JP5656717B2 - 脱血管、および、補助人工心臓 - Google Patents
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Description
また、この血栓が成長することにより脱血管が閉塞するおそれがあるという問題があった。さらに、心内膜等の自己組織が成長することにより脱血管が閉塞するおそれがあるという問題もあった。
本発明の脱血管は、筒状に形成され内部を血液が流れる管本体と、該管本体の端部であって、生体の壁部に形成された貫通孔に挿入される挿入部と、該挿入部の外周面に配置された前記生体の組織と親和性を有する接合部と、前記挿入部の端部における外周面全周にわたって配置され、前記接合部と比較して、前記生体の組織との親和性が低い先端部と、が設けられ、前記先端部における径は、前記接合部の外周面における径と同じ又は小さくされ、前記接合部は、ポリエステル樹脂から形成された繊維の不織布とされ、前記貫通孔の全体にわたって設けられていることを特徴とする。
また、前記接合部は、生分解性物質を含ませたものであることが望ましい。
そのため、挿入部の周囲には、自己細胞組織からなる自己組織が形成される。言い換えると、接合部が設けられていない従来の脱血管を使用した際に形成される血液の鬱滞領域に、自己細胞組織からなる自己組織が形成される。
また、前記接合部は、生分解性物質を含ませたものであることが望ましい。
さらに、不織布の内部には多くの空間が存在するため、生体の細胞が当該空間に進入して成長することにより、生体の壁部と、接合部とが細胞レベルで結合される。
以下、本発明の第1の実施形態に係る補助人工心臓について図1から図10を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る補助人工心臓の構成を説明する模式図である。
補助人工心臓1は、図1に示すように、心臓(生体)H1の働きの一部を助け、全身が必要とする有効な循環血漿量の維持に用いられるものである。本実施形態では、補助人工心臓1を、左心室の働きの一部を助ける左心補助人工心臓に適用して説明する。
補助人工心臓1には、脱血管2と、ポンプ部3と、送血管4と、制御部5と、バッテリ部6と、が設けられている。
脱血管2は、心臓H1の左心室(生体)H2から血液をポンプ部3に導くものであり、一方の端部が左心室H2に取り付けられ、他方の端部がポンプ部3と接続されたものである。
脱血管2には、図1および図2に示すように、管本体21と、鍔部22と、挿入部23と、接合部24と、先端部25と、カフ26と、が設けられている。
管本体21の構成としては公知の構成を用いることができ、特に限定するものではない。
挿入部23の外周面には、鍔部22から端部に向って順に、接合部24および先端部25が設けられている。
接合部24は挿入部23の周囲に配置され、心臓H1と細胞レベルで結合されるものである。接合部24は、ポリエステル樹脂から形成された繊維の不織布(心血管系のものが好ましい)に、ゼラチンや、コラーゲンや、合成ポリマーなどの生分解性物質を浸潤させたものである。
接合部24は、図3に示すように、その外周面が、隣接する先端部25の外周面と連続するように構成されている。言い換えると、接合部24の外周面における径と、先端部25における外周面における径とが同一になるように形成されている。
なお、接合部24の外周面における径は、上述のように、先端部25の外周面における径と同一であってもよいし、図4に示すように、先端部25の外周面における径よりも大きくてもよい。図5には、参考として、先端部25の外周面における径よりも小さい場合が示されている。
先端部25は、挿入部23の端部における外周面全周にわたって配置された部分であって、接合部と比較して、心臓H1の組織との親和性が低い部分である。
先端部25は、壁部H4の表面から所定量突出するようになっている。先端部25が壁部H4の表面から突出する所定量は、先端部25の周囲に鬱滞領域Rが形成されないと共に、壁部H4の成長による挿入部23の内部への侵入を阻止できるデータに基づいて決定された範囲内のものである。上記突出する所定量の範囲は、具体的には、心臓H1の壁部H4における厚さを基準としてその約0.2倍から約1.5倍の長さであることが好ましい。
ここで、先端部25としては、医療用チタンや、ポリウレタン樹脂などを用いて、心臓H1の組織をはじく性質をもつ形状に形成されたものを例示することができる。
先端部25における長手方向の寸法が上述の範囲よりも長い場合には、図7に示すように、先端部25の周囲に、血液の流れが滞る鬱滞領域Rが形成される。
その一方で、先端部25における長手方向の寸法が上述の範囲よりも短い場合には、図8に示すように、心臓H1の壁部H4が成長して先端部25を乗り越え、挿入部23の内部に侵入する。
カフ26は筒状に形成された布状の部材であり、一方の端部が糸S1を用いて心臓H1に固定されるものである。カフ26の内部には、脱血管2における挿入部23側の端部が挿入され、カフ26の上から、鍔部22を挟んで挿入部23に対応する部分と、管本体21に対応する部分が糸S2を用いて縛られる。
ポンプ部3には、図1に示すように、脱血管2および送血管4が、血液の流通が可能に接続されている。さらに、ポンプ部3は、制御部5からの制御信号が入力可能に構成されているとともに、バッテリ部6から電力が供給可能に構成されている。
なお、ポンプ部3の構成としては公知の構成を用いることができ、特に限定するものではない。
なお、送血管4の構成としては公知の構成を用いることができ、特に限定するものではない。
制御部5は、図1に示すように、バッテリ部6から電力が供給可能に構成されている。さらに、制御部5からポンプ部3の駆動を制御する制御信号が入力可能に構成されているとともに、バッテリ部6から、制御部5を介して、ポンプ部3に電力が供給可能に構成されている。
バッテリ部6は、図1に示すように、制御部5に電力が供給可能に構成されているとともに、制御部5を介して、ポンプ部3に電力が供給可能に構成されている。
なお、バッテリ部6としては公知のバッテリを用いることができ、特に限定するものではない。
図1および図2に示すように、制御部5によりポンプ部3が駆動されると、心臓H1における左心室H2の血液は、脱血管2の内部を流れてポンプ部3に流入する。ポンプ部3に流入した血液は、ポンプ部3により送血管4に向けて送り出される。送血管4に送り出された血液は、送血管4の内部を流れて大動脈H5に流入する。
図9は、心臓にカフが取り付けられた状態を説明する模式図である。
脱血管2を心臓H1に取り付ける場合には、最初に、心臓H1の心尖部、つまり左心室H2を構成する壁部H4にカフ26が取り付けられる。具体的には、糸S1を用いてカフ26が左心室H2の壁部H4に縫い付けられる。
その後、図10に示すように、パンチャPを用いて左心室H2の壁部H4に貫通孔H3が形成される。貫通孔H3は、壁部H4であって周囲がカフ26で囲まれた部分に形成されている。
そして、鍔部22を挟んで、カフ26の上から挿入部23に対応する部分と、管本体21に対応する部分とが、糸S2によって縛られる。これにより、脱血管2が、カフ26を介して心臓H1に固定され、左心室H2への脱血管2の取付けが終了する。
さらに、不織布の内部には多くの空間が存在するため、心臓H1の細胞が当該空間に進入して成長することにより、心臓H1の壁部H4と、接合部24とを細胞レベルで結合させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図11および図12を参照して説明する。
本実施形態に係る補助人工心臓の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、脱血管の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図11および図12を用いて脱血管についてのみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図11は、本変形例に係る補助人工心臓の脱血管の構成を説明する部分拡大図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
カフ126は、その外周部が糸S1を用いて心臓H1に縫い付けられ、固定されるものである。
なお、補助人工心臓101における働きについては、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
脱血管102を心臓H1に取り付ける場合には、第1の実施形態とは異なり、最初にパンチャPを用いて左心室H2の壁部H4に貫通孔H3が形成される(図12参照。)。
貫通孔H3は、心臓H1の心尖部、つまり左心室H2を構成する壁部H4に形成されている。
次に、本発明の第3の実施形態について図13を参照して説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態に係る補助人工心臓の脱血管の構成を説明する部分拡大図である。
本実施形態に係る補助人工心臓の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、脱血管の構成が異なっている。よって、本形態においては、図13を用いて脱血管についてのみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
鍔部22´は、鍔部22の下方に鍔部22と所定間隔をあけて設けられたリング板状のものであり、鍔部22と同軸かつ同径の構成とされる。鍔部22と鍔部22´との間には、谷部221が形成されている。
すなわち、カフ226における被結合面は、心室外部分であり血液接触面ではないため、細胞への接合、癒着を得ることができれば足りるからである。言い換えれば、心室内のような血流変動が無いため、自己細胞の成長、脱落、血栓形成、遊離の繰り返しがないからである。
2,102 脱血管
3 ポンプ部
4 送血管
21 管本体
23 挿入部
24 接合部
25 先端部
226 カフ(不織布)
H1 心臓(生体)
H2 左心室(生体)
H3 貫通孔
Claims (5)
- 筒状に形成され内部を血液が流れる管本体と、
該管本体の端部であって、生体の壁部に形成された貫通孔に挿入される挿入部と、
該挿入部の外周面に配置された前記生体の組織と親和性を有する接合部と、
前記挿入部の端部における外周面全周にわたって配置され、前記接合部と比較して、前記生体の組織との親和性が低い先端部と、
が設けられ、
前記先端部における径は、前記接合部の外周面における径と同じ又は小さくされ、
前記接合部は、ポリエステル樹脂から形成された繊維の不織布とされ、前記貫通孔の全体にわたって設けられていることを特徴とする脱血管。 - 前記接合部は、生分解性物質を含ませたものであることを特徴とする請求項1に記載の脱血管。
- 前記挿入部の長手方向の長さは、前記挿入部を前記貫通孔に挿通した際に、前記先端部が前記生体の壁部の表面から所定量だけ突出可能な長さとされ、
当該突出する所定量は、前記先端部の周囲に鬱滞領域が形成されないと共に、前記生体の成長による挿入部内部への侵入を阻止できるデータに基づいて決定された範囲内のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱血管。 - 前記生体の壁部に前記管本体を固定するための不織布がさらに設けられ、
当該不織布は、前記生体の壁部の外表面に結合可能とされ、前記生体の組織と親和性を有するとともに生分解性物質を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の脱血管。 - 心臓と接続され、前記心臓内の血液が流入する請求項1から請求項4のいずれかに記載の脱血管と、
前記心臓から前記脱血管を介して前記血液が流入するポンプ部と、
該ポンプ部から送り出された前記血液が流入する送血管と、
が設けられていることを特徴とする補助人工心臓。
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