JP5641776B2 - 建物 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の建物では、地震、風圧等により建物に揺れが生じ、互いに離間して配置される一方の構造材と他方の構造材との間に相対変位が生じると、これらの構造材に連結されている制震手段が該相対変位を抑制するので建物ユニットの揺れを低減できる。なお、構造材とは、例えば、床大梁、天井大梁を上げることができるが、柱等、梁以外の部材であっても良い。
壁内に配置された制震手段を点検するには、外壁または内壁を取り外したり壊さなければならず、多大な手間が係ると共に、制震手段の点検後に壁を修復しなければならず、コストの負担も大きなものとなる。
一方の構造材と他方の構造材とが相対変位すると、減衰装置のボールネジ軸が軸方向に押され(または引っ張られ)、ボールネジ軸に螺合されたナットが回転する共に、ナットに固定された回転内筒が固定外筒の内部で回転する。回転外筒の内部で回転内筒が回転することで、円筒状作用室に密封された粘性流体に剪断力が作用して減衰力が発生する。このようにして得られた減衰力によって、一方の構造材と他方の構造材との相対変位が抑制される。
また、この減衰装置では、ボールネジ軸を他方の構造材から外して、回転内筒に固定されたナットを回転させた際のトルクで、減衰装置の減衰力を間接的に計測することができる。即ち、ナットを回転させた際のトルクが小さければ減衰力は小さく、ナットを回転させた際のトルクが大きければ減衰力は大きいことになる。したがって、予めトルクと減衰力との関係を実験等で調べておけば、計測したトルクから減衰力が分かる。
請求項1に記載の建物では、点検装置のトルク値入力部に、ボールネジ軸の他方の構造材との接続を解除した状態でナットを回転させた際のトルクの値を入力することができる。点検装置は、入力したトルク値が予め設定した基準範囲から外れている場合に報知手段によって報知を行う。
例えば、減衰装置の減衰力が低くなると、ナットを回した際の抵抗、即ちトルクは小さくなる。一方、減衰装置の減衰力が高くなると、ナットを回した際の抵抗、即ちトルクは大きくなる。即ち、ナットを回した際のトルクと、減衰装置の減衰力との間には比例関係があるので、この原理を利用して、減衰力を測定する専用の測定装置を用いず、トルクレンチを用いて簡易的に減衰力を測定することが可能となる。
点検装置には、トルク値の好適な基準範囲(即ち、減衰力の基準範囲に対応する)が予め設定(記憶)されており、減衰装置を点検したときに得られたナットを回した際のトルク値が点検装置に入力されると、点検装置はトルク値の基準範囲と点検時に入力されたトルク値とを比較し、入力したトルク値が予め設定した基準範囲から外れている場合には、報知手段によって報知が行われ、点検した減衰装置が所定(基準)の減衰力を発生できない状態にあることが分かる。したがって、減衰装置の良否を簡単に把握することが可能となる。
請求項2に記載の建物では、室内側の内壁に点検口が設けられているので、室内から制震手段の点検を行うことができる。なお、外壁に点検口を設けた場合、防犯対策を考慮する必要がある。また、外壁の内面に沿って断熱材が設けられている場合、外壁に点検口を設けると、断熱材を取り外さなければ制震手段に辿り着けないが、内壁に点検口が設けられていれば、外壁の内面に沿って設けられた断熱材を取り外す必要は無い。
請求項3に記載の建物では、通常時は、点検口を蓋で閉塞することで、壁内部が見えないようにできる。また、制震手段を点検する際には、蓋を外すことで点検口が開放され、制震手段の点検を行うことができるようになる。
請求項4に記載の建物では、減衰装置が作動すると、減衰装置が作動したことを作動検出手段が検出し、点検装置は、減衰装置が作動したことを表示手段に表示する。したがって、表示手段の表示を見ることで、減衰装置が作動したことが分かる。
減衰装置が作動したことを表示手段に表示することで、建物のメンテナンスを促すことが可能なる。表示手段に表示する内容は特に問わず、表示手段には、例えば、建物のメンテナンス(点検)を促すメッセージ等を表示することができる。
請求項5に記載の建物では、減衰装置が作動すると、減衰装置が作動したことを作動検出手段が検出し、点検装置は、減衰装置が作動したことを予め設定された通信相手に減衰装置が作動したことを自動的に通信する。
また、請求項1に記載の建物によれば、一方の構造材と他方の構造材とが相対変位してボールネジ軸が軸方向に押されると、ボールネジ軸に螺合されたナットが回転する共に、ナットに固定された回転内筒が固定外筒の内部で回転し、円筒状作用室に密封された粘性流体に剪断力が作用して減衰力が発生する。したがって、ボールネジ軸を他方の構造材から外して、回転内筒に固定されたナットを回転させた際のトルクで、減衰装置の減衰力を間接的に計測することができる。
さらに、請求項1に記載の建物によれば、入力したトルク値が予め設定した基準範囲から外れている場合には、報知手段によって報知が行われ、点検した減衰装置の良否が簡単に把握できる。
以下、図1〜図11を用いて、本発明に係る建物の第1の実施形態について説明する。
(本実施形態に係る建物の全体構成)
図1には、本発明の適用された建物10が示されている。本実施形態の建物10は、複数個の建物ユニット60からなる2階建てのユニット建物である。
同様に、床フレーム64は四隅に床仕口部(柱)68を備えており、この床仕口部68に長さが異なる床大梁52、54の長手方向の端部が溶接されている。
本実施形態の建物10の建物ユニット60に設けられている制震装置22について説明する。図1、及び図2に示すように、本実施形態の建物ユニット60には、床大梁52と天井大梁42との間、及び天井大梁44と床大梁54との間に制震装置22が取り付けられている。
なお、以下に、代表して床大梁52と天井大梁42との間に設置される制震装置22を説明する。本実施形態の制震装置22は、以下に説明する、固定フレーム12、ダンパ74、第1のダンパ取付部材70、第2のダンパ取付部材72、サブフレーム76、振れ止めブラケット78等から構成されている。
図3にしたがって、本実施形態のダンパ74の構成を以下に説明する。
図3に示すように、このダンパ74は、中空部を有して筒状に形成された固定外筒82と、この固定外筒82の中空部内に収容されると共に、固定外筒82に対して回転自在に支承された回転内筒86と、先端部がこの回転内筒86に挿入されたボールネジ軸88と、このボールネジ軸88に螺合する固定されたナット90を備えている。
なお、点検口118は、内壁パネル114に形成することに限らず、外壁パネル112に設けても良い。以下に、外壁パネル112の換気口を点検口として利用した例を説明する。
建物10には、図6に示すような点検装置130が設置されている。点検装置130は、各ダンパ毎に設けられるセンサ部130A、及び複数のセンサ部130Aが接続される宅内モニタ部130Bを含んで構成されている。なお、センサ部130Aは制震装置22毎設けられている。
データ取り込み/変換部136は、入力したボールネジ軸88の移動量を軸方向速度(cm/sec)へ変換することができる。
データ処理部138は、ダンパ74の劣化診断と、ダンパ74の監視を行う。ダンパ74の劣化診断とは、トルクレンチ120で測定したナット90のトルク値が、判断基準データベースに記憶されている基準範囲内か否かの判断をすることである。
管理部140は、劣化診断(履歴)記録、及びダンパ74の作動(履歴)記録を行う。
次に、本実施形態の建物10の作用を説明する。
地震、風圧等により建物10に揺れが生じ、互いに平行に配置された天井大梁42と床大梁52との間に梁軸方向の相対変位が生じると、天井大梁42と床大梁52との間に配置された制震装置22が該相対変位を抑制する。同様に、互いに平行に配置された天井大梁42と床大梁52との間に梁軸方向の相対変位が生じると、天井大梁42と床大梁52との間に配置された制震装置22が該相対変位を抑制する。これによって、建物10の揺れが低減される。
先ず、内壁パネル114の蓋119を取り外し、傾斜した第2の柱部材16と固定外筒82との間にダンパ保持冶具152を配置してダンパ74を下側から保持し、ダンパ74を水平に保つ。
各種設定部146を操作して点検装置130を表示モードとすると、判断結果が表示部148に表示される。
ダンパ74が作動したか否かは、例えば、点検装置130に予め基準となるボールネジ軸88の軸方向移動速度(震度)を設定しておき、ボールネジ軸88の軸方向移動速度を常時監視し、ボールネジ軸88の軸移動速度が、予め設定しておいた基準の軸方向移動速度を超えた場合にダンパ74が作動したと判断することが出来る。
また、点検装置130は、予め設定した定期点検時期が来た時に、定期点検時期が来たことを居住者に知らせるために、表示部148に自動的にメッセージを表示することができる。
次に、第2の実施形態に係る建物10を図12にしたがって説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図12に示すように、本実施形態では、第2のダンパ取付部材72にシャフト162の一端が固着されている。
パイプ164の中間部には、軸方向と直交する方向に貫通孔166が形成されており、パイプ164の内部に挿入されたシャフト162の中間部にも、軸方向と直交する方向に貫通孔(図示せず)が形成されている。
上記実施形態のダンパ74は、固定外筒82の内部で回転内筒86を回転させてダンパ効果を得る構造のものであったが、本発明に用いるダンパはこれに限らず、上記実施形態以外の構造のものであっても良い。
上記実施形態のダンパ74は、天井大梁と床大梁の相対変位を抑制するように取り付けられていたが、本発明はこれに限らず、建物10が揺れた際に相対変位する2つの部材を連結するようにダンパ74が設けられていれば良く、ダンパ74を連結する部材としては、例えば、柱等の梁以外の建物構造体であっても良い。
上記実施形態の制震装置22は、外壁パネル112と内壁パネル114との間に配置されていたが、本発明はこれに限らず、外壁パネル112と内壁パネル114との間以外に配置される場合もある。制震装置22は、例えば、室内の間仕切壁の内部に配置される場合があり、この場合、間仕切壁に点検口118を設ける。
上記実施形態では、点検口118を蓋119で閉塞したが、点検口118は常時開放されていても良い。
22 制震装置
42 天井大梁(他方の構造材)
44 天井大梁(他方の構造材)
52 床大梁(一方の構造材)
54 床大梁(一方の構造材)
74 ダンパ(減衰装置)
82 固定外筒
86 回転内筒
88 ボールネジ軸
90 ナット
112 外壁パネル(壁)
114 内壁パネル(壁)
118 点検口
119 蓋
124 孔(点検口)
130 点検装置
134 変位センサ(作動検出手段)
136 データ取り込み/変換部(トルク値入力部)
148 表示部(表示手段)
151 LEDランプ(報知手段)
Claims (5)
- 互いに離間して配置される2つの構造材を互いに連結し、一方の前記構造材と他方の前記構造材との相対変位を抑制する制震手段を壁内に備えた建物であって、
壁に前記制震手段を点検するための点検口が設けられ、
前記制震手段は、一方の前記構造材に連結される円筒状に形成された固定外筒と、前記固定外筒の内部に回転自在に収容され前記固定外筒の内周壁との間に円筒状作用室を形成する回転内筒と、前記円筒状作用室に密封された粘性流体と、一端が他方の前記構造材に連結されると共に外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたボールネジ軸と、前記回転内筒に固定され前記ボールネジ軸に螺合するナットと、を含んで構成された減衰装置を有し、
前記ボールネジ軸の他方の前記構造材との接続を解除した状態で前記ナットを回転させた際のトルクの値を入力するトルク値入力部を有し、入力したトルク値が予め設定した基準範囲から外れている場合に報知手段によって報知を行う点検装置が設置されている、建物。 - 前記点検口は内壁に形成されている、請求項1に記載の建物。
- 前記点検口は開閉可能な蓋で閉塞されている、請求項1または請求項2に記載の建物。
- 前記減衰装置が作動したことを検出する作動検出手段を備え、前記点検装置は、前記作動検出手段が前記減衰装置の作動を検出した際に、表示手段によって表示を行う、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の建物。
- 前記点検装置は、前記作動検出手段が前記減衰装置の作動を検出した際に、予め設定された通信相手に前記減衰装置が作動したことを通信する、請求項4に記載の建物。
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