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JP5651185B2 - 共振センサの性能向上のための方法及びシステム - Google Patents
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JP5651185B2 - 共振センサの性能向上のための方法及びシステム - Google Patents

共振センサの性能向上のための方法及びシステム Download PDF

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Description

本発明は、無線周波数識別(RFID)検知デバイスに関し、より詳細には向上された選択性及び感度を有するインダクタ−コンデンサ−抵抗器(LCR)検知デバイスに関する。
センサの選択性は、センサの性能及び用途における重要な側面の1つである。一般的に選択性の不足は、工業用及び他の用途用の液体及び空気中の化学的及び生物学的種の検知におけるセンサの広範な使用を妨げる。この問題に対処する2つの知られている手法は、(1)非常に選択的な検知膜を開発すること、(2)個別の多様なセンサをアレイに組み合わせることを含む。残念ながら各手法は、それ自体の限界がある。高度に選択的な検知膜は、一般的に、蒸気−材料間の相互作用が強いために比較的回復時間が遅い。センサをアレイに組み合わせることは、製造上の難題を生じ得る。
化学的及び生物学的検出は、RFIDセンサを用いて達成されている。この手法では、例えば13.56MHzで動作する集積回路読出し/書込みメモリチップを有する、どこにでもありコスト効率の良い受動RFIDタグを化学的検知のために適合させることができる。RFIDセンサの共振アンテナ上に検知膜を適用し、RFID共振アンテナの複素インピーダンスを測定することにより、インピーダンス応答を関心のある化学的特性と相関させることが可能である。またデジタルデータは、RFIDセンサの集積回路(IC)メモリチップに書込み及びそれから読み出すことができる。このICメモリチップは、一意のデジタルID、センサ較正及びセンサが取り付けられた物体についての情報を記憶することができる。
センサ応答は、センサ上に堆積された検知膜の誘電特性の変化から生じる。RFIDセンサは、誘電特性における変化に基づいて個々の化学的及び物理的変化を検出することができるが、他の検出モードが特定されれば、これらのセンサの選択性は改善することができる。
米国特許出願公開第2007/0024410号明細書
したがって、追加の検知モードを有するセンサアセンブリを提供することが望ましい。
本発明は、試料の2以上の環境パラメータを同時に検知することが可能なセンサアセンブリを実現するように適合される。
アセンブリの一実施形態は、インダクタ−コンデンサ−抵抗器(LCR)共振器センサと、LCR共振器センサに動作可能に関連するピックアップコイルとを備える。LCR共振器センサは、検知領域を有するアンテナと、検知領域上に堆積された検知膜と、LCR共振器センサをアセンブリに機械的に取り付けるための取付け点とを備える。動作時は検知膜内の粘弾性的変化は、ピックアップコイルに対するアンテナの変位を引き起こす。
第2の実施形態では、試料の2以上の環境条件を測定する方法が提供される。方法は、LCRアセンブリを用意する段階と、LCR共振器センサから電磁信号を送信する段階と、LCR共振器センサ信号をピックアップコイルで検知する段階と、ピックアップコイルに結合されたリーダ/ライタ装置を用いてLCR共振器センサ信号を読み出す段階とを含む。
第3の実施形態では、2以上の環境の条件を測定する方法は、LCRアセンブリを用いる段階を含み、LCR共振器は、アンテナに取り付けられたICメモリチップを有する。方法は、ICメモリチップに異なる入力パワーレベルを印加し、異なる入力パワーレベルで検知アンテナの複素インピーダンススペクトルを測定するものである。異なるパワーレベルでの複素インピーダンススペクトルの変化は、試料の異なる物理的又は生物学的特性に関係する。
またLCR共振センサ応答の1以上のノイズパラメータを補正する方法が提供され、方法は、LCRアセンブリを用意する段階と、環境条件に付してすぐにLCR共振器センサの複素インピーダンスを測定する段階と、LCRセンサの入力を用いてノイズパラメータを補正する段階とを含む。
本発明の上記及びその他の特徴、態様及び利点は、各図面を通して同様な文字は同様な部分を表す添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読めば、より良く理解されよう。
ICメモリチップ、アンテナ及びピックアップコイルを有するLCRセンサの概略図である。 LCRセンサ、ICメモリチップ及びそれ自体のピックアップコイルを有するリーダを示す、本発明のシステムの一実施形態の概略電気回路図である。 LCRセンサ内で用いるためのRFIDタグ及びICメモリチップを示す本発明のシステムの一実施形態の概略図である。 本開示のセンサの動作の非限定的な例を示す図である。 多変量解析のために用いる測定された複素インピーダンススペクトルの例を示す図である。 LCRセンサ応答の測定に用いられる方法を示し、(A)センサがピックアップコイルから一定の距離に配置される、LCRセンサ応答の測定の知られている手法及び(B)LCRセンサが片持ち梁としても働き、LCRセンサ信号はピックアップコイルを用いて測定される本発明の非限定的な実施形態を示す図である。 センサ検出のために用いられる片持ち梁動作の一般的な原理(従来技術)を示す図である。 物理的、化学的及び生物学的受動LCRセンサの動作に適用される動作原理を示す図である。 センサの選択性の改善を示す例示の図である。 片持ち梁応答センサと比較した従来型の読出しを用いたLCRセンサ応答のPCA分析の結果を示す図である。 LCRセンサからの2つのタイプの読出しを組み合わせた単一のPCAプロットを示す図である。 13.56MHzの公称周波数で動作するMB89R118Aメモリチップ(富士通)を有する選択的化学的検知用のLCRセンサの一実施形態を示す図である。 水、メタノール及びエタノール蒸気の測定してすぐの、+15dBm及び−15dBmの2つの呼出し電力でのLCRセンサのZp応答を示す図である。 水、メタノール及びエタノール蒸気の測定してすぐの、+15dBm及び−15dBmの2つの呼出し電力でのLCRセンサのFp応答を示す図である。
本発明は、試料の2以上の環境パラメータの同時検知のためのLCRアセンブリに関する。本明細書で用いるLCRアセンブリは、LCR共振回路とピックアップコイルとを用いるLCRセンサからなる。ICメモリチップを有するLCRセンサも、RFIDセンサと呼ぶことができる。
RFIDセンサ上に堆積された検知膜の誘電特性の変化から生じるセンサ応答については知られている。このような手法は、その誘電特性が変化する検知膜のみに応用可能なので限定的である。これと対照的に、検知膜の粘弾性的変化が検知膜内に応力を発生する片持ち梁として応答するように、RFIDを構成することにより、向上された選択性を達成することができる。応力は、対応するピックアップコイルに対する片持ち梁センサの曲がりを生じることができる。その結果生じるセンサの選択性は、センサ応答における第2の主成分の寄与の増加として、多変量解析(主成分分析、principal components analysis:PCA)を用いて測定し定量化することができる。
一部の実施形態ではこのような応力は、片持ち梁を、検体濃度などの特定の環境条件に応じて撓ませることができる。片持ち梁の曲がりでは変化を生じないかわずかな変化を生じながら、同時に他の環境の変化は、検知膜の誘電特性の変化を生じることができる。したがって誘電特性と片持ち梁の曲がりの両方の変化を測定することにより、2以上の環境パラメータの同時検知が可能になる。
一部の実施形態では、RFIDセンサはLCRセンサであり、片持ち梁として応答し、且つ誘電特性の変化に応答することができる。誘電特性の変化は、LCRセンサの共振応答を測定することによって測定される。したがってLCRセンサは、試料の1以上の条件を検知するために用いることができる。条件には、物理的条件、生物学的条件又は化学的条件を含むことができ、所望のパラメータに対する定量的応答を含むことができる。例えばセンサは、非限定的に、導電率測定、pHレベル、温度、血液関連測定、イオン測定、非イオン測定、非導電率測定、電磁放射レベル測定、圧力、蒸気濃度、生体材料濃度及び通常の流体(溶液又はガス)から取り出すことができる他のタイプの測定などの、関心のある環境パラメータの大きさを監視するために使用することができる。
一部の実施形態では試料は、使い捨て容器、バイオリアクタ、ステンレス容器、プラスチック容器、ポリマー材料容器又は滅菌済みポリマー材料容器などの容器でよい。さらに容器は、異なるサイズ及び形状のもの、例えば微細流体流路、ペトリ皿、グローブボックス、フード又はプラスチック袋でよい。試料はまた、屋内のエンクロージャ又は屋外監視ステーションなどの開放容積でもよい。いくつかの試料が、容器の容積全体を構成することができる。
容器は、所定の形状を有しても良く、有していなくても良い。一部の実施形態では容器は、使い捨てバイオプロセス部品である。バイオプロセス部品の非限定的な例は、使い捨て保存袋、使い捨て容器、製品移動ライン、フィルタ、コネクタ、バルブ、ポンプ、バイオリアクタ、分離コラム、混合器又は遠心分離システムを含む。一実施例では、使い捨て容器又は袋はプラスチック製でよい。使い捨て容器は、LCR共振センサ及びピックアップコイルを挿入するためのポートを備えることができる。一実施形態ではセンサ及びピックアップコイルは、同じポートを用いて容器内に挿入することができる。他の実施形態ではセンサ及びピックアップコイルは、別々のポートを用いて容器内に挿入することができる。例えばセンサは、動作時又は動作後に、部品内のパラメータを監視するために、使い捨てバイオプロセス部品と共に用いることができる。
一部の実施形態ではLCRセンサは、LCRセンサと、対応するピックアップコイルとの間の結合に基づくセンサ読出しをもたらすことによって機能する。LCRセンサとピックアップコイルの間の結合は、片持ち梁として構成されるLCRセンサに対して検知膜によって印加される応力に応じて変化する。
図1は、LCRセンサ(1)及びピックアップコイル(6)の典型的な構成を示す。LCRセンサは、アンテナ(2)、ICメモリチップ(5)及びアンテナの少なくとも一部分上に堆積された検知膜(図示せず)を含むことができる。アンテナ(3及び4)の端部は、導電体の線、導電体ストリップ又は導電体ケーブルなどの導電体媒体を用いて電気的に接続される。アンテナと導電体媒体の間の接続は、導電体媒体が、それが横切るアンテナの他の領域を電気的に短絡しないように行われる。ICメモリチップ5は、情報を記憶するために用いられ、読出し/書込みユニット(図示せず)から送信される無線周波数信号によって活動化することができる。センサ1のアンテナ2は、信号を受信し、信号を送信する。次いで検知デバイスから信号を送出する読出し/書込みユニットのピックアップコイル6は、アンテナ2によって送信される信号をピックアップする。センサ1とピックアップコイル6は、動作的に近接して配置される。一実施例ではセンサ1とピックアップコイル6は、誘導結合を通じて結合することができる。好ましい実施形態ではセンサ1とピックアップコイル6は、無線で通信するように適合することができる。
図2は、LCRセンサアセンブリを示す本発明のシステムの一実施形態の概略電気回路図である。図示のようにアセンブリは、LCRセンサ、ICメモリチップ及びそれ自体のピックアップコイルを有するリーダを備える。LCR共振回路及びICメモリチップを用いるLCRセンサはRFIDセンサと呼ぶこともできる。一部の実施形態ではICメモリチップは必要なく、LCRセンサはICメモリチップなしでも動作することができる。
図示のように図2においてRFIDタグ10は、磁気的に結合された共振回路12の助けによりデータ及びエネルギーを伝送する。受動RFIDタグはその機能のための電池は必要とせず、図2ではマイクロチップとして示されるメモリチップ14を含む。メモリチップ14はアンテナに接続される。チップ14は、RFIDリーダ18により、アンテナインダクタンス(LA)を有するインダクタ20、アンテナ静電容量(CA)を有するコンデンサ22及びアンテナ抵抗(RA)を有する抵抗器24の組合せによってチューニングされたアンテナ16を照らすことによって読み出される。インダクタンスLのインダクタ、静電容量Cのコンデンサ及び抵抗Rの抵抗器の組合せは、LCR共振回路と呼ばれる。
一部の実施形態ではLCRセンサのチューニングは、LCR検知アンテナの製造時に行われる。RF電磁界がアンテナコイルを通過すると、コイルの両端にAC電圧が発生される。この電圧はチップ14内で整流されて、チップ動作のためのDC電圧を生じる。チップ14は、DC電圧が、ICメモリチップを活動化し動作させるのに必要な所定のレベルに達したときに機能できるようになる。これはまた、この用途のための動作可能パワーレベルと呼ばれる。ICメモリチップから後方散乱されるRF信号を検出することにより、ICメモリチップ内に記憶された情報を完全に識別することができる。受動タグ10とリーダ18の間の距離は、動作周波数、RFパワーレベル、リーダの受信感度、アンテナのサイズ、データ転送速度、通信プロトコル及びICメモリチップ所要電力を含む設計パラメータによって決定される。
LCRセンサ構成の一実施形態は図3に示され、ICメモリチップ32を備えるRFIDセンサ30を含む。ICメモリチップ32はICデバイスである。ICメモリチップ32は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)プロセスを用いて製作されたRF信号変調回路34と、不揮発性メモリ構成要素58とを含む。CMOSチップ34は、整流器36、電源電圧コントローラ38、変調器40、復調器42、クロック発生器44、衝突防止機能コントローラ46、データ入力/出力コントローラ48及びメモリアクセスコントローラ50などのいくつかのサブコンポーネントを含む。メモリの非限定的な例は、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)及び強誘電体ランダムメモリ(FRAM)などの不揮発性メモリタイプである。
チップを活動化するためには、RFID呼出し装置(リーダ/ライタ装置)はRF信号を送出し、RF信号はRFIDタグのアンテナによって捕捉されてアンテナの両端にAC電圧を生じる。さらにオンチップ整流器はこのAC電圧を、ICチップを活動化するDC電圧に変換する。活動化されたチップは、記憶された情報をRFID呼出し装置に送り戻すことができ、それ自体のメモリに記憶すべき新しい情報を受け取ることができる。RFID呼出し装置は、データの読出し及び書込みのために、コマンドパルスを用いてチップと通信する。さらに、活動化パワーレベルの範囲の現在の値を、所定のパワーレベルの範囲の値と比較するために、比較器ユニットを用いることができる。また信号オフセット、信号ドリフト、信号ノイズ及びセンサ応答の勾配の1以上を調整するために、処理ユニットを用いることができる。
LCRセンサでは、回路静電容量Cにおける検体に応じた変化、回路抵抗Rにおける検体に応じた変化又はこれら2つの組合せから検知応答が生じる。検体とは、分析される物質又は条件を指す。C及びRにおける変化の組合せは、LCR共振検知回路の周波数応答スペクトルを測定することによって測定される。
センサの動作時はLCRセンサ応答は、信号ノイズと信号ドリフトの両方によって影響を受け得る。より具体的には信号ノイズは、室温、周囲環境の誘電特性、周囲湿度、金属へのセンサの近接度、センサの表面汚染及びピックアップコイルの表面汚染などの様々な環境パラメータに起因すると考えることができる。信号ドリフトは、センサ又はピックアップコイルの表面汚染、検知膜、センサ基板、アンテナなどのセンサ構成要素の経時劣化及び基板からの検知膜の層間剥離を含むいくつかの要因に起因すると考えることができる。
関心のある環境パラメータに対するLCRセンサの応答の発生源は図4に概略的に示され、読み出すとすぐにセンサアンテナ(65)内に電磁界が発生され、センサの平面から外に延びる。電磁界は周囲環境の誘電特性によって影響を受け、それにより物理的パラメータの測定の機会をもたらす。LCRセンサは、ピックアップコイルにより無線で読み出すことができ又は代替実施形態では、ネットワークアナライザなどの周波数スペクトル測定装置に直接線を取り付けることにより読み出すことができる。
導電種(液体又は固体)の測定は、導電性媒体をLCRセンサアンテナから分離する保護層を用いて行うことができる。高度に導電性の媒体での測定の場合は、電気的短絡及びセンサ共振の損失を防止するために、センサアンテナ上の保護層を用いることができる。化学的又は生物学的パラメータに対するLCRセンサの応答は、LCRセンサの共振アンテナ上に堆積された検知膜の誘電的特性及び寸法特性における変化を伴う。これらの変化は、検知膜(70)と相互作用する分析される環境に関係する。
検知膜(70)は、検体及び検知材料特性に基づいて、適切な化学的又は生物学的な認識に対して選択される。検知膜における検体に起因する変化は、アンテナの巻きの間の材料抵抗及び静電容量における変化を通して、アンテナ回路の複素インピーダンスに影響を与える。このような変化は個別のRFIDセンサの応答に多様性をもたらし、多数の従来のセンサ全体を単一のLCR又はRFIDセンサに置き換える機会をもたらす。
個別のLCRセンサを用いた選択的な検体の定量に対しては、図5に示されるようにセンサアンテナの複素インピーダンススペクトルが測定される。LCR共振回路パラメータの非限定的な例は、インピーダンススペクトル、インピーダンススペクトルの実部、インピーダンススペクトルの虚部、インピーダンススペクトルの実部及び虚部の両方、複素インピーダンスの実部の最大値の周波数(Fp)、複素インピーダンスの実部の大きさ(Zp)、複素インピーダンスの虚部の共振周波数(F1)及びその大きさ(Z1)及び複素インピーダンスの虚部の反共振周波数(F2)及びその大きさ(Z2)を含む。
LCR共振回路パラメータのさらなる非限定的な例は、LCRセンサの等価回路の応答から抽出することができるパラメータを含む。これらの追加のパラメータは、LCRセンサの共振回路応答のインピーダンスの共振のQ値、ゼロリアクタンス周波数、位相角及び絶対値を含むことができる。適用される多変量解析は、多変数のLCRセンサ応答の次元の数を、関心のある異なる環境パラメータの選択的定量のために、多次元空間内の単一のデータ点に低減する。多変量解析ツールの非限定的な例は、正準相関分析、回帰分析、非線形回帰分析、主成分分析、判別関数解析、多次元尺度構成法、線形判別分析、ロジスティック回帰及び/又はニューラルネットワーク分析である。複素インピーダンススペクトル全体又は計算されたパラメータの多変量解析を適用することにより、検体及び干渉を有するそれらの混合物の定量が、個別のLCRセンサを用いて行われる。複素インピーダンススペクトルパラメータの測定の他に、複素インピーダンススペクトルに関係する他のスペクトルパラメータを測定することが可能である。例としては非限定的に、Sパラメータ(散乱パラメータ)及びYパラメータ(アドミッタンスパラメータ)が含まれる。
図6Aは、センサがピックアップコイルから一定の距離に配置される、LCRセンサ応答の測定の知られている手法を示す。図6Bは本発明の一実施形態を示し、LCRセンサは片持ち梁としても働き、LCRセンサ信号はピックアップコイルを用いて測定される。アンテナは検知膜と連結して又は検知膜内に埋め込まれて、共振センサが製作される。検知膜とアンテナと組み合わせることにより、0.001から100N/mの範囲のばね定数を有する可撓性の基板を形成する。
検知膜はセンサ上に堆積させることができ、環境と相互作用するとセンサ応答に予測可能に且つ再現可能に影響を与える機能を行う。典型的なセンサ材料としては、それが置かれた環境に応じて特性が変化するポリマー、有機、無機、生物学的、複合材料又はナノ複合材料膜を含むことができる。検知材料のさらなる例は、有機及び無機イオンを有するイオン液体、半導体ナノ結晶、ナノチューブ及びナノファイバを含む。環境にさらされると予測可能に変化する検知材料の特性の例は、非限定的に、静電容量の変化、抵抗の変化、厚さの変化、粘弾性の変化又はそれらの組合せを含む。
例えば検知膜の静電容量変化は、検知膜がポリウレタン膜であり、LCR共振センサのコンデンサ構造の一部であり、且つ異なる蒸気にさらされたときに観察することができる。例えばポリウレタン膜は空気中では、4.8の誘電定数を有する。ポリウレタン膜がトルエンにさらされたときは、トルエンは2.36の誘電定数を有し、ポリウレタン膜の誘電定数は減少する。膜が、80の誘電定数を有する水にさらされたときは、ポリウレタン膜の誘電定数は増加する。これらの誘電定数の変化は、周波数Fp、F1、F2の変化を生じる。
他の検知膜は化学蒸気にさらされたときに、観測可能な抵抗の変化を示すことができる。例えば検知膜がポリアニリン膜であるときは、アンモニアにさらされるとポリアニリン膜の抵抗が増加する。この膜抵抗の変化は、インピーダンスの大きさZp、Z1及びZ2の変化を生じる。
検知膜の厚さの変化は、一部の実施形態において環境パラメータの変化を測定するために用いることができる。例えば検知膜がヒドロゲルであるときは、膜の厚さは、水にさらされると変化する。ヒドロゲルを含む検知膜としては、ポリ(メタクリル酸ヒドロキシアルキル)、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)及びポリ(ビニルアルコール)を含むことができる。
一部の実施形態ではまた、検知膜の粘弾性の変化を用いることができる。粘弾性の変化は、ポリイソブチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリクロロプレン及びポリエピクロロヒドリンなどの検知膜が異なる蒸気にさらされたときに観察することができる。
したがって検知膜は、センサの片持ち梁の動きの変化によって又は共振LCR回路パラメータの変化を通して環境の変化を検出できることを条件として、様々な材料からなるものとすることができる。可能な検知膜材料の非限定的な例は、ポリ(メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)などのヒドロゲル、ナフィオンなどのスルホン化ポリマー、シリコン接着剤などの粘着性ポリマー、ゾル−ゲル膜などの無機膜、DNA、抗体、ペプチドなどの生体を含む膜又は膜として堆積された他の生体分子、DNA、抗体、酵素、ペプチド、多糖、タンパク質、アプタマー又は他の生体分子などの生体を含む膜又は無機又はポリマー膜の一部として堆積されたウイルス、胞子、細胞、複合材料膜、ナノ複合材料膜、機能化されたカーボンナノチューブ膜、表面が機能化された金ナノ粒子、静電紡糸ポリマー、無機からなる膜及び1つの誘電特性を有し別の誘電特性を有する基材中に導入された複合材料ナノファイバ、ナノ粒子である。
複合材料は、物理的又は化学的特性の大きく異なる2種以上の構成材料からなる材料であって、これらの特性は完成構造において顕微鏡的レベルで別々で異なるまま残るものである。複合材料の非限定的な例は、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリ(スチレン−co−アリルアルコール)、ポリ(塩化ビニル−酢酸ビニル)その他の材料を有するカーボンブラック複合材料を含む。ナノ複合材料は、物理的又は化学的特性の大きく異なる2種以上の構成材料からなる材料であって、これらの特性が完成構造においてナノスケールのレベルで別々で異なるまま残るものである。ナノ複合材料の非限定的な例は、ポリマー(ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリカーボネート、ポリスチレンなど)を有するカーボンナノチューブナノ複合材料、ポリマーを有する半導体ナノ結晶量子ドットナノ複合材料、金属酸化物ナノワイヤ及びカーボンナノチューブ、カーボンナノチューブで機能化された金属ナノ粒子又はナノクラスタを含む。
他のタイプの材料は、様々な知られている方法(誘電泳動アラインメント、材料の重合時の整列、空間的拘束による整列、低速の溶媒蒸発時の整列、その他)で整列が行われる整列ナノ構造、同じサイズの粒子のコロイド結晶構造などの自己集合化構造、異なる層は異なるサイズの集合化粒子を有するコロイド結晶膜の多層、粒子が1つの誘電特性の粒子コアと、別の誘電特性の粒子シェルとを有するコア−シェル構造を有するナノ粒子集合体、バイオインスパイアード材料、ゼロ次元ナノ材料、一次元ナノ材料、二次元ナノ材料及び三次元ナノ材料を含む。
自己集合化構造は、同じサイズの粒子のコロイド結晶構造、異なる層は異なるサイズの集合化粒子を有するコロイド結晶膜の多層、粒子が1つの誘電特性の粒子コアと、別の誘電特性の粒子シェルとを有するコア−シェル構造を有するナノ粒子集合体を含む。自己集合化コロイド結晶構造の材料の非限定的な例は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルトルエン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体及びシリカを含む。これらのコロイド粒子の典型的な直径は材料のタイプに依存し、50ナノメートルから25マイクロメートルの範囲となり得る。複数の層を有するコロイド結晶構造の非限定的な例は、センサ基板上のコロイドアレイとして集合化された1つのサイズの粒子の1以上の層と、前の層の上のコロイドアレイとして集合化された別のサイズの粒子の1以上の層とを含む。バイオインスパイアード材料の非限定的な例は、超疎水性又は超親水性コーティングを含む。
ゼロ次元ナノ材料の非限定的な例は、金属ナノ粒子、半導体ナノ結晶を含む。一次元ナノ材料の非限定的な例は、ナノチューブ、ナノワイヤ、ナノロッド及びナノファイバを含む。二次元ナノ材料の非限定的な例はグラフェンを含む。三次元ナノ材料の非限定的な例はコロイド球を含む。
1つの誘電特性の粒子コアと、別の誘電特性の粒子シェルとを有するコア−シェル構造のナノ粒子の非限定的な例は、金属(金、銀、それらの合金など)のコアナノ粒子と、ドデカンチオール、デカンチオール、1−ブタンチオール、2−エチルヘキサンチオール、ヘキサンチオール、tert−ドデカンチオール、4−メトキシ−トルエンチオール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、11−メルカプト−1−ウンデカノール、6−ヒドロキシヘキサンチオールの有機シェル層;ポリマーコア(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート)と、無機シェル(シリカ);分離コア(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリカ)及び半導体シェル(カーボンナノチューブ、TiO2、ZnO、SnO2、WO3)及び金属ナノ粒子が蒸着されたカーボンナノチューブコアを含む。
非限定的な例として示したこれらの多様な検知材料は、検知材料膜での検体に起因する変化が、材料の抵抗及び静電容量の変化を通してアンテナLCR回路の複素インピーダンスに影響を与えるので、LCR共振センサの検知領域上に必要となる。このような変化は個別のRFIDセンサの応答に多様性をもたらし、多数の従来のセンサ全体を単一のLCR又はRFIDセンサに置き換える機会をもたらす。
一実施形態では、アンテナ/検知膜の組合せがアセンブリに機械的に取り付けられるようにLCRセンサが片持ち梁として構成され、支持された近位端の反対側に片持ち遠位端を有する検知膜となる。検知膜における粘弾性的変化は、支持された近位端に対する検知膜の変位を引き起こす。
一部の実施形態ではアンテナは、ポリマー膜などの誘電材料基板上に堆積される。次いで図4に示すようにアンテナ内の電磁界が検知膜をプロービングするように、アンテナ上に検知材料が堆積される。アンテナ/検知膜の機械的取付けは、アセンブリがピックアップコイルを含む図6に示されるようにアセンブリへの直接取付けとすることができ又は共振センサ内に含まれた機械的支持構造物を通してでもよい。機械的支持構造物は、接着剤、無機膜層又は有機膜層とすることができる。他の実施形態では、検知膜の遠位端が撓むことができれば、支持された近位端に隣接する領域内に追加の取付け点を用いることができる。
動作時は、この共振センサ上に堆積された検知膜はセンサを撓ませ、撓みはピックアップコイルにより測定される。ピックアップコイルはまた、センサのインピーダンスの測定から検知膜の誘電的変化を測定する。一部の実施形態ではピックアップコイルは、誘導結合又は静電結合を用いてセンサ応答を測定する。
一実施形態では共振LCRセンサは、50kHzから30GHzまで、より好ましくは70kHzから25GHzまで、より好ましくは100kHzから20GHzまでの範囲で動作する。一部の実施形態では共振LCRセンサは、125kHz、134kHz、13.5MHz又は915MHz又は2.4GHz前後などの特定の周波数で動作することができる。
図7は典型的な検知機構を示し、Hagleitner et al., Nature 2001, 414, 293-296の従来技術で述べられるように、機械的センサ応答(片持ち梁の曲がり)は、検体(80)と、片持ち梁表面(90)の検知膜との相互作用から生じる。検体と、片持ち梁上の検知膜との相互作用を測定するいくつかの手法があり、非限定的に光学、周波数、ピエゾ抵抗及び静電容量読出しを含む。
図8に示されるように、ピックアップコイル(6)に対するLCRセンサ(1)の動作は、2つの素子の間の誘導結合の測定及び変化に基づく。LCRセンサ1に対するデジタル情報の読出し及び書込み及びLCRセンサアンテナの複素インピーダンスの測定は、LCRセンサアンテナと、リーダに結合されたピックアップコイル6との間の相互インダクタンス結合を通じて行われる。LCRセンサとピックアップコイルの間の相互作用は、一般の相互インダクタンス結合回路モデルを用いて表すことができる。モデルは、ピックアップコイルの固有インピーダンスZc及びLCRセンサの固有インピーダンスZsを含む。ピックアップコイルとLCRセンサとの間の相互インダクタンス結合Mは、2つの電圧源Vcs及びVscによって表される。相互インダクタンス結合M、ピックアップコイルの固有インピーダンスZc及びLCRセンサの固有インピーダンスZsは、次式で与えられるピックアップコイルの両端の全測定インピーダンスZTを通して関係付けられる。
ただしωは搬送波角周波数である。この式は、測定インピーダンスZTは相互インダクタンス結合Mの2乗に比例するので、LCRセンサ応答の正確な読出しのためには相互インダクタンス結合Mの制御が重要であることを示している。
本発明によれば、LCRセンサがRFIDリーダ/ライタ装置により複素インピーダンスを読み出すように呼び出されたときは、センサの感度及びその選択性を制御するように、これらの測定を行うために異なるパワーレベルが印加される。図3を再び参照すると、チップ34を活動化するためには電圧を印加する必要がある。チップを活動化するためにRFID呼出し装置(リーダ/ライタ装置)はRF信号を送出し、RF信号はRFIDタグのアンテナによって捕捉されてアンテナの両端にAC電圧を生じる。オンチップ整流器はさらにこのAC電圧をDC電圧に変換し、DC電圧はICチップを活動化する。活動化されたチップは、それ自体の電子的特性(非限定的に、それ自体の静電容量及び抵抗を含む)をアンテナ回路に加える。それによりアンテナ回路は、より低い周波数への共振ピークのシフト、ピーク絶対値の減少及びピーク歪みを受ける。これらの変化は、センサが異なる性質の検体の測定のために使用されたときに、センサの感度及びその選択性に影響を与える。
複数のパラメータが単一のセンサから測定されるので、多変量のセンサ応答は、異なる環境効果に対して著しく直交する応答を生じる。具体的にはこのセンサ特性は、センサ応答の温度効果を補正するセンサの能力をもたらす。この温度補正は、センサアンテナ上に堆積された検知膜の抵抗及び静電容量に対する温度に起因する効果及びセンサアンテナ自体の抵抗及び静電容量に対する温度に起因する効果から生じる。検知用途には、検知膜の抵抗及び静電容量は、検体濃度に応じた予測可能な変数となるように選択される。アンテナ及び検知膜の異なる材料特性のために、温度は、異なる影響の大きさで検知膜及びセンサアンテナに影響を与える。センサは多変数応答を生じるので、センサアンテナと検知材料の温度効果は分離される。
温度変動によって影響を受け、それを多変数センサ出力によって補正することができる検知材料の非限定的な例は、ポリマー材料、有機材料、生体材料及び無機材料を含む。これらの検知材料の動作の温度領域の非限定的な例は、水の氷点0℃未満の温度、100℃未満の温度及び100℃を超える温度を含む。0℃未満の温度で動作する検知材料の非限定的な例は、シロキサン、ポリイソブチレンなどを含む。これらの温度でのそれらの用途の非限定的な例は、蒸気検出用である。100℃未満の温度で動作する検知材料の非限定的な例は、共役ポリマー、カーボンナノチューブ、チタニアナノチューブ、共役ポリマー又はDNA、ペプチドなどの生体分子で機能化されたカーボンナノチューブを含む。これらの温度でのそれらの用途の非限定的な例は、空気中及び水中でのガス及び生物学的検出用である。100℃を超える温度で動作する検知材料の非限定的な例は、金属酸化物、半導体金属酸化物、混合酸化物、チタニアナノチューブ、イオン液体及び量子ドットを含む。これらの温度でのそれら用途の非限定的な例は、ガス検出用である。
100℃を超えて動作する検知材料の例はまた、非限定的に、誘電率、静電容量及び導電率の効果の組合せ又は好ましくは静電容量又は好ましくは導電率の効果を有するものを含む。例えばBaTiO3とLa2O3(1:1モル比)の混合酸化物組成は、CO2にさらすと変化する導電率を有する。ZnOとWO3(1:1モル比)の混合酸化物組成は、NOにさらすと変化する誘電率を有する。検知膜の誘電率の変化は、センサ静電容量の顕著な変化によって検出される。
実施例1
開示の検知方法及びシステムを実証するために受動LCRセンサが用いられ、受動LCRセンサは電池のないセンサとして定義される。モデル検体として、トリクロロエチレン(TCE)、メタノール(MeOH)及びトルエン(TOL)の3つの蒸気を用いた。蒸気検出は、検知膜としてポリウレタン(Thermedics Co.マサチューセッツ州ボストン)の膜を用いて行った。従来のドローコーティングプロセスによって共振LCRアンテナ上にポリマー検知膜を適用した。LCRセンサの複素インピーダンスの測定は、コンピュータ制御下でネットワークアナライザ(モデルE5062A、Agilent Technologies,Inc.カリフォルニア州サンタクララ)を用いて行った。ネットワークアナライザは、関心のある範囲にわたって周波数を走査し、LCRセンサから複素インピーダンス応答を収集するために用いられた。ガス検知のために、内製のコンピュータ制御蒸気発生システムを用いて、異なる濃度の蒸気の発生を行った。収集した複素インピーダンスデータは、Matlab(The Mathworks Inc.マサチューセッツ州ナティック)と共に動作させたKaleidaGraph(Synergy Software、ペンシルベニア州レディング)及びPLS_Toolbox(Eigenvector Research,Inc.ワシントン州マンソン)を用いて分析した。
LCRセンサの選択性は、主成分分析(PCA)を用いて評価した。個々の主成分(PC)によって捕捉されたデータの分散の大きさは、センサの選択性を示す。PCAを行うと、測定した蒸気に対して選択性記述子を決定することができる。選択性記述子は、PCA空間内のベクトルとして表される。このベクトルは主成分のそれぞれのスコアの一意の組合せによって表される。各蒸気に対するセンサ応答からの選択性記述子は、PCA空間内のクラスタと見なされる。各クラスタSは、その平均と、k番目の主成分に対する標準偏差によって表される。選択性記述子の2つのクラスタの間のユークリッド距離Eは、次のように計算することができる。
ただしi及びjはそれぞれクラスタSi及びSjの添え字、Eijはこれらのクラスタの間のユークリッド距離、Wkはk番目の主成分の重み係数(捕捉された百分率分散に等しい)、nは多変量解析に用いられる主成分の数である。
クラスタ間の距離及び各クラスタの広がりの両方についての情報が得られるので、クラスタ分析のために利用可能な様々な手法から、ユークリッド距離の分析を選択した。さらに、未加工データに対してユークリッド距離の計算を行うことは可能であるが、データ内のノイズを低減するために始めにPCAを行うことができる。
図9は、センサの選択性の改善のこのような判定の例を示す。3つの検体及びブランクに対するセンサのPCA応答が、従来のLCRセンサ読出し(図9A)と、本発明の片持ち梁をベースとする読出し(図9B)を用いて比較される。ブランクと、蒸気1、2及び3との間の距離は、センサの選択性の大きさを定量化している。実験データに対して多変量解析を用いることにより、検知膜の抵抗及び静電容量の寄与の独立の効果の組合せは、PC1及びPC2によって捕捉される高い分散を有する、LCRセンサアンテナ回路の蒸気に起因する共振応答となることが示された。LCRセンサの従来型の読出しを用いたPC2の大きさは10%であった。LCRセンサの片持ち梁読出しを用いたPC2の大きさは40%であった。従来型の読出しを用いたLCRセンサ応答と、片持ち梁応答センサを用いたLCRセンサ応答のPCA分析の結果は、図10で比較される。LCRセンサからの2つのタイプの読出しを組み合わせた単一のPCAプロットを図11に示す。
実施例2
開示の検知方法及びシステムを実証するために受動LCRセンサを用いた。モデル検体として、水、メタノール(MeOH)及びエタノール(EtOH)などの3つの蒸気を用いた。蒸気検出は、検知膜としてナフィオンポリマー(Aldrich、ウィスコンシン州ミルウォーキー)膜を用いて行った。従来のドローコーティングプロセスによって共振LCRアンテナ上にポリマー検知膜を適用した。LCRセンサは図12に示され、13.56MHzの公称周波数で動作するMB89R118Aメモリチップ(富士通)を含んでいる。LCRセンサの複素インピーダンスの測定は、いくつかの電力設定にてコンピュータ制御下でネットワークアナライザ(モデル8751A、Hewlett Packard、カリフォルニア州サンタクララ)を用いて行った。ネットワークアナライザは、関心のある範囲にわたって周波数を走査し、LCRセンサから複素インピーダンス応答を収集するために用いられた。ガス検知のために、内製のコンピュータ制御蒸気発生システムを用いて、異なる濃度の蒸気の発生を行った。収集した複素インピーダンスデータは、Matlab(The Mathworks Inc.マサチューセッツ州ナティック)と共に動作させたKaleidaGraph(Synergy Software、ペンシルベニア州レディング)及びPLS_Toolbox(Eigenvector Research,Inc.ワシントン州マンソン)を用いて分析した。
図13は、+15dBmと−15dBmの2つの電力でのセンサのZp応答を示す。このデータは、電力を変化することにより応答の感度が変化し、応答の選択性が変化し、これらは表1にまとめられる。図14は、水、メタノール及びエタノール蒸気を測定してすぐの+15dBmと−15dBmの2つの呼出し電力でのLCRセンサのFp応答を示す。Zp応答ほど顕著ではないが、+15dBmと−15dBmの2つの電力でのセンサ呼出しで、Fp応答の選択性及び選択性パターンは変化している。
本明細書では本発明のいくつかの特徴のみを示し説明してきたが、当業者には多くの修正及び変更を思いつくであろう。したがって添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨に含まれるものとしてこのような修正及び変更のすべてを包含するものであることを理解されたい。

Claims (10)

  1. 試料の2以上の環境パラメータの同時検知のためのインダクタ−コンデンサ−抵抗器(LCR)アセンブリであって、当該アセンブリが、
    LCR共振器センサと、
    LCR共振器センサに動作可能に関連するピックアップコイルと
    を備えており、上記LCR共振器センサが、
    検知領域を有するアンテナと、
    検知領域上に堆積された検知膜と、
    LCR共振器センサをアセンブリに機械的に取り付けるための取付け点と
    を備えており、検知膜における粘弾性的変化が、ピックアップコイルに対するアンテナの変位を引き起こす、アセンブリ。
  2. 前記LCRセンサがICメモリチップをさらに備える、請求項1記載のアセンブリ。
  3. 前記取付け点が、支持された近位端の反対側に片持ち遠位端を有する検知膜となる、請求項1記載のアセンブリ。
  4. 前記支持された近位端に隣接した1以上の追加の取付け点をさらに備える、請求項3記載のアセンブリ。
  5. 前記検知膜が、ゼロ次元ナノ材料、一次元ナノ材料、二次元ナノ材料、三次元ナノ材料又はそれらの組合せを含む、請求項1記載のアセンブリ。
  6. 前記LCR共振器センサが試料の2以上の条件を検知するように構成され、該条件が試料の物理的、化学的及び生物学的特性を含む、請求項1記載のアセンブリ。
  7. 試料の2以上の環境条件を測定する方法であって、
    請求項1記載のLCRアセンブリを用意する段階と、
    LCR共振器センサから電磁信号を送信する段階と、
    ピックアップコイルを用いてLCR共振器センサ信号を検知する段階と、
    ピックアップコイルに結合されたリーダ/ライタ装置を用いて、LCR共振器センサ信号を読み出す段階と
    を含む方法。
  8. 前記検知段階が、検知膜のインピーダンススペクトルの測定値から検知膜の誘電的変化を計算する段階を含む、請求項7記載の方法。
  9. 検知膜の誘電的変化を計算する段階が多変量解析を用いる、請求項8記載の方法。
  10. 2以上の条件が、試料の物理的、化学的及び生物学的特性の測定を含む、請求項7記載の方法。
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