本発明に係る単位画素及び該単位画素を有する固体撮像装置について、好適な実施の形態を掲げて添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
初めに、図1を用いてTOFの原理の一例を簡単に説明する。光(例えば、レーザー光)を被写体に照射する図示しない照射装置が光を照射しない状態で、且つ、環境光のみを一定時間(Tsense)受光する第1受光期間のときに、図示しない単位画素を複数有する受光部は、入射光に応じて光電変換を行い、光電子(負電荷)を生成し、単位画素が有する光電子保持部は、第1受光期間に発生した光電子を取り込む。ここでは、第1受光期間は2回あり、それぞれの第1受光期間で単位画素は光電変換し、発生した光電子を光電子保持部に取り込む。1回目の第1受光期間に前記単位画素に入射する光量をQCBとし、2回目の第1受光期間に前記単位画素に入射する光量をQCAとする。なお、受光期間とは、受光した光に応じて光電子を発生して蓄積する期間(蓄積期間)のことをいう。
また、前記照射装置から照射された光の反射光を受光する期間を有する第2受光期間のときに、前記した受光部は、入射光に応じて光電変換を行い、光電子を生成し、前記した光電子保持部は、第2受光期間に発生した光電子を取り込む。ここでは、前記単位画素は、照射装置が光を照射している状態で、且つ、前記照射装置から照射された光の反射光及び環境光を一定時間(Tsense)受光する1回目の第2受光期間と、前記照射装置が光の照射を終了してから一定時間(Tsense)光を受光する2回目の第2受光期間とで光電変換を行う。1回目の第2受光期間に前記単位画素に入射した光量をQBとし、2回目の第2受光期間に前記単位画素に入射した光量をQAとする。なお、Ilaserは、前記照射された光の反射光の強度を示し、Ibackは、環境光の強度を示す。
したがって、QA−QCA=Ilaser×Tdelay,QB−QCB=Ilaser×Tsense,の関係式が成り立つ。Tdelayは、照射した光が被写体に反射して戻ってくるまでの時間である。
上述した式から、Tdelay=Tsense×(QA−QCA)/(QB−QCB)の関係式が導き出せ、被写体までの距離Zは、Z=c×Tdelay/2=c×Tsense×(QA−QCA)/2(QB−QCB)、の関係式によって求めることができる。なお、cは、光速を示す。
図2は、実施の形態にかかる固体撮像装置を有する測距システム10の概略構成を示す図である。図2に示すように、測距システム10は、照射装置12、撮像部14、演算部16、制御部18、及び電源20を備える。
電源20は、測距システム10の各部に所定の電源電圧を供給するものであり、図2においては、簡単のため、電源20から各装置への電源線の表示を省略する。
照射装置12は、測距対象Wに対してパルス光Lpを照射するものであり、照射装置12は、制御部18の制御下で、パルス光Lpを出力する発光部24を有する。この測距システム10において、照射装置12の発光部24は、発光点(エミッタ)を直線状に設けた半導体レーザバーを積層(直列接続)して、面発光が可能とされたものである。
発光部24は、赤外光を発光する。例えば、波長が870ナノメートル(nm)の赤外光を100ワット(W)の出力で照射可能である。発光部24は、パルス光Lpを100(ナノ秒)の出力時間(パルス幅)で出力する。
なお、発光部24は、リニアアレイ状の複数の発光点を有していてもよく、あるいは、マトリックス状に並べられた複数の発光点を有するものであってもよい。発光素子としてレーザダイオードや発光ダイオード(LED)等のその他の発光素子を用いてもよい。
この測距システム10では、照射装置12から照射されたパルス光Lpが測距対象Wで反射し、撮像部14に入射する。なお、説明の便宜のため、照射装置12から測距対象Wまでのパルス光Lpを照射光Leと、測距対象Wから撮像部14までのパルス光Lpを反射光Lrと呼ぶ。
撮像部14は、レンズ26と、固体撮像装置28とを有する。レンズ26を透過した反射光Lr及び環境光Lsは、固体撮像装置28に集光され、固体撮像装置28によって受光される。固体撮像装置28は、照射装置12が照射するパルス光Lp及び環境光Lsに対して感度を有する。演算部16は、固体撮像装置28が前記各受光期間で取り込んだ光電子数の情報に基づいて測距対象Wまでの距離を、図1で説明した手法によって算出する。
図3は、固体撮像装置28の構成を示す図である。固体撮像装置28は、マトリックス状に単位画素30が配置された画素アレイ32と、画素駆動回路(画素駆動部)34と、サンプルホールド回路36と、水平選択回路38と、出力バッファ40と、A/D変換器42とを有する。
電源20は、画素アレイ32に対して正の電源電圧Vddを印加するとともに、リセット電圧Vrefを印加する。画素駆動回路34は、ゲート駆動回路44と、垂直選択回路46を有し、ゲート駆動回路44は、各種ゲート駆動信号を出力することにより画素アレイ32の各単位画素30の光電子の発生(蓄積)、保持、転送、及び排出等を行う。垂直選択回路46は、マルチプレクサ(図示略)を有し、読み出しを行う単位画素30が属する行に対して選択的に、該単位画素30が保持した光電子に対応する電圧信号(画素信号)を出力させる。水平選択回路38は、別のマルチプレクサ(図示略)を有し、読み出しを行う単位画素30が属する列を選択する。読み出された画素信号は、サンプルホールド回路36に一端保持された後、水平選択回路38を介して出力される。そして、出力バッファ40及びA/D変換器42を介して演算部16に出力される。なお、制御部18及び演算部16は、固体撮像装置28上に形成してもよい。
図4は、図3に示す固体撮像装置28を構成する単位画素30の一部を示す平面図である。単位画素30は、複数の受光装置100を有する。本実施の形態では、単位画素30は、4つの受光装置100を有し、行列状に配置されている。図5及び図6は、図4に示す受光装置100の断面図であり、詳しくは、図5は、図4のV−V線矢視断面図であり、図6は、図4のVI−VI線矢視断面図である。
単位画素30は、行列状に配置された4つの受光装置100を有する。受光装置100は、p型(第1導電型)半導体基板102上に形成された光電変換素子104と、4つの光電子振分部106と、2つの光電子排出部108とを有する。光電変換素子104は、p型(第1導電型)半導体基板102上に絶縁体(図示略)を介して形成された電極(以下、フォトゲートと呼ぶ)110を有するフォトゲート構造を有している。光電変換素子104は、光を検知して、光電子(負電荷)を発生する(検知した光を光電子に変換する)フォトダイオードである。フォトゲート110には、光電変換素子104を駆動するためのゲート駆動信号Saがゲート駆動回路44から印加される。
光電子振分部106は、第1転送部112、光電子保持部114、第2転送部116、及び浮遊拡散層118を有する。第1転送部112は、光電変換素子104に発生した光電子を光電子保持部114に転送するためのものであり、p型半導体基板102上に前記絶縁体を介して形成された電極(第1転送ゲート)120を有するMOSダイオード構造を有している(図5参照)。第1転送ゲート120には、ゲート駆動回路44から第1転送部112を駆動させるためのゲート駆動信号Sbが入力される。光電子保持部114は、光電変換素子104に対して第1転送部112を挟んで反対側に配置され、光電変換素子104が発生した光電子を一時的に保持するものであり、p型半導体基板102上に前記絶縁体を介して形成された電極(保持ゲート)122を有するMOSダイオード構造を有している(図5参照)。保持ゲート122には、ゲート駆動回路44から光電子保持部114を駆動させるためのゲート駆動信号Scが印加される。
第2転送部116は、第1転送部112に対して光電子保持部114を挟んで反対側にう配置され、光電子保持部114が保持した光電子を転送するものであり、p型半導体基板102上に前記絶縁体を介して形成された電極(第2転送ゲート)124を有するMOSダイオード構造を有している(図5参照)。第2転送ゲート124には、ゲート駆動回路44から第2転送部116を駆動させるためのゲート駆動信号Sdが入力される。浮遊拡散層(FD;フローティングディフュージョン)118は、光電子保持部114に対して第2転送部116を挟んで反対側に配置され、光電子保持部114から転送されてくる光電子を取り込み、電圧に変換させるためのものであり、p型半導体基板102上にn型(第2導電型)不純物が形成されたものである。
図4に示すように、4つの光電子振分部106は、光電変換素子104を挟んで水平方向(左右方向)に対称的に2つずつ設けられており、左右にそれぞれ上下1つずつ設けられている。また、互いに水平方向に隣り合う単位画素30の受光装置100は、その間に設けられている2つの浮遊拡散層118を共有している。つまり、受光装置100は、受光装置100の浮遊拡散層118の一部を互いに共有している。
図5に示すように、浮遊拡散層118には、浮遊拡散層118の電位を基準電位にリセットするリセット用トランジスタ126が接続されている。リセット用トランジスタ126のソースは浮遊拡散層118に接続され、ドレインには電源20からのリセット電圧Vrefが印加され、ゲートには、ゲート駆動回路44からリセット信号Rが供給される。ハイのリセット信号Rがリセット用トランジスタ126のゲートに供給されると、リセット用トランジスタがオンとなり、浮遊拡散層118の電位が基準電位にリセットされる。
また、浮遊拡散層118には、浮遊拡散層118が保持した光電子に応じた電圧信号を読み出すための信号読出用トランジスタ130が接続される。信号読出用トランジスタ130には、該信号読出用トランジスタ130によって読み出された電圧信号を信号読出線132に出力するかを選択するための選択用トランジスタ134が接続されている。信号読出用トランジスタ130のドレインは、電源20からの電源電圧Vddが印加され、ゲートには、浮遊拡散層118に接続され、ソースは、選択用トランジスタ134のドレインに接続される。選択用トランジスタ134に垂直選択回路46からハイの選択信号Ssが供給されると、選択用トランジスタ134がオンになり、浮遊拡散層118が保持した光電子に対応する電圧が信号読出線132から読み出される。選択用トランジスタ134のソースは、信号読出線132が接続されている。
光電子排出部108は、第3転送部140と、拡散層142とを有する。第3転送部140は、光電変換素子104が発生した光電子を拡散層142に転送するためのものであり、p型半導体基板102上に前記絶縁体を介して形成された電極(第3転送ゲート)144を有するMOSダイオード構造を有している(図6参照)。
拡散層142は、光電変換素子104に対して第3転送部140を挟んで反対側に配置され、拡散層142には、電源20からの電源電圧Vddが印加されている。ゲート駆動回路44から第3転送ゲート144に排出信号Seが入力されると、光電変換素子104が発生した光電子は、第3転送部140を介して拡散層142から排出される。
図4に示すように、2つの光電子排出部108は、光電変換素子104を挟んで垂直方向(上下方向)に対称的に1つずつ設けられている。また、互いに上下方向に隣り合う単位画素30の受光装置100は、その間に設けられている拡散層142を共有している。つまり、受光装置100は、受光装置100の拡散層142の一部を互いに共有している。
図7は、光電変換素子104、第1転送部112、光電子保持部114、及び第2転送部116による光電子の移動状態を示すポテンシャル図である。
図7Aは、光電変換素子104によって光電子が発生しているときのポテンシャル図を示すものであり、図7B、Cは、光電変換素子104が発生した光電子を光電子保持部114に転送するときのポテンシャル図を示すものであり、図7Dは、光電子保持部114で光電子を保持しているときのポテンシャル図であり、図7Eは、光電子保持部114が保持した光電子を浮遊拡散層118に転送するときのポテンシャル図を示すものである。
図7Aに示すように、フォトゲート110にハイ(High)のゲート駆動信号Saを入力することで、光電変換素子104にポテンシャル位置は下がり、発生した光電子e−が光電変換素子104に溜まっていく。そして、図7Bに示すように、第1転送ゲート120にハイのゲート駆動信号Sbを入力することで、光電変換素子104が発生した光電子e−は光電子保持部114に転送される。なお、このとき、保持ゲート122にハイのゲート駆動信号Scが入力されている。さらに、フォトゲート110にロー(Low)のゲート駆動信号Saを入力することで、光電変換素子104のポテンシャル位置が上がって(図7C参照)、光電変換素子104に発生した光電子e−は、光電子保持部114に転送され、その後、第1転送ゲート120にローのゲート駆動信号Sbを入力して、図7Dに示すように光電変換素子104が発生した光電子を光電子保持部114に保持させる。この図7A〜図7Cの状態を繰り返すことで、複数回の受光期間(光電子を発生する期間)に光電変換素子104が発生した光電子を光電子保持部114に保持させることができる。
その後、図7Eに示すように、第2転送ゲート124にハイのゲート駆動信号Sdを入力することで、第2転送部116のポテンシャル位置が下がり、保持ゲート122にローのゲート駆動信号Scを入力することで、光電子保持部114のポテンシャル位置が上がるとともに、光電子保持部114が保持した光電子e−が浮遊拡散層118に転送される。
なお、図8に示すように、受光中も第1転送ゲート120にハイのゲート駆動信号Sbを入力することで、受光及び光電変換素子104で発生した光電子の転送を同時に行ってもよい。
図9は、受光装置100の回路構成の一例を示す図である。受光装置100の光電変換素子104が保持した光電子は、転送経路146a、146b、146c、146dを介して光電子振分部106a、106b、106c、106dの浮遊拡散層118に転送される。転送経路146a、146b、146c、146dは、図4及び図5で示した光電子振分部106a、106b、106c、106dの第1転送部112、光電子保持部114、第2転送部116により構成される。光電子振分部106a、106b、106c、106dの浮遊拡散層118には、1つのリセット用トランジスタ126のソースが接続されるとともに、1つの信号読出用トランジスタ130のゲートが接続される。
各浮遊拡散層118に、光電子振分部106a、106b、106c、106dの各光電子保持部114が保持した光電子が転送される前に、リセット用トランジスタ126がオンになることによって各浮遊拡散層118が基準電位にリセットされ、そのときの各浮遊拡散層118の電圧(以下、黒レベル)が読み出される。その後、光電子振分部106a、106b、106c、106dの光電子保持部114が保持した光電子が順次浮遊拡散層118に転送される。各浮遊拡散層118に転送された光電子が順次信号読出用トランジスタ130によって電圧信号(信号レベル)に変換されて、選択用トランジスタ134を介して信号読出線132から読み出される。
詳しくは、リセット用トランジスタ126をオンにすることで、各浮遊拡散層118の電位がリセットされ、黒レベルが読み出される。その後、光電子振分部106aの光電子保持部114が保持している光電子が浮遊拡散層118に転送され、該転送された光電子に応じた電圧信号(信号レベル)が信号読出線132から読み出される。次に、リセット用トランジスタ126をオンにすることで、各浮遊拡散層118の電位がリセットされ、黒レベルが読み出される。その後、光電子振分部106bの光電子保持部114が保持している光電子が浮遊拡散層118に転送され、該転送された光電子に応じた電圧信号(信号レベル)が信号読出線132から読み出される。そして、リセット用トランジスタ126をオンにすることで、各浮遊拡散層118の電位がリセットされ、黒レベルが読み出される。その後、光電子振分部106cの光電子保持部114が保持している光電子が浮遊拡散層118に転送され、該転送された光電子に応じた電圧信号(信号レベル)が信号読出線132から読み出される。最後に、リセット用トランジスタ126をオンにすることで、各浮遊拡散層118の電位がリセットされ、黒レベルが読み出される。その後、光電子振分部106dの光電子保持部114が保持している光電子が浮遊拡散層118に転送され、該転送された光電子に応じた電圧信号(信号レベル)が信号読出線132から読み出される。
このように、受光装置100の光電子振分部106a、106b、106c、106dの光電子保持部114が保持した光電子に応じた電圧信号は、同一の信号読出線132から読み出されることになる。なお、図9では、光電子排出部108の図示を省略している。
図10は、図9に示す受光装置100を用いて図4に示す単位画素30を構成したときの回路図である。単位画素30は、4つの受光装置100を有し、受光装置100は、図4で示したように、1つの光電変換素子104と、4つの光電子振分部106a、106b、106c、106dと、2つの光電子排出部108とを有する。全受光装置100の光電子振分部106a、106b、106c、106dの各浮遊拡散層118は、リセット用トランジスタ126のソース、及び、信号読出用トランジスタ130のゲートに接続されている。
リセット用トランジスタ126をオンにすることで、各光電子振分部106a、106b、106c、106dの各浮遊拡散層118の電位がリセットされ、黒レベルが読み出される。その後、単位画素30の各光電子振分部106aの光電子保持部114が保持している光電子が各光電子振分部106aの浮遊拡散層118に転送され、該転送された光電子に応じた電圧信号(信号レベル)が信号読出線132から読み出される。つまり、単位画素30の各受光装置100の光電子振分部106aの浮遊拡散層118に転送された光電子を合算(加算)した光電子数に応じた電圧信号が信号読出線132から読み出される。
次に、リセット用トランジスタ126をオンにすることで、各光電子振分部106a、106b、106c、106dの各浮遊拡散層118の電位がリセットされ、黒レベルが読み出される。その後、単位画素30の各光電子振分部106bの光電子保持部114が保持している光電子が各光電子振分部106bの浮遊拡散層118に転送され、該転送された光電子に応じた電圧信号(信号レベル)が信号読出線132から読み出される。つまり、単位画素30の各受光装置100の光電子振分部106bの浮遊拡散層118に転送された光電子を合算した光電子数に応じた電圧信号が信号読出線132から読み出される。
そして、リセット用トランジスタ126をオンにすることで、各光電子振分部106a、106b、106c、106dの各浮遊拡散層118の電位がリセットされ、黒レベルが読み出される。その後、単位画素30の各光電子振分部106cの光電子保持部114が保持している光電子が各光電子振分部106cの浮遊拡散層118に転送され、該転送された光電子に応じた電圧信号(信号レベル)が信号読出線132から読み出される。つまり、単位画素30の各受光装置100の光電子振分部106cの浮遊拡散層118に転送された光電子を合算した光電子数に応じた電圧信号が信号読出線132から読み出される。
最後に、リセット用トランジスタ126をオンにすることで、各光電子振分部106a、106b、106c、106dの各浮遊拡散層118の電位がリセットされ、黒レベルが読み出される。その後、単位画素30の各光電子振分部106dの光電子保持部114が保持している光電子が各光電子振分部106dの浮遊拡散層118に転送され、該転送された光電子に応じた電圧信号(信号レベル)が信号読出線132から読み出される。つまり、単位画素30の各受光装置100の光電子振分部106dの浮遊拡散層118に転送された光電子を合算した光電子数に応じた電圧信号が信号読出線132から読み出される。このように、単位画素30の受光装置100の光電子保持部114が保持した光電子に応じた電圧信号は、全て同一の信号読出線132から読み出される。
ここで、図10に示すように、単位画素30の各受光装置100の光電子振分部106a、106b、106c、106dの転送方向は異なる。例えば、右上の受光装置100の光電子振分部106aの転送方向は右上となり、右下の受光装置100の光電子振分部106aの転送方向は右下となり、左上の受光装置100の光電子振分部106aの転送方向は左上となり、左下の受光装置100の光電子振分部106aの転送方向は、左下となる。
また、図10に示すように、右上の受光装置100の光電子振分部106c、光電子振分部106dと、左上の受光装置100の光電子振分部106b、光電子振分部106dとは互いに浮遊拡散層118を共有しており、右下の受光装置100の光電子振分部106d、106bと、左下の受光装置100の光電子振分部106d、106cとは互いに浮遊拡散層118を共有している。
なお、図11に示すように受光装置100は、2つの信号読出線132a、132bを有してもよい。この場合は、例えば、光電子振分部106a、106bの浮遊拡散層118に転送された光電子に応じた電圧信号が信号読出線132aから、光電子振分部106c、106dの浮遊拡散層118に転送された光電子に応じた電圧信号が信号読出線132bからそれぞれ読み出される。図11に示す受光装置100では、リセット用トランジスタ126a、126b、126c、126dのソースが光電子振分部106a、106b、106c、106dの浮遊拡散層118に接続され、ドレインには電源20からのリセット電圧Vrefが印加される。また、リセット用トランジスタ126a、126b、126c、126dのゲートには、リセット信号R1、R2、R3、R4が供給される。また、光電子振分部106a、106b、106c、106dの浮遊拡散層118には、信号読出用トランジスタ130a、130b、130c、130dのゲートが接続されており、選択用トランジスタ134a、134b、134c、134dのゲートには、選択信号Ss1、Ss2、Ss3、Ss4が供給される。要は、信号読出線132が受光装置100の複数の浮遊拡散層118に接続されていればよい。
このように、図11に示す受光装置100を用いて、光電子保持部114が保持している光電子を独立した信号読出用トランジスタ130を介して読み出してもよい。
受光装置100は、このように光電子保持部114を有する4つの光電子振分部106a、106b、106c、106dを有するので、測距システム10は、測距対象Wまでの距離を求めることができる。詳しく説明すると、1回目の第1受光期間で光電変換素子104が発生した光電子を光電子振分部106aの光電子保持部114に転送し、2回目の第1受光期間で光電変換素子104が発生した光電子を光電子振分部106bの光電子保持部114に転送し、1回目の第2受光期間で光電変換素子104が発生した光電子を光電子振分部106cの光電子保持部114に転送し、2回目の第2受光期間で光電変換素子104が発生した光電子を光電子振分部106dの光電子保持部114に転送する。これにより、QCB、QCA、QB、QAに対応する光電子を得ることができ、光電子振分部106a、106b、106c、106dの浮遊拡散層118から得られた光電子に対応する電圧信号を読み出すことで、測距対象Wまでの距離を得ることができる。なお、図1に示すような受光を複数回(例えば、100回)行うとともに、各受光期間(1回目の第1受光期間、2回目の第1受光期間、1回目の第2受光期間、2回目の第2受光期間)の終了毎に、光電子振分部106a、106b、106c、106dによって、光電変換素子104に発生した光電子が振り分けられて、光電子振分部106a、106b、106c、106dの光電子保持部114に光電子が順次保持された後、光電子振分部106a、106b、106c、106dの光電子保持部114が保持した光電子が読み出される。
なお、図4の各受光装置100の光電変換素子104に図示した矢印は、図1に記載の4つの受光期間の内1つの期間における光電子の転送方向を示したものである。詳しくは、左上の光電変換素子104に発生した光電子は左上の光電子振分部106に転送され、左下の光電変換素子104は、左下の光電子振分部106に転送され、右上の光電変換素子104は、右上の光電子振分部106に転送され、右上の光電変換素子104は、右上の光電子振分部106に転送され、右下の光電変換素子104は、右下の光電子振分部106に転送される。
本実施の形態では、単位画素30は、複数の受光装置100を有し、単位画素30の各受光装置100の転送方向の異なる光電子振分部106により振り分けられた光電子を加算して出力するので、振分方向に依存せず、振分方向毎に転送される光電子数のバラツキを抑えることができる。
詳しくは、光電子振分部106に転送された光電子は、複数回の受光と転送とが繰り返された後、浮遊拡散層118に転送されるが、上下左右に転送保持された光電子が浮遊拡散層118で接続されているため、光電変換素子104及び第1転送部112に転送速度の左右上下のバラツキに関して平均化することができる。これにより、図1に記載の4つの受光期間のうち、何れの期間においても同様に、4つの光電変換素子104の転送方向を上下左右に設定することで、単位画素30の光電子の転送速度が振分方向に依存せず、後段の信号処理において、精度良く演算が可能となる。
単位画素30が1つの受光装置100のみを有する場合は、該受光装置100の製造起因や結晶方向起因によって転送速度が遅くなる方向が生じ、振分方向によっては、正確な光電子情報(光電子に応じた電圧信号)を得ることができない。つまり、光電変換素子104に発生した光電子の振分時間(第1転送部112、光電子保持部114、第2転送部116にゲート駆動信号Sb、Sc、Sdを供給するタイミング)は決まっているので、転送速度が遅い振り分け方向に光電子を転送すると、光電変換素子104が発生した光電子の全てを転送することができない。
このように、上記実施の形態においては、単位画素30の受光装置100は、光電変換素子104に発生した光電子を転送するための第1転送部112と、光電子を一時的に保持する光電子保持部114と、光電子保持部114が保持した光電子を転送するための第2転送部116と、転送された光電子を保持して該転送された光電子を電圧に変換させるための浮遊拡散層118とを含む光電子振分部106とを有するので、光電変換素子が発生した光電子を複数方向に振り分けて読み出すことができるとともに、リセットノイズを正確に除去することができる。
つまり、光電子振分部106によって振り分けられた光電変換素子104に発生した光電子は、該光電子振分部106の光電子保持部114に保持されるので、光電子保持部114が保持した光電子を読み出したい場合は、該光電子振分部106の浮遊拡散層118の電位をリセットした後、黒レベルが読み出される。その後、該光電子保持部114が保持した光電子を該浮遊拡散層118に転送して光電子に応じた電圧信号を読み出せばよいので、浮遊拡散層118の電位のリセットタイミングと、読み出しタイミングとのズレを最小限に抑えることができる。したがって、正確な黒レベルを得ることができ、リセットノイズを正確に除去することができる。
単位画素30は、複数の受光装置100を有するので、受光装置100の製造起因や結晶方向起因による振分方向の転送速度のバラツキによって生じる、振分方向毎に転送される光電子数のバラツキを抑えることができ、受光精度を向上させることができる。また、単位画素30の複数の前記受光装置100は、少なくとも、複数の受光装置100の浮遊拡散層118の一部を互いに共有しているので、単位画素30が小さくなり、チップ面積が小さくなるのでコストが下がるとともに、単位画素30を小型化して、解像度を増やすことができる。
単位画素30は、行列状に配置された4つの受光装置100を有し、受光装置100は、光電子振分部106を4つ有し、4つの光電子振分部106は、光電変換素子104を挟んで水平方向に対称的に2つずつ設けられ、互いに水平方向に隣り合う受光装置100は、その間に設けられている浮遊拡散層118を共有しているので、単位画素30が小さくなり、チップ面積が小さくなるのでコストが下がるとともに、単位画素30を小型化して、解像度を増やすことができる。
単位画素30が1次元又は2次元に配列された画素アレイ32を有する固体撮像装置28は、複数の浮遊拡散層118の電位を読み出すための信号読出用トランジスタ130と信号読出用トランジスタ130を介して信号を読み出す信号読出線132とを備え、単位画素30の浮遊拡散層118の各々の電位は1つの信号読出用トランジスタ130を介して読み出されるので、信号読み出し回路の共通化が可能となり、読み出し回路の製造バラツキに起因する出力バラツキを抑制することができるとともに、固体撮像装置28を小型化して、解像度を増やすことができる。
なお、測距対象Wまでの距離を得るために、環境光Lsのみを受光する期間における1回目の第1受光期間及び2回目の第1受光期間と、環境光Lsと反射光Lrを受光する期間である1回目の第2受光期間及び2回目の第2受光期間との受光時間幅が一定の場合は、1回目の第1受光期間と2回目の第1受光期間における受光量は同一であるから環境光Lsのみを受光する期間における受光である第1受光期間は1回のみでもよい。このとき、前記QCAと前記QCBは、QCA=QCBとして取り扱うことで、被写体までの距離を求めることができる。したがって、単位画素30は、図12に示す構成であってもよい。
図12は、図4に示す単位画素と別の例を示す単位画素の平面図である。なお、図4に示す構成と同様の構成については同一の符号を付している。単位画素30は、4つの受光装置100を有し、行列状に配置されている。受光装置100は、光電変換素子104と、3つの光電子振分部106と、1つの光電子排出部108を有する。3つの光電子振分部106は、光電変換素子104を挟んで水平方向に対称的に1つずつ設けられ、光電変換素子104の上側、又は下側に1つ設けられている。また、光電子排出部108は、光電変換素子104の下側、又は上側に設けられ、光電子振分部106が設けられていない側に設けられる。単位画素30の上側2つの受光装置100は、光電変換素子104の上側に光電子振分部106が設けられ、下側に光電子排出部108が設けられる。単位画素30の下側2つの受光装置100は、光電変換素子104の下側に光電子振分部106が設けられ、上側に光電子排出部108が設けられる。このような構成を有することで、互いに上下方向で隣り合う単位画素30の受光装置100は、その間に設けられている拡散層142を共有する。また、互いに水平方向に隣り合う単位画素30の受光装置100は、その間に設けられている浮遊拡散層118を共有している。
単位画素30は、行列状に配置された4つの前記受光装置100を有し、受光装置100は、光電子振分部106を3つ有し、3つの光電子振分部106は、光電変換素子104に対して水平方向に対称的に1つずつ設けられるとともに、光電変換素子104の上側、又は下側に1つ設けられており、互いに水平方向に隣り合う受光装置100は、その間に設けられている浮遊拡散層118を共有しているので、単位画素30が小さくなり、チップ面積が小さくなるのでコストが下がるとともに、単位画素30を小型化して、解像度を増やすことができる。
次に、本実施の形態における、単位画素30にゲート駆動信号を供給するゲート駆動回路44について説明する。本実施の形態におけるゲート駆動回路44を説明する前に、従来のゲート駆動回路44を説明する。図13は、従来のゲート駆動回路44の要部構成図である。
図13の参照符号150は、画素負荷容量を示す。この画素負荷容量150は、MOSダイオード構造により形成される寄生容量のことをいい、単位画素30内にある。この画素負荷容量150は、本実施の形態で言うところのフォトゲート110、第1転送ゲート120、保持ゲート122、第2転送ゲート124、第3転送ゲート144、リセット用トランジスタ126のゲート等によって形成される。
第1電圧源152は、第1電圧(第1信号電圧)を単位画素30に供給する電圧源であり、第2電圧源154は、第2電圧(第2信号電圧)を単位画素30に供給する電圧源である。ゲート駆動回路44は、単位画素30に与えられる電圧(信号電圧)を選択的に切り換える切換スイッチ156を有する。
詳しくは、ゲート駆動回路44は、単位画素30の画素負荷容量150のゲートに第1電圧(第1信号電圧)を供給する第1電圧源152側に設けられた第1接点158と、画素負荷容量150のゲートに第2電圧(第2信号電圧)を供給する第2電圧源154側に設けられた第2接点160とをさらに有し、切換スイッチ156は、第1接点158と第2接点160とのどちらか一方に接続することで、第1電圧又は第2電圧を選択的に画素負荷容量150のゲートに印加させるかを切り換える。
第1電圧源152は、基準電圧(例えば、0V)を単位画素30に供給するものであり、本実施の形態では、グランドである。第2電圧源154は、第1電圧より高い第2電圧を単位画素に供給するためのものであり、本実施の形態では、第1電圧源152、第2電圧源154ともに電源20に内蔵されている。なお、図13において、第1電圧源152と第1接点158との間に示す抵抗R1、及び、第2電圧源154と第2接点160との間に示すR2は、配線抵抗を表している。
単位画素30を駆動させる場合、単位画素30の画素負荷容量150のゲートに第1電圧と第2電圧とを交互に印加することでパルス信号のゲート駆動信号(画素駆動信号)を印加させる。例えば、単位画素30の光電変換素子104を駆動させて光電子を発生させる場合、単位画素30の第1転送部112を駆動させて光電子を転送させる場合、単位画素30の光電子保持部114を駆動させて光電子を保持させる場合、単位画素30の第2転送部116を駆動させて光電子を転送させる場合、単位画素30の第3転送部140を駆動させて光電子を転送させる場合、リセット用トランジスタ126を駆動させて単位画素30の浮遊拡散層118に存在する光電子をリセットさせる場合は、ゲート駆動回路44は、フォトゲート110、第1転送ゲート120、保持ゲート122、第2転送ゲート124、第3転送ゲート144、及びリセット用トランジスタ126のゲートに第1電圧と第2電圧とを交互に供給する。この単位画素30の駆動によって、光電子の発生、転送、保持、排出、リセットが行われる。また、ゲート駆動回路44は、画素アレイ32の全ての単位画素30を一斉に駆動させるので、光電子の発生、転送、保持、排出、リセット等の動作が一斉に行われる(グローバルシャッタ動作が行われる)。
図14は、図13のゲート駆動回路44で、画素負荷容量150のゲートに印加される理想電圧の波形を示す図である。図14で、切換スイッチ156の状態がaのときは、切換スイッチ156が第1接点158に接続されていることを表し、状態がbのときは、切換スイッチ156が第2接点160に接続されていることを表している。ゲート駆動回路44が、切換スイッチ156を第1接点158に接続させることで、画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VCは、第1電圧となり、その後、切換スイッチ156を第2接点160に接続させることで、画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VCが第2電圧となり、その後、切換スイッチ156を再び第1接点158に接続させることで、画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VCは第1電圧となる。このように、ゲート駆動回路44は、画素アレイ32の全単位画素30の画素負荷容量150のゲートに第1電圧と第2電圧とを交互に印加させることで、画素負荷容量150にパルス信号のゲート駆動信号を与えて、光電子の発生、転送、保持、排出、リセット等を一斉に行う。
しかしながら、切換スイッチ156の接続を第1接点158から第2接点160に切り換えるとき(画素負荷容量150のゲートに印加させる電圧を第1電圧から第2電圧に切り換えるとき)は、図15に示すように第2接点160の電圧V2は、直ぐに第2電圧とならない。したがって、画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VC(ノードNCの電圧)も直ぐに第2電圧とならず、立ち上がりが急峻にならない。
切換スイッチ156の接続を第1接点158から第2接点160に切り換えた場合に、第2接点160の電圧V2が直ぐに第2電圧にならない理由としては、以下の通りである。切換スイッチ156の接続が第2接点160に切り換えられると、第2電圧源154から画素負荷容量150に向かって一気に電流(ピーク電流)が流れるので、配線抵抗R2によって電圧降下が起こり、第2接点160の電圧V2が急激に低下する。その後、画素負荷容量150が充電されていくことで、画素負荷容量150の電圧VCが第2電圧に徐々に近づくので、画素負荷容量150に流れる電流が減少し、それに伴い電圧降下の度合いが低下して第2接点160の電圧V2が第2電圧に近づく。切換スイッチ156によって第2接点160が画素負荷容量150に接続されている場合は、電圧V2によって画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VC(ノードNCの電圧)が決まる。
また、切換スイッチ156の接続を第2接点160から第1接点158に切り換えるとき(画素負荷容量150のゲートに印加させる電圧を第2電圧から第1電圧に切り換えるとき)は、図15に示すように第1接点158の電圧V1は、直ぐに第1電圧とならない。したがって、画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VCも直ぐに第1電圧とならず、ゲート駆動信号の立ち下がりが急峻にならない。
切換スイッチ156の接続を第2接点160から第1接点158に切り換えた場合に、第1接点158の電圧V1が直ぐに第1電圧とならない理由としては、以下の通りである。切換スイッチ156の接続が第1接点158に切り換えられると、画素負荷容量150のノードNCが第1接点158に接続されるので、ノードNCの電圧によって第1接点158の電圧V1は一気に上昇する。その後、画素負荷容量150から配線抵抗R1を介して第1電圧源(グランド)152に電流が流れ、画素負荷容量150が放電されていくことで、第1接点158の電圧V1が徐々に低下して第1電圧で安定する。切換スイッチ156によって第1接点158が画素負荷容量150に接続されている場合は、電圧V1に応じて画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VCが決まる。
図16は、図13のゲート駆動回路44で、画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VCの波形を示す図である。なお、図16においては、切換スイッチ156の切り換え周期を、図15に示す切り換え周期より長くしており、配線抵抗R2の電圧降下による第2接点160の電圧V2の降下及び第1接点158の電圧V1の上昇を誇張して表現している。切換スイッチ156の接続が第1接点158から第2接点160に切り換わると、上述したように、第2電圧源154から画素負荷容量150に向かって一気に電流(ピーク電流)が流れるので、配線抵抗R2によって電圧降下が起こり、画素負荷容量150に印加されるゲート駆動信号の立ち上がりは急峻にならない。また、切換スイッチ156の接続が第2接点160から第1接点158に切り換わると、上述したように、ノードNCの電圧VCによって第1接点158の電圧V1は一気に上昇するので、画素負荷容量150のゲートに印加されるゲート駆動信号の立ち下がりは急峻にならない。
このように、画素負荷容量150を瞬時に充放電できないため、画素負荷容量150に印加されるゲート駆動信号の立ち上がり、立ち下がりが急峻とならず、所望のゲート駆動信号を画素負荷容量150のゲートに印加することができず、高速なグローバルシャッタ動作を行うことができない。また、画素負荷容量150に供給されるゲート駆動信号の振幅(電圧V2−電圧V1)が狭くなり(図15参照)、画素駆動に影響を及ぼしてしまう。
また、図17に示すように、切換スイッチ156の接続を第1接点158から第2接点160に切り換えると、第2接点160の電圧V2は、急激に下がり徐々に第2電圧に近づいていくが、高速に切換スイッチ156の切り換えを連続して行う場合(高速に連続してグローバルシャッタ動作を行う場合)は、第2接点160の電圧V2が第2電圧に復帰する前に、次の切換スイッチ156による第1接点158から第2接点160への切り換えが行われるので、電圧降下の累積により第2接点160の電圧V2はさらに低下してしまう。したがって、第1接点158から第2接点160への切換スイッチ156の切り換えが行われる度に、第2接点160の電圧V2は低下していく。
逆に、切換スイッチ156の接続を第2接点160から第1接点158に切り換える場合も同様であり、高速に切換スイッチ156の切り換えを行う場合は、第1接点158の電圧V1が第1電圧に低下する前に、切換スイッチ156による第2接点160から第1接点158への切り換えが行われるので、電圧上昇の累積により第1接点158の電圧V1は上昇してしまう。したがって、第2接点160から第1接点158への切換スイッチ156の切り換えが行われる度に、第1接点158の電圧V1は上昇していく。これにより、また、画素負荷容量150に供給されるゲート駆動信号の振幅が徐々に狭くなり、画素駆動に影響を及ぼしてしまう。
そこで、本実施の形態のゲート駆動回路44は、図18に示すように、第1接点158と第2接点160との間にコンデンサ(第1コンデンサ)162を設けることとした。また、画素負荷容量の絶縁体側は、第1接点158に接続されている。このコンデンサ162は、画素アレイ32の最外周に隣接した位置に配置されている。さらに、コンデンサ162と画素負荷容量150のゲートの各端子を最短で配線することで、配線抵抗と配線寄生容量とで表される時定数(R×C)を小さくすることが可能で、ゲート駆動信号の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができる。
図19は、図18のゲート駆動回路44で、実際に画素負荷容量150のゲートに電圧が印加されたときの第1接点158及び第2接点160の電圧波形を示す図であり、図20は、図18のゲート駆動回路44で、画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VCの波形を示す図である。なお、図20においては、切換スイッチ156の切り換え周期を、図19に示す切り換え周期より長くしており、配線抵抗R2の電圧降下による第2接点160の電圧V2の低下及び第1接点158の電圧V1の上昇を誇張して表現している。
図19に示すように、切換スイッチ156の接続が第1接点158から第2接点160に切り換わったとき、コンデンサ162が保持した電荷が画素負荷容量150のゲートに供給されるので、画素負荷容量150を瞬時に充電することができ、第2接点160の電圧V2の低下を軽減させることができる。したがって、ゲート駆動信号の立ち上がりをより急峻にすることができる。
また、切換スイッチ156の接続が第2接点160から第1接点158に切り換わると、画素負荷容量150のゲートと絶縁体とが第1接点158に接続されるので、画素負荷容量150が保持した電荷を瞬時に放電させることができ、第1接点158の電圧V1の上昇を抑えることができ、第1接点158の電圧V1が第1電圧まで低下する時間を短くすることができる。
このように、画素負荷容量150を瞬時に充放電することができるので、画素負荷容量150に印加されるゲート駆動信号の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、所望のゲート駆動信号を画素負荷容量150のゲートに印加することができる。したがって、高速なグローバルシャッタ動作を行うことができる。また、画素負荷容量150に供給されるゲート駆動信号の振幅を広くすることができ、画素駆動の精度を向上させることができる。
次に、図21を用いて画素負荷容量150の駆動期間について説明する。図21は、画素負荷容量150が光電変換素子104のフォトゲート110で形成されている場合を例にしている。図21に示すように、1フレーム期間は、露光期間と読出期間とを有し、露光期間は、光電変換素子104に受光を行わせ、受光によって得られた光電子を保持する期間であり、読出期間は、露光期間によって得られた光電子を信号読出線132から読み出すための期間である。
露光期間は、交互に設けられた複数の画素駆動期間及び複数のブランキング期間を有する。画素駆動期間は、光電変換素子104のフォトゲート110(画素負荷容量150)にゲート駆動信号Saが供給されて、光電変換素子104が実際に光電子を発生する期間であり、ブラキング期間は、光電変換素子104のフォトゲート110にゲート駆動信号Saが供給されない期間のことをいう。画素駆動期間に照射装置12が発光信号を発光部24に供給することで、発光部24を駆動させて、照射光Leを測距対象Wに照射するとともに、光電変換素子104を駆動させて、受光を行わせる。画素駆動期間に、光電変換素子104が上述した1回目及び2回目の第1受光期間、及び、1回目及び2回目の第2受光期間の計4回で光を受光するよう、ゲート駆動回路44は、光電変換素子104にゲート駆動信号Saを供給する。
詳しくは、第1受光期間及び第2受光期間の間は、第2電圧が光電変換素子104のフォトゲート110に印加されるように、第1受光期間及び第2受光期間以外の間は、第1電圧がフォトゲート110に印加されるように、ゲート駆動回路44は、切換スイッチ156を駆動させる。これにより、画素駆動期間には、パルス信号のゲート駆動信号が供給される。なお、発光部24は、ハイの発光信号が供給されている期間、光を発光する。
1回目の第1受光期間で得られた光電子は、例えば、光電子振分部106aの光電子保持部114に保持され、2回目の第1受光期間で得られた光電子は、例えば、光電子振分部106bの光電子保持部114に保持され、1回目の第2受光期間で得られた光電子は、光電子振分部106cの光電子保持部114に保持され、2回目の第2受光期間で得られた光電子は、光電子振分部106dの光電子保持部114に保持される。
ブランキング期間中は、切換スイッチ156は、第1接点158に接続されるので、第2電圧源154からの第2電圧がコンデンサ162に印加された状態となり、コンデンサ162が充電される。つまり、画素駆動期間にコンデンサ162が保持した電荷が放電され、ブランキング期間にコンデンサ162に電荷が充電され、コンデンサ162の第1接点158の電圧は第1電圧に、コンデンサ162の第2接点168の電圧は第2電圧に設定される。したがって、画素駆動期間は、コンデンサ162の放電期間であり、ブランキング期間は、コンデンサ162の充電期間となる。これにより、画素駆動期間の時には、コンデンサ162は充電された状態となり、切換スイッチ156の接続が、第1接点158から第2接点160に切り換わったときに、第2接点160の電圧V2の低下を抑制することができる。
なお、第1受光期間及び第2受光期間以外の期間に、光電変換素子104に入射した光により発生した光電子は、ゲート駆動回路44から第3転送ゲート144に排出信号Seが入力され、第3転送部140を介して拡散層142から排出される。画素負荷容量150が光電変換素子104のフォトゲート110で形成されている場合を例にして説明したが、画素負荷容量150を光電変換素子104のフォトゲート110以外のゲート(例えば、光電子保持部114の保持ゲート122)で構成した場合であっても、画素負荷容量150は、画素駆動期間と、ブランキング期間を有する。
上記実施の形態は、以下のように変形してもよい。
(変形例1)変形例1では、ゲート駆動回路44を図22に示すように構成してもよい。つまり、変形例1では、ゲート駆動回路44は、単位画素30の画素負荷容量150のゲートに第3電圧源(中間電圧源)164側に設けられた第3接点166と、第1接点158と第3接点166との間に設けられたコンデンサ(第2コンデンサ)168とを有し、さらに切換スイッチ156は、第1接点158、第2接点160、及び第3接点166を選択的に画素負荷容量150のゲートに印加させるか切り換える。第3電圧は、第1電圧より高く第2電圧より低い中間電圧(中間信号電圧)である。第3電圧源162は、電源20に内蔵されている。なお、第3電圧源164と第3接点166との間に示すR3は、配線抵抗を表しており、図18と同様の構成について同一の符号を付している。コンデンサ168は、画素アレイ32の最外周に隣接した位置に配置されている。
図23は、図22のゲート駆動回路44で、画素負荷容量150のゲートに印加される理想電圧の波形を示す図である。図23で、切換スイッチ156の状態がcのときは、切換スイッチ156が第3接点166に接続されていることを表している。本実施の形態では、ゲート駆動回路44によって、切換スイッチ156を第1接点158に接続させることで、画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VC(ノードNCの電圧)が第1電圧となり、その後、切換スイッチ156を第3接点166に接続させることで、画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VCが第3電圧となる。その後、切換スイッチ156を第2接点160に接続させることで、画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VCは、第2電圧となる。そして、再び、切換スイッチ156を第3接点166に接続さえることで画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VCは第3電圧となり、その後、切換スイッチ156を第1接点158に接続させることで、画素負荷容量150のゲートに印加される電圧VCは第1電圧となる。つまり、ゲート駆動回路44は、画素アレイ32の全単位画素30の画素負荷容量150に第1電圧と第2電圧とを交互に印加させるとともに、印加させる電圧が第1電圧から第2電圧に切り換わる際及び第2電圧から第1電圧に切り換わる際に、第3電圧を印加させることで、画素負荷容量150に略パルス信号のゲート駆動信号を与えて、光電子の発生、転送、排出、リセット等を一斉に行う。
このように、切換スイッチ156の接続を、第1接点158から第2接点160に切り換える際に切換スイッチ156を第3接点166に接続させるので、図24に示すように、切換スイッチ156の接続を第2接点160に切り換えた場合であっても、コンデンサ162の放電により第2接点160の電圧V2の低下が図19の場合に比べ小さくなる。つまり、切換スイッチ156の接続を第1接点158から第2接点160に切り換える際には、まず第3接点166に切換スイッチ156を接続するので、コンデンサ168から画素負荷容量150に電流(電荷)が供給されることで、画素負荷容量150がある程度充電され、その後、切換スイッチ156が第2接点160に接続されるので、コンデンサ162から画素負荷容量150に流れる電流(電荷量)が、従来技術に比べ少なくなる。したがって、第2接点160に切換スイッチ156を接続した場合であっても、第2接点160の電圧V2の電圧降下を抑えることができる。
なお、切換スイッチ156の接続が、第1接点158から第3接点166に切り換わると、コンデンサ168から画素負荷容量150に電流(電荷)が流れるので、第3接点166の電圧V3は低下し、その後、第3接点166の電圧V3は、第3電圧まで徐々に上昇する。また、切換スイッチ156の接続が第2接点160から第3接点166に切り換わると、第3接点166の電圧V3が上昇し、画素負荷容量150から配線抵抗R3を介して第3電圧源164に電流(電荷)が流れるので、第3接点166の電圧V3が低下し第3電圧まで下降する。
このように、第1接点158と第2接点160との間、及び、第1接点158と第3接点166との間に、コンデンサ162、コンデンサ168を設けるので、画素負荷容量150を瞬時に充放電することができるので、画素負荷容量150に印加されるゲート駆動信号の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、所望のゲート駆動信号を画素負荷容量150のゲートに印加することができる。また、画素負荷容量150を2段階に分けて充放電するため、第2電圧源154から画素負荷容量150に供給される電荷量を少なくすることができるので、コンデンサ162の放電による第2接点160の電圧V2の低下を抑えることができる。
したがって、所望の電圧に近い電圧のパルス信号(ゲート駆動信号)を画素負荷容量150のゲートに印加させることができる。したがって、高速なグローバルシャッタ動作を行うことができる。また、画素負荷容量150に供給されるゲート駆動信号の振幅を広くすることができ、画素駆動の精度を向上させることができる。
また、切換スイッチ156の接続を、第1接点158から第2接点160に切り換えるときに、第2接点160の電圧V2が第2電圧に復帰する時間を短くすることができるので、高速に連続してグローバルシャッタ動作を行う場合であっても、電圧降下の累積による第2接点160の電圧V2の低下を抑えることができる。なお、コンデンサ168は、ブランキング期間に充電され、コンデンサ168の第1接点158の電圧は第1電圧に、コンデンサ168の第3接点166の電圧は第3電圧に設定される。
さらに、第3電圧と第1電圧との電位差が、第2電圧と第3電圧との電位差と等しくなるように、第3電圧を設定することで、第3接点166に流れる電荷量、及び第3接点166から流れる電荷量が相殺されるので、第3接点166の電圧は安定する。
(変形例2)上記実施の形態では、単位画素30は、4つの受光装置100を有するようにしたが、単位画素30は、2つ、3つ、5つ等の複数の受光装置100を有してもよく、受光装置100を1つのみ有してもよい。また、受光装置100は、4つの光電子振分部106を有するようにしたが、2つ、3つ、5つ等の複数の光電子振分部106を有してもよく、光電子振分部106を1つのみ有してもよい。
また、切換スイッチ156、第1接点158、第2接点160、及び第3接点166をゲート駆動回路44内に設けるようにしたが、ゲート駆動回路44の外部に設けるようにしてもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。