図1は本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2はエンジン22の構成の概略を示す構成図であり、図3はモータMG1,MG2を含む電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して接続されたモータMG2と、直流電流を交流電流に変換してモータMG1,MG2に供給可能なインバータ41,42と、バッテリ50からの電力をその電圧を変換してインバータ41,42に供給可能な昇圧回路55と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室内に取り付けられた圧力センサ143からの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124の開度を検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットル開度TH,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号AF,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,空燃比センサ135aからの空燃比AF,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングであるバルブタイミングVTの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、図3に示すように、いずれも外表面に永久磁石が貼り付けられたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備える周知の同期発電電動機として構成されている。インバータ41,42は、6つのトランジスタT11〜T16,T21〜26と、トランジスタT11〜T16,T21〜T26に逆方向に並列接続された6つのダイオードD11〜D16,D21〜D26と、により構成されている。トランジスタT11〜T16,T21〜T26は、それぞれインバータ41,42が電力ライン54として共用する正極母線54aと負極母線54bとに対してソース側とシンク側になるよう2個ずつペアで配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータMG1,MG2の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、正極母線54aと負極母線54bとの間に電圧が作用している状態で対をなすトランジスタT11〜T16,T21〜T26のオン時間の割合を制御することにより三相コイルに回転磁界を形成でき、モータMG1,MG2を回転駆動することができる。インバータ41,42は、正極母線54aと負極母線54bとを共用しているから、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータに供給することができる。正極母線54aと負極母線54bとには平滑用のコンデンサ57が接続されている。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜T26へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm
2も演算している。
昇圧回路55は、図3に示すように、2つのトランジスタT31,T32とトランジスタT31,T32に逆方向に並列接続された2つのダイオードD31,D32とリアクトルLとにより構成されている。2つのトランジスタT31,T32は、それぞれインバータ41,42の正極母線54aと負極母線54bとに接続されており、その接続点にリアクトルLが接続されている。また、リアクトルLと負極母線54bとにはそれぞれシステムメインリレー56を介してバッテリ50の正極端子と負極端子とが接続されている。したがって、トランジスタT31,T32をオンオフ制御することによりバッテリ50の直流電力をその電圧を昇圧してインバータ41,42に供給したり正極母線54aと負極母線54bとに作用している直流電圧を降圧してバッテリ50を充電したりすることができる。リアクトルLと負極母線54bとには平滑用のコンデンサ58が接続されている。以下、昇圧回路55より電力ライン54側を高電圧系といい、昇圧回路55よりバッテリ50側を低電圧系という。
バッテリ50は、例えば、リチウムイオン二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧Vb,バッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた電流センサ51bからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサ51bにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいて残容量SOCを演算したり、バッテリ50の入出力制限Win,Woutを設定したりしている。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、昇圧回路55に取り付けられ昇圧回路55の温度を検出する温度センサ55aからの昇圧回路55の温度や電圧センサ57aからのコンデンサ57の電圧(以下、高電圧系の電圧VHという),電圧センサ58aからのコンデンサ58の電圧,イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、昇圧回路55のトランジスタT31,T32へのスイッチング制御信号やシステムメインリレー56への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力
がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図4はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ること(Nr=Nm2/Gr)によって求めることができる。
続いて、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS120)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図6に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS130)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
そして、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(3)により計算すると共に(ステップS140)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(4)および式(5)により計算すると共に(ステップS150)、設定した仮トルクTm2tmpを式(6)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS160)。ここで、式(3)は、図7の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (6)
続いて、設定した要求トルクTr*と閾値Trefとを比較する(ステップS170)。ここで、閾値Trefは、昇圧回路55の損失を低減するために高電圧系の電圧VHの上限値を低くするか否かを判定するための閾値として設定されるものとした。要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときには、高電圧系の電圧VHの上限値を低くする際には値1が設定される昇圧低減実行フラグF1に値1を設定すると共に(ステップS180)、エンジン22のアクセル開度AccやバルブタイミングVTを設定する際に用いるなまし処理の時定数を修正する際には値1が設定されるなまし修正実行フラグF2に値0を設定する(ステップS190)。
そして、要求トルクTr*が閾値Tref以上であるときには、昇圧低減実行フラグF1に値0を設定して(ステップS200)、続いて、前回本ルーチンを実行したときに設定した要求トルクTr*にモータMG2の回転数Nm2を乗じたものを減速ギヤ35のギヤ比Grで割った走行用パワーPdrv(前回Pdrv)から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに実際に出力されている駆動軸パワーPrを減じた値と閾値dPrefとを比較する(ステップS210)。ここで、駆動軸パワーPrは、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流と高電圧系の電圧VHとに基づいて推定されるモータMG1,MG2から出力されるトルクTm1,Tm2と前述したリングギヤ軸32aの回転数Nrとを用いて次式(7)により計算したものを用いるものとした。また、閾値dPrefは、前回Pdrvに対して駆動軸パワーPrが追従しているか否かを判定するための閾値として設定されるものとした。
Pr=(Tm2・Gr-Tm1/ρ)・Nr (7)
前回Pdrvから駆動軸パワーPrを減じた値が閾値dPref未満であるときには、走行用パワーPdrvに対して実際に駆動軸パワーPrが応答性よく追従しているため、エンジン22のアクセル開度AccやバルブタイミングVTを設定する際に用いられるなまし処理のなまし定数(時定数)を修正する必要がないと判断して、なまし修正実行フラグF2を値0に設定し(ステップS210,S190)、前回Pdrvから駆動軸パワーPrを減じた値が閾値dPref以上であるときには、要求パワーPe*に対して実際に駆動軸パワーPrが応答性よく追従していないため、エンジン22のアクセル開度AccやバルブタイミングVTを設定する際に用いられるなまし処理の時定数を修正したほうがよくいと判断して、なまし修正実行フラグF2を値1に設定する(ステップS210,S220)。
続いて、昇圧回路55を制御する昇圧制御を実行する(ステップS230)。ここで、駆動制御の説明を一旦中断して、昇圧制御を説明する。図8は、昇圧制御の一例を示すフローチャートである。昇圧制御では、設定したトルク指令Tm1*と回転数Nm1とに基づいてモータMG1を駆動するインバータ41が必要な電圧としてのインバータ必要電圧Vinv1*をマップを用いて設定すると共に設定したトルク指令Tm2*と回転数Nm2とに基づいてモータMG2を駆動するインバータ42が必要な電圧としてのインバータ必要電圧Vinv2*をマップを用いて設定し(ステップS300)、設定したインバータ必要電圧Vinv1*,Vinv2*のうち大きいほうを全体のインバータ必要電圧Vinv*として設定する(ステップS310)。
続いて、昇圧低減実行フラグF1の値を調べ(ステップS320)、昇圧低減実行フラグF1が値0であるときには、昇圧上限値Vlimに昇圧回路55が昇圧可能な最大電圧Vhi(例えば、650Vなど)を設定し(ステップS330)、昇圧低減実行フラグF1が値1であるときには、昇圧上限値Vlimに最大電圧Vhiより低い電圧である電圧Vlo(例えば、300Vなど)を設定し(ステップS340)、設定したインバータ必要電圧Vinv*と昇圧上限値Vlimとのうち小さいほうの電圧を仮電圧指令VHtmpに設定する(ステップS350)。そして、前回昇圧制御を実行する際に設定された電圧指令VH*(前回VH*)からレートRで仮電圧指令VHtmpに向けて変化するよう電圧指令VH*を設定して(ステップS360)、高電圧系の電圧VHが設定した電圧指令VH*になるよう昇圧回路55のトランジスタT31,T32をスイッチング制御して(ステップ370)、本制御を終了する。こうした処理により、昇圧低減実行フラグF1が値1であるときには、昇圧低減実行フラグF1が値0であるときより低い昇圧上限値Vlim(電圧Vlo)の範囲内で高電圧系の電圧VHをレートRで変化させるから、高電圧系の電圧VHを昇圧上限値Vlim以下の電圧することができ、昇圧回路55の損失を抑制することができる。
駆動制御の説明に戻ると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*,なまし修正実行フラグF2についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS240)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*となまし修正実行フラグF2とを受信したエンジンECU24は、後述するエンジン制御ルーチンを実行する。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
ここで、エンジン制御ルーチンについて説明する。図9は、エンジンECU24により実行されるエンジン制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、ハイブリッド用電子制御ユニット70から送信された目標回転数Ne*と目標トルクTe*となまし修正実行フラグF2とが受信されたときに実行される。
エンジン制御処理が実行されると、エンジンECU42は、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*,なまし修正実行フラグF2など必要なデータを入力する処理を実行し(ステップS400)、目標回転数Ne*と目標トルクTe*でエンジン22を効率よく運転可能なスロットル開度としてマップを用いて定められる仮スロットル開度THtmpと目標回転数Ne*と目標トルクTe*とでエンジン22を効率よく運転可能なバルブタイミングとしてマップを用いて定められる仮バルブタイミングVTtmpとを設定する(ステップS410)。
続いて、なまし修正実行フラグF2の値を調べる(ステップS420)。なまし修正実行フラグF2が値0のときには、仮スロットル開度THtmpと前回に本ルーチンが実行されたときにこの処理で設定した目標スロットル開度TH*(前回TH*)となまし定数n1とを用いて次式(8)により目標スロットル開度TH*を設定し(ステップS430)、仮バルブタイミングVTtmpと前回に本ルーチンが実行されたときにこの処理で設定した目標バルブタイミングVT*(前回VT*)となまし定数n3とを用いて次式(9)により目標バルブタイミングVT*を設定し(ステップS440)、スロットル開度THが設定した目標スロットル開度TH*となるようスロットルバルブ124を制御すると共にバルブタイミングVTが設定した目標バルブタイミングVH*になるよう可変バルブタイミング機構150を制御すると共に点火制御や燃料噴射制御などエンジン22の運転に必要な制御を実行する(ステップS470)。ここで、なまし定数n1(0<n1<1)は、目標スロットル開度TH*を緩変化させるために用いられるものであり、その値が小さいほど(値0に近いほど)仮スロットル開度THtmpに対する目標スロットル開度TH*の追従性が高くなり要求パワーPe*に対して実際にエンジン22から出力されるパワーの応答性が向上する。また、なまし定数n3(0<n3<1)は、目標バルブタイミングVT*を緩変化させるために用いられるものであり、その値が小さいほど(値0に近いほど)仮バルブタイミングVTtmpに対する目標バルブタイミングVT*の追従性が高くなり要求パワーPe*に対して実際にエンジン22から出力されるパワーの応答性が向上する。こうしたなまし定数n1,n3は、要求パワーPe*に対して実際にエンジン22から出力されるパワーの応答性をある程度確保しつつエンジン22を効率よく運転可能な定数として実験や解析などで求めたものを用いるものとした。
TH*=(1-n1)・前回TH*+n1・THtmp (8)
VT*=(1-n3)・前回VT*+n3・VTtmp (9)
なまし修正実行フラグF2が値1のときには、仮スロットル開度THtmpと前回TH*となまし定数n2(0<n2<1)とを用いて次式(10)により目標スロットル開度TH*を設定し(ステップS450)、仮バルブタイミングVTtmpと前回VT*となまし定数n4(0<n4<1)とを用いて次式(11)により目標バルブタイミングVT*を設定し(ステップS460)、スロットル開度THが設定した目標スロットル開度TH*となるようスロットルバルブ124を制御すると共にバルブタイミングVHが設定したバルブタイミングVH*になるよう可変バルブタイミング機構150を制御する(ステップS470)。ここで、なまし定数n2は、なまし定数n1より値が小さいものとし、なまし定数n4は、なまし定数n3より値が小さいものとした。こうしてなまし定数n2,n4を設定することにより、要求パワーPe*に対してエンジン22から実際に出力されるパワーの応答性を向上させることができる。
TH*=(1-n2)・前回TH* +n2・THtmp (10)
VT*=(1-n4)・前回VT*+n4・VTtmp (11)
ここで、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときにアクセルペダル83が踏み込まれて要求トルクTr*が閾値Tref以上になったときを考える。図10は、要求トルクTr*が閾値Tref未満の状態から要求トルクTr*が閾値Tref以上になったときのアクセル開度Accと駆動軸としてリングギヤ軸32aの実際に出力される駆動軸パワーPrと高電圧系の電圧VHとモータMG2から出力されているモータトルクとエンジン22から出力されていると推定されるエンジントルクの時間変化の一例を示す説明図である。図中、破線は、図9のエンジン制御ルーチンで、なまし修正フラグF2の値に拘わらず、スロットル開度THになまし定数n1を用いたなまし処理を施した目標スロットル開度TH*とバルブタイミングVTになまし定数n2を用いたなまし処理を施して目標バルブタイミングVT*とによりエンジン22を運転した場合を示している。アクセルペダル83がさほど踏み込まれておらず、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときには、図4の駆動制御ルーチンで、昇圧低減実行フラグF1が値1に設定されると共になまし修正実行フラグF2が値0に設定されるから(ステップS170〜S190)、図8の昇圧制御ルーチンで、昇圧上限値Vlim(電圧Vlo)の範囲内でレートRで仮電圧指令VHtmpに向けて変化する電圧指令VH*で昇圧回路55を制御する(ステップS320,S330,S350,S360)。こうした制御により、図示するように、高電圧系の電圧VHをレートRで昇圧上限値Vlim以下の範囲の電圧に減少させることができ、昇圧回路55での損失を抑制することができる。このとき、エンジン22については、図9のエンジン制御ルーチンで、なまし修正実行フラグF2が値0のときには、スロットル開度THになまし定数n1を用いたなまし処理を施した目標スロットル開度TH*とバルブタイミングVTになまし定数n2を用いたなまし処理を施して目標バルブタイミングVT*とによりエンジン22を運転するから(ステップS420〜S440,S470)、エンジン22を比較的効率よく運転しながら要求トルクTr*に基づくパワーで走行することができる。
こうした状態でアクセルペダルが踏み込まれて要求トルクTr*が閾値Tref以上になると、図4の駆動制御ルーチンのステップS200の処理で、昇圧低減実行フラグF1が値1に設定されて、昇圧上限値Vlim(電圧Vhi)の範囲内で、レートRで仮電圧指令VHtmpに向けて変化する電圧指令VH*で昇圧回路55が制御される。このとき、電圧指令VH*はレートRでしか増加しないため、スロットル開度THになまし定数n1を用いたなまし処理を施した目標スロットル開度TH*とバルブタイミングVTになまし定数n2を用いたなまし処理を施して目標バルブタイミングVT*とによりエンジン22を運転すると、図10中の破線で示すように、駆動軸パワーPrが要求パワーPeに追従することができなくなる。実施例では、前回Pdrvからリングギヤ軸32aに実際に出力されている駆動軸パワーPrを減じた値が閾値dPref以上であるとき、すなわち、要求パワーPe*に対して駆動軸パワーPrの追従性が低いときには、図4の駆動制御ルーチンで、なまし修正実行フラグF2を値1に設定することにより(ステップS230)、図9のエンジン制御ルーチンで、スロットル開度THになまし定数n2を用いたなまし処理を施した目標スロットル開度TH*とバルブタイミングVTになまし定数n4を用いたなまし処理を施して目標バルブタイミングVT*とによりエンジン22を運転するから(ステップS420,S450〜S470)、エンジン22から応答性よくパワーを出力することができ、運転者の加速要求により迅速に対応することができる。
なお、こうしてエンジン22を応答性よく運転している最中に、前回Pdrvからリングギヤ軸32aに実際に出力されている駆動軸パワーPrを減じた値が閾値dPref未満となったとき、すなわち、高電圧系の電圧VHが電圧指令VH*に近づいて要求パワーPe*に対して駆動軸パワーPrが追従したときには、図4の駆動制御ルーチンで、なまし修正実行フラグF2が値0に設定されて(ステップS210,S190)、図9のエンジン制御ルーチンで、スロットル開度THになまし定数n1を用いたなまし処理を施した目標スロットル開度TH*とバルブタイミングVTになまし定数n3を用いたなまし処理を施して目標バルブタイミングVT*とによりエンジン22を運転するから(ステップS420〜S440,S470)、エンジン22を効率よく運転しながら要求トルクTr*に基づくパワーで走行することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときには、高電圧系の電圧VHが要求トルクTr*が閾値Tref以上であるときより低い昇圧上限値Vlim(電圧Vlo)の範囲内で要求トルクTr*に基づいて設定される電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御すると共に要求トルクTr*に基づくトルクで走行するようエンジン22やモータMG1,MG2を制御し、こうした制御を実行している最中に要求トルクTr*が閾値Tref以上になったときには、高電圧系の電圧VHが昇圧上限値Vlim(電圧Vhi)の範囲内で要求トルクTr*に基づいて設定される電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御すると共にエンジン22を応答性よく運転しながら要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22やモータMG1,MG2を制御することにより、加速要求により迅速に対応することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、図9のエンジン制御ルーチンのステップS430〜S460の処理で、エンジン22のスロットル開度THとバルブタイミングVTとにたいしてなまし処理を施した制御量で制御するものとしたが、エンジン22のスロットル開度THとバルブタイミングVTとの一方のみになまし処理を施すものとしてもよくい。
実施例のハイブリッド自動車20では、要求トルクTr*が閾値Tref未満のときには、高電圧系の電圧VHが要求トルクTr*が閾値Tref以上であるときより低い昇圧上限値Vlim(電圧Vlo)の範囲内で要求トルクTr*に基づく電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御するものとしたが、要求トルクTr*が閾値Tref未満のときには昇圧回路55のトランジスタT31,T32を共にオフとすることにより、昇圧回路55における昇圧を行なわずに高電圧系の電圧VHをバッテリ50の電圧にするものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図11における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例では、ハイブリッド自動車20を主としてエンジン22とエンジンECU24と動力分配統合機構30とモータMG1,MG2とインバータ41,42とバッテリ50とハイブリッドECU70とによって構成したシリーズ−パラレルハイブリッド自動車としたが、走行用の動力を出力するエンジンとモータとを備える自動車であれば如何なる構成のハイブリッド自動車としても構わない。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。本発明の第1のハイブリッド自動車において、実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「二次電池」に相当し、昇圧回路55が「昇圧回路」に相当し、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときには昇圧回路55のトランジスタT31,T32を共にオフして昇圧回路55による昇圧を伴わずに要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると共になまし修正実行フラグF2を値0に設定してエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,なまし修正実行フラグF2をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する図4の駆動制御ルーチンのステップS110〜S170,S190,S240の処理や、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときにアクセルペダル83が踏み込まれて要求トルクTr*が閾値Tref以上になったときには要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し、昇圧低減実行フラグF1を値0に設定すると共になまし修正実行フラグF2を値1に設定して、高電圧系の電圧VHが昇圧上限値Vlim(電圧Vhi)の範囲内で設定される電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御するエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,なまし修正実行フラグF2をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する図4の駆動制御ルーチンのステップS110〜S170,S200〜S240の処理、図8の昇圧制御ルーチンを実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と目標回転数Ne*と目標トルクTe*となまし修正実行フラグF2とを受信して図9のエンジン制御ルーチンを実行するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
本発明の第2のハイブリッド自動車において、実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「二次電池」に相当し、昇圧回路55が「昇圧回路」に相当し、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときには昇圧回路55のトランジスタT31,T32を共にオフして昇圧回路55による昇圧を伴わずに要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると共になまし修正実行フラグF2を値0に設定してエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,なまし修正実行フラグF2をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する図4の駆動制御ルーチンのステップS110〜S170,S190,S240の処理や、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときにアクセルペダル83が踏み込まれて要求トルクTr*が閾値Tref以上になったときには要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し、昇圧低減実行フラグF1を値0に設定すると共になまし修正実行フラグF2を値1に設定して、高電圧系の電圧VHが昇圧上限値Vlim(電圧Vhi)の範囲内で設定される電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御するエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,なまし修正実行フラグF2をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する図4の駆動制御ルーチンのステップS110〜S170,S200〜S240の処理、図8の昇圧制御ルーチンを実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と目標回転数Ne*と目標トルクTe*となまし修正実行フラグF2とを受信して図9のエンジン制御ルーチンを実行するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
本発明の第3のハイブリッド自動車において、実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「二次電池」に相当し、昇圧回路55が「昇圧回路」に相当し、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときには、要求トルクTr*が閾値Tref以上であるときより低くなるよう昇圧上限値Vlimを設定する図4の駆動制御ルーチンのステップS170,S200,S230,図8の昇圧制御ルーチンのステップS320,S330の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「昇圧上限値設定手段」に相当し、昇圧上限値Vlimの範囲内でトルク指令Tm1*,Tm2*,回転数Nm1,Nm2に基づいて電圧指令VH*を設定する図8の昇圧制御ルーチンのステップS350〜S370の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「目標電圧設定手段」に相当し、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときには要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると共に高電圧系の電圧VHが電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御してエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,なまし修正実行フラグF2をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する図4の駆動制御ルーチンのステップS110〜S160,S190,S230,S240の処理や図8の昇圧制御ルーチンを実行し、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときにアクセルペダル83が踏み込まれて要求トルクTr*が閾値Tref以上になったときには要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると共になまし修正実行フラグF2を値0に設定して、高電圧系の電圧VHが電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御すると共にエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,なまし修正実行フラグF2をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する図4の駆動制御ルーチンのステップS110〜S160,S200〜S240の処理、図8の昇圧制御ルーチンを実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と目標回転数Ne*と目標トルクTe*となまし修正実行フラグF2とを受信して図9のエンジン制御ルーチンを実行するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
ここで、本発明の第2のハイブリッド自動車では、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力するエンジン22に限定されるものではなく、水素エンジンなど走行用の動力を出力するものであれば如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、走行用の動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「二次電池」としては、バッテリ50に限定されるものではなく、充放電可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「昇圧回路」としては、昇圧回路50に限定されるものではなく、二次電池の電圧を昇圧して電動機に供給可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときには要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定して、高電圧系の電圧VHが昇圧上限値Vlim(電圧Vlo)の範囲内で設定される電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御すると共に要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,トルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジン22やモータMG1,MG2を制御したり、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときにアクセルペダル83が踏み込まれて要求トルクTr*が閾値Tref以上になったときには、要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し、高電圧系の電圧VHが昇圧上限値Vlim(電圧Vhi)の範囲内で設定される電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御すると共にエンジン22を応答性よく運転しながら要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22を運転制御したりトルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2を制御するものに限定されるものではなく、走行に要求される要求トルクに対して、昇圧回路による昇圧を伴って電動機および内燃機関で応答するときには、昇圧回路による昇圧を伴わずに電動機および内燃機関で応答するときよりも、内燃機関の応答性を向上するように内燃機関を制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
また、本発明の第2のハイブリッド自動車では、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力するエンジン22に限定されるものではなく、水素エンジンなど走行用の動力を出力するものであれば如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、走行用の動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「二次電池」としては、バッテリ50に限定されるものではなく、充放電可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「昇圧回路」としては、昇圧回路50に限定されるものではなく、二次電池の電圧を昇圧して電動機に供給可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときには要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定して、高電圧系の電圧VHが昇圧上限値Vlim(電圧Vlo)の範囲内で設定される電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御すると共に要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,トルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジン22やモータMG1,MG2を制御したり、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときにアクセルペダル83が踏み込まれて要求トルクTr*が閾値Tref以上になったときには、要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し、高電圧系の電圧VHが昇圧上限値Vlim(電圧Vhi)の範囲内で設定される電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御すると共にエンジン22を応答性よく運転しながら要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22を運転制御したりトルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2を制御するものに限定されるものではなく、走行に要求される要求トルクが予め定められた所定トルク未満であるときには昇圧回路による昇圧を伴わずに要求トルクに基づくトルクにより走行するよう内燃機関と電動機と昇圧回路とを制御する低トルク時制御を実行し、低トルク時制御を実行している最中に要求トルクが所定トルク以上になったときには、昇圧回路の電動機側の電圧である電動機側電圧が要求トルクに基づく目標電圧になるよう昇圧回路を制御すると共に内燃機関を低トルク時制御を実行している最中より応答性よく運転しながら要求トルクに基づくトルクにより走行するよう内燃機関と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
さらに、本発明の第3のハイブリッド自動車では、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力するエンジン22に限定されるものではなく、水素エンジンなど走行用の動力を出力するものであれば如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、走行用の動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「二次電池」としては、バッテリ50に限定されるものではなく、充放電可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「昇圧上限値設定手段」としては、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときには、要求トルクTr*が閾値Tref以上であるときより低くなるよう昇圧上限値Vlimを設定するものに限定されるものではなく、走行に要求される要求トルクが予め定められた所定トルク未満であるときには、要求トルクが所定トルク以上であるときより低くなるよう昇圧上限値を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「目標電圧設定手段」としては、昇圧上限値Vlimの範囲内でトルク指令Tm1*,Tm2*,回転数Nm1,Nm2に基づいて電圧指令VH*を設定するものに限定されるものではなく、設定された昇圧上限値の範囲内で要求トルクに基づいて昇圧回路の電動機側の目標電圧を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときには高電圧系の電圧VHが電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御すると共に要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22やモータMG1,MG2を制御し、要求トルクTr*が閾値Tref未満であるときにアクセルペダル83が踏み込まれて要求トルクTr*が閾値Tref以上になったときには高電圧系の電圧VHが電圧指令VH*になるよう昇圧回路55を制御すると共にエンジン22をより応答性よく運転しながら要求トルクTr*に基づくトルクにより走行するようエンジン22やモータMG1,MG2を制御するものに限定されるものではなく、走行に要求される要求トルクが予め定められた所定トルク未満であるときには、電動機側電圧が設定された目標電圧になるよう昇圧回路を制御すると共に要求トルクに基づくトルクにより走行するよう内燃機関と電動機とを制御する低トルク時制御を実行し、低トルク時制御を実行している最中に要求トルクが所定トルク以上になったときには、電動機側電圧が設定された目標電圧になるよう昇圧回路を制御すると共に内燃機関を低トルク時制御を実行している最中より応答性よく運転しながら要求トルクに基づくトルクにより走行するよう内燃機関と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。