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JP5648687B2 - 配向測定装置及び方法 - Google Patents
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JP5648687B2 - 配向測定装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紙、不織布、フィルムをはじめとするシート状物質の配向性あるいは誘電的異方性を複数個のマイクロ波誘電体共振器を用いて測定する装置と方法に関する。
シート状物質の配向を測定する方法で複数個の誘電体共振器を用いる場合には、誘電体共振器間の固体差の影響を取り除く必要がある。その手段として誘電体共振器間の固体差を反映した補正係数を求める方法が提案されている(特許文献1〜3参照。)。それらの提案の補正係数を算出する一連の手順は、方法論的には誘電体共振器間の固体差の影響を取り除く有効な手段を示したものである。
特許文献1は異方性のない実質的に無配向の標準試料を用いて補正係数を求める手法を示したもの、特許文献2は測定対象試料そのものを用いて補正係数を求める手法を示したもの、特許文献3は測定試料にシワや折り目があったり試料が空気を透過する紙の場合でもオフラインの状態で精度よく補正係数を求める手法を示したものである。これらの特許文献で示された誘電体共振器間の固体差の影響を取り除く補正は、空気いわゆるブランク状態を基準とした試料有りの状態での共振周波数のシフト量の固体差を取り除くものである。
特許第3882641号公報 特許第4124147号公報 特開2010−71835号公報
本発明も誘電体共振器間の固体差の影響を取り除く補正方法に関するものであるが、さらに検討を進めて各誘電体共振器がもつ試料の誘電率異方性に対する感度の固体差までも対象にしようとするものである。
すなわち、本発明はシート状物質の配向を測定する方法で複数個の誘電体共振器を用いる場合において、各誘電体共振器がもつブランク状態を基準とした試料有りの状態での共振周波数のシフト量に対する固体差に加え、各誘電体共振器がもつ試料の誘電率異方性に対する感度の固体差についても補正する補正係数を求めることができる配向測定装置と方法を提供することを目的とする。
本発明の配向性測定装置は、平面上の1つの円の円周上で等間隔に配置された複数個の誘電体共振器(No.1〜No.n)をもつ測定ヘッドと、図1に示されるようにシフト量算出部(36)、ばらつき補正値算出部(38)、シフト補正係数算出部(40)、シフト補正後シフト量算出部(41)、異方性感度補正係数算出部(42)、補正係数記憶部(43)、シフト補正部(44)及び配向性算出部(46)を備えている。
シフト量算出部(36)は、測定ヘッドに試料を配置しない状態での各誘電体共振器のブランク共振周波数と、測定ヘッドに試料を配置した状態での各誘電体共振器の共振周波数とを取り込み、誘電体共振器ごとのシフト量として両共振周波数の差を算出するものである。
ばらつき補正値算出部(38)は、測定ヘッドに補正係数測定用試料(以下、補正試料という。)が配置され、測定ヘッドが実試料を測定するときの誘電体共振器の位置に対応する補正試料上の測定領域(Pos.1〜Pos.n)のそれぞれが全ての誘電体共振器の位置に移動して位置決めされるように補正試料又は測定ヘッドが前記円の中心を回転中心として等間隔の回転角(0, 360°/n,…360(n-1)°/n)で回転させられたときの各回転角の位置でのシフト量を用い、全ての前記回転角の位置でのシフト量の平均値を各回転角におけるシフト量の平均値で割り算をすることにより回転角ごとのシフト量のばらつき補正値を求めるものである。
ばらつき補正後シフト量算出部(39)は、ばらつき補正値を各回転角の位置でのシフト量に掛け算をしてばらつき補正後シフト量を算出するものである。
シフト補正係数算出部(40)は、各測定領域についてのばらつき補正後シフト量の平均値を誘電体共振器ごとのばらつき補正後シフト量で割り算をして係数を求め、該係数の誘電体共振器ごとの平均値を算出することにより誘電体共振器ごとのシフト補正係数(K1)を求めるものである。
シフト補正後シフト量算出部(41)は、シフト補正係数(K1)をばらつき補正後シフト量に掛け算をしてシフト補正後シフト量を算出するものである。
異方性感度補正係数算出部(42)は、シフト補正後シフト量の測定領域ごとの平均値を、前記回転角のうちの実試料の配向性測定用回転角における各測定領域に位置する誘電体共振器のシフト補正後シフト量で割り算をすることにより、補正試料の誘電率異方性に対する誘電体共振器ごとの異方性感度補正係数(K2)を算出するものである。異方性感度補正係数(K2)は試料の誘電率異方性に対する誘電体共振器間の感度ばらつきを補正するものである。
補正係数記憶部(43)はシフト補正係数(K1)と異方性感度補正係数(K2)を記憶するものである。
シフト補正部(44)は、実試料の配向性測定時にシフト量算出部(36)により算出される誘電体共振器ごとのシフト量に補正係数記憶部(42)に記憶されているシフト補正係数(K1)と異方性感度補正係数(K2)を掛けることによりシフト量を補正するものである。
配向性算出部(46)は、シフト補正部(44)により補正されたシフト量をもとに実試料の配向性を算出するものである。
本発明の配向性測定方法は、平面上の1つの円の円周上で等間隔に配置された複数個の誘電体共振器(No.1〜No.n)をもつ測定ヘッドを備えた配向性測定装置を用い、以下のステップ1〜11を備えて配向性をもつ試料の配向性を測定する方法である。
(ステップ1)測定ヘッドに測定対象物を配置しない状態で各誘電体共振器のブランク共振周波数を測定するステップ。
(ステップ2)測定ヘッドに補正試料を配置し、測定ヘッドが測定対象である実試料を測定するときの誘電体共振器の位置に対応する補正試料上の測定領域(Pos.1〜Pos.n)のそれぞれが全ての誘電体共振器の位置に移動して位置決めされるように補正試料又は測定ヘッドを前記円の中心を回転中心として等間隔の回転角(0, 360°/n,…360(n-1)°/n)で回転させ、各回転角の位置で各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
(ステップ3)各誘電体共振器のブランク共振周波数と各回転角の位置での各誘電体共振器の共振周波数との差から各回転角の位置での各誘電体共振器のシフト量を算出するステップ。
(ステップ4)各回転角の位置での各誘電体共振器のシフト量について、全ての前記回転角の位置での平均値を各回転角における平均値で除することにより回転角ごとのシフト量のばらつき補正値を算出するステップ。
(ステップ5)ばらつき補正値をそれぞれの回転角でのシフト量に掛けることによりばらつき補正後シフト量を算出するステップ。
(ステップ6)各測定領域について、ばらつき補正後シフト量の平均値を算出し、該平均値を誘電体共振器ごとのばらつき補正後シフト量で除して係数を算出し、該係数を誘電体共振器ごとに平均して誘電体共振器ごとのシフト補正係数(K1)を求めるシフト補正係数算出ステップ。
(ステップ7)シフト補正係数(K1)をばらつき補正後シフト量に掛けることによりシフト補正後シフト量を算出するステップ。
(ステップ8)シフト補正後シフト量の測定領域ごとの平均値を求め、該平均値を前記回転角のうちの実試料の配向性測定用回転角における各測定領域に位置する誘電体共振器のシフト補正後シフト量で割り算をすることにより、補正試料の誘電率異方性に対する誘電体共振器ごとの異方性感度補正係数(K2)を算出する異方性感度補正係数算出ステップ。
(ステップ9)シフト補正係数(K1)と異方性感度補正係数(K2)を記憶装置に記憶させるステップ。
(ステップ10)測定ヘッドと実試料を実試料の配向性測定用回転角の状態にして、各誘電体共振器により実試料を測定してシフト量を算出し、その算出されたシフト量に、記憶されているシフト補正係数(K1)と異方性感度補正係数(K2)を掛けるシフト量補正ステップ。
(ステップ11)補正されたシフト量をもとに実試料の配向性を算出するステップ。
配向性測定装置は、好ましくは実試料として走行するオンライン試料を測定するように構成される。
測定ヘッドとしては、前記円の中心を回転中心として前記平面内で回転可能に支持された回転可能な測定ヘッドと、回転しないように固定された固定型測定ヘッドのいずれも使用することができる。
回転可能な測定ヘッドを備えた配向性測定装置は、誘電体共振器を前記円周上で複数個の測定領域(Pos.1〜Pos.n)に位置決めするとともに、各誘電体共振器が全ての測定領域に位置決めされるように測定ヘッドを等間隔の回転角(0, 360°/n,…360(n-1)°/n)をもって回転させる回転機構をさらに備えている。前記回転機構は補正試料の測定時は測定ヘッドを回転させ、実試料の測定時は測定ヘッドを実試料測定用の回転角度に固定する。
回転可能な測定ヘッドを備えた配向性測定装置では、走行する実試料を補正試料としても使用することができる。
固定型測定ヘッドを備えた配向性測定装置では、実試料が走行するものである場合には、実試料とは別に用意された補正試料が測定ヘッドに対して等間隔の回転角(0, 360°/n,…360(n-1)°/n)をもって回転させられる。そのような補正試料の一例は実試料の一部を切り出した試料片である。
試料片からなる補正試料を走行する実試料の測定条件と近い条件で測定できるようにするための好ましい固定型測定ヘッドの一例は、誘電体共振器が配置されている部分以外の部分に空気吸引孔をもち、空気吸引力によって試料を測定ヘッドに吸着させることができるものである。そのような測定ヘッドは、試料片を測定するときは空気吸引力によって試料片を測定ヘッドに吸着させ、実試料を測定するときは空気吸引力を作用させないように使用する。
そのような空気吸引孔をもつ測定ヘッドにより試料片からなる補正試料を測定するときは、無配向の基準フィルムを測定ヘッドに吸着させて測定したときの疑似ブランク共振周波数と、補正試料を測定ヘッドに載せ、さらにその補正試料上に前記基準フィルムを載せて補正試料と基準フィルムを重ねて測定ヘッドに吸着させて測定したときの共振周波数との差を補正試料を測定したときのシフト量として使用する。
本発明によれば、シート状物質の配向を測定する方法で複数個の誘電体共振器を用いる場合において、各誘電体共振器がもつブランク状態を基準とした試料有りの状態での共振周波数のシフト量の固体差に加え、各誘電体共振器が持つ試料の誘電率異方性に対する感度の固体差についても補正する補正係数を求めることが可能となる。配向を測定するために用いる配向測定装置の測定ヘッドでは、各誘電体共振器をアルミニウム、真鍮、銅等を用いた一つの金属製の測定ヘッドに装着するが、金属の加工精度のわずかなばらつき、測定ヘッドに設けられた穴部に底部や側周部と若干の隙間を保って装着される複数の誘電体共振器のわずかな装着状態のばらつきが、誘電体共振器を用いた検出部の共振状態に影響を与えることがある。つまり、本発明は、測定ヘッドの加工時に生じるばらつきが共振状態に与える影響を含めて、誘電体共振器を用いた各検出部が持つ固有の個体差を補正することで、誘電的異方性が小さいいわゆる無配向に近い試料を測定する際にも、配向角度や配向度などで表される測定試料の配向性を精度よく示すことが可能となる。
本発明におけるデータ処理のための各部を示すブロック図である。 5個の誘電体共振器を保持した円形測定ヘッドを示す平面図である。 5個の誘電体共振器を使用した場合の信号処理系を示すブロック図である。 各誘電体共振器の出力から得られる配向パターンを示す図である。 一実施例における補正係数測定動作を示すフローチャートである。 同実施例における配向性測定動作を示すフローチャートである。 同実施例における補正係数測定動作と配向性測定動作をデータの変化を基にして示す図表の前半部である。 同実施例における補正係数測定動作と配向性測定動作をデータの変化を基にして示す図表の後半部である。 測定ヘッドの共振器ナンバーと試料の測定領域であるポジション(PosA-PosE)を示す概略平面図である。 各角度の周波数シフト量のばらつきのみを補正した場合に5つのポジションにおいて各誘電体共振器が示す共振周波数のばらつき補正後シフト量を示すグラフである。 各誘電体共振器がもつブランク共振周波数からの周波数シフト量の固体差を補正した場合に5つのポジションにおいて各誘電体共振器が示す共振周波数のシフト補正後シフト量を示すグラフである。 補正無しシフト量、シフト補正後シフト量、及びさらに異方性感度補正まで行ったシフト量を比較して示すグラフである。 (a)は5個の誘電体共振器の位置を示した測定ヘッドを示す平面図、(b)は各誘電体共振器の出力から得られる配向パターンを示す図である。 図12(b)の配向パターンが算出される場合に5つのポジションにおいて各誘電体共振器が示す理想的な共振周波数のシフト量を示すグラフである。 吸引孔をもつ測定ヘッドの一例を示す平面図である。 図14の測定ヘッドに対する試料と基準フィルムの配置を示す分解斜視図である。 各角度の周波数シフト量のばらつきのみを補正した場合に5つのポジションにおいて各誘電体共振器が示す共振周波数のばらつき補正後シフト量を実測データをもとに示したグラフである。 各誘電体共振器がもつブランク共振周波数からの周波数シフト量の固体差を補正した場合に5つのポジションにおいて各誘電体共振器が示す共振周波数のシフト補正後シフト量を実測データをもとに示したグラフである。 補正無しシフト量、シフト補正後シフト量、及びさらに異方性感度補正まで行ったシフト量を実測データを基にして比較して示すグラフである。 配向角度15度の場合について、5つのポジションにおいて各誘電体共振器が示す共振周波数のシフト量をシミュレーションにより求めたグラフである。
試料の物性として配向性あるいは誘電的異方性を測定する方法として、矩形の誘電体共振器を用いた検出部をマイクロ波により共振させ、その表面に沁みだしたエバネセント波を利用する方法がある。その方法では、試料の片側から検出部を接触もしくは近接させた際の誘電体共振器の共振周波数の変化を測定する。試料の片側から検出部が接触あるいは近接したときに、試料の誘電率から空気の誘電率1を引いた値と厚さの積に応じて共振周波数が低周波数側にシフトする。このシフト量を測定することによって、紙などのシート状物の繊維配向あるいは分子配向を測定することができる。
使用する誘電体共振器の個数を5個とした場合を例に説明するが、誘電体共振器の個数は他の数であってもよい。この場合の測定ヘッド10は、図2に示されるように、測定対象物の一面側に配置される平面上の1つの円の円周上に配置された5個の誘電体共振器1〜5をもつ。各誘電体共振器1〜5は、隣接する誘電体共振器とそれらの誘電体共振器1〜5が配置されている円の中心とのなす角度が72度となるように、等間隔に配置されている。
この実施例では、測定ヘッド10は回転可能なものである。測定ヘッド10は誘電体共振器1〜5が配置されている円の中心を回転中心として、誘電体共振器1〜5が配置されている平面内で回転可能に支持されている。
測定ヘッド10は回転機構9を備えている。回転機構9は、誘電体共振器1〜5をそれらが配置されている円周上で5個の測定領域であるポジションPos.1〜Pos.5に位置決めするとともに、各誘電体共振器1〜5が全てのポジションに位置決めされるように測定ヘッド10を等間隔の回転角72度をもって回転させる。測定領域は、実試料を測定するときの測定ヘッドにおける誘電体共振器の位置に対応する補正試料上又は実試料上の位置である。回転機構9は例えばステッピングモータを備え、後で説明するマイクロコンピュータ30又はパーソナルコンピュータ32から駆動パルス信号が送られることにより回転角度が制御される。
このような複数の誘電体共振器を使用した場合、信号処理は図3に示されるような信号処理系により行うことができる。この場合も5個の誘電体共振器を使用した場合について説明する。マイクロ波掃引発振器(スイーパ)20から出たマイクロ波信号は5個の誘電体共振器22−1〜22−5に分配され、誘電体共振器22−1〜22−5の透過強度が検波ダイオード24−1〜24−5により電圧に変換される。電圧に変換された信号は増幅及びA/D変換回路26−1〜26−5により増幅とA/D変換がなされ、ピーク検出回路28−1〜28−5に送られる。ピーク検出回路28−1〜28−5の出力信号がマイクロコンピュータ30に送られる。
マイクロ波掃引発振器20は出力するマイクロ波信号の周波数を掃引することにより、ピーク検出回路28−1〜28−5では掃引された周波数範囲でのピーク位置の周波数が検出される。マイクロ波掃引発振器20による周波数の掃引は一定の周期で繰り返され、ピーク検出回路28−1〜28−5ではピーク位置の周波数検出値の平均化がなされる。
また、マイクロ波掃引発振器20は出力するマイクロ波信号の掃引中のみハイレベルとなる同期信号を出力し、その同期信号はピーク検出回路28−1〜28−5に送られる。マイクロコンピュータ30では、この同期信号がハイレベルになる瞬間から透過強度が最大値をとるまでの時間を測定して共振周波数が求められる。
マイクロコンピュータ30は図1に示された各部の機能を実現するものである。
試料がないときのブランク共振周波数と試料を共振器に近接または接触させたときの共振周波数の差をシフト量(Δf)と呼ぶ。図2に示した5個の誘電体共振器1〜5のそれぞれについてシフト量を求め、それを極座標上にプロットすると楕円パターンが描ける。そして、得られたデータについて楕円近似を行うことにより、図4のような配向パターンと呼ばれる楕円が計算され、試料の配向性が示される。
試料が走行するオンラインでの配向測定を例にとると、図4において、MD(Machine Direction)方向は試料の走行方向であり、この方向を基準方向とする。TD(Transverse Direction)は基準方向に直交する方向で、オンライン測定の場合は試料の幅方向である。その楕円の長軸方向は誘電率最大の方向であり、基準方向と誘電率最大の方向とのなす角度φは配向角度を表し、長軸aと短軸bの差又はそれを長軸aもしくは短軸bで除したものは異方性の程度を表す。
配向性算出部46での実試料の配向性算出と、ステップ11での実試料の配向性算出は、シフト量として本発明により求められる補正係数により補正されたシフト量を用い、図4に示される配向パターンに基づいて実行される。
ここで、使用する誘電体共振器の個数を5個とした実施例について、補正係数測定について説明する。補正係数測定とは、測定対象試料の配向を求める配向測定方法における次の手順を備えた補正係数算出方法である。
図5〜図11は、MD方向が配向角度である走行中の紙について、ブランク共振周波数からの周波数シフト量及び異方性に対する感度がそれぞれ異なる5つの誘電体共振器を有する測定ヘッドをもつ配向測定装置で補正係数測定から実試料測定まで行った一例である。
まず、補正係数測定を説明する。図5に補正係数測定動作を示し、図6に補正係数が求められた後の実試料の配向性測定動作を示す。図7Aと図7Bにはデータの変化を基にした補正係数測定動作と配向性測定動作を示す。この例では、走行する実試料が補正試料を兼ねる。
(ステップS1)試料の一面側のみに配置される5個の誘電体共振器を備える測定ヘッド上に何も置かない状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定することによりブランク共振周波数を求める。このブランク測定では、測定ヘッドの回転角度はどこでもよいが、この例では、実試料の配向性を測定するための回転角度に設定しておく。図8は回転角度0度での測定ヘッドにおける共振器の配置と、試料に対する測定領域(ポジション)を示したものであるが、回転角度0度での測定ヘッドを配向性測定時の回転角度と設定する。
(ステップS2)走行中の測定対象試料(実試料)の表面に測定ヘッドを接触させた状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定する。
(ステップS3)測定ヘッドを一旦測定対象試料表面から離して回転させ、回転完了後に再び測定対象試料表面に測定ヘッドを接触させるか、又は、測定ヘッドを測定対象試料表面に接触した状態を維持したまま測定ヘッドを連続的または断続的に回転させて各誘電体共振器の共振周波数を測定する。この実施例では測定ヘッドは5個の共振器を備えているので、0度から72度毎の5水準を回転角度としている。
(ステップS4)ステップS3までで得られた各誘電体共振器の全ての共振周波数とブランク時の共振周波数との差から、各誘電体共振器の各回転角でのシフト量を求める。
(ステップS5)ステップS4により得られた各回転角でのシフト量について、各回転角での各誘電体共振器全ての平均値を各回転角における共振器の平均値で除することで得られる各回転角度でのシフト量測定値のばらつきを補正するばらつき補正値を算出し、算出したばらつき補正値を各回転角度のシフト量にそれぞれ掛ける。これは、ステップS2の各回転角での測定中に、外乱の一時的変化によるデータの変動や測定試料の坪量の一時的変化による影響を回避するために行うばらつき補正である。このばらつき補正のみを実施した際に得られる、各領域における共振周波数のばらつき補正後シフト量(Δf)のグラフを図9に示す。
(ステップS6)ステップS5にてばらつきを補正し算出された各誘電体共振器の各回転角度でのばらつき補正後シフト量の平均値を測定領域毎に算出し、その平均値を各誘電体共振器のばらつき補正後シフト量で割り算をして、測定領域毎に規格化した各誘電体共振器のシフト量を算出する。その各規格化した各誘電体共振器のシフト量を誘電体共振器毎に平均化して、各誘電体共振器がもつブランク共振周波数からの周波数シフト量の固体差を補正する補正係数K1とする。ここで記載した測定領域とは補正試料及び実試料の測定対象となる場所であり、図8の右図のように、補正試料上又は実試料上での5つの共振器の定位置をそれぞれポジションA、ポジションB、ポジションC、ポジションD、ポジションEと定義する。図8の左図を試料に対する測定ヘッド回転角度0度の位置とするとき、回転角度0度ではNo.1の共振器がPosAを測定、以下同様にNo.2がPosB、No.3がPosC、No.4がPosD、No.5がPosEをそれぞれ測定することとなる。
さらに、試料の誘電率異方性に対する感度の補正について説明する。
(ステップS7)各回転角度でのばらつきを補正した各誘電体共振器の各測定領域でのばらつき補正後シフト量に対し補正係数K1を掛け、得られた値について各測定領域における各誘電体共振器のシフト量の平均値をそれぞれ算出する。この段階での補正係数K1を掛けた後の、各測定領域における共振周波数シフト量(Δf)のグラフを図10に示す。図9と図10を比較すると、図10は各共振器がそれぞれもつブランク共振周波数からの周波数シフト量のばらつきが補正され、各誘電体共振器のグラフが平均値のグラフ付近に密集していることがわかる。
(ステップS8)配向性の測定を実施する際の測定ヘッドと試料のなす角度について、補正係数測定中の各相対角度の水準のうちの1つから選出する。今回は配向測定の角度を0度、つまり図8に示されるように、No.1の共振器がPosAを測定、以下同様にNo.2がPosB、No.3がPosC、No.4がPosD、No.5がPosEをそれぞれ測定する状態である。そして、ステップS7で得られた各測定領域における各共振器のシフト量の平均値を、同様にステップS7で得られた0度の回転角度での配向性測定の際の試料の各測定領域に対応する各誘電体共振器のシフト量(PosA=No.1、PosB=No.2、PosC=No.3、PosD=No.4、PosE=No.5)でそれぞれ除することで、試料の誘電率の異方性に対する誘電体共振器の感度のばらつきを補正する補正係数K2が算出される。
算出された補正係数K1とK2は記憶部に保持しておき、試料の配向性を求める際に使用する。
次に、補正係数測定後の実試料の配向測定へと移行する。
(ステップS9)ステップS8で定めた0度の回転角度のもとで、全ての誘電体共振器の測定面を覆う大きさの実試料を測定ヘッド上に載せ、各誘電体共振器の共振周波数を測定する。実試料は走行する試料である。
(ステップS10)ステップS9で得られた各誘電体共振器の共振周波数とステップS1で得られたブランク共振周波数の差から実試料の周波数シフト量を算出する。この際、ステップS9を実施する前に、再度測定ヘッド上に何も載せない空気のみの状態で、再度ブランク測定を実施してブランク共振周波数を取得し、シフト量の演算に用いてもよい。
(ステップS11)ステップS10で得られた共振周波数シフト量に、記憶されている補正係数K1と補正係数K2を掛けて補正後のシフト量とし、その値をもとに試料の配向性を算出する。
ステップS9及びステップS10にて得られたシフト量に対し、補正係数を掛けない場合、補正係数K1のみを掛けた場合、補正係数K1及び補正係数K2を掛けた場合のそれぞれにおける各領域での共振周波数シフト量(Δf)のグラフを図11に示す。
ここで図11のグラフの形状について図12及び図13を用いて説明する。図12では、(a)に示したように矢印の紙の流れ方向に配向した紙を図示のように配置したマイクロ波誘電体共振器により測定すると、(b)に示した配向パターンが得られることを示している。図12では、No.1の誘電体共振器がPosAを、以下同様にNo.2をPosB、No.3がPosC、No.4がPosD、No.5がPosEを測定する対応関係となっている。図12は測定ヘッドと紙面の接触状態が均一な場合に5つのポジションにおいて各誘電体共振器が示す共振周波数のシフト量の一例である。5つの誘電体共振器を用いて図12(b)に示したような配向パターンが得られる場合、5つのヘッドの定位置であるポジションAからEに対して、共振周波数のシフト量(Δf)は理論上、図13に示したようなPosA<PosC=PosD<PosB=PosEの形になる。これを踏まえあらためて図11を見ると、補正前及び補正係数K1を掛けたのみのグラフが各共振器のもつ試料の異方性に対する感度差の影響を受けているのに対して、補正係数K1及びK2をかけた補正後のグラフは理論上算出されるべき相対関係とほぼ同等となっていることが分かる。このように、本発明の各ステップを踏み補正係数測定を実施することで、図13のような理想的な測定結果を得ることが可能となる。
測定ヘッドとして回転しないように固定された測定ヘッド使用する場合は、走行する実試料を補正試料として利用することはできない。その場合は、補正試料として実試料の一部を切り出した試料片を補正試料として使用する。
補正係数を求めるための補正試料による共振周波数の測定では、補正試料を測定ヘッドに対して等間隔の回転角をもって回転させて各回転角の位置で各誘電体共振器の共振周波数を測定する。
測定ヘッドに対して補正試料を回転させるには、例えば次のような方法をとることができる。例えば、5個の誘電体共振器が設けられている測定ヘッドでは、誘電体共振器は測定ヘッド面上の円の円周上に配置され、隣接する誘電体共振器はその円の中心からの角度が72度となる等間隔の位置に配置されている。そこで、補正試料となる試料片にも円周上で中心からの角度が72度ごとの位置に目印を設けておく。そして、測定ヘッドの誘電体共振器の位置に補正試料の目印が合うように、補正試料を測定ヘッド上に置いて共振周波数を測定し、次に補正試料の目印が測定ヘッドの誘電体共振器の次の位置へ移動するように補正試料を回転させた状態で共振周波数を測定するというように、補正試料を72度ずつ順次回転させながら共振周波数を測定していく。
また、誘電体共振器が配置されている円の中心からの角度が72度となる等間隔の位置に、例えば測定ヘッドに蓋をとりつけるためのネジ穴などが配置されている場合には、そのようなネジ穴などの位置も誘電体共振器の位置と同様に補正試料を回転させる際の目安として利用することができる。
さらに、補正試料の試料片を測定する場合、特に空気を透過する紙のような試料片について、オフラインで補正係数測定を実施する際には、通気性をもたない無配向フィルムを基準フィルムとする測定方法が有用である。基準フィルムを用いて得られた共振周波数を疑似ブランク値としてブランク値に代用し、実測の際は基準フィルムを測定ヘッドに対して回転させず、補正試料のみを測定ヘッドに対して相対的に回転させることで、各角度におけるシフト量を算出することとなる。
このとき基準フィルムと補正試料を測定ヘッドに密着させる必要があるが、その具体的な方法を説明する。図14は基準フィルムと補正試料を吸着させることのできる測定ヘッド10aを上部から見た平面図である。この例での測定ヘッド10aは回転せず、補正係数を求める補正試料の測定時も固定されたままで使用される。測定ヘッド10aで試料と接する面には、誘電体共振器1〜5が配置されている部分以外の部分に空気吸引孔13が複数設けられている。空気吸引孔13の大きさと配置は、試料や基準フィルムを十分に密着させることができるのであればどのようなものであってもよい。
図15はその測定ヘッド10aと試料11と基準フィルム12の位置関係を示している。試料11と基準フィルム12は測定ヘッド10aの表面の複数の空気孔13により吸引される。空気孔13は測定ヘッド内部から配管14を経て吸引ポンプ15に接続されている。測定ヘッド10aの表面の空気孔13から空気を吸引することにより、試料11が測定ヘッド10aに吸着されるが、もし試料にシワや折り目がある場合や、通気性のある紙のような試料の場合は十分な吸着ができない。しかし、その上に通気性をもたない無配向の基準フィルム12を載せることで、空気の透過が生じず試料11は基準フィルム12と一緒に吸着されて試料11は測定ヘッドに密着されることとなる。
なお、測定ヘッドの試料に接する面と各誘電体共振器の測定面が同一平面内にあるように測定ヘッドを設計した場合は、測定ヘッドが試料に接触した場合に各誘電体共振器も試料に接する。ここで誘電体共振器の試料に対向させる面を測定ヘッドの試料に接する面から若干下げると、誘電体共振器の測定面と試料の間には常に微小な距離が維持される。このような場合も勿論本発明を適用可能であることはいうまでもない。
実試料の測定は、走行する試料を測定するオンライン測定と、試料片からなる試料を測定するオフライン測定の両方に適用するとができる。
[実施例]
以下に本発明に係る具体例を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
まず、図2のように5個の誘電体共振器1〜5を72度ずつ配置した測定ヘッド10に対し、図3に示した信号処理回路を組み合わせ、実際に走行している抄紙後の紙に測定ヘッドを接触させ、リアルタイムで紙の繊維配向を測定した。紙との接触手段としてはフォイル効果を用い、米坪62.5g/m2の試料について、各誘電体共振器の共振周波数のシフト量を72度ごと取得した後、ポジションごとに共振周波数のシフト量を並び替え表示した。
図16は各回転角度のばらつきのみ補正した場合に5つのポジションにおいて各誘電体共振器が示す共振周波数のシフト量のグラフである。
図17は測定した共振周波数シフト量に対し補正係数K1を掛け、各誘電体共振器がもつブランク共振周波数からの周波数シフト量の固体差を補正した場合に5つのポジションにおいて各誘電体共振器が示す共振周波数のシフト量のグラフである。
図18は補正係数を掛けない場合、補正係数K1のみを掛けた場合、補正係数K1及び補正係数K2を掛けた場合のそれぞれにおける各領域での共振周波数シフト量(Δf)のグラフである。言い換えると、補正無しの場合、各測定部がもつブランク共振周波数からの周波数シフト量の固体差のみを補正した場合、各測定部がもつブランク共振周波数からの周波数シフト量の固体差及び試料の誘電率の異方性に対する感度の固体差について補正した場合のそれぞれについて各誘電体共振器が示す共振周波数のシフト量を比較したグラフである。
上記の測定対象である米坪62.5g/m2試料について、王子計測機器(株)製分子配向計(型式:MOA−3001A)を用い、取得サンプルをオフラインで測定した結果、配向角度は約15度、MOR(分子配向度)値は約1.17程度であった。前述したように、図12(b)に示したような配向パターンが得られる場合、共振周波数のシフト量は各ポジションに対して理論上は図13に示したような形になる。これはすなわち、図4における配向角度が0度の状態での各ポジションに対する共振周波数のシフト量をシミュレーションした結果となる。これと同様に、配向角度15度の場合のシミュレーション結果を図19に示す。図19は配向角度15度の場合について、5つのポジションにおいて各誘電体共振器が示す共振周波数のシフト量をシミュレーションにより求めたグラフである。
図12に示した配向角度0度の状態のシミュレーション結果は共振周波数のシフト量の数値がPosA<PosC=PosD<PosB=PosEとなる。一方、図19の結果は、図12を基準とすると相対的にPosA、C、Eが上がり、PosB,Dが下がる結果となる。これを踏まえ図18を見ると、補正無し、及び各測定部がもつブランク共振周波数からの周波数シフト量の固体差の補正を実施するのみの場合、各共振器がもつ異方性に対する感度の固体差の影響などの影響により、No.3のΔfが他よりも低くなるなど、本来得られるべきグラフ形状からやや逸脱した結果となっている。一方、図18の補正後のグラフは、補正係数K1のみを掛けた結果と比較してもNo.3のΔfが上昇していることなどから、シミュレーション結果とより近いグラフ形状を示している。このことから、各測定部がもつブランク共振周波数にからの周波数シフト量の固体差及び試料の誘電率の異方性に対する感度の固体差をともに補正することの有用性が確認された。つまり、紙の繊維配向の実測においても、配向角度および配向度の測定精度が向上したことが確認されたということになる。
1〜5 誘電体共振器
10,10a 測定ヘッド
9 回転機構
36 シフト量算出部
38 ばらつき補正値算出部
39 ばらつき補正後シフト量算出部
40 シフト補正係数算出部
41 シフト補正後シフト量算出部
42 異方性感度補正係数算出部
43 補正係数記憶部
44 シフト補正部
46 配向性算出部

Claims (10)

  1. 平面上の1つの円の円周上で等間隔に配置された複数個の誘電体共振器(No.1〜No.n)をもつ測定ヘッドと、
    前記測定ヘッドに試料を配置しない状態での前記各誘電体共振器のブランク共振周波数と、前記測定ヘッドに試料を配置した状態での前記各誘電体共振器の共振周波数とを取り込み、誘電体共振器ごとのシフト量として両共振周波数の差を算出するシフト量算出部(36)と、
    前記測定ヘッドに補正係数測定用試料(以下、補正試料という。)が配置され、前記測定ヘッドが実試料を測定するときの前記誘電体共振器の位置に対応する前記補正試料上の測定領域(Pos.1〜Pos.n)のそれぞれが全ての誘電体共振器の位置に移動して位置決めされるように前記補正試料又は前記測定ヘッドが前記円の中心を回転中心として等間隔の回転角(0, 360°/n,…360(n-1)°/n)で回転させられたときの各回転角の位置での前記シフト量を用い、全ての前記回転角の位置での前記シフト量の平均値を各回転角における前記シフト量の平均値で割り算をすることにより前記回転角ごとのばらつき補正値を求めるばらつき補正値算出部(38)と、
    前記ばらつき補正値を前記各回転角の位置での前記シフト量に掛け算をしてばらつき補正後シフト量を算出するばらつき補正後シフト量算出部(39)と、
    前記各測定領域についての前記ばらつき補正後シフト量の平均値を前記誘電体共振器ごとの前記ばらつき補正後シフト量で割り算をして係数を求め、該係数の前記誘電体共振器ごとの平均値を算出することにより前記誘電体共振器ごとのシフト補正係数(K1)を求めるシフト補正係数算出部(40)と、
    前記シフト補正係数(K1)を前記ばらつき補正後シフト量に掛け算をしてシフト補正後シフト量を算出するシフト補正後シフト量算出部(41)と、
    前記シフト補正後シフト量の前記測定領域ごとの平均値を、前記回転角のうちの実試料の配向性測定用回転角における前記各測定領域に位置する前記誘電体共振器の前記シフト補正後シフト量で割り算をすることにより、前記補正試料の誘電率異方性に対する前記誘電体共振器ごとの異方性感度補正係数(K2)を算出する異方性感度補正係数算出部(42)と、
    前記シフト補正係数(K1)と前記異方性感度補正係数(K2)を記憶する補正係数記憶部(43)と、
    実試料の配向性測定時に前記シフト量算出部(36)により算出される前記誘電体共振器ごとのシフト量に前記補正係数記憶部(42)に記憶されている前記シフト補正係数(K1)と前記異方性感度補正係数(K2)を掛けることによりシフト量を補正するシフト補正部(44)と、
    前記シフト補正部(44)により補正されたシフト量をもとに前記実試料の配向性を算出する配向性算出部(46)と、
    を備えた配向性測定装置。
  2. 該配向性測定装置は実試料の測定時は走行するオンライン試料を測定するものである請求項1に記載の配向性測定装置。
  3. 前記測定ヘッドは前記円の中心を回転中心として前記平面内で回転可能に支持された測定ヘッドであり、
    該配向性測定装置は、前記誘電体共振器を前記円周上で前記複数個の測定領域(Pos.1〜Pos.n)に位置決めするとともに、前記各誘電体共振器が全ての前記測定領域に位置決めされるように前記測定ヘッドを等間隔の回転角(0, 360°/n,…360(n-1)°/n)をもって回転させる回転機構をさらに備えており、
    前記回転機構は前記補正試料の測定時は前記測定ヘッドを回転させ、実試料の測定時は前記測定ヘッドを実試料測定用の回転角度に固定するものである請求項1又は2に記載の配向性測定装置。
  4. 前記測定ヘッドは回転しないように固定されたものであり、前記補正試料が前記測定ヘッドに対して等間隔の回転角(0, 360°/n,…360(n-1)°/n)をもって回転させられる請求項1又は2に記載の配向性測定装置。
  5. 該配向性測定装置は実試料として走行するオンライン試料を測定し、前記補正試料として実試料の一部からなる試料片が用いられるものであり、
    前記測定ヘッドは前記誘電体共振器が配置されている部分以外の部分に空気吸引孔をもち、空気吸引力によって試料を前記測定ヘッドに吸着させることができるものであり、前記測定ヘッドは前記試料片を測定するときは空気吸引力によって前記試料片を前記測定ヘッドに吸着させ、前記実試料を測定するときは空気吸引力を作用させないものである請求項4に記載の配向性測定装置。
  6. 平面上の1つの円の円周上で等間隔に配置された複数個の誘電体共振器(No.1〜No.n)をもつ測定ヘッドを備えた配向性測定装置を用い、以下のステップを備えて配向性をもつ試料の配向性を測定する配向性測定方法。
    (ステップ1)前記測定ヘッドに測定対象物を配置しない状態で前記各誘電体共振器のブランク共振周波数を測定するステップ、
    (ステップ2)前記測定ヘッドに補正試料を配置し、前記測定ヘッドが測定対象である実試料を測定するときの前記誘電体共振器の位置に対応する前記補正試料上の測定領域(Pos.1〜Pos.n)のそれぞれが全ての誘電体共振器の位置に移動して位置決めされるように前記補正試料又は前記測定ヘッドを前記円の中心を回転中心として等間隔の回転角(0, 360°/n,…360(n-1)°/n)で回転させ、各回転角の位置で前記各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ、
    (ステップ3)前記各誘電体共振器のブランク共振周波数と前記各回転角の位置での前記各誘電体共振器の共振周波数との差から前記各回転角の位置での前記各誘電体共振器のシフト量を算出するステップ、
    (ステップ4)前記各回転角の位置での前記各誘電体共振器のシフト量について、全ての前記回転角の位置での平均値を各回転角における平均値で除することにより前記回転角ごとのばらつき補正値を算出するステップ、
    (ステップ5)前記ばらつき補正値をそれぞれの前記回転角での前記シフト量に掛けることによりばらつき補正後シフト量を算出するステップ、
    (ステップ6)前記各測定領域について、前記ばらつき補正後シフト量の平均値を算出し、該平均値を前記誘電体共振器ごとの前記ばらつき補正後シフト量で除して係数を算出し、該係数を前記誘電体共振器ごとに平均して前記誘電体共振器ごとのシフト補正係数(K1)を求めるシフト補正係数算出ステップ、
    (ステップ7)前記シフト補正係数(K1)を前記ばらつき補正後シフト量に掛けることによりシフト補正後シフト量を算出するステップ、
    (ステップ8)前記シフト補正後シフト量の前記測定領域ごとの平均値を求め、該平均値を前記回転角のうちの実試料の配向性測定用回転角における前記各測定領域に位置する前記誘電体共振器の前記シフト補正後シフト量で割り算をすることにより、前記補正試料の誘電率異方性に対する前記誘電体共振器ごとの異方性感度補正係数(K2)を算出する異方性感度補正係数算出ステップ、
    (ステップ9)前記シフト補正係数(K1)と前記異方性感度補正係数(K2)を記憶装置に記憶させるステップ、
    (ステップ10)前記測定ヘッドと実試料を実試料の配向性測定用回転角の状態にして、前記各誘電体共振器により実試料を測定してシフト量を算出し、その算出されたシフト量に、記憶されている前記シフト補正係数(K1)と前記異方性感度補正係数(K2)を掛けるシフト量補正ステップ、及び
    (ステップ11)補正されたシフト量をもとに実試料の配向性を算出するステップ。
  7. 前記測定ヘッドとして前記円の中心を回転中心として前記平面内で回転可能に支持された測定ヘッドを使用し、
    前記ステップ2では前記各誘電体共振器が全ての前記測定領域に位置決めされるように前記測定ヘッドを等間隔の回転角(0, 360°/n,…360(n-1)°/n)をもって回転させて各回転角の位置で前記各誘電体共振器の共振周波数を測定し、
    前記ステップ10では前記測定ヘッドを実試料の配向性測定用回転角に固定して実試料の測定を行う請求項6に記載の配向性測定方法。
  8. 実試料として走行するオンライン試料を測定し、補正試料としても実試料を使用する請求項7に記載の配向性測定方法。
  9. 前記測定ヘッドとして回転しないように固定された測定ヘッドを使用し、
    前記補正試料として試料片を使用し、
    前記ステップ2では、前記補正試料を前記測定ヘッドに対して等間隔の回転角(0, 360°/n,…360(n-1)°/n)をもって回転させて各回転角の位置で前記各誘電体共振器の共振周波数を測定する請求項6に記載の配向性測定方法。
  10. 実試料として走行するオンライン試料を測定し、
    前記測定ヘッドとして前記誘電体共振器が配置されている部分以外の部分に空気吸引孔をもつ測定ヘッドを使用し、前記補正試料を測定するときは空気吸引力によって前記補正試料を前記測定ヘッドに吸着させ、前記実試料を測定するときは空気吸引力を作用させないようにし、
    前記補正試料を測定するときは無配向の基準フィルムを前記測定ヘッドに吸着させて測定したときの疑似ブランク共振周波数と、前記補正試料を前記測定ヘッドに載せ、さらにその補正試料上に前記基準フィルムを載せて前記補正試料と前記基準フィルムを重ねて前記測定ヘッドに吸着させて測定したときの共振周波数との差として前記ステップ3でのシフト量を求める請求項9に記載の配向性測定方法。
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