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JP5657717B2 - 鋳造用金型 - Google Patents
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Description

本発明は、摺動型を摺動自在に支持する金型本体を備えた鋳造用金型に関する。
従来、鋳造品を金型から離型し易くするために、鋳造前に、金型のキャビティ面に離型剤を塗布することが広汎に行われている。一般的に、離型剤は、水分に溶解させた状態でキャビティ面に塗布される。そうすると、金型の残熱によって水分が蒸発して離型剤がキャビティ面に膜状に付着する。
しかしながら、金型が比較的低温であったり、キャビティ面に対する離型剤の塗布量が過剰であったりする場合には、水分が完全に蒸発することなくキャビティ内に残存することがある。この状態で鋳造すると、いわゆる水残り不良を引き起こすことがある。
例えば、特許文献1には、固定型のガイド溝にスライドコアを摺動自在に配設すると共に当該ガイド溝を構成する壁面に離型剤を排出するための排出孔の開口部を形成し、離型剤が塗布されたスライドコアのキャビティ面に圧縮空気を吹き付けることによって、当該キャビティ面の過剰な離型剤を前記ガイド溝の下方に集めて前記排出孔に導き入れる技術的思想が開示されている。
特開2011−194433号公報
上述した特許文献1のような従来技術では、ガイド溝の溝底面がスライドコア(摺動型)のキャビティ面に対して略直交する方向に延在しているため、当該キャビティ面に吹き付けた圧縮空気(圧縮流体)が前記溝底面に対して垂直に当たり易くなっている。そのため、圧縮空気によって吹き飛ばされた離型剤が前記溝底面に当たり、スライドコアのキャビティ面に跳ね返ることがある。また、ガイド溝の下方に集められた離型剤が前記圧縮空気に吹き付けられて前記溝底面に当たり、スライドコアのキャビティ面に跳ね返ることもある。そうすると、水残り不良を引き起こす懸念がある。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、摺動型のキャビティ面に塗布された過剰な離型剤を効率的にキャビティの外部に排出することができ、これによって、水残り不良の発生を抑えることができる鋳造用金型を提供することを目的とする。
[1] 本発明に係る鋳造用金型は、摺動型を摺動自在に支持する金型本体を備えた鋳造用金型であって、前記摺動型が摺動する前記金型本体の摺動面には、当該摺動型のキャビティ面に塗布された離型剤を排出するための排出溝が形成され、前記排出溝を構成する壁面には、前記排出溝の溝底面に向かって当該溝底面と直交する方向に対して傾斜する傾斜面が形成され、前記傾斜面の少なくとも一部が、前記溝底面と直交する方向から見て前記摺動型の退避状態で前記キャビティ面よりも上方に位置していることを特徴とする。
本発明に係る鋳造用金型によれば、金型本体の摺動面に形成された排出溝を構成する壁面に形成された傾斜面の少なくとも一部が、摺動型の退避状態で排出溝の溝底面と直交する方向から見てキャビティ面よりも上方に位置しているので、離型剤が塗布された摺動型のキャビティ面に圧縮流体を吹き付けた際に、前記キャビティ面の過剰な離型剤を前記傾斜面に当てることができる。また、前記傾斜面が排出溝の溝底面に向かって溝底面と直交する方向に対して傾斜しているので、傾斜面に当たった前記離型剤は、前記キャビティ面に跳ね返ることなく排出溝内に入り込むこととなる。これにより、摺動型のキャビティ面に塗布された過剰な離型剤を効率的にキャビティの外部に排出することができる。よって、水残り不良の発生を抑えることができる。
[2] 上記の鋳造用金型において、前記摺動型は、鉛直下方に退避するように鉛直方向に沿って摺動自在に前記金型本体に支持されており、前記傾斜面は、前記排出溝を構成する上側の溝側面に形成されていてもよい。
このような構成によれば、排出溝を構成する上側の溝側面に傾斜面を形成しているので、圧縮流体の乱流を抑えることができる。また、傾斜面に当たった離型剤を鉛直下方に向けて落下させて排出溝の下部に集めることができる。
[3] 上記の鋳造用金型において、前記金型本体の前記摺動面には、前記摺動型を鉛直方向に沿って案内するガイド溝が形成されており、前記排出溝内の前記離型剤を前記ガイド溝に導く導出部を備えていてもよい。
このような構成によれば、排出溝内の離型剤をガイド溝に導く導出部を備えているので、ガイド溝を介して排出溝内の離型剤を金型本体の外部に流出することができる。これにより、排出溝内に大量の離型剤が溜まることを防止することができる。また、ガイド溝を利用することによって、排出溝内の離型剤を金型本体の外部に排出するための機構を新たに設ける必要がないため、鋳造用金型の構成を簡素化することができる。
[4] 上記の鋳造用金型において、前記導出部は、前記排出溝を構成する下側の溝側面に形成され、前記ガイド溝の溝側面に連なると共に当該ガイド溝に向かって鉛直下方に傾斜していてもよい。
このような構成によれば、排出溝を構成する下側の溝側面に導出部を形成しているので、傾斜面に当たり鉛直下方に落下した離型剤を導出部で確実に受けることができる。また、前記導出部がガイド溝に向かって鉛直下方に傾斜しているので、導出部で受けた離型剤をガイド溝に向けて一方向に流すことができ、当該離型剤を凝集させて流動し易くすることができる。さらに、導出部がガイド溝の溝側面に連なっているので、導出部の下部まで流れた離型剤をガイド溝の溝側面を伝ってガイド溝内に流入させることができる。これにより、排出溝内の離型剤をガイド溝に確実に導くことができる。
[5] 上記の鋳造用金型において、前記摺動型は、前記ガイド溝内に摺動自在に配設されたガイド部を有し、前記ガイド部は、前記摺動型の型閉じ状態で前記導出部の下端よりも鉛直上方に突出していてもよい。
このような構成によれば、摺動型の型閉じ状態でガイド部が導出部の下端よりも鉛直上方に突出しているので、排出溝内に残存している離型剤がガイド溝内に流入するのをガイド部で塞き止めて導出部の下部に溜めておくことができる。これにより、型開きによって摺動型を鉛直下方に摺動させた際に導出部の下部に溜まっていた離型剤をガイド溝内に確実に流入させることができる。
本発明に係る鋳造用金型によれば、金型本体の摺動面に形成された排出溝を構成する壁面に、摺動型の退避状態でキャビティ面が位置する側に露出する傾斜面を形成しているので、摺動型のキャビティ面に塗布された過剰な離型剤を効率的にキャビティの外部に排出することができ、これによって、水残り不良の発生を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る鋳造用金型の一部省略断面図である。 図1のII−II線に沿った一部省略断面図である。 前記鋳造用金型を構成する可動型に形成された排出溝とガイド溝を説明するための断面斜視図である。 前記鋳造用金型を構成する摺動型のキャビティ面に圧縮空気を吹き付けている状態を示した一部省略拡大断面図である。 前記キャビティ面に圧縮空気を吹き付けている状態を固定型から見た一部省略拡大正面図である。 前記鋳造用金型の型閉じ状態を示した一部省略断面図である。 図6のVII−VII線に沿った一部省略断面図である。 前記排出溝に残った離型剤を排出している状態を示した一部省略断面図である。
以下、本発明に係る鋳造用金型について、好適な実施形態を例示し、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係る鋳造用金型10は、シリンダブロックを鋳造するための金型であって、固定型12と、固定型12に近接離間可能な状態で対向配置された可動型(金型本体)14と、可動型14に対して摺動自在に支持された複数(本実施形態では2つ)の摺動型16、18とを備えている。この鋳造用金型10では、型閉じ状態(型締め状態)において、固定型12、可動型14、及び複数の摺動型16、18によって鋳造品であるシリンダブロックに対応した形状のキャビティCが形成されることとなる(図6参照)。
固定型12には、湯口を構成する出射スリーブ20の端部が接続されると共に、出射スリーブ20から供給されるアルミニウム等の金属の溶湯をキャビティCに導くための湯道(ランナー)22が形成されている。また、固定型12のキャビティ面24(キャビティCを形成する面)には、可動型14側に膨出したクランク室成形部26が設けられている。
可動型14における摺動型16の摺動面には、鉛直方向に沿って延在したガイド溝28と、離型剤Pを排出するための排出溝30とが形成されている。ガイド溝28は、摺動型16を鉛直方向に沿って案内するためのものであって、正面視で矩形状に形成されている。排出溝30の具体的な構成については追って説明する。
可動型14のキャビティ面32には、固定型12側に突出した複数(本実施形態では4つ)の円柱状のシリンダボア成形部34と、複数のシリンダボア成形部34を取り囲むようにして配設されたウォータジャケット成形部36とが設けられている。なお、複数のシリンダボア成形部34は、可動型14の移動方向と摺動型16の摺動方向の両方に直交する方向(図2の左右方向)に一列に並んで配置されている。
摺動型16は、鉛直下方に退避するように鉛直方向に沿って摺動自在に可動型14に支持されており、摺動型18の鉛直下方に配設された摺動型本体38と、摺動型本体38から突出して可動型14のガイド溝28に摺動自在に配設されたガイド部40とを有する。摺動型本体38の上面に形成されるキャビティ面42は、シリンダ壁成形面44と、クランクケース壁成形面46とを含む。
図2から諒解されるように、シリンダ壁成形面44は、固定型12側から見た正面視で、略中央に形成された窪み部48と、窪み部48の両側に連なる一対の山部50、52と、各山部50、52に連なり摺動型本体38の両側端に位置する一対の谷部54、56とを含む。すなわち、シリンダ壁成形面44は、その幅方向(複数のシリンダボア成形部34の並び方向)に高低差を有している。
ガイド部40の突出長は、ガイド溝28の溝深さよりも短く設定されている。すなわち、ガイド部40とガイド溝28の溝底面57との間には、所定の隙間Sが形成されている(図4参照)。ガイド部40の上端面58は、ガイド溝28の溝底面57に向かって鉛直下方に傾斜している。
摺動型18は、摺動型16の鉛直上方に位置しており、鉛直上方に退避するように鉛直方向に沿って摺動自在に可動型14に支持されている。摺動型18のキャビティ面60は、シリンダブロックの側壁面に対応した形状を有している。
可動型14に形成された排出溝30は、摺動型16のキャビティ面42に塗布された過剰な離型剤PをキャビティCの外部に排出するためのものであって、固定型12側からの正面視で、排出溝30の上側部分が複数のシリンダボア成形部34の並び方向に沿って延在した矩形状に形成されると共に、排出溝30の下側部分が下向き三角形状に近い形状に形成されている。
排出溝30を構成する上側の溝側面には、溝底面62に向かって連続的に鉛直下方に傾斜した傾斜面64が形成されている。図2及び図5から諒解されるように、傾斜面64は、摺動型16の退避状態(摺動型16が最も鉛直下方に位置した状態)で摺動型16のキャビティ面42が位置する側に露出している。なお、図5では、傾斜面64のうち露出している部分をクロスハッチングで示している。なお、傾斜面64の長さ寸法は、摺動型16の幅寸法と略同一に設定されている。
傾斜面64の傾斜角度θ(図4参照)、すなわち、摺動型16のキャビティ面42に平行な線(排出溝30の溝底面62の垂線)と傾斜面64とのなす角度は、任意に設定することができるが、例えば、45°に設定するのが好ましい。傾斜角度θを45°に設定した場合、圧縮空気によって摺動型16のキャビティ面42から可動型14側に吹き飛ばされて傾斜面64に当たった離型剤Pを前記キャビティ面42に跳ね返すことなく鉛直下方に向けて落下させることができるからである。
排出溝30の溝底面62には、ガイド溝28の上端部が形成されている。換言すれば、ガイド溝28は、排出溝30の鉛直下方から当該排出溝30の途上の位置まで延在している。また、ガイド溝28は、その幅方向の位置が排出溝30の略中央に位置している。
排出溝30を構成する下側の溝側面には、傾斜面64に当たって落下した離型剤Pをガイド溝28に導くための一対の導出部66、68が形成されている。各導出部66、68は、排出溝30の両端からガイド溝28に向かって連続的に鉛直下方に傾斜しており、その下端においてガイド溝28の各溝側面70、72に連なっている(図2及び図3参照)。なお、各導出部66、68は、傾斜面64の鉛直下方に位置している。
本実施形態に係る鋳造用金型10は、基本的には以上のように構成されたものであり、次に、その作用及び効果について説明する。
鋳造用金型10を用いてシリンダブロックを鋳造する場合、先ず、型開き状態において、水に溶解させた離型剤Pを各キャビティ面24、32、42、60に塗布する。そうすると、鋳造用金型10の残熱によって水分が蒸発して離型剤Pが各キャビティ面24、32、42、60に膜状に付着する。しかしながら、鋳造用金型10が比較的低温であったり、各キャビティ面24、32、42、60に対する離型剤Pの塗布量が過剰であったりする場合には、水分が完全に蒸発することなくキャビティC内に残存するおそれがある。特に、鉛直上方に指向する摺動型16のキャビティ面42には、過剰な離型剤P(水分)が残りやすい。
本実施形態では、摺動型16のキャビティ面42に塗布した離型剤Pのうち過剰なものは、当該キャビティ面42の窪み部48及び各谷部54、56に集められる。そして、このとき、排出溝30の傾斜面64は、窪み部48及び各谷部54、56に対応した箇所でキャビティ面42側に露出する(図5のクロスハッチングで示した露出部分を参照)。
続いて、図4に示すように、固定型12側において摺動型16のキャビティ面42の高さ位置にスプレーカセット(流体噴出手段)100を配置して、当該スプレーカセット100から可動型14に向けて圧縮空気(圧縮流体)を噴出する。そうすると、キャビティ面42に圧縮空気が吹き付けられ、窪み部48及び各谷部54、56に集められた過剰な離型剤Pが傾斜面64に向かって吹き飛ばされる。
図5から諒解されるように、各谷部54、56から吹き飛ばされて傾斜面64に当たった離型剤Pは、キャビティ面42に跳ね返されることなく各導出部66、68に落下する。一方、窪み部48から吹き飛ばされて傾斜面64に当たった離型剤Pは、キャビティ面42に跳ね返されることなくガイド部40の上端面58に落下する。
各導出部66、68に落下した離型剤Pは、凝集しながらガイド溝28に向かって下方に流れ、ガイド溝28の溝側面70、72を伝ってガイド部40の上端面58に達する。そして、ガイド部40の上端面58において、傾斜面64から落下した離型剤Pと各導出部66、68から導かれた離型剤Pとがさらに凝集しながらガイド溝28の溝底面57に向けて下方に流れ、凝集した離型剤Pが前記溝底面57とガイド部40との間の隙間Sを通って可動型14の外部に排出されることとなる。なお、可動型14の外部に排出された離型剤Pは、回収して再利用するようにしても構わない。これにより、摺動型16のキャビティ面42に塗布された過剰な離型剤Pを効率的に排除することができる。
続いて、図6に示すように、摺動型16を鉛直上方に摺動すると共に摺動型18を鉛直下方に摺動した状態で可動型14を固定型12側に近接させて鋳造用金型10の型閉じを行う。これにより、各キャビティ面24、32、42、60によってキャビティCが形成される。その後、アルミニウムの溶湯を出射スリーブ20から供給する。そうすると、湯道22を介してキャビティC内に前記溶湯が充填されることとなる。
一方、図7に示すように、摺動型16の型閉じ状態で、ガイド部40が各導出部66、68の下端よりも鉛直上方に突出する。そうすると、排出溝30内に未だ残っていた離型剤Pが各導出部66、68を流れてその下部に集められる。すなわち、各導出部66、68の下部において離型剤Pのガイド溝28への侵入がガイド部40によって塞き止められるため、各導出部66、68の下部に離型剤Pが溜まる。
その後、キャビティC内に充填された溶湯が固化した後、可動型14を固定型12から離間させ、摺動型16を鉛直下方に退避させると共に摺動型18を鉛直上方に退避させて鋳造品であるシリンダブロックを鋳造用金型10から取り出す。このシリンダブロックは、摺動型16のキャビティ面42の水分を効率的に排除した状態で鋳造して成形されたものであるため、いわゆる水残り不良を有していない。
また、この型開きによって摺動型16を鉛直下方に退避させると、ガイド部40の上端が各導出部66、68の下端よりも鉛直下方に位置するため、各導出部66、68の下部に溜められていた離型剤Pがガイド部40の上端面58に流れ込む(図8参照)。そして、ある程度凝集した状態の離型剤Pがガイド部40の上端面58からガイド溝28の溝底面57とガイド部40との間の隙間Sを介して可動型14の外部に排出されることとなる。
以上説明したように、鋳造用金型10によれば、可動型14の摺動面に形成された排出溝30を構成する壁面に、摺動型16のその退避状態でキャビティ面42が位置する側に露出する傾斜面64を形成しているので、離型剤Pが塗布された摺動型16のキャビティ面42に圧縮空気を吹き付けた際に、キャビティ面42の過剰な離型剤Pを傾斜面64に当てることができる。
また、傾斜面64が排出溝30の溝底面62に向かって傾斜しているので、傾斜面64に当たった離型剤Pは、前記キャビティ面42に跳ね返ることなく排出溝30内に入り込むこととなる。これにより、摺動型16のキャビティ面42に塗布された過剰な離型剤Pを効率的にキャビティCの外部に排出することができる。よって、水残り不良の発生を抑えることができる。
本実施形態の場合、排出溝30を構成する上側の溝側面に傾斜面64を形成しているので、圧縮空気の乱流を抑えることができる。また、傾斜面64に当たった離型剤Pを鉛直下方に落下させて排出溝30の下部に集めることができる。
本実施形態の場合、排出溝30を構成する下側の溝側面に一対の導出部66、68を形成しているので、傾斜面64に当たり鉛直下方に落下した離型剤Pを各導出部66、68で受けることができる。
また、各導出部66、68がガイド溝28に向かって鉛直下方に傾斜しているので、各導出部66、68で受けた離型剤Pをガイド溝28に向けて一方向に流すことができ、当該離型剤Pを凝集させて流動し易くすることができる。
さらに、各導出部66、68がガイド溝28の各溝側面70、72に連なっているので、各導出部66、68の下部まで流れた離型剤Pをガイド溝28の溝側面70、72を伝ってガイド溝28内に流入させることができる。これにより、排出溝30内の離型剤Pをガイド溝28に確実に導くことができる。すなわち、排出溝30内に大量の離型剤Pが溜まることを防止することができる。
本実施形態の場合、ガイド溝28に流入した離型剤Pは、ガイド溝28の溝底面57と摺動型16のガイド部40との間の隙間Sを介して可動型14の外部に排出される。つまり、ガイド溝28を利用することによって、排出溝30内の離型剤Pを可動型14の外部に排出するための機構を新たに設ける必要がないため、鋳造用金型10の構成を簡素化することができる。
本実施形態の場合、摺動型16の型閉じ状態でガイド部40が各導出部66、68の下端よりも鉛直上方に突出しているので、排出溝30内に残存している離型剤Pがガイド溝28内に流入するのをガイド部40で塞き止めて各導出部66、68の下部に溜めておくことができる。これにより、型開きによって摺動型16を鉛直下方に摺動させた際に各導出部66、68の下部に溜まっていた離型剤Pをガイド溝28内に確実に流入させることができる。
本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。
本発明に係る鋳造用金型は、シリンダブロックを鋳造するためのものに限定されず、任意の形状の鋳造品を鋳造するための金型であって構わない。また、排出溝の傾斜面は、排出溝を構成する上側の溝壁面に形成された例に限定されない。要は、傾斜面は、排出溝を構成する壁面のうち、摺動型の退避状態でそのキャビティ面が位置する側に露出する部分に形成されていればよい。
導出部は、排出溝を構成する下側の溝側面に形成された例に限定されない。すなわち、例えば、摺動型が摺動する金型本体の摺動面に排出溝とガイド溝とを離間して形成しておき、当該排出溝とガイド溝とを結ぶ溝や孔等を導出部としても構わない。
10…鋳造用金型 14…可動型(金型本体)
16、18…摺動型 24、32、42、60…キャビティ面
28…ガイド溝 30…排出溝
40…ガイド部 64…傾斜面
66、68…導出部

Claims (5)

  1. 摺動型を摺動自在に支持する金型本体を備えた鋳造用金型であって、
    前記摺動型が摺動する前記金型本体の摺動面には、当該摺動型のキャビティ面に塗布された離型剤を排出するための排出溝が形成され、
    前記排出溝を構成する壁面には、前記排出溝の溝底面に向かって当該溝底面と直交する方向に対して傾斜する傾斜面が形成され、
    前記傾斜面の少なくとも一部が、前記溝底面と直交する方向から見て前記摺動型の退避状態で前記キャビティ面よりも上方に位置していることを特徴とする鋳造用金型。
  2. 請求項1記載の鋳造用金型において、
    前記摺動型は、鉛直下方に退避するように鉛直方向に沿って摺動自在に前記金型本体に支持されており、
    前記傾斜面は、前記排出溝を構成する上側の溝側面に形成されている、
    ことを特徴とする鋳造用金型。
  3. 請求項2記載の鋳造用金型において、
    前記金型本体の前記摺動面には、前記摺動型を鉛直方向に沿って案内するガイド溝が形成されており、
    前記排出溝内の前記離型剤を前記ガイド溝に導く導出部を備える、
    ことを特徴とする鋳造用金型。
  4. 請求項3記載の鋳造用金型において、
    前記導出部は、前記排出溝を構成する下側の溝側面に形成され、前記ガイド溝の溝側面に連なると共に当該ガイド溝に向かって鉛直下方に傾斜している、
    ことを特徴とする鋳造用金型。
  5. 請求項4記載の鋳造用金型において、
    前記摺動型は、前記ガイド溝内に摺動自在に配設されたガイド部を有し、
    前記ガイド部は、前記摺動型の型閉じ状態で前記導出部の下端よりも鉛直上方に突出している、
    ことを特徴とする鋳造用金型。
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