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JP5652346B2 - パワー半導体モジュール - Google Patents
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Description

本発明は、絶縁形のパワー半導体モジュールに係わり、特にノイズ低減が要求されるパワー半導体モジュールに関するものである。
代表的な絶縁形パワー半導体モジュールとして、インバータ等の電力変換装置に用いられるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュールがある。このIGBTモジュールに代表される絶縁形パワー半導体モジュールなどは、JEC-2407-2007、IEC60747-15にその規格が制定されている。また、一般的な絶縁形パワー半導体モジュールの構造として非特許文献1のp289に開示されている。
図5は非特許文献1に記載されたパワー半導体モジュールの構成を示したもので、スイッチング素子であるIGBTやダイオード等の半導体素子20は、半導体素子20の下面電極層を介してDBC基板21の銅回路箔22上に半田付けされ、そのDBC基板21は放熱のための銅ベース24に半田付け部25を介して接着される。ここで、DBC(Direct Bond Copper)基板21とは、セラミックス等からなる絶縁板23に銅回路箔22を直接接合したものである。
半導体素子20の上面電極層は、アルミワイヤー26を超音波でボンディングされ、例えばDBC基板21上の銅回路箔22と電気的に結線される。そして、DBC基板21上の銅回路箔22からリードフレームやブスバーよりなる銅端子27を介して外部に導出している。その際の、銅回路箔22と銅端子27との接続は半田付けによって行われており、更にその周りを(スーパー)エンジニアリングプラスチックのケース28で囲み、その中を電気絶縁のためのシリコーンゲル等が充填される。ここで、一般に半導体素子20とDBC基板21を接合する半田は、DBC基板21と銅ベース24を接合する半田に対し融点が高く、2回のリフローにより接合される。
一方、半田を用いないパワー半導体モジュールとしては、非特許文献1のp336や非特許文献2に平形圧接構造パッケージとして開示されている。
図6はそのパッケージを示したもので、半導体素子30の上面電極層がコンタクト端子33に接触した状態でMo板34上に載置されている。そして、半導体素子30の端部には、半導体素子30及びコンタクト端子33の位置決めをするガイド35が備えられている。
このように構成された平形圧接構造パッケージは、半導体素子30を上下両面から冷却できると共に、半田付けをしない構造で電気的、熱的に外部と接続できる。このため、一般的に圧接構造パッケージの両端をヒートシンクで圧接することで平形圧接構造パッケージの両面を冷却し、このヒートシンクを導電部材として用いている。
特開2011−9462
コロナ社「パワーデバイス・パワーICハンドブック」p289、p336 電気学会誌Vol.118,p276,1996
半田を用いるパワー半導体モジュールは、次の2つの課題を有している。
(1)RoHS(Restriction of Hazardous Substances)に対応するため、半田の鉛フリー化。半田の鉛フリー化に対しては、Sn−Ag系やSn−Cu系のものが検討されている。
(2)温度サイクル、パワーサイクル等に対する信頼性の向上。
また、半田を用いない平形圧接構造パッケージでは、ヒートシンクと平形圧接構造パッケージの圧接作業は、主にユーザーが実施する。圧接には
a,平形圧接構造パッケージの上下のヒートシンク間とで電気的に絶縁する必要があること、
b,板バネで平形圧接構造パッケージを圧接するが、その際、設計された所定の圧接力を平形圧接構造パッケージの電極ポストに均等に掛ける必要がある。
上記a,bにはノウハウがあり、圧接が不良の場合には半導体素子の破壊に繋がる。また、回路装置を構成する場合、ヒートシンクや圧接のための板バネが装置の小型化の妨げになるなど平形圧接構造パッケージを使いこなすためには熟練が要求されている。このため、平形圧接構造パッケージは限られた装置への適用となり、代わりに使い勝手のよい絶縁形パワー半導体モジュールが広く使用されている。
インバータなどに使用されるパワー半導体モジュールは、モジュールの効率向上,及びコスト低減などの理由でスナバ回路の適用を除外する場合が多くなっている。このため、半導体素子のスイッチング時に発生するサージ電圧が大きな問題となっている。サージ電圧は電磁ノイズを誘導し、半導体素子の制御電極へ繋がる信号経路がノイズの影響を受けて半導体素子を誤動作させることがある。
ノーマリーオフのMOS型半導体素子では、ノイズによる起電圧が素子の閾値電圧を超えると半導体素子が誤点弧する。インバータのブリッジ構成でこの誤点弧が起きると、インバータを構成する上下アームの短絡となり、装置が有する電流検出機能でシステムを停止し、最悪の場合には半導体素子が破壊する。
特に近年、SiCのMOSFETやJFETのような高速のスイッチングで使用できるワイドバンドキャップ半導体素子の出現により、さらにノイズによる悪影響が懸念され、半導体素子の制御電極へ繋がる信号経路へのノイズの低減が求められている。
特許文献1は、ノイズの影響を防いで半導体素子の誤動作を防止したものである。しかし、この特許文献1に使用されている半導体モジュールの構成については明確に記載されていないが、半導体素子がケース内に収納されていることを勘案すると、一般には、この種のモジュールはケース内部で半田付けが採用されていることが想定される。その場合、上記(1)の問題が生じる。また、SiCのMOSFETなどの高速のスイッチングを用いた際には、動作温度が高温化することによって半田が温度サイクルの信頼性低下の原因となる問題を有する。
そこで、本発明が目的とするとこは、半田を用いることなく放熱抵抗が向上し、且つノイズの発生を抑制したパワー半導体モジュールを提供することにある。
本発明の請求項1は、複数対向配置して設けられるヒートシンクと、ヒートシンクの側面に絶縁体を介してブスバーを配設し、対向して設けられたブスバー間に複数の半導体素子を配設して圧接構成するパワー半導体モジュールにおいて、
前記ヒートシンクの上部にグランド接地されるシールド部材を介して制御回路基板を設置し、
前記各ヒートシンクによって圧接される前記各半導体素子のうち、垂直状態に配置の各ブスバー上方位置にスイッチング素子を配設し、このスイッチング素子のそれぞれの下方位置にダイオードを配設し、
前記各スイッチング素子の制御用信号線を前記シールド部材、制御回路基板を貫通してそれぞれ垂直状に上方向に導出して制御回路基板の各スイッチング素子の制御端子に接続すると共に、
前記各ブスバーを、ヒートシンクに対する下方側で屈曲して前記パワー半導体モジュールの下方位置に設けた主回路端子に接続し、且つ屈曲されたブスバーの下部位置に平滑コンデンサを配置してパワー半導体モジュールと一体的に構成したことを特徴としたものである。
本発明の請求項2は、前記制御回路基板の上面部に制御端子を設け、前記スイッチング素子制御用の信号線と制御端子とを接続したことを特徴としたものである。
本発明の請求項3は、前記垂直方向に配置されるスイッチング素子とダイオードの組合せは6組を有し、各組み合わせはそれぞれ前記ブスバー及び絶縁体を介して前記ヒートシンクを取付けたことを特徴としたものである。
本発明の請求項4は、前記垂直方向に配置されたスイッチング素子とダイオードの組合せは、前記ヒートシンク及び絶縁体を介在して対向配置し、一方側の組合せを正側の電源に接続し、他方側の組合せを負側の電源に接続して構成したことを特徴としたものである。
本発明の請求項5は、前記シールド部材を、シールド機能を有するヒートシンクとしたことを特徴としたものである。
以上のとおり、本発明によれば、半導体素子は、電極の役割を担うブスバーと共に、その両側面から絶縁板を介してヒートシンクによって冷却されるために冷却効果が高くなり、さらにはパワー半導体モジュールと同等の冷却が期待できるものである。
また、パワー半導体モジュールの下部に平滑コンデンサを配置し、その接続端子を主回路の端子に直接接続することで、平滑コンデンサと半導体素子の間の寄生インダクタンスを小さく抑えることができ、スイッチング時のサージ電圧によるノイズ発生が抑制されるものである。
さらに本発明は、信号線をパワー半導体モジュールの上方向に略垂直に導出し、主回路電路(ブスバー)を半導体素子の配置に対して下方向に導出するよう構成したことにより信号線長が短くなり、且つ主回路電極と信号線との重なり部分は少なくなって、主回路を流れる電流によって生じる磁界に対する信号線と主回路との相互インダクタンスが小さくなり、ノイズの発生を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態を示す構成図。 本発明で使用されるシールド部材の裏面図。 本発明の他の実施形態を示す構成図。 本発明で使用されるヒートシンクの裏面図。 従来のパワー半導体モジュールの部分構成図。 従来の平形圧接構造パッケージの構成図。 従来のパワー半導体モジュール配置の構成図。
一般に、パワー半導体モジュールでは、図7で示すように裏面を放熱板として用いているため、その表面に主回路端子と制御端子が設けられている。主回路の配線経路と信号配線経路が接近していることから、相互インダクタンスが小さくなるよう配慮しながら配線している。装置の小型化を考えると、制御回路部品をパワー半導体モジュールの上方位置に配置することが望ましい。その場合、制御回路直下に主回路電路(ブスバー)が配設されることになる。主回路の半導体素子から平滑コンデンサまでの寄生インダクタンスは、電流のスイッチング時に誘導起電力を発生させ、ノイズ源となる。このことから、半導体素子から平滑コンデンサまでの寄生インダクタンスの低減と制御回路部品の配置の自由度の両方を満足させたい。
そのため本発明は、パワー半導体モジュールの上方位置に制御回路基板を配設し、パワー半導体モジュールの下方位置に主回路端子を配設すると共に、パワー半導体モジュール内部の上方位置にスイッチング素子を設けて信号線をパワー半導体モジュールの上面位置に導出する。更に、スイッチング素子の下方位置にダイオードを設け、スイッチング素子とダイオードはブスバーを介して主回路端子に接続するよう構成したものである。以下図に基づいて詳述する。
図1は、本発明の第1の実施例を示す構成図の一部縦断側面図である。1は制御回路基板で、その上面には制御回路部品2が載置されると共に、図示省略された制御端子が配置されている。3(3a,3b,3c)は冷却媒体が充填されるヒートシンクで、半導体のスイッチング素子4a,4b、及びダイオード5a,5bを挟んで垂直の縦長方向(図面上下方向)に配置されている。組合されるスイッチング素子とダイオードは、1組毎のモジュール構成としてもよいが、例えば、三相インバータ用のパワー半導体モジュールの場合、スイッチング素子4aとダイオード5aは電気回路的には逆並列に接続されて主回路電源の正極側に接続され、スイッチング素子4bとダイオード5bは主回路電源の負極側に接続され、図面奥行き方向に6組配置されて三相構造となっている。
スイッチング素子4とダイオード5は、それぞれ電極となる介在物6、ブスバー7、及び絶縁板8を介してヒートシンク3により挟まれて圧接状態となっている。9はスイッチング素子4と制御回路部品2間に接続される信号線で、上方向に垂直に延びている。12はグランド接地されるシールド部材で、制御回路基板1とヒートシンク3の頂部間に介在される。
図2は積層された制御回路基板1とシールド部材12の裏面図で、三相のパワー半導体モジュールの例では、6個のスイッチング素子用の信号線9を貫通するための孔13が穿設されている。孔13は、信号線9が短絡しない程度の小さい面積を有した絶縁孔となっている。したがつて、スイッチング素子用の信号線9は、シールド部材12の孔13、制御回路基板1を貫通して制御回路基板1上の各スイッチング素子用の制御端子に各別に接続される。
なお、ブスバー7は電力変換装置の主回路を構成する部分(部品)であり、所望の電力変換装置の電気回路を構成するように半導体素子を両サイドより圧接されるブスバー7の一端分部は、上部に配設される制御回路基板1側でその先端は揃えられているが、ブスバー7の他端側はパワー半導体モジュールの下部位置で略直角に屈曲され、その屈曲された一部がモジュール外部に導出される。パワー半導体モジュールの下部位置には主回路端子となる外部端子が設けられており、所定の電気回路を形成するようブスバー7の一部が接続される。更に、ブスバー7の下部位置には平滑コンデンサ10が配置され、その端子11は主回路電源の正側、及び負側用の各ブスバー7に接続される。そして、これら1〜12によってパワー半導体モジュールが構成されている。
以上のように、本実施例では、パワー半導体モジュールを構成する半導体素子のうち、制御極を有するスイッチング素子4をモジュールの上部位置に配置して信号線9を上部側に導出し、制御を不要とするダイオード5はスイッチング素子に対してはブスバー7に接して下方垂直の位置に配置される。
第1の実施例によれば、半導体素子は電極の役割を担うブスバーと共に、その両側面から絶縁板を介してヒートシンクによって冷却されるために冷却効果が高くなり、さらにはパワー半導体モジュールと同等の冷却が期待できるものである。
また、パワー半導体モジュールの下部に平滑コンデンサを配置し、その接続端子を主回路の端子に直接接続することで、平滑コンデンサと半導体素子の間の寄生インダクタンスを小さく抑えることができ、スイッチング時のサージ電圧によるノイズ発生が抑制されるものである。
また、主電極(ブスバー)と信号線との重なり部分は最小に抑制され、主回路を流れる電流によって生じる磁界に対して信号線9の配線は垂直となる。このため、信号線9はノイズの元となる主回路との相互インダクタンスを小さくすることができるので、ノイズの発生を抑制することが可能となる。さらに、制御回路基板1の裏面、すなわち半導体素子に近い面に電磁ノイズのシールドに適した材質からなるシールド部材12を配置し、このシールド部材12を接地したことで、さらにノイズ発生の低減が可能となるものである。
図3は第2の実施例を示す構成図で、図1との同一部分若しくは相当する部分には同一符号を付してその説明を省略する。すなわち、この実施例で図1との相違点は、シールド部材12に代えてシールド機能を有するヒートシンク14を介在させたものである。このヒートシンク14は、電磁ノイズのシールドに適した材質からなるもので、図2と同様に信号線9を貫通するための孔15が穿設され、且つ接地される。
ヒートシンク14に冷却水等の冷却媒体が流入する流路14aが設けられて制御回路部品2を下面より冷却する。
半導体素子がSiCやGaNのようなワイドバンドギャップ半導体の場合、その半導体素子は200℃を超える温度での使用がある。その場合、半導体素子で発生した熱が信号線9を通じて制御回路部品2の温度を上昇させ、破壊までに至ることが想定される。この実施例では、ノイズのシールド機能を有するヒートシンク14によって信号線9に伝わる熱が吸収されることから、制御回路部品2の熱による誤動作や破壊が防止できる。
したがって、第2の実施例によれば、第1の実施例の効果に加えて、さらに制御回路部品の熱による誤動作や破壊防止が可能となると共に、制御回路部品が冷却されるため、制御回路構成、電力変換装置の構成の小型化が可能となるものである。
1… 制御回路基板
2… 制御回路部品
3… ヒートシンク
4… スイッチング素子
5… ダイオード
6… 電極(介在物)
7… ブスバー(主回路電路)
8… 絶縁体
9… 信号線
10… 平滑コンデンサ

Claims (5)

  1. 複数対向配置して設けられるヒートシンクと、ヒートシンクの側面に絶縁体を介してブスバーを配設し、対向して設けられたブスバー間に複数の半導体素子を配設して圧接構成するパワー半導体モジュールにおいて、
    前記ヒートシンクの上部にグランド接地されるシールド部材を介して制御回路基板を設置し、
    前記各ヒートシンクによって圧接される前記各半導体素子のうち、垂直状態に配置の各ブスバー上方位置にスイッチング素子を配設し、このスイッチング素子のそれぞれの下方位置にダイオードを配設し、
    前記各スイッチング素子の制御用信号線を前記シールド部材、制御回路基板を貫通してそれぞれ垂直状に上方向に導出して制御回路基板の各スイッチング素子の制御端子に接続すると共に、
    前記各ブスバーを、ヒートシンクに対する下方側で屈曲して前記パワー半導体モジュールの下方位置に設けた主回路端子に接続し、且つ屈曲されたブスバーの下部位置に平滑コンデンサを配置してパワー半導体モジュールと一体的に構成したことを特徴としたパワー半導体モジュール。
  2. 前記制御回路基板の上面部に制御端子を設け、前記スイッチング素子制御用の信号線と制御端子とを接続したことを特徴とした請求項1記載のパワー半導体モジュール。
  3. 前記垂直方向に配置されるスイッチング素子とダイオードの組合せは6組を有し、各組み合わせはそれぞれ前記ブスバー及び絶縁体を介して前記ヒートシンクを取付けたことを特徴とした請求項1又は2記載のパワー半導体モジュール。
  4. 前記垂直方向に配置されたスイッチング素子とダイオードの組合わせは、前記ヒートシンク及び絶縁体を介在して対向配置し、一方側の組合せを正側の電源に接続し、他方側の組合せを負側の電源に接続して構成したことを特徴とした請求項1乃至3に記載の何れかであるパワー半導体モジュール。
  5. 前記シールド部材を、シールド機能を有するヒートシンクとしたことを特徴とした請求項1乃至4に記載の何れかであるパワー半導体モジュール。
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