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JP5653149B2 - 合成樹脂製のキャップ - Google Patents
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この発明は、容器に装着される合成樹脂製のキャップに関する。
容器口部にその封止部材として装着される合成樹脂製のキャップにおいて、容器口部を上方から覆う天面壁の外表面に印刷が施されることがあるが、印刷が施される天面壁外表面が平滑であると、印刷が剥がれ易い。そこで、天面壁の外表面に印刷を施す場合は、その印刷の付着性を高めるために、天面壁の外表面に微細な凹凸を形成して、粗面加工を施し、その粗面上に印刷を施す方法が従来より採用されている(例えば、特許文献1参照)。
キャップの天面壁の外表面に印刷される情報の代表例として製造年月日等の製造情報があるが、通常、製造情報の印刷はボトリング工場において行われ、ボトリング工場では印刷された情報の光学的な読み取り検査も行われている(例えば、特許文献2参照)。
近年、牛乳瓶の口部の封止部材として用いられるキャップにも合成樹脂製のものが広く用いられるようになってきているが、この牛乳びん用の合成樹脂製のキャップにも、粗面加工が施された天面壁の外表面に製造情報が印刷されることがある(例えば、特許文献3参照)。
牛乳びん用の合成樹脂製のキャップの場合、通常、着色のない樹脂材料によって形成されており、天面壁外表面に粗面加工を施していないと、天面壁のヘイズ(濁り)が低く、透明性が高い。このため、天面壁外表面に粗面加工を施していないと、印刷情報の光学的な読み取り検査の際に、検査機光源からの光が天面壁を透過し易く、容器内の牛乳の液面からの反射光の強度が高くなってしまい、その反射光(特に液面上にある気泡部分に反射する光)が天面壁外表面の印刷情報の光学的な読み取りの邪魔になって、その読み取りにエラーが発生し易くなってしまう。これに対し、天面壁外表面に粗面加工を施していると、粗面加工を施していない場合と比較して、天面壁のヘイズは高く、透明性は低いため、検査機光源の光は天面壁を透過し難く、容器内の牛乳の液面からの反射光の強度が低く、それが天面壁外表面の印刷情報の光学的な読み取りの邪魔にはなり難く、その読み取りにエラーが発生し難い。
つまり、牛乳びん用の合成樹脂製のキャップのように、着色のない樹脂材料によって形成されるキャップの場合、その天面壁外表面に粗面加工を施すことで、天面壁外表面への印刷の付着性を高める利点が得られるだけでなく、その印刷情報の読み取り検査の際の読取エラーの発生を抑える利点も得られるということになる。
ところで、合成樹脂製のキャップにおいては、近年、省資源化を図るために、キャップの薄肉化による樹脂材料使用量の削減が求められているが、キャップの場合、天面壁を含めて薄肉化することができれば、天面壁はその面積が大きいことから、薄肉化による樹脂材料使用量の削減の幅を大きくすることができる。
しかしながら、牛乳びん用の合成樹脂製のキャップのように、着色のない樹脂材料によって形成されるキャップにおいて、その天面壁を薄肉化した場合、薄肉化により天面壁を透過する光の減衰量が小さくなり、天面壁外表面に粗面加工を施し、そこに製造情報を印刷していても、印刷情報の読み取り検査の際の検査機光源の光が透過し易くなり、容器内容物の液面からの反射光の強度が高くなって、その反射光による天面壁外表面の印刷情報の読取エラーを発生し易くしてしまうことがあり得る。
そこで、牛乳びん用の合成樹脂製のキャップのように、着色のない樹脂材料によって形成されるキャップにおいて、その天面壁を薄肉化する場合、天面壁外表面への粗面加工をより粗く施して、天面壁外表面の散乱光の量を増やして、ヘイズを高くし、天面壁の透光性が高くならないようにすることが考えられるが、そのようにした場合、通常、天面壁外表面の粗面中の凹部が深くなることから、インクジェットプリンタにより印刷をすると、インクが凹部で流動し易くなって、印刷に滲みが生じ易くなってしまうので、好ましくない。
実開平4−65757号公報 特開2009−281795号公報 特開2000−255610号公報
この発明は、前記の事情に鑑み、天面壁外表面への印刷が滲み易くならないようにすると共に、天面壁外表面の印刷された情報の光学的な読み取り検査の際に、読取エラーが生じ易くならないようにしつつ、天面壁を薄肉化することができる合成樹脂製のキャップを得ることを目的とする。
この発明は、容器口部を覆う天面壁を有する合成樹脂製のキャップにおいて、該天面壁の厚さを0.6mm以上1.2mm未満の薄肉のものとし、該天面壁の外表面に微細な凹凸を形成して外側粗面部を設けると共に、該天面壁の内表面にも微細な凹凸を形成して内側粗面部を設け、該外側粗面部を印刷部としたことを特徴とする合成樹脂製のキャップである。
また、この発明は、該外側粗面部の表面粗さが算術平均粗さRaを1乃至100μmであって、かつ凹凸間の平均長さRSmを0.5mm以下であることを特徴とする前記合成樹脂製のキャップである。
また、この発明は、該内側粗面部の表面粗さが算術平均粗さRaを0.1乃至50μmであって、かつ凹凸間の平均長さRSmを0.5mm以下であることを特徴とする前記合成樹脂製のキャップである。
また、この発明は、該天面壁の周縁部より下方に延在するように設けられた筒壁と、該筒壁の内側に位置すると共に、該天面壁の内側表面より下方に延在するように設けられたインナーリングとを更に有し、該内側粗面部が該インナーリングの内側の該天面壁の内側表面のみに設けられていることを特徴とする前記合成樹脂製のキャップである。
また、この発明は、該合成樹脂製のキャップは、ポリオレフィン系樹脂からなり、該ポリオレフィン系樹脂は着色剤を添加しないものであることを特徴とする。
この発明によれば、天面壁の内側表面にも粗面部が設けられており、外側表面の粗面部だけでなく、内側の粗面部によっても天面壁のヘイズを高めることができるようになっており、外側の粗面部の粗面加工の程度を印刷が滲み易くならない程度のものとしつつ、天面壁の厚さを内側表面に粗面部のない従来品に比べて薄くしたとしても、具体的には、天面壁の厚さを0.6mm以上1.2mm未満の薄肉のものとしたとしても、内側表面に粗面部があることで、天面壁のヘイズを従来品と同程度以上の値にすることができる。
従って、この発明によれば、天面壁外表面への印刷が滲み易くならないようにすると共に、天面壁外表面の印刷された情報の光学的な読み取り検査の際に、読取エラーが生じ易くならないようにしつつ、天面壁を薄肉化することができる。
この発明の合成樹脂製のキャップの断面図である。 同上のキャップの平面図である。 同上のキャップの底面図である。
この発明の合成樹脂製のキャップの実施形態を牛乳びん用のキャップに適用する場合を例に図1乃至3に基づき説明する。なお、この発明の合成樹脂製のキャップは牛乳びん以外の容器のキャップにも適用することができる。
先ず、この発明のキャップ1の基本構成について説明する。
1は、牛乳びん用のキャップであり、牛乳びんの口部10に装着されてその封止部材として用いられるものである。図に示されるように、キャップ1は、天面壁2と、天面壁2の周縁部2cより下方に延在する筒壁3と、筒壁3の内側に位置すると共に、天面壁2の内側表面2bより下方に延在するインナーリング4とを有し、牛乳びんの口部10に装着された際に、天面壁2が口部10を上方から覆いつつ、筒壁3の内周表面3bに形成されている係合用凸部3cが口部10の外周表面10aに形成されている係合用凹部と係合し、またインナーリング4の外周表面4aに形成されているシール用凸部4cが口部10の内周表面10bに圧接して、その間(表面4aと表面10bとの間)をシールできるようになっている。なお、5は、キャップ1の開蓋用のタブである。
キャップ1は、ポリオレフィン系樹脂によって射出成形され、具体的には、顔料等を含まず(添加せず)着色がされていないポリエチレン等を材料として、射出成形によって全体が一体に形成されている。なお、キャップ1は薄肉化されており、特に天面壁2の厚さtについては、従来品の厚さよりも薄いものとなっている。これにより、キャップ1は薄肉化の要請に応えるものとなっている。
次に、この発明のキャップ1には、天面壁2の外側表面2a及び内側表面2bの双方に粗面部が設けられており、それら粗面部について説明する。
キャップ1において、天面壁2の外側表面2aには、微細な凹凸が形成されてなる外側粗面部2dが設けられており、その粗面上にインクジェットプリンタ等の印刷手段により製造日等の製造情報が印刷される印刷部2fが設けられている。ここで、キャップ1の外側表面1aには、天面壁2の外側表面2aだけでなく、筒壁3の外周表面3aやタブ5の外側表面5aにも、天面壁2の外側表面2a上の外側粗面部2dと同様に微細な凹凸が形成されて粗面化されたものとなっている。即ち、キャップ1は、図2に説明の便宜上点ハッチングを付して示したように、その外側表面1aの全体が粗面化されたものとなっており、それにより全体が白色半透明の外観を呈するものとなっている。なお、本実施の形態においては、前記のように、キャップ1の外側表面1a全体を粗面化しているが、キャップ1の外側の粗面化は、天面壁2の外側表面2aの外側粗面部2dの部分だけにしてもよい。
そして、キャップ1には、天面壁2の内側表面2bにも、微細な凹凸が形成されてなる内側粗面部2eが設けられている。この内側粗面部2eは、天面壁2の内側表面2bにおけるインナーリング4の内側に位置する部分だけに設けられており、内側表面2bにおけるその他の部分は粗面化されておらず、又インナーリングの外周表面4a及び内周表面4b並びに筒壁3の内周表面3bも粗面化されておらず、即ち、キャップ1は、図3に説明の便宜上点ハッチングを付して示したように、天面壁2の内側表面2bにおけるインナーリング4の内側に位置する内側粗面部2eの部分だけが粗面化されたものとなっている。なお、キャップ1の内側表面1bにおいて、内側粗面部2eの部分以外も粗面化してもよいが、内側粗面部2eの部分だけにすることで、キャップ1の内側表面1bにおける粗面化を容易なものとすることができるし、又インナーリング4のシール用凸部4cのシール性を低下させることがないようにすることができる。
外側粗面部2d及び内側粗面部2e等の粗面部の粗面化の方法としては、例えば、成形用の金型表面に加工を施したものを用い、成形工程の段階で粗面化する方法を採用することができる。
外側粗面部2dには、前記のように、その粗面上にインクジェットプリンタ等の印刷手段により製造日等の製造情報の印刷が施されて印刷部2fが設けられている。外側粗面部2dの表面粗さの程度は、印刷されるインクの付着性を高めつつも、そのインクが滲み易くはならないように、そうできるとされている従来品の表面粗さの範囲内で設定することができる。
外側粗面部2dの表面粗さの程度は、その粗さの範囲を前記のように従来品の粗さの程度から設定することができるが、天面壁2に必要なヘイズの最小値も従来品のヘイズから設定することができる。即ち、天面壁2にヘイズが必要なのは、外側粗面部2dに印刷される製造情報の光学的な読み取り検査の際の牛乳の液面からの反射光による読み取りエラーの発生を防ぐためであるところ、従来品の天面壁のヘイズは読み取りエラーの発生率を許容範囲内に抑えることができるものとなっており、従来品の天面壁のヘイズと同程度以上のものがあれば、従来品と同程度以上に検査機の読み取りエラーの発生率を抑えることができることとなり、つまりは従来品の天面壁のヘイズと同程度の値を天面壁2に必要なヘイズの最小値として設定することができることとなる。
ここで、キャップ1には、前記のように、内側粗面部2eが設けられており、天面壁2の内側表面2bにも粗面部が設けられている。この内側粗面部2eが設けられていることで、キャップ1は、天面壁2の厚さtを薄肉化しても、外側粗面部2dの粗さをより粗くすることなしに、天面壁2のヘイズを必要な値以上のものとすることができるものとなっている。即ち、キャップ1は、天面壁2の外側粗面部2dへの印刷が滲み易くならないようにすると共に、その印刷された情報の光学的な読み取り検査の際の読取エラーが生じ易くならないようにしつつも、天面壁2を薄肉化することができるものとなっている。
内側粗面部2eの表面粗さの程度については、天面壁2のヘイズが設定された値以上にすることができる粗さは少なくとも必要であるが、その必要な表面粗さの最小値は、前記のように設定された天面壁2に必要なヘイズの最小値及び外側粗面部2dの表面粗さと、天面壁2の厚さtによって決定することができる。なお、内側粗面部2eの場合、外側粗面部2dのように印刷が施されることはなく、粗さの程度を高くしても、印刷上の問題が生じることはなく、又、インナーリング4のシール用凸部4cの部分を避けて、インナーリング4の内側部分に内側粗面部2eを設けていれば、粗さの程度を高くしても、シール性の低下の問題が生じることもないことから、粗さの程度を高いものとすることができ、天面壁2のヘイズを従来品よりも高いものとして、検査の際の読み取りエラーがより生じ易くならないようにすることもできる。
最後に、キャップ1の天面壁2における厚さt、ヘイズ、外側粗面部2dの表面粗さの程度及び内側粗面部2eの表面粗さの程度の具体例について説明する。
天面壁2の厚さtについては、具体的には、従来品が1.2mmであったものをそれ未満とすることができ、例えば0.6mm〜0.9mmとすることができる。即ち、天面壁2の厚さtは、従来品に比して25%以上薄いものとすることができる。なお、天面壁2の厚さtは、内溶液の密封性を担保するために、例えば材料に高密度ポリエチレンを用いた場合は少なくとも0.6mm〜0.7mm程度の厚みを有することが好ましく、低密度ポリエチレンを用いた場合は少なくとも0.8mm〜0.9mm程度の厚みを有することが好ましい。即ち、天面壁2の厚さtは、0.6mm以上1.2mm未満とすることができる。
天面壁2の外側粗面部2dの表面粗さの程度については、前記のように従来品の表面粗さの範囲内で設定することができるが、具体的には、JIS−B−0601の規格に基づく表面粗さが算術平均粗さRaを1乃至100μmであって、かつ凹凸間の平均長さRSmを0.5mm以下とすることができ、例えば算術平均粗さRaを2μmであって、かつ凹凸間の平均長さRSmを0.2mm程度とすることができる。尚、外側粗面部2dの表面粗さは算術平均粗さRaを1μm未満とすると、印刷部2fに付着したインクが容易に剥がれてしまい好ましくない。又、算術平均粗さRaを100μmより大きいものとすると、印刷部2fに付着したインクが滲む等の不具合が生じ易くなり、凹凸間の平均長さRSmを0.5mmより大きいものとすると、天面壁2のヘイズが小さくなってしまい検査時の読取エラーを完全に防止できない恐れがあり好ましくない。
又、天面壁2の内側粗面部2eの表面粗さの程度については、JISB0601の規格に基づき、算術平均Raを0.1乃至50μmであって、かつ凹凸間の平均長さRSmを0.5mm以下とすることができ、例えば算術平均粗さRaを0.3μmであって、かつ凹凸間の平均長さRSmを0.01mm程度とすることができる。尚、内側粗面部2eの表面粗さは算術平均粗さRaを0.1μm未満とすると、凹凸の加工が困難なものとなり生産性に劣るため好ましくない。又、算術平均粗さRaを50μmより大きいものとすると、密封性を低下させる要因となり、凹凸間の平均長さRSmを0.5mmより大きいものとすると、外側粗面部2dと同様に、天面壁2のヘイズが小さくなってしまい検査時の読取エラーを完全に防止できない恐れがあり好ましくない。ここで、内側粗面部2eをインナーリング4の内側に位置する部分だけにする場合は、内側粗面部2eをより粗くしても密封性が低下することはないので、その表面粗さの程度は前記の算術平均粗さRaを50μm以上にしてもよい。
尚、前記の表面粗さの具体例は、外側粗面部2d及び内側粗面部2eの何れについても、ミツトヨ社製、表面粗さ測定器(SV‐C624 )を用いた測定結果に基づく。
1:キャップ 1a:外側表面 1b:内側表面 2:天面壁
2a:外側表面 2b:内側表面 2c:周縁部 2d:外側粗面部
2e:内側粗面部 2f:印刷部 3:筒壁 3a:外周表面
3b:係合用凸部 4:インナーリング 4a:外周表面 4b:内周表面
4c:シール用凸部 5:タブ 5a:外側表面 10:びん口部
10a:外周表面 10b:内周表面

Claims (5)

  1. 容器口部を覆う天面壁を有する合成樹脂製のキャップにおいて、
    該天面壁の厚さを0.6mm以上1.2mm未満の薄肉のものとし、
    該天面壁の外表面に微細な凹凸を形成して外側粗面部を設けると共に、該天面壁の内表面にも微細な凹凸を形成して内側粗面部を設け、該外側粗面部を印刷部としたことを特徴とする合成樹脂製のキャップ。
  2. 該外側粗面部の表面粗さが算術平均粗さRaを1乃至100μmであって、かつ凹凸間の平均長さRSmを0.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製のキャップ。
  3. 該内側粗面部の表面粗さが算術平均粗さRaを0.1乃至50μmであって、かつ凹凸間の平均長さRSmを0.5mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成樹脂製のキャップ。
  4. 該天面壁の周縁部に連設された筒壁と、該筒壁の内側に位置し、該天面壁の内側表面に立設されたインナーリングとを更に有し、該内側粗面部が該インナーリングの内側の該天面壁の内表面のみに設けられていることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の合成樹脂製のキャップ。
  5. 該合成樹脂製のキャップは、ポリオレフィン系樹脂からなり、該ポリオレフィン系樹脂は着色剤を添加しないものであることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の合成樹脂製のキャップ。
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