JP5666159B2 - 成膜方法 - Google Patents
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Description
形成される際の基板の温度が高くなるほど、また、タングステン膜の成長を阻害する不純物濃度が低くなるほど、タングステン膜を構成する結晶粒の粒径が大きくなる。ここで、スパッタリング法により形成されるタングステン膜においては、タングステン膜を構成するこうした結晶粒の粒径が大きくなるほど、そのタングステン膜の比抵抗が一般に低くなる。そのためスパッタリング法を用いてタングステン膜を形成する際には通常、比抵抗を更に低下させるべく、基板の温度を高くするための基板加熱と、上記不純物濃度を低くするためのタングステンターゲットの高純度化とが図られている。このうちタングステンの純度としては例えば、スパッタリング法に用いられるタングステンターゲットとして、それを構成するタングステンの純度が例えば99.999%、あるいはそれ以上となるような高純度のものが用いられている。
グ法を用いて形成されるタングステン膜の比抵抗を低下させることができる成膜方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、タングステンを含有するターゲットを希ガスによりスパッタしてタングステン膜を基板に形成する成膜方法において、前記ターゲットとして、主成分である前記タングステンと添加物であるニッケルとを含有するターゲットと、前記タングステン及び前記ニッケルのいずれか一方からなるターゲットとの2つのターゲットを用い、前記タングステン膜の形成に際しては、これら2つのターゲットを同時にスパッタし、前記タングステン膜におけるニッケルの濃度が、0.001質量%以上且つ1質量%以下となるようにすることをその要旨とする。
きのスパッタ雰囲気であれば、そこに含まれるニッケル原子の数量によって、上記のような作用、つまり酸素とニッケルの結合や三酸化タングステンの還元が可能となる。
以下に、本発明の参考例に係る成膜方法をマグネトロン式スパッタ装置にて実施されるスパッタリング処理に適用した形態について図1〜図3を参照して説明する。
、このスパッタ室11aにガス供給部32から所定の流量のスパッタガス、例えばアルゴンガスが供給された後、上記排気部21によりスパッタ室11aが0.1〜2Paに減圧される。そして、上記磁気回路31に設けられた回転モータMが駆動され、マグネットプレート32に搭載された外側磁石M1と内側磁石M2との協働によって、ターゲットTの表面に水平磁場が形成される。その後、上記外部電源FGにより上記ターゲット電極30に所定の電力が印加されることで、高密度のプラズマによりターゲットTがスパッタされる。こうしたターゲットTのスパッタにより生じたタングステン粒子は、上記基板Sの表面、すなわち基板SにおけるターゲットTと対向する側の面に入射し、ひいては基板Sの表面にタングステン膜が例えば50nmの厚さで形成されることになる。
ことにより、微量ながら基板上、あるいは基板に形成されたタングステン膜上に析出する三酸化タングステンが低減される。
からなるターゲットTを用い、これをスパッタして生成されたタングステン膜中に、ニッケルが0.001質量%以上且つ1質量%以下の濃度で含有されるようなスパッタ雰囲気中でタングステン膜の形成を行うようにしている。すなわち、混合物のターゲットTをスパッタすることで、スパッタ雰囲気中に放出されたニッケルにより、ターゲットTから放出された酸素とスパッタ雰囲気中に気相として含有される酸素、つまりはいずれにせよターゲットTと基板Sとの間に存在する酸素を捕捉する、あるいは、こうした酸素により酸化されたタングステンを還元する。そして、こうした酸素を捕捉する反応やタングステンの還元反応により生成された酸化ニッケルも含んで、基板上に形成されたタングステン膜に含有されるニッケルの濃度が0.001質量%以上且つ1質量%以下となるようにしている。結局のところ、上記濃度にてニッケルを含むタングステン膜を形成可能なスパッタ雰囲気中に含まれるニッケル原子の量であれば、上記酸素の捕捉や三酸化タングステンの還元により、形成されたタングステン膜の比抵抗を低下させることができるようになる。
ることによる上記効果、すなわち、三酸化タングステンの生成量を低減することで、基板S表面でのタングステン原子の表面拡散を向上させる効果よりも、酸化ニッケル及び単体のニッケルによる上記基板S表面でのタングステン原子の表面拡散の阻害効果が大きくなり、これによりタングステンの密度が低下するためと考えられる。
布とで比較した場合、これらの分布はほぼ同じ傾向を有すると見なすことができる。故に、上記ターゲットTを用いたときのスパッタ率は、該ターゲットTを構成する2つの材料のみに依存して決定されていると見なすことができる。また、本参考例のように、ターゲットTが異なる2つの材料、すなわち主成分としてのタングステンと添加物としてのニッケルとから形成されているとはいえ、これら材料同士のスパッタ率がほぼ同一であれば、ターゲットTの組成がそのまま、これをスパッタして形成されるタングステン膜に反映さ
れることになる。しかしながら、これらタングステンとニッケルとの間のスパッタ率が異なる場合であっても、ターゲットTの組成を、これのスパッタにより生成されるタングステン膜に所望する組成、すなわち本参考例では、タングステンに対するニッケルの含有濃度が0.001質量%以上且つ1質量%以下とすることで、ニッケルの含有濃度がこうした範囲内となるタングステン膜を形成しやすくはなる。これにより、先の図2におけるタングステン膜に含有されるニッケルの濃度を、ターゲットに含有されるニッケルの濃度として、これをスパッタして形成されたタングステン膜の比抵抗を測定すると、同図2に示されるグラフと同様の傾向が得られる。
[試験例1]
以下、本参考例に係る成膜方法について試験例に基づき具体的に説明する。
(A)
・アルゴンガス圧力 0.1Pa
・基板温度 550℃
・印加電力 4kW
・膜厚 100nm
(B)
・アルゴンガス圧力 0.5Pa
・基板温度 500℃
・印加電力 4kW
・膜厚 100nm
(C)
・アルゴンガス圧力 1.0Pa
・基板温度 550℃
・印加電力 4kW
・膜厚 100nm
上記(A)〜(C)のいずれの条件にてスパッタリング処理を実施しても、これにより形成されたタングステン膜が含有するニッケルの濃度は、0.001質量%となった。また、その比抵抗を測定したところ、先の図2に示される値であった。
[試験例2]
主成分としてのタングステンと添加物としてのニッケルとを含有して且つ、該ニッケルの含有濃度が0.01質量%であるターゲットを用い、以下の各条件にてスパッタリング処理を実施した。
(A)
・アルゴンガス圧力 0.1Pa
・基板温度 550℃
・印加電力 4kW
・膜厚 100nm
(B)
・アルゴンガス圧力 0.5Pa
・基板温度 550℃
・印加電力 4kW
・膜厚 100nm
(C)
・アルゴンガス圧力 1.0Pa
・基板温度 550℃
・印加電力 4kW
・膜厚 100nm
上記(A)〜(C)のいずれの条件にてスパッタリング処理を実施しても、これにより形成されたタングステン膜が含有するニッケルの濃度は、0.01質量%となった。また、その比抵抗を測定したところ、先の図2に示される値であった。
(1)タングステンが主成分となるターゲットTにニッケルを添加させ、これをスパッタして形成されるタングステン膜のニッケルの濃度が、酸化されたニッケルも含んで0.001質量%以上且つ1質量%以下となるようにした。これにより、スパッタ時に基板SとターゲットTとの間に存在する酸素そのもの、及びこれにより酸化されたタングステン、つまり三酸化タングステンの少なくとも一方が該ニッケルにより還元されるようになる。すなわち、ニッケルと上記酸素とを反応させることで、基板S表面に析出する三酸化タングステンの量が低減されるため、タングステン膜の密度低下を抑制し、ひいては、その比抵抗を低下させることが可能となる。
をスパッタにより形成するに際し、主成分としてタングステンを含有するとともに、添加物としてニッケルを含有するターゲットTにおけるニッケルの濃度を、上記タングステン膜と同一の0.001質量%以上且つ1質量%以下とした。これにより、上記タングステン膜の形成を容易とすることができる。つまり、上記組成のタングステン膜を形成するためのスパッタ雰囲気の形成、正確には、該スパッタ雰囲気中のタングステンの濃度とニッケルの濃度とをより容易に適切なものとすることが可能となる。
[実施の形態]
以下に、本発明に係る成膜方法をマグネトロン式スパッタ装置にて実施されるスパッタリング処理に適用した実施の形態について図4を参照して説明する。なお、同図4では、先の図1に示されるマグネトロン式スパッタ装置10が備える各種部材等と対応するものには同一の符号を付している。また、以下には、この図4を用いて上記参考例から変更した点を特に記載する。
た外部電源FGa,FGbから印加される直流電流を変更することで、すなわち、上記アルゴンガスの励起度合いを変更すると、これに伴い変化する。そのため、例えばあるスパッタリング処理の条件では、タングステンよりもニッケルのスパッタ率が低く、形成されたタングステン膜に含有されるニッケルの濃度が0.001質量%を未満となる場合には、このときよりもターゲットTbに接続された外部電源FGbの印加電力を大きくすればよい。他方、タングステンよりもニッケルのスパッタ率が高く、形成されるタングステン膜のニッケル含有濃度が1質量%より大きくなる場合には、上記外部電源FGbの印加電力を小さくすればよい。
[実施例1]
以下、本発明に係る成膜方法について実施例に基づき具体的に説明する。
(A)
・アルゴンガス圧力 0.1Pa
・基板温度 550℃
・混合物ターゲットへの印加電力 4kW
・ニッケルターゲットへの供給電力 4kW
・膜厚 100nm
(B)
・アルゴンガス圧力 0.51Pa
・基板温度 550℃
・混合物ターゲットへの印加電力 4kW
・ニッケルターゲットへの供給電力 4kW
・膜厚 100nm
(C)
・アルゴンガス圧力 1.0Pa
・基板温度 550℃
・混合物ターゲットへの印加電力 4kW
・ニッケルターゲットへの供給電力 4kW
・膜厚 100nm
上記(A)〜(C)のいずれの条件にてスパッタリング処理を実施しても、これにより形成されたタングステン膜が含有するニッケルの濃度は、0.01質量%となった。また、その比抵抗を測定したところ、先の図2に示される値であった。
[実施例2]
主成分としてのタングステンと添加物としてのニッケルとを含有して且つ、該ニッケルの含有濃度が0.01質量%であるターゲットを用い、以下の各条件にてスパッタリング処理を実施した。
(A)
・アルゴンガス圧力 0.1Pa
・基板温度 550℃
・混合物ターゲットへの印加電力 4kW
・ニッケルターゲットへの供給電力 4kW
・膜厚 100nm
(B)
・アルゴンガス圧力 0.5Pa
・基板温度 550℃
・混合物ターゲットへの印加電力 4kW
・ニッケルターゲットへの供給電力 4kW
・膜厚 100nm
(C)
・アルゴンガス圧力 1.0Pa
・基板温度 550℃
・混合物ターゲットへの印加電力 4kW
・ニッケルターゲットへの供給電力 4kW
・膜厚 100nm
上記(A)〜(C)のいずれの条件にてスパッタリング処理を実施しても、これにより形成されたタングステン膜が含有するニッケルの濃度は、0.01質量%となった。また、その比抵抗を測定したところ、先の図2に示される値であった。
(4)タングステン膜の構成材料であるタングステンを主成分として、また、酸素を還元するニッケルを添加物として含有するターゲットTaと、ニッケルのからなるターゲットTbとの2つのターゲットTa,Tbを用いるようにした。これにより、これらターゲットTa,Tbのそれぞれに対するスパッタ条件を制御することにより、スパッタ雰囲気中のタングステンとニッケルの存在割合、ひいては形成されるタングステン膜中に含まれるニッケルの濃度を制御することが可能である。すなわち、タングステン膜に含有される
ニッケルの濃度にかかる自由度を向上でき、例えば、タングステンターゲット中に含有される酸素量や、スパッタ雰囲気中に含まれる酸素量に上記2つのターゲットTa,Tbそれぞれのスパッタ量を対応付けることで、三酸化タングステンの生成量がより低減されるとともに、ニッケルの含有濃度も適切なタングステン膜を形成することが可能となる。
・スパッタガスはアルゴンガスに限らず、他の希ガス、例えばクリプトン(Kr)ガスやキセノン(Xe)ガス等であってもよい。
含有濃度は任意である。
Claims (1)
- タングステンを含有するターゲットを希ガスによりスパッタしてタングステン膜を基板に形成する成膜方法において、
前記ターゲットとして、主成分である前記タングステンと添加物であるニッケルとを含有するターゲットと、前記タングステン及び前記ニッケルのいずれか一方からなるターゲットとの2つのターゲットを用い、
前記タングステン膜の形成に際しては、これら2つのターゲットを同時にスパッタし、
前記タングステン膜におけるニッケルの濃度が、0.001質量%以上且つ1質量%以下となるようにする
ことを特徴とする成膜方法。
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| JP2010083253A JP5666159B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 成膜方法 |
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| JP2010083253A JP5666159B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 成膜方法 |
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| JP2011214067A JP2011214067A (ja) | 2011-10-27 |
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| JP2010083253A Active JP5666159B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 成膜方法 |
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