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JP5657394B2 - 疼痛の治療又は予防方法 - Google Patents
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Description

本発明は、疼痛の治療又は予防に関し、疼痛の治療又は予防方法並びにヒト及び非ヒト動物における疼痛の治療又は予防用薬物の製造での特定化合物の使用を提供する。
疼痛は、種々の刺激条件に対する多面的又は多次元的な経験反応である。疼痛は、国際疼痛研究学会(IASP)によって、「実際の組織損傷若しくは潜在的な組織損傷に付随するか、又は該損傷の項目に記載されている不快感覚及び情動経験」と定義されている。
動物の疼痛は、侵害受容、すなわち、侵害受容器の刺激に起因する神経系の活性の結果であることが多い。神経因性疼痛は、痛覚の原因となる神経への損傷を伴う点で侵害受容性疼痛と異なる。中枢性疼痛では、何らかの形の病変から脳内で疼痛が生じる。疼痛が心因性、すなわち精神疾患によって引き起こされることもある。
疼痛は急性又は慢性でありうる。急性疼痛は通常、数ある原因の中で特に軟組織損傷、感染及び/又は炎症によって引き起こされる。急性疼痛は、体の傷害又は機能不全後に警告する働きをする。慢性疼痛は、明白な原因がないか又は進行性の病気又は不均衡によって引き起こされうる。慢性疼痛は、疼痛の疾患として定義され;その起源、持続時間、強度及び特有の症状は変化しうる。
生理学的疼痛の経験をその原因及び関連侵害受容器に従って分類することができる。皮膚痛は皮膚又は表面組織への傷害によって引き起こされる。皮膚の侵害受容器は皮膚の真下で終結し、高濃度の神経終末のため、短い持続期間の明確な限局性疼痛を引き起こす。皮膚痛を生じさせる傷害の例として、紙で切った傷、軽度の切り傷、軽度(第1度)熱傷及び裂傷が挙げられる。体性疼痛は、靱帯、腱、骨、血管及び神経から生じる。体性疼痛は体性侵害受容器によって検出される。これらの領域内での痛覚受容器の欠乏が、皮膚痛より長い持続期間の鈍く、あまり限局性でない疼痛を生じさせる。例としては捻挫及び骨折が挙げられる。筋筋膜痛は通常、筋肉、腱及び筋膜内の発痛点によって引き起こされ、局所痛又は関連痛でありうる。内臓痛は体の内臓又は器官から生じる。内臓侵害受容器は体器官及び内腔内にある。これらの領域内の侵害受容器のさらに多くの欠乏が、通常は体性疼痛より痛く、かつ持続時間が長い疼痛を生じさせる。内臓痛は局在するのが極端に難しく、内臓組織へのいくつかの傷害は、感覚が傷害部位と完全に無関係の領域にある「関連」痛を示す。関連痛の一種である幻肢痛は、失っているか又は人がもはや物理的信号を受け取らない肢からの痛覚である。神経因性疼痛は、神経組織自体の傷害又は疾患の結果として起こりうる。これは、感覚神経が正確な情報を視床に伝達する能力を破壊しうるので、その痛みの明白な未知の心理学的原因がないにもかかわらず、脳は有痛性刺激を解釈する。
急性疼痛は、一般的にその原因を取り除くための医薬又は適切な手法及び痛覚を制御するための医薬又は適切な手法、一般的には鎮痛薬を用いて同時に治療される。
鎮痛薬は以下の3つのカテゴリーに分類される:オピオイド(麻薬性)鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬及びアジュバント鎮痛薬。オピオイド鎮痛薬は、化学的にモルヒネに関連する強力な鎮痛薬である。しかし、オピオイド鎮痛薬は、一定の障害、すなわち腎不全、肝臓障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、認知症又は別の脳障害のある人で生じる可能性が高い多くの副作用がある。オピオイドを開始すると、眠気、便秘、吐き気、嘔吐及びそう痒がよく見られる。モルヒネとは別に、これを書いている時点で既知のオピオイド鎮痛薬として、コデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン及びプロポキシフェンが挙げられる。
これを書いている時点で種々の非オピオイド鎮痛薬も入手可能である、それらは、軽度〜中程度の疼痛に有効であることが多い。ほとんどの非オピオイド鎮痛薬は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)として分類される。NSAIDでない鎮痛薬の例は、一般的にパラセタモールとして知られるアセトアミノフェンである。アセトアミノフェンは実質的に抗炎症特性を持たない。
NSAIDを用いて軽度〜中程度の疼痛を治療する。またオピオイドと併用して中程度〜重度の疼痛を治療することができる。NSAIDは、疼痛を軽減するのみならず、付随して疼痛を悪化させることが多い炎症をも低減する。NSAIDは広く使用されているが、副作用をもたらすこともあり、消化管の問題、出血問題、体液を保持することに関連する問題並びに心臓障害及び血管障害の高いリスクといった、時には重篤な副作用もある。現在のNSAIDとしては、アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、cox-2インヒビター、例えばセレコキシブ、コリンマグネシウムトリサリチラート、ジフルニサール、サルサラート、ジクロフェナク、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、メクロフェナマート、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダク及びトルメチンが挙げられる。
アジュバント鎮痛薬としては、抗うつ薬、例えば、イミプラミン、アミトリプチリン、ブプロピオン、デシプラミン、フルオキセチン及びベンラファキシン;抗けいれん薬(例えばカルバマゼピン、ガバペンチン及びプレガバリン)並びに経口及び局所麻酔薬が挙げられる。
慢性疼痛の治療では、多くの場合、世界保健機関が開発した「3段階除痛ラダー(Three-Step Analgesic Ladder)」を利用する。軽度の疼痛では、アセトアミノフェン、アスピリン又は他のNSAIDを利用しうる。軽度〜中程度の疼痛では、コデイン及びジヒドロコデイン等の弱オピオイドをアセトアミノフェン、アスピリン又は他のNSAIDと併用する。中程度〜重度の疼痛の場合、強オピオイド、例えばモルヒネ、ジアモルヒネ、又はフェンタニル、ヒドロモルホン、メタドン、オキシコドン又はフェナゾシン等をアセトアミノフェン、アスピリン又は他のNSAIDとと共に投与してよい。
本発明の目的は、疼痛の治療又は予防用の代替化合物を提供することである。特に、疼痛の治療又は予防のため及び炎症を軽減するための代替NSAIDを提供することが本発明の目的である。望ましくは、本発明の化合物は、中枢神経系に対する活性を持つべきでなく又は実質的に持つべきでない。
本発明の別の目的は、疼痛の治療又は予防のための代替方法を提供することである。
従って、本発明の第1態様により、下記一般式Iで表すことができる、疼痛の治療又は予防用の化合物を提供する。
Figure 0005657394
(I)
式中、
点線は、単結合又は二重結合を表し、
R5及びR5'は、独立に-H、-OH又は-OR6であり、このときR6は、直鎖若しくは分岐鎖C1-C4アルキルであり、
Xは、-O-、-CH2O-、-CH2CH2O-、-CH(CH3)CH2O-又は-CH2CH(CH3)O-であり、
Zは、-CH2CH2O-、-CH(CH3)CH2O-又は-CH2CH(CH3)Oであり、
mは、O又は1の整数であり、
nは、0〜50の整数である。
適宜、前記化合物は、上式Iで表される化合物のS-エナンチオマーであってよい。本発明は、式Iの化合物のそれぞれ医薬的に許容しうる塩及び水和物の使用をも包含する。
急性若しくは慢性疼痛の治療又は予防のために本発明の化合物を使用できる。例えば、侵害受容性疼痛、例えば、皮膚痛、体性疼痛、筋筋膜疼痛、内臓痛、幻肢痛又は神経因性疼痛などの治療のために本化合物を使用しうる。頭痛又は片頭痛の治療のために本発明の化合物を使用してもよい。本発明の化合物を単独で使用するか、又はアセトアミノフェン若しくは軽度の慢性疼痛の治療用の別のNSAIDと併用するか、又は中程度若しくは重度の疼痛の治療用の弱NSAID若しくは強NSAIDと併用してよい。
本発明の化合物を神経因性疼痛の治療又は予防で使用してもよく、例えば、ガバペンチン又はプレガバリンのような1種以上の抗うつ薬又は抗てんかん薬と併用しうる。
従って、本発明の別の態様により、ヒト又は非ヒト動物患者の疼痛を治療又は予防する方法であって、疼痛の治療又は予防が必要な前記患者に、治療的に有効な量の本発明の1種以上の化合物を投与する工程を含む方法を提供する。
ヒト患者では、さらに詳細に後述するように、純粋、実質的に純粋又は部分的に純粋な形態で1日用量1.0mg〜15gの前記1種以上の化合物を適宜投与することができる。開業医の監督の下で有効な疼痛管理を達成するのに十分な量で本化合物を投与しうる。一部の実施形態では、前記1種以上の化合物の1日用量を漸増して該有効量を決定することができる。前記1日用量は、約5.0mg〜1g、典型的に約5mg〜500mgを含みうる。一部の実施形態では、前記用量は、1日当たり10mg〜100mgの前記1種以上の化合物を含みうる。1日1〜4回の投与計画で本化合物を投与することができる。
前記1種以上の化合物を非経口、経皮、筋肉内、静脈内、皮内、鼻腔内、皮下、腹腔内、脳室内又は直腸投与しうる。好ましくは、前記1種以上の化合物を経口投与する。
任意に、本発明の1種以上の化合物を少なくとも1種のオピオイド鎮痛薬、抗うつ薬又は抗てんかん薬と同時、逐次又は個別投与してよい。或いは、本発明の1種以上の化合物を1種以上の他のNSAID又はアセトアミノフェンと同時、逐次又は個別投与してよい。
本発明のさらに別の態様では、疼痛の治療又は予防用の薬物の製造における本発明の1種以上の化合物の使用を提供する。1種以上のアセトアミノフェン、別のNSAID、オピオイド、抗てんかん薬又は抗うつ薬との共投与用に前記薬物を製造することができる。
有利なことに、本発明の化合物は炎症を軽減又は予防するために有効であることが分かった。本発明の化合物は、中枢神経系に有害な作用を及ぼさないか又は実質的に及ぼさない(すなわち、許容限界内)ことも分かった。
上述したように、mは0であってよく;m=0の場合、nは1〜50であってよい。
或いは、mが1であってよい。
Xが-CH2O-であってよい。
本発明の一部の実施形態では、本発明の化合物を下記一般式IIで表すことができる。
Figure 0005657394
(II)
式中、n、Z、R5及びR5'は前記定義どおりである。Zは-CH(CH3)CH2O-であってよい。
従って、本発明の一部の実施形態では、本発明の化合物を下記一般式IIIで表すことができる。
Figure 0005657394
(III)
式中、n、R5及びR5'は前記定義どおりである。
R5はHであってよい。或いは、R5がOHであってよい。
R5'はHであってよい。或いは、R5'がOHであってよい。
適宜、nは1〜50、好ましくは1〜25の整数であってよい。例えば、nが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25であってよい。或いは、nが5〜9若しくは6〜8、例えば、7又は15〜19若しくは16〜18、例えば、17であってよい。
或いは、本発明の化合物が下記一般式IV、V、VI及びVIIによって表される化合物のS-エナンチオマーであってよい。
Figure 0005657394
式中、Rは、n個の単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、このときnは前記定義どおりであり、特にn=l〜50である。
適宜、前記ポリアルキレングリコールポリマーがポリイソプロピレングリコールであってよい。
本発明の化合物を得て精製するための適切な合成方法を以下に詳細に開示する。しかし、当業者には、いずれの他の実行可能な合成方法を用いても本化合物を調製できることが明白なはずである。
本発明の化合物をポリアルキレングリコール(PAG)結合体(conjugate)として合成することができる。該結合に使用しうるポリマーとして、ポリ(エチレングリコール)(PEG)(又はポリ(エチレンオキシド)(PEO)としても知られる)及びポリプロピレングリコール(ポリイソプロピレングリコールを包含する)が挙げられる。
ポリアルキレングリコール(PAG)、例えばPEGは、各末端がヒドロキシル基で終結している直鎖ポリマーである:
HO-CH2CH2O-(CH2CH2O)P-CH2CH2-OH。
上記ポリマー、α,ω-ジヒドロキシルポリ(エチレングリコール)をHO-PEG-OHと表すこともでき、この場合、当然のことながら、記号-PEG-は、下記構造単位を表す。
-CH2CH2O-(CH2CH2O)P-CH2CH2-
式中、pは、O〜約48の範囲であってよい。PEGは、メトキシ-PEG-OH、又はmPEGとして使用しうる。この場合、一方の末端は相対的に不活性なメトキシ基であるが、他方の末端は、即座の化学修飾を受けやすいヒドロキシル基である。さらに、その化学においてPEGと密接に関連している異なるアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド)のランダム又はブロックコポリマーをPEGの代わりに使用してよい。
PAGポリマーは直鎖若しくは分岐鎖であってよい。
当然のことながら、本発明の化合物は、変動数のモノマー単位を有するポリマーの混合物を包含しうるPAG部分を含む。PAG結合化合物の合成は、該結合体中にポリマー毎にポアソン分布のモノマー単位数を有する分子集団を生成しうる。従って、n=7のモノマー単位のポリマーを有するとして記述される本発明の化合物は、n=7のモノマー単位を有するとして記述されているという点で実際のポリマーのみならず、7又は7に近い分布のピークを有する分子集団を指す。例えば、核磁気共鳴(NMR)又は質量分析(MS)によって所定集団中のモノマー単位の分布を決定することができる。
本発明のさらに別の態様では、疼痛の治療又は予防用の医薬組成物であって、医薬的に有効な量の本発明の1種以上の化合物を含む組成物を提供する。前記組成物は、1種以上の医薬的に許容しうる賦形剤をさらに含んでよい。一部の実施形態では、前記組成物は、アセトアミノフェン、1種以上の他のNSAID、1種以上の弱オピオイド若しくは強オピオイド、抗うつ薬又は抗てんかん薬を含んでもよい。
本発明の医薬組成物は、本発明の1種以上の化合物を純粋、実質的に純粋又は部分的に純粋な形態で含みうる。一部の実施形態では、前記実質的に純粋な形態は少なくとも95質量%の前記1種以上の化合物、例えば、96質量%、97質量%、98質量%又は99質量%より多くの前記化合物を含みうる。
前記化合物の前記実質的又は部分的に純粋な形態は、ある割合の、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又はプロピレングリコール(PPG)のようなフリーのポリアルキレングリコールをさらに含みうる。このようなポリアルキレングリコールは、それ自体生物学的に活性でありうる。フリーのポリアルキレングリコールの鎖長は、1〜50、好ましくは1〜25の範囲であってよい。一部の実施形態では、前記ポリアルキレングリコールは3、7、12又は17個のモノマー単位の鎖長を有しうる。前記フリーのポリアルキレングリコールは、異なる鎖長の混合物を含みうる。従って、実質的に純粋な形態の前記1種以上の化合物では、前記形態は、5質量%.まで、例えば4質量%、3質量%、2質量%まで又は1質量%未満のフリーのポリアルキレングリコールを含みうる。前記形態の前記1種以上の化合物と前記フリーのポリアルキレングリコールとの総量が100質量%である。
前記1種以上の化合物の前記部分的に純粋な形態は、約5〜60質量%の本発明の1種以上の化合物と、約95〜40質量%.のフリーのポリアルキレングリコールとを含み、その総量が100質量%である。典型的に、前記部分的に純粋な形態は、約45〜55質量%の前記1種以上の化合物と、約55〜45質量%の前記1種以上のポリアルキレングリコールとを含みうる。或いは、前記形態が約80〜95質量%の前記1種以上の化合物と、約20〜5質量%の前記ポリアルキレングリコールを含んでよい。
適切に、本発明の組成物を単位剤形として処方することができる。各単位剤形は、本発明の1種以上の化合物の1日用量の全て又は所定画分、例えば、1日用量の半分若しくは4分の1を含みうる。
そして、本組成物を錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、無菌非経口溶液若しくは懸濁液、定量エアロゾル若しくは液体スプレー、点滴剤、アンプル剤、自動注入装置、座剤、クリーム剤又はゲル剤として処方することができる。前記組成物を経口、経腸非経口、くも膜下腔内、鼻腔内、舌下、直腸若しくは局所投与、又は吸入若しくは吹送法による投与用に適合させることができる。錠剤、丸剤、カプセル剤又はウェーハ等の経口組成物が特に好ましい。
錠剤のような固体剤形を調製するため、前記1種以上の化合物を1種以上の医薬賦形剤、例えば、通常の錠剤化成分、例えばトウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム若しくはガム、又は他の医薬希釈剤、例えば、水と混合して、前記1種以上の化合物の実質的に均一な混合物を含む固体の前製剤(pre-formulation)組成物を、該組成物全体に均等に前記1種以上の化合物が分散されるように形成することができ、ひいては錠剤、丸剤及びカプセル剤などの同等に有効な単位剤形に前記組成物を容易に再分割することができる。
次に、前記固体の前製剤組成物をそれぞれ0.1〜約500mgの前記1種以上の化合物を含有しうる前記種類の単位剤形に再分割する。好ましい単位剤形は、1〜500mg、例えば、1、5、10、25、50、100、300又は500mgの化合物を含む。
錠剤又は丸剤として処方する場合、前記錠剤又は丸剤をコーティング又は他の方法でコンパウンドして、長期作用の利点が得られる剤形を提供することができる。例えば、前記錠剤又は丸剤は、内側用量成分と外側用量成分を含み、後者が前者を覆うエンベロープの形態であってよい。これら二成分を、胃内での崩壊に耐えて内側成分を完全なまま十二指腸まで通過さるか又は放出を遅延させる働きをする腸溶層によって隔てることができる。このような腸溶層又はコーティング用の種々の材料が知られており、該材料として、いくつかのポリマー酸又はポリマー酸とシェラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような材料との混合物が挙げられる。
これとは別に、経口又は注射による投与用の液体剤形;例えば、水溶液、適宜風味付けされたシロップ、水性若しくは油性懸濁液又は食用油、例えば、綿実油、ゴマ油、ココナツ油若しくはピーナッツ油、及びエリキシル剤若しくは同様の医薬ビヒクルで風味付けされたエマルションとして本発明の医薬組成物を処方することができる。水性懸濁液に適した分散剤又は懸濁剤としては合成及び天然ガム、例えば、トラガカント、アカシア、アルギナート、デキストラン、ナトリウムカルボキメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はゼラチンが挙げられる。
以下、本発明の実施形態の添付図面を参照して、単に例として説明する。
100μg/マウス、1μg/マウス及び0.01μg/マウスで本発明の化合物18を投与した後のBalb/cマウスを用いたホットプレートテストの結果を示すグラフである。 本発明の化合物18又はイミプラミンを投与した後のBalb/cマウスを用いたホットプレートテストの結果を示すグラフである。 本発明の化合物18の投与後のSDラットにおけるカラギーナン誘発浮腫の高さの低減を示すヒストグラムである。 本発明の化合物18の投与後のSDラットにおけるカラギーナン誘発浮腫の体積の減少を示すヒストグラムである。 1%ホルマリンの足底内注射後の第1神経因性相中にBalb/cマウスが足をなめる回数を示すヒストグラムである(「ホルマリンテスト」)。 1%ホルマリンの足底内注射後の第2炎症相中にBalb/cマウスが足をなめる回数を示すヒストグラムである。 BALB/cマウスに本発明の化合物18を投与した後(0.1mg/マウス、0.5mg/マウス;腹腔内、-60分)のオープンフィールドテストの結果(A:移動距離(cm)、B:平均速度、C:不動の全持続時間、D:強い移動性の全持続時間、E:平均回転角(度)、F:角速度(度/秒))をそれぞれ示す一連のグラフである。 BALB/cマウスに本発明の化合物18を投与した後(0.1mg/マウス、0.5mg/マウス;腹腔内、-60分)のオープンフィールドテストの結果(G:移動の全持続時間(%)、H:無移動の全持続時間(%)、I:ゾーンに入る頻度(ゾーン3)、J:立ち上がり頻度、K:ゾーン内持続時間(ゾーン3)、L:ゾーンに入る頻度(ゾーン2+3))をそれぞれ示す一連のグラフである。 BALB/cマウスに本発明の化合物18を投与した後(0.1mg/マウス、0.5mg/マウス;腹腔内、-60分)のオープンフィールドテストの結果(M:移動距離(cm)、N:ゾーン内持続時間(ゾーン2+3))をそれぞれ示す一連のグラフである。
(ポリアルキレングリコール化合物の合成)
一般的に、適切なアルコール化合物(例えば、下記合成1に記載の化合物の1つ又はそのヒドロキシル化誘導体)の調製後、そのアルコールを所望長さのポリアルキレングリコール(PAG)ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又はポリプロピレングリコール(PPG))と結合させてポリアルキレングリコール化合物を合成した。
合成1:化合物1(フェニルアラニノール)
50mlの乾燥エーテル中10mMのフェニルアラニンエチルエステルHCl 2.3gに32mMのLiAlH4を1.2g加えた。室温で2時間撹拌後、水とKOHを加えて反応生成物を酢酸エチルで抽出した。エバポレーション後、0.8gの化合物1、明黄色油を得た。
Figure 0005657394
1
C9H13NO
分子量:151,21
静置すると化合物1が結晶化した。Mp-70。
NMR CDCl3 7.30(5H,m), 3.64(1H,dd,J=10.5,3.8 Hz) 3.40(1H,dd,J=10.5,7.2 Hz) 3.12(1H,m), 2.81(1H,dd,J=13.2, 5.2 Hz), 2.52(1H, dd, J=13.2, 8.6 Hz)
NMR アセトンd6 7.30(5H, m), 3.76(1H, dt) 3.60(1H, m) 3.30 (1H, t),2.85(2H, m)。Helv. Chim. Acta, 31, 1617(1948). Biels.E3,Vol. 13,p 1757。
合成2:化合物2(チロシノール)
Figure 0005657394
50mlの乾燥エーテル中12mMのL-チロシンエチルエステルHCl 3gに32mMのLiAlH4を1.2g加えた。室温で3時間撹拌後、水とKOHを加えて反応を酢酸エチルで抽出した。エバポレーションにより1.1gの明黄色油、54%収率を得、静置すると結晶化した。mp-85。
NMR CDCl3 7.20(4H,AB q, J=8.6 Hz), 3.50(2H,m) 3.20(1H,m), 2.81(2H,m)。
NMR チロシンエチルエステル遊離塩基CDCl3 7.0,6.56(4H, AB q, J=8.8 Hz), 4.20(2H, q, J=7, 0 Hz), 3.70, 3.0, 2.80(3H, 12ラインABXm), 1.28. (3H, t, J=7.0 Hz)。JACS 71, 305(1949). Biels. E3, Vol. 13, p 2263。
合成3:化合物3(トリプトファノール)
Figure 0005657394
50mlの乾燥エーテル中12.9mMのL-トリプトファンメチルエステルHCl 3gに32mMのLiAlH4を1.2g加えた。室温で6時間撹拌後、水とKOHを加えて反応を酢酸エチルで抽出した。エバポレーションにより1.23gの明黄色油、50%収率を得、静置すると結晶化した。Mp-65。
NMR CDCl3 7.30(5H, m), 3.64(1H, dd, J=10.5, 3.8 Hz) 3.40(1H, dd, J=10.5, 7.2 Hz) 3.12 (1H, m), 2.81(1H, dd, J=13.2, 5.2 Hz), 2.52(1H, dd, J=13.2, 8.6 Hz) J. Het. Chem, 13, 777 (1976). Biels.E5, 22,Vol. 12, p 90。
合成4:化合物40
30mlのシクロヘキサン中で0.66gの4-ヒドロキシヒドロケイ皮酸と4mlの塩化チオニルを2時間還流させた。エバポレーション後、白色固体を得、これに30mlのジクロロメタン中の化合物1の油(4.3mM)を0.65g及び0.4mlのトリエチルアミンを加えた。室温で2時間撹拌後、水とKOHを加えてpHを中和した。反応生成物をジクロロメタンで抽出した。エバポレーションにより0.8gの化合物4、明黄色粘性油を得た。この生成物の部分を摩砕し、エタノールを用いて再結晶させて白色固体を得た。Mp-149。
NMR CDCl3 7.30-6.9(9H, m), 3.50(2H, m) 3.30(2H, t, J=7.2 Hz) 2.90 (3H, m), 2.60(2H, t, J=7.2 Hz)。
Figure 0005657394
4
C18H21NO3
分子量:299.36
合成5:化合物5
Figure 0005657394
30mlのシクロヘキサン中で5mMのヒドロケイ皮酸0.75g及び4mlの塩化チオニルを2時間還流させた。エバポレーションにより白色固体を得、これに30mlのジクロロメタン中5.5mMのフェニルアラニノールを0.83g及び0.5mlのトリエチルアミンを加えた。室温で3時間撹拌後、水とKOHを加えて中性pHにして反応をジクロロメタンで抽出した。エバポレーションにより0.57gの黄色粘性油、40%収率を得た。
NMR CDCl3 7.40-7.10(10H, m), 3.60(2H, m) 3.35(2H, t, J=7.2 Hz) 2.95 (3H, m), 2.50(2H, t, J=7.2 Hz)。
合成6:化合物6
Figure 0005657394
30mlのシクロヘキサン中で4mMの4-ヒドロキシヒドロケイ皮酸0.66g及び4mlの塩化チオニルを3時間還流させた。エバポレーションにより明黄色固体を得、これに30mlのジクロロメタン中4.3mMのチロシノール0.72g及び0.5mlのトリエチルアミンを加えた。室温で3時間撹拌後、水とKOHを加えて中性pHにして反応をジクロロメタンで抽出した。エバポレーションにより0.53gの明黄色粘性油、42%収率を得た。
NMR CDCl3 7.30, 7.20 (8H, 2 ABq, J=8.6 Hz), 3.40(2H, m) 3.30(2H, t, J=7.2 Hz) 2.90 (3H, m), 2.60(2H, t, J=7.2 Hz)。
合成7:化合物8
Figure 0005657394
30mlのシクロヘキサン中で3mMのヒドロケイ皮酸0.45g及び3mlの塩化チオニルを2時間還流させた。エバポレーションにより明黄色固体を得、これに30mlのジクロロメタン中3.5mMのチロシノール0.58g及び0.4mlのトリエチルアミンを加えた。室温で2.5時間撹拌後、水とKOHを加えて中性pHとして反応をジクロロメタンで抽出した。エバポレーションにより0.57gの明黄色粘性油、63%収率を得た。
NMR CDCl3 7.40-7.10 (9H, m), 3.60(2H, m) 3.35 (2H, t, J=7.2 Hz) 2.95 (3H, m), 2.50 (2H, t, J=7.2 Hz)。
合成8:化合物10
0.3gの化合物4、0.8gのトリフェニルホスフィン及び0.55gのエチルジアゾカルボキシラートを60mlのジクロロメタン中で1gのポリ(プロピレングリコール)、(平均分子量:約1000)に加えた。室温で2時間の撹拌、エバポレーション及びクロマトグラフィーにより0.65gの化合物10を粘性油として得た。
Figure 0005657394
10
(フェニルアラニノールから合成した化合物)
これらの化合物には、下記式VIIIの構造で表される当該化合物が含まれる。
Figure 0005657394
(VIII)
この化合物を下記式A(式中、Rはポリプロピレングリコールポリマーであり、nは該ポリマー中のポリプロピレンモノマーの総数である)として表すこともできる。
Figure 0005657394
式A
合成9:化合物11:
R=PPG(ポリプロピレングリコール);n=7;MW=706
0.3gの化合物4(1mM)、3mMのトリフェニルホスフィン0.8g及び3.2mMのエチルジアゾカルボキシラート0.55gを60mlのジクロロメタン中1gのポリ(プロピレングリコール)(平均分子量424、n=7)に加えた。室温で4時間撹拌後、エバポレーション及びクロマトグラフィーにより0.55gの粘性油、73%収率を得た。
NMR CDCl3 7.30-6.9(9H, m), 4.1-3.0(m) ,2.60(2H, t, J=7.2 Hz), 1.2-1.1(m)。
0.33mmolのこの生成物0.1g、炭酸カリウム(0.069g、0.5mmol、薄く粉砕)及びTHF(3mL、KOHペレット上で乾燥)を、マグネチックスターラーとCaCl2乾燥管を備えた丸底フラスコに入れた。混合物を氷塩浴(-10℃)上で冷却し、2mLのTHF(乾燥)中のジ-tert-ブチルジカルボナート(0.066g、0.30mmole)の予冷溶液を一滴ずつ導入した。混合物を氷温度で1時間撹拌してから室温で2日間撹拌した。次に反応混合物をエバポレートし、水(5mL)を導入し、生成物を10mLずつの酢酸エチルで2回抽出した。混ぜ合わせた抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ペーパーろ過し、溶媒を除去した。油性残留物を少量のn-ヘキサンと摩砕し、生じた固体を真空ろ過で回収した(収量0.12g、90.1%)。或いは、油性残留物を酢酸エチルとヘキサンの1:1混合物に溶かして生成物を再結晶させることができる。
合成10:化合物12
R=PPG;n=12;MW=996
化合物11について上記合成9で述べたとおりに0.2gの化合物10から化合物12を調製して0.3g、46%収率を得た。
合成11:化合物13
R=PPG;n=17;MW=1286
PPG、n=7をPPG、n=17に置き換えて、化合物11について上記合成9で述べたとおりに、化合物13を調製した。
(化合物5から合成した化合物)
Figure 0005657394
式B
合成12:化合物14
R=PPG;n=7;MW=690
合成9で上述したように、0.22gの化合物5から化合物14を調製して0.25g、47%収率を得た。
合成13:化合物15
R=PPG;n=17;MW=1270
合成9で上述したように、0.2gの化合物5から化合物15を調製して0.33g、33%収率を得た。
(化合物6(チロシノール)から合成した化合物)
Figure 0005657394
式D
合成14:化合物16
R=PPG;n=7;MW=722
合成9で上述したように、0.2gの化合物6から化合物16を調製して0.21g、46%収率を得た。
合成15:化合物17
R=PPG;n=17;MW=1302
合成9で上述したように、0.23gの化合物6から化合物17を調製して0.28g、29%収率を得た。
(化合物8から合成した化合物)
Figure 0005657394
式E
合成16:化合物18
R=PPG;n=7;MW=706
(PPGのメシル化)
106mgのPPG425(0.25mmol)を90モル%のメシルクロリド(26mg、2滴)及び0.4mmolのピリジン(31.6mg、2滴)と反応させてモノメシル化PPG(A)を得た。PPG、メシルクロリド及びピリジンを混ぜ合わせた後、撹拌しなが0℃で30分かけてメシル化反応を行なってから室温でさらに60分間反応を続けた。混合中、反応混合物は無色から乳白色に変わった。次に混合物を5mLの塩化メチルに溶かして有機相を1M HCl溶液で2回、次いで1M NaOHで2回及び水で1回洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を除去した。
(ナトリウム活性化)
O.lgの上記生成物(0.25mmol)を5mLの無水エタノールに溶かしてから、無水エタノール中の等モル量のナトリウムエトキシド(0.25mg原子のナトリウムを過剰の無水エタノールと反応させて予め調製した)と反応させた。混ぜ合わせた溶液のエタノールを蒸発乾固させてナトリウム塩(B)を得た。
(AとBの反応)
Aを5mLの水酸化カリウム-乾燥アセトニトリルに溶かし、マグネチックスターラーを含む丸底フラスコに溶液を導入した。Bの乾燥アセトニトリル溶液5mLをフラスコに導入した後、触媒量(ほとんど結晶なし)のヨウ化カリウムを導入した。還流冷却管及びその上端に適合したガスバブラーを反応容器に接続し、窒素雰囲気下で撹拌しながら24時間反応混合物を還流させた。次に反応混合物をペーパーろ過し、溶媒を除去した。残留物を2mLの酢酸エチルに溶かしてから、溶出用に酢酸エチルを用いてシリカゲルカラムに通した。Rf=0.55におけるTLC(酢酸エチルで溶出)UV吸収スポットにより所望生成物3(異なるPPGサブユニット長を含む分子の混合物)を含むが、いくらかの未反応PPGをも含むことが分かった。他のフラクションは、未反応メシル化PPG及び二重メシル化PPGを含有した。
合成17:化合物19
R=PPG;n=17;MW=1OOO
化合物18の合成16で上述したように、PPG、n=7をPPG、n=17と置き換えて、同一手順を用いて化合物19を調製した。
以下の実験を行なって、疼痛の治療における本発明の化合物の有用性を実証した。
実施例1:Balb/cマウスのホットプレートテスト
下表1に詳細に示すように、21週齢のオスBalb/cマウス(非ナイーブ)を4群(1群当たり約7又は8匹のマウス)に分割し、t=0分で化合物18を0.2mLの溶液で腹腔内処置した。
表1
Figure 0005657394
ホットプレート(J. P. Callaghan & S. G. Holtzman, "Quantification of the Analgesic Activity of Narcotic Antagonists by a Modified Hot-Plate Procedure", J.Pharmacol. Exp. Ther., 1975; 192(3): 497-505)を用いてt=-60分、0分、60分、120分、180分、240分及び300分でマウスを調べた。結果を下表2及び添付図1に示す。カラム内の数値は、マウスがホットプレートに反応するのにかかった時間(秒で)である。反応潜時の決定の終点として前足又は後足をなめることを利用した。
Figure 0005657394
Figure 0005657394
当業者は、これらのデータは、本発明の化合物18がマウスにおいて鎮痛活性を示すことを示していると認めるだろう。
実施例2:イミプラミンと比較したBalb/cマウスのホットプレートテスト(腹腔内及び経口)
下表3に詳細に示すように、14週齢のオスBalb/cマウス(非ナイーブ)を4群(1群当たり7匹のマウス)に分割し、t=0で処置した。
表3
Figure 0005657394
化合物18ストックは、9.4mgの化合物18、0.2mLのDMSO及び0.8mLの食塩水を含む。
上記実施例1のように、それぞれの群のマウスの反応潜時をホットプレートを用いてt=-60分、0分、60分、120分、180分、240分、300分及び360分で調べた。結果を下表4及び添付図2に示す。
Figure 0005657394
Figure 0005657394
このように化合物18は負コントロールに対してのみならず、正コントロールとしてのイミプラミン(p<0.0000)に対しても鎮痛活性を示した。
さらに、実施例2の結果は、化合物18が腹腔内注射経由とほぼ同レベルの大きさで経口による活性を表したことをも示す。
実施例3:浮腫テスト
ラットにおけるカラギーナン誘発足浮腫テストを用いて、本発明の化合物が炎症を治療する能力を調べた(例えば、P. G. Winyard & D. A. Willoughby, "Inflammation Protocols", Methods in Molecular Biology, 2003; Vol. 225参照)。
下表5に詳述するように、21週齢のオスSprague-Dawley(SD)ラット(非ナイーブ)をt=-2時間で未処置の4群(1群当たり7匹のラット)に分割した。
表5
Figure 0005657394
t=0(すなわち、コントロール/化合物18製剤の投与2時間後)に、生理食塩水中1%のλ-カラギーナン(60mg+6000μL)溶液200μLをラットの左後足の足底面に注入することによって足浮腫を誘発した。注入後t=4、24及び48時間に、誘発された浮腫の面積と高さをノギスを用いて測定した。浮腫の高さと体積のコントロールに対する減少量として、注入化合物18製剤の抗炎症活性を表した。浮腫の体積は、測定した浮腫の高さと面積の積として計算される。
結果を下表6〜9に示し、添付図3及び4にグラフで示す。表6は、各群のラットについて測定した浮腫の高さ(mmで)のデータを与え、表7及び図3は、対応する平均数値を与える。
Figure 0005657394
Figure 0005657394
表7:経時的な浮腫高の平均減少
Figure 0005657394
表8は、各群のラットについて測定した浮腫の体積(mm3で)のデータを与え、表9及び図4は、対応する平均数値を与える。
Figure 0005657394
Figure 0005657394
表9:経時的な浮腫体積の平均減少
Figure 0005657394
これらのデータは、化合物18の抗炎症特性を確証する。
実施例4:ホルマリンテスト
下表10に示すように、27週齢のBalb/cマウス(非ナイーブ)を4群(1群当たり5匹のマウス)に分割し、t=0分にコントロール又は化合物18溶液で腹腔内処置した。
表10
Figure 0005657394
S. Hunscaar & K. Hole, "The Formalin Test in Mice: Dissociation between Inflammatory and Non-Inflammatory Pain", Pain, 1987; 30:103-104の方法に従い、コントロール/化合物18溶液の投与3時間後に、各マウスの右後足に足底径路によって20μLの1%ホルマリンを皮下注射した。次にマウスをガラスチャンバーに戻し、注射された足のホルマリン誘発尻込み行動を数えた。
ホルマリン誘発痛は二相性であり;ホルマリン注射後の第1神経因性相(0〜5分)中と、引き続く第2炎症性相中に足をなめる量を測定した。結果を下表11に示し、添付図5及び6にグラフで示す。
Figure 0005657394
Figure 0005657394
これらのデータは、化合物18の抗炎症特性をさらに確証する。
実施例5:オープンフィールド(「OF」)テスト
下表12に示すように、24匹の6週齢オスBALB/cマウスを3群(1群当たり8匹のマウス)に分割し、t=-90分に処置した。
表12
Figure 0005657394
次にマウスを4つの活動領域内における60分間のオープンフィールドテストに供した。マウスを下表13のように分布させた。
表13
Figure 0005657394
オープンフィールドテストは新環境内における活動を測定する。また、このテストを利用してマウスの自発運動活性、探索動因、新奇性恐怖症、広場恐怖症及び不安又は恐怖の他の態様、並びに運動機能を評価することができる。装置はパースペクス(Perspex)活動領域(約44cm×44cm×50cm高さ)から成る。
マウスの活動をEtho Visionビデオトラックシステム(Noldus Ltd.)で評価した。中心ゾーン(「ゾーン3」;総面積の約16%)、境界領域(「ゾーン1」;活動領域縁周囲の8cm幅の境界)及び中間ゾーン(「ゾーン2」;残りの領域)を定義した。中心ゾーン及び活動領域全体について移動距離及び平均速度などの定量的パラメーターを記録した。
移動距離、平均速度、不動の全持続時間、強い移動性の全持続時間、平均回転角、角速度、移動の全持続時間、無移動の全持続時間、「ゾーン3」についてゾーンに入る頻度、立ち上がり頻度、「ゾーン3」のゾーン内持続時間、「ゾーン2+3」についてゾーンに入る頻度、「ゾーン2+3」について移動距離及びゾーン内持続時間をそれぞれ添付図面の7A〜7Nにグラフで示す。
結果は、化合物18が中枢神経系に作用しないことを示唆している。

Claims (27)

  1. 必要に応じて1種以上の医薬的に許容しうる賦形剤と共に、医薬的に有効な量の1種以上の化合物を含み、前記化合物が下記式I:
    Figure 0005657394
    (I)
    (式中、
    点線は、単結合又は二重結合を表し;R 5 及びR 5 'は、独立に-H、-OH又は-OR 6 であり、このときR 6 は、直鎖若しくは分岐鎖C 1 -C 4 アルキルであり;
    Xは、-O-、-CH 2 O-、-CH 2 CH 2 O-、-CH(CH 3 )CH 2 O-又は-CH 2 CH(CH 3 )O-であり;
    Zは、-CH 2 CH 2 O-、-CH(CH 3 )CH 2 O-又は-CH 2 CH(CH 3 )Oであり;
    mは、1の整数でありかつnは、0〜50の整数であるか、又はmは、0の整数でありかつnは、1〜50の整数である)
    で表される化合物又はその医薬的に許容しうる塩若しくは水和物であることを特徴とする、疼痛の治療又は予防用の医薬組成物。
  2. 急性又は慢性疼痛の治療のための、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 侵害受容性疼痛又は神経因性疼痛の治療のための、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. mが0であり、かつnが1〜50である、請求項1、2又は3に記載の医薬組成物。
  5. mが1である、請求項1、2又は3に記載の医薬組成物。
  6. Xが-CH 2 O-である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. 前記化合物が、下記式II:
    Figure 0005657394
    (II)
    (式中、n、Z、R 5 及びR 5 'は、請求項1の定義どおりである)
    で表される、請求項5に記載の医薬組成物。
  8. Zが-CH(CH 3 )CH 2 O-である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. 前記化合物が、下記式III:
    Figure 0005657394
    (III)
    (式中、n、R 5 及びR 5 'は、請求項1の定義どおりである)
    で表される、請求項5に記載の医薬組成物。
  10. R 5 がH又はOHである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  11. R 5 'がH又はOHである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  12. nが1〜25の整数である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  13. nが5〜9又は15〜19の整数である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  14. nが1である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  15. nが2である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  16. nが7である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  17. 前記化合物が、下記式IV、V、VI又はVII:
    Figure 0005657394
    (式中、Rは、n個の単位を有するポリアルキレングリコールポリマーであり、nは1〜50の整数であり、前記ポリアルキレングリコールポリマーが、-CH 2 CH 2 O-、-CH(CH 3 )CH 2 O-又は-CH 2 CH(CH 3 )O-である)
    で表される、請求項1に記載の医薬組成物。
  18. 前記化合物が、次式:
    Figure 0005657394
    (式中、Rは、-CH(CH 3 )CH 2 O-又は-CH 2 CH(CH 3 )O-であり、nは7である)
    で表される、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 実質的に純粋な形態で前記1種以上の化合物を含み、前記実質的に純粋な形態が、少なくとも95質量%の前記1種以上の化合物と、5質量%までのフリーのポリアルキレングリコールとから成り、前記形態中の前記1種以上の化合物と前記フリーのポリアルキレングリコールとの総量が100質量%である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  20. 部分的に純粋な形態で前記1種以上の化合物を含み、前記部分的に純粋な形態は、約5〜60質量%の前記1種以上の化合物と、約95〜40質量%のフリーのポリアルキレングリコールとから成り、その総量が100質量%である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  21. 単位剤形として処方されている、請求項1〜20のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  22. 経口投与用に処方されている、請求項1〜21のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  23. 0.1〜約500mgの前記1種以上の化合物を含む単位剤形として処方されている、請求項1〜22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  24. 前記1種以上の化合物が複数の化合物から成り、前記化合物がそれぞれ異なるm又はnの値を有する、請求項1〜23のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  25. 前記複数の化合物のnの平均値が、n=5〜9又は15〜19の範囲である、請求項24に記載の医薬組成物。
  26. 前記1種以上の化合物の1.0mg〜15gの1日用量として、処方されている、請求項1〜25のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  27. 疼痛の治療又は予防用の医薬の製造における1種以上の化合物の使用であって、前記化合物が下記式I:
    Figure 0005657394
    (I)
    (式中、
    点線は、単結合又は二重結合を表し;R 5 及びR 5 'は、独立に-H、-OH又は-OR 6 であり、このときR 6 は、直鎖若しくは分岐鎖C 1 -C 4 アルキルであり;
    Xは、-O-、-CH 2 O-、-CH 2 CH 2 O-、-CH(CH 3 )CH 2 O-又は-CH 2 CH(CH 3 )O-であり;
    Zは、-CH 2 CH 2 O-、-CH(CH 3 )CH 2 O-又は-CH 2 CH(CH 3 )Oであり;
    mは、1の整数でありかつnは、0〜50の整数であるか、又はmは、0の整数でありかつnは、1〜50の整数である)
    で表される化合物又はその医薬的に許容しうる塩若しくは水和物であることを特徴とする、使用
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