後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
回路基板と、前記回路基板に搭載された第1の部材と、前記第1の部材に対して位置決めされる第2の部材とを有するモジュールの製造方法であって、窓が形成された前記回路基板であって、前記窓を塞ぐように前記回路基板の第1面に前記第1の部材が搭載された前記回路基板を、用意すること、前記回路基板の前記第1面とは反対側の第2面の側から、前記窓の縁によってガイドさせて前記第2の部材を前記窓に挿入すること、及び、前記第1の部材及び前記第2の部材の一方の部材に設けられた位置決め穴に、他方の部材に設けられた位置決めピンを挿入することによって、前記第1の部材と前記第2の部材とを位置決めすることを行うモジュール製造方法が明らかとなる。
このようなモジュール製造方法によれば、モジュールの低背化を実現できるとともに、位置決め穴と位置決めピンによって位置決めされる2つの部材の位置決めが容易になる。
前記位置決めピンは、円錐台形状であることが望ましい。このような場合に特に有効である。
前記窓の縁に前記第2の部材を接触させたとき、前記位置決めピンの頂部が前記位置決め穴の開口内に位置することが望ましい。これにより、位置決めピンの頂部を位置決め穴のエッジに接触させずに、位置決めピンを位置決め穴に挿入できる。
前記回路基板に平行な方向における前記窓の寸法と前記第2の部材の寸法との差は、前記円錐台形状の前記位置決めピンのテーパ面の前記方向における寸法よりも、小さいことが望ましい。これにより、前記窓の縁に前記第2の部材を接触させたときに前記位置決めピンの頂部が前記位置決め穴の開口内に位置させることができる。
前記位置決め穴を有する前記一方の部材は、前記位置決めピンを有する前記他方の部材よりも、硬いことが望ましい。このような場合に特に有効である。
前記位置決め穴は、奥の窄まった非貫通穴であることが望ましい。このような場合に位置決めピンを円錐台形状にすることが有効である。
前記位置決め穴は、ブラスト加工により形成されていることが望ましい。このような場合に、位置決め穴が、奥の窄まった非貫通穴になる。
前記窓は、ルーター加工により形成されているとともに、前記ルーター加工により形成される丸みと前記第2の部材との接触を避けるための凹部を有することが望ましい。これにより、窓の縁によって第2の部材を正常にガイドできる。
前記第1の部材と前記第2の部材とを位置決めすることを行った後、前記凹部の全部を覆わずに前記凹部の一部を覆うように接着剤を塗布し、前記凹部を覆う前記接着剤と前記第1の部材との間に空間を形成し、前記接着剤によって前記第2の部材を前記回路基板に固定することが望ましい。これにより、接着剤を剥がす工具の先端を前記空間に入り込ませることができ、前記第2の部材が損傷しないように接着剤を剥がすことが可能になる。
前記接着剤を工具で剥がす際に、前記工具の先端を前記空間に入り込ませ、前記凹部の縁に前記工具を接触させ、その接触点を支点にして、前記工具の前記先端で前記接着剤を剥がすことが望ましい。これにより、接着剤を剥がしやすくなる。
前記第1の部材は、光を透過可能な透明基板であり、前記第2の部材は、光を伝送する光ファイバを支持する支持部材であり、前記透明基板には、前記透明基板に向かって光を発光し若しくは前記透明基板を透過した光を受光する光電変換素子が搭載されており、前記支持部材は、前記光電変換素子と前記光ファイバとの間の光路を前記透明基板とともに形成しており、前記透明基板の前記位置決め穴に前記支持部材の前記位置決めピンを挿入することによって、前記透明基板と前記支持部材が位置決めされることが望ましい。これにより、前記透明基板と前記支持部材との位置決めが容易になる。
窓が形成された回路基板と、前記窓を塞ぐように前記回路基板の第1面に搭載された第1の部材と、前記回路基板の前記第1面とは反対側の第2面の側から前記窓に挿入されて、前記第1の部材に対して位置決めされた第2の部材とを有し、前記第1の部材及び前記第2の部材の一方の部材に位置決め穴が設けられており、他方の部材に円錐台形状の位置決めピンが設けられており、前記窓の縁に前記第2の部材を接触させたとき、前記位置決めピンの頂部が前記位置決め穴の開口内に位置することを特徴とするモジュールが明らかとなる。
このようなモジュールによれば、モジュールの低背化を実現できるとともに、位置決め穴と位置決めピンによって位置決めされる2つの部材の位置決めが容易になる。
窓が形成された回路基板と、前記窓を塞ぐように前記回路基板の第1面に搭載された第1の部材と、前記回路基板の前記第1面とは反対側の第2面の側から前記窓に挿入されて、前記第1の部材に対して位置決めされた第2の部材とを有し、前記第1の部材及び前記第2の部材の一方の部材に位置決め穴が設けられており、他方の部材に円錐台形状の位置決めピンが設けられており、前記回路基板に平行な方向における前記窓の寸法と前記第2の部材の寸法との差は、前記円錐台形状の前記位置決めピンのテーパ面の前記方向における寸法よりも、小さいことを特徴とするモジュールが明らかとなる。
このようなモジュールによれば、モジュールの低背化を実現できるとともに、位置決め穴と位置決めピンによって位置決めされる2つの部材の位置決めが容易になる。
===概要===
図1A〜図1Cは、本実施形態の概要の説明図である。図1Dは、比較例の説明図である。
図1A及び図1Bに示すように、回路基板10には収容窓12(窓)が形成されている。回路基板10の一方の面である第1面には、収容窓12を塞ぐようにガラス基板20(第1の部材、透明基板)が搭載されている。
光路変換器40(第2の部材、支持部材)は、ガラス基板20に対して位置決めされて取り付けられる。ガラス基板20には位置決め穴23が設けられており、光路変換器40には位置決めピン43が設けられている。位置決めピン43が位置決め穴23に挿入されることによって、光路変換器40がガラス基板20に対して位置決めされる。
光路変換器40は、ガラス基板20が搭載された第1面とは反対側の第2面の側から、回路基板10の収容窓12に挿入される。光路変換器40の一部が収容窓12の中に配置されるため、回路基板10、ガラス基板20及び光路変換器40を単に積み重ねて配置した場合と比べて、モジュールの低背化を図ることができる。
図1C(本実施形態)と図1D(比較例)とを比べて分かるように、本実施形態では、収容窓12は、光路変換器40の外形に合わせて、形成されている。これは、光路変換器40を第2面の側から収容窓12に挿入するときに(図1B参照)、収容窓12の縁によって光路変換器40をガイド(案内)するためである。
図2Aは、本実施形態の位置決めの様子の説明図である。本実施形態では、位置決めピン43が位置決め穴23に挿入される前に収容窓12の縁によって光路変換器40がガイドされているため、位置決めピン43の軸と、位置決め穴23の軸とのずれが殆ど生じない。このため、本実施形態では、位置決め穴23への位置決めピン43の挿入が容易になる。
図2Bは、比較例の位置決めの様子の説明図である。比較例では、位置決めピン43の軸と、位置決め穴23の軸とのずれ量が大きくなる。このため、比較例では、本実施形態と比べて、位置決めピン43の頂部を位置決め穴23の開口内に位置させにくくなり、位置決めピン43を位置決め穴23に挿入しにくくなる。
特に、位置決めピン43が円錐台形状や円錐形状のようにテーパ面を有する場合、図2Bに示すように、位置決めピン43のテーパ面43Aが位置決め穴23のエッジに接触することによって、位置決めピン43(若しくは位置決め穴23)が損傷するおそれがある。この結果、コンタミネーションの問題や、位置決め精度の低下の問題が生じる。但し、本実施形態によれば、位置決め時の位置決めピン43と位置決め穴23とのずれが小さいので、位置決めピン43の損傷を抑制できる。この結果、本実施形態によれば、コンタミネーションを抑制し、位置決め精度を向上させることができる。
===第1実施形態===
<全体構成>
図3は、プラガブル光トランシーバの説明図である。なお、光送信器と光受信機の両方を備えるものを光トランシーバと呼ぶことがあるが、ここでは一方のみ備えるものも光トランシーバと呼ぶ。図中のプラガブル光トランシーバは、MSA(Multi Source Agreement)で規定されたQSFPタイプ(QSFP:Quad Small Form Factor Pluggable)のものである。プラガブル光トランシーバは、光モジュール1と、ケージ2とを有する。
図中には、2種類の光モジュール1が描かれている。図に示すように、光モジュール1には、光ファイバ(コードを含む)が固定されていても良いし、着脱可能でも良い。図中の2つのケージ2のうちの一方は、ヒートシンク3が取り外されるとともに、内部が見えるように一部破断されて、描かれている。
以下の説明では、図3に示すように、前後、上下及び左右を定義する。すなわち、光モジュール1を挿入するケージ2の挿入口側を「前」とし、逆側を「後」とする。光モジュール1においては、光ファイバ(コードを含む)が延び出る側を「前」とし、逆側を「後」とする。また、ケージ2が設けられるメイン基板から見て、ケージ2が設けられる面の側を「上」とし、逆側を「下」とする。また、前後方向と上下方向と直交する方向を「左右」とする。
通信機器側(ホスト側)のメイン基板上にはケージ2が設置されている。ケージ2は、例えばデータセンター内のブレードサーバのメイン基板上に設けられる。
光モジュール1は、ケージ2に着脱可能に挿入される。光モジュール1は、ハウジング1A内に光電変換素子31や回路基板10を内蔵しており、光ファイバで送受される光信号と、通信機器側のメイン基板で処理される電気信号とを相互に変換する。
ケージ2は、光モジュール1を着脱可能に収容する。ケージ2は、光モジュール1を挿入するための挿入口を前側に備え、前後方向に長い断面矩形の箱形部材である。このケージ2は、前側を開放するように金属板を折り曲げ加工して形成される。金属板が断面矩形状に折り曲げ加工されることにより、光モジュール1を収容するための収容部がケージ2内に形成されている。ケージ2の内部の後側には、コネクタ2Aが設けられている。光モジュール1がケージ2に挿入されると、ケージ2内のコネクタ2Aに対して光モジュール1内の回路基板が電気的・機械的に接続される。これにより、光モジュール1とメイン基板との間で電気信号が伝送される。
ケージ2の上面には開口部があり、その開口部を塞ぐようにヒートシンク3が取り付けられている。ヒートシンク3は、ケージ2に挿入された光モジュール1の熱を外部に放熱するための多数の放熱フィン(放熱ピン)を備えている。
<光モジュール1の内部構成>
図4Aは、光モジュール1のハウジング1A内の回路基板10等を斜め上から見た斜視図である。図4Bは、回路基板10等を斜め下から見た斜視図である。図5は、回路基板10等を下から見た図である。図6は、ケージ2に挿入された光モジュール1の概略構成図である。
図に示すように、光モジュール1は、ハウジング1A内に、回路基板10と、ガラス基板20と、光路変換器40とを備えている。
回路基板10は、電子回路を構成する板状のプリント基板である。回路基板10の後側端部には、ケージ2内のコネクタ2A(コネクタソケット)と接続するための接続部11(カードエッジコネクタ)が形成されている。接続部11は回路基板10の上下両面に形成されており、多数の端子が左右方向に並んで形成されている。
回路基板10には、光路変換器40を収容するための収容窓12が形成されている。また、この収容窓12を囲むように、回路基板10の上面には回路基板側電極13が形成されている。回路基板10の上面(第1面)には、収容窓12を塞ぐように、ガラス基板20が搭載されている。言い換えると、ガラス基板20の下側に回路基板10の収容窓12が位置しており、ガラス基板20の下面で回路基板10の収容窓12が塞がれている。ガラス基板20の下面にはガラス基板側電極22が形成されており、回路基板側電極13とガラス基板側電極22とを接続しつつ、回路基板10の収容窓12を塞ぐようにガラス基板20を回路基板10に搭載している。
収容窓12は、回路基板10に形成された貫通穴(開口)である。この収容窓12に光路変換器40の上部が挿入されている。光路変換器40の下部は収容窓12から下側に突出しており、この突出した部分から前側に光ファイバ50が延び出ている。但し、光路変換器40が回路基板10より薄い場合、光路変換器40の下部は収容窓12から下側に突出しない。この場合、反射部42が光を鈍角に反射するように構成されると、光路変換器40から光ファイバ50を引き出しやすくなる。
収容窓12は、回路基板10にルーター加工を施すことによって、矩形状に形成される。収容窓12を工具(ルーター)で加工をすると、収容窓12の角が工具の径の丸みを帯びることになるので、丸みを帯びる部分が光路変換器40と干渉(接触)しないようにするために、収容窓12には凹部12Aが形成されている。そして、凹部12Aと凹部12Aの間の直線状の縁が、光路変換器40の側面のガイドとして機能する。
ガラス基板20は、光を透過可能な透明なガラス製基板である。ガラス基板20には、回路基板10の収容窓12の形状に沿って、複数の貫通ビア21が形成されている。
ガラス基板20の下面(発光部31を搭載する搭載面とは反対側の面)には、ガラス基板側電極22が形成されている。ガラス基板側電極22は、貫通ビア21の外側に形成されている。また、ガラス基板側電極22は、回路基板10の収容窓12の外側に沿うように、形成されている。ガラス基板側電極22は、回路基板10の上面の回路基板側電極13と電気的に接続されることになる。貫通ビア21は、ガラス基板側電極22と発光部31及び駆動素子32との間の配線に用いられている。
ガラス基板20の下面には、光路変換器40を位置決めするための2つの位置決め穴23が形成されている。この位置決め穴23は、ガラス基板20を貫通しておらず、非貫通穴となるように形成されている。位置決め穴23を非貫通穴にすることによって、位置決め穴23の上側に部品(例えば駆動素子32)を搭載したり、その部品への配線を配置したりすることが可能になり、ガラス基板20の上面における部品搭載や配線の自由度が高くなる。また、この結果、ガラス基板20の小型化も可能となる。
ガラス基板20の上面には、発光部31が実装されている。また、発光部31を駆動するための駆動素子32も、ガラス基板20の上面(発光部31の搭載面)に実装されている。発光部31と駆動素子32は、貫通ビア21の内側に配置されている。言い換えると、発光部31と駆動素子32は、回路基板10の収容窓12の上側に位置するように、ガラス基板20の上面に実装されている。
発光部31は、光信号と電気信号とを変換する光電変換素子である。ここでは、発光部31として、基板に垂直な光を出射するVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザ)が採用されている。なお、光電変換素子として、光信号を電気信号に変換する受光部がガラス基板20に実装されても良い。また、発光部と受光部の両方がガラス基板20に実装されても良い。
発光部31の発光部側電極31Aと発光面31Bは、下面(ガラス基板20の側の面)に形成されている。発光部31は、ガラス基板20にフリップチップ実装されており、ガラス基板20に向かって光を照射する。発光部31の発光部側電極31Aと発光面31Bが同じ側(ガラス基板20の側となる下面)に位置しているため、発光部31をガラス基板20にフリップチップ実装すれば、発光面31Bがガラス基板20の側を向き、発光面31Bが外部に露出しないことになる。
なお、図6には発光部31の発光面31Bが1つ描かれているが、発光部31は、紙面と垂直な方向に並ぶ複数の発光面31Bを備えている。
光路変換器40は、発光部31から照射された光の光路を変換する光学部材である。また、光路変換器40は、光ファイバ50の一端を支持し、発光部31と光ファイバ50との間の光路を透明基板と共に形成する支持部材としても機能する。光路変換器40は、ガラス基板20に対して位置決めされて取り付けられる部材(第2の部材)である。光路変換器40は、回路基板10の下側から収容窓12に挿入されている。
光路変換器40は、レンズ部41と、反射部42とを備えている。レンズ部41は、光路変換器40の上面に形成されている。反射部42は、光路変換器40の下面に形成されている。
レンズ部41は、光を集束させられるように凸レンズ状に形成された部位である。但し、レンズ部41は、光路変換器40の上面から突出しないように、上面から窪んだ凹部に形成されている。レンズ部41を光路変換器40の上面から窪ませて形成することによって、光路変換器40の上面とガラス基板20の下面とを面接触させることが可能になる。レンズ部41は、発光部31の照射した光を集束させて反射部42に導き、光を光ファイバ50に入射させる。ガラス基板20に受光部が実装されている場合には、レンズ部41は、反射部42から反射された光を受光部に集束させることになる。レンズ部41は、ガラス基板20を挟んで発光部31の発光面31Bと対向している。
反射部42は、光を反射させるための部位である。発光部31から照射された光の光軸は上下方向(回路基板10やガラス基板20などの基板に垂直な方向)であるが、反射部42で反射された光の光軸は前後方向(回路基板10やガラス基板20などの基板に平行な方向)になる。反射部42で反射された光は、光路変換器40に取り付けられた光ファイバ50に入射する。ガラス基板20に受光部が実装されている場合には、反射部42は、光ファイバ50から出射した光を反射してレンズ部41に導き、受光部に集束させることになる。
なお、図中の反射部42は、反射光の光軸が前後方向(回路基板10やガラス基板20などの基板に平行な方向)になるように描かれている。但し、反射部42は、90度に光を反射するものに限られない。反射部42が光を鈍角(例えば100度程度)に反射するように構成されていても良い。光軸が上下方向(回路基板10やガラス基板20などの基板に垂直な方向)であった光が前後方向(回路基板10やガラス基板20などの基板に平行な方向)の成分を持つように反射されれば良い。例えば、光ファイバ50の根元が光路変換器40の比較的上部にある場合や、光路変換器40の厚さが回路基板10の厚さよりも薄い場合に、光路変換器40から光ファイバ50を引き出しやすくするため、反射部42が光を鈍角に反射するように構成すると良い。
光路変換器40のファイバ支持部44には光ファイバ50の一端が支持されており、光路変換器40の前側から光ファイバ50が延び出ている。光ファイバ50は、光路変換器40のレンズ部41及び反射部42に対して所定の位置関係になるように位置合わせされて取り付けられている。
図中の光路変換器40には、光が入射する部位だけにレンズ部41が設けられている。但し、光が出射する部位にもレンズ部を設け、光路変換器40が2つのレンズ部を備えても良い。そして、2つのレンズ部をコリメータレンズとすれば、光路変換器40の中で平行光を伝搬させることができる。
光路変換器40の上面には、ガラス基板20の位置決め穴23に挿入するための2つの位置決めピン43が突出して形成されている。光路変換器40の位置決めピン43がガラス基板20の位置決め穴23に嵌合することによって、光路変換器40のレンズ部41の光軸とガラス基板20に実装された発光部31の光軸との位置合わせが行われる。
光路変換器40は、樹脂により一体成形されている。つまり、光路変換器40のレンズ部41、反射部42、位置決めピン43及びファイバ支持部44は、樹脂により一体的に形成されている。
図6に示すように、発光部31及び駆動素子32の上側には、放熱シート61が配置されている。放熱シート61は、熱伝導率の高い材質で構成されており、発光部31や駆動素子32から発生した熱をケージ2のヒートシンク3に伝導する。
図7は、光路変換器40を固定するための固定具62の斜視図である。固定具62は、断面U字状に金属板を折り曲げた本体63と、引っ掛け板64とから構成されている。断面U字状の本体63の一端には引っ掛け板64が固定されており、本体63の他端には引っ掛け板64を引っ掛けるための係合部63Aが形成されている。引っ掛け板64を本体63の係合部63Aに引っ掛けると、固定具62は、本体63の内側の部材(ガラス基板20、発光部31、光路変換器40及び放熱シート61など)を上下方向から締め付ける。
固定具62は、引っ掛け板64によって光路変換器40を上側に向かって付勢するとともに、本体63によって放熱シート61を介してガラス基板20を下側に向かって付勢する。つまり、固定具62は、ガラス基板20の位置決め穴23に光路変換器40の位置決めピン43を挿入する方向に力を付勢する付勢部材として機能する。これにより、ガラス基板20の位置決め穴23と光路変換器40の位置決めピン43との嵌合が確実なものとなり、外れにくくなる。
また、固定具62の引っ掛け板64が、光路変換器40の反射部42の外側を覆っている。これにより、反射部42へのゴミの侵入を防ぐことができる。もし仮に反射部42にゴミが付着すると、反射部42の光学的な特性が変化するおそれがあるが、引っ掛け板64が反射部42の外側を覆うことによって、反射部42の光学的な特性の変化を予防できる。
また、固定具62は、発光部31や駆動素子32と放熱シート61とを密着させる方向に力を付勢する付勢部材として機能する。これにより、発光部31や駆動素子32から発生した熱が放熱シート61に伝導しやすくなる。
なお、位置決めピン43が位置決め穴23に挿入された状態が固定具62によって保持されているため、固定具62を外せば、ガラス基板20から光路変換器40を外すことが可能である。つまり、着脱可能になるように、位置決め穴23に位置決めピン43を挿入することによって、ガラス基板20と光路変換器40とが位置決めされている。これにより、光路変換器40をガラス基板20に取り付ける工程は、接着固定する場合と比べて、簡易なものとなる。また、光路変換器40を着脱可能に取り付けているため、光路変換器40に故障が生じても、交換が可能である。(これに対し、光路変換器40をガラス基板20に接着固定した場合には、光路変換器40が故障してしまうと、ガラス基板20(及び回路基板10)も交換する必要が生じるため、コストがかかってしまう。)
<回路基板10、ガラス基板20及び光路変換器40の配置と低背化>
図8は、回路基板10、ガラス基板20及び光路変換器40の配置の説明図である。図に示すように、回路基板10の厚さ(上下方向の寸法)は1.0mm、ガラス基板20の厚さは0.7mm、駆動素子32の厚さは0.3mm、光路変換器40の厚さは1.8mmである。発光部31は駆動素子32よりも薄い部品なので、ここでは発光部31の厚さは無視することにする。
光路変換器40は、反射部42の寸法を確保するため、また、光ファイバ50の端部を接続するための寸法を確保するため、他と比べると厚い部品になっている。そして、厚みのある光路変換器40の上部を収容窓12の中に配置させることによって、回路基板10、ガラス基板20及び光路変換器40を単に積み重ねて配置した場合(若しくは、中継基板を介してガラス基板20及び光路変換器40を回路基板10に取り付けた場合)と比べて、光モジュールの低背化を図っている。
具体的には、位置決め穴23及び位置決めピン43によって位置決めされた0.7mmのガラス基板20及び1.8mmの光路変換器40を1.0mmの回路基板10に取り付けているにも関わらず、全体の厚さは、2.8mm(=1.8mm+0.7mm+0.3mm)になっている。これに対し、仮に回路基板10、ガラス基板20及び光路変換器40を単に積み重ねて配置した場合には、全体の厚さは少なくとも3.8mm(=1.0mm+0.7mm+0.3mm+1.8mm)になる。なお、中継基板を介してガラス基板20を回路基板10に搭載した場合には、更に全体が厚くなる。
<位置決め穴23と位置決めピン43の形状>
図9Aは、第1実施形態の位置決め穴23の説明図である。図9Bは、参考例の位置決め穴23’の説明図である。第1実施形態では、ガラス基板20に位置決め穴23として非貫通穴を形成している。非貫通穴にする理由は、位置決め穴23を非貫通穴にすることによって、ガラス基板20の上面における部品搭載や配線の自由度が高くなるからである。
ガラス基板20に非貫通穴を形成する方法として、ドリルによる加工方法が考えられる。ドリルによって非加工穴を形成した場合には、図9Bに示すように、深さによらず径が一定の穴がガラス基板20’に形成される。但し、ドリルによる加工は、コストがかかることがある。そこで、第1実施形態では、低コストに非貫通穴を形成できるサンドブラスト加工を採用している。但し、サンドブラスト加工によって非貫通穴を形成した場合、ガラス基板20の表面での穴径(開口径)は精度良く形成できるものの、奥の窄まった形状になる(図9A参照)。このため、穴の奥では、穴径と深さの寸法精度は低い状態になる。
図10Aは、第1実施形態の位置決めピン43の説明図である。図10Bは第1参考例の位置決めピン43’の説明図である。図10Cは第2参考例の位置決めピン43”の説明図である。
図10Cに示す第2参考例の位置決めピン43”は、ピン径が一定の円柱形状(寸胴形状)である。このような円柱形状の位置決めピン43”の場合、図9Aのような奥の窄まった位置決め穴23に挿入して位置決めを行うことができない。また、仮に位置決め穴23が図9Bのような形状の場合には、図10Cに示す第2参考例の位置決めピン43”を挿入して位置決めを行うことは可能かもしれないが、この場合、はめあい公差により、位置決め穴23’と位置決めピン43”との間に隙間が必要であるため、この隙間の分だけ位置決め誤差が生じてしまう。
図10Bに示す第1参考例の位置決めピン43’は、円錐形状になっている。このような形状の位置決めピン43’を図9Aのような奥の窄まった位置決め穴23に挿入すると、位置決めピン43’の先端が位置決め穴23の底に接触する可能性があり、この場合には位置決めを行うことができない。
なお、第1参考例の位置決めピン43’の高さを低くして、位置決めピン43’の先端が位置決め穴23の底に接触しないように構成することは可能である。但し、この場合、テーパ面の角度が小さくなってしまうため(位置決めピン43’が全体的に平坦な形状になってしまうため)、位置決め穴23へ挿入し難くなったり、位置決め穴23への嵌入性が悪くなったりする等の結果、光軸がずれるおそれが生じてしまう。
これに対し、第1実施形態の位置決めピン43は、図10Aに示すように、円錐台形状になっている。位置決めピン43が円錐台形状であるため、図9Aのような奥の窄まった位置決め穴23に挿入しても、位置決めピン43の先端が位置決め穴23の底に接触し難い。また、円錐台形状のテーパ面43Aの角度を大きくしても、位置決めピン43の先端が位置決め穴23の底に接触し難い。
また、第1実施形態の位置決めピン43によれば、円錐台形状のテーパ面43Aがガラス基板20の表面において位置決め穴23と隙間無く接触できるので(位置決め穴23の縁と隙間無く接触できるので)、位置決め誤差を抑制できる。これにより、第1実施形態では、位置決め穴23や位置決めピン43の軸方向に垂直な方向(ガラス基板20の表面と平行な方向)の位置決め精度を高くできる。
上記の理由から、第1実施形態では、円錐台形状の位置決めピン43が採用されている。
<製造方法>
図11は、光モジュール1の製造方法のフロー図である。
まず、作業者は、ガラス基板20の搭載された回路基板10を用意する(S101)。回路基板10には収容窓12が形成されており、収容窓12を塞ぐように回路基板10の上面にガラス基板20が搭載されている。ガラス基板20の上面には、既に発光部31及び駆動素子32が実装されている。また、ガラス基板20の下面には、位置決め穴23が形成されている。
図12Aは、回路基板10の収容窓12を下側から見た図である。図12Bは、光路変換器40の外寸の説明図である。
収容窓12の内寸(基準寸法)は、光路変換器40の外寸よりも、0.1mmほど大きく設定されている。具体的には、収容窓12の前後方向の内寸は10.1mmであり、左右方向の内寸は6.1mmである。(光路変換器40の前後方向の外寸は10.0mmであり、左右方向の外寸は6.0mmである。図12B参照)なお、収容窓12の角には凹部12Aが形成されているが、ここでは、凹部12Aと凹部12Aの間の直線状の縁の内寸を収容窓12の内寸としている。
また、図12Aに示すように、収容窓12の公差が0.1mmに設定されている。図中では収容窓12の内寸の公差が0.1mmに設定されているように描かれているが、実際には、収容窓12の内寸の公差と、ガラス基板20の搭載精度との合計がプラスマイナス0.1mmの精度である(ここではガラス基板20の搭載誤差をゼロとしている)。なお、光路変換器40の外寸にも公差が設定されているが、収容窓12の公差と比べて無視できる大きさであるので、説明を簡略化するため、図12Bに示すように、ここでは光路変換器40の公差は考慮しないことにする。
次に、作業者は、ガラス基板20に光路変換器40を取り付ける。光路変換器40(詳しくは光路変換器40のファイバ支持部44)には、予め光ファイバ50の一端が取り付けられている。
位置決めピン43の高さ(ここでは0.5mm)が回路基板10の厚さ(ここでは1.0mm)よりも低いため、位置決めピン43が位置決め穴23に挿入される前に、光路変換器40の上部が回路基板10の収容窓12に挿入されることになる。また、回路基板10の収容窓12と光路変換器40との隙間が殆ど無いので、作業者は、収容窓12の縁に光路変換器40の側面を接触させながら、光路変換器40の上部を収容窓12に挿入することになる。つまり、作業者は、収容窓12の縁で光路変換器40の側面をガイドしながら、収容窓12に光路変換器40を挿入することになる(S102)。光路変換器40は、収容窓12の縁にガイドされることによって、回路基板10に平行な方向の移動範囲を制限される。
作業者が収容窓12に光路変換器40を挿入し続けると、光路変換器40の位置決めピン43がガラス基板20の位置決め穴23に達し、位置決めピン43が位置決め穴23に挿入される(S103)。このとき、収容窓12の縁によって光路変換器40がガイドされているため、位置決めピン43の軸と、位置決め穴23の軸とのずれが殆ど生じない。このため、位置決め穴23への位置決めピン43の挿入が容易になる。以下、この点について説明する。
図12Cは、位置決めピン43の形状と、位置決め穴23の軸に対する位置決めピンの軸のずれ量の説明図である。ここでは、位置決めピン43及び位置決め穴23の軸方向をZ方向とし、位置決めピン43及び位置決め穴23の軸方向に垂直な方向(回路基板10やガラス基板20に平行な方向)をY方向とする。
位置決めピン43の形状は、既に説明した通り、円錐台形状である。位置決め穴の開口径及び位置決めピン43の根元の直径は1000μmであり、位置決めピン43のZ方向の寸法(高さ)は500μmである。位置決めピン43のテーパ面43Aを形成する母線は、Y方向に対して50度傾いている(光路変換器40の上面に対して50度傾いている)。位置決めピン43のテーパ面42Aを形成する母線の長さは、約650μm(=500mm/sin50°)になる。
位置決めピン43の軸は、位置決め穴23の軸に対して、Y方向に最大で200μmずれるだけである。ずれ量が最大で200μmになる理由は、収容窓12の基準寸法が光路変換器40よりも100μm(=0.1mm)大きく、且つ、収容窓12の公差(実際には、収容窓12の内寸の公差と、ガラス基板20の搭載精度との合計)がプラスマイナス100μmであるためである。
第1実施形態では、位置決めピン43の軸と位置決め穴23の軸とのずれ量は、最大でも200μmであり、位置決め穴23の開口径や位置決めピン43の根元の直径(ここでは1000μm)と比べて、小さい。このため、位置決め穴23への位置決めピン43の挿入が容易になる。
さらに、第1実施形態では、収容窓12の縁に光路変換器40の側面を接触させたとき、円錐台形状の位置決めピン43の頂部が位置決め穴23の開口内に位置する。このため、収容窓12の縁に光路変換器40をガイドさせて光路変換器40をガラス基板20に近づければ、円錐台形状の位置決めピン43の頂部が位置決め穴23のエッジに接触することなく、位置決めピン43の頂部が位置決め穴23の中に入るので、位置決め穴23への位置決めピン43の挿入が容易である。仮に円錐台形状の位置決めピン43の頂部が位置決め穴23の開口から外れた位置にあると、位置決めピン43を位置決め穴23に挿入することが困難になる。
なお、第1実施形態では、収容窓12の縁に光路変換器40の側面を接触させたときに位置決めピン43の頂部が位置決め穴23の開口内に位置させるために、収容窓12と光路変換器40との隙間(回路基板に平行な方向における収容窓12の内寸と光路変換器40の外寸との差:ここでは最大で200μm)が、位置決めピン43のテーパ面43AのY方向の寸法(回路基板10に平行な方向における寸法:ここでは約420μm)よりも小さくなるように設計されている。仮に収容窓12と光路変換器40との隙間が位置決めピン43のテーパ面43AのY方向の寸法よりも大きいと、位置決めピン43の頂部が位置決め穴23の開口から外れることがあり、位置決めピン43を位置決め穴23に挿入することが困難になる。
ところで、位置決めピン43の頂部が位置決め穴23の開口から外れていると、位置決めピン43を位置決め穴23に挿入するときに、位置決め穴23のエッジが位置決めピン43の頂部と接触することになる。円錐台形状の位置決めピン43は頂部ほど曲率半径が小さいので、曲率半径の小さい部分(頂部)が位置決め穴23のエッジと接触することになる。第1実施形態では、位置決め穴23を有するガラス基板20が位置決めピン43を有する光路変換器40よりも硬い部材であるため、位置決めピン43の頂部付近が位置決め穴43のエッジと接触すると、位置決めピン43が損傷しやすい。
また、位置決めピン43の頂部が位置決め穴23の開口から外れていると、位置決めピン43を位置決め穴23に挿入するときに、テーパ面43Aの母線全長(約650μm)に亘ってテーパ面43Aが位置決め穴23のエッジと接触することになる。つまり、テーパ面43Aが摩耗する領域が長くなる。このような理由からも、位置決めピン43が損傷しやすくなる。
このように、仮に収容窓12と光路変換器40との隙間が位置決めピン43のテーパ面43AのY方向の寸法よりも大きいと、位置決めピン43が損傷しやすくなる。この結果、コンタミネーションの問題や、位置決め精度の低下の問題が生じやすくなる(図2B参照)。これに対し、第1実施形態では、位置決めピン43のテーパ面43Aは、頂部から離れた位置で位置決め穴23のエッジと接触することになる(図12C参照)。このため、第1実施形態では、位置決め穴23のエッジと接触するテーパ面43Aの曲率半径は小さく、また、テーパ面43Aの摩耗する領域の長さ(約310μm)を短くできる。このような理由から、第1実施形態では位置決めピン43の損傷を抑制できる。また、位置決めピン43の損傷を抑制できる結果、コンタミネーションを抑制し、位置決め精度を向上させることができる(図2A参照)。
以上説明したように、作業者は、位置決めピン43を位置決め穴23に挿入し、ガラス基板20と光路変換器40とを位置決めする(S103)。その後、作業者は、図7に示すように、固定具62によって光路変換器40をガラス基板20に固定し(S104)、これらの部材をハウジング1Aに内蔵させて光モジュール1を完成させる。
===第2実施形態===
前述の第1実施形態では、固定具62を用いて、光路変換器40をガラス基板20に固定していた(図7、図11のS104参照)。但し、光路変換器40の固定方法は、固定具62を用いる方法に限られるものではない。
図13A及び図13Bは、接着剤65を用いた固定方法の参考例の説明図である。
参考例においても、作業者は、収容窓12の縁で光路変換器40の側面をガイドしながら、収容窓12に光路変換器40を挿入し(図11のS102参照)、位置決めピン43を位置決め穴23に挿入し(S103参照)、ガラス基板20と光路変換器40とを位置決めする。その後、作業者は、図13A及び図13Bに示すように、回路基板10と光路変換器40との間に接着剤65として紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射し、接着剤65を硬化させる。参考例では、光路変換器40は、回路基板10に接着剤65で固定されることによって、間接的にガラス基板10に対して固定されることになる。
ところで、光モジュール1の製造後、例えば品質評価工程後に光モジュール1を構成する各部品を取り外し、部品を再利用したい場合がある。この場合、光路変換器40を取り外すためには、硬化した接着剤65を剥がす必要が生じる(これに対し、第1実施形態では、固定具62を外せば、光路変換器40を取り外すことできる)。
但し、収容窓12の縁で光路変換器40の側面をガイドできるように収容窓12が光路変換器40の外形に合わせて形成されているため、接着剤65で固定された光路変換器40と回路基板10との間には、隙間がほとんど無い。このような状況下において、図13Cに示すようにハンドグラインダーなどの工具を用いて接着剤65を剥がそうとすると、光路変換器40を損傷させるおそれがある。また、図13Cに示すように、光路変換器40側からガラス基板20側に向かって工具から力がかかると、回路基板10を損傷させたり、回路基板10とガラス基板20との接続不良を生じさせたりするおそれがある。
そこで、接着剤65を用いて光路変換器40を固定させる場合には、以下のようにすると良い。
図14Aは、第2実施形態の回路基板10の収容窓12を下側から見た図である。図14Bは、第2実施形態の光路変換器40の外寸の説明図である。第1実施形態と同様に、収容窓12の内寸(基準寸法)は、光路変換器40の外寸よりも、0.1mmほど大きく設定されている。また、第1実施形態と同様に、ルーター加工により丸みを帯びる部分が光路変換器40と干渉(接触)しないようにするために、収容窓12に凹部12B及び凹部12Cが形成されている。そして、凹部(凹部12B又は凹部12C)と凹部の間の直線状の縁が、光路変換器40の側面のガイドとして機能する。なお、第1実施形態では、いずれの凹部12Aとも長方形状の収容窓12の長辺に形成されていた(2つの長辺のそれぞれに2つずつ凹部12Aが形成されていた)。これに対し、第2実施形態では、図14Aに示すように、収容窓12の2つの長辺に1つずつ凹部12Bが形成されているとともに、収容窓12の2つの短辺のうちの一方の短辺に2つの凹部12Cが形成されている。
第2実施形態においても、作業者は、収容窓12の縁で光路変換器40の側面をガイドしながら、収容窓12に光路変換器40を挿入し(図11のS102参照)、位置決めピン43を位置決め穴23に挿入し(S103参照)、ガラス基板20と光路変換器40とを位置決めする。その後、作業者は、光路変換器40を固定するために、回路基板10と光路変換器40との間に接着剤65として紫外線硬化樹脂を塗布する。
図15Aは、下側(光路変換器40の側)から見た接着剤の塗布範囲の説明図である。図15Bは、接着剤65で固定された光路変換器40を斜め下から見た概略説明図である。
接着剤65は、回路基板10と光路変換器40との間の3箇所に塗布されている。いずれの接着箇所においても、接着剤65は、凹部(凹部12B又は凹部12C)の全てを覆わずに凹部の一部だけを覆うように(凹部の一部が露出するように)、回路基板10と光路変換器40との間に塗布されている。このとき、接着剤65の一部分(凹部を覆う接着剤)は凹部を跨ぐように塗布されており、接着剤65の別の一部分(凹部を覆っていない接着剤)は、回路基板10の凹部の間の直線状の縁(ガイドの機能を果たす部分)と光路変換器40との間に塗布されている。なお、接着剤65の一部分が凹部を跨ぐように塗布されているため、この部分では、接着剤65とガラス基板20(図15Bでは不図示)との間に空間が形成されるように、接着剤65が塗布されている。
作業者は、このように接着剤65として紫外線硬化樹脂を塗布した後、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射し、接着剤65を硬化させる。これにより、光路変換器40は、回路基板10に接着剤65で固定されることによって、間接的にガラス基板10に対して固定されることになる。なお、接着剤65の一部分が凹部(凹部12B又は凹部12C)を跨ぐように塗布されたため、この部分では、固化した接着剤65と上側(図15Bで「上」を示す矢印参照)のガラス基板20(図15Bでは不図示)との間に空間が形成されている。つまり、凹部を覆う接着剤65とガラス基板20との間に空間が形成されている。
図16は、第2実施形態の接着剤65の剥がし方の説明図である。
接着剤65を剥がすとき、まず、作業者は、ピンセットのような工具の先端を凹部(図中では凹部12B)に挿入する。なお、凹部の一部が露出するように接着剤65が塗布されたため、工具の先端を凹部に挿入することが可能である。次に、作業者は、固化した接着剤65と上側(図16で「上」を示す矢印参照)のガラス基板20(図15Bでは不図示)との間に空間が形成されているので、この空間に工具の先端を入り込ませる。そして、作業者は、回路基板10から剥がす方向に接着剤65に力を加えて(図16の矢印の方向)、接着剤65を剥がす。なお、接着剤65が固化しているため、接着剤65の一部分に力を加えることによって、接着剤65の全体が剥がれることになる。
上記の第2実施形態によれば、ガラス基板20(第1の部材)と光路変換器40(第2の部材)とを第1実施形態と同様に位置決めした後、凹部(凹部12B及び凹部12C)の全部を覆わずに凹部の一部を覆うように接着剤65を塗布し、凹部を覆う接着剤65とガラス基板20との間の空間を形成して、接着剤65によって光路変換器40を回路基板10に固定している(図15A及び図15B参照)。このように接着剤65を塗布すれば、接着剤65を工具で剥がす際に、凹部を覆う接着剤65とガラス基板20との間の空間に工具を入り込ませることが可能になる(図16参照)。これにより、接着剤65を工具で剥がす際に、光路変換器40を工具で損傷させずに済む。また、回路基板10から剥がす方向に接着剤65に力が加わるため、剥がす力がガラス基板20にかかりにくいため、回路基板10とガラス基板20との接続不良を抑制できる。
また、回路基板10から剥がす方向に接着剤65に力を加えるとき、作業者は、凹部(図16では凹部12B)の縁に工具を接触させ、その接触点を支点にして、工具の先端で接着剤65に力を加えると良い。これにより、「てこの原理」を利用して、工具の先端で接着剤を剥がすことができるため、接着剤65を剥がしやすくなる。
===第3実施形態===
前述の第1実施形態の光モジュール1は、ケージ2の上部に取り付けられたヒートシンク3に放熱するように構成されていた。但し、光モジュール1は、このような構成に限られるものではない。
図17は、第3実施形態の光モジュールの概略構成図である。第1実施形態と同じ部材には同じ符号を付している。
第3実施形態の光モジュールも、回路基板10、ガラス基板20及び光路変換器40を備えている。第3実施形態の各部品は、第1実施形態の光モジュール1の各部品を上下反転させた配置になっている。第3実施形態の光モジュールは、発光部31や駆動素子32から発生した熱を、放熱シート61を介して下側(ケージ2が接地されるメイン基板側)に放熱するように構成されている。
第3実施形態においても、回路基板10には収容窓12が形成されている。回路基板10の下面(第1面)には、収容窓12を塞ぐように、ガラス基板20が搭載されている。ガラス基板20の下面には発光部31及び駆動素子32が実装されている。ガラス基板20の上面には位置決め穴23が形成されている。
光路変換器40の下面には、位置決めピン43が形成されている。位置決めピン43がガラス基板20の位置決め穴23に嵌合することによって、光路変換器40とガラス基板20との位置決めが行われ、光路変換器40のレンズ部41の光軸とガラス基板20に実装された発光部31の光軸との位置合わせが行われる。第3実施形態では、厚みのある光路変換器40の下部を収容窓12の中に配置させることによって、光モジュールの低背化を図っている。
第3実施形態の光モジュールを製造する際には、回路基板10の上面(第2面)の側から、収容窓12の縁によって光路変換器40をガイドさせて、光路変換器40を収容窓12に挿入する。これにより、位置決め穴23への位置決めピン43の挿入が容易になる。第3実施形態の位置決めピン43も円錐台形状であるが、収容窓12の縁によって光路変換器40をガイドさせることによって、第1実施形態と同様に、位置決めピン43の損傷を抑制できる。
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる形態であっても、本発明に含まれる。
<位置決め穴と位置決めピン>
前述の位置決め穴は、サンドブラスト加工により形成されていたが、エッチング加工なのどの他の加工方法によって位置決め穴が形成されていても良い。他の加工方法であっても、位置決め穴が奥の窄まった形状であれば、円錐台形状の位置決めピンを挿入することによって、位置決め穴や位置決めピンの軸方向に垂直な方向(ガラス基板20の表面と平行な方向)の位置決め精度を高くできる。
また、位置決め穴は、奥の窄まった形状ではなく、例えば図9Bに示すような径が一定の穴であっても良い。また、位置決めピンが、円錐台形状でなく、図10Bに示すような円錐形状や、図10Cに示すような寸胴形状であっても良い。また、位置決め穴が非貫通穴でなく、貫通穴であっても良い。但し、この場合、ガラス基板20の表面における部品搭載や配線の自由度が低くなる。このように、前述の実施形態とは位置決め穴や位置決めピンの形状が異なる場合であっても、収容窓12の縁によって光路変換器40をガイドさせて光路変換器40を収容窓12に挿入することによって、位置決め穴への位置決めピンの挿入が容易になる。
また、前述の実施形態では、ガラス基板20に位置決め穴23が形成されており、光路変換器40に位置決めピン43が形成されていたが、位置決め穴及び位置決めピンの配置が逆でも良い。すなわち、ガラス基板20(回路基板に搭載された第1の部材)に位置決めピンが形成され、光路変換器40(第1の部材に対して位置決めされる第2の部材)に位置決め穴が形成されても良い。
<収容窓、光路変換器及び位置決めピンの寸法について>
前述の実施形態では、図12A〜図12Cに示すように、回路基板に平行な方向における収容窓の寸法と光路変換器の寸法との差(最大で200μm)が、位置決めピン43のテーパ面のY方向の寸法(約420μm)よりも小さかった。収容窓12、光路変換器40及び位置決めピン43の寸法をこのような関係にすることにより、円錐台形状の位置決めピン43の頂部が、確実に、位置決め穴23の開口内に位置していた。但し、収容窓12、光路変換器40及び位置決めピン43の寸法は、このような関係に限られるものではない。
例えば、回路基板に平行な方向における収容窓の寸法と光路変換器の寸法との差が、位置決めピン43のテーパ面のY方向の寸法よりも大きくても良い。このような場合、円錐台形状の位置決めピン43の頂部が位置決め穴23の開口内に位置しないことが起こり得る(円錐台形状の位置決めピン43の頂部が位置決め穴23の開口内に位置する確実性が、低下する)。但し、収容窓12の縁に光路変換器40をガイドさせながら光路変換器40を収容窓12に挿入すれば、回路基板10に対する光路変換器40の移動範囲が制限されるので、位置決め穴23を位置決めピン43に挿入しやすくなる。
<ガラス基板について>
前述の実施形態では、光を透過可能な透明基板としてガラス基板20が回路基板に搭載されていた。但し、光を透過可能な透明基板は、ガラス製に限られるものではなく、例えば樹脂製でも良い。
<光モジュールについて>
前述の実施形態では、QSFPタイプの光モジュールを用いて説明したが、このタイプに限定されるものではない。他のタイプ(例えばCXPタイプやSFPタイプなど)の光モジュールに適用することも可能である。
また、前述の実施形態では、光通信に用いられる光モジュールについて説明したが、光モジュール以外のモジュールでも良い。例えば、電気通信に用いられるモジュールが、回路基板と、回路基板に搭載された第1の部材と、第1の部材に対して位置決めされる第2の部材とを有する場合に、収容窓を塞ぐように第1の部材が搭載された回路基板の収容窓に、収容窓の縁にガイドさせながら第2の部材を挿入すると良い。このような場合においても、モジュールの低背化を実現できるとともに、位置決め穴と位置決めピンによって位置決めされる2つの部材の位置決めが容易になる。なお、電気通信に用いられるモジュールの場合、回路基板に搭載される第1の部材は透明基板ではなく、光ファイバ50を支持する支持部材も備えていない。