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JP5644875B2 - 土壌中の汚染物質固定構造体 - Google Patents
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JP5644875B2 - 土壌中の汚染物質固定構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、土壌中の汚染物質固定構造に関し、特に、土壌中から重金属等の汚染物質を有効に吸着する吸着層を設けた土壌中の汚染物質固定構造に関する。
自然由来または人工的な汚染物質が土壌に含まれており、従来より、汚染土壌中の汚染物質を不溶化・固定化処理する方法として、掘削埋め戻し工法と、原位置不溶化工法が一般的に用いられている。
掘削埋め戻し工法は、例えば、汚染土壌を掘削して、地上でこの掘削土に不溶化剤を混ぜ合わせて不溶化処理を行ない、その後、該不溶化処理を適用した掘削土を、掘削した場所に埋め戻す工法である。
また、原位置不溶化工法は、例えば、不溶化剤を供給しながら混練機によって汚染土壌を混練することで、汚染土壌を不溶化処理する工法である。
汚染物質を含む残土を用いた盛土や埋立を行う際に用いられる工法として、(1)汚染土壌の下に遮水構造や集水構造を構築し、集水した水を処理する方法や、(2)汚染物質を吸着する薬剤を汚染土壌の下部に敷設する方法等がある。
汚染土壌を不溶化処理する方法としては、例えば、特開2012−125668号公報(特許文献1)に記載されているように、汚染土壌に液状の不溶化剤を充填して前記汚染土壌を不溶化させる汚染土壌の原位置不溶化方法であって、汚染土壌を囲う遮水壁を地盤内に構築する遮水壁構築工程と、該遮水壁の内側の地盤に液状の不溶化剤を充填して前記汚染土壌を該不溶化剤で飽和させる不溶化剤充填工程とを備えることを特徴とする汚染土壌の原位置不溶化方法が提案されている。
また、特開2011−194372号公報(特許文献2)には、シアンで汚染された土壌を不溶化処理して得られる不溶化処理土壌の管理構造であって、前記不溶化処理土壌とその周辺の土壌との間にアルカリ性材料からなる中和層を設け、更には、前記中和層と前記不溶化処理土壌との間に遮水層を設けたことを特徴とする不溶化処理土壌の管理構造が開示されている。
特開2010−29769号公報(特許文献3)には、汚水地区を取り囲むように不透水層又は難透水層に達する遮水壁を構築して汚染土壌を汚染地区内に封じ込める原位置封じ込め工法において、該遮水壁の内側領域の地下水が通水される地下水浄化手段を設けると共に、該遮水壁の内側領域の地下水位が遮水壁の外側領域の地下水位以下となるように該浄化手段からの浄水を遮水壁の外側領域に流出させることを特徴とする原位置封じ込め工法が開示されている。
汚染土壌中の汚染物質を吸着するための吸着層が設けられる工法(以下、「吸着層工法」と称する)においては、敷土吸着層工法により、例えば盛り土内に重金属含有土壌を封入した場合、敷土吸着層下面から排出される汚染物質の濃度が基準値以下であれば、特に問題はない。
しかし、従来の吸着層工法では、一般には、盛土が崩壊したり亀裂が入った場合や、汚染物質を吸着する吸着層に亀裂等が生じた場合には、重金属含有土壌から汚染物質が基準値を超過した浸透水が浸出して、地下水中に溶出して地下水を汚染する危険性が生じる。
また、吸着層に亀裂が入ると、この亀裂より、重金属含有土壌からのpHが低い水が周知の土壌に浸出し、これにより土壌中に元々存在していた鉛、砒素、カドミウム、六価クロム等の有害な重金属類がイオン化して地下水中に溶出されることも懸念されている。
また、第二溶出量以下の汚染土壌又は不溶化により第二溶出量以下になった汚染土壌に遮水層を設けて汚染物質を浸出を抑制する工法(以下、「遮水工封じ込め工法」と称する)があるが、二重シートが必要である場合等、その敷設に膨大なコストがかかるとともに、排水処理設備も必要となっており、装置が大掛かりとなっていた。
特開2012−125668号公報 特開2011−194372号公報 特開2010−29769号公報
本発明の目的は、上記課題を解決し、大きな装置等を必要とせず、盛土等に亀裂等が入ったとしても汚染物質が浸出水とともに地下水に溶出することを有効に防止し、汚染物質を極めて効率よく集中して吸着捕獲することが可能な、簡便な土壌中の汚染物質固定構造を提供することである。
本発明は、汚染土壌の下部に設ける遮水層の敷設位置を工夫することにより、集中的に確実に汚染物質が吸着層で捕獲できる構造を見出したものである。
即ち、本発明の土壌中の汚染物質固定構造は、敷設された汚染土壌の下面に、遮水層を該汚染土壌の下面の外周側から内側に下方向に傾斜させて敷設し、該汚染土壌の下面の、傾斜して敷設された該遮水層の最下部の位置であって地下水面より上部に、吸着層を敷設し、該汚染土壌は、該遮水層及び吸着層の上に敷設されていることを特徴とする、土壌中の汚染物質固定構造である。
好ましくは、本発明の土壌中の汚染物質固定構造においては、前記吸着層は、汚染土壌中に含まれる汚染物質の理論吸着量の1.3〜1.5倍の容量で敷設されることを特徴とする、土壌中の汚染物質固定構造である。
また好ましくは、本発明の土壌中の汚染物質固定構造においては、前記遮水層を、汚染土壌の側面にさらに敷設することを特徴とする。
また更には、本発明の本発明の土壌中の汚染物質固定構造においては、前記遮水層及び吸着層の上部に敷設される汚染土壌の上面は、汚染土壌の下部に敷設された遮水層の上端を結ぶ面より狭いことを特徴とする、土壌中の汚染物質固定構造である。
ここで、「汚染土壌」とは、重金属等の汚染物質を不溶化処理した土壌や不溶化処理する前の汚染土壌の双方を含むものであり、例えば、第二溶出量(土壌汚染対策法施工規則(最終改正:平成23年7月8日環境省令第13号)第9条第1項第2及び同規則別表第2))以下の汚染土壌や不溶化処理により第二溶出量以下となった汚染土壌を含むものである。
本発明の土壌中の汚染物質固定構造により、大きな装置等を必要とせず、盛土等に亀裂等が入ったとしても汚染物質が浸出水とともに地下水に溶出することを有効に防止することができる。
また、極めて簡便な構造とすることができ、汚染物質を効率よく確実に吸着捕獲することが可能となる。
本発明の土壌中の汚染物質固定構造の第1の埋め戻し構造の実施形態を説明するための側断面を模式的に示す図である。 本発明の土壌中の汚染物質固定構造の第2の埋め戻し構造の実施形態を説明するための側断面を模式的に示す図である。 本発明の土壌中の汚染物質固定構造の盛土構造の実施形態を説明するための側断面を模式的に示す図である。
本発明を以下の好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の土壌中の汚染物質固定構造は、敷設された汚染土壌の下面に、遮水層を該汚染土壌の下面の外周側から内側に下方向に傾斜させて敷設し、該汚染土壌の下面の、傾斜して敷設された該遮水層の最下部の位置であって地下水面より上部に、吸着層を敷設し、該汚染土壌は、該遮水層及び吸着層の上に敷設されていることを特徴とする、土壌中の汚染物質固定構造である。
図1及び図2に基づいて、本発明の土壌中の汚染物質固定構造を説明する。
図1及び図2は、本発明の土壌中の汚染物質固定構造を埋め戻し構造に適用した例を示す。
本発明の一例としての図1において、Gは地盤であり、重金属等の汚染物質が含まれる土壌である汚染土壌1を、陥地に埋め戻す構造のものを示す。
汚染土壌1の底面部5には、遮水層3が、汚染土壌1の底面部5の外周から内側へ、好ましくは中心に向かって下部へ傾斜するように敷設されている。
このように遮水層を敷設することで、汚染物質を含む水分が、吸着層2へ集中的に効率よく吸着されることができることとなり、周囲の土壌に汚染物質を含む水が浸出することを抑制する。
また、好ましくは、汚染土壌の上面6は、汚染土壌1の下部に敷設された遮水層3の上端を結ぶ面7よりも狭くなるような構造とする。
このようにすることで、汚染土壌1に含まれる汚染物質が水に溶解して下降しても、遮水層3の上端を結ぶ面内に、該汚染物質が溶解した浸透水が下降することとなり、外部に漏れることがなくなる。
土壌中に含まれる汚染物質としては例えば土壌汚染対策法に定める第二種特定有害物質(重金属類)等であり、具体的には、カドミウム、六価クロム、シアン、水銀、アルキル水銀、セレン、鉛、砒素、フッ素、ホウ素等である。
本発明の構造に適用する遮水層としては、合成ゴム系、合成樹脂系、アスファルト系、ベントナイト系、清掃対応複合系等の遮水シートや、鋼矢板、ベントナイト等の粘土、コンクリート、水密性アスファルトコンクリート等を使用することができる。これらを単独で又は組み合わせて用いてもよい。
前記汚染土壌の下部に敷設された遮水層3の最下部の位置に、一定の厚みを有する吸着層2を敷設する。
該吸着層は、地下水面よりも上部に位置するように設置する。
該吸着層2には、遮水層3より集められた汚染物質を含む浸透水分が集められ、集中的に汚染物質が効率よく捕捉されて、周囲の土壌に汚染物質が浸出することや地下水に合流することを防止する。
吸着層に用いる吸着剤としては、汚染土壌に含まれる上記汚染物質を吸着除去できる公知の任意の吸着剤を使用することができ、水を通過させるが、汚染物質を吸着保持することができるものを適用することができる。
適用できる吸着剤としては、例えば、人工ゼオライト、火山灰土、ロックウール、セルロース等の各種多孔質材料や不溶化剤等が例示でき、これらを単独でまたは組み合わせて用いることができる。
好ましくは、本発明の土壌中の汚染物質固定構造においては、前記吸着層が、汚染土壌中に含まれる汚染物質の理論吸着量の1.3〜1.5倍の容量で敷設される。
このような吸着剤の量を敷設することで、吸着層を交換する必要がなく、十分に汚染土壌中の汚染物質の吸着が行なわれることとなる。
また、吸着層2は、前記吸着剤を一定の透水性を維持する透水係数を備える程度まで締固めて埋設することも可能であり、また吸着層装置として、上記吸着剤が充填されたものを敷設することも可能である。吸着剤を充填した吸着装置を用いる場合には、吸着剤の汚染物質の捕捉能が低下するたびに交換することを容易とすることができる。
また好ましくは、図2に示すように、遮水層を、埋設した汚染土壌の側面8にさらに敷設する。
このように汚染土壌の側面にも遮水層を設けることで、汚染物質が溶解した浸透水が、周囲の土壌中に浸出することを、更に有効に防止することができる。
特に、汚染土壌1の上面には、アスファルトやコンクリート等で形成された覆土層4等を施工することが望ましい。これにより、雨等による水分が、汚染土壌1内に浸入することを抑制することが可能となる。
図3は、本発明の土壌中の汚染物質固定構造を盛土構造に適用したものである。
本発明の一例としての図3において、Gは地盤であり、汚染物質が含まれる土壌である汚染土壌1の盛土構造のものを示す。
汚染土壌1の底面部5には、遮水層3が、汚染土壌1の底面部5の外周から内側へ、好ましくは中心に向かって下部へ傾斜するように敷設されている。
このように遮水層を敷設することで、汚染物質を含む水分が、吸着層2へ集中的に効率よく吸着されることができることとなり、周囲の土壌に汚染物質を含む水が浸出することを抑制する。
また、好ましくは、汚染土壌の上面6は、汚染土壌1の下部に敷設された遮水層3の上端を結ぶ面7よりも、図3の場合には、地盤面Gよりも狭くなるような構造とする。
このようにすることで、汚染土壌1に含まれる汚染物質が水に溶解して下降しても、遮水層3の上端を結ぶ面内に、該汚染物質が溶解した浸透水が下降することとなり、外部に漏れることがなくなる。
土壌中に含まれる汚染物質は、上記図1及び図2で説明したものと同じものであり、また遮水層の材料としても、上記図1及び図2で説明したものと同じ材料を用いることができる。
前記汚染土壌の下部に敷設された遮水層3の最下部の位置に、一定の厚みを有する吸着層2を敷設する。
該吸着層は、地下水面よりも上部に位置するように設置する。
該吸着層2には、遮水層3より集められた汚染物質を含む浸透水分が集められ、集中的に汚染物質が効率よく捕捉されて、周囲の土壌に汚染物質が浸出することや地下水に合流することを防止する。
吸着層に用いる吸着剤としては、上記図1及び図2で説明したものと同じ材料のものを用いることができる。
好ましくは、本発明の土壌中の汚染物質固定構造においては、前記吸着層が汚染土壌中に含まれる汚染物質の理論吸着量の1.3〜1.5倍の容量で敷設される。
このような吸着剤の量を敷設することで、吸着層を交換する必要がなく、十分に汚染土壌中の汚染物質の吸着が行なわれることとなる。
また、吸着層2は、前記吸着剤を締固めて埋設することも可能であり、また吸着層装置として、上記吸着剤が充填されたものを敷設することも可能である。吸着剤を充填した吸着装置を用いる場合には、吸着剤の汚染物質の捕捉能が低下するたびに交換することを容易とすることができる。
また好ましくは、図3に示す、盛土した汚染土壌1の側面8に遮水層又は、アスファルトやコンクリート等で形成された覆土層等を、さらに敷設する。
このように汚染土壌の側面にも遮水層や覆土層等を設けることで、汚染土壌1に雨等の水分が侵入することを有効に防止することができる。
特に、汚染土壌1の上面には、アスファルトやコンクリート等で形成された覆土層4等を施工することが望ましい。これにより、雨等による水分が、汚染土壌1内に浸入することを抑制することが可能となる。
本発明の土壌中の汚染物質固定構造は、該吸着層2で汚染物質、例えば有害な重金属類を集中的に吸着除去できるので、汚染物質が地下水に合流することを効率よく防止することができる。
本発明の土壌中の汚染物質固定構造は、埋め戻し構造や盛土構造のどちらにも適用することができ、トンネルやダム等の掘削工事や建設工事等によって大量に発生する汚染土壌の処理技術や、工場等の建築物や家屋等の造成土地からの汚染土壌の処理技術に適用することができる。
1・・・汚染土壌
2・・・吸着層
3・・・遮水層
4・・・覆土層
5・・・汚染土壌の底面部
6・・・汚染土壌の上面
7・・・遮水層の上端を結ぶ面
G・・地盤

Claims (4)

  1. 敷設された汚染土壌の下面に、遮水層を該汚染土壌の下面の外周側から内側に下方向に傾斜させて敷設し、
    該汚染土壌の下面の、傾斜して敷設された該遮水層の最下部の位置であって地下水面より上部に、吸着層を敷設し、
    該汚染土壌は、該遮水層及び吸着層の上に敷設されていることを特徴とする、土壌中の汚染物質固定構造
  2. 請求項1記載の土壌中の汚染物質固定構造において、前記吸着層は、汚染土壌中に含まれる汚染物質の理論吸着量の1.3〜1.5倍の容量で敷設されることを特徴とする、土壌中の汚染物質固定構造
  3. 請求項1又は2記載の土壌中の汚染物質固定構造において、前記遮水層は前記汚染土壌の側面にさらに敷設されていることを特徴とする、土壌中の汚染物質固定構造
  4. 請求項1〜3いずれかの項記載の土壌中の汚染物質の固定構造において、前記遮水層及び吸着層の上部に敷設される汚染土壌の上面が、汚染土壌の下部に敷設された遮水層の上端を結ぶ面より狭くなるように敷設することを特徴とする、土壌中の汚染物質固定構造
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