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JP5669351B2 - 4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムの製造法 - Google Patents
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本発明は、4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムの製造法に関する。特に、二軸延伸に適する4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムの製造法に関する。
4−メチル−1−ペンテン系重合体は、耐熱性、透明性、剥離性およびガス透過性等に優れ、理化学実験器具や電子レンジ食器のほか、離型フィルムや剥離紙、高圧ゴムホース製造用シース・マンドレルやLEDモールドなどの産業資材分野、耐熱ラップフィルム、青果物用鮮度保持袋などの食品包装分野など、広範囲に使用されている。
また、4−メチル−1−ペンテン系重合体のフィルムは光学的等方性が高く(すなわち、レタデーション値が低い)、光学用途のフィルムとして有用である。上記光学的等方性は、フィルムを延伸するとさらに良好になる。
しかし、4−メチル−1−ペンテン系重合体のフィルムは延伸成形性が悪く、延伸時にネッキングなどの延伸ムラや延伸切れを生じて、膜厚が均一な延伸フィルムを得ることが困難である。延伸倍率が高い場合には特にそうである。
そこで、特定の温度で同時二軸延伸を行った後、特定温度で熱固定して4−メチル−1−ペンテン系重合体の二軸延伸フィルムを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。この方法は、延伸成形における条件管理が煩雑である。
また、4−メチル−1−ペンテン系重合体にα−オレフィン系共重合体等の樹脂成分や、炭化水素油等の軟化剤を配合したものを延伸する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。この方法は、延伸成形性の改善には適しているが、4−メチル−1−ペンテン系重合体自体の特性を損なう他、液状成分を多量に添加した場合にはブリードが問題となる。
特開昭58−185226号公報 特開昭58−191734号公報
本発明は、上記事情に鑑み、4−メチル−1−ペンテン系重合体自体の特性を損なうことなく良好に延伸できる4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムの製造法を提供することを目的とする。
本発明者らは、4−メチル−1−ペンテン系重合体をダイスからフィルム状に溶融押出した後、一対のロール間を、一定のロール線圧をかけながら通して4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムを製造する方法において、上記ロール線圧を特定の小さい値にすることにより、上記フィルムの厚さはロールを通過する前後でほとんど変わらないまま、厚さが均一で表面が平滑なフィルムを得ることができるとともに、上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、二軸延伸用の4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムの製造方法であって、4−メチル−1−ペンテン系重合体をダイスからフィルム状に溶融押出した後、一対のロール間を通して4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムを製造する方法において、ロール間を通るフィルム状の溶融押出物に対するロール線圧が0.1kg/cm〜kg/cmであることを特徴とする方法である。
本発明方法によって得られるフィルムは、膜厚が均一でかつ二軸延伸成形性に優れる。したがって、これを二軸延伸して得られるフィルムは、均一な膜厚を有する。また、延伸して得られるフィルムは、優れた光学的等方性を有する(すなわち、レタデーション値が低い)ので、光学用途のフィルムとして有用である。
本発明における「4−メチル−1−ペンテン系重合体」は、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体の他に、4−メチル−1−ペンテンと他のα−オレフィンとの共重合体を包含する。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。上記α−オレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−デトラデセン、1−オクタデセン、1−ヘキサデセン、1−ドデセンおよび1−テトラデセン等の炭素数2〜30のオレフィンであり、それらを1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明における4−メチル−1−ペンテン系重合体は、メルトフローレート(MFR)が、ASTM D1238に準じ、荷重5.0kg、温度260℃の条件で測定した値で、1〜300g/10分の範囲にあることが好ましい。より好ましくは5〜200g/10分の範囲である。また、融点は、好ましくは130〜250℃、より好ましくは150〜240℃である。
上記4−メチル−1−ペンテン系重合体は、従来公知の方法によって製造することができ、また、市販品を使用することもできる。市販品の例としては、三井化学(株)製のTPX MX002O、MX021およびRT31が挙げられる。
本発明方法において押出溶融される4−メチル−1−ペンテン系重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、抗菌剤、消臭剤、アンチブロッキング剤等を含んでいてもよい。
本発明における4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムは、4−メチル−1−ペンテン系重合体をダイスからフィルム状に溶融押出した後、一対のロール間を通して製膜し、冷却後、巻き取りを行う、いわゆるTダイ法によって製造され、ロール間を通るフィルム状の溶融押出物に特定のロール線圧がかけられる。
本発明方法では、上記ロール線圧を90kg/cm以下、好ましくは20kg/cm以下、さらに好ましくは5kg/cm以下に制御することにより、膜厚が均一でかつ二軸延伸に適するフィルムが得られる。上記ロール線圧は小さい方が好ましいが、実際上の問題から、下限は0.1kg/cmである。ロール線圧が上記値より大きいと、得られたフィルムを二軸延伸に付したとき、フィルムが破断する場合がある。ロール線圧の制御は、ロールにかかる圧力をエアー圧や油圧で調整することにより行われ得る。
本発明方法において、ロールの温度は特に制限されない。例えば、20〜100℃が好適に使用される。
本発明方法における製膜の条件は、原材料の融点やMFR、得られるフィルムの厚み等により適宜選定することができ、好ましくは、溶融温度200〜320℃、ダイス温度200〜320℃が使用される。また、ラインスピードも、適宜選定すれば良く、0.5〜50m/分の範囲が好ましい。また、ドロー比は小さいほど好ましく、一対のロール間での速度に対する、巻き取り部での速度の比は0.9〜1.1であることが好ましい。また、リップ開口は、一対のロール間でのフィルム厚の1〜70倍であることが好ましい。
こうして得られるフィルムは、膜厚が均一であり、また、これを二軸延伸に付すと、膜厚が均一で、レタデーション値(R0)が低いフィルムが得られる。なお、本明細書において、レタデーション値(R0)とは、下記式で表わされる、フィルム面内の位相差であり、590nmの波長で測定した値である。
R0=(Nx−Ny)xd
ここで、NxおよびNyは、フィルム面内で互いに直交する方向における屈折率であり(ただし、Nx≧Ny)、dはフィルムの厚さである。
本発明の二軸延伸用フィルムの厚みは特に制限されないが、10μm以上であることが好ましい。10μm未満であると、延伸時に破れなどの問題が発生する。より好ましくは100μm以上、5mm未満である。
本発明の方法で得られたフィルムは次いで、通常の延伸に付すことができる。本発明方法で得られるフィルムは、二軸延伸(逐次二軸延伸、同時二軸延伸)に特に適する。本発明方法で得られるフィルムは、例えば縦横とも6倍の高倍率で二軸延伸しても、膜厚が均一なフィルムを得ることができ、こうして得られた延伸フィルムは、延伸前のフィルムよりもレタデーション値が低くなってさらに良好な光学的等方性を有するので、光学用途のフィルムとして有用である。
以下、本発明を下記の実施例および比較例によって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜7および比較例1〜3
表1に示す4−メチル−1−ペンテン系重合体を、Tダイ押出機を使用して溶融混練してダイスから押し出し、これを温度70℃の一対の冷却ロール間に、表1に示すロール線圧をかけながら10m/分の速度で通して、厚さ350μm、幅50cmの原反フィルムを製造した。ダイス温度は表1に示す通りである。
なお、比較例2については、一対の冷却ロールを用いる代わりにエアナイフ法を使用し、比較例3については静電密着法を使用したので、ロール線圧は共に0kg/cmである。
得られた原反フィルムを、パンタグラフ式バッチ二軸延伸装置(東洋精機製作所製、ヘビー型)を用いて、表1に示す延伸温度で同時二軸延伸した(4x4倍、延伸速度1m/分)。
得られた原反フィルムおよび二軸延伸フィルムについて、下記の評価試験を行った。結果を表1に示す。
試験方法
(1)原反フィルムの膜厚安定性
製膜したフィルムを幅方向に10cm間隔で4ヶ所、流れ方向に20cm間隔で3ヶ所の計12ヶ所の厚みを測定した。得られた12の厚みデータの最大値と最小値との差をRとし、(R/平均厚み)x100の値を求め、下記基準に従って判定した。厚みの測定は、ソニーマグネスケール株式会社製デジタルマイクロメーター ミューメイトを使用して行った。以下、厚み測定は全て同測定器により実施した。
○:40未満
×:40以上
(2)原反フィルムの平滑性
製膜したフィルムを全幅(50cm)×1mの大きさに切断して試験片とし、これを、1升が1cm角である碁盤目の線を表面に有する透視可能な平坦な板の上に置いた。試験片全体の升目の個数(5000個)に対する、試験片が板に接触している升目の個数の割合を求め、下記基準に従って判定した。接触の確認は、板側からの目視により行った。試験片は、製膜し巻き上がった直後のフィルムを巻きの最表層からサンプリングした。
○:30%以上
×:30%未満
(3)延伸フィルムの膜厚安定性
原反フィルムに9mm角x100個(10x10個)の升目を付けて4x4倍に延伸し、図1に示す1〜16の数字を付けた16個の升目について、延伸後の各升目の(横の長さ/縦の長さ)x100の値を求め、その値が70〜130である升目の個数が12個以上である場合を◎、8〜11個である場合を○、4〜7個である場合を△、3個以下である場合を×とした。
(4)レタデーション値(R0)
原反フィルムおよび延伸フィルムのR0を、王子計測機器(株)製の位相差測定装置KOBRA−WRを使用し、平行ニコル回転法によって測定した。
使用した試料は以下の通りである。
(1)TPX T3700:三井化学株式会社製、4−メチル−1−ペンテン系共重合体、MFR(ASTM D1238、荷重5.0kg、温度260℃)39g/10分、融点160℃、密度(ASTM D1505)0.839g/cm
(2)TPX MX002O:三井化学株式会社製、4−メチル−1−ペンテンとエチレンおよびヘキセン−1との共重合体、MFR(ASTM D1238、荷重5.0kg、温度260℃)21g/10分、融点224℃、密度(ASTM D1505)0.835g/cm
(3)TPX RT31:三井化学株式会社製、4−メチル−1−ペンテンとヘキセン−1との共重合体、MFR(ASTM D1238、荷重5.0kg、温度260℃)21g/10分、融点235℃、密度(ASTM D1505)0.833g/cm
Figure 0005669351
表1から明らかなように、特定の範囲の線圧を使用した実施例1〜7では、膜厚安定性および平滑性に優れた原反フィルムが得られ、それを二軸延伸して得られたフィルムは、膜厚安定性に優れるとともに、原反フィルムよりも低い、良好なレタデーション値を有する。
一方、本発明の範囲より高い線圧を使用した比較例1では、原反フィルムは良好な膜厚安定性および平滑性を有したが、それを二軸延伸に付すと、フィルムが破断して、延伸不能であった。
線圧が0kg/cmである比較例2および3では、原反フィルムの膜厚安定性および平滑性が悪く、それを二軸延伸して得られたフィルムも、膜厚安定性が不十分であった。また、レタデーション値も高かった。
本発明方法によって得られるフィルムは、膜厚が均一で平滑性も良く、かつ二軸延伸成形性に優れるので、これを二軸延伸すると、膜厚が均一なフィルムが得られる。また、延伸して得られたフィルムは、光学的等方性が高い(すなわち、レタデーション値が低い)。したがって、従来用途の他、光学用途のフィルムとして有用である。
延伸フィルムの膜厚安定性の評価に用いた升目を示す図である。

Claims (2)

  1. 二軸延伸用の4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムの製造方法であって、4−メチル−1−ペンテン系重合体をダイスからフィルム状に溶融押出した後、一対のロール間を通して4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムを製造する方法において、ロール間を通るフィルム状の溶融押出物に対するロール線圧が0.1kg/cm〜kg/cmであることを特徴とする方法。
  2. 請求項1記載の方法により得られた4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムを二軸延伸することを含む、レタデーション値が3.1nm未満である4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムを製造する方法。
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