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JP5658587B2 - 冷却部材 - Google Patents
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本発明は、建物や舗装体などの表面温度を低下させるための冷却部材に関する。
近年、都市部の気温が周辺部に比較して高くなる所謂「ヒートアイランド現象」が問題になっている。その原因の一つとして、建物や舗装体などの蓄熱作用が挙げられている。そこで、多孔質材料によって建物の壁体を形成し、壁体を湿潤にするとともに、壁体の屋外側に植栽を設けた外壁構造がある。この外壁構造では、壁体からの水分蒸発に伴う気化熱によって、壁面の温度を低下させるとともに、植栽によって日射を遮ることで、壁面の冷却効果を高めることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−42013号公報
前記した従来の外壁構造では、植栽を育成するために、定期的に植物の手入れ(潅水、枝の剪定、落ち葉の清掃など)を行う必要があるため、管理が難しく、維持費が高くなるという問題がある。
本発明は、前記した問題を解決し、対象物の表面温度を低下させ、暑熱の緩和効果を向上させることができる冷却部材を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、給水管と、前記給水管に取り付けられた複数の保水体と、を備え、建物や舗装体などの対象物の表側に配置される冷却部材であって、前記保水体は、多孔質材料によって形成され、前記給水管内に通じている導水部材を介して前記給水管の外周面に取り付けられている。そして、前記導水部材は、多孔質材料または筒状の部材によって形成されており、前記導水部材の毛細管現象によって、前記給水管内の水を前記保水体に供給され、複数の前記保水体によって、前記対象物への日射を遮るように構成されている。
この構成では、保水体からの水分蒸発に伴う気化熱によって、保水体の温度を低下させることができる。そして、保水体の表面温度が低下することで、保水体からの放射熱が低減されるとともに、保水体周辺の対流が促進される。これにより、保水体の周辺の空気が冷却されるため、対象物の表面温度を低下させることができる。
さらに、複数の保水体によって、対象物への日射を遮ることができるため、冷却部材と対象物との間の空気の冷却効果を高めることができ、暑熱の緩和効果を向上させることができる。
例えば、保水体を小さく形成し、多数の保水体を分散させて給水管に取り付けた場合には、植物の葉群による日陰の冷却作用と同様に暑熱を緩和させることができる。また、保水体を葉のような形状や色にすることで、都市の景観に与える影響を低減することができる。
さらに、前記導水部材に複数の分岐部を形成し、前記各分岐部に前記保水体を取り付けた場合には、保水体の数を増やすことができる。そして、導水部材に枝状の分岐部を形成し、分岐部に葉の形状の保水体を取り付けることで、葉群を大きくすることができるため、暑熱の緩和効果を高めることができる。
また、導水部材の毛細管現象によって、保水体に水を供給しており、給水構造が簡素化されているため、製造コストを低減するとともに、管理を簡単に行うことができ、維持費を低減することができる。
また、保水体の表面に酸化チタンなどの光触媒を塗装した場合には、光触媒の親水作用によって保水体をセルフクリーニングするとともに、光触媒の酸化作用によって空気中の有害物質を分解することができる。
また、前記保水体の表面に反射層を形成したり、前記保水体の表面に金属板を積層したりして、保水体の表面側の反射率を高めた場合には、保水体の表面側で日射が反射され、保水体の温度上昇を抑制することができるため、保水体からの水分蒸発による冷却効果を高めることができる。
本発明の冷却部材では、対象物の表面温度を低下させるとともに、日射を遮ることによって、暑熱の緩和効果を向上させることができる。
また、給水構造が簡素化されているため、製造コストを低減するとともに、管理を簡単に行うことができ、維持費を低減することができる。
本実施形態の冷却部材を示した図で、(a)は平面図、(b)は図1(a)のA−A断面図である。 本実施形態の冷却部材を用いた日除けを示した斜視図である。 他の実施形態を示した図で、導水部材に枝状の分岐部を形成した構成の平面図である。 他の実施形態を示した図で、(a)は保水体に反射層を形成した構成の斜視図、(b)は保水体に金属板を積層した構成の斜視図である。 他の実施形態を示した図で、冷却部材を建物の壁面に取り付けた構成の側面図である。 他の実施形態を示した図で、冷却部材を建物の屋上に設けた構成の斜視図である。 他の実施形態を示した図で、冷却部材によって樹木を模倣した構成の側面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の冷却部材1は、図2に示すように、建物や舗装体などの対象物2の表面2aの表側に配置されることで、対象物2の日除け3を構成するものである。
冷却部材1は、図1(a)に示すように、給水管10と、給水管10に取り付けられた複数の保水体20と、を備え、保水体20は、導水部材30を介して給水管10に取り付けられている。
給水管10は、可塑性を有する樹脂製のホースであり、一端は給水手段(図示せず)に連結され、他端は閉塞されている。
なお、給水管10内に水を供給する給水手段の構成は限定されるものではなく、例えば、上水を給水管10内に供給してもよいし、タンクに貯留させた雨水を給水管10内に供給してもよい。
給水管10の周壁部には、後記する導水部材30の基端部が挿入される取付孔11が貫通している。本実施形態では、複数の取付孔11が給水管10の長手方向に所定間隔を空けて形成されている。
取付孔11の位置は、保水体20の取り付け位置に対応している。したがって、各取付孔11の間隔や開口方向は、保水体20の大きさや各保水体20の配置などに対応させて設定されている。
導水部材30は、セラミックなどの多孔質材料によって形成された棒状の部材である。図1(b)に示すように、導水部材30は、基端部が給水管10の取付孔11に挿入され、先端側の部位は給水管10の外周面から突出している。また、導水部材30の基端部は給水管10内に突出している。
保水体20は、図1(a)に示すように、葉の形状に形成された板状の部材である。この保水体20は、保水性を有するセラミックなどの多孔質材料によって形成されている。 また、保水体20の両面には、酸化チタンなどの光触媒21が塗装されている。
保水体20の基端部に形成された挿入穴22には、導水部材30の先端部が挿入されている。このように、保水体20は、導水部材30を介して給水管10の外周面に取り付けられている。
本実施形態の冷却部材1では、図2に示すように、一本の給水管10に多数の保水体20が分散して取り付けられている。また、各保水体20は葉の形状に形成されており、保水体20および給水管10は緑色に着色されている。
したがって、建物や舗装体などの対象物2の上方に水平枠体3aを設置し、給水管10を適宜に湾曲させた複数の冷却部材1を、水平枠体3a上に載置することで、植物の葉群を模倣した日除け3を形成することができる。
以上のような本実施形態の冷却部材1は、以下のような作用効果を奏する。
図1(b)に示す給水管10内に、図示しない給水手段から水を供給し、給水管10内に水を貯水させると、導水部材30の毛細管現象によって、給水管10内の水が導水部材30内に吸い上げられ、導水部材30の先端部から保水体20に供給される。
このようにして、保水体20が湿潤になると、保水体20の表面からの水分蒸発に伴う気化熱によって、保水体20の温度が低下する。
そして、保水体20の表面温度が低下することで、保水体20からの放射熱が低減されるとともに、保水体20周辺の対流が促進される。これにより、保水体20の周辺の空気が冷却されるため、対象物2の表面温度を低下させることができる。
さらに、図2に示すように、冷却部材1を用いて日除け3を形成し、多数の保水体20によって、対象物2への日射を遮ることで、日除け3と対象物2との間の空気の冷却効果を高めることができるため、暑熱の緩和効果を向上させることができる(例えば、体感温度が2〜3℃程度低下)。
また、保水体20を葉のような形状や色にすることで、都市の景観に与える影響を低減し、植物の葉群による冷却作用と同様に暑熱を緩和させることができる。
また、図1(b)に示す導水部材30の毛細管現象によって、保水体20に水を供給しており、給水構造が簡素化されているため、製造コストを低減するとともに、管理を簡単に行うことができ、維持費を低減することができる。
なお、対象物の周辺の気温が低下し、保水体20の周辺の空気を冷却する必要がない場合には、給水管10内に貯水しなければよい。このように、対象物の周辺環境に応じて、冷却効果を簡単に調節することができる。
さらに、冷却部材1では、保水体20の表面に塗装された光触媒21の親水作用によって保水体20がセルフクリーニングされるとともに、光触媒21の酸化作用によって空気中の有害物質を分解することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、図1(b)に示すように、多孔質材料によって形成された保水体20と導水部材30とが別部材によって構成されているが、保水体20と導水部材30とを一体に形成してもよい。
また、導水部材30は多孔質材料によって形成されているが、樹脂製または金属製の筒状の部材によって導水部材を形成してもよい。この構成では、筒状の部材の内径を小さくすることで、毛細管現象を生じさせることができる。
また、図3に示すように、導水部材30に複数の分岐部31を枝状に形成し、各分岐部31に保水体20を取り付けた場合には、葉群を大きくすることができるため、暑熱の緩和効果を高めることができる。
また、前記実施形態では、図1(a)に示すように、保水体20が葉の形状に形成されているが、その形状や色は限定されるものではなく、棒状や球状の保水体を給水管に取り付けてもよい。
また、複数の保水体20の配置も限定されるものではなく、保水体20を一列に並べて給水管10に取り付けてもよい。
また、図4(a)に示すように、保水体20の表面に高反射塗料などを用いて反射層23を形成し、保水体20の表面側の反射率を高めた場合には、保水体の表面側で日射が反射され、保水体の温度上昇を抑制することができるため、保水体20の水分蒸発による冷却効果を高めることができる。
また、図4(b)に示すように、保水体20の表面に金属板24を積層して、保水体20の表面側の反射率を高めることもできる。この構成では、金属板24に複数の孔部24aを形成し、保水体20の表面を露出させることで、保水体20の表裏両面で水分蒸発が行われるため、冷却効果を高めることができる。なお、平板状や金網状の金属板を用いてもよく、その形状は限定されるものではない。さらに、保水体20の表面の一部に金属板を積層してもよい。
また、図5に示すように、冷却部材1が取り付けられた複数の枠体4を、建物5の壁面に取り付け、壁面が植物の葉群によって覆われているように構成してもよい。
また、図6に示すように、草の形状に形成した保水体20Aを用いた冷却部材1によって芝6を模倣し、この芝6を建物5の屋上に敷設することで、屋上が緑化されているように構成してもよい。
これらの構成では、冷却部材1によって、建物5の表面温度を低下させることができるため、屋内の冷房効率を高めることもできる。
また、図7に示すように、地面に設置された幹や枝に冷却部材1を取り付けて高木7や低木8を模倣することもできる。また、冷却部材1を用いて花壇や鉢に葉群9を模倣することもできる。
このように、冷却部材1を用いて、自然の樹木や草を模倣することで、都市の景観に与える影響を低減しつつ、暑熱を緩和させることができる。
1 冷却部材
2 対象物
10 給水管
11 取付孔
20 保水体
21 挿入穴
23 反射層
24 金属板
30 導水部材
31 分岐部

Claims (4)

  1. 給水管と、前記給水管に取り付けられた複数の保水体と、を備え、対象物の表側に配置される冷却部材であって、
    前記保水体は、多孔質材料によって形成され、前記給水管内に通じている導水部材を介して前記給水管の外周面に取り付けられており、
    前記導水部材は、多孔質材料または筒状の部材によって形成され、
    前記導水部材の毛細管現象によって、前記給水管内の水が前記保水体に供給され、
    複数の前記保水体によって、前記対象物への日射を遮ることを特徴とする冷却部材。
  2. 前記導水部材には、複数の分岐部が形成されており、前記各分岐部に前記保水体が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷却部材。
  3. 前記保水体の表面に反射層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却部材。
  4. 前記保水体の表面に金属板が積層されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却部材。
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