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JP5685857B2 - 熱可塑性樹脂シート - Google Patents
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JP5685857B2 - 熱可塑性樹脂シート - Google Patents

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Description

本発明は、主としてポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂から形成される熱可塑性樹脂シートに関する。
過去に、プレス・スルー・パックシート(以下「PTPシート」という)等の包装シートの耐衝撃性を補う目的で、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂に対してゴム成分を添加する(例えば、特開平7−76641号公報の段落[0204]等参照)等の提案がなされている。
特開平7−76641号公報
ところで、PTPシートには、耐衝撃性以外にも例えば、耐カール性、分割性等が要求される。しかしながら、現在、耐衝撃性、耐カール性、分割性を十分に兼ね備えるPTPシートを製造するのは困難であった。
本発明の課題は、優れた耐衝撃性、耐カール性および分割性を兼ね備える熱可塑性樹脂シートを提供することである。
(1)
本発明の一局面に係る熱可塑性樹脂シートは、熱可塑性樹脂を主成分として形成される熱可塑性樹脂シートであって、エネルギー付与部を落錘装置とし、ストライカーの落下速度を2.7m/sとし、ストライカーの質量を3.5kgとし、ストライカーの先端径をφ20mmとし、試験片クランプの内径をφ40mmとし、試験温度を23±2℃としたJIS K7124−2準拠の衝撃試験により測定された全貫通エネルギーが2.0J以上であり、かつ、ストライカーの接触開始時点から破壊に至るまでに要する時間(以下「破壊時間」という)が5.0ミリ秒以上20.0ミリ秒以下である。なお、全貫通エネルギーが上記の通りであると、本熱可塑性樹脂シートが例えばPTPシート成形用シートであるときにそのPTPシートに角割れが生じるのを防止することができる。また、破壊時間が上述の範囲内であると、耐衝撃性に優れ、本熱可塑性樹脂シートが例えばPTPシート成形用シートであるときにそのPTPシートに角割れが生じるのを抑制することができると共に、PTPシートの耐カール性や分割性を良好に保つことができる。また、例えば、本熱可塑性樹脂シートがPTPシート成形用シートである場合においてその分割性を良好に確保するためには、全貫通エネルギーは10.0J以下であるのが好ましい。全貫通エネルギーは、4.0J以上10.0J以下であるのがより好ましく、5.5J以上10.0J以下であるのがさらに好ましく、7J以上10J以下であるのがさらに好ましく、8J以上10.0J以下であるのがさらに好ましい。破壊時間は、9.0ミリ秒以上13.0ミリ秒以下であるのがより好ましく、10.0ミリ秒以上12.0ミリ秒以下であるのがさらに好ましい。
本願発明者の鋭意検討の結果、上記条件を満たす熱可塑性樹脂シートは優れた耐衝撃性、耐カール性および分割性を兼ね備えることが明らかとなった。
このため、この熱可塑性樹脂シートは、優れた耐衝撃性、耐カール性および分割性を兼ね備える。
なお、この熱可塑性樹脂シートは、試験温度を0±2℃とした場合においても、全貫通エネルギーが2.0J以上であり、かつ、破壊時間が5.0ミリ秒以上20.0ミリ秒以下であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂シートは、低温保管用にも使用することができる。なお、試験温度を0±2℃とした場合の全貫通エネルギーは4.0J以上8.0J以下であるのがより好ましく、5.0J以上8.0J以下であるのがさらに好ましく、6.0J以上8.0J以下であるのがさらに好ましく、7.0J以上8.0J以下であるのがさらに好ましい。また、試験温度を0±2℃とした場合の破壊時間は8.0ミリ秒以上10.0ミリ秒以下であるのがより好ましく、9.0ミリ秒以上10.0ミリ秒以下であるのがより好ましい。
(2)
上述の熱可塑性樹脂シートにおいて、熱可塑性樹脂は半結晶性の熱可塑性樹脂であるのが好ましい。なお、このとき、熱可塑性樹脂は、X線回折法により測定される結晶化度が10%以上40%以下であるのが好ましい。なお、この結晶化度は、10%以上35%以下であるのがより好ましい。
本願発明者の鋭意検討の結果、このような熱可塑性樹脂シートは、良好な透明性を保持しつつ、耐衝撃性に優れることが明らかとなった。
このため、この熱可塑性樹脂シートは、透明性が良好であり、かつ、耐衝撃性に優れる。したがって、この熱可塑性樹脂シートがPTPシート成形用シートである場合、そのPTPシートにおける薬剤等の視認性を良好に保つことができると共に、PTPシートの角割れを抑制することができる。
(3)
上述の熱可塑性樹脂シートにおいて、熱可塑性樹脂には主成分としてポリプロピレン樹脂が含有されるのが好ましい。
本願発明者の鋭意検討の結果、このような熱可塑性樹脂シートは、良好な透明性を保持しつつ、耐衝撃性に優れ、さらに、コストを低く抑えたままで製造することができることが明らかとなった。
このため、この熱可塑性樹脂シートは、透明性が良好であり、耐衝撃性に優れるにもかかわらず、コストを低く抑えたままで製造することができる。したがって、この熱可塑性樹脂シートがPTPシート成形用シートである場合、そのPTPシートにおける薬剤等の視認性を良好に保つことができると共に、PTPシートの角割れを抑制することができ、さらにPTPシートのコストを低く抑えることができる。
(4)
上述の熱可塑性樹脂シートにはオレフィン系エラストマーが含有されるのが好ましい。具体的には、オレフィン系エラストマーが熱可塑性樹脂にブレンドされるのが好ましい。なお、オレフィン系エラストマーは、α−オレフィン系の熱可塑性エラストマーである。オレフィン系エラストマーとしては、例えば、プロピレン−1−ブテン共重合体が好ましい。また、このプロピレン−1−ブテン共重合体は、メタロセン触媒存在下で重合されたものであるのが好ましい。
本願発明者の鋭意検討の結果、このような熱可塑性樹脂シートは、耐衝撃性および耐白化性(衝撃が加えられても白く濁らない特性)に優れることが明らかとなった。
このため、この熱可塑性樹脂シートは、耐衝撃性および耐白化性に優れる。したがって、この熱可塑性樹脂シートがPTPシート成形用シートである場合、PTPシートの角割れを抑制することができる。
(5)
上述の熱可塑性樹脂シートにおいて、JIS K7113準拠の引張試験により測定された引張弾性率が50MPa以上2000MPa以下であるのが好ましい。なお、この引張弾性率は、100MPa以上1000MPa以下であるのがより好ましく、650MPa以上1000MPa以下であるのがさらに好ましく、650MPa以上950MPa以下であるのがさらに好ましく、800MPa以上1000MPa以下であるのがさらに好ましく、800MPa以上900MPa以下であるのがさらに好ましく、810MPa以上860MPa以下であるのがさらに好ましい。
本願発明者の鋭意検討の結果、熱可塑性樹脂シートの引張弾性率をこの範囲とすることにより、熱可塑性樹脂シートが適度な柔軟性を維持しつつ良好な耐衝撃性を保持することができることが明らかとなった。
このため、この熱可塑性樹脂シートは、適度な柔軟性を維持しつつ良好な耐衝撃性を保持することができる。
(6)
上述の熱可塑性樹脂シートにおいて、JIS K7136準拠のヘーズ測定方法により測定されたヘーズが40%以下であるのが好ましい。なお、このヘーズは、30%以下であるのがより好ましく、25%以下であるのがさらに好ましく、20%以下であるのがさらに好ましい。また、ヘーズの下限は0%である。
本願発明者の鋭意検討の結果、熱可塑性樹脂シートのヘーズをこの範囲とすることにより、熱可塑性樹脂シートの良好な透明性を保持することができることが明らかとなった。
このため、この熱可塑性樹脂シートは、良好な透明性を保持することができる。したがって、この熱可塑性樹脂シートがPTPシート成形用シートである場合、そのPTPシートにおける薬剤等の視認性を良好に保つことができる。
(7)
上記(1)の熱可塑性樹脂シートは、主として、60重量部以上80重量部以下のプロピレン単独重合体と、15重量部以上35重量部以下のエチレン−プロピレンランダム共重合体と、2重量部以上6重量部以下の石油樹脂と、2重量部以上10重量部以下の熱可塑性エラストマーとから構成されるのが好ましい。なお、この熱可塑性樹脂シートには、本発明の趣旨を損ねない範囲で第三成分が添加されてもかまわない。また、この熱可塑性樹脂シートは、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、石油樹脂および熱可塑性エラストマーのみから構成されてもかまわない。エチレン−プロピレンランダム共重合体中のエチレン含有率は0.1重量%以上35重量%以下であるのが好ましく、0.1重量%以上25重量%以下であるのがより好ましく、0.1重量%以上15重量%以下であるのがさらに好ましく、0.1重量%以上10重量%以下であるのがさらに好ましい。熱可塑性エラストマーは、含有量が2重量部以上4重量部以下であるのがより好ましい。なお、熱可塑性樹脂シートがプロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、石油樹脂および熱可塑性エラストマーのみから構成される場合において熱可塑性エラストマーの含有量を2重量部以上4重量部以下とすると、熱可塑性エラストマーの含有割合は、1.6重量%以上4.9重量%以下となる。
本願発明者の鋭意検討の結果、熱可塑性樹脂シートの組成を上述の通りとすることにより、熱可塑性樹脂シートの成形性も実用上、十分となることが明らかとなった。
このため、この熱可塑性樹脂シートは、耐衝撃性のみならず成形性も実用上、十分となる。
(8)
上記(1)の熱可塑性樹脂シートは、主として、80重量部以上90重量部以下のプロピレン単独重合体と、5重量部以上9重量部以下の石油樹脂と、6重量部以上10重量部以下の熱可塑性エラストマーとから構成されるのが好ましい。なお、この熱可塑性樹脂シートには、本発明の趣旨を損ねない範囲で第三成分が添加されてもかまわない。また、この熱可塑性樹脂シートは、プロピレン単独重合体、石油樹脂および熱可塑性エラストマーのみから構成されてもかまわない。エチレン−プロピレンランダム共重合体中のエチレン含有率は0.1重量%以上35重量%以下であるのが好ましく、0.1重量%以上25重量%以下であるのがより好ましく、0.1重量%以上15重量%以下であるのがさらに好ましく、0.1重量%以上10重量%以下であるのがさらに好ましい。熱可塑性エラストマーは、含有量が7重量部以上9重量部以下であるのがより好ましい。なお、熱可塑性樹脂シートがプロピレン単独重合体、石油樹脂および熱可塑性エラストマーのみから構成される場合において熱可塑性エラストマーの含有量を7重量部以上9重量部以下とすると、熱可塑性エラストマーの含有割合は、6.6重量%以上9.5重量%以下となる。
本願発明者の鋭意検討の結果、熱可塑性樹脂シートの組成を上述の通りとすることにより、熱可塑性樹脂シートの成形性も実用上、十分となることが明らかとなった。
このため、この熱可塑性樹脂シートは、耐衝撃性のみならず成形性も実用上、十分となる。
(9)
本発明の他の局面に係る包装体は、上述の熱可塑性樹脂シートからなる。なお、ここにいう「包装体」とは、例えば、PTPシート、ブリスター包装体、その他医療用包装体などである。
このため、この包装体は、優れた耐衝撃性、耐カール性および分割性を兼ね備える。
本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂シートは、熱可塑性樹脂組成物から形成される。この熱可塑性樹脂組成物は、本実施の形態において、主として、熱可塑性樹脂、石油樹脂および熱可塑性エラストマーから構成される。なお、本発明の実施の形態において、この熱可塑性樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、プレス・スルー・パック包装体、ブリスター包装体等の用途を考慮すると、0.15mm以上0.6mm以下の範囲であるのが好ましく、0.15mm以上0.5mm以下の範囲であるのがより好ましく、0.2mm以上0.4mm以下の範囲であるのがより好ましい。
以下、この熱可塑性樹脂組成物の構成成分について詳述する。
<熱可塑性樹脂組成物の成分の詳細>
(1)熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂は、いかなる重合方法(例えば、溶媒重合法、バルク重合法、気相重合法等)で生成されてもかまわない。また、その重合の際、いかなる触媒(例えば、三塩化チタン型触媒、塩化マグネシウム担持型触媒、メタロセン触媒等)が採用されてもかまわない。なお、この熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂シートに剛性を付与すると共に熱可塑性樹脂シートの成形性を良好に保つために使用される。
なお、熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。なお、これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよいし、ブレンドされて用いられてもよい。なお、本実施の形態において、最も好ましい熱可塑性樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレン単独重合体とエチレン−プロピレンランダム共重合体とのブレンド物である。以下、プロピレン単独重合体、プロピレン単独重合体とエチレン−プロピレンランダム共重合体とのブレンド物について詳述する。
プロピレン単独重合体およびエチレン−プロピレンランダム共重合体は、いかなる重合方法(例えば、溶媒重合法、バルク重合法、気相重合法等)で生成されてもかまわない。また、その重合の際、いかなる触媒(例えば、三塩化チタン型触媒、塩化マグネシウム担持型触媒、メタロセン触媒等)が採用されてもかまわない。ただし、プロピレン単独重合体は立体規則性がmmmmm=90%以上であるものが好ましい。なお、プロピレン単独重合体はポリプロピレン系シートに剛性を付与すると共にポリプロピレン系シートの成形性を良好に保つために使用され、エチレン−プロピレンランダム共重合体はポリプロピレン系シートの成形温度幅を広げることを目的として添加される。また、エチレン−プロピレンランダム共重合体中のエチレン含有率は0.1重量%以上35重量%以下の範囲であるのが好ましい。エチレン含有率がこの範囲内であると、ポリプロピレン系シートの剛性および防湿性を著しく低下させることなく、十分な成形温度幅の広がりを確保することができる。
プロピレン単独重合体は、熱可塑性樹脂組成物がプロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、石油樹脂および熱可塑性エラストマーから構成される場合、熱可塑性樹脂組成物に対して54重量%以上80重量%以下の範囲で添加され、熱可塑性樹脂組成物がプロピレン単独重合体、石油樹脂および熱可塑性エラストマーから構成される場合、熱可塑性樹脂組成物に対して80重量%以上90重量%以下の範囲で添加される。プロピレン単独重合体の含有量がこの範囲内であると剛性を著しく低下させることなく、十分な成形温度幅の広がりを確保することができる。
エチレン−プロピレンランダム共重合体は、熱可塑性樹脂組成物がプロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、石油樹脂および熱可塑性エラストマーから構成される場合、熱可塑性樹脂組成物に対して13重量%以上35重量%以下の範囲で添加される。エチレン−プロピレンランダム共重合体の含有量がこの範囲内であると、ポリプロピレン系シートの剛性および防湿性を著しく低下させることなく、十分な成形温度幅の広がりを確保することができる。
(2)石油樹脂
石油樹脂は、熱可塑性樹脂シートの透明性、成形性、防湿性および剛性を向上させるために添加される。石油樹脂は、合成樹脂系のものと天然樹脂系のものに大別することができる。合成樹脂系のものとしては、例えば、脂肪族系の石油樹脂、テルペン樹脂系の石油樹脂、芳香族炭化水素樹脂系の石油樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂系の石油樹脂、水素添加シクロペンタジエン系脂肪族系の石油樹脂、共重合系等の石油樹脂が挙げられる。なお、これらの中でも臭気および透明性の観点から脂環族飽和炭化水素樹脂系が望ましい。
石油樹脂は、熱可塑性樹脂組成物がプロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、石油樹脂および熱可塑性エラストマーから構成される場合、熱可塑性樹脂組成物に対して1.5重量%以上7重量%以下の範囲で添加され、熱可塑性樹脂組成物がプロピレン単独重合体、石油樹脂および熱可塑性エラストマーから構成される場合、熱可塑性樹脂組成物に対して4重量%以上9重量%以下の範囲で添加される。石油樹脂の添加量がこの範囲内であると、厚生省告示第20号に適合すると共に、成形性、防湿性、透明性、剛性、耐衝撃性をバランスよく確保することができる。
(3)熱可塑性エラストマー
熱可塑性エラストマーは、室温において弾性を示す重合物であり、耐衝撃性の向上を目的として添加される。なお、この熱可塑性エラストマーは、いかなる製造方法(例えば乳化重合、溶液重合)で生成されてもかまわない。また、その重合の際、いかなる触媒(例えば過酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化リチウム、ニッケル系触媒)が採用されてもかまわない。
なお、本実施の形態において、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などすべて含まれる)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、ポリイソプレン、ポリクロロブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等全て含む)、スチレン−イソプレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等全て含む)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソブチレン、イソプレン−イソブチレン共重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、エチレン−プロピレン系共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、チオロ−ルゴム、多加硫ゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム(例えば、ポリプロピレンオキシド等)、エピクロルヒドリンゴム等、また、これらのエラストマーに水素添加した重合体、例えば、水添スチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体(SEP、SEPS)が挙げられる。なお、水素添加触媒としては、パラジウム、白金等の貴金属をシリカ、カーボン、ケイソウ土等に担持した触媒、チタン化合物と有機金属化合物(リチウム、アルミニウム等)からなる触媒が用いられる。なお、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、は、スチレン含有率が11重量%以上35重量%以下の範囲であるのが好ましい。スチレン含有率がこの範囲内であると、ポリプロピレン系シートの透明性を保持しながらポリプロピレン系シートの耐衝撃性を向上させることができるからである。
なお、これらの熱可塑性エラストマーの中でもプロピレン−1−ブテン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)が好ましく、オレフィン系エラストマーであるプロピレン−1−ブテン共重合体が特に好ましい。熱可塑性樹脂シートから形成されるプレス・スルー・パック包装体に衝撃を加えても、その衝撃を受けた部分が白化しないためである。
熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂組成物がプロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、石油樹脂および熱可塑性エラストマーから構成される場合、熱可塑性樹脂組成物に対して2重量%以上10重量%以下の範囲で添加されるのが好ましく、2重量%以上5重量%以下の範囲で添加されるのがより好ましい。また、熱可塑性系エラストマーは、熱可塑性樹脂組成物がプロピレン単独重合体、石油樹脂および熱可塑性エラストマーから構成される場合、熱可塑性樹脂組成物に対して5重量%以上10重量%以下の範囲で添加されるのが好ましい。熱可塑性エラストマーの添加量がこの範囲内であると、熱可塑性樹脂シートの剛性および防湿性を著しく低下させることなく、耐衝撃性を十分に向上させることができる。
<熱可塑性樹脂シートの製造方法>
本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂シートは、押出成形により得られたシート状の熱可塑性樹脂組成物をチルロールで急冷することにより得られる。なお、かかる場合、チルロールの温度は、15℃以上30℃以下の範囲に設定されるのが好ましい。このようにシート状の熱可塑性樹脂組成物がチルロールで急冷されることにより、多くの熱可塑性樹脂シートの場合、その結晶化度(X線回折法による)が40%以下に抑制され、透明性のみならず耐衝撃性にも改善がなされる。
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物は熱可塑性樹脂、石油樹脂および熱可塑性エラストマーから構成されていたが、この熱可塑性樹脂組成物には、本発明の趣旨を損ねない範囲で、結晶核剤、安定剤酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、染料、顔料、中和剤、スリップ剤(アンチブロッキング剤)などの添加剤が添加されてもかまわない。
なお、結晶核剤を熱可塑性樹脂組成物に添加すると、熱可塑性樹脂シートの透明性を良好に保ちながら剛性を向上させることができる。なお、結晶核剤としては、特に限定されないが、例えば、ソルビトール系誘導体,ジカルボン酸金属塩,モノカルボン酸の金属塩,芳香族カルボン酸の金属塩および有機リン酸の金属塩等の有機系核剤、ならびに、ポリビニルシクロヘキサン,ポリビニルシクロペンタン,ポリ3−メチルペンテン−1,ポリ3−メチルブテン−1およびアルケニルシラン等の高融点ポリマー核剤等が挙げられる。
また、結晶核剤は、熱可塑性樹脂組成物に対し、0.002重量%以上0.3重量%配合されるのが好ましい。結晶核剤の添加量がこの範囲であると、著しい剛性の低下を効率的に抑制することができる。なお、結晶核剤は熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーの重合時に添加されてもよいし、熱可塑性樹脂組成物の形成時に添加されてもよい。
(B)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、本発明の趣旨を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂シートの少なくとも片側の面に任意の樹脂層が設けられてもかまわない。
<実施例>
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例は単なる例示であって、本発明を限定するものではない。
1.ポリプロピレン系シートの作製
72重量部のプロピレン単独重合体(住友化学株式会社製ノーブレンFS2011DG−2,MFR=2.5,立体規則性:mmmmm=91%)、20重量部のエチレン−プロピレンランダム共重合体(日本ポリプロ株式会社製ノバテックEG7F,MFR=1.3)、5重量部の石油樹脂(荒川化学工業株式会社製アルコンP−125(脂環族飽和炭化水素化合物))および3重量部のプロピレン−1−ブテン共重合体エラストマー(三井化学株式会社製タフマーXM7070)をドライブレンドし、そのドライブレンド物をスクリュー径65mmの押出機に投入して押出機により押出すと共にその押出物をチルロ−ル及び金属製のタッチロ−ルに通してポリプロピレン系シートを作製した。なお、このときのチルロールの熱媒体温度は20℃であった。また、得られたポリプロピレン系シートの厚みは300μmであった。
2.ポリプロピレン系シートの諸物性測定
(1)耐衝撃性
(1−1)計測試験
ポリプロピレン系シートの耐衝撃性は、JIS K7124−2準拠の衝撃試験により測定した。なお、この衝撃試験では、エネルギー付与部を落錘装置とし、ストライカーの落下速度を2.7m/sとし、ストライカーの質量を3.5kgとし、ストライカーの先端径をφ20mmとし、試験片クランプの内径をφ40mmとし、試験温度を23±2℃および0±2℃とした。
本実施例に係るポリプロピレン系シートの23±2℃における全貫通エネルギーは6.0Jであり、ストライカーの接触開始時点から破壊に至るまでに要する時間(以下「破壊時間」という)は9.7ミリ秒であった(表1参照)。また、本実施例に係るポリプロピレン系シートの0±2℃における全貫通エネルギーは4.2Jであり、破壊時間は8.9ミリ秒であった(表1参照)。
(1−2)実用試験
ポリプロピレン系シートを10枚重ねたものの角部に100gの重りを100cmの高さから落下させた後、角部に割れが生じているポリプロピレン系シートの枚数をカウントした。そして、そのカウント数を下記式(I)に代入して、角割れ発生率(%)を算出した。
角割れ発生率(%)=(カウント数/10)x100 (I)
結果を表1に示す。なお、表中「×」は角割れ発生率が30%以上であることを示し、「○」は角割れ発生率が20%以上30%未満であることを示し、「◎」は角割れ発生率が20%未満であることを示している。なお、本実施例に係るポリプロピレン系シートは、「◎」の評価であった(表1参照)。
(2)耐白化性
ポリプロピレン系シートの耐白化性は、以下のようにして評価した。
デュポン衝撃試験機を利用し、1/2インチの球面を持つ撃芯と、その球面に合致する凹みを有する受台との間にポリプロピレン系シートを挟み込み、そのポリプロピレン系シートに対して30cmの高さから300gの重錘を落下させる。そして、重錘落下後のポリプロピレン系シートを取り出し、そのポリプロピレン系シートをリファレンスと比較して白化しているかを目視にて判断する。なお、本実施例に係るポリプロピレン系シートは、白化しておらず、合格であった(表1参照)。
(3)透明性
ポリプロピレン系シートの透明性は、JIS K7136準拠のヘーズ測定方法により測定された。なお、測定に際し、外部ヘーズの影響を抑制するため、試験片をアルコールに浸漬した。本実施例に係るポリプロピレン系シートのヘーズは、21%であった(表1参照)。
(4)引張弾性率
ポリプロピレン系シートの引張弾性率は、JIS K7113準拠の引張試験により測定された。本実施例に係るポリプロピレン系シートの引張弾性率は、820MPaであった(表1参照)。
(5)成形性
ポリプロピレン系シートの成形性は、シーケーディ(株)製のFBPーM2ブリスターパック包装機で実際にポリプロピレン系シートを成形することにより評価した。なお、具体的には、FBPーM2ブリスターパック包装機のショット数を80ショット/分に固定し、成形温度を130℃から2℃ずつ150℃まで段階的に上昇させながら、各成形温度においてプラグアシスト圧空成形を行い、成形温度幅を求めた。そして、その成形温度幅が4℃以上のものを合格とした。
なお、このとき、成形型として、1ショット10ポケット2面の成形型を用いた。また、このポケットの形状は、底部が10mmφであり、上部が9mmφであり、深さが4.1mmであった。また、成形温度幅は、成形型への型追従性とポケット天部の外観ムラ、天部の厚みの総合評価に基づいて決定された。なお、型追従性と天部の外観ムラは目視による官能評価とし、天部の厚みはダイヤルゲージにより測定した。本実施例に係るポリプロピレン系シートは、合格であった(表1参照)。
(6)防湿性
ポリプロピレン系シートの防湿性は、JIS K7129に準拠する透湿度測定方法により測定された。結果を表1に示す。なお、表中「×」は透湿度が2.0g/m・day超であることを示し、「○」は透湿度が1.0g/m・day超2.0g/m・day以下であることを示し、「◎」は透湿度が1.0g/m・day以下であることを示している。なお、本実施例に係るポリプロピレン系シートは、「○」の評価であった(表1参照)。
(7)分割性
「(5)成形性」の欄においてポリプロピレン系シートが良好な成形性を示す条件下で、そのポリプロピレン系シートを成形した後、ポケットに内容物を充填することなくそのポリプロピレン系シートにアルミ箔を210℃でシールした。そして、その成形物に130℃でスリッターを入れた後、その成形物を巾37mm、長さ94mm、コーナー5mmRに打ち抜いた。そして、実際に人手でスリッターを起点にしてその成形物を分割し、その分割性を官能評価した。分割性の良好なものを合格とした。本実施例に係るポリプロピレン系シートは、合格であった(表1参照)。
(8)結晶化度
ポリプロピレン系シートの結晶化度は、X線回折法により測定された。
本実施例に係るポリプロピレン系シートの結晶化度は、35%であった。
(9)耐カール性
「(5)成形性」の欄においてポリプロピレン系シートが良好な成形性を示す条件下で、そのポリプロピレン系シートを成形した後、ポケットに内容物を充填することなくそのポリプロピレン系シートにアルミ箔を210℃でシールした。そして、その成形物に130℃でスリッターを入れた後、その成形物を巾37mm、長さ94mm、コーナー5mmRに打ち抜いた。そして、その打ち抜き10分後のポリプロピレン系シートのソリを測定した。6個のポリプロピレン系シートについて、各成形ポケット横の6カ所のソリを測定し平均値を求めた。なお、アルミ箔としては、20μm厚みの硬質アルミ箔に5μmのマレイン化ポリプロピレンを塗布したものを使用した。結果を表1に示す。なお、表中「×」はソリが4.0mm以上であることを示し、「○」はソリが2.0mm以上4.0未満であることを示し、「◎」はソリが2.0mm未満であることを示す。なお、本実施例に係るポリプロピレン系シートは、「○」の評価であった(表1参照)。
プロピレン単独重合体の添加量を62重量部に代え、エチレン−プロピレンランダム共重合体の添加量を30重量部に代えた以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製し、実施例1と同様にしてそのポリプロピレン系シートの物性測定を行った。
その結果、本実施例に係るポリプロピレン系シートは、耐白化試験、成形性試験および分割性試験に合格した(表1参照)。また、本実施例に係るポリプロピレン系シートの23±2℃における全貫通エネルギーは7.4Jであり、破壊時間は10.4ミリ秒であり、0±2℃における全貫通エネルギーは5.3Jであり、破壊時間は9.4ミリ秒であり、ヘーズは19%であり、引張弾性率は667MPaであり、結晶化度は29%であった(表1参照)。また、本実施例に係るポリプロピレン系シートの耐衝撃性の実用試験の評価は「◎」であり、防湿性の評価は「○」であり、耐カール性の評価は「○」であった(表1参照)。
プロピレン単独重合体の添加量を70重量部に代え、プロピレン−1−ブテン共重合体エラストマーの添加量を5重量部に代えた以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製し、実施例1と同様にしてそのポリプロピレン系シートの物性測定を行った。
その結果、本実施例に係るポリプロピレン系シートは、耐白化試験、成形性試験および分割性試験に合格した(表1参照)。また、本実施例に係るポリプロピレン系シートの23±2℃における全貫通エネルギーは8.1Jであり、破壊時間は12.0ミリ秒であり、0±2℃における全貫通エネルギーは5.9Jであり、破壊時間は10.0ミリ秒であり、ヘーズは20%であり、引張弾性率は677MPaであり、結晶化度は30%であった(表1参照)。また、本実施例に係るポリプロピレン系シートの耐衝撃性の実用試験の評価は「◎」であり、防湿性の評価は「○」であり、耐カール性の評価は「○」であった(表1参照)。
プロピレン単独重合体の添加量を85重量部に代え、石油樹脂の添加量を7重量部に代え、プロピレン−1−ブテン共重合体エラストマーの添加量を8重量部に代え、エチレン−プロピレンランダム共重合体を添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製し、実施例1と同様にしてそのポリプロピレン系シートの物性測定を行った。
その結果、本実施例に係るポリプロピレン系シートは、耐白化試験、成形性試験および分割性試験に合格した(表1参照)。また、本実施例に係るポリプロピレン系シートの23±2℃における全貫通エネルギーは4.5Jであり、破壊時間は10.9ミリ秒であり、0±2℃における全貫通エネルギーは0.5Jであり、破壊時間は2.1ミリ秒であり、ヘーズは18%であり、引張弾性率は855MPaであり、結晶化度は39%であった(表1参照)。また、本実施例に係るポリプロピレン系シートの耐衝撃性の実用試験の評価は「○」であり、防湿性の評価は「◎」であり、耐カール性の評価は「◎」であった(表1参照)。
プロピレン−1−ブテン共重合体エラストマーをスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製タフテックH1062)に代えた以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製し、実施例1と同様にしてそのポリプロピレン系シートの物性測定を行った。
その結果、本実施例に係るポリプロピレン系シートは、成形性試験および分割性試験に合格したものの耐白化試験に合格しなかった(表2参照)。また、本実施例に係るポリプロピレン系シートの23±2℃における全貫通エネルギーは7.7Jであり、破壊時間は9.9ミリ秒であり、0±2℃における全貫通エネルギーは6.2Jであり、破壊時間は9.0ミリ秒であり、ヘーズは20%であり、引張弾性率は900MPaであり、結晶化度は34%であった(表2参照)。また、本実施例に係るポリプロピレン系シートの耐衝撃性の実用試験の評価は「◎」であり、防湿性の評価は「○」であり、耐カール性の評価は「○」であった(表2参照)。
(比較例1)
プロピレン単独重合体の添加量を90重量部に代え、石油樹脂の添加量を10重量部に代え、エチレン−プロピレンランダム共重合体およびプロピレン−1−ブテン共重合体エラストマーを添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製し、実施例1と同様にしてそのポリプロピレン系シートの物性測定を行った。
その結果、本比較例に係るポリプロピレン系シートは、耐白化試験、成形性試験および分割性試験に合格した(表2参照)。また、本比較例に係るポリプロピレン系シートの23±2℃における全貫通エネルギーは0.5Jであり、破壊時間は2.1ミリ秒であり、0±2℃における全貫通エネルギーは0.1Jであり、破壊時間は1.4ミリ秒であり、ヘーズは19%であり、引張弾性率は1031MPaであり、結晶化度は40%であった(表2参照)。また、本比較例に係るポリプロピレン系シートの耐衝撃性の実用試験の評価は「×」であり、防湿性の評価は「◎」であり、耐カール性の評価は「◎」であった(表2参照)。
(比較例2)
プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、石油樹脂およびプロピレン−1−ブテン共重合体エラストマーをプロピレン−1−ブテン共重合体エラストマーのみに代えた以外は、実施例1と同様にしてエラストマー系シートを作製し、実施例1と同様にしてそのエラストマー系シートの物性測定を行った。
その結果、本比較例に係るエラストマー系シートは、耐白化試験および成形性試験に合格したものの分割性試験に合格しなかった(表2参照)。また、本比較例に係るエラストマー系シートの23±2℃における全貫通エネルギーは5.2Jであり、破壊時間は31.0ミリ秒であり、0±2℃における全貫通エネルギーは5.0Jであり、破壊時間は29.0ミリ秒であり、ヘーズは4%であり、引張弾性率は7MPaであり、結晶化度は9%であった(表2参照)。また、本比較例に係るエラストマー系シートの耐衝撃性の実用試験の評価は「◎」であり、防湿性の評価は「×」であり、耐カール性の評価は「×」であった(表2参照)。
(比較例3)
プロピレン単独重合体の添加量を82重量部に代え、エチレン−プロピレンランダム共重合体の添加量を10重量部に代えた以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製し、実施例1と同様にしてそのポリプロピレン系シートの物性測定を行った。
その結果、本比較例に係るポリプロピレン系シートは、耐白化試験、成形性試験および分割性試験に合格した(表2参照)。また、本比較例に係るポリプロピレン系シートの23±2℃における全貫通エネルギーは1.5Jであり、破壊時間は3.2ミリ秒であり、0±2℃における全貫通エネルギーは0.2Jであり、破壊時間は1.5ミリ秒であり、ヘーズは23%であり、引張弾性率は870MPaであり、結晶化度は39%であった(表2参照)。また、本比較例に係るポリプロピレン系シートの耐衝撃性の実用試験の評価は「×」であり、防湿性の評価は「◎」であり、耐カール性の評価は「○」であった(表2参照)。
(比較例4)
プロピレン単独重合体の添加量を75重量部に代え、プロピレン−1−ブテン共重合体エラストマーを添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製し、実施例1と同様にしてそのポリプロピレン系シートの物性測定を行った。
その結果、本比較例に係るポリプロピレン系シートは、成形性試験および分割性試験に合格したものの耐白化試験に合格しなかった(表3参照)。また、本比較例に係るポリプロピレン系シートの23±2℃における全貫通エネルギーは1.6Jであり、破壊時間は3.5ミリ秒であり、0±2℃における全貫通エネルギーは0.5Jであり、破壊時間は1.5ミリ秒であり、ヘーズは22%であり、引張弾性率は850MPaであり、結晶化度は38%であった(表3参照)。また、本比較例に係るポリプロピレン系シートの耐衝撃性の実用試験の評価は「×」であり、防湿性の評価は「◎」であり、耐カール性の評価は「○」であった(表3参照)。
(比較例5)
チルロールの熱媒体温度を30℃に代えた以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製し、実施例1と同様にしてそのポリプロピレン系シートの物性測定を行った。
その結果、本比較例に係るポリプロピレン系シートは、耐白化試験および分割性試験に合格したものの成形性試験に合格しなかった(表3参照)。また、本比較例に係るポリプロピレン系シートの23±2℃における全貫通エネルギーは1.6Jであり、破壊時間は3.5ミリ秒であり、0±2℃における全貫通エネルギーは0.5Jであり、破壊時間は1.5ミリ秒であり、ヘーズは22%であり、引張弾性率は850MPaであり、結晶化度は41%であった(表3参照)。また、本比較例に係るポリプロピレン系シートの耐衝撃性の実用試験の評価は「○」であり、防湿性の評価は「◎」であり、耐カール性の評価は「○」であった(表3参照)。
(比較例6)
チルロールの熱媒体温度を60℃に代えた以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系シートを作製し、実施例1と同様にしてそのポリプロピレン系シートの物性測定を行った。
その結果、本比較例に係るポリプロピレン系シートは、耐白化試験および分割性試験に合格したものの成形性試験に合格しなかった(表3参照)。また、本比較例に係るポリプロピレン系シートの23±2℃における全貫通エネルギーは1.6Jであり、破壊時間は3.5ミリ秒であり、0±2℃における全貫通エネルギーは0.5Jであり、破壊時間は1.5ミリ秒であり、ヘーズは22%であり、引張弾性率は850MPaであり、結晶化度は59.7%であった(表3参照)。また、本比較例に係るポリプロピレン系シートの耐衝撃性の実用試験の評価は「×」であり、防湿性の評価は「◎」であり、耐カール性の評価は「○」であった(表3参照)。
Figure 0005685857
Figure 0005685857
Figure 0005685857
なお、表中、「r−PP」はエチレン−プロピレンランダム共重合体を示し、「PP−EL」はプロピレン−1−ブテン共重合体エラストマーを示し、「SEBS−EL」はスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体を示す。
また、表中、耐白化性、成形性および分割性の「○」の記号は合格を意味し、「×」の記号は不合格を意味し、「−」の記号は未添加を意味する。
<熱可塑性樹脂シートの特徴>
(1)
本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂シートは、耐衝撃性のみならず、成形性、透明性、防湿性、分割性、耐カール性、耐白化性などにも優れる。
(2)
本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂シートは、常温のみならず低温においても耐衝撃性に優れる。
本発明に係る熱可塑性樹脂シートは、優れた耐衝撃性、耐カール性および分割性を兼ね備えるため、例えば、PTPシート、ブリスター包装体、その他医療用包装体の成形用シートとして有用である。

Claims (6)

  1. 半結晶性の熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物を成形し、シート状の熱可塑性樹脂組成物を得る成形工程と、
    前記シート状の熱可塑性樹脂組成物を、熱媒体温度が15℃以上30℃以下の範囲に設定されたチルロールに通し、熱可塑性樹脂シートを得る急冷工程とを含み、
    前記成形工程における前記熱可塑性樹脂組成物は、前記急冷工程で得られる前記熱可塑性樹脂シートが、エネルギー付与部を落錘装置とし、ストライカーの落下速度を2.7m/sとし、前記ストライカーの質量を3.5kgとし、前記ストライカーの先端径をφ20mmとし、試験片クランプの内径をφ40mmとし、試験温度を23±2℃としたJIS K7124−2準拠の衝撃試験により測定された全貫通エネルギーが2.0J以上であり、かつ、前記ストライカーの接触開始時点から破壊に至るまでに要する時間が5.0ミリ秒以上20.0ミリ秒以下となるように調製される、熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂は、主成分としてポリプロピレン樹脂が含有される、請求項1に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂組成物にはオレフィン系エラストマーが含有される、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  4. 前記オレフィン系エラストマーは、プロピレン−1−ブテン共重合体である、請求項3に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂組成物は、80重量%以上90重量%以下のプロピレン単独重合体と、4重量%以上9重量%以下の石油樹脂と、5重量%以上10重量%以下の熱可塑性エラストマーとを含み、エチレン−プロピレンランダム共重合体の含量が0重量%である、請求項2から4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂組成物は、54重量%以上80重量%以下のプロピレン単独重合体と、13重量%以上35重量%以下のエチレン−プロピレンランダム共重合体と、1.5重量%以上7重量%以下の石油樹脂と、2重量%以上10重量%以下の熱可塑性エラストマーとを含む、請求項2から4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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