサ装置12のDSP55へ出力する。そして、各色撮像信号は、DSP55により各種信号処理が施された後、通常画像データとしてフレームメモリ56に記憶される。
観察条件判別部69は、新たにフレームメモリ56に記憶された通常画像データを解析して得た暗部BL(図10参照)の面積などに基づき被観察部位の種類を判別する。また、観察条件判別部69は、ズームレンズ42の位置などの情報を検出して得たズーム倍率などに基づき非拡大観察及び拡大観察のいずれが行われているかを判別する。この場合は、観察条件として食道Eを非拡大観察している旨が判別され、この判別結果が好適観察モード選択部70に入力される。
好適観察モード選択部70は、観察条件判別部69から入力された判別結果に基づき、選択用テーブル65を参照して、各観察モードの中から好適観察モードを選択する。この場合は、全ての観察モードが好適観察モードとして選択される。そして、好適観察モード選択部70は、好適観察モードの選択結果を表示制御部72へ送る。
表示制御部72は、実行用テーブル66を参照して、通常観察モードに対応するカラーチャンネル割当として通常割当を決定し、表示制御回路58に対して通常割当表示指令を発する。また、表示制御部72は、好適観察モード選択部70から入力された好適観察モードの選択結果を含むGUI画像表示指令をGUI表示部58aに対して発する。なお、通常観察モードではHPF処理を行わないので、HPF処理部73は待機状態にある。
表示制御回路58は、表示制御部72からの通常割当表示指令を受けて、新たにフレームメモリ56に記憶された通常画像データを読み出し、この通常画像データのB,G,Rの3色の画素値を、それぞれモニタ14のB,G,Rチャンネルに出力する。これにより、図10に示すように食道Eの観察像76aがモニタ14に表示される。なお、図中の符号V1は表層血管である。
また、GUI表示部58aは、表示制御部72からのGUI画像表示指令を受けて、好適観察モードとして選択された全観察モードをそれぞれ示すGUI画像62を観察像76aに合成してモニタ14に表示させる。医師は、モニタ14に表示されたGUI画像62に基づき、現在の観察条件(食道Eの非拡大観察)で好適な好適観察モードを容易に判別することができる。以下、観察条件及び観察モードが変更されるまで上述の処理が繰り返し実行される。
観察像76aを観察した結果、食道E内に異常を発見した場合などのより詳細な観察を行う場合には、ズームスイッチ60においてズーム倍率の増加操作がなされる。この操作を受けて、CPU54は、ズーム機構43を制御してズームレンズ42を移動させることで、ズーム倍率を増加させる。これにより、食道E内を拡大表示した拡大観察像76b(図11参照)がモニタ14に表示される。
この際に、観察条件判別部69は、ズーム倍率が倍率上限値を上回った場合には、観察条件が非拡大観察から拡大観察に切り替わったと判定する。そして、観察条件判別部69は、新たな観察条件の判別結果を好適観察モード選択部70へ送る。
好適観察モード選択部70は、観察条件判別部69からの判別結果に基づき、選択用テーブル65を参照して、通常観察モード、M1モード、及びEモードを好適観察モードとして選択し、この選択結果を表示制御部72に入力する。表示制御部72は、非拡大観察時と同様に通常割当表示指令を表示制御回路58に対して発するとともに、新たな好適観察モードの選択結果を含むGUI画像表示指令をGUI表示部58aに対して発する。
図11に示すように、表示制御回路58は、表示制御部72からの通常割当表示指令を受けて、新たにフレームメモリ56に記憶された通常画像データを読み出して、モニタ14に食道E内の拡大観察像76bを表示させる。
また同時に、GUI表示部58aは、表示制御部72からのGUI画像表示指令を受けて、好適観察モードとして選択された3つの観察モードをそれぞれ示すGUI画像62を拡大観察像76bに合成してモニタ14に表示させる。これにより、医師は、食道Eの拡大観察では、上記3つの観察モードが好適観察モードであることを容易に判別することができる。また、非拡大観察に適したM2〜M3モードを示すGUI画像62はモニタ14に表示されないので、誤って観察モードをM2〜M3モードに切り替えてしまうことが防止される。
以下、観察条件や観察モードが変更されるまで、通常画像データの取得、観察条件の判別、好適観察モードの選択、拡大観察像76b及びGUI画像62の表示が継続する。なお、ズームスイッチ60にてズーム倍率の減少操作がなされて、観察条件が再び「食道の非拡大観察」に戻った場合には、図10に示した観察像76aとGUI画像62の表示が再度実行される。
観察像76aまたは拡大観察像76b中の表層血管をより強調表示させる場合には、モード切替スイッチ59を例えばEモードに切り替える。この切替操作を受けて、光源制御部71は、実行用テーブル66を参照して、青色LD31の作動と、広帯域光BB及びB狭帯域光Bnの光量比とを決定する。そして、光源制御部71は、光源駆動部37に対して、光量比(BB:Bn=1:4)の情報を含む特殊光照射指令を発する。
光源駆動部37は、光源制御部71からの特殊光照射指令を受けて、青色LD31をONするとともに、絞り34a,34bを制御して、広帯域光源30及び青色LD31からそれぞれ広帯域光BB、B狭帯域光Bnを光量比1:4で出射させる。青色LD31から出射されたB狭帯域光Bnは、光合成部32において広帯域光BBと混合される。広帯域光BBとB狭帯域光Bnとの混合光BB,Bnは、ライトガイド41などを通して食道E内に照射される。
食道E内で反射/散乱した混合光BB,Bnは、観察窓19などを通ってCCD44に入射し、各マイクロフィルタFR,FG,FBにより色分離されてそれぞれPD52で受光される。各PD52は、受光した各光を電気的な撮像信号に変換してAFE45へ出力する。これにより、AFE45から各色撮像信号がDSP55に送られ、このDSP55にて特殊光画像データが生成されてフレームメモリ56に記憶される。
特殊光画像データの記憶後、通常観察モード時と同様に、観察条件の判別と好適観察モードの選択とが実行される。また、HPF処理部73は、実行用テーブル66を参照して、観察モードがEモードのときにはフレームメモリ56に格納された特殊光画像データに対してHPF処理を施す。
次いで、表示制御部72は、実行用テーブル66を参照して、Eモードに対応するカラーチャンネル割当として特殊割当を決定し、表示制御回路58に対して特殊割当表示指令を発する。また、表示制御部72は、観察条件が非拡大観察のときは全観察モードについてのGUI画像表示指令をGUI表示部58aに対して発し、逆に観察条件が拡大観察のときは通常観察モード、M1モード、及びEモードについてのGUI画像表示指令をGUI表示部58aに対して発する。
表示制御回路58は、表示制御部72からの特殊割当表示指令を受けて、新たにフレームメモリ56に記憶された特殊光画像データを読み出し、特殊光画像データのB画素値をモニタ14のB,Gチャネルに出力するとともに、G画素値をモニタ14のRチャネルへ出力する。これにより、B狭帯域光Bnを含む照明光下での食道E内の観察像76aまたは拡大観察像76bが表示される。なお、GUI画像62の表示は、図10及び図11に示した通常観察モード時と同じであるので説明は省略する。
EモードではB狭帯域光Bnの光量を増加させているのでB狭帯域撮像信号が増幅される。また、特殊光画像データには表層血管のエッジを強調するHPF処理が施される。その結果、観察像76aまたは拡大観察像76bでは、食道Eに集まっている表層血管がより強調表示される。これにより、表層血管を集中的に観察することができる。
一方、観察モードをM1〜M3モード(M2〜M3モードは非拡大観察時)に切り替えた場合にも、光量比、カラーチャンネル割当、及びHPF処理の有無が異なる点を除けば、基本的な処理は通常観察モードやEモードと同じである。従って、非拡大観察時には図10に示したGUI画像62が観察像に合成表示され、拡大観察時には図11に示したGUI画像62が拡大観察像に合成表示される。
[噴門の観察]
食道Eの観察後、観察モードが通常観察モードに切り替えられるとともに、ズーム倍率が1倍に戻される。次いで、挿入部先端部16aが食道Eのさらに奥に押し込まれる。挿入部先端部16aが噴門Cの近傍に到達すると、観察像76a中の暗部BLの面積が急激に減少する。観察条件判別部57は、暗部BLの面積が所定の面積下限値未満になった場合には、被観察部位が噴門Cであると判別し、「噴門の非拡大観察」を示す観察条件の判別結果を好適観察モード選択部70に送る。
好適観察モード選択部70は、好適観察モード選択部70からの判別結果を受けて、選択用テーブル65を参照して好適観察モードを選択する。以下、「食道の非拡大観察」時と同様にして、図12に示すように、噴門Cの観察像77aとGUI画像62がモニタ14に表示される。この際に、「噴門の非拡大観察」時の好適観察モードは、「食道の非拡大観察」時と同じであるので、全観察モードをそれぞれ示すGUI画像62がモニタ14に表示される。なお、図中の符号V2は中深層血管である。
噴門C及びその周辺部位の詳細な観察を行う場合には、ズームスイッチ60においてズーム倍率の増加操作なされる。これにより、図13に示すように、噴門C及びその周辺部位を拡大した拡大観察像77bが表示される。この際に「噴門の拡大観察」時の好適観察モードは「食道の拡大観察」時と同じであるので、通常観察モード、M1モード、及びEモードをそれぞれ示すGUI画像62が拡大観察像77bに合成表示される。
観察モードを通常観察モード以外の他のモードに切り替えた場合は、光量比やHPF処理の有無などが異なる点を除けば基本的な処理は通常観察モードと同じであるので、ここでは具体的な説明は省略する。
なお、噴門Cの周辺部位には中深層血管が集まっている。このため、観察モードとしてM1〜M3モードを選択することで、噴門Cの周辺部位に照射される広帯域光BBの光量が増加する。その結果、噴門Cの周辺部位に照射される波長500nm〜600nm付近のG光の光量も増加する。これにより、中深層血管がより強調表示されるので、中深層血管を集中的に観察することができる。また、広帯域光BBの光量が増加することで、被観察部位の全体の様子も把握し易くなる。
[胃の観察]
噴門Cの観察後、観察モードが通常観察モードに設定されるとともに、ズーム倍率が1倍に戻される。次いで、挿入部先端部16aが噴門Cのさらに奥に押し込まれる。挿入部先端部16aが胃Sの内部に到達すると、観察像77a中の暗部BLの面積が急激に増加する。観察条件判別部57は、暗部BLの面積が所定の面積上限値以上になった場合には、被観察部位が胃Sであると判別し、「胃の非拡大観察」を示す観察条件の判別結果を好適観察モード選択部70に送る。
好適観察モード選択部70は、好適観察モード選択部70からの判別結果を受けて、選択用テーブル65を参照して好適観察モードを選択する。以下、「食道、噴門の非拡大観察」時と同様にして、図14に示すように、胃S内の観察像78aとGUI画像62がモニタ14に表示される。
また、胃S内の詳細な観察を行う場合には、ズームスイッチ60においてズーム倍率の増加操作なされる。これにより、図15に示すように、胃S内を拡大表示した拡大観察像78bがモニタ14に表示される。この際に、「胃の拡大観察」時の好適観察モードは、「食道の拡大観察」時と同じであるので、通常観察モード、M1モード、及びEモードをそれぞれ示すGUI画像62が拡大観察像78bに合成表示される。
なお、食道Eや噴門Cの観察時と同様に、観察モードを通常観察モードから他のモードに切り替えた場合については、光量比やHPF処理の有無などが異なる点を除けば基本的な処理は通常観察モードと同じであるので、ここでは具体的な説明は省略する。
以下、患者Hの体内から挿入部16を抜く場合なども同様に、観察条件の判別と、画像データの取得と、好適観察モードの選択と、M1〜M2,Eモード時におけるHPF処理の実行と、観察像及びGUI画像の表示とが継続して行われる。
観察条件に応じた好適観察モードを示すGUI画像62がモニタ14に表示されるので、医師は観察条件ごとに好適観察モードの種類を記憶する必要が無くなり、医師の負担を減らすことができる。また、好適観察モード以外の観察モードに切り替えることが防止される。その結果、病変が発見し難くなることが防止され、さらに病変を見逃す可能性が減少する。さらに、多数の観察モードが用意されているのにも関らず使用されないということがなくなり、観察モードの有効活用が可能になる。
[第2実施形態]
次に、図16を用いて本発明の第2実施形態の内視鏡システム80について説明を行う。上記第1実施形態では、特殊光観察モードの各モード時における広帯域光BBとB狭帯域光Bnとの光量比が固定されているが、内視鏡システム80では光量比が調整可能になっている。
内視鏡システム80は、第1実施形態と異なるプロセッサ装置81を備えている点を除けば、第1実施形態の内視鏡システム10と同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
プロセッサ装置81は、メモリ53に実行用テーブル82が格納されるとともに、CPU54に光量比切替スイッチ83が接続し、さらにCPU54が光源制御部(光量比制御手段)84として機能する点を除けば、第1実施形態のプロセッサ装置12と基本的に同じ構成である。
実行用テーブル82は、第1実施形態の実行用テーブル66と基本的には同じであるが、特殊光観察モードの各モードにおける広帯域光BBとB狭帯域光Bnとの光量比の調整幅が定められている。例えばEモードでは、光量比を「0.5:3.5」〜「0.5:4.5」の調整幅内で変えることができる。
光量比切替スイッチ83は、例えばフットペダル式のスイッチであり、特殊光観察モード時に光量比を変える際に押下操作される。光源制御部84は、基本的には第1実施形態の光源制御部71と同じである。ただし、光源制御部84は、光量比切替スイッチ83が押下操作される度に、実行用テーブル82に設定されている調整幅内で光量比が段階的に変化するように、絞り34a,34bを制御して広帯域光BB、B狭帯域光Bnの光量を調整する。
なお、光量比の調整方法は特に限定されず、光量比切替スイッチ83の押下操作に応じて、広帯域光BB及びB狭帯域光Bnのいずれか一方の光量を増減、広帯域光BB及びB狭帯域光Bnの両方の光量を増減、あるいは広帯域光BB及びB狭帯域光Bnのいずれか一方の光量を増加させるとともに他方の光量を減少させるなどの各種の調整方法を用いてよい。
上記第2実施形態では、光量比切替スイッチ83としてフットペダルを例に挙げて説明を行ったが、光量比切替スイッチ83をプロセッサ装置81の操作パネル、あるいは電子内視鏡11の操作部17に設けてもよい。
[第3実施形態]
次に、図17を用いて本発明の第3実施形態の内視鏡システム87について説明を行う。上記第1実施形態の内視鏡システム10は、特殊光観察モードとして血管の強調表示を行うE,M1〜M3モードを有しているが、内視鏡システム87は、上記各モードに加えてAFI(Auto Fluorescence Imaging)モードと低O2モードとを有している。
AFIモードは、被観察部位の自家蛍光観察を行うためのモードである。AFIモードでは、被観察部位に対して波長390nm〜470nmの励起光を照射したときに観察される波長500nm〜630nmの自家蛍光を検出し、これを画像化してモニタ14に表示する。
低O2モードは、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光特性の違いを利用して血管中のヘモグロビンの酸素飽和度の情報を得たり、波長帯域によって光の深達度が異なることを利用して血管深さの情報を得るためのモードである。低O2モードでは、例えば中心波長405nm、445nm、473nmの三つの狭帯域光を被観察部位に照射して得られた撮像信号間の輝度比に基づいて、酸素飽和度および血管深さの両方を含む血管情報を求め、これを画像化してモニタ14に表示する。
内視鏡システム87は、光源装置88と電子内視鏡89とプロセッサ装置90とから構成されている。なお、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
光源装置88は、第1〜第4青色LD92〜95と、絞り96と、光源駆動部97とを備える点をのぞけば、第1実施形態の光源装置13と基本的に同じ構成である。第1青色LD92は、上記第1実施形態の青色LD31に相当するものであり、E,M1〜M3,低O2モード時に中心波長405nmのB狭帯域光Bn1を出射する。なお、第1青色LD92の前方には、第1実施形態と同様に絞り34bが配置されている。
第2〜第3青色LD93,94は、低O2モード時にそれぞれ中心波長445nm、473nmのB狭帯域光Bn2,Bn3を出射する。第4青色LD95は、AFIモード時に波長390nm〜470nmの青色(B)励起光Bn4を出射する。
絞り96は、第4青色LD95の前方に配置されており、この第4青色LD95から出射されるB励起光Bn4の光量を調整する。なお、低O2モードでは光量比の調整を行わないので、第2〜第3青色LD93,94の前方に絞りは配置されていない。
光源駆動部97は、プロセッサ装置90の制御の下、広帯域光源30及び第1〜第4青色LD92〜95のON/OFFを制御する。光源駆動部97は、低O2モード時には広帯域光源30をOFFにし、それ以外のモード時には広帯域光源30をONにする。
また、光源駆動部97は、通常観察モード時には第1〜第4青色LD92〜95をOFFにし、E,M1〜M3モード時には第1青色LD92をONにし、AFIモード時には第4青色LD95をONにする。そして、光源駆動部97は、低O2モード時にはB狭帯域光Bn1〜Bn3が順番にかつ繰り返し出射されるように、第1〜第3青色LD92〜94のON/OFFを切り替える。
さらに、光源駆動部97は、プロセッサ装置90の制御の下、所定の観察モード下で絞り34a,34b,96の開口部の面積を変えることで、広帯域光BB、B狭帯域光Bn1、B励起光Bn4の光量を制御する。
上記各構成により、光源装置88は、通常観察モード時には広帯域光BBを出射し、E,M1〜M3モード時には広帯域光BBとB狭帯域光Bn1との混合光(以下、単に第1混合光という)BB,Bn1を出射し、AFIモード時には広帯域光BBとB励起光Bn4との混合光(以下、単に第2混合光という)BB,Bn4を出射し、低O2モード時にはB狭帯域光Bn1〜Bn3を順次出射する。
電子内視鏡89は、ハーフミラー98及び高感度(EM:Electron Multiplying)CCD99を備えている点を除けば、第1実施形態の電子内視鏡11と基本的に同じ構成である。
ハーフミラー98は、ズームレンズ42とCCD44との間に配置されている。ハーフミラー98は、ズームレンズ42を通して入射した光の一部をそのまま透過させるとともに、入射した光の一部を反射する。ハーフミラー98を透過した光はCCD44に入射するとともに、ハーフミラー98で反射された光はEMCCD99に入射する。ハーフミラー98に入射した光の光量を100としたときに、CCD44に入射する光の光量と、EMCCD99に入射する光の光量との比率は約50:50となる。
EMCCD99はAFIモード時に作動する。EMCCD99は、電子増倍レジスタにより信号電荷を増幅することにより通常のCCDよりも高感度性能を有しているので、微弱な自家蛍光の撮像に適している。EMCCD99も、CCD44と同様に、撮像制御部46からの駆動信号に基づいて所定のフレームレートで撮像信号をAFE45へ出力する。
なお、CCD44は、低O2モード以外の各観察モードでは第1実施形態と同様に光電変換により各色撮像信号を出力するが、低O2モードでは順次入射するB狭帯域光Bn1〜Bn3をそれぞれ光電変換してB1〜B3狭帯域撮像信号を出力する。また、AFE45は、CCD44から出力される各色撮像信号または各狭帯域撮像信号、及びEMCCD99から出力される自家蛍光撮像信号をそれぞれデジタルな撮像信号に変換してDSP55へ出力する。
プロセッサ装置90は、CPU101を備える点を除けば、基本的に第1実施形態のプロセッサ装置12と同じ構成である。なお、DSP55は、AFE45から入力される各色撮像信号または各狭帯域撮像信号、自家蛍光撮像信号に適宜画像処理を施して、通常/特殊光画像データまたはB1〜B3狭帯域画像データ、自家蛍光画像データを生成する。具体的に、通常観察モード時には通常画像データを生成し、E,M1〜M3モード時には特殊光画像データを生成し、AFIモード時には通常画像データ及び自家蛍光画像データを生成し、さらに低O2モード時にはB1〜B3狭帯域画像データを生成する。これら各画像データはフレームメモリ56に格納される。
図18に示すように、メモリ53には選択用テーブル103と実行用テーブル104とが格納されている。選択用テーブル103は、第1実施形態の選択用テーブル65と基本的に同じであるが、観察条件毎に「AFIモード」と「低O2モード」とがそれぞれ好適観察モードになるか否かが設定されている。AFIモードは、全ての観察条件で好適観察モードになる。また、低O2モードは、被観察部位が食道Eのときに拡大/非拡大観察によらず好適観察モードとなる。
実行用テーブル104は、第1実施形態の実行用テーブル66と基本的に同じであるが、AFIモード及び低O2モードにおける光量比と、カラーチャンネル割当と、HPF処理の実行の有無とが設定されている。光量比は、AFIモードではBB:Bn4=α:βに設定されており、これらα、βは実験やシミュレーション等などで決定される。なお、低O2モードでは光量比の調整を行わないので光量比はブランクになっている。
また、AFIモード及び低O2モードでは、カラーチャンネル割当が例えば通常割当に設定されるとともに、HPF処理を行わない旨が設定されているが、これらは適宜変更してもよい。
CPU101は、第1実施形態の観察条件判別部69及びHPF処理部73の他に、好適観察モード選択部106、光源制御部107、画像生成部108、表示制御部109として機能する。
好適観察モード選択部106は、観察条件判別部69の判別結果に基づき、選択用テーブル103を参照して、7つの観察モードの中から好適観察モードを選択し、この選択結果を表示制御部109へ送る。
光源制御部107は、実行用テーブル104を参照して、モード切替スイッチ59で選択された観察モードに応じて光源駆動部97を制御することで、光源装置88から出射される照明光の種類や光量などを切り替える。
画像生成部108は低O2モード時に作動する。この画像生成部108は、フレームメモリ56に格納されたB1〜B3狭帯域画像データに基づき、表層血管、中層血管、及び深層血管をそれぞれ異なる色で区別して画像化した血管深さ画像データと、血管中の酸素飽和度の情報を画像化した酸素飽和度画像データとを生成する。なお、血管深さ画像データ及び素飽和度画像データの生成方法については、本出願人が出願した特願2010−132964号を参照されたい。血管深さ画像データ及び酸素飽和度画像データはフレームメモリ56に格納される。
表示制御部109は、第1実施形態の表示制御部72と基本的には同じであり、実行用テーブル104を参照して、モード切替スイッチ59で選択された観察モードに応じて表示制御回路58を制御してモニタ14に観察像を表示させる。ただし、表示制御部109は、AFIモード時にはフレームメモリ56に格納された通常画像データと自家蛍光画像データに基づき、通常画像と自家蛍光画像とを合成した観察像をモニタ14に表示させる。また、表示制御部109は、低O2モード時にはフレームメモリ56に格納された血管深さ画像データ及び酸素飽和度画像データに基づいて、血管深さ画像及び酸素飽和度画像をモニタ14に表示させる。
また、表示制御部109は、GUI表示部58aを制御して、好適観察モード選択部106の選択結果を示すGUI画像62を観察像に合成表示させる。図19に示すように、被観察部位が食道Eである場合には、非拡大観察及び拡大観察によらず、AFIモード及び低O2モードを示すGUI画像62がモニタ14に表示される。また、図20に示すように、被観察部位が噴門Cや胃Sである場合には、非拡大観察及び拡大観察によらず、AFIモードを示すGUI画像62は表示されるが、低O2モードを示すGUI画像62は表示されない。なお、他の観察モードを示すGUI画像62の表示については、第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
次に、図21に示すフローチャートを用いて上記構成の内視鏡システム87の作用について説明を行う。ここで、検査準備処理から観察モードの切り替えの有無までの処理の流れは図9に示した第1実施形態と基本的に同じであるため、ここでは説明を省略する。なお、AFIモードを示すGUI画像62は全ての観察条件下で表示され、低O2モードを示すGUI画像62は被観察部位が食道Eであるときにのみ表示される。
[AFIモードへの切り替え]
モニタ14に表示されるGUI画像62に基づき、モード切替スイッチ59が例えば通常観察モードからAFIモードに切り替えられた場合には、光源制御部107は、実行用テーブル104に基づき、光源駆動部97に対して光量比(BB:Bn4=α:β)の情報を含む励起光照射指令を発する。また、CPU101は、撮影制御部46を制御してEMCCD99を作動させる。
光源駆動部97は、光源制御部107からの励起光照射指令を受けて、第4青色LD95をONするとともに、絞り34a,96を制御して、広帯域光源30及び第4青色LD95からそれぞれ広帯域光BB、B励起光Bn4を光量比BB:Bn4=α:βで出射させる。これにより、被観察部位に第2混合光BB,Bn4が照射され、この被観察部位で反射・散乱した第2混合光BB,Bn4がCCD44とEMCCD99とにそれぞれ入射する。
CCD44及びEMCCD99から出力された各撮像信号はAFE45及びDSP55を経た後、通常画像データ及び自家蛍光画像データとしてフレームメモリ56に格納される。次いで、表示制御部109は、実行用テーブル104を参照してカラーチャンネル割当として通常割当を決定した後、表示制御回路58に対し自家蛍光画像表示指令を発する。また、表示制御部109は、好適観察モード選択部106の選択結果に基づいてGUI画像表示指令をGUI表示部58aに対して発する。これにより、通常画像及び自家蛍光画像を合成した観察像と、GUI画像62とがモニタ14に表示される。
[低O2モードへの切り替え]
一方、モード切替スイッチ59が例えば通常観察モードから低O2モードに切り替えられた場合には、光源制御部107は、実行用テーブル104に基づき、光源駆動部97に対して狭帯域光照射指令を発する。
光源駆動部97は、光源制御部107からの狭帯域光照射指令を受けて広帯域光源30をOFFする。次いで、光源駆動部97は、第1〜第3青色LD92〜94を順番に所定時間だけONさせる処理を繰り返し実行する。これにより、被観察部位にB狭帯域光Bn1、B狭帯域光Bn2、B狭帯域光Bn3、B狭帯域光Bn1、・・・が順次照射される。
被観察部位で反射・散乱した各光Bn1〜Bn3,Bn1・・・は、CCD44に順次入射して光電変換される。なお、これら各光は、EMCCD99にも入射するが、EMCCD99は作動していないので撮像には用いられない。
CCD44から出力されたB1〜B3狭帯域撮像信号はAFE45及びDSP55を経た後、B1〜B3狭帯域画像データとしてフレームメモリ56に格納される。画像生成部108は、B1〜B3狭帯域画像データがフレームメモリ56に格納されたときに、これら各狭帯域画像データをフレームメモリ56から読み出して血管深さ画像データ及び酸素飽和度画像データを生成する。これら血管深さ画像データ及び酸素飽和度画像データはフレームメモリ56に格納される。
次いで、表示制御部109は、実行用テーブル104を参照してカラーチャンネル割当として通常割当を決定した後、表示制御回路58に対し血管深さ画像及び酸素飽和度画像表示指令を発する。また、表示制御部109は、好適観察モード選択部106の選択結果に基づいてGUI画像表示指令をGUI表示部58aに対して発する。これにより、血管深さ画像及び酸素飽和度画像と、GUI画像62とがモニタ14に表示される。
[他の観察モードへの切り替え]
AFIモード及び低O2モード以外の観察モードに切り替えられた場合の観察像やGUI画像62の表示処理は、第1実施形態と同じであるので説明は省略する。なお、図21のフローチャートでは図示を省略しているが、AFIモードから他の観察モードに切り替える場合にはEMCCD99の作動が停止される。また、低O2モードから他の観察モードに切り替える場合には広帯域光源30がONされる。
以上のように第3実施形態の内視鏡システム87においても、観察条件に応じた好適観察モードを示すGUI画像62が観察像とともにモニタ14に表示されるので、第1実施形態と同様の効果が得られる。
上記第3実施形態では、各光Bn1〜Bn4の光源として第1〜第4青色LD92〜95を用いているが、例えば、広帯域光源30とは別の広帯域光源と、透過光の波長帯域を制御するエタロンや液晶チューナブルフィルタなどの波長可変素子(特許第4504078号、特開2010−224011号公報参照)とを用いて、各光Bn1〜Bn4を選択的に出射させてもよい。
上記第3実施形態では、AFIモード時の励起光の光源として第4青色LD95を用いているが、第1青色LD92から出射される中心波長405nmのB狭帯域光Bn1を励起光として用いてもよい。
[第4実施形態]
次に図22を用いて本発明の第4実施形態の内視鏡システム111について説明を行う。上記第1実施形態では、観察条件として被観察部位の種類、及び拡大観察の実行の有無を例に挙げて説明を行ったが、内視鏡システム111では医師の電子内視鏡11に対する操作も観察条件に含めている。
内視鏡システム111は、電子内視鏡112とプロセッサ装置113と光源装置13とで構成されている。なお、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
電子内視鏡112は、送液機構115と吸引機構116とを備える点を除けば、第1実施形態の電子内視鏡11と基本的に同じ構成である。送液機構115は、図示しない送液タンク、送液チャネル、及び送液ポンプなどからなり、操作ボタン22を構成する送液ボタン22aの押下操作に応じて、各種診断用の色素を挿入部先端部16aから被観察部位へ噴射させる。吸引機構116は、図示しない吸引チャネル、吸引ポンプなどからなり、操作ボタン22を構成する吸引ボタン22bの押下操作に応じて、挿入部先端部16aから各種体液や体内汚物などを吸引する。
プロセッサ装置113は、メモリ53に第1実施形態とは異なる選択用テーブル118が格納されるとともに、CPU119が第1実施形態とは異なる観察条件判別部120として機能する点を除けば、第1実施形態のプロセッサ装置12と基本的に同じ構成である。
選択用テーブル118には、被観察部位の種類と拡大/非拡大観察の他に医師の操作の種類を含む観察条件と、個々の観察条件下での好適観察モードとが対応付けて格納されている。ここでいう医師操作の種類は、色素の散布操作や吸引操作などである。
観察条件判別部120は、基本的には第1実施形態の観察条件判別部69と同じであるが、さらに操作ボタン22の操作、送液機構115や吸引機構116の動作を監視することで、医師操作の種類を判別する。そして、観察条件判別部120は、被観察部位の種類、拡大観察の有無、及び医師操作の種類を含む観察条件の判別結果を、好適観察モード選択部70へ逐次送る。
好適観察モード選択部70は、観察条件判別部120から入力される判別結果に基づき、選択用テーブル118を参照して好適観察モードの選択を行う。なお、好適観察モードの選択以降の処理については、図9に示した第1実施形態と同じであるので、ここでは説明を省略する。
上記第4実施形態では医師操作として色素散布や吸引を判別しているが、これら以外の例えば送気操作などの各種医師操作を判別し、この判別結果を基に好適観察モードの選択を行ってもよい。さらに、吸引操作の際に、被観察部位の種類の判別結果と、フレームメモリ56に格納された画像データの解析結果とに基づいて、吸引する体液の種類(例えば胆汁や胃液など)を判別することで、吸引する体液の種類に応じた好適観察モードの選択を行ってもよい。
上記各実施形態では、観察像中の表層血管をより強調するため、HPF処理部73により画像データに対してHPF処理を施しているが、例えば、観察像内の血管と粘膜との色味の差をつけて血管を見易くなるように色彩強調処理を行ったり、シャープネス処理や輪郭強調などの像構造強調処理を行ったりするなどの各種血管強調処理方法を用いて、表層血管のさらなる強調を行ってもよい。
上記各実施形態では、E,M1〜M3モード時に、B狭帯域光Bnと広帯域光BBとの混合光を被観察部位へ照射しているが、例えば広帯域光BBの代わりに波長500nm〜600nmの緑色狭帯域光を用いてもよい。また、E,M1〜M3モード時やAFIモード時などに、3種類以上の光の混合光を異なる光量比で出射する場合にも本発明を適用することができる。
上記各実施形態の観察条件判別部57,120は、画像データを解析することにより照明光が照射される被観察部位の種類を判別しているが、各種方法を用いて被観察部位の種類を判別してもよい。例えば、被観察部位のPHの検出結果に基づいて被観察部位の種類を判別することができる(特許3321235号参照)。また、例えばコンピュータ断層撮影(CT)装置を利用するなど、患者体内での挿入部先端部16aの位置を検出する各種位置検出方法を用いても、被観察部位の種類を判別することができる。さらに、食道E及び胃S内部の形状や、噴門Cの形状などの単純なパターン認識で被観察部位の種類を判別してもよい。
また、表層血管が集まる食道E、及び中深層血管が集まる噴門Cが被観察部位である場合には、表層血管や中深層血管のパターンや密度などをランドマークとして被観察部位の種類を判別してもよい。
上記各実施形態では、観察条件として被観察部位の種類、非拡大観察/拡大観察、医師操作(第4実施形態)を例に挙げて説明を行ったが、例えば近景観察や遠景観察といった他の条件を加えてもよい。
上記各実施形態では、光源装置から電子内視鏡へ各種照明光を出射しているが、広帯域光源及び青色LDなどの各種光源を挿入部先端部16a内に設けてもよい。
上記各実施形態では、観察条件に対応した好適観察モードの選択結果としてGUI画像62を観察像に合成表示させているが、例えばテキスト、リスト、ポップアップなどの各種表示態様で好適観察モードの選択結果の表示を行ってもよい。また、モニタ14以外で好適観察モードの選択結果の表示を行ってもよい。
上記各実施形態では、観察条件に対応した好適観察モードの選択結果としてGUI画像62を観察像に合成表示させているが、好適観察モードが複数の場合に、特にお勧めの好適観察モード(例えば食道EであればEモード、噴門CであればM1モード、胃SであればM2モード)を他と区別して表示してもよい。
上記各実施形態では、表層血管の観察、自家蛍光観察、酸素飽和度および血管深さの観察を行う内視鏡システムについて例に挙げて説明を行ったが、赤外光観察(Infra Red Imaging)、光線力学的診断(Photodynamic diagnosis)などの各種特殊光観察に用いられる内視鏡システムに本発明を適用することができる。