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JP5652745B2 - 太陽熱温水システム - Google Patents
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Description

本発明は、循環ポンプの作動により、貯湯タンク内の湯水を熱交換加熱するための熱交換器と、太陽熱の集熱パネルとの間で熱媒を強制循環させることで太陽熱の集熱を温水として貯湯タンク内に蓄熱し、この温水を給湯等に利用するために用いられる太陽熱温水システムに関し、特に集熱パネルと、貯湯タンクや熱交換器との間の高低差が従来よりも大きい場合であっても不都合なく設置し得るようにするための技術に係る。
従来、集熱パネルと貯湯タンクとの間の循環回路を構成する循環経路としてゴムホースを利用した場合に生じるおそれのある不都合、例えば管壁を通して外部から空気が循環経路内に侵入するおそれに対策するために、集熱運転用の循環ポンプとは別個に他の循環ポンプを循環経路に介装し、集熱運転用の循環ポンプを集熱可能なときに自動作動させる一方、別個の循環ポンプを集熱可能な時間帯において間欠作動させて、一定時間毎に2台同時運転させることで、侵入した空気を開放型膨張タンクから除去させるようにすることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
又、循環ポンプとしてDCポンプを用いて熱媒の循環流量を可変とすることで、短時間での天気の変化にも対応させて集熱効率を高めることを企図した提案もなされている(例えば特許文献2参照)。
実公昭63−37635号公報 特開2009−275971号公報
ところで、近年、太陽熱利用の普及に伴い、集熱パネルを従来よりもさらに高所(例えば3階建て家屋の屋根上)に設置することが行われるようになりつつあり、集熱パネルと貯湯タンクとの高低差がより大きくなる傾向にある。これに伴い、従来は問題になることはなかった現象が不都合発生となるおそれが考えられる。すなわち、強力な太陽光に照らされて集熱パネルが沸騰するに至る結果、集熱パネル内に気泡が発生し、気泡発生に伴い熱媒(例えば不凍液)が集熱パネルから半密閉式の集熱循環回路内に下降してしまったとしても、従来の高低差(例えば9m未満)程度であれば、自然に復旧して所定の状態に戻るようになっている。つまり、一定時間が経過して集熱パネルが冷えてくると、熱媒が大気圧により集熱パネル内に押し戻されて集熱パネル内が熱媒で充満した状態に自然に戻ることになる。ところが、集熱パネルがより高所(例えば高低差が10m以上の高所)に設置されると、集熱パネルが冷えてきても、大気圧だけでは熱媒を集熱パネル内に戻すことは困難となると考えられ、不都合な状態を発生させてしまうことになる。
この対策として、集熱運転開始時に前記の高低差分だけ循環ポンプの揚程を上げるように作動制御することが考えられる。しかしながら、そのような作動制御を集熱運転開始時に画一的に実行させるとすると、作動エネルギーの無駄な消費や、循環ポンプの耐久性の悪化を招くという不都合を発生させるおそれがある。その一方、個々の設置環境毎に異なる制御内容の太陽熱温水システムを構成するようにすることも考えられるが、そのようにすると特にコストの増大やシステム提供に伴う作業が増大し、太陽熱利用の促進を阻害することにもつながる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特に高低差が異なる種々の設置環境に対しても同一制御仕様のものを提供することを可能としつつも、高低差が通常のものよりも大きい設置環境に設置されたとしても不都合発生を確実に回避し得る太陽熱温水システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、太陽熱を集熱して熱媒を加熱する集熱パネルと、貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を熱交換加熱するための熱交換器と、循環ポンプの作動により前記集熱パネルと前記熱交換器との間で熱媒を循環させることで前記貯湯タンク内の湯水を熱交換加熱して貯湯として蓄熱させる集熱循環回路とを備えた太陽熱温水システムを対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記集熱循環回路内に気泡が発生したか否かを判定する気泡発生判定手段を備えることとし、この気泡発生判定手段により気泡発生と判定されたとき、気泡発生と判定されたとき以外の通常のときの能力よりも大能力で前記循環ポンプを作動制御する構成を備えることとする
この特定事項を備える場合、集熱パネルが通常以上の高低差のある場所に設置されていたとしても、しかも、集熱パネル内の熱媒に沸騰が生じた結果、内部に気泡が発生し、この気泡発生に伴い熱媒が集熱パネルから下降してしまうという下降現象が生じていたとしても、循環ポンプが大能力で作動されるため、集熱循環回路内の熱媒を集熱パネルまで押し上げて、集熱パネル内に充満させることが可能となる。従って、特に高低差が異なる種々の設置環境に対しても同一制御仕様の太陽熱温水システムを提供することが可能となり、しかも、高低差が通常のものよりも大きい設置環境に設置されたとしても不都合の発生を確実に回避し得るようになる。加えて、本発明では、前記循環ポンプが作動を停止した状態で経過する経過時間を計時するポンプ停止タイマを備え、前記気泡発生判定手段として、前記ポンプ停止タイマにより計時される経過時間が設定時間値を超えれば、気泡発生と判定する構成とした(請求項1)。このようにすることで、集熱パネルにおける沸騰発生以外の事由に基づいて気泡発生した場合であっても、その気泡発生を確実に検知し得ることになる。すなわち、循環ポンプの作動停止状態が継続すれば、循環経路の管壁を透過して侵入する空気がより増加し気泡発生に至る。これをポンプ停止タイマにより、的確に検知し得るようになる。
本発明の太陽熱温水システムにおいて、集熱パネルにおける熱媒の温度又はこの熱媒温度と同等の温度を検出する熱媒温度検出手段を備え、前記気泡発生判定手段として、前記熱媒温度検出手段により検出される熱媒温度が設定温度以上であれば、気泡発生と判定する構成とすることができる(請求項2)。このようにすることで、気泡発生か否かの判定を具体的に行い得ることになり、循環ポンプの作動をより的確に行い得るようになる。
又、集熱循環回路に介装された膨張タンクと、この膨張タンク内の熱媒の液位を検出する液位検出手段とを備え、前記気泡発生判定手段として、前記液位検出手段により熱媒の液位が設定液位を超えれば、気泡発生と判定する構成とすることができる(請求項3)。このようにすることで、集熱パネルにおいて沸騰が生じ、それに起因して熱媒が下降すれば、前記液位検出手段により検出される液位が上昇して設定液位を超えることになる。これにより、気泡発生か否かの判定を確実に行い得ることになる。
以上、説明したように、本発明の太陽熱温水システムによれば、集熱パネルが通常以上の高低差のある場所に設置されていたとしても、しかも、集熱パネル内の熱媒に沸騰が生じた結果、内部に気泡が発生し、この気泡発生に伴い熱媒が集熱パネルから下降してしまうという下降現象が生じていたとしても、循環ポンプを大能力で作動させることができ、集熱循環回路内の熱媒を集熱パネルまで押し上げて、集熱パネル内に充満させることができるようになる。従って、特に高低差が異なる種々の設置環境に対しても同一制御仕様の太陽熱温水システムを提供することができるようになり、しかも、高低差が通常のものよりも大きい設置環境に設置されたとしても不都合の発生を確実に回避することができるようになる。加えて、ポンプ停止タイマにより計時される経過時間が設定時間値を超えれば、気泡発生と判定するようにしているため、集熱パネルにおける沸騰発生以外の事由に基づいて気泡発生した場合、すなわち、循環ポンプの作動停止状態が継続すれば、循環経路の管壁を透過して侵入する空気がより増加し気泡発生に至る場合であっても、これをポンプ停止タイマにより、的確に検知することができるようになる。
特に、請求項2によれば、熱媒温度検出手段により検出される熱媒温度が設定温度以上であれば、気泡発生と判定する構成とすることで、気泡発生か否かの判定を具体的に行うことができ、循環ポンプの作動をより的確に行うことができるようになる。
又、請求項3によれば、膨張タンク内の熱媒の液位を検出する液位検出手段を備え、液位検出手段により熱媒の液位が設定液位を超えれば、気泡発生と判定する構成とすることで、集熱パネルにおいて沸騰が生じ、それに起因して熱媒が下降すれば、液位検出手段により検出される液位が上昇して設定液位を超えることになるため、気泡発生か否かの判定を確実に行うことができるようになる。
本発明に係る太陽熱温水システムの実施形態を示す模式図である。 図1の太陽熱温水システムの作動制御に係る構成を示すブロック図である。 集熱運転制御に係るフローチャートである。 気泡発生判定に基づくポンプ能力切換設定処理に係るフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る太陽熱温水システムを示す。同図中の符号1は例えば地上に設置されたシステム本体、2は内部を通る熱媒(例えば不凍液)に太陽熱を集熱させるための集熱パネル、3は貯湯タンク、4は集熱パネル2と貯湯タンク3との間に熱媒を循環させることにより熱媒の熱を貯湯タンク3内に貯湯として蓄熱する集熱循環回路、5は外部から水道水等を貯湯タンク3内に給水する給水路、6は貯湯タンク3内の貯湯を用いて給湯栓(図示省略)等に給湯するために出湯する出湯路、7はこの太陽熱温水システムの作動制御を行うコントローラである。
集熱パネル2は例えば家屋の屋根に設置され、その頂部位置近傍には集熱パネル2を構成するフィンの温度を検出する熱媒温度検出手段としての集熱パネル温度センサ21が設置されている。この集熱パネル温度センサ21により検出される前記のフィン温度は、集熱により最も昇温した状態の熱媒の熱媒温度Tsと同等であり、フィン温度の検出により熱媒温度Tsを検出するようになっている。
貯湯タンク3は、例えばステンレス鋼により密閉式に構成された密閉容器である。この貯湯タンク3には、貯湯タンク3内の底部付近の湯又は水(以下「湯水」という)の温度Ttを検出する貯湯タンク温度センサ31が設置されている。給水路5は、その上流端が外部の水道管等に接続され、下流端が図示省略の逆止弁等を介して貯湯タンク3の底部に接続されている。この給水路5には給水温度を検出する給水温度センサ51や給水流量を検出する給水流量センサ52が介装されている。又、出湯路6は、その上流端が貯湯タンク3の頂部に接続され、貯湯タンク3の頂部近傍には貯湯タンク3から出湯した湯の温度を検出する出湯温度センサ61が介装されている。
集熱循環回路4は、循環ポンプ41の作動により熱媒を循環経路42を通して集熱パネル2と貯湯タンク3内の蓄熱用熱交換器(例えばコイル型熱交換器)43との間で循環させるように構成されたものである。循環経路42は、集熱パネル2の内部に通されて昇温した高温の熱媒をその頂部近傍から導出させて貯湯タンク3内の蓄熱用熱交換器43の入側に導く往き路42aと、蓄熱用熱交換器43で熱交換されて低温になった熱媒を蓄熱用熱交換器43の出側から導出させて集熱パネル2の底部まで戻す戻り路42bとから構成されている。これら往き路42a及び戻り路42bからなる循環経路42は、システム本体1と集熱パネル2との間に延びる部分が例えばPE(ポリエチレン)管を用いて配管されている。
又、システム本体1内に形成された戻り路42bには半密閉式のタンク44が介装され、このタンク44の頂部は連通管451を介してリザーブタンク45の底部と連通されている。この連通管451を通してタンク44内からあふれた熱媒をリザーブタンク45内に逃がすようになっている。これらタンク44とリザーブタンク45との組み合わせにより膨張タンクが構成されている。なお、タンク44には底部側の所定液位位置に下限液位を検出する液位電極441が配設され、この液位電極441によりタンク44内の液位が下限液位まで低下したことが検知されたときにはコントローラ7により循環ポンプ41の作動が強制的に停止されるようになっており、循環ポンプ41の空回り作動の発生を回避するようになっている。
循環ポンプ41は可変流量ポンプ(例えばDCポンプ)により構成され、その吐出能力が増減調整可能となっている。DCポンプの場合、電流値を増大すれば回転数が増加して吐出量が増大し、電流値を低減すれば回転数が低下して吐出量が低減する。特にこの循環ポンプ41の作動・停止あるいは通常能力・大能力の切換がコントローラ7による制御対象となる。
以上の太陽熱温水システムはリモコン71からの入力設定信号・操作信号の出力や、温度センサ21,31等からの検出信号の出力を受けて、コントローラ7により作動制御されるようになっている。コントローラ7は、MPUやメモリ等を備え、予め搭載されたプログラムの実行や制御回路により各種制御が行われるようになっている。そして、コントローラ7は、作動制御のために、図2に示すように集熱運転を行う集熱運転制御手段72、集熱パネル2を含む集熱循環回路4内に気泡が発生しているか否か、あるいは、循環経路42の配管の管壁を透過して外部の空気が侵入して気泡が存在しているか否か、を判定する気泡発生判定手段73、及び、気泡発生判定手段73による判定結果に基づいて循環ポンプ41のポンプ能力を増減切換するためのポンプ能力切換設定手段74を備える他、図示省略の給湯制御手段等を備えている。
まず、ポンプ能力切換設定手段74によるポンプ能力切換設定処理について図3を参照しつつ説明すると、まず気泡発生判定手段73により気泡発生と判定されてなければ、ポンプ能力フラグに「0」を設定する(ステップS11でNO,ステップS12)。もしも気泡発生判定手段73により気泡発生と判定されていればポンプ能力フラグに「1」を設定する(ステップS11でYES,ステップS13)。このポンプ能力切換設定手段74による処理は、集熱運転制御手段72により集熱運転が実行されているか否かを問わずに継続して実行され、ポンプ能力フラグに「1」が設定された後に、大能力での循環ポンプ41の作動が実行されれば、「0」の初期設定に戻るようになっている。
ステップS11の気泡発生判定手段73による気泡発生判定処理は次のようにして行われる。第1の判定項目として、集熱パネル温度センサ21により検出される熱媒温度Tsが、熱媒が沸騰する温度として予め設定した沸騰温度Tfを超えたか否かを判定する。沸騰温度Tfとしては、熱媒が不凍液である場合には、例えば80℃である。熱媒温度Tsが沸騰温度Tfを1度でも超えれば、前記の如くポンプ能力フラグに「1」が設定されて、次回の集熱運転の際には大能力で循環ポンプ41の作動が行われる。この理由は、たとえ沸騰したとしても、その後に冷えて気泡が消滅しているかも知れないが、次回の集熱運転開始タイミングでどのような状態になっているか種々の試験を実施する以外に把握することができない。そこで、1度でも沸騰が発生すれば、次回の集熱運転開始の際には念のため、大能力で循環ポンプ41を作動させるようにしているのである。
第2の判定項目として、循環ポンプ41が作動停止状態を継続している経過時間が設定時間ts(例えば24時間)以上になっているか否かを判定する。作動停止状態が設定時間ts以上継続していれば、循環経路42の管壁から空気が内部に侵入し所定量以上の気泡が発生しているものと判定し、前記の如くポンプ能力フラグに「1」を設定する。
以上の気泡発生判定処理によって、集熱パネル2における沸騰発生に伴う気泡発生の加えて、循環経路42の管壁を透過して空気が侵入することに伴う気泡発生の双方について、確実に判定することができるようになる。
以上の気泡発生判定処理や、ポンプ能力切換設定処理を基礎として、集熱運転制御手段72による集熱運転制御は次のようにして行われる。すなわち、図4に示すように、まず貯湯タンク3の蓄熱量は不足しているか否かを例えば貯湯タンク温度センサ31により検出される湯水温度Ttに基づいて確認し(ステップS1)、蓄熱量が満杯状態(貯湯タンク3の底部温度である湯水温度Ttが上限温度に到達している状態)であれば集熱運転は行わずに、次の制御に移行する(ステップS1でNO)。蓄熱量が不足していれば(ステップS1でYES)、さらに集熱パネル温度センサ21により検出される熱媒温度Tsが前記の湯水温度Ttよりもα℃(例えば6℃)以上高温であることの開始条件の成立を確認し、熱媒温度Tsが低温であれば集熱運転は行わずに待機する(ステップS2でNO)。熱媒温度Tsが湯水温度Tt+α℃以上の高温であれば、集熱運転を開始する(ステップS2でYES)。つまり、熱媒温度Tsが貯湯タンク3の底部の湯水温度Ttよりも所定の設定温度差(例えば6℃の温度差)以上高温であることを条件に、循環ポンプ41を作動させることにより集熱運転を開始させる。この集熱運転開始の際には、ポンプ能力切換設定手段74により循環ポンプ41の作動能力として通常能力か、通常能力よりも大きい大能力かのいずれに設定されているかの確認を行う。すなわち、前述のポンプ能力切換設定処理によりポンプ能力フラグに「0」か「1」かのいずれが設定されているかを確認する(ステップS3)。ポンプ能力フラグが「0」であれば通常能力で循環ポンプ41を作動させ(ステップS3でNO,ステップS4)、ポンプ能力フラグが「1」であれば通常能力よりも大きい大能力で循環ポンプ41を設定作動時間(例えば2分間)だけ作動させ、以後は通常能力で作動させる(ステップS3でYES,ステップS5)。大能力で作動させる設定作動時間としては、集熱循環回路4内の熱媒が1周するのに要する時間に相当する時間値を考慮して設定すればよい。つまり、集熱パネル2の側からシステム本体1の側に熱媒が下降していたとしても、その熱媒が集熱パネル2まで押し上げられ、集熱パネル2内に充満した上で、システム本体1の側まで循環されてくるのに要する時間値を設定すればよい。
これにより、通常能力で循環ポンプ41が作動された場合には、集熱パネル2から高温の熱媒が往き路42aを通して蓄熱用熱交換器43に供給され、蓄熱用熱交換器43において貯湯タンク3内の湯水を熱交換加熱することにより低温になった熱媒が戻り路42bを通して集熱パネル2に戻される。集熱パネル2に戻された熱媒は集熱パネル2内を頂部に進行する間に再加熱され、再び高温になった熱媒が往き路42aを通して蓄熱用熱交換器43に供給されるというように循環される。そして、貯湯タンク3内の湯水が熱交換加熱されることにより、熱媒に担持された集熱熱量が貯湯タンク3内の湯水に移動し、貯湯として貯湯タンク3内に蓄熱されることになる。
一方、通常能力よりも大きい大能力で循環ポンプ41が作動された場合には、例えば太陽熱が強力で集熱パネル2内の熱媒に沸騰が生じた結果、内部に気泡が発生し、この気泡発生に伴い熱媒が集熱パネル2から下降してしまうという下降現象(いわゆる落水現象又は水崩れ現象)が生じていたとしても、しかも、集熱パネル2がシステム本体1よりも通常以上の高低差(例えば10m以上の高低差)のある場所に設置されていたとしても、大能力でのポンプ作動により集熱循環回路4内の熱媒を集熱パネル2まで押し上げて、集熱パネル2内に充満させることができる。そして、以後は、前記の通常能力により循環ポンプ41が作動され、無駄な作動エネルギーを消費することなく、又、循環ポンプ41の耐久性を損なうことなく、熱媒に担持された集熱熱量が貯湯タンク3内の湯水に移動し、貯湯として貯湯タンク3内に蓄熱されることになる。
以上の実施形態の場合、特に高低差が異なる種々の設置環境に対しても同一制御仕様の太陽熱温水システムを提供することができ、しかも、高低差が通常のものよりも大きい設置環境に設置されたとしても不都合の発生を確実に回避することができるようになる。
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、気泡発生判定手段73による気泡発生判定処理として、集熱パネル温度センサ21により検出される熱媒温度Tsが熱媒が沸騰温度Tfを超えたか否かで判定を行うようにしているが、これに限らず、例えばリザーブタンク45に設けた沸騰時液位を検出する液位検出手段としてのリザーブタンク液位センサ(例えば液位電極)452を用いて判定するようにしてもよい。すなわち、集熱パネル2に沸騰が生じれば、熱媒が下降してタンク44内があふれ、あふれた熱媒が連通管451を通してリザーブタンク45に流入して液位が上昇する。この液位の上昇が前記リザーブタンク液位センサ452により検知されれば、気泡発生と判定するようにしてもよい。もちろん、かかるリザーブタンク液位センサ452による沸騰時液位の検知を、熱媒温度Tsが沸騰温度Tfを超えたか否かの判定の代わりに採用しても、あるいは、併用しても、いずれの構成にしてもよい。
さらに、前記の液位センサ452により沸騰時液位の検出の代わりに、リザーブタンク45のオーバーフロー管453に配設した水流センサ454によりオーバーフローした熱媒流れの発生を検知することで気泡発生の判定を行うようにしてもよい。つまり、沸騰時液位を超えると、その超えた熱媒がオーバーフロー管453を通して排出されることになるため、その流れの発生を検知することで、沸騰時液位を検知するのと同等の気泡判定を行い得る。従って、前記のオーバーフロー管水流センサ454も液位検出手段を構成し得る。
又、前記実施形態では熱交換器43が貯湯タンク3内に設置された例を示したが、これに限らず、熱交換器が貯湯タンク3の外部に設置され、この熱交換器に対し集熱循環回路の熱媒を熱源側に循環供給する一方、貯湯タンク3内の湯水を他の循環ポンプにより被加熱側に循環供給することで、貯湯タンク内の湯水が熱媒により熱交換加熱されるように構成された太陽熱温水システムも本発明に含まれる。
2 集熱パネル
3 貯湯タンク
4 集熱循環回路
21 集熱パネル温度センサ(熱媒温度検出手段)
41 循環ポンプ
44 タンク(膨張タンク)
45 リザーブタンク(膨張タンク)
73 気泡発生判定手段
75 ポンプ停止タイマ
452 リザーブタンク液位センサ(液位検出手段)
454 オーバーフロー管水流センサ(液位検出手段)

Claims (3)

  1. 太陽熱を集熱して熱媒を加熱する集熱パネルと、貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を熱交換加熱するための熱交換器と、循環ポンプの作動により前記集熱パネルと前記熱交換器との間で熱媒を循環させることで前記貯湯タンク内の湯水を熱交換加熱して貯湯として蓄熱させる集熱循環回路とを備えた太陽熱温水システムであって、
    前記集熱循環回路内に気泡が発生したか否かを判定する気泡発生判定手段を備え、この気泡発生判定手段により気泡発生と判定されたとき、気泡発生と判定されたとき以外の通常のときの能力よりも大能力で前記循環ポンプを作動制御するように構成される一方、
    前記循環ポンプが作動を停止した状態で経過する経過時間を計時するポンプ停止タイマを備え、
    前記気泡発生判定手段は、前記ポンプ停止タイマにより計時される経過時間が設定時間値を超えれば、気泡発生と判定するように構成されている、
    ことを特徴とする太陽熱温水システム。
  2. 請求項1に記載の太陽熱温水システムであって、
    集熱パネルにおける熱媒の温度又はこの熱媒温度と同等の温度を検出する熱媒温度検出手段を備え、
    前記気泡発生判定手段は、前記熱媒温度検出手段により検出される熱媒温度が設定温度以上であれば、気泡発生と判定するように構成されている、太陽熱温水システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の太陽熱温水システムであって、
    前記集熱循環回路に介装された膨張タンクと、この膨張タンク内の熱媒の液位を検出する液位検出手段とを備え、
    前記気泡発生判定手段は、前記液位検出手段により熱媒の液位が設定液位を超えれば、気泡発生と判定するように構成されている、太陽熱温水システム。
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