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JP5632200B2 - 含水物の破砕機及び再生粒子の製造方法 - Google Patents
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JP5632200B2 - 含水物の破砕機及び再生粒子の製造方法 - Google Patents

含水物の破砕機及び再生粒子の製造方法 Download PDF

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本発明は、製紙スラッジ等の含水物の破砕機及びこの破砕機を用いた再生粒子の製造方法に関するものである。
資源の有効利用という観点から、近年では、製紙スラッジを熱処理して再生粒子を製造するさまざまな方法が提案されている。そして、再生粒子を製造するにあたっては、得られる再生粒子の品質を均一化するために、熱処理する前に製紙スラッジの粒子径を制御するのが好ましいとされる。例えば、特許文献1は、段落[0017]において「塗工紙排水汚泥を炉で焼却するに先立って、該排水汚泥を押出成形機で処理し、成形体を形成させる」としている。しかしながら、押出成形処理を行うと、再生粒子の製造効率が著しく低下する。
この点、粒子径を制御する高速な装置としては、破砕機が知られており、従来から種々の装置が開発されている。しかしながら、従来の破砕機は、木材、廃プラスチック、ペットボトル、ガラス、コンクリート、古紙等の剛性を有する物を破砕の対象とする。つまり、製紙スラッジ等の含水物は粘性を有するため、処理の対象として想定されていない。
なお、含水物たる建設汚泥を対象とする破砕装置(機)としては、特許文献2が存在する。しかしながら、同文献は、掘削物の破砕装置とするものの、粒子径を制御するために行う処理は造粒であり、造粒処理も再生粒子の製造効率を著しく低下させる。
特開2004−176208号公報 特開2004−74031号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、含水物を処理の対象とすることができる破砕機、及び均質な再生粒子を得ることができながら、製造効率が低下するおそれのない再生粒子の製造方法を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次の通りである。
〔請求項1記載の発明〕
含水物が通過する筒体と、この筒体内において回転する板状の網材と、を有し、
前記網材が回転すると、この網材の表面が前記筒体内の上側から下側に向かって通過中の含水物に衝突する構成とされ
側面視で前記網材の下部を、前記網材の上部よりも回転方向に対して後方に設けている、
ことを特徴とする含水物の破砕機。
〔請求項2記載の発明〕
前記筒体は円筒状で、上面開口に前記含水物の投入口が設けられ、下面開口に前記含水物の排出口が設けられ、前記投入口から投入された含水物が、前記筒体内を落下し、前記排出口から排出される構成とされ、
前記筒体の軸心部に回転軸体が設けられ、
この回転軸体に前記網材が取り付けられている、
請求項1記載の含水物の破砕機。
〔請求項3記載の発明〕
製紙スラッジを主原料とする含水物を、脱水及び熱処理して再生粒子を製造する方法であって、
前記含水物の水分率が30〜50%となるまで前記脱水を行い、
この脱水後の前記含水物を、請求項1又は請求項2記載の含水物の破砕機で、平均粒子径2.5〜12.5mmに破砕してから、前記熱処理を行う、
ことを特徴とする再生粒子の製造方法。
請求項1に係る発明のように、破砕機が、含水物が通過する筒体と、この筒体内において回転する板状の網材とを有し、網材が回転すると、この網材の表面が筒体内の上側から下側に向かって通過中の含水物に衝突する構成とされ、側面視で網材の下部を、網材の上部よりも回転方向に対して後方に設けていると、網材の回転による上昇気流の発生を防止して含水物の流れの乱れを防止し、含水物を効率良く破砕することができるようになる。
請求項2に係る発明のように、破砕機が、筒体は円筒状で、上面開口に含水物の投入口が設けられ、下面開口に含水物の排出口が設けられ、投入口から投入された含水物が、筒体内を落下し、排出口から排出される構成とされ、筒体の軸心部に回転軸体が設けられ、この回転軸体に網材が取り付けられていると、例えば、含水物が落下移動する経路等に本破砕機を設置することのみで含水物を破砕することができ、含水物を破砕することによる製造効率の低下を防止することができる。
請求項3に係る発明のように、含水物の水分率が30〜50%となるまで脱水を行い、この脱水後の含水物を、上記請求項1又は請求項2記載の含水物の破砕機で、平均粒子径2.5〜12.5mmに破砕してから熱処理を行うと、過剰な熱処理を抑えられ、得られる再生粒子の品質を均一化することができながら、製造効率が低下するおそれのない再生粒子の製造方法となる。
本形態の破砕機の模式図である。 図1のII−II線矢視図である。 図1のIII−III線矢視図である。 網材の正面模式図である。 網材による作用効果を説明するための図である。 網材の配置形態の変形例を示す図である。 再生粒子の製造工程を示すフロー図である。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
(含水物の破砕機)
本形態の破砕機は、古紙脱墨フロス等の製紙スラッジや建設汚泥などの含水物を破砕の対象とする。含水物の水分率は特に限定されるものではないが、水分率30〜50%の場合、特に水分率35〜45%の場合に、本破砕機が極めて有用なものとして機能する。水分率が低い場合は、含水物の粘性も低くなるため、本破砕機によらなくても破砕できる可能性がある。他方、水分率が高く、もはや液状といえる場合は、破砕によるか否かに関わらず、粒子径を制御するのが不可能になる。
なお、含水物が製紙スラッジである場合において、脱水後の製紙スラッジの平均粒子径は、通常4〜100mmとなっている。ここで「平均粒子径」は、目穴の異なる篩で篩い分けを行い、各篩い分けを行った被処理物の質量を測定し、この測定値の合計値が全体の50質量%に相当する段階における篩の目穴の大きさであり、JIS Z 8801‐2:2000に基づき、金属製の板ふるいを用いて測定した値である。
図1に示すように、本形態の破砕機200は、含水物10が通過する筒体21と、この筒体21内において回転する網材31(31A,31B)と、から主になる。
筒体21は、図3に示すように、横断面形状が円形状の円筒とされている。筒体21の横断面形状は、例えば、楕円形状、多角形状、任意形状等とすることもできるが、円形状とするのが好適である。網材31が回転すると気流が生じるが、筒体21の横断面形状が円形状とされていると、当該気流が乱流となるのが防止され、含水物10の粒子径を均一化するのが容易となる。また、筒体21の横断面形状が円形状とされていると、当該気流によって、筒体21の内周面に含水物10が付着するのが防止される。
21の上面開口は天板22で覆われ、この天板22には、図2に示すように、含水物10の投入口23が形成されている。本形態では、この投入口23から筒体21内に含水物10が投入されるが、例えば、筒体21の上面開口を天板22で覆わず、上面開口全面を含水物10の投入口とすることもできる。
図示例では、投入口23が方形状とされているが、例えば、円形状、楕円形状、多角形状、任意の形状等とすることもできる。また、投入口23は1つに限定されず、例えば、含水物10の粒子径をより均一化するという観点から、複数とすることもできる。
筒体21の下面開口は開放されており、この下面開口から筒体21内を通過した含水物10が排出される。つまり、本形態においては、下面開口全面が含水物10の排出口24とされている。筒体21の下面開口は図示しない底板等で覆うことができ、この底板等に含水物10の排出口を形成することもできる。しかしながら、この形態によると、底板等の上に破砕後の含水物10が堆積するため、本形態のように、筒体21の下面開口は開放しておくのが好ましい。
筒体21の軸心部には回転軸体40が設けられている。この回転軸体40は、図3に示すように、横断面円形状の円柱状とされており、この回転軸体40の軸心と筒体21の軸心とが一致するように配置されている。
回転軸体40は、図示しないモーター等の駆動手段によって、軸心回りに回転させられる。図示例では、回転軸体40の上端部に駆動力が伝達されるように構成されているが、回転軸体40の下端部に駆動力が伝達されるように構成することもできる。ただし、前述したように、筒体21の下面開口は開放するのが好ましいため、下面側には可及的に各種部材が配置されてないよう、回転軸体40の上端部に駆動力が伝達されるように構成するのが好ましい。
回転軸体40には、図1及び図3に示すように、網材31(31A,31B)が取り付けられており、回転軸体40の回転に伴って、網材31(31A,31B)も、筒体21(回転軸体40)の軸心を中心に回転するように構成されている。このように網材31(31A,31B)が回転すると、この網材31(31A,31B)の表面が筒体21内を通過中の含水物10に衝突する。結果、含水物10が破砕され、平均粒子径が小さく、かつ均一になる。この含水物10の破砕は、図5の(a)に示すように、網材31の線部31Xに衝突した含水物10aから、網材31の孔部31Y内を通過する含水物10bがちぎれることで、実現される。この点、含水物10は粘性を有するため、図5の(b)に示すように、含水物10を単なる板材39と衝突させた場合は、含水物10が破砕されず、扁平化されるのみである。
網材31(31A,31B)としては、例えば、ひし形金網、クリンプ金網、フラットトップ金網等の金網のほか、パンチングメタル、アートメタル、エキスパンドメタル等を使用することができるが、エキスパンドメタルを用いるのが好ましい。エキスパンドメタルは、パンチングメタル等と異なり、図4中に拡大して示すように、線部31Xの径L1が全体にわたって均一であるため、エキスパンドメタルを用いると、含水物10の粒子径が均一化する。また、ひし形金網等によると線材が重なる部分(交点部分)に含水物10が付着する可能性があるが、エキスパンドメタルによると、当該付着が防止される。
本形態において、網材31は、線部31Xの径L1を4〜7mmとし、各孔部31Yの面積を800〜1100mm2とするのが好ましく、線部31Xの径L1を4.5〜6.0mmとし、各孔部31Yの面積を850〜1050mm2とするのがより好ましい。破砕後の含水物10の平均粒子径は、通常、線部31Xの径L1に比例するが、線部31Xの径L1が同一でも各孔部31Yの面積が狭過ぎると、何度も線部31Xに衝突する含水物10の割合が増え、破砕された含水物10の粒子径分布(粒度分布)が小径側においてブロードになるおそれがある。この点、各孔部31Yを囲う線部31Xの最短離間距離L2は、特に限定されないが、通常、20〜30mm、好ましくは21.8〜26.4mmである。最短離間距離L2が短過ぎると、孔部31Yの面積が上記範囲内であったとしても、破砕された含水物10の粒子径が小径側においてブロードになるおそれがある。
他方、線部31Xの径L1が同一でも各孔部31Yの面積が広過ぎると、線部31Xに衝突しない含水物10の割合が増え、破砕された含水物10の粒子径分布(粒度分布)が大径側においてブロードになるおそれがある。
ここで、エキスパンドメタルを用いる場合は、図5の(a)中に拡大して示すように、各線部31Xが斜め方向を向くところ、各線部31Xの径L1、各孔部31Yの面積及び各線部31Xの最短離間距離L2は、それぞれ正面視での径、面積、距離とする。
本形態において、網材31は、例えば、図4に示すように、金属製の型枠33によって囲い、剛性を高めることができる。
また、網材31は、図5に示すように、表面31Zが上下方向に広がるように、つまり表面31Zが回転軸体40の軸心に沿うように備えることもできるが、図1に示すように、網材31(31A,31B)の回転先方側の表面31Zが下方に傾くように備えるのが好ましい。この傾ける形態によると、網材31の回転に伴って上昇気流が生じるのが防止され、筒体21内を下降する含水物10の流れが乱れるのが防止される。結果、破砕後の含水物10の粒子径がより均一化される(粒子径分布がシャープになる)。このように網材31(31A,31B)を傾けて備える場合、その傾け角α(図1参照)は特に限定されず、例えば、70〜90°とすることができる。
さらに、網材31は、上下方向に関して何枚備えるかも特に限定されず、1枚とすることのほか、2枚、3枚又はそれ以上の複数枚とすることもできる。図1の例では、上側網材31Aと下側網材31Bとの合計2枚が、上下方向に連続するように備えられている。
この点、網材31を回転軸体40に取り付けるにあたって、回転軸体40の径との関係で、複数枚の網材31を上下方向に、かつ傾けて取り付けるのが難しいようであれば、図1に示すように、固定部材32を介して各網材31A,31Bを回転軸体40に取り付けてもよい。
本形態においては、図6の(a)に示すように、網材31aが回転軸体40の外周面から筒体21の内周面に向かって延出するように取り付けられており、また、平面視で180°位相する2箇所に取り付けられている。ただし、この取り付けは、3箇所以上の複数箇所とすることや、1箇所とすることもできる。網材31aを増やすと、得られる含水物10の平均粒子径が小さくなる傾向にあり、網材31aを減らすと、得られる含水物10の平均粒子径が大きくなる傾向にある。
もっとも、得られる含水物10の平均粒子径は、網材31a(回転軸体40)の回転速度とも関係し、回転速度を上げると得られる含水物10の平均粒子径が小さくなる傾向にあり、回転速度を下げると得られる含水物10の平均粒子径が大きくなる傾向にある。したがって、本形態の破砕機200によると、網材31の回転速度を変化させるのみで、得られる含水物10の平均粒子径を制御することができる。網材31(回転軸体40)の回転速度は、特に限定されないが、例えば、200〜800rpm、好ましくは300〜500rpmとすることができる。
この他、例えば、図6の(b)に示すように、回転軸体40bの外周面に、1枚の網材31bを取り付け、この1枚の網材31bを回転することや、図6の(c)に示すように、筒体21の内周面に網材31cを取り付け、回転軸体を設けず、筒体21を回転することによって、含水物10を破砕することもできる。ただし、装置構成を簡易にするという観点からは、回転軸体を設ける方が好ましい。
(再生粒子の製造方法)
次に、本形態の破砕機200を用いた再生粒子の製造方法について説明する。
図7に示すように、本形態の製造方法においては、製紙スラッジを主原料(50質量%以上)とする含水物10から、再生粒子を製造する。
含水物10の主原料となる製紙スラッジは、例えば、パルプ等の繊維成分、澱粉や合成樹脂接着剤等の有機物、填料や塗工用顔料等の無機物などが利用されずに排水中へ移行したもの、パルプ化工程等で発生するリグニンや微細繊維、古紙由来の填料や印刷インキ、生物排水処理工程から生じる余剰汚泥などからなる。また、例えば、古紙パルプ製造工程において印刷インキ等を除去する脱墨工程や製紙用原料を回収して洗浄する洗浄工程に由来する固形成分等を含有していてもよい。
ただし、古紙パルプ製造工程においては、安定した品質の古紙パルプを連続的に生産するために、選定、選別を行った一定品質の古紙を使用する。そのため、古紙パルプ製造工程に持ち込まれる無機物の種類や比率、量等は、基本的に一定になる。しかも、本形態の再生粒子の製造方法において未燃率の変動要因となるビニールやフィルム等のプラスチック類が、古紙中に含まれていても、これらは脱墨フロスが生成される脱墨工程に至る前段階の例えば、パルパーやスクリーン、クリーナー等で除去される。したがって、工場排水工程や製紙原料調成工程等の他の工程で発生する製紙スラッジと比べて、脱墨フロスは、極めて安定した品質の再生粒子を製造するための含水物10の好適な原料となる。
含水物10は、脱水設備100において、公知の脱水機等を用いて脱水する。ただし、この脱水は、例えば、スクリーンによって含水物10の水分率が70〜90%となるまで脱水し、次いで、スクリュープレスによって含水物10の水分率が30〜50%となるまで脱水するというように、多段で行うのが好ましい。含水物10の脱水を多段で行うことで、急激な脱水が避けられ、無機物の流出を抑制することができ、しかも、含水物10のフロックが硬くなり過ぎるのを防止することができる。
ここで含水物10の「水分率」は、定温乾燥機を用い、当該乾燥機内に試料(含水物)を静置し、約105℃で6時間以上保持することで質量変動を認めなくなった時点を乾燥後質量とし、下記式にて乾燥前後の質量測定結果より算出した値である。
水分率(%)=(乾燥前質量−乾燥後質量)÷乾燥前質量×100
脱水後の含水物10は、熱処理設備300において熱処理するに先立って、前述した破砕機200で破砕する。この破砕は、含水物10の平均粒子径が2.5〜12.5mmとなるように、好ましくは2.5〜7.0mmとなるように、より好ましくは2.5〜4.0mmとなるように行う。含水物10の平均粒子径が2.5mmを下回ると、後段の熱処理において過剰な熱処理が生じ易くなる。他方、含水物10の平均粒子径が12.5mmを上回ると、含水物10を表面部から芯部まで均一に熱処理するのが困難になる。この平均粒子径の調節は、例えば、前述したように網材31(回転軸体40)の回転速度や、線部31Xの径L1、孔部31Yの面積、孔部31Yを囲う線部31Xの最短離間距離L2等の網材31の仕様を変化させることによって実現することができる。
ここで含水物10の「平均粒子径」は、目穴の異なる篩で篩い分けを行い、各篩い分けを行った試料(含水物)の質量を測定し、この測定値の合計値が全体の50質量%に相当する段階における篩の目穴の大きさであり、JIS Z 8801‐2:2000に基づき、金属製の板ふるいを用いて測定した値である。
本形態においては、筒体21内を通過中の含水物10に当該筒体21内において回転する網材31の表面が衝突することのみによって含水物10が破砕されるため、製造効率が低下するおそれがない。また、特に図示例では、筒体21の上面に含水物10の投入口23が設けられ、筒体21の下面に含水物10の排出口24が設けられ、投入口23から投入された含水物10が、筒体21内を自由落下し、排出口24から排出される構成とされている。したがって、例えば、脱水設備100の下方に熱処理設備300を配置し、含水物10を脱水設備100から熱処理設備300に配管等を通して自由落下させ、この自由落下の過程で含水物10を破砕するということができる。この形態によれば、既存設備の変更を、最小限に抑えることができる。
破砕機200で破砕した含水物10は、熱処理設備300において乾燥、熱分解、燃焼等の熱処理を行う。この熱処理は、1つの装置で連続的に行うこともできるが、少なくとも乾燥と他の熱処理とは、各別の装置で行うのが好ましい。
含水物10を乾燥する乾燥装置としては、例えば、ストーカー炉、流動床炉、サイクロン炉、キルン炉等の公知の乾燥装置を用いることができる。ただし、本形態においては、含水物10を熱気流に同伴させて乾燥する「気流乾燥装置」を用いるのが好ましい。気流乾燥装置を用いると、含水物10が、乾燥されるのと同時に、圧縮力が加えられることなく大きな分散力(含水物10を分散させる力)をもって分散されるため、含水物10が全体にわたって均一に乾燥され、しかも本乾燥処理の後段で行う他の熱処理がより均一かつ確実に行われるようになり、品質が均一化した再生粒子を安定的に製造することができるようになる。なお、気流乾燥装置としては、例えば、新日本海重工業社製の商品名:クダケラ等の装置を例示することができる。
本形態において、含水物10を乾燥するための温度は、特に限定されず、例えば、200〜600℃、好ましくは300〜500℃、より好ましくは300〜400℃とすることができる。本形態において、含水物10は、脱水され、更に破砕されているため、わずか1〜3秒で水分率0〜5%になるまで、より好ましくは水分率0〜3%になるまで、特に好ましくは水分率0〜1%になるまで乾燥される。また、含水物10は、水分が蒸発した次の瞬間には乾燥装置から排出されるため、意図しない有機物の熱分解・燃焼等の熱処理が生じるおそれもない。なお、含水物10の「水分率」は、前述したとおりである。
乾燥後の含水物10(乾燥後であるため、以下、被処理物10という。)は、例えば、ストーカー炉、流動床炉、サイクロン炉、キルン炉等の公知の熱処理装置を用いて、熱分解、燃焼等の熱処理をする。この熱処理は、1つの装置で行うこともできるが、直列的に設けられた2つの装置で行うのが好ましく、直列的に設けられた3つの装置で行うのがより好ましい。
また、3つの装置に分けて熱処理する場合は、炉本体内の温度が順に高くなるように制御するのが好ましく、第1の熱処理装置において250〜370℃、第2の熱処理装置において360〜400℃、第3の熱処理装置において550〜780℃となるように制御するのがより好ましい。これは、以下の理由からである。
すなわち、被処理物(含水物)10の主原料となる製紙スラッジは、各種有機物(有機成分)を含有し、この有機物のなかには、紙由来の220℃近傍で発熱量のピークをもつアクリル系有機物、320℃近傍で発熱量のピークをもつセルロース、420℃近傍で発熱量のピークをもつスチレン系有機分が含まれる。これらの有機分を他の有機分と一緒に熱処理して除去しようとすると、200〜300℃で熱分解される有機分が発火、過燃焼するため、熱処理制御が困難となり、白色度の低下のみならず、ゲーレナイトやアノーサイト等の硬質物質の生成をまねく。そこで、まず、第1の熱処理装置において、所定の高発熱量成分(アクリル系有機物及びセルロース)を被処理物10から熱処理除去し、もって過燃焼を抑え、硬質物質の生成を抑制する。また、第1の熱処理装置において被処理物10に含まれるアクリル系有機物及びセルロースを熱分解ガス化し、第2の熱処理装置において被処理物10に含まれるスチレン系有機物を熱分解ガス化することで、得られる再生粒子の品質安定化、白色度向上に対する寄与が大きく、均一かつ安定的に再生粒子を得ることができる。そして、第3の熱処理装置においては、被処理物10に含まれる残カーボン等を含む有機物が、効率良く熱処理除去され、また、過燃焼によって生じる硬質物質の生成が抑えられる。なお、セルロースの熱分解ガスの発火温度はスチレンの熱分解温度を下回るため、第1の熱処理装置においてセルロースを熱分解除去してしまい、スチレンは第2の熱処理装置において熱分解するのが好適である。
第1〜第3の熱処理装置としては、ストーカー炉、流動床炉、サイクロン炉等を用いることもできるが、横型回転キルン炉を用いるのが好適である。また、この横型回転キルン炉は、熱処理効率を重視して内熱式とすることも、熱処理制御の容易性を重視して外熱式とすることもできるが、第1及び第2の熱処理装置は外熱式とし、第3の熱処理装置は内熱式とするのが好適である。第1及び第2の熱処理装置が熱処理の対象とする被処理物10は、アクリル系有機物や、セルロース、スチレン系有機物等の高発熱量成分を含むため、被処理物10が発火し易い状態にある。したがって、炉本体内は低酸素濃度であるのが好ましく、外熱式のキルン炉が好適に用いられる。他方、第3の熱処理装置が熱処理の対象とする被処理物10は、高発熱量成分を含まないため、被処理物10が発火し難い状態にあり、また、相対的に高温で熱処理するため、内熱式のキルン炉が好適に用いられる。
熱処理設備300において熱処理された被処理物10は、平均粒子径が15.0μm以下となるように、好ましくは0.1〜10.0μmとなるように、より好ましくは1.0〜5.0μmとなるように粉砕することができる。
この粉砕後の被処理物10の平均粒子径は、試料(被処理物)のスラリーをレーザー回折方式の粒度分布径(型番:SA−LD−2200、島津製作所製)を用いて測定した体積平均粒子径(D50)である。
本形態において、被処理物10の粉砕方法は特に限定されず、例えば、ジェットミルや高速回転式ミル等の乾式粉砕機、アトライター、サンドグラインダー、ボールミル等の湿式粉砕機などを用いることができる。
この粉砕を行った被処理物10は、好適には凝集体であり、冷却機等において冷却した後、振動篩機等の粒径選別機により選別をし、再生粒子としてサイロに一時貯留し、適宜製紙用の填料や顔料等の用途先に仕向けることができる。
次に、本発明の試験例を示し、もって本発明の破砕機が含水物を処理の対象とできることを明らかにする。
製紙スラッジを原料とする含水物を、本形態の破砕機(網材として、大信鋼業株式会社製のエキスパンドメタル(XG 21)を使用)によって破砕する試験を行った。試験は網材の回転速度を変えて複数回行った。結果を表1に示した。
Figure 0005632200
表1から、回転速度を変化させることのみによって破砕後の含水物の粒子径を制御できることが分かる。また、破砕しない場合とともに、破砕し過ぎた場合も燃焼安定性が劣ることが分かる。
本発明は、製紙スラッジ等の含水物の破砕機及びこの破砕機を用いた再生粒子の製造方法として適用可能である。
10…含水物(被処理物)、21…筒体、22…天板、23…投入口、24…排出口、31,31A,31B…網材、40…回転軸体、100…脱水設備、200…破砕機、300…熱処理設備。

Claims (3)

  1. 含水物が通過する筒体と、この筒体内において回転する板状の網材と、を有し、
    前記網材が回転すると、この網材の表面が前記筒体内の上側から下側に向かって通過中の含水物に衝突する構成とされ
    側面視で前記網材の下部を、前記網材の上部よりも回転方向に対して後方に設けている、
    ことを特徴とする含水物の破砕機。
  2. 前記筒体は円筒状で、上面開口に前記含水物の投入口が設けられ、下面開口に前記含水物の排出口が設けられ、前記投入口から投入された含水物が、前記筒体内を落下し、前記排出口から排出される構成とされ、
    前記筒体の軸心部に回転軸体が設けられ、
    この回転軸体に前記網材が取り付けられている、
    請求項1記載の含水物の破砕機。
  3. 製紙スラッジを主原料とする含水物を、脱水及び熱処理して再生粒子を製造する方法であって、
    前記含水物の水分率が30〜50%となるまで前記脱水を行い、
    この脱水後の前記含水物を、請求項1又は請求項2記載の含水物の破砕機で、平均粒子径2.5〜12.5mmに破砕してから、前記熱処理を行う、
    ことを特徴とする再生粒子の製造方法。
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