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JP5679152B2 - 画像形成装置用中間転写ベルトとその製造法及びこのベルトを用いた画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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画像形成装置用中間転写ベルトとその製造法及びこのベルトを用いた画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクリミリ等の電子写真方式又は静電印刷方式にて画像形性を行う画像形成装置用中間転写ベルトとその製造法及びこのベルトを用いた画像形成技術に関し、特に、熱可塑性樹脂を用いた場合でも所望の電気特性と対ストレス性を両立した画像形成装置用中間転写ベルトとその製造法及びこのベルトを用いた画像形成方法及び画像形成装置に関する。
電子写真装置においては、現像されたトナー像を一旦、ベルト状中間転写媒体に中間転写し、その後、紙などの最終転写媒体に二次転写することが行われ、特に最近のフルカラー電子写真装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を、一旦、中間転写媒体上に色重ねし、その後一括して紙などの最終転写媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられており、したがって、電子写真装置は、フルカラー複写も、黒色のモノクローム複写も可能であり、また、厚みやサイズ、材質や静電特性の異なる各種の紙などの最終転写媒体を使用可能であることが当然要求される。
そして、このような電子写真装置用の中間転写ベルトを構成する樹脂材料として熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂が用いられており、また、通常、樹脂材料に起因する高絶縁を緩和するため、カーボンブラック、金属微粒子、金属亜酸化物等の導電性微粒子、炭化水素基含有アンモニウム塩のようなイオン導電剤等の抵抗調節剤が添加されている。
例えば、添加するカーボンブラックなどの導電材料をポリアミド、ポリアミドイミドなどの熱硬化性樹脂前駆体を含む低粘度の溶液に分散させる技術が知られている(特許文献1の特開2009−25625号公報)。
しかし、近年、地球環境へのCO2排出量の低減が以前よりも望まれようになってきており、熱硬化性樹脂は、有機溶媒を使用しなければならず、また、連続生産できない、リサイクルできないなどCO2の排出量といった環境負荷が大きい。
一方、連続生産が可能で、製造時の環境負荷の低減が図れ、リサイクルが容易など環境負荷が熱硬化性樹脂に比べ小さい熱可塑性樹脂を導電性エンドレスベルトに用いる技術が知られている(特許文献2の特開2007−65587号公報、特許文献3の特許3821600号公報、特許文献4の特開2008−239947号公報参照)。
しかしながら、熱可塑性樹脂を用いた導電性ベルトの場合、熱硬化性樹脂を使用した場合と比較してカーボンブラックなど導電性微粒子の均一分散が容易でないという技術課題があった。
そこで、熱可塑性樹脂へのカーボンブラックなど導電性材料の分散性を向上する目的で、投入する熱量とせん断エネルギを上げることで、カーボンブラックなど導電性材料を均一且つ微分散化することで達成できるが、多くの熱量とせん断エネルギを加えることで、熱可塑性樹脂の場合、高分子鎖が切断したり、結晶領域まで導電性微粒子が侵入したりするため、半導電性材料の弾性率やTgの低下を引き起こし、実際にプリンタ装置に組み込んで使用した際に、ベルト伸び、クリープなどによる品質課題の原因となる。
このように、従来、熱可塑性樹脂と導電性材料とを含む導電性ベルトにおいて、電圧依存性(電気特性)とベルト伸び、クリープなどによる品質課題(機械特性)とを同時に満足するものは得られていなかった。
ところで、中間転写用ベルトを用いた2次転写工程では、転写する紙の厚みや幅などの違いがあるため、2次転写電圧をその都度、制御しなければならず、中間転写ベルト材の体積抵抗率の電圧依存性が大きいと制御することが困難となるが、中間転写ベルト材の体積抵抗率の大きな電圧依存性は、カーボンブラックなど導電性微粒子の均一分散が果たされてないことに起因することが新たに認識されるに至った。
すなわち、カーボンブラックなど導電性微粒子の均一分散が果たされてないと、抵抗率のバイアス依存性が大きくなってしまうという点が新たに認識されるに至ったが、この問題は、特に、紙などの最終転写媒体として各種のものに対して使用可能という、汎用の画像形成装置の場合に特に重大な技術的課題となるに至った。
したがって、画像品位の向上のためも含めて、中間転写ベルト部材の抵抗率の印加バイアス依存性を小さくするための方策としては、カーボンブラックなどの導電性微粒子の分散のより一層の均一性の達成が非常に有効である。
熱可塑性樹脂に導電材を添加して、抵抗を調整する場合、体積抵抗を特定のごく狭い範囲に制御することと、抵抗率の印加バイアス依存性を小さくすることの双方を同時に満足するのは、後述の説明から理解されるように、実際には簡単とはとてもいえないが、本発明の中間転写用ベルトの製造法によれば、これを比較的簡単かつ確実に達成することができる。
樹脂中に分散している導電性材料の分散状態を微分散かつ均一化して、熱可塑性樹脂の本発明でいう電気特性を安定化するため、樹脂と導電材を混錬する際に、せん断エネルギ(ずり力)を従来よりも高めるとこれらの状態が達成できる。本発明は、熱可塑性樹脂を用いた中間転写ベルトにおいて、カーボンブラックなど導電性材料を均一且つ微分散化することで電気特性の改善を図ったときに生じるベルト材の熱特性及び機械特性低下といった課題を解決しようとするものである。
すなわち、本発明の目的は、上記従来技術の実情に鑑みて、熱可塑性樹脂と導電性材料とを含む導電性ベルトにおいて、狭い範囲の半導電性を満たし、かつ、電圧依存性(電気特性)と、ベルト伸び、弾性率、クリープなどによる品質課題(機械特性)とを同時に満足する中間転写ベルトとその製造法を提供し、また、この中間転写用ベルトを用いた画像形性方法及び画像形成装置を提供することにある。
而して、上記目的は、以下の(1)〜(8)の本発明により好適に解決される。
(1)「少なくとも熱可塑性樹脂の架橋反応物と導電性微粒子とを含む導電性樹脂から構成される中間転写体用ベルト部材であって、該ベルト部材は、少なくとも、熱可塑性樹脂及び導電性微粒子とを含む材料を押出し成型後、前記材料中の熱可塑性樹脂がガラス転移点以上の温度を維持した状態で、電子線の照射を行って得られたものであり、かつ下記(i)及び(ii)の2つの式、
(i)6≦log(ρv200)≦10
(ii)0≦Log(ρv10)−Log(ρv1000)が≦2
(ここで、ρVは、200V印加時のベルト部材の体積抵抗率を表わし、ρv10、ρV1000は、それぞれ、10V、1000V印加時のベルト部材の体積抵抗率を表わす。)
を満足することを特徴とする中間転写体用ベルト部材
。」;
(2)「前記導電性微粒子が平均一次粒子径5nm〜50nmの範囲にあることを特徴とする前記(1)項に記載の中間転写体用ベルト部材。」;
(3)「前記導電性微粒子がカーボンブラック、黒鉛、天然グラファイト、人造グラファイト、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅等の金属および金属酸化物のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載の中間転写体用ベルト部材。」;
(4)「少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写体上のトナー像を被記録媒体上に転写する二次転写手段と、該被記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置に使用される中間転写ベルトであって、前記中間転写ベルトが前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の中間転写体用ベルト部材を用いたことを特徴とする中間転写ベルト。」;
(5)「少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写体上のトナー像を被記録媒体上に転写する二次転写手段と、該被記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記中間転写ベルトが前記(4)項に記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。」;
(6)「中間転写体用ベルト部材の製造方法であって、該中間転写体用ベルト部材は、少なくとも熱可塑性樹脂の架橋反応物と導電性微粒子とを含む導電性樹脂から構成される中間転写体用ベルト部材であって、該ベルト部材は、下記(i)及び(ii)の2つの式、
(i)6≦log(ρv200)≦10
(ii)0≦Log(ρv10)−Log(ρv1000)が≦2
(ここで、ρVは、200V印加時のベルト部材の体積抵抗率を表わし、ρv10、ρV1000は、それぞれ、10V、1000V印加時のベルト部材の体積抵抗率を表わす。)を満足するものであり、
少なくとも熱可塑性樹脂、導電性微粒子とを含む導電性樹脂材料を溶融混練する工程、
該溶融混練物を押出し成形する工程、該押出し成形後、前記材料中の熱可塑性樹脂がガラス転移点以上の温度を維持した状態で、電子線照射する工程とを含むことを特徴とする中間転写体用ベルト部材の製造方法。」;
(7)「少なくとも熱可塑性樹脂、導電性微粒子、架橋剤とを含む導電性樹脂材料を溶融混練する工程、該溶融混練物を押出し成形する工程、該押出し成形後、前記材料中の熱可塑性樹脂がガラス転移点以上の温度を維持した状態で、電子線照射する工程とを含み、該架橋剤がトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートおよびこれらのうちいずれか2種以上の混合物からなる群から選択される架橋剤であることを特徴とする前記(6)項に記載の中間転写体用ベルト部材の製造方法。」;
(8)「電子線照射量が、10kGy〜500kGyであることを特徴とする前記(7)項に記載の中間転写体用ベルト部材の製造方法。」;
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、熱可塑性樹脂と導電性材料とを含む導電性ベルトにおいて、狭い範囲の体積抵抗値を満たし、かつ、電圧依存性(電気特性)と、ベルト伸び、弾性率、クリープなどによる品質課題(機械特性)とを同時に満足する中間転写ベルトとその製造法が提供され、また、この中間転写用ベルトを用いた画像形性方法及び画像形成装置が提供されるという、極めて優れた効果が発揮される。
中間転写ベルトの抵抗値(Log)が、熱可塑性樹脂への導電性微粒子の添加量に対する依存性が非常に少なく、中間転写ベルトに求められる電気特性領域(Logρが6〜10)においては、急激な傾きの変化となるため、導電性微粒子の添加量では制御が難しいことを具体的に示すグラフである。 導電性粒子の分散性が良い場合と、分散性が悪い場合を模式的に説明するグラフである。 本発明における画像形成装置の一例を示す図である。 本発明における機械特性測定のヒステリシスループを示すグラフである。 本発明における導電性粒子の分散性が良い場合の一例を示すSTEM写真である。 本発明における導電性粒子の分散性が良い場合の他の一例を示すSTEM写真である。 導電性粒子の分散性が悪い場合の一例を示すSTEM写真である。
以下に、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
はじめに、前記体積抵抗を特定の極く狭い範囲に制御することと、抵抗率の印加バイアス依存性を小さくすることの双方を同時に満足することの困難性について、予め説明しておく。
熱可塑性樹脂に導電材を添加して、抵抗を調整する場合、おいて式(i)(ii)満足するようにすることはとても困難である。このことはパーコレーションモデルとして説明される。
図1は、横軸に熱可塑性樹脂への導電性微粒子の添加量、縦軸に抵抗値(Log)を示したグラフである。中間転写ベルトに求められる電気特性領域(Logρが6〜10)においては、急激な傾きの変化となるため、導電性微粒子の添加量では制御が難しい。
なお、この傾きは、樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合と比較すると大きく、材料として熱可塑性樹脂を用いる場合の特性制御は技術的にハードルが高い。
このスレッショルドの傾きを制御する方法の一つに、樹脂中に導電材を均一に且つ微分散する手法がある。熱可塑性樹脂に導電材を分散する場合、混錬機の温度を所定レベルに保持し、時間を長時間にし、混錬機の動力を向上させることで、導電材を均一に微分散することができる。
しかしながら、混錬温度を上げ、混錬時間を長時間にし、混錬機の動力を向上させることにより熱可塑性樹脂の分子鎖が切断されてしまうことで機械特性が低下することが一般によく知られており、こういった手法は従来選択されなかった。本発明では、適度の高粘性の溶融樹脂を混練(樹脂材料の繰返し伸延と折り畳み)することにより、その中にある程度強固に保持された導電材を、樹脂材料の伸延に随伴させて会合状態を速やかに解き、混錬押出し成形後に電子線架橋を行うことで、電気特性の向上と機械特性の低下抑制を実現させるものである。温度を過度に上げて、さらさら状態になった低粘度の樹脂材料の混練は、その中に、導電材を強固に保持することができず、したがって、会合状態を効率よく解くことができない。加熱(熱エネルギー)もさることながら、効率的なズリ応力の印加(機械的エネルギー)をより重要視しており、また、電子線照射により、ベルト伸び、クリープなどによる品質課題を補完(つまり、混練も分子鎖の切断を極力回避の態様)している。
本発明におけるカーボンブラックなどの導電性粒子は、一次平均粒径が200nm以下のものが好ましい。より好ましくは3〜150nm、最も好ましくは5〜50nmのものである。しかし、このような所謂「ナノメーターオーダー」の超微粒子は、その高い活性度に由来するエネルギー放出(安定化)のため、通常は、数10〜数1000個、時には数万個の一次粒子が会合して二次粒子化しているが、本発明においては、混練過程でこの会合状態を解くことができるため、良好な分散状態を達成できるものと思われる。そして、本発明でいう抵抗率の印加バイアス依存性を小さくするに必要な「均一な分散状態」とは、ベルト部材のSTEM写真による観察で、導電材粒子が樹脂中に3〜150nm、より好ましくは5〜50nmの粒径で、一次粒子として分散されているか、又は少なくとも、分散された一次粒子と共に、一次粒子が会合した二次が完全には消滅せず残存しているが、該二次粒子の数は共存する一次粒子の数以下であり、かつ該二次粒子のサイズは最大限1桁数(9個以下)の一次粒子が会合した程度であることを意味する。
図2は、導電性粒子の分散性が良い例(図中、実線グラフ;カーボンブラックなどの導電性粒子が樹脂中に微分散且つ均一に分散された本発明範囲の模式例)と、導電性粒子の分散性が悪い例(図中、鎖線グラフ;カーボンブラックなどの導電性粒子が樹脂中に微分散且つ均一に分散されてない場合の模式例)を説明するためのものである。
カーボンブラックなどの導電性粒子を樹脂中に微分散且つ均一に分散しなければならないことが分かる。均一に分散することで図2のグラフに示すように印加バイアスに対する抵抗率の依存が小さくなる。
対照的に、前記特許文献2の特開2007−065587号公報の導電性エンドレスベルト、特許文献4の特開2008−239947号公報の半導電性樹脂組成物に関する記載中では、中間転写ベルト機能として重要な電気特性を制御するための導電材料(カーボンブラック)の分散状態に言及されていない。つまり、転写ベルト材の電気特性に課題がある。導電材の分散が十分でないとボソツキなど画像品位への影響が課題となる。
また、前記特許文献3の特許第3821600号公報のシ−ムレスベルトに関する記載中では、中間転写ベルト機能として重要な電気特性(体積抵抗率)の範囲について、言及されている。しかしながら、体積抵抗値測定時の電圧印加時の依存性については言及がない。中間転写ベルトでは、特に2次転写時の体積抵抗率の電圧依存性が大きいと、小サイズ紙や両面印刷時などニップ中において、通紙されるメディア(紙)の抵抗が大きく変化する場合に、十分な転写電界が形成されず、転写不良など画像品位への影響が課題となる。
ここで、本発明における前記式(i)の技術的意義について説明すると、本発明の電子写真方式の画像形成装置に用いる中間転写ベルトの体積抵抗率としては、(i)6≦ρv200≦10の範囲に制御する必要がある。体積抵抗率がρv<6の範囲にあると、転写ニップ部での電界が安定せず、転写ニップ前後や転写ニップ部での放電現象を引き起こす。
また、ρv>10の範囲にあると表面電位が減衰せず、画像メモリなど画像品位を低下させる。
以上のように、本発明における中間転写ベルト材料の体積抵抗率は、(i)式で示す中間的な領域にする必要がある。
また、本発明における前記式(ii)を規定する技術的意義について説明すると、本発明の中間転写方式の画像形成方法においては、像担持体から中間転写ベルトに転写する工程(1次転写工程)と中間転写ベルトから紙などに転写する工程(2次転写工程)があるが、特に2次転写工程では、転写する紙の厚みや幅などの違いがあるため、2次転写電圧をその都度、制御しなければならない。中間転写ベルト材の体積抵抗率の電圧依存性が大きいと制御することが困難となる。つまり、本発明におけるベルト材の体積抵抗率は、(ii)式を満たすような範囲に入るようできるだけ電圧依存性が小さいことが好ましい。
さらに、溶融押出後(混練後)、電子線を照射することにより、電子線によって、熱可塑性樹脂の分子鎖が一旦切断され、ラジカル電子が発生し、このラジカル電子が再び、分子鎖と結合することにより、架橋構造を有する熱可塑性樹脂となるものと思われる。
電子線照射では、架橋が優先的に起こる架橋型高分子と主鎖切断が優先的に起こる崩壊型高分子に分けられる。架橋型か崩壊型かは以下に示すように分子構造に依存する経験的な関係があり、置換基がついた炭素原子の電子状態に支配され架橋/崩壊の確立が変化する。
架橋型高分子の一例としポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリビニルアルコール、ポリアミドなどが上げられる。一方、崩壊型の高分子としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリαメチルスチレン、ポリイソブチレン、ポリアクリロアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリアラニン、セルロースなどがあげられる。
樹脂は、架橋構造を採ると溶融粘度が増加するため、溶融押出しする前に架橋反応させると装置への付加が大きくなり、導電材を均一に分散するためのせん断エネルギが得られなくなる。
さらに、電子線照射の意義について説明すると、機械的なせん断力により、熱可塑性樹脂中に均一微分散化したカーボンブラックなどの導電材は、混錬押出しされた後、樹脂分子の結晶化に伴い、結晶領域から排除され再度凝集を始める。押出し後、樹脂が結晶化し始める温度(Tg)よりも高い温度の状態で電子線照射し、樹脂を架橋させることで、樹脂の結晶化を抑制し、導電材の均一性を維持することができる。
可塑性樹脂を押出し成形した後に電子線を照射することで、樹脂を架橋させた架橋構造とすることで弾性率及びクリープ性を改善できる。
樹脂に電子線を照射すると高分子鎖にラジカル電子が発生する。このラジカル電子を起点として、架橋反応が進行するらしい。
電子線の照射量が少ないと、十分な架橋が起こらない。また、照射量が多いと、樹脂の架橋反応よりも高分子鎖の切断が律速になり、熱可塑性樹脂の劣化が進む。そこで、電子線照射量を10kGy〜1000kGy(kGyは電子線照射の単位:1Gy=1J/kg)とする(加速電圧は、100kV〜1000kV)を照射することで、熱可塑性樹脂にラジカルが発生し、ラジカル反応により架橋構造を採る。
熱可塑性樹脂の種類によっては、架橋反応が進行し難いものがある。このため、架橋反応を補完するために架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤は、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートおよびこれらのうちいずれか2種以上の混合物からなる群から選択されるものを用いるのが好ましい。
[熱可塑性樹脂]
中間転写ベルト材料として用いられる熱可塑性樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、熱可塑性ポリアミド(PA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、熱可塑性ポリアセタール(POM)、熱可塑性ポリアリレート(PAR)、熱可塑性ポリカーボネート(PC)、熱可塑性ウレタン、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂やポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂等を好適に用いることができる。また、ポリアルキレンテレフタレート樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、グリコール変性PET(PETG)樹脂やポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を好適に用いることができる。また、ポリエステル系樹脂を主成分とするポリマーブレンドとしては、上記ポリアルキレンナフタレート樹脂およびポリアルキレンテレフタレート樹脂のうちいずれか2種以上のポリマーブレンドや、これらのうちのいずれか1種以上とポリエステル系エラストマー、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリシクロヘキシレン・ジメチレン・テレフタレート(PCT)樹脂、グリコール変性PCT(PCTG)樹脂等とのポリマーブレンドなどを好適に用いることができる。かかるポリエステル系エラストマーとしては、ハードセグメントおよびソフトセグメントにポリエステルを用いたポリエステル−ポリエステル型のもの、並びに、ハードセグメントおよびソフトセグメントにポリエーテルを用いたポリエステル−ポリエーテル型のものの双方を好適に用いることができ、特に制限されるものではない。
フッ素樹脂としては、特に限定するものではないが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体〔以下「Poly(VdF−TFE)」と略す〕、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等が用いられる。
[電気特性]
中間転写ベルトの電気特性のひとつとして、体積抵抗率を半導電性領域に制御する必要がある。中間転写ベルトとして、体積抵抗率が10^6〜10^10(Ω・cm)、より好ましくは、10^6〜10^8(Ω・cm)範囲にある必要がある。このとき表面抵抗率が10^6〜10^10(Ω/□)の範囲にあることが好ましい。また、体積抵抗率≦表面抵抗率の関係にあることが好ましい。
体積抵抗率及び表面抵抗率が下限値を超えると、トナーとの静電的な付着力が向上し、2次転写効率を下げることになる。また、上限値を超えると、印加した転写バイアスによりベルトに誘起された電荷が除電されず、画像メモリなど画像品質に影響を与える。
さらに体積抵抗率>表面抵抗率の関係になると、画像エッジが滲んだようになりシャープな画質が得られない。
[抵抗調整剤]
樹脂ベルトの体積・表面の抵抗率を調整するには、電子導電性の材料を添加する必要があり、中間転写ベルト材料では、耐久性や使用環境での安定性を考慮して、電子導電性を示す材料を用いることが好ましい。また、本発明においては、電子導電材の他、イオン導電材を少量併用することも可能である。本来のイオン導電機能に合わせて、電子導電材を樹脂中に分散する際、イオン導電材が電子導電材の分散剤として機能するといった効果が期待できる。
これら電子導電性微粒子を熱可塑性樹脂中に添加し、分散させることで、半導電性樹脂材料を得ることができる。しかしながら、熱可塑性樹脂に導電性微粒子を添加し、導電性を付与した場合、抵抗率が印加するバイアスに依存するといった問題が発生する。ベルト材の抵抗率の印加バイアス依存性が大きいと細線のチリ、ベタ画像部のボソツキといった画像品位に悪影響を及ぼす。
本発明では、半導電性樹脂の10V、1000V印加時の体積(表面)抵抗率ρv10、ρV1000としたとき、0≦Log(ρv10)−Log(ρv1000)が≦2の範囲に入るように、導電性材料の分散状態を制御し電気特性を調整する。
[分散状態の制御方法]
熱可塑性樹脂では、熱をかけることで樹脂を溶融状態でせん断力によりカーボンブラックなど導電性微粒子を分散する方法が主な方法として考えられが、微分散且つ均一分散するには、より多くの熱量とせん断力を付与することで達成できる。しかしながら、このように多くの熱量とせん断エネルギを加えることで、熱可塑性樹脂の高分子鎖が切断されたり、結晶領域まで導電性微粒子が侵入したりすることで、半導電性材料の弾性率やTgの低下を引き起こすことが新たな課題となることが、本発明において判った。
架橋剤としては、電子線の照射により架橋反応を発現させうるものであれば特に制限されるものではないが、好適には、アリル系多官能モノマーを用いる。かかるアリル系多官能モノマーとしては、具体的には例えば、前記のように、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(DA−MGIC)などが挙げられ、中でもDA−MGICは、少量で架橋効果が発現するため好適である。また、他の架橋剤としては、多官能(メタ)アクリル系モノマーとして、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレートおよびこれらの混合物を用いることもできる。これらは所望に応じ、1種を単独で使用しても、いずれか2種以上の混合物として使用してもよく、その好適配合量としては、樹脂成分100重量部に対し0.5〜15重量部、特には、2〜10重量部程度である。配合量が多すぎると、外観不良や強度低下に繋がるため好ましくない。
[電子導電剤]
電子導電剤としては、特に制限されるものではなく、公知のものを適宜用いることができる。具体的には例えば、ケッチェンブラック,アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラ−(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属および金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、カーボンウイスカー、黒鉛ウイスカー、炭化チタンウイスカー、導電性チタン酸カリウムウイスカー、導電性チタン酸バリウムウイスカー、導電性酸化チタンウイスカー、導電性酸化亜鉛ウイスカー等の導電性ウイスカー等が挙げられる。
[イオン導電剤]
また、イオン導電剤としては、具体的には例えば、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。
これら導電剤は、1種を単独で用いても、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよく、例えば、電子導電剤とイオン導電剤とを組み合わせて用いることもでき、この場合、印加される電圧の変動や環境の変化に対しても安定して導電性を発現させることができる。
電子導電剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対して、通常100重量部以下、例えば1〜100重量部、特には1〜80重量部、とりわけ10〜50重量部である。
また、イオン導電剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、特には0.05〜5重量部の範囲である。本発明においては特に、導電剤としてカーボンブラックを用いて、これを樹脂成分100重量部に対し、5〜30重量部にて配合することが好ましい。
[導電性材料の分散]
樹脂材料への導電性材料の分散は、樹脂材料に導電性材料を濡らす工程、導電性材料をせん断力により微分散化する工程からなる。樹脂材料に導電性材料を濡らす工程では、樹脂の溶融粘度を適切にすることで樹脂材料と導電性材料の濡れ性を改善したり、樹脂性材料と導電性材料の相溶性を向上させたりする方法が挙げられる。
本発明では、樹脂と導電性材料に熱をかけながら混錬することで導電性材料を分散する。
分散する際に温度は、樹脂のTg以上が好ましく、より溶融状態になる温度で混錬することがより好ましい。
一般に、熱可塑性樹脂に導電性材料を溶融混練する場合、凝集した導電性材料に高剪断力を加え、導電性材料を破壊し、微細化して、溶融した樹脂中へ導電性材料を均一に分散させる。溶融粘度を下げ過ぎると、濡れ性は更に向上するが導電性材料を微分散化するためのせん断力の低下が課題となる。本発明においては、こういった課題に対して、溶融粘度が低い状態で高せん断力を発生させることができる分散機を用いることが好ましい。
このような高剪断力を発生させる混練機としては、石臼機構を利用したものや、同方向2軸押出機でスクリューエレメント中に高剪断力のかかるニーディングディスクを導入したものが挙げられる。また、加圧ニーダーのような、高剪断力がかからなくて、時間を掛けて分散が達成できるものや、単軸押出機において特殊なミキシングエレメントを使用することなどが挙げられる。
樹脂材料と導電性材料の相溶性を向上させる方法としては、導電性材料の表面を処理する方法や樹脂材料と導電性材料の濡れ性を改善する分散剤、イオン導電剤などを添加する方法が挙げられる。導電性材料の表面処理は、分散工程の前に予め処理しておく方法や分散工程で表面処理を同時進行させながら微分散化していく方法などが挙げられる。さらに、樹脂材料を体積平均粒子径が100μm〜1000μm程度に常温あるいは凍結状態で粗粉砕し導電性材料と混合した後、溶融混錬する方法が挙げられる。
[ベルトの成形方法]
成形法は、環状ダイスよりベルト材料を押出してベルト成形する押出し成形方法やインフレーション成形方法が好ましい。
[電子線照射]
本発明の導電性材料への電子線照射は、押出し成形後に照射されることが好ましい。溶融押出し成形の直後、本発明の導電性材料が溶融状態で不活性ガス(具体的にはN2ガス)雰囲気下において電子線の照射を行う。
電子線の照射量は、10kGy〜500kGyの範囲が好ましい。10kGyよりも少ない電子線照射量だと十分な架橋効果を得られない。また、500kGyを超えて電子線照射は、破断伸度の低下によりベルト割れの原因になる。
[電気特性の測定方法]
本発明における電気特性の測定では、電子線照射後の中間転写ベルト材を用いた。サンプルとなる中間転写ベルトを50mm□のシートのシートに切り出し、同サイズの銅製のプレートに挟み込んで測定した。
電圧は、高圧電源 MODEL 609E−6 : トレック・ジャパン製を用いて、ファンクションジェネレータ (WF1946B:WAVE FACTORY社製)で、所定の電圧(10V−1000V)の矩形波パルス(周期100ms−1000ms)電圧出力し、このときの電流値をオシロスコープ(DL1640L 横河電機社製)で計測し、V−Iの関係、ベルトの面積、厚みから体積抵抗率を求めた。
[機械特性(ベルト伸び、弾性率、クリープ)の測定方法]
本発明における機械特性の測定では、シートサンプルをスーパーダンベルカッターSDMK−1000−D(株式会社ダンベル製)でJIS K−7127のダンベル形状で打ち抜いてダンベルサンプルを作製し、精密万能試験機オートグラフ AG−X(島津製作所製)用いて、歪み−応力曲線から、ベルトの引張強度、ベルト伸長率及び破断伸度の測定を行った。また、クリープ評価では、ダンベルサンプル3Nの張力になるまで伸長し、3Nの張力のまま12H保持させ、その後、脱力させることでヒステリシスループを作成し、このヒステリシスの大きさを測定した。以下、図4に、熱可塑性樹脂に電子線照射した前後のヒステリシスループを示した。グラフより電子線照射によって、ヒステリシスロスが軽減していることがわかる。
[画像形成装置及び画像形成方法]
本発明に係るプリンタの基本的な構成例について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、電子写真方式の画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
まず、タンデム型の画像形成装置の基本的な構成について説明する。この画像形成装置は、静電荷像担持体として4つの感光体ドラム(1Y、1C、1M、1K)を備えている。
なお、ここではドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体ドラム(1Y、1C、1M、1K)は、それぞれ中間転写ベルト(10)に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体ドラム(1Y、1C、1M、1K)は、それぞれ中間転写ベルト(10)に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体ドラム(1Y、1C、1M、1K)は、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、さらにその感光層の上に保護層を形成したものであり、また、感光層と保護層との間に中間層を設けてもよい。
感光体ドラム(1)の表面には、図3に示した露光装置(4)によって露光されて各色に対応した静電荷像が形成される。この露光装置(4)は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体ドラム(1)に対して各色に対応した静電荷像を書き込む。なお、本実施形態の露光装置(4)は、レーザ方式の露光装置であるが、LEDアレイと結像手段からなる露光装置などの他の方式の露光装置を採用することもできる。
現像装置(5)は、図3に示したトナーボトル(31Y、31C、31M、31K)から、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル(31)は、それぞれが単体で交換できるように、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。このような構成とすることで、トナーエンド時にはトナーボトル(31)だけを交換すればよい。したがって、トナーエンド時に寿命が到来していない他の構成部材をそのまま利用することができる。
図3に示す転写装置(6)における中間転写ベルト(10)は、3つの張架ローラ(11、12、13)に張架されており、図中矢印の方向に無端移動する構成となっている。
この中間転写ベルト(10)上には、各感光体ドラム(1Y、1C、1M、1K)上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャーを用いた構成もあるが、ここでは転写チリの発生が少ない1次転写ローラ(14Y、14C、14M、14K)を用いた構成を採用している。具体的には、各感光体ドラム(1)と接触する中間転写ベルト(10)の部分の裏面に、それぞれ転写装置(6)としての1次転写ローラ(14)を配置している。ここでは、各1次転写ローラ(14)により押圧された中間転写ベルト(10)の部分と各感光体ドラム(1)とによって、1次転写ニップ部が形成される。そして、各感光体ドラム(1)上のトナー像を中間転写ベルト(10)上に転写する際には、各1次転写ローラ(14)に正極性のバイアスが印加される。これにより、各1次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体ドラム(1)上のトナー像は、中間転写ベルト(10)上に静電的に付着し、転写される。
中間転写ベルト(10)の周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置(15)が設けられている。このベルトクリーニング装置(15)は、中間転写ベルト(10)の表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレードで回収する構成となっている。なお、回収した不要トナーは、ベルトクリーニング装置(15)内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送される。
また、支持ローラ(13)に張架された中間転写ベルト(10)の部分には、2次転写ローラ(16)が接触して配置されている。この中間転写ベルト(10)と2次転写ローラ(16)との間には2次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録部材としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、露光装置(4)の図中下側にある給紙カセット(20)内に収容されており、給紙ローラ(21)、レジストローラ対(22)等によって、2次転写ニップ部まで搬送される。そして、中間転写ベルト(10)上に重ね合わされたトナー像は、2次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。この2次転写時には、2次転写ローラ(16)に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト(10)上のトナー像が転写紙上に転写される。
2次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置(23)が配置されている。この加熱定着装置(23)は、ヒータを内蔵した加熱ローラ(23a)と、圧力を加えるための加圧ローラ(23b)とを備えている。2次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ(24)によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
(転写工程の説明)
図3に示す各プロセスユニットの下方には、転写部が配設されている。この転写部は、無端状の中間転写ベルト(10)を、複数の張架ローラ(11、12、13)によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。複数の張架ローラ(11、12、13)とは、具体的には、従動ローラ、駆動ローラ及びテンションローラのことである。
また、1次転写ローラ(14)は、金属製の芯金にスポンジ等の弾性体が被覆されたローラであり、感光体ドラム(1)に向けて押圧されて、中間転写ベルト(10)を挟み込んでいる。そして、感光体ドラム(1Y、1M、1C、1K)と中間転写ベルト(10)とにより、ベルト移動方向に沿って、Y、M、C、K用の1次転写ニップが形成されている。
1次転写ローラ(14)の芯金には、図示しない転写バイアス電源によって定電流制御される1次転写バイアス電圧が印加されている。これにより、1次転写ローラ(14)を介して中間転写ベルト(10)の裏面に転写電荷が付与され、各1次転写ニップにおいて中間転写ベルト(10)と感光体ドラム1との間に転写電界が形成される。なお、本プリンタにおいて、1次転写手段として1次転写ローラ(14)が設けられているが、ローラに代えて、ブラシやブレード等のものを用いてもよい。また、転写チャージャーなどを用いてもよい。
各色の感光体ドラム(1)上に形成されたY、M、C、Kトナー像は、各色の1次転写ニップで中間転写ベルト(10)上に重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト(10)上には4色重ね合わせトナー像が形成される。
中間転写ベルト(10)における2次転写ニップ部裏側ローラに対する掛け回し箇所には、2次転写ローラ(16)がベルト表面側から当接しており、これによって2次転写ニップ部が形成されている。この2次転写ローラ(16)には、図示しない電源や配線からなる電圧印加手段によって2次転写バイアスが印加されている。これにより、2次転写ローラ(16)と接地された2次転写ニップ部裏側ローラとの間に2次転写電界が形成されている。中間転写ベルト(10)上に形成された4色重ね合わせトナー像は、ベルトの無端移動に伴って2次転写ニップ部に進入する。
感光体ドラム(1)上に形成されたトナー像を中間転写ベルト(10)に転写させる場合、感光体ドラム(1)と中間転写ベルト(10)は、圧接していることが好ましい。このときの圧接力は、10〜60N/mの範囲にあることが好ましい。
[トナー]
本発明に用いるトナーとしては、少なくとも樹脂、着色剤、及び添加剤からなるトナーを用いることができる。製法は、粉砕法や重合法などが挙げられる。本発明に用いられるトナーはその他材料に関しては公知のものが全て利用可能である。
本発明で用いるトナー平均粒子径は、4μm以上8μm未満の範囲にあることが好ましい。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。非相溶となる組合せとしては、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体とポリエステルやエポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂のように特性の大きく異なる樹脂の組合せや、同一樹脂系でも分子量分布が大きく異なるものや置換基の大きく異なる組合せ、でも得ることができる。
このようなエポキシポリオール樹脂としては、例えば、特願平5−119826号記載の、(i)エポキシ樹脂例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂と、(ii)2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物若しくはそのグリシジルエーテルと、(iii)エポキシ基と反応する活性水素と、を分子中に1個有する化合物を反応してなるポリオール(A)、及び(i)のエポキシ樹脂と(ii)の2価フェノールと(iii)のエポキシ基と反応する活性水素とを分子中に1個有する化合物を反応してなるポリオール(B)、を挙げることができる。
着色剤としては公知の染料及び顔料を全て使用することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラセンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物を使用することができる。使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
トナーには、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものを全て使用することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及びサリチル酸誘導体の金属塩を使用することができる。
本発明において帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。より好ましくは、2〜5重量部の範囲がよい。0.1重量部未満では、トナーの負帯電が不足し実用的でない。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、キャリアや帯電部材との静電的吸引力の増大のため、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
また、その他の添加剤として例えば、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、その他の金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマーを含有してもよい。
[外添剤]
本発明においては、トナー粒子表面を外添剤により被覆することにより、トナー粒子に適度な流動性と帯電性を付与すると共に、クリーニング性の向上や感光体帯電部材等の接触部材からのストレスを緩和できることが望ましく、トナー表面の外添剤被覆率は、好ましくは5〜99%、さらに好ましくは10〜99%である。
このような外添剤としては、例えば、金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫及び酸化亜鉛、窒化物(窒化硅素)、炭化物(炭化硅素)、金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び炭酸カルシウム)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウム)、カーボンブラック及びシリカが挙げられる。これら外添剤は、トナー粒子100重量部に対し、好ましくは0.01〜10重量部が用いられ、より好ましくは0.05〜5重量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても、また、複数併用してもよい。疎水化処理を行ったものが、より好ましく用いることができる。
本発明に用いられる無機微粒子としては、特に帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上のため、少なくとも1種はシリカ、アルミナ、チタニア、又はこれらの複酸化物の中から選ばれる微粒子であることが好ましい。その中でも、特にシリカであることがより好ましい。シリカは、硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されるいわゆる乾式シリカ(ヒュームドシリカ)、及びアルコキシド水ガラスから製造されるいわゆる湿式シリカの両者を使用することが可能である。表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO、SOの如き製造残滓の少ない乾式シリカの方がより好ましい。乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
本発明に用いる無機微粒子の粒子径は、5〜200nm程度のものを適選用いることができる。
本発明に用いられる外添剤(無機微粒子)には、必要に応じ、疎水化、帯電性制御等の目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能期を有するシランカップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化合物の如き処理剤を単独であるいは併用して用いることも可能である。高い帯電量を維持し、低消費量及び高転写率を達成するためには、無機微粉体は少なくともシリコーンオイルで処理されていることがさらに好ましい。
これら外添剤は、母体トナーと混合機にて攪拌混合し、母体表面に機械的に付着させる。
混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサー(株式会社カワタ社製)、リボコーン(株式会社大川原製作所製)、ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン株式会社製)、スパイラルピンミキサー(太平洋機工株式会社製)、レーディゲミキサー(株式会社マツボー社製)が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の説明は、本発明に対する理解を容易にするためのものであって、本発明を制限するためのものではない。
以下の各例における「部」は別段の断りないかぎり「重量部」を表わす。
ポリプロピレン樹脂(ノバテックFA3EB:日本ポリプロ株式会社製)100重量部に(融点169℃)に導電性カーボンブラック(デグサ社製)8重量部を添加し、ニーダーで150℃にて30分、混錬後、さらに2本ロールを用いて30分間カーボンブラックの分散を行い、ペレタイザーでペレット化することで導電性ペレットを得た。このペレットを用いて押出し成形を行い、厚さ100μmのシームレスベルトを作製した。
作製したシームレスベルトのカーボンブラックの分散状態をSTEM(日立ハイテック社製 S−4800)で観察すると、図5のように、均一な分散状態が確認できた。
また、このときのベルトの電気特性をハイレスタUP MCP−HT450型((株)ダイアインスツルメンツ製)で測定したところ、Log(ρv200)=7.3、(Log(ρv10)−Log(ρv1000)の値は、1.4であった。
実施例1では、温度55℃の条件で、NHVコーポレーション社製の電子線照射装置(EBC−300−60)を用いて、加速電圧300kV、30kGyの電子線照射を行った。
実施例1と同様、ポリプロピレン樹脂(ノバテックFA3EB:日本ポリプロ株式会社製)100重量部に(融点169℃)に導電性カーボンブラック(デグサ社製)8重量部を添加し、ニーダーで150℃にて30分、混錬後、さらに2本ロールを用いて30分間カーボンブラックの分散を行い、ペレタイザーでペレット化することで導電性ペレットを得た。このペレットを用いて押出し成形機を行い、厚さ100μmのシームレスベルトを作製した。
作製したシームレスベルトのカーボンブラックの分散状態をSTEM(日立ハイテック社製 S−4800)で観察すると、実施例1の場合と同様(視野範囲での観察では実際は、実施例1と同等以上)、均一な分散状態が確認された。
実施例2では、温度55℃の条件で、NHVコーポレーション社製の電子線照射装置(EBC−300−60)を用いて、加速電圧300kV、180kGyの電子線照射を行った。
実施例1と同様、ポリプロピレン樹脂(ノバテックFA3EB:日本ポリプロ株式会社製)100重量部に(融点169℃)に導電性カーボンブラック(デグサ社製)8重量部を添加し、ニーダーで150℃にて30分、混錬後、さらに2本ロールを用いて30分間カーボンブラックの分散を行い、ペレタイザーでペレット化することで導電性ペレットを得た。このペレットを用いて押出し成形機を行い、厚さ100μmのシームレスベルトを作製した。
作製したシームレスベルトのカーボンブラックの分散状態をSTEM(日立ハイテック社製 S−4800)で観察すると、実施例2の場合と同様、均一な分散状態が確認できた。
実施例3では、温度55℃の条件で、NHVコーポレーション社製の電子線照射装置(EBC−300−60)を用いて、加速電圧300kV、500kGyの電子線照射を行った。
フッ素系樹脂(PVDF)(KF#1000;MFR=8g/10分 クレハ社製)100重量部に導電性カーボンブラック(デグサ社製)8重量部、さらには、イオン導電剤(テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩 広栄化学社製)1重量部を添加し、ニーダーで150℃にて80分、混錬後、さらに2本ロールを用いて60分間カーボンブラックの分散を行い、ペレタイザーでペレット化することで導電性ペレットを得た。このペレットを用いて押出し成形を行い、厚さ100μmのシームレスベルトを作製した。
作製したシームレスベルトのカーボンブラックの分散状態をSTEM(日立ハイテック社製 S−4800)で観察すると図6のように均一な分散状態が確認できた。また、このときのベルトの電気特性をハイレスタUP MCP−HT450型((株)ダイアインスツルメンツ製)で測定したところ、Log(ρv200)=8.4、(Log(ρv10)−Log(ρv1000)の値は、1.2であった。
実施例4では、温度55℃の条件で、NHVコーポレーション社製の電子線照射装置(EBC−300−60)を用いて、加速電圧300kV、30kGyの電子線照射を行った。
実施例4と同様にフッ素系樹脂(PVDF)(KF#1000;MFR=8g/10分 クレハ社製)100重量部に導電性カーボンブラック(デグサ社製)8重量部、イオン導電剤(テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩 広栄化学社製)1重量部を添加し、ニーダーで150℃にて80分、混錬後、さらに2本ロールを用いて60分間カーボンブラックの分散を行い、ペレタイザーでペレット化することで導電性ペレットを得た。このペレットを用いて押出し成形機を行い、厚さ100μmのシームレスベルトを作製した。
作製したシームレスベルトのカーボンブラックの分散状態をSTEM(日立ハイテック社製 S−4800)で観察すると実施例4の場合と同じように、均一な分散状態が確認できた。また、このときのベルトの電気特性をハイレスタUP MCP−HT450型((株)ダイアインスツルメンツ製)で測定したところ、Log(ρv200)=8.4、(Log(ρv10)−Log(ρv1000)の値は、1.2であった。
実施例5では、温度80℃の条件で、NHVコーポレーション社製の電子線照射装置(EBC−300−60)を用いて、加速電圧300kV、180kGyの電子線照射を行った。
実施例4と同様にフッ素系樹脂(PVDF)(KF#1000;MFR=8g/10分 クレハ社製)の100重量部に導電性カーボンブラック(デグサ社製)8重量部、イオン導電剤(テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩 広栄化学社製)1重量部を添加し、ニーダーで150℃にて80分、混錬後、さらに2本ロールを用いて60分間カーボンブラックの分散を行い、ペレタイザーでペレット化することで導電性ペレットを得た。このペレットを用いて押出し成形機を行い、厚さ100μmのシームレスベルトを作製した。
作製したシームレスベルトのカーボンブラックの分散状態をSTEM(日立ハイテック社製 S−4800)で観察すると実施例5の場合と同様な、均一な分散状態が確認できた。また、このときのベルトの電気特性をハイレスタUP MCP−HT450型((株)ダイアインスツルメンツ製)で測定したところ、Log(ρv200)=8.4、(Log(ρv10)−Log(ρv1000)の値は、1.2であった。
実施例6では、温度55℃の条件で、NHVコーポレーション社製の電子線照射装置(EBC−300−60)を用いて、加速電圧300kV、180kGyの電子線照射を行った。
フッ素系樹脂(PVDF)(KF#1000;MFR=8g/10分 クレハ社製)100重量部に導電性カーボンブラック(デグサ社製)8重量部、イオン導電剤(テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩 広栄化学社製)1重量部を添加し、さらに架橋剤としてトリアリルイソシアヌレート(TAIC:日本化薬製)を0.5重量部添加し、ニーダーで150℃にて80分、混錬後、さらに2本ロールを用いて60分間カーボンブラックの分散を行い、ペレタイザーでペレット化することで導電性ペレットを得た。このペレットを用いて押出し成形機を行い、厚さ100μmのシームレスベルトを作製した。
作製したシームレスベルトのカーボンブラックの分散状態をSTEM(日立ハイテック社製 S−4800)で観察すると実施例2及び実施例3の場合とほぼ同様な、均一な分散状態が確認できた。また、このときのベルトの電気特性をハイレスタUP MCP−HT450型((株)ダイアインスツルメンツ製)で測定したところ、Log(ρv200)=8.4、(Log(ρv10)−Log(ρv1000)の値は、1.2であった。
実施例7では、NHVコーポレーション社製の電子線照射装置(EBC−300−60)を用いて、加速電圧300kV、30kGyの電子線照射を行った。
フッ素系樹脂(PVDF)(KF#1000;MFR=8g/10分 クレハ社製)100重量部に導電性カーボンブラック(デグサ社製)8重量部、イオン導電剤(テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩 広栄化学社製)1重量部を添加し、さらに架橋剤としてトリアリルイソシアヌレート(TAIC:日本化薬製)を0.5重量部添加し、ニーダーで150℃にて80分、混錬後、さらに2本ロールを用いて60分間カーボンブラックの分散を行い、ペレタイザーでペレット化することで導電性ペレットを得た。このペレットを用いて押出し成形機を行い、厚さ100μmのシームレスベルトを作製した。
作製したシームレスベルトのカーボンブラックの分散状態をSTEM(日立ハイテック社製 S−4800)で観察すると実施例7の場合と同様な、均一な分散状態が確認できた。また、このときのベルトの電気特性をハイレスタUP MCP−HT450型((株)ダイアインスツルメンツ製)で測定したところ、Log(ρv200)=8.4、(Log(ρv10)−Log(ρv1000)の値は、1.2であった。
実施例8では、NHVコーポレーション社製の電子線照射装置(EBC−300−60)を用いて、加速電圧300kV、180kGyの電子線照射を行った。
[比較例1]
ポリプロピレン樹脂(ノバテックFA3EB:日本ポリプロ株式会社製)100重量部に(融点169℃)に導電性カーボンブラック(デグサ社製)8重量部を添加し、ニーダーで150℃にて30分、混錬後、さらに2本ロールを用いて30分間カーボンブラックの分散を行い、ペレタイザーでペレット化することで導電性ペレットを得た。このペレットを用いて押出し成形機を行い、厚さ100μmのシームレスベルトを作製した。
作製したシームレスベルトのカーボンブラックの分散状態をSTEM(日立ハイテック社製 S−4800)で観察すると実施例1の場合とほぼ同様に、均一な分散状態が確認できた。また、このときのベルトの電気特性をハイレスタUP MCP−HT450型((株)ダイアインスツルメンツ製)で測定したところ、Log(ρv200)=7.3、(Log(ρv10)−Log(ρv1000)の値は、1.4であった。
比較例1では、電子線照射を行わなかった。
[比較例2]
作製したシームレスベルトのカーボンブラックの分散状態をSTEM(日立ハイテック社製 S−4800)で観察すると、比較例1の場合と同様に、均一な分散状態が確認できた。
比較例2では、NHVコーポレーション社製の電子線照射装置(EBC−300−60)を用いて、加速電圧300kV、640kGyの電子線照射を行った。
[比較例3]
ポリプロピレン樹脂(ノバテックFA3EB:日本ポリプロ株式会社製)100重量部に(融点169℃)に導電性カーボンブラック(デグサ社製)8重量部を添加し、ニーダーで150℃にて10分、混錬後、さらに2本ロールを用いて15分間カーボンブラックの分散を行い、ペレタイザーでペレット化することで導電性ペレットを得た。このペレットを用いて押出し成形機を行い、厚さ100μmのシームレスベルトを作製した。
作製したシームレスベルトのカーボンブラックの分散状態をSTEM(日立ハイテック社製 S−4800)で観察すると図7のような不均一な分散状態が確認できた。また、このときのベルトの電気特性をハイレスタUP MCP−HT450型((株)ダイアインスツルメンツ製)で測定したところ、Log(ρv200)=11.6、(Log(ρv10)−Log(ρv1000)の値は、2.4であった。
比較例3では、温度55℃の条件で、NHVコーポレーション社製の電子線照射装置(EBC−300−60)を用いて、加速電圧300kV、180kGyの電子線照射を行った。
[中間転写ベルトの実機による評価]
実施例1〜実施例8及び、比較例1〜比較例3の中間転写ベルトを市販のプリンタ(IPSiO SP C220:株式会社リコー製)に装着し、画像評価を行った。結果を表1に記載する。
(細線のチリ)
市販のプリンタで、普通紙(T6200:株式会社リコー製)に約200μm間隔の細線の画像出力を行い、細線の画像評価を光学顕微鏡で目視観察し、細線の状態にトナーの飛散りなどの乱れがない場合を○、トナーの飛散りが認められるが細線の状態に乱れがない場合を△、トナーの飛散りが認められ、かつ細線の状態に乱れが認められる状態を×として評価を行った。
(クリープ性)
φ20mmSUSローラにシート片(20mm×50mm)を巻きつけて高温−高湿保管(50℃/90%:48h)後、室温におけるカール状態を評価し、弦の距離/50mm×100が75%以上であるものを○、65%以上、75%以下であるものを○△、50%以上、65%以下であるものを△、50%以下のものを×として評価した。さらに、本評価で○△以上の評価となるシート片については、市販プリンタを用いた画像評価において、画像ムラや画像欠損の無い良好な画像が得られることを確認した。
(ベルトの割れ)
市販のプリンタ(IPSiO SP C220:株式会社リコー製)にベルトを装着し、普通紙(T6200:株式会社リコー製)に10k枚の印字を行いベルトの端部を目視観察した。このとき、ベルト端部に割れや亀裂が認められない場合を○、ベルト端部に割れや亀裂が認める場合を×として評価を行った。
Figure 0005679152
(図3について)
1、1Y、1C、1M、1K 感光体ドラム
10 中間転写ベルト
3,3Y、3C,3M、3K 帯電装置
4、4Y、4C、4M、4K 露光装置
5、5Y、5C、5M、5K 現像装置
31、31Y、31C、31M、31K トナーボトル
6 転写装置
11 張架ローラ(従動ローラ)
12 張架ローラ(駆動ローラ)
13 張架ローラ(支持ローラ)
14,14Y、14C、14M、14K 1次転写ローラ
15 ベルトクリーニング装置
16 2次転写ローラ
20 給紙カセット
21 給紙ローラ
22 レジストローラ対
23 加熱定着装置
23a 加熱ローラ
23b 加圧ローラ
24 排紙ローラ
特開2009−25625号公報 特開2007−65587号公報 特許第3821600号公報 特開2008−239947号公報

Claims (8)

  1. 少なくとも熱可塑性樹脂の架橋反応物と導電性微粒子とを含む導電性樹脂から構成される中間転写体用ベルト部材であって、該ベルト部材は、少なくとも、熱可塑性樹脂及び導電性微粒子とを含む材料を押出し成型後、前記材料中の熱可塑性樹脂がガラス転移点以上の温度を維持した状態で、電子線の照射を行って得られたものであり、かつ下記(i)及び(ii)の2つの式、
    (i)6≦log(ρv200)≦10
    (ii)0≦Log(ρv10)−Log(ρv1000)が≦2
    (ここで、ρVは、200V印加時のベルト部材の体積抵抗率を表わし、ρv10、ρV1000は、それぞれ、10V、1000V印加時のベルト部材の体積抵抗率を表わす。)
    を満足することを特徴とする中間転写体用ベルト部材。
  2. 前記導電性微粒子が平均一次粒子径5nm〜50nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体用ベルト部材。
  3. 前記導電性微粒子がカーボンブラック、黒鉛、天然グラファイト、人造グラファイト、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅等の金属および金属酸化物のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の中間転写体用ベルト部材。
  4. 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写体上のトナー像を被記録媒体上に転写する二次転写手段と、該被記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置に使用される中間転写ベルトであって、
    前記中間転写ベルトが請求項1乃至3のいずれかに記載の中間転写体用ベルト部材を用いたことを特徴とする中間転写ベルト。
  5. 少なくとも、像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像とする現像手段と、像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に転写する一次転写手段と、中間転写体上のトナー像を被記録媒体上に転写する二次転写手段と、該被記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置であって、
    前記中間転写ベルトが請求項4に記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  6. 中間転写体用ベルト部材の製造方法であって、該中間転写体用ベルト部材は、少なくとも熱可塑性樹脂の架橋反応物と導電性微粒子とを含む導電性樹脂から構成される中間転写体用ベルト部材であって、該ベルト部材は、下記(i)及び(ii)の2つの式、
    (i)6≦log(ρv200)≦10
    (ii)0≦Log(ρv10)−Log(ρv1000)が≦2
    (ここで、ρVは、200V印加時のベルト部材の体積抵抗率を表わし、ρv10、ρV1000は、それぞれ、10V、1000V印加時のベルト部材の体積抵抗率を表わす。)を満足するものであり、
    少なくとも熱可塑性樹脂、導電性微粒子とを含む導電性樹脂材料を溶融混練する工程、
    該溶融混練物を押出し成形する工程、該押出し成形後、前記材料中の熱可塑性樹脂がガラス転移点以上の温度を維持した状態で、電子線照射する工程とを含むことを特徴とする中間転写体用ベルト部材の製造方法。
  7. 少なくとも熱可塑性樹脂、導電性微粒子、架橋剤とを含む導電性樹脂材料を溶融混練する工程、該溶融混練物を押出し成形する工程、該押出し成形後、前記材料中の熱可塑性樹脂がガラス転移点以上の温度を維持した状態で、電子線照射する工程とを含み、該架橋剤がトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートおよびこれらのうちいずれか2種以上の混合物からなる群から選択される架橋剤であることを特徴とする請求項6に記載の中間転写体用ベルト部材の製造方法。
  8. 電子線照射量が、10kGy〜500kGyであることを特徴とする請求項7に記載の中間転写体用ベルト部材の製造方法。
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