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JP5677490B2 - 測角装置 - Google Patents
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本発明は、電波干渉計により目標を測角する測角装置に関し、特に偏波による測角精度の劣化を防止する技術に関する。
従来のレドームを装着した電波干渉計においては、レドームの影響により各アンテナ素子から得られる信号の位相が乱れ、計測精度が劣化するという問題があった。この問題を解消するために、角度特性を予めテーブル化しておき、このテーブルを用いてアンテナ素子からの信号を補正する技術が知られている。
図12は、このような技術を用いた従来のインタフェロメータ方式(非特許文献1参照)を採用した電波干渉計により目標を測角する測角装置の構成を示すブロック図である。この測角装置は、レドーム1、アンテナ素子21、22および23、受信器31、32および33、測角部4および位相補正テーブル7を備えている。
アンテナ素子21、22および23は、電波を受信して電気信号に変換し、受信器31、32および33にそれぞれ送る。これらアンテナ素子21、22および23は、レドーム1によって覆われている。
受信器31、32および33は、アンテナ素子21、22および23から送られてくる信号に所定の処理をそれぞれ施し、測角部4に送る。測角部4は、受信器31、32および33から送られてくる信号の位相を、位相補正テーブル7から取得した補正値を用いて補正し、補正後の信号に基づき測角を行う。
位相補正テーブル7には、角度特性を表す情報が記憶されている。具体的には、図13に示すように、周波数fm(m=1、2、・・・、M;Mは正の整数)の各々について、到来角度Φl(l=1、2、・・・、L;Lは正の整数)に対する補正値cmlが予め測定されて記憶されている。この位相補正テーブル7の内容は、上述したように測角部4によって参照される。
上記のように構成される従来の測角装置の動作を説明する。図14は、測角装置における測角処理を示すフローチャートである。測角処理では、まず、補正テーブル抽出が行われる(ステップS51)。すなわち、測角部4は、位相補正テーブル7の中から受信する電波の周波数および到来方向に応じた補正値を選定する。
次いで、粗測角が行われる(ステップS52)。すなわち、測角部4は、ステップS51で選定した補正値を用いて受信器31、32および33から送られてくる信号を補正した後に、粗い測角を実行する。この場合、精度は低いが角度アンビギュイティの生じない測角値が得られる。
次いで、精測角が行われる(ステップS53)。すなわち、測角部4は、ステップS52で粗測角処理を行うことにより得られた値を用いて精密な測角値を計算する。この場合には、角度アンビギュイティが発生する。そこで、測角部4は、ステップS52で得られた測角値から所定範囲を目標範囲として設定し、この目標範囲に存在する角度を測角値として特定し、測角情報として外部に出力する。
吉田、"改訂レーダ技術"、電子情報通信学会、pp.285-286(1996)
上述した従来の測角装置においては、偏波によらず、一定の角度特性を有するように構成された位相補正テーブルが用いられている。ところが、角度特性は、偏波に応じて変化するため、偏波が不明な場合には、適切な補正値を得ることができず、補正誤差が生じている。また、位相の乱れが大きくなり、測角曲線にアンビギュイティが発生するという問題もある。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、レドームによる位相の乱れが存在する場合でも、より高精度に目標を測角できる測角装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、複数のアンテナ素子と、複数のアンテナ素子で受信された信号の位相差による測角曲線を用いて目標方向を測角する測角部と、測角部における測角に用いる測角曲線が角度アンビギュイティを有することを示している場合に、複数のアンテナ素子の中の複数のアンテナ素子対で受信された信号の位相差による複数の測角曲線の中から単調変化する部分を選定することにより新たな測角曲線を形成し、成した測角曲線を用いて測角部における測角結果を補正する測角補正処理部を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、複数の測角曲線の中の角度アンビギュイティの影響の少ない測角曲線の単調変化する部分を選定して測角値を補正するので、レドームによる位相の乱れによって発生する角度アンビギュイティを低減し、高精度に目標方向を測角することができる。
本発明の実施例1に係る測角装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る測角装置で使用されるアンテナ素子の配置を示す図である。 本発明の実施例1に係る測角装置で使用されるアンテナ素子の偏波を示す図である。 本発明の実施例1に係る測角装置の偏波特定部で行われる偏波を特定する原理を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る測角装置で使用される位相補正テーブルの構成を示す図である。 本発明の実施例1に係る測角装置において、N個の受信器を備えた場合に行われる測角処理を示すフローチャートである。 本発明の実施例1に係る測角装置における粗測角および精測角を行う場合の測角値の算出を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る測角装置において、N個に満たない数の受信器を備えた場合に行われる測角処理を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る測角装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2に係る測角装置における測角曲線の選定を説明するための図である。 本発明の実施例2に係る測角装置において、N個の受信器を備えた場合に行われる測角処理を示すフローチャートである。 従来の測角装置の構成を示すブロック図である。 従来の測角装置で使用される位相補正テーブルの構成を示す図である。 従来の測角装置において行われる測角処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る測角装置の構成を示すブロック図である。この測角装置は、図11に示した測角装置に、偏波特定部5が追加されるとともに、位相補正テーブル7が他の位相補正テーブル6に変更されて構成されている。以下、従来の測角装置と異なる部分を中心に説明する。
図2は、アンテナ素子21、22および23の配置を示す。偏波を特定するために、図3に示すように、偏波の向きが異なるように配置されたアンテナ素子21、22および23が用いられる。
図3に示す例では、垂直方向を0度とした場合に、アンテナ素子21の偏波の向きは0度、アンテナ素子22の偏波の向きは60度、アンテナ素子23の偏波の向きは120度に設定されている。なお、図3では、3個のアンテナ素子が用いられる場合を示しているが、一般に、N素子(Nは正の整数)が用いられる場合は、偏波の向きは、180度をN分割した角度とすることができる。
偏波特定部5は、偏波を特定して偏波角度を算出する。図4は、偏波を特定する原理を説明するための図である。偏波の特定は、偏波の向きを変えたアンテナ素子21、22および23から出力される信号のレベル(以下、「受信レベル」という)を用いて行われる。直線偏波の場合は、次の重心演算により偏波角度が算出される。
Figure 0005677490
ここで、
θn;n番目のアンテナ素子の偏波の角度
0,180/N、180/N×2、・・・180/N×(N−1)
An;n番目のアンテナ素子の受信レベル
N ;アンテナ素子数(n=1〜N)
図4(a)の場合には、アンテナ素子21の受信レベルAnのみが高いので、直線偏波と判断され、(1)式の重心演算により偏波角度は0度と算出される。図4(b)の場合には、アンテナ素子22の受信レベルAnのみが高いので、直線偏波と判断され、(1)式の重心演算により偏波角度は60度と算出される。図4(c)の場合には、アンテナ素子22およびアンテナ素子23の受信レベルAnが高いので、直線偏波と判断され、(1)式の重心演算により偏波角度は90度と算出される。
なお、図4(d)に示すように、受信レベルAnがいずれも、ほぼ同一レベルであれば、円偏波と判断される。この偏波特定部5で算出された偏波角度は、位相補正テーブル6に送られる。
位相補正テーブル6には、角度特性を表す情報が記憶されている。具体的には、図5に示すように、偏波角度Θn(n=1、2、・・・、N;Nは正の整数)毎に、周波数fm(m=1、2、・・・、M;Mは正の整数)の各々について、到来角度Φl(l=1、2、・・・、L;Lは正の整数)に対する補正値cnmlが予め測定されて記憶されている。この位相補正テーブル6の内容は、測角部4によって参照される。
次に、上記のように構成される本発明の実施例1に係る測角装置の動作を説明する。図6は、N個の受信器を備えた測角装置で行われる測角処理を示すフローチャートである。ここでは、N=3として説明する。
この測角処理では、まず、アンテナ素子受信レベルが取得される(ステップS11)。すなわち、受信器31、32および33は、アンテナ素子21、22および23から送られてくる信号に所定の処理をそれぞれ施した後に、受信信号として測角部4および偏波特定部5に送る。
次いで、偏波特定処理が行われる(ステップS12)。すなわち、偏波特定部5は、受信器31、32および33から送られてくる受信信号の受信レベルに基づき偏波を特定して偏波角度を算出し、位相補正テーブル6に送る。
次いで、偏波に対応した補正テーブル抽出が行われる(ステップS13)。すなわち、測角部4は、位相補正テーブル6の中から、受信された電波の偏波角度、周波数および到来方向に応じた補正値を抽出する。
次いで、粗測角が行われる(ステップS14)。図2に示すアンテナ素子の配置の場合、測角部4は、間隔の小さな一対のアンテナ素子(以下、「ペア素子」という)から受信器を介して得られる受信信号を、ステップS13で抽出された補正値でそれぞれ補正し、補正後の一対の受信信号の位相差による測角曲線を用いて粗測角を実施し、大まかな角度を算出する。この場合、図7(b)に示すように、精度は低いが角度アンビギュイティの生じない測角値が得られる。
次いで、精測角が行われる(ステップS15)。すなわち、測角部4は、間隔の大きなペア素子から受信器を介して得られる受信信号を、ステップS13で抽出された補正値でそれぞれ補正し、補正後の一対の受信信号の位相差による測角曲線を用いて精測角を実施し、高精度の角度を算出する。この場合は、図7(a)に示すように、角度アンビギュイティが発生する。そこで、測角部4は、ステップS14で得られた測角値から所定範囲を目標範囲として設定し、この目標範囲に存在する角度を測角値として特定する。この特定された測角値が、測角情報として外部に出力される。
上記ステップS14およびS15における測角処理において、AZ面およびEL面の各々で、仮に位相補正を行わないで、つまり偏波を無視して測角を実施するとすれば、次式により目標角度を算出できる。
Figure 0005677490
ここで、
λ ;波長
di ;アンテナ素子iの位相中心からの位置
dj ;アンテナ素子jの位相中心からの位置
Φ ;目標角度
Δψij;ペア素子の位相差
これに対し、位相補正を行って、つまり偏波を考慮して測角を実施する場合は、Δψijと位相補正テーブル6の補正値を用いて、下式により目標角度が算出される。
Figure 0005677490
ここで、
Cnml ;補正値
偏波角度θ;n=1〜N
周波数f ;m=1〜M
到来角度Φ;l=1〜L
なお、図6に示すフローチャートは、N個の受信器を備えた測角装置の測角処理を示しているが、N個に満たない数の受信器を備えた測角装置であっても、測角処理は可能である。図8は、このような測角装置で行われる測角処理を示すフローチャートである。
この測角処理では、まず、アンテナ素子受信レベルが取得される(ステップS21)。すなわち、受信器31および32は、アンテナ素子21、22および23から送られてくる信号に所定の処理をそれぞれ施した後に、受信信号として測角部4および偏波特定部5に送る。
次いで、全てのアンテナ素子からの受信信号の取得が終了したかどうかが調べられる(ステップS22)。ステップS22において、全てのアンテナ素子からの受信信号の取得が終了していないことが判断されると、アンテナ素子の変更が行われる(ステップS23)。例えば、受信器32に接続されるアンテナ素子が、アンテナ素子22からアンテナ素子23に切り替えられる。その後、ステップS21に戻り、上述した処理が繰り返される。
一方、ステップS22において、全てのアンテナ素子からの受信信号の取得が終了したことが判断されると、ステップS12に進む。ステップS12以下の処理は、上述したN個の受信器を備えた測角装置で行われる測角処理と同じである。
以上説明したように、本発明の実施例1に係る測角装置によれば、複数のアンテナ素子21、22および23で受信された信号のレベルに基づき偏波を特定して偏波角度を算出し、偏波角度に応じた補正値を位相補正テーブル6から取得して複数のアンテナ素子21、22および23で受信された信号の位相を補正し、補正後の信号の位相差による測角曲線を用いて目標方向を測角するので、偏波に応じた適切な補正値を使用することができ、高精度に目標方向を測角できる。
本発明の実施例2に係る測角装置は、レドームによる位相の乱れによって発生する角度アンビギュイティを低減するようにしたものである。
図9は、本発明の実施例2に係る測角装置の構成を示すブロック図である。この測角装置は、図1に示した実施例1に係る測角装置に測角補正処理部8が追加されて構成されている。
測角補正処理部8は、測角部4における測角に用いられる測角曲線が角度アンビギュイティを有することを示している場合に、アンテナ素子21、22および23の中の複数のペア素子(アンテナ素子対)で受信された信号の位相差による複数の測角曲線の中から、単調変化(単調増加または単調減少)する部分を選定することにより新たな測角曲線を形成し、形成した測角曲線を用いて測角部4における測角結果を補正する。
なお、測角曲線の単調変化する部分を選定する場合に、複数の単調変化する部分が存在する場合は、傾きの大きい方を選定するのが好ましい。
今、図10(a)に示すように、3個のアンテナ素子A、BおよびCを備えている測角装置を考える。この場合、AZ面に関しては、精測角に用いる位置が離れたペア素子として、アンテナ素子AとC、および、アンテナ素子BとCといった2通りを選定することができる。なお、EL面についても同様であるので、以下ではAZ面についてのみ説明する。
各ペア素子において、あらかじめ測角曲線を描いた場合、位相の乱れによっては、図10(b)および図10(c)に示すように、角度に対してペア素子の位相差が単調変化にならず、その結果、角度アンビギュイティを持つ場合がある。
この対策として、ペア素子によっては、角度アンビギュイティを持つ角度範囲が異なることを利用して、角度範囲に応じて、角度アンビギュイティの少ない測角曲線を選定する。図10(b)に示すアンテナ素子AとCとの対では、測角可能な角度範囲として測角曲線の一部分T1を選定し、図10(c)に示すアンテナ素子BとCとの対では、測角可能な角度範囲として測角曲線の一部分T2を選定する。
そして、これら選定した測角曲線の一部分T1およびT2を、図10(d)に示すように結合し、測角に使用する。これにより、角度アンビギュイティを低減した測角曲線により、測角することができる。
なお、仮に測角可能な角度範囲の測角曲線を選定できなければ、ペアを形成するアンテナ素子の位置を変えて、選定できるように構成することができる。
次に、実施例2に係る測角装置の動作を説明する。図11は、N個の受信器を備えた測角装置で行われる測角処理を示すフローチャートである。ここでは、N=3として説明する。
なお、以下の説明においては、図6に示した実施例1に係る測角装置における測角処理と同じ処理を行うステップには、実施例1で用いた符号と同じ符号を付し、説明を簡略化する。
この測角処理では、まず、アンテナ素子受信レベルが取得される(ステップS11)。次いで、偏波特定処理が行われる(ステップS12)。次いで、偏波に対応した補正テーブル抽出が行われる(ステップS13)。
次いで、測角が行われる(ステップS31)。すなわち、測角部4は、実施例1に係る測角装置で行われる測角処理の中のステップS14およびステップS15の処理と同様の処理を実行する。
次いで、全てのペア素子に対する測角が終了したかどうかが調べられる(ステップS32)。例えば、アンテナ素子AとCとの対、および、アンテナ素子BとCとの対といった2通りの測角が終了したかどうかが調べられる。ステップS32において、全てのペア素子に対する測角が終了していないことが判断されると、ペア変更が行われる(ステップS33)。例えば、アンテナ素子AとCとの対の測角が終了し、アンテナ素子BとCとの対の測角が終了していない場合は、アンテナ素子BとCとの対の測角を行うように設定が変更される。その後、ステップS31に戻る。
一方、ステップS32において、全てのペア素子に対する測角が終了したことが判断されると、測角値選定が行われる(ステップS34)。即ち、測角補正処理部8は、複数の測角曲線の中から、単調変化する部分を選定して新たな測角曲線を形成し、形成した測角曲線を用いて測角部4における測角結果を補正する。
以上説明したように、本発明の実施例2に係る測角装置によれば、複数の測角曲線の中の角度アンビギュイティの影響の少ない測角曲線の単調変化する部分を選定して測角値を補正するので、レドームによる位相の乱れによって発生する角度アンビギュイティを低減し、高精度に目標方向を測角することができる。
なお、上述した実施例2に係る測角装置は、実施例1に係る測角装置に測角補正処理部8を追加して構成したが、従来の測角装置のように偏波特定部を備えていない測角装置に測角補正処理部8を追加して構成することもできる。この場合、図11のフローチャートに示したステップS11〜S13は省略することができる。この構成の場合も、実施例2に係る測角装置と同様に、レドームによる位相の乱れによって発生する角度アンビギュイティを低減することができる。
また、実施例2に係る測角装置では、3個のアンテナ素子を備えている場合について説明したが、4個以上のアンテナ素子を備えている場合でもよい。
さらに、実施例2に係る測角装置では、粗測角と精測角とを組み合わせて測角を行うようにしたが、粗測角と精測角の組み合わせた測角でなくてもよい。
本発明は、レドームを備えた電波干渉計、レーダ装置などに適用することができる。
1 レドーム
21〜23 アンテナ素子
31〜33 受信器
4 測角部
5 偏波特定部
6,7 位相補正テーブル
8 測角補正処理部

Claims (1)

  1. 複数のアンテナ素子と、
    前記複数のアンテナ素子で受信された信号の位相差による測角曲線を用いて目標方向を測角する測角部と、
    前記測角部における測角に用いる測角曲線が角度アンビギュイティを有することを示している場合に、前記複数のアンテナ素子の中の複数のアンテナ素子対で受信された信号の位相差による複数の測角曲線の中から単調変化する部分を選定することにより新たな測角曲線を形成し、形成した測角曲線を用いて前記測角部における測角結果を補正する測角補正処理部と、
    を備えたことを特徴とする測角装置。
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