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JP5680331B2 - 感光性樹脂組成物及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板 - Google Patents
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感光性樹脂組成物及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、ハロゲンフリーでありながら難燃性を有し、燃焼時に臭化水素やダイオキシン類のような有害ガスを発生することなく、耐熱性、耐屈曲性、密着性、難燃性に優れたアルカリ現像型の感光性樹脂組成物及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板に関する。
基板上にスクリーン印刷等の方法によって形成した配線パターンを外部環境から保護したり、電子部品をプリント配線板に表面実装する際に行われるはんだ付け工程において、不必要な部分にはんだが付着しないように保護したりするために、カバーコート又はソルダーマスクと呼ばれる保護膜が用いられている。この保護膜はプリント配線板上を被覆して保護機能を発揮する。
このような保護膜の材料として、例えば、熱硬化型ソルダーレジストにはエポキシ樹脂組成物が用いられていたが、エポキシ樹脂は燃焼しやすいことからそのまま用いることが困難であった。そこで、樹脂組成物に難燃性を付与するために、ハロゲン系難燃剤を添加したり、骨格に臭素を含有する臭素化エポキシ樹脂を用いたりしてきた(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、最も代表的な臭素系難燃剤であるデカブロモジフェニルオキサイドが、焼却時に有毒な臭素化ジベンゾオキサイドとフランを生成することが報告されて以来、臭素系難燃剤全体に対する安全性が疑われるようになってきた。また、これまでの臭素系難燃剤を使用した樹脂の焼却時には、ダイオキシン類のような有毒ガスが発生し、焼却時、廃棄時の環境負荷が大きいものであった。
さらに、近年、環境問題への対応から、臭素系難燃剤の代わりに有機リン系難燃剤が用いられるようになってきた。しかし、この有機リン系難燃剤も、難燃特性がそれほど優れているわけではなく、樹脂組成物に同等の難燃性を付与しようする場合には、臭素系難燃剤と比較して、添加量を多くしなければならず、組成物の特性劣化やブリード等の問題を抱えている。
そのような特性を改善するために、特定の構造を有する化合物を用いた樹脂系材料を用いることで難燃性を改良することも検討されているが、未だ十分な特性を有するものは得られていない(例えば、特許文献2および3参照。)。
特開平9−54434号公報 特開2001−72835号公報 特開2007−147720号公報
上記のような欠点のない無機系の難燃剤を用いる技術も検討されており、その中でも、とりわけ水酸化アルミニウム(Al(OH))は、構造水に富んで難燃効果に優れるばかりか耐酸性や耐アルカリ性にも優れ、コスト面でも有利であることから汎用されている。この水酸化アルミニウムの難燃特性については、脱水がおよそ200℃から徐々に始まり、230℃から250℃辺りで一気に脱水することが知られている。しかし、これをプリント基板に用いた場合、電気基板上にハンダ付けするときの環境温度は230℃近辺になるため、水酸化アルミニウムがその時点で脱水してしまい、電気基板の歩留まりを低下させることがあった。
このような状況のなか、脱水温度の高い他の無機系の難燃剤を用いることも考えられる。しかし、例えば、ベーマイト(AlO(OH))は、500℃前後に脱水のピークがあり、その点では有利であるが、構造水が少ないため脱水量が少ないという問題があった。また、水酸化マグネシウム(Mg(OH))は、脱水温度のピークが約380℃と高いものであるが、アルカリ性が強く、合成樹脂を劣化させ易いばかりか、耐酸性に欠けるため、例えば、酸に触れる環境では使用できないほか、電子機器部品などにおいて酸でエッチングする際に溶けやすいという欠点があった。また、湿度の高い状況では水酸化マグネシウムが空気中の炭酸ガスを吸収して塩基性炭酸塩に変わり、難燃剤の水酸化マグネシウムを含む樹脂表面に白化現象が起こり、ひいては製品の特性に影響を与えてしまうという欠点を有している。
そこで、本発明の目的は、樹脂組成物の難燃化にハロゲン系難燃剤を用いずに、高水準の難燃性を備え、可塑性、解像性、はんだ耐熱性、耐湿性、耐薬品性等に優れた被膜を形成できるアルカリ現像型の感光性樹脂組成物及びそれを用いたフレキシブルプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような課題を解決するために鋭意検討した結果、アルカリ現像型の感光性熱硬化型樹脂組成物中に、ハロゲン含有化合物の代わりに、耐熱処理された水酸化アルミニウムとリン化合物とを併用することで上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)1分子中に(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基とを有し、希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分と、(B)エポキシ基を有する熱硬化成分と、(C)耐熱性水酸化アルミニウムと、(D)リン系難燃剤と、(E)光重合開始剤と、(F)希釈剤と、を含有することを特徴とするものである。
また、本発明のフレキシブルプリント配線板は、ポリイミド層と銅層、又はポリイミド層と接着層と銅層とから構成されるフレキシブルプリント配線板であって、前記フレキシブルプリント配線板の表面に、本発明の感光性樹脂組成物により形成された樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の感光性樹脂組成物により、臭素化エポキシ樹脂やハロゲン系難燃剤を用いなくても、高水準の難燃性を備え、可塑性、解像性、はんだ耐熱性、耐湿性、耐薬品性等に優れた被膜を形成することができる。
また、本発明のフレキシブルプリント配線板は、上記の優れた特性を有する感光性樹脂組成物を用いているため、その樹脂組成物の燃焼時に問題とされていた臭化水素やダイオキシン類のような有毒ガスが発生しないため、環境負荷を少なくすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分は、1分子中に(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基とを有し、希アルカリ溶液に可溶なものである。この成分は、紫外線等の活性エネルギー線が照射されることで後述する(E)光重合開始剤から発生するラジカルによって、分子中の(メタ)アクリロイル基が重合し、その結果として樹脂組成物を不溶化させる働きを有するものである。
このような(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分としては、例えば、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸をエステル化反応させてアクリル変性し、さらに酸無水物を付加して得られるエポキシアクリレート化合物(例えば、エポキシアクリレートオリゴマー)が挙げられる。
このエポキシアクリレート化合物の原料としてのエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を用いることができ、特に一般的なビスフェノール型エポキシ樹脂等を好ましく用いることができる。また、原料としての(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの混合物を用いることができる。さらに、原料としての酸無水物としては、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等を使用することができ、中でも特に無水コハク酸又は無水フタル酸であることが好ましい。
また、(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分には、ポリオール化合物と分子中に2個の無水物を有する多塩基酸無水物と分子中に1個のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるカルボキシル基含有ウレタン化合物(例えば、カルボキシル基含有ウレタンオリゴマー)を使用することも可能である。
本発明の(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分は、50〜200mgKOH/gの範囲の酸価を有することが好ましく、(A)希アルカリ溶液に可溶な成分としての樹脂成分の酸価が50mgKOH/gに満たないと、アルカリ溶解性が低下してアルカリ現像が困難となり、200mgKOH/gを超えると、アルカリ現像型フォトレジストとして使用した場合に現像時の膜減りが大きくなり、解像度が著しく低下するおそれがある。この(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分の酸価としては、80〜150mgKOH/gの範囲であることがより好ましいものである。
この(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分の配合量としては、本発明の感光性樹脂組成物全体に対して20〜70質量%であることが好ましい。
本発明で用いる(B)エポキシ基を有する熱硬化成分は、分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物、すなわち一般的にエポキシ樹脂といわれるものであれば特に限定せずに用いることができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラックに代表されるグリシジルエーテル類、テトラグリシジルアミノジフェニルメタンやテトラグリシジルアミノジフェニルスルフォンに代表されるグリシジルアミン類などの公知のエポキシ樹脂が挙げられる。このとき、(B)熱硬化成分のエポキシ当量は130g/eq〜1500g/eqであることが好ましい。エポキシ当量がこのような範囲となることで、難燃性等の特性がより優れた感光性樹脂組成物を得ることができる。
これらの熱硬化成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、この(B)エポキシ基を有する熱硬化成分の配合量としては、(A)樹脂成分 100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましい。
また、この(B)エポキシ基を有する熱硬化成分には、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性を一層向上させるために、エポキシ樹脂硬化剤を併用することが好ましい。このようなエポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、2MZ、2E4MZ、C11Z、C17Z、2PZ、1B2MZ、2MZ−CN、2E4MZ−CN、C11Z−CN、2PZ−CN、2PHZ−CN、2MZ−CNS、2E4MZ−CNS、2PZ−CNS、2MZ−AZINE、2E4MZ−AZINE、C11Z−AZINE、2MA−OK、2P4MHZ、2PHZ、2P4BHZ等のイミダゾール誘導体(以上、四国化成工業株式会社製、商品名);アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩及び/又はエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等の三級アミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類、トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類、前記多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート、イルガキュア−261(チバ・ガイギー社製、商品名)、オプトマーSP−170(旭電化株式会社製、商品名)等の光カチオン重合触媒;スチレン−無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物やトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物等の公知慣用の硬化剤類又は硬化促進剤類を単独又は2種以上混合して用いることができる。
ここでエポキシ樹脂硬化剤の配合量は、(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分 100質量部に対して、0.01〜25質量部であることが好ましく、0.1〜15質量部であることが特に好ましい。
本発明に用いる(C)耐熱性水酸化アルミニウムは、高温域での水熱処理、あるいは水蒸気雰囲気下での加圧、加熱によっても、ベーマイト化が抑制され、十分な脱水量を保持しつつ脱水温度が高められた水酸化アルミニウムであり、具体的には、1質量%脱水温度が255℃以上であり、全脱水量が30質量%以上のものをいう。ここで、1質量%脱水温度とは、樹脂中の水酸化アルミニウム全質量に対して、1質量%の構造水が脱水するときの温度のことをいい、全脱水量とは、樹脂中の水酸化アルミニウムに含まれる構造水が全て脱水したとき、樹脂中の(脱水前の)水酸化アルミニウム全質量に対する構造水の脱水量を質量%で表わしたものいう。
ここで、(C)耐熱性水酸化アルミニウムは、水酸化アルミニウムに、ベーマイト化を遅延させる反応遅延剤を混合したものを原料とし、これを水熱処理または水蒸気雰囲気下で、加圧、加熱することにより製造することができる。
ここで、水熱処理とは、水酸化アルミニウムと反応遅延剤の混合物に飽和水蒸気量以上となる水を加え、オートクレーブなどの圧力容器を用いて加熱処理を行うこと(以下、これを湿式処理ということがある)をいう。また、水蒸気雰囲気下で加圧、加熱することによる処理とは、水酸化アルミニウムと反応遅延剤の混合物に水を加えないで、あるいは飽和水蒸気量以下の水を加えてオートクレーブなどの圧力容器を用いて加圧、処理を行うこと(以下、乾式処理ということがある)をいう。本発明の耐熱性水酸化アルミニウムは、水酸化アルミニウムと、ベーマイト化を遅延させる反応遅延剤とを混合した原料に水を加えることなく、圧力容器内で加熱することにより製造できる。原料に水を加えることなく圧力容器内で加熱するとは、原料に水を加えず且つ加熱で原料の水酸化アルミニウムの一部が脱水し水蒸気化する以外に水蒸気を発生させないで加熱処理を行うことをいう(以下、乾式処理ということがある)。また、前記の水蒸気による蒸気圧の他、外部から圧力容器内に圧縮空気を送り込み加圧しても良い。
反応遅延剤とは、湿式処理あるいは乾式処理する場合において水酸化アルミニウムのベーマイト化を遅延させ、高い熱履歴(水酸化アルミニウムが100%ベーマイト化してしまうような高い処理温度と長い処理時間)の下でもベーマイト化率の低い、あるいはベーマイト化しない水酸化アルミニウムの製造を可能とする物質である。一般に水酸化アルミニウムを湿式処理あるいは乾式処理すると比較的低い熱履歴(通常、乾式処理では、160℃/3時間、湿式処理(水/水酸化アルミニウム質量比=3)では170℃/10時間、さらに同様に湿式処理(水/水酸化アルミニウム質量比=3)で水酸化ナトリウムを添加する場合(水酸化ナトリウム/水酸化アルミニウムモル比=1/12)では170℃/3時間))でもほぼ100%ベーマイト化してしまう。しかし、本発明における反応遅延剤を用いると、高い熱履歴、例えば215℃で10時間湿式処理しても、あるいは乾式処理しても、水酸化アルミニウムのベーマイト化率を十分に抑制することができ、脱水温度を著しく高めることができる。
この脱水温度を高める機序については、(1)高い熱履歴により水酸化アルミニウムの結晶が再配列し、Al−O結合が強くなること、(2)高い熱履歴により水酸化アルミニウムの極微量が溶解析出し、水酸化アルミニウムの表面が滑らかになり、脱水開始箇所が減ること(脱水の機序は、水酸化アルミニウム表面の亀裂(欠陥)から開始され、脱水することで更に亀裂が大きくなり、その後の脱水が連鎖的に生ずる)、であると推測される。
湿式処理あるいは乾式処理における処理温度は、170℃以上300℃以下、好ましくは200℃以上250℃以下で行うことができる。処理温度が低いと脱水温度を十分に高められなくなり、処理温度は高いほど熱履歴が高くなるため好ましいが、高すぎるとベーマイト化が進行しやすくなるため反応を抑制する反応遅延剤の量を増加させなければならなくなるほか、処理中の圧力が非常に高くなりオートクレーブ装置が実用的でなくなってしまう。また、湿式処理あるいは乾式処理における処理時間は、1時間以上24時間以下、好ましくは5時間以上10時間以下で行うことができる。処理時間が短いと脱水温度を十分に高められなくなり、処理時間は長いほど熱履歴が高くなり好ましいが、長すぎるとベーマイト化が進行しやすくなるため反応を抑制する反応遅延剤の量を増加させなければならなくなる。
反応遅延剤は、上記の定義に該当するものであれば特に限定されないが、硫酸、硝酸、リン酸、テトラフルオロホウ酸、リン酸水素2アンモニウム、ビスリン酸2水素ナトリウム・1水和物、リン酸2水素ナトリウム、メタリン酸カリウムなどの無機酸又はその塩、酢酸、コハク酸、乳酸、フマル酸、酒石酸などの有機酸又はその塩、シリカ、シランカップリング剤、ホワイトカーボン、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、ケイフッ化カリウム、フッ化アルミニウム、フライアッシュ、珪藻土、シロキサンなどの珪素化合物、フッ素化合物などを例示できる。フッ素化合物とは、フッ素元素を含む化合物を広く包含するものを意味し、前記のテトラフルオロホウ酸は無機酸であると同時にフッ素化合物でもあり、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、ケイフッ化カリウムは珪素化合物であると同時にフッ素化合物でもある。これらの反応遅延剤の中でも、珪素化合物及びフッ素化合物が好ましく、さらに非晶質のシリカ、ホワイトカーボン、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、ケイフッ化カリウム、フッ化アルミニウム、テトラフルオロケイ酸がより好ましい。珪素化合物及びフッ素化合物は、同じ処理条件でも他の酸等に比べ、脱水温度が高くなり好ましい結果を示すのは、これらの化合物が反応遅延効果のみならず、水酸化アルミニウム表面にガラス化層の形成促進もしくは水酸化アルミニウム表面に被覆層を形成する効果があり、加熱脱水時にはこれら層を破って脱水する必要があるため、脱水温度が上昇するものと推測される。また、2以上の反応遅延剤を併用することもできる。
水酸化アルミニウムに混合する反応遅延剤の量は、水酸化アルミニウム100質量部に対して0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.3〜3質量部が最も好ましい。0.05質量部より少ないと十分に水酸化アルミニウムのベーマイト化を抑制できなくなり、10質量部より多いと水酸化アルミニウムに反応遅延剤が不純物として混入する虞がある。また、たとえ不純物として実害が無くとも10質量部より多くなると相対的に脱水量が減少してしまう。なお、難燃剤の分野では水酸化アルミニウム難燃剤にリン系や窒素系、その他の無機系難燃剤を混合し相乗効果を出すことは良く行われており、これを目的に添加剤を添加する場合は、この範囲を超えることもあり得る。
本発明で用いる耐熱性水酸化アルミニウムは、高い熱履歴で水酸化アルミニウムのベーマイト化を抑制することにより脱水温度を高め、しかも十分な脱水量を保持させることができるものであり、従来の脱水温度と脱水量の相反する関係を大きく改善するものである。より具体的には、1質量%脱水温度は、水熱処理されない水酸化アルミニウムが約210〜230℃であるのに対して、本発明の耐熱性水酸化アルミニウムによれば245℃以上、多くが250℃以上となり、しかも十分な脱水量を保持している。
本発明で用いる(C)耐熱性水酸化アルミニウムは、部分的にベーマイト化が進み、水酸化アルミニウムとベーマイトの混在したものをも包含するもので、好ましくは全脱水量が30質量%以上のもの、より好ましくはベーマイト化率を14%以下とし全脱水量が32質量%以上のもの、最も好ましくはベーマイト化率を0%とし全脱水量が35質量%のものである。
また、本発明の耐熱性アルミニウムは、1質量%脱水温度が255℃以上で、かつ、全脱水量が30質量%以上であることが好ましく、この場合、原料の水酸化アルミニウムの平均粒径が2.5μm以下であることが好ましい。
ここで、(C)耐熱性水酸化アルミニウムの配合量は、(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分 100質量部に対して、1〜50質量部の範囲で含有することが好ましい。
本発明に用いる(D)リン系難燃剤としては、従来難燃性として公知の有機リン化合物を使用することができ、例えば、ホスファゼン化合物、リン酸メラミン化合物、ビフェニルホスフェート化合物、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(DOPO)誘導体等の有機リン化合物を挙げることができる。なかでも、ホスファゼン化合物とDOPO誘導体であることが好ましく、両者を併用することがより好ましい。
ここで、ホスファゼン化合物としては、難燃剤として公知のホスファゼン化合物を使用することができ、例えば、次の一般式(1)、(2)で表されるホスファゼンオリゴマー
Figure 0005680331
Figure 0005680331
(但し、式中、R1 及びR2 は、それぞれ水素原子又はハロゲンを含まない1価の有機基であり、nは3〜10の整数である。)を挙げることができ、このとき、R1 及びR2 の1価の有機基としてはフェニル基、アルキル基、アミノ基、アリル基等の基が好ましいものとして挙げられる。また、一般式(1)の末端基としては、水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、シアネート基等が挙げられる。
より好ましいホスファゼン化合物としては、プロポキシホスファゼンオリゴマー、フェノキシホスファゼンオリゴマー、シアネートフェニルホスファゼンオリゴマー、シアノフェノキシホスファゼンオリゴマー、メチルフェノキシホスファゼンオリゴマー等のホスファゼンオリゴマーが挙げられる。
これらホスファゼン化合物としては、さらに、含有耐熱性、耐湿性、難燃性、耐薬品性等の観点からは、熱分解温度が250℃以上、もしくは、融点80℃以上であるホスファゼン化合物を好ましく使用することができる。このホスファゼン化合物は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
また、DOPO誘導体としては、ラジカル重合性基である(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、リン原子は光重合時に硬化物のマトリックスに取り込まれる。そのため可とう性及び耐熱性を損ねることなく難燃性を付与することができる。
このDOPO誘導体としては、例えば、次の一般式(3)で表わされる化合物
Figure 0005680331
(但し、式中、R3 はHまたはCHである。)を挙げることができる。
このDOPO誘導体は、例えば、特開平7−48394号公報に記載されている、次の製造方法により得ることができる。
まず、次の一般式(4)で表される化合物
Figure 0005680331
と(メタ)アクリル酸でエステル化する事によって得られる。更に詳しく説明するならば、(メタ)アクリル酸の使用量は一般式(4)で表される化合物に対して、化学量論比以上に使用されるのが通常であり、一般にアルコールに対するカルボン酸のモル比は1.0〜2.0であるが好ましくは1.1〜1.5である。反応はエステル化触媒を使用し、生成する水は留去する事により促進される。このようなエステル化触媒は、硫酸、P−トルエンスルホン酸等の酸性触媒であり、その使用量はアクリル酸またはメタクリル酸に対して0.1〜10モル%、好ましくは1〜5モル%使用される。
反応により生成した水を留去するのには共沸溶剤を用いるのが有利であり、このような共沸溶剤は60〜130℃の沸点を有し、水と分離し易いものなら使用できるがn−ヘキサン、n−ヘプタンのような脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素、シクロヘキサンのような脂環式炭化水素が適している。その使用量は、通常、反応混合物の5〜70質量%である。反応温度は、60〜130℃の範囲でよいが、反応時間の短縮と重合防止の点から、75〜120℃で行われるのが有利である。
(メタ)アクリル酸には既に重合防止剤が添加されているのが普通であるが、反応時に改めて重合防止剤を添加してもよい。そのような重合防止剤には、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、α−ニトロソ−β−ナフトール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−キノン、フェノチアジン、N−ニトロソジフェニルアミン、銅塩等が挙げられる。その使用量は通常反応混合物に対して0.01〜1質量%である。本発明の(メタ)アクリル酸エステルは、必要に応じて水またはアルカリ水溶液等で洗浄したり、減圧蒸留のような方法で溶剤と分離したりする事によって、工業的用途に使用される。
これらの(D)リン系難燃剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。また、この(D)リン系難燃剤の配合量は、(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分 100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましい。ここで、ホスファゼン化合物を用いる場合には、1〜50質量部であることが好ましく、1〜30質量部とすることがより好ましく、DOPO誘導体を用いる場合には、5〜50質量部であることが好ましい。さらに、ホスファゼン化合物とDOPO誘導体を併用する場合には、(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分 100質量部に対して合わせて5〜40質量部とすることが好ましい。
本発明に用いる(E)光重合開始剤は、紫外線等の活性光線の照射により活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、増感剤等の公知慣用の光重合開始剤である。
このような活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4´−ジクロロベンゾフェノン、4,4´−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、この(E)光重合開始剤は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤を単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
この(E)光重合開始剤を複数種組み合わせて用いる場合には、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・ガイギー社製、商品名:イルガキュア−907)と2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬株式会社製、商品名:カヤキュアーDETX)、2−イソプロピルチオキサントン又は4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイドとの組み合わせ等が好ましいものとして挙げることができる。
ここで(E)光重合開始剤の配合量は、(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分 100質量部に対して、1〜50質量部の範囲であることが好ましい。
本発明に用いる(F)希釈剤としては、有機溶剤及び/又は光重合性モノマーを使用することができ、例えば、この有機溶剤としては、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げることができる。
一方、光重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール、これらのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のε−カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類、メラミン(メタ)アクリレート等が挙げられる。この(F)希釈剤は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
この(F)希釈剤の配合量は、(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分 100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、10〜80質量部であることが特に好ましい。
この希釈剤の使用目的としては、光重合性モノマーの場合は、(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分を希釈し、塗布しやすい状態まで粘度を調整すると共に、光重合性を増強するものであり、有機溶剤の場合は、(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分を溶解し希釈して、塗布しやすい状態まで粘度を調整すると共に、液状で塗布した後、乾燥させることによって造膜せしめるものである。したがって、用いる希釈剤の種類に応じて、フォトマスクを塗膜に接触させる接触方式又は非接触方式のいずれかの露光方式を選択するものである。
本発明の感光性樹脂組成物には、以上説明した成分の他に、さらに、密着性、硬度等の特性を向上する目的で、必要に応じて、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、雲母粉等の公知慣用の無機充填剤を使用することができる。
この無機充填剤の使用量は、本発明の感光性樹脂組成物全体に対して0〜60質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることが特に好ましい。
さらに、必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の公知慣用の着色剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の公知慣用の重合禁止剤、アスベスト、オルベン、ベントン、モンモリロナイト等の公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤、レベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤等のような公知慣用の添加剤を用いることができる。
また、アクリル酸エステル等のエチレン性不飽和化合物の共重合体類や多価アルコール類と多塩基酸化合物から合成されるポリエステル樹脂類等の公知慣用のバインダー樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性オリゴマー類等のソルダーレジストとしての諸特性に影響を及ぼさない範囲で用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記説明した必須の(A)〜(F)の各成分に加え、必要に応じてその他の成分を添加・配合した後、三本ロールミル等で均一に混合することによって製造することができる。
また、本発明のフレキシブルプリント配線板は、ワニス状である本発明の感光性樹脂組成物を、ポリイミドフィルムの片面又は両面に銅箔を熱ロールで貼り合わせ、配線パターンを形成したフレキシブルプリント配線板上に塗布し、その後、加熱硬化するという通常の方法によりフレキシブル銅張積層板を製造し、必要であれば穴あけスルーホールメッキを施したり、所定箇所に穴をあけたカバーレイを重ねて加熱加圧成形したりするという通常の方法で製造することもできる。
さらに、このフレキシブルプリント配線板に熱硬化性樹脂組成物を介して補強板を重ね合わせ、加熱加圧成形するという通常の方法で補強板付きフレキシブルプリント配線板を製造することができる。
また、本発明のフレキシブルプリント配線板に熱硬化性樹脂組成物を介してフレキシブル銅張積層板等を重ね合わせ、加熱加圧成形し、スルーホールを形成し、スルーホールメッキを行った後、所定の回路を形成するという通常の方法により多層フレキシブルプリント配線板を製造することができる。
次に、実施例及び比較例を用いて本発明について説明する。なお、実施例及び比較例のそれぞれで用いた各成分の配合量については表1に示した。
(実施例1)
エポキシアクリレート化合物としてカヤラッド ZFR1122(日本化薬株式会社製、商品名) 54.0質量部、希釈剤として光重合性モノマーであるカヤラッド DPHA(日本化薬株式会社製、商品名) 6.5質量部、光重合開始剤としてダロキュア TPO(チバ・ガイギー社製、商品名;光重合開始剤1) 4.5質量部及びイルガキュア 184(チバ・ガイギー社製、商品名;光重合開始剤2) 2.0質量部、次の化学式(5)で表わされるDOPO誘導体 6.6質量部
Figure 0005680331
、熱硬化成分としてビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート YL612H) 13.0質量部、硬化剤としてイミダゾール系重合触媒(四国化成工業株式会社製、商品名:2E4MZ) 1.3質量部及びメラミン 1.3質量部、耐熱性水酸化アルミニウム(河合石灰工業株式会社製、商品名:ALH;1質量%脱水温度 260℃、全脱水量35質量%) 6.5質量部、フタロシアニンブルー 1.3質量部、微粉シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名:アエロジルR972) 3.3質量部並びにホスファゼン化合物としてフェノキシホスファゼンオリゴマー(融点:110℃) 3.3質量部を配合し、3本ロールミルで混練することで感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
(比較例1)
耐熱水酸化アルミニウムの代わりに水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名:H42I、1質量%脱水温度 200℃) 6.5質量部用いた以外は実施例1と同様の配合、操作により感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
(比較例2)
耐熱性水酸化アルミニウムの代わりに球状シリカ(電気化学工業株式会社製、商品名:FB−3SDX) 6.5質量部用いた以外は実施例1と同様の配合、操作により感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
(比較例3)
ビフェニル型エポキシ樹脂の代わりに臭素化エポキシ樹脂(大日本インキ株式会社製、商品名:エピクロン1121) 19.3質量部を用い、DOPO誘導体及びホスファゼン化合物をなくした以外は比較例2と同様の配合、操作により感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
(比較例4)
耐熱性水酸化アルミニウムの代わりに球状シリカ(電気化学工業株式会社製、商品名:FB−3SDX) 6.5質量部を用い、ホスファゼンオリゴマーは使用せず、DOPO誘導体を10.0質量部とした以外は実施例1と同様の配合、操作により感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
(比較例5)
耐熱性水酸化アルミニウムの代わりに球状シリカ(電気化学工業株式会社製、商品名:FB−3SDX) 6.5質量部を用い、DOPO誘導体は使用せず、ホスファゼンオリゴマーを10.0質量部とした以外は実施例1と同様の配合、操作により感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
(比較例6)
DOPO誘導体及びホスファゼン化合物を使用せず、耐熱性水酸化アルミニウムを16.4質量部とした以外は実施例1と同様の配合、操作により感光性熱硬化型樹脂組成物を製造した。
上記実施例1及び比較例1で使用した水酸化アルミニウムの1質量%脱水温度は、JIS K 0129に準拠し、常温から100℃までは1分間に20℃の昇温、100℃から500℃までは1分間に5℃の昇温条件で熱重量分析を行った。
(試験例)
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を、それぞれスクリーン印刷機により、150メッシュポリエステルスクリーンを用いて、20〜30μmの厚さになるようにパターン形成されている銅張ポリイミドフィルム基板(銅厚18μm/ポリイミドフィルム厚25μm)に全面塗布し、塗膜を80℃の熱風乾燥機で30分間乾燥させた。次に、レジストパターンのネガフィルムを塗膜に接触させて紫外線照射露光装置を用いて、紫外線を照射した(露光量 400mJ/cm)。その後、1質量%濃度の炭酸ナトリウム水溶液を用いて1kgf/cm、1分間スプレーで現像し、未露光部を溶解除去して、さらに150℃×60分の条件で熱硬化させることによって、硬化膜を得た。
この硬化膜について、難燃性、絶縁抵抗、燃焼時のガス発生量、密着性、鉛筆硬度、解像性、はんだ耐熱性、耐薬品性、耐折性を、以下に示す方法及び基準に基づいて測定、評価し、その結果を表1に併せて示した。
Figure 0005680331
[難燃性試験]
UL94難燃性試験に準じて試験を行った。
[絶縁抵抗]
IEC−PB112に準じて試験を行った。
[燃焼時のガス分析]
サンプルを750℃、10分間空気中で燃焼させ、その際に発生するガスを吸収液である水に吸収させてイオンクロマトグラフィにより分析し、発生ガス100g中の臭化水素濃度を算出した。
[密着性]
試験基板の硬化膜表面にJIS D 0202に準じて100升にクロスカットした試験片についてセロハンテープによるピーリング試験を行い、剥れた枚数を調べた。
[鉛筆硬度]
JIS K 5400に準じて測定した。
[解像性]
電子顕微鏡を用い、基板上でアルカリ現像したときの開口状態を確認した。
[はんだ耐熱性]
260℃のはんだ浴上に、試験片を1分間浮かべ、膨れの有無を観察し、次の基準により評価を行った。この試験は、同一の試験片について2回行い、その結果をそれぞれ表に示した。
◎…膨れなし、○…一部膨れ有り、×…全部膨れ有り
[耐薬品性]
10質量%硫酸、10質量%水酸化ナトリウム水溶液、イソプロピルアルコール、メタノール、メチルエチルケトンのそれぞれについて、試験片を室温で30分間浸漬し、外観を確認した。
○…外観に変化なし、×…外観に変化有り
[耐折性]
JIS C 6471に準じ、MIT耐折性試験機により、R=0.8mm、荷重4.9Nでレジストのクラックが発生するまでの回数を測定した。
この結果から、本発明の感光性熱硬化型樹脂組成物は、いずれの特性においても従来の臭素化エポキシ樹脂、ハロゲン系難燃化剤を用いた組成物と比較して遜色なく、燃焼時の問題とされていた臭化水素が発生しないという優れた特性を有することがわかった。

Claims (4)

  1. (A)1分子中に(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基とを有し、希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分と、
    (B)エポキシ基を有する熱硬化成分と、
    (C)1質量%脱水温度が255℃以上であり、かつ、全脱水量が30質量%以上である耐熱性水酸化アルミニウムと、
    (D)リン系難燃剤と、
    (E)光重合開始剤と、
    (F)希釈剤と、
    を含有し、
    前記(D)リン系難燃剤が、ホスファゼン化合物とDOPO誘導体とを併用したものであって、かつ、
    前記(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分 100質量部に対して、前記(C)耐熱性水酸化アルミニウムを1〜50質量部、前記(D)リン系難燃剤を5〜40質量部、含有することを特徴とするアルカリ現像型の感光性樹脂組成物。
  2. 前記(C)耐熱性水酸化アルミニウムが、酸化アルミニウムと、ベーマイト化を遅延させる反応遅延剤とを混合したものを原料として、水熱処理すること、あるいは水蒸気雰囲気下で加圧、加熱することにより製造されてなることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(A)希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分 100質量部に対して、前記(B)エポキシ基を有する熱硬化成分 1〜100質量部、前記(E)光重合開始剤 1〜50質量部、前記(F)希釈剤 1〜100質量部を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の感光性熱硬化型樹脂組成物。
  4. ポリイミド層と銅層、又はポリイミド層と接着剤層と銅層から構成されるフレキシブルプリント配線板であって、
    前記フレキシブルプリント配線板の表面に、請求項1乃至3のいずれか1項記載の感光性樹脂組成物により形成された樹脂層を有することを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
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