JP5644582B2 - 粉粒体搬送時の発塵抑制方法 - Google Patents
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しかし、このような粉塵の集塵設備は、原料の搬送経路を網羅する吸引管、集塵機、吸引ブロワ、排気塔などを備え、大掛かりな設備となり、使用にあっては、細かなメンテナンスや調整も欠かせない。このため、簡便な発塵抑制手段として、水の散布も行われているが、原料の水分上昇を招くこととなり、品質やエネルギー面において好ましくない。
このような状況に対し、簡易的に、かつ極力少ない水分で、発塵を抑制したいというニーズがあり、その一手段として、泡沫を用いる技術が、従来から検討され使用されている。
また、特許文献2には、原料の移送に当たり、粉塵発生箇所を泡沫で遮蔽する方法が開示されている。具体的には、コンベアの乗り継ぎ部での原料の発塵を防止する目的で、乗り継ぎ部に設置されたシュートの下流に対し、原料の上方から泡沫を散布している。また、船積時の船倉内の発塵を防止する目的で、泡沫を、旋回シュートからの原料放流部に向けて上方から投射し、泡沫で原料の積込層上を遮蔽している。
特許文献1に記載の方法は、泡沫で発塵箇所を遮蔽することを前提としており、多量の泡沫が必要であった。また、多量の泡沫を、稼動しているコンベア上に確実に供給することも困難が多い。更に、粉粒体の層内部にある粉塵に対しては、泡沫が接触し難く、続く乗り継ぎ部で再度発塵するため、複数の乗り継ぎ部ごとに多量の泡沫を供給しなければならず、例えば、多数の泡供給装置の設置や多量の泡沫の散布が必要であった。
特許文献2に記載のコンベアの乗り継ぎ部の発塵防止方法は、泡沫シュート部をコンベアのシュート上方に配置して、原料を泡沫で覆っているため、特許文献1と同様、多量の泡沫が必要であった。また、船積時の船倉内の発塵防止方法も、泡沫を供給する発泡器を、旋回シュートからの原料放流部よりも上方に配置して、原料放流部に向かって泡沫を投射し原料を泡沫で覆っているため、特許文献1と同様、多量の泡沫が必要であった。
従って、上記したように、少なくとも粉粒体層の下層側を泡に接触させることにより、多くの微粉を泡に接触させることができるため、多量の泡を用いることなく、効率的かつ経済的に粉粒体の発塵を抑えることが可能になる。
図1を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る粉粒体搬送時の発塵抑制方法を使用する粉粒体の搬送設備(以下、単に搬送設備ともいう)10について説明する。
搬送設備10は、粉粒体11の貯留ホッパー12と、この貯留ホッパー12から切り出された粉粒体11を水平方向に搬送する複数(ここでは、2台)のベルトコンベア(搬送装置の一例)13、14と、粉粒体11の搬送方向に隣り合うベルトコンベア13、14の乗り継ぎ部に配置されたシュート15とを有している。
また、粉粒体11の搬送には、ベルトコンベア13、14を使用したが、これに限定されるものではなく、搬送する粉粒体の種類や搬送経路(例えば、水平、斜行、垂直)に応じて、例えば、バケットコンベア、スラットコンベア、スチールコンベア、スクリューコンベア等の搬送装置を使用することもできる。なお、搬送装置の設置台数も、搬送経路に応じて、1台でもよく、また3台以上の複数台としてもよい。
この泡製造装置16には、複数(ここでは、2本)のホース17、18が接続され、各ホース17、18の下流側端部にそれぞれ、泡製造装置16で製造された泡を放出する(吹き付ける)ためのノズル(泡放出手段)19、20が取り付けられている。
泡製造装置16は、水に界面活性剤(薬剤)と空気を混合して泡(泡沫)を製造する従来公知の装置(例えば、特許文献1、2に記載の装置)等を使用できる。なお、ここでは、泡製造装置16を1台使用したが、搬送設備の構成に応じて複数台設置してもよい。
この各ノズル19、20の泡の放出口(噴出口)21、22は、いずれもベルト23、24上に積載された際に下層側となる落下中の粉粒体11に向けられている。
また、泡を放出するノズル19、20を2本使用したが、粉塵の発生範囲や発生箇所数に応じて、3本以上使用することもできる(ホースの本数も同様)。
更に、泡を放出するノズルの構成も、上記した構成に限定されるものではなく、例えば、長手方向に同一又は異なるピッチで形成された放出口を備える配管とし、これを、粉粒体の搬送方向(ベルトの移動方向)と直交する方向に配置することもできる。
図1に示すように、粉粒体搬送時の発塵抑制方法は、各ベルトコンベア13、14を用いて粉粒体11を搬送するに際し、各ベルトコンベア13、14に粉粒体11が積載される前に、各ベルトコンベア13、14のベルト23、24の積載面25、26上に泡を供給する方法である。詳細には、貯留ホッパー12から、上流側のベルトコンベア13に粉粒体11が切り出される(落下する)前のベルト23の積載面25上に、泡をノズル19で連続的に供給する。また、上流側のベルトコンベア13から、シュート15を介して下流側のベルトコンベア14に粉粒体11が落下する前のベルト24の積載面26上に、泡をノズル20で連続的に供給する。
このとき、各ベルト23、24上に供給される泡は、落下中の粉粒体11に、その側方(積載面25、26上に積載された際に下層側となる方向)からも接触している。なお、泡を、上記した落下中の粉粒体11の側方のみに接触するように放出して(吹き付けて)、粉粒体11と泡を落下させ、各ベルト23、24上に粉粒体11が積載される前に、その積載面25、26上に泡を供給することもできる。
図2に示す従来の粉粒体の搬送設備では、泡製造装置16にホース17、18を介して取り付けられた2本のノズル19、20が、粉粒体11の上面に対して泡を放出できるようにしている。具体的には、上流側のノズル19が、貯留ホッパー12aから切り出される粉粒体11に対して、上方から泡を吹き付けており、貯留ホッパー12aからの落下途中で粉粒体11に泡を吹き付け、その後、粉粒体11が落下回転する過程で、泡を粉粒体11に混合することを狙ったものである。また、下流側のノズル20は、粉粒体11がベルトコンベア13からベルトコンベア14へ乗り継ぐ直前で、粉粒体11の上方から泡を供給して、乗り継ぎの転動過程で泡を粉粒体11に混合することを狙ったものである。
しかしながら、この搬送設備では、十分な発塵抑制効果を得ることができなかった。その原因は、泡と粉粒体の混合効果が小さく、特に発塵源である微粉に対して泡を十分に接触させることができていないためだと考えられる。
本発明者らが、粉粒体と泡の状態を詳細に観察した結果、粉粒体層の上面側は比較的粗粒が多く、下層側に発塵源である微粉が多いことが判明した。これは、粉粒体が転動する過程で粒度偏析を生じ、粗粒が上方に、また微粉が下方に、それぞれ集まるためである。
これにより、粉粒体全体を覆うような多量の泡を用いることなく、効率的かつ経済的に発塵を抑制することが可能となる。
なお、上記したように、粉粒体は、その転動過程において、粉粒体層の下層側に微粉が集まり易いため、貯留ホッパー12とシュート15を、以下の構成とすることが好ましい。
このように、貯留ホッパー12の形状を規定し、貯留ホッパー12に貯留された粉粒体11を、斜面27に沿って滑落させることで、斜面27側に微粉が集まり易くなる。
ここで、貯留ホッパー12の斜面27の傾斜角度θ1は、水平方向に対して下方へ、粉粒体11の安息角を超え85度以下の範囲内に設定することが好ましい。
なお、粉粒体の安息角は、粉粒体の種類によっても異なるが、例えば、製鉄所で使用する原料であれば、30〜60度程度である。
また、上記した貯留ホッパーの垂直面(斜面27と対向する面)は、垂直面とすることなく、貯留ホッパーの内幅が、貯留ホッパーの上端から下端へかけて狭まるように(例えば、貯留ホッパー12a)、又は同一となるように、傾斜させてもよい。
ここでは、粉粒体11がシュート15からベルトコンベア14のベルト24上に積載される直前に、ベルト24の積載面26上にノズル20で泡を供給する。これは、粉粒体11がシュート15を滑落する際に粒度偏析が生じ、微粉が下層へ移動することから、乗り継ぎ後のベルトコンベア14のベルト24上では下層側に微粉が更に集中して、泡と微粉の接触確率を高めることができることによる。
このシュート15の斜面29の傾斜角度θ2も、貯留ホッパー12の斜面27と同様、上記した傾斜角度θ1の角度範囲とすることが好ましい。
上記したように、貯留ホッパーとシュートの斜面の傾斜傾斜θ1、θ2を設定することが好ましいが、粉粒体を滑落可能な角度であれば、この傾斜角度に限定されるものではない。
ここでは、鉱石の造粒物を乾燥したものを粉粒体として使用し、この粉粒体を、前記した図1、図2に示す粉粒体の搬送設備で搬送して発塵量を測定し、発塵状況を比較した。なお、図2の搬送設備の使用にあっては、泡製造装置のみならず、泡製造装置の代わりに水供給装置を設置した場合についても、発塵量を測定した。
この試験条件と試験結果を、表1に示す。
また、発塵量は、発塵箇所の周囲に複数の容器を設置し、その容器内に降下し蓄積した粉塵を秤量して、単位時間、単位面積当たりの値として求めた。
これに対し、比較例1〜5は、図2に示す搬送設備で水噴霧を実施し、そのときの水の散布量を0.2質量%相当から最大4質量%相当まで増加させた結果である。表1から明らかなように、水の散布量の増加に伴い発塵量は低下したが、散布量が最大の4質量%相当でも(15g/m2/時間)、強制集塵の場合の発塵抑制効果までには達しなかった。
また、比較例6〜10は、図2に示す搬送設備で泡噴霧を実施し、そのときの泡の散布量(泡を水分相当量にした量)を0.2質量%相当から最大4質量%相当まで増加させた結果である。表1から明らかなように、泡の散布量の増加に伴い発塵量は低減し、また水単味の場合よりも発塵抑制効果は大きくなった。従って、泡により、粉粒体との混合性は改善されたと考えられるが、泡を粉粒体の上方から散布したため、泡を最大4質量%相当まで散布しても、その発塵抑制効果(10g/m2/時間)は、集塵機を用いた場合(参考例1)に達しなかった。
表1の実施例1に示すように、粉粒体がベルトコンベアに載置される前に、その積載面上に泡を散布したため、泡の散布量が0.2質量%と少ない場合でも、図2の搬送設備を用いた比較例1、6と比較して、発塵量を大幅に抑制できた(40g/m2/時間)。特に、泡の散布量を0.5質量%以上とすることで、集塵機を使用した参考例1と同程度以上の発塵抑制効果が得られることが判明した。
以上のことから、本発明の粉粒体搬送時の発塵抑制方法を用いることで、多量の泡を用いることなく、効率的かつ経済的に粉粒体の発塵を抑えることが可能であることを確認できた。
また、参考例4は、参考例3において、ベルトコンベアの乗り継ぎ部にシュートを設置した結果であるが、これにより、発塵量は15g/m2/時間まで低減した。同様に、実施例4は、参考例3において、貯留ホッパー下部のコーンの傾斜角度を65度に設定した結果であるが、これにより、発塵量を15g/m2/時間まで低減できた。
また、実施例5は、参考例4において、貯留ホッパー下部のコーンの傾斜角度を85度に設定した結果であるが、参考例4のコーンを垂直に配置した結果と比較して、発塵量を10g/m2/時間まで低減できた。
以上のことから、粉粒体の搬送方向に隣り合う搬送装置の乗り継ぎ部にシュートを配置しなくても(例えば、発塵量の基準や乗り継ぎ高さ等に応じて設置しなくても)、多量の泡を用いることなく、効率的かつ経済的に粉粒体の発塵を抑えることが可能であることを確認できた。
また、前記実施の形態においては、貯留ホッパーからベルトコンベアへ粉粒体を切り出す部分と、隣り合うベルトコンベアの乗り継ぎ部に、本発明を適用した場合について説明したが、そのいずれか一方のみに適用することもできる。
Claims (3)
- 搬送装置を用いて、鉄鉱石、石炭、焼結鉱、及び、コークスのいずれか1又は2以上からなる粉粒体を搬送するに際し、該搬送装置に該粉粒体を積載する前に、前記粉粒体の搬送方向に向けて下方に傾斜し、しかも、水平方向に対して下方へ、前記粉粒体の安息角を超え85度以下の範囲内に傾斜した斜面に沿って、前記粉粒体を滑落させて、前記搬送装置に積載された際に下層側となる落下中の前記粉粒体に向けて泡を供給することを特徴とする粉粒体搬送時の発塵抑制方法。
- 請求項1記載の粉粒体搬送時の発塵抑制方法において、前記搬送装置が複数設けられ、前記粉粒体の搬送方向に隣り合う該搬送装置の乗り継ぎ部に、前記斜面を備えるシュートを配置していることを特徴とする粉粒体搬送時の発塵抑制方法。
- 請求項1記載の粉粒体搬送時の発塵抑制方法において、前記搬送装置の上流側に、前記斜面を備えた貯留ホッパーを配置していることを特徴とする粉粒体搬送時の発塵抑制方法。
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