以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態である像振れ補正装置の分解斜視図、図2は図1に示す像振れ補正装置の組立体を軸方向から見た図、図3は図2のA−A線断面図である。また、図4(a)はV字溝によるボールの支持構造を説明するための断面図、図4(b)は平面溝によるボールの支持構造を示す図である。
図1〜図3を参照して、本実施形態の像振れ補正装置100は、可動ユニット100Aを光軸方向から見て左右方向(ヨー方向)に駆動する第1のアクチュエータ103と、上下方向(ピッチ方向)に駆動する第2のアクチュエータ106を備える。
可動ユニット100Aは、補正レンズ108、可動鏡筒109、及びボール受け部材110により構成され、本発明の可動部材の一例に相当する。ここで、ヨー方向は、本発明の第1の方向の一例に相当し、ピッチ方向は、本発明の第1の方向と交差する第2の方向の一例に相当する。
また、第1のアクチュエータ103は、第1コイル1031及び第1マグネット1032から構成され、第2のアクチュエータ106は、第2コイル1061及び第2マグネット1062から構成される。
固定地板101は、短円筒状に形成され、中央の穴部に可動鏡筒109が配置される。固定地板101の外周部には、撮影レンズ群を支持する鏡筒が取り付けられる取付穴1011が形成されている。
また、固定地板101の軸方向端面には、ヨー方向に延びるV字溝1012、ヨー方向に延びる平面溝1013、ピッチ方向に延びるV字溝1014、及びピッチ方向に延びる平面溝1015が形成されている。V字溝1012,1014は、それぞれ2カ所ずつ配置され、平面溝1013,1015は、それぞれ1カ所ずつ配置されている。
V字溝1012は、図4(a)に示すように、ボール104と2点で接触し、平面溝1013は、図4(b)に示すように、ボール104と1点で接触する。本実施形態では、V字溝1012、及び平面溝1013の長さは、ボール104の可動範囲よりも大きく、可動ユニット100Aのヨー方向の可動距離よりも小さく設定される。ここで、ボール104は、本発明の第3のボールに相当する。
V字溝1014は、図4(a)に示すように、ボール107と2点で接触し、平面溝1015は、図4(b)に示すように、ボール107と1点で接触する。本実施形態では、V字溝1014、及び平面溝1015の長さは、ボール107の可動範囲よりも大きく、可動ユニット100Aのピッチ方向の可動距離よりも小さく設定される。ここで、ボール107は、本発明の第4のボールに相当する。
また、固定地板101は、マルテンサイト系ステンレス鋼等の軟磁性材料で形成され、第1のアクチュエータ103、及び第2のアクチュエータ106のヨークを兼ねている。鉄心部1016は、第1のアクチュエータ103のヨークとなり、鉄心部1017は、第2のアクチュエータのヨークとなる。
固定地板101には、付勢ばね113の一端が掛止されるばね掛け部1018が周方向の略等間隔で3か所に設けられている。また、固定地板101には、LED116から照射された光を通すスリット1019aがヨー方向に延びて形成され、LED117から照射された光を通すスリット1019bがピッチ方向に延びて形成されている。
第1の移動部材102は、ヨー方向に移動可能とされている。第1の移動部材102には、ヨー方向に延びるV字溝1021が2カ所形成され、V字溝1021は、固定地板101のV字溝1012と軸方向に対向配置され、図4(a)に示すように、ボール104と2点で接触する。
また、第1の移動部材102のV字溝1021が設けられた面の反対側の面には、ピッチ方向に延びるV字溝1022が2カ所形成されている。V字溝1022は、図4(a)に示すように、ボール111と2点で接触し、固定地板101のV字溝1014と平行かつ同一長さになるように設けられている。ここで、ボール111は、本発明の第1のボールに相当する。
第1のアクチュエータ103を構成するコイル1031及びマグネット1032は、ヨー方向に延びて形成される。コイル1031は、第1の移動部材102に固定され、また、コイル1031には、不図示のフレキシブルケーブルを介して電力が供給される。
マグネット1032は、断面コ字形状をなしており、コイル1031の長さに可動鏡筒109のヨー方向の移動距離を加えた長さに設定される。マグネット1032の内側面は、N極に着磁されてコイル1031と対向し、マグネット1032の外側面は、S極に着磁されて固定地板101に接触した状態で固定される。
ボール104は、第1の移動部材102をヨー方向に移動可能に転動支持し、3つのボール104のうちの2つは、V字溝1012とV字溝1021で挟持され、残りの1つは、平面溝1013と第1の移動部材102で挟持される。
第2の移動部材105は、ピッチ方向に移動可能とされている。第2の移動部材105には、ピッチ方向に延びるV字溝1051が2カ所形成され、V字溝1051は、固定地板101のV字溝1014と軸方向に対向して配置され、図4(a)に示すように、ボール107と2点で接触する。
また、第2の移動部材105のV字溝1051が設けられた面の反対側の面には、ヨー方向に延びるV字溝1052が1カ所形成されている。V字溝1052は、図4(a)に示すように、ボール112と2点で接触して、固定地板101のV字溝1012と対向し、かつ同じ長さになるように設けられている。ここで、ボール112は、本発明の第2のボールの一例に相当する。
第2のアクチュエータ106を構成するコイル1061及びマグネット1062は、ピッチ方向に延びて形成される。コイル1061は、第2の移動部材105に固定され、また、コイル1061には、不図示のフレキシブルケーブルを介して電力が供給される。
マグネット1062は、断面コ字形状をなしており、コイル1061の長さに可動鏡筒109のピッチ方向の移動距離を加えた長さに設定される。マグネット1062の内側面は、N極に着磁されてコイル1061と対向し、マグネット1062の外側面は、S極に着磁されて固定地板101に接触した状態で固定される。
ボール107は、第2の移動部材105をピッチ方向に移動可能に転動支持し、3つのボール107のうちの2つは、V字溝1014とV字溝1051で挟持され、残りの1つは、平面溝1015と第2の移動部材105で挟持される。
次に、可動ユニット100Aを構成する補正レンズ108、可動鏡筒109、及びボール受け部材110について説明する。
補正レンズ108は、手振れによる像振れを補正するためのレンズである。なお、本実施形態では、像振れ補正光学系として、補正レンズを用いているが、固定地板101に固定されたレンズに対して可動ユニット100Aに保持された撮像素子を移動させることで、像振れを補正するようにしてもよい。
可動鏡筒109は、内部に補正レンズ108を保持する。可動鏡筒109の外周部には、ボール受け部材110の取付部1091が径方向外方に突出して設けられている。また、可動鏡筒109の外周部には、固定地板101の中央の穴部から可動鏡筒109が軸方向に抜けるのを防止するための抜け防止部1092が径方向外方に突出して設けられている。
ボール受け部材110は、円環状に形成されている。ボール受け部材110には、ピッチ方向に延びるV字溝1101が2カ所形成されると共に、ヨー方向に延びるV字溝1102が1カ所形成されている。また、ボール受け部材110の外周部には、付勢ばね113の他端が掛止されるばね掛け部1103を周方向に略等間隔で3か所設けられている。
V字溝1101は、第1の移動部材102のV字溝1022と軸方向に対向配置され、図4(a)に示すように、ボール111と2点で接触する。また、V字溝1102は、第2の移動部材105のV字溝1052と軸方向に対向配置され、図4(a)に示すように、ボール112と2点で接触する。
付勢ばね113は、引っ張りコイルばねであり、一端が固定地板101のばね掛け部1018に掛止され、他端がボール受け部材110のばね掛け部1103に掛止される。付勢ばね113を周方向の略等間隔で3か所配置することで、可動ユニット100Aを固定地板101に近付く方向に安定して付勢することができる。
付勢ばね113の合力の大きさは、可動ユニット100Aの重量よりも大きくする必要がある。振動などによって可動ユニット100Aに任意の方向の慣性力が作用した場合でも、ボール104,107,111,112へ挟持力を働かせるためである。
なお、付勢ばね113の合力が大きすぎると、可動ユニット100Aが移動したときに中心へ戻る大きな復元力が発生し、アクチュエータ103,106の出力アップが必要になり、また、転動時の摩擦力の増大やボールの摩耗につながる。このため、本実施形態では、付勢ばね113の合力は、可動ユニット100Aに作用する重力の4倍程度にしている。
位置センサ114は、LED116のヨー方向の位置を検出し、位置センサ115は、LED117のピッチ方向の位置を検出する。本実施形態では、位置センサ114,115として、光学式非接触センサであるPSD(Position Sensitive Detector)を用いることで、アクチュエータ103,106の駆動負荷を増大させることなく高精度の位置検出を可能にしている。
LED116,117には、不図示のフレキシブルケーブルを介して電力が供給される。LED116が第1の移動部材102に固定されることで、第1の移動部材102の位置を検出することができ、LED117が第2の移動部材105に固定されることで、第2の移動部材105の位置を検出することができる。なお、本実施形態では、LED116,117として赤外光放射方式のLEDを用いることにより、レンズから漏れる外乱光の影響を受けにくくしている。
像振れ補正装置100を組み立てる際には、可動鏡筒109、固定地板101、ボール104,107、第1の移動部材102、第2の移動部材105、ボール111,112、及びボール受け部材110の順番で積み重ねる。そして、ボール受け部材110を可動鏡筒109の取付部1091に接着やビス締め等で固定した後、付勢ばね113をばね掛け部1103,1018に掛止する。
これにより、第1の移動部材102及び第2の移動部材105は、固定地板101に対して移動可能に支持される。また、可動ユニット100Aは、第1の移動部材102及び第2の移動部材105に対して移動可能に支持される。
そして衝撃時など、可動ユニット100Aが付勢ばね113の付勢力よりも大きな力を受けた場合でも、固定地板101を可動鏡筒109の抜け止め部1092及びボール受け部材110で挟み込む構造となっている。このため、可動ユニット100Aが固定地板101から大きく浮き上がることはなく、ボールの脱落を防止できる。
第1の移動部材102は、3つのボール104に支持されることで光軸方向の位置が決まり、また、付勢ばね113によってボール受け部材110側からボール111,112を介して付勢力を受けるため、その位置は安定する。
そして、第1の移動部材102は、固定地板101のV字溝1012を転動する2つのボール104でヨー方向に案内されることで、回転が規制された状態でヨー方向のみに移動可能に支持される。このとき、V字溝1012とボール104とは2点で接触するため、ピッチ方向のがたつきはゼロとなる。
第1の移動部材102は、第1のアクチュエータ103で駆動され、第1のアクチュエータ103は、本実施形態では、ボイスコイルモータを用いている。
N極に着磁されたマグネット1032の内側の面から発する磁束は、コイル1031を貫き、鉄芯部1016へ達し、その後、固定地板101を通ってS極に着磁されたマグネット1032の外側の面へ戻る。
そして、コイル1031に電流を流すと、コイル1031は、ヨー方向のローレンツ力を受け、電流の流す向き及び強さを変えることで、コイル1031を取り付けた第1の移動部材102のヨー方向の位置を決めることができる。このとき、第1のアクチュエータ103の出力の大きさは、コイル1031に流れる電流をI、コイル1031を貫く磁界の強さをB、コイル1031の有効長をLとすると、IBLとなる。
第2の移動部材105は、3つのボール107に支持されることで光軸方向の位置が決まり、また、付勢ばね113によってボール受け部材110側からボール111,112を介して付勢力を受けることで、その位置が安定する。
そして、第2の移動部材105は、固定地板101のV字溝1014を転動する2つのボール107でピッチ方向に案内されることで、回転が規制された状態でピッチ方向のみに移動可能に支持される。このとき、V字溝1014とボール107とは2点で接触するため、ヨー方向のがたつきはゼロとなる。
第2の移動部材105は、第2のアクチュエータ106で駆動され、第2のアクチュエータ106は、本実施形態では、ボイスコイルモータを用いている。そして、コイル1061に電流を流すと、コイル1061は、ピッチ方向のローレンツ力を受け、電流の流す向き及び強さを変えることで、コイル1061を取り付けた第2の移動部材105のピッチ方向の位置を決めることができる。
可動ユニット100Aは、第1の移動部材102とともにヨー方向に移動し、第2の移動部材105とともにピッチ方向に移動する。
まず、可動ユニット100Aのヨー方向の移動について説明する。可動ユニット100Aは、第1の移動部材102に形成されたピッチ方向の2つのV字溝1022にボール111を介して案内されるため、第1の移動部材102に対しては回転することなく、ピッチ方向のみに移動可能に支持されている。また、可動ユニット100Aは、固定地板101に対する回転が規制され、平行移動のみが可能となっている。
また、可動ユニット100Aは、第2の移動部材105に形成されたヨー方向の1つのV字溝1052にボール112を介して案内される。そして、可動ユニット100Aは、回転が規制されているため、第2の移動部材105に対してはヨー方向のみに移動可能に支持される。
そして、前述したように、可動ユニット100Aと固定地板101との間には、付勢ばね113による付勢力(Fsp)が作用している。したがって、可動ユニット100Aのボール受け部材110と固定地板101との間に挟持されるボール111と第1の移動部材102との間にもFspの付勢力が作用する。
このとき、図4(a)を参照して、第1の移動部材102のV字溝1022のボール111との接触面に対して直角となる方向と付勢力Fspが作用する方向とのなす角をθとする。この状態で、第1の移動部材102にヨー方向の力を与えると、その力がFsptanθ以下であれば、ボール111と第1の移動部材102は、V字溝1022での2点での接触を保ったまま一体となってヨー方向に移動する。
通常の使用状態で常にこの関係を保つため、Fsptanθの値が第1のアクチュエータ103の最大出力以下となるように、付勢力Fsp及びV字溝1022の角度θを設定しておく。
また、ボール111とボール受け部材110のV字溝1101との関係についても同様の関係が成立する。即ち、ヨー方向の力がFsptanθ以下であれば、可動ユニット100Aは、ボール111がV字溝1101で2点での接触を保ったままヨー方向に移動する。
このとき、ボール112は、第2の移動部材105に対してV字溝1052によってヨー方向に転動支持されている。このため、可動ユニット100A及び第1の移動部材102は、固定地板101及び第2の移動部材105に対して小さい摩擦力でヨー方向に移動することができる。
次に、可動ユニット100Aのピッチ方向の移動について説明する。上記同様に、ボール112と第2の移動部材105のV字溝1052との間にも付勢ばね113による付勢力Fspが作用する。したがって、第2の移動部材105にピッチ方向の力を与えると、その力がFsptanθ以下であれば、第2の移動部材105は、ボール112がV字溝1052で2点の接触を保った状態でピッチ方向に移動をする。
また、ボール112とボール受け部材110のV字溝1102との関係についても同様の関係が成立し、ピッチ方向の力がFsptanθ以下であれば、可動ユニット100Aは、ボール112がV字溝1102で2点の接触を保ったままピッチ方向に移動する。
これにより、可動ユニット100A及び第2の移動部材105は、固定地板101及び第1の移動部材102に対して小さい摩擦力でピッチ方向に移動することができる。
なお、可動ユニット100Aは、2つのボール111と2つのピッチ方向のV字溝1022によって転動支持されることで回転が規制されているため、ヨー方向のボール112の個数は1つで良いがこれに限定されない。
以上のように、可動ユニット100Aのピッチ方向及びヨー方向の移動を組み合わせることで、補正レンズ108を光軸と直交する面において自由に位置決めすることができ、手振れなどに起因する像振れを補正することができる。
次に、図5を参照して、ボール111,112の配置について説明する。図5は、ボール111をピッチ方向に転動可能に支持する第1の移動部材102のV字溝1022、及びボール112をヨー方向に転動可能に支持する第2の移動部材105のV字溝1052の配置を説明するための説明図である。なお、図5では、説明の便宜上、ヨー方向とピッチ方向とは直交させていない。
まず、ボール111,112の配置を決める条件について説明する。第1の移動部材102の回転規制を行なうために、第1の移動部材102を支持する2つのV字溝1012及び2つのV字溝1021は、それぞれヨー方向に十分離すことが望ましい。また、第2の移動部材105の回転規制を行なうために、第2の移動部材105を支持する2つのV字溝1014及び2つのV字溝1051は、それぞれピッチ方向に十分離すことが望ましい。
同様に、ボール111を支持する2つのV字溝1022及び2つのV字溝1101についても、可動ユニット100Aの回転を規制する機能を有するため、それぞれピッチ方向に十分離すことが望ましい。
また、ボール111,112は、可動ユニット100Aの重量を支える必要があるため、2つのボール111と1つのボール112とを結ぶ三角形の内側に可動ユニット100Aの重心が配置される必要がある。
すなわち、ボール111の移動範囲であるピッチ方向の2つのV字溝1101の両端及びボール112の移動範囲であるヨー方向の1つのV字溝1102の両端を結んで形成される8つの三角形のすべてが可動ユニット100Aの重心を囲むようにする。
このような条件を満足するため、本実施形態では、次のようにしている。
まず、第1の移動部材102は、ヨー方向V字溝1021のヨー方向距離を十分に離すために、ヨー方向に長い必要がある。またピッチ方向V字溝1015は、ピッチ方向V字溝1051の距離を十分に離すために、ピッチ方向に長い必要がある。
像振れ補正装置100を、補正レンズの周囲のなるべく小さな円筒内に配置する場合、図5のように同一円環内にピッチ方向に長い第2の移動部材105とヨー方向に長い第1の移動部材102をなるべく近付けて配置する。
また、第1の移動部材102は、ピッチ方向V字溝1022をピッチ方向に十分離して配置する必要があるため、ピッチ方向にも長い必要がある。したがって第1の移動部材102はL字型の形状になる。
この状態で第1の移動部材102にボール111を案内させ、第2の移動部材105にボール112を案内させ、2個のボール111と1個のボール112が概ね均等になるように配置する。それぞれの部品の大型化を招かずにこれを実現するためには、第1の移動部材102の両端に2つのピッチ方向V字溝1022を配置し、その2つと等分になるようにヨー方向V字溝1052を配置すればよい。
図5を参照して、可動ユニット100Aの重心を中心として、ヨー方向とピッチ方向とのなす角の2等分線を基準線し、基準線の円周方向の両側に第1の移動部材102と第2の移動部材105とを接近配置する。そして、基準線から第1の移動部材102を配置した側に向かって60°ごとに第1領域〜第6領域を定義する。
ここで、第1領域及び第3領域にそれぞれピッチ方向のV字溝1022の少なくとも一部を配置してボール111を配置し、第5領域にヨー方向のV字溝1052の少なくとも一部を配置してボール112を配置する。
以上説明したように、本実施形態では、第1のアクチュエータ103及び第2のアクチュエータ106は、可動ユニット100Aを駆動方向以外の方向へ駆動する必要がない。このため、コイル1031,1061とマグネット1032,1062との位置関係の最適化が可能となり、また、コイル1031,1061とマグネット1032,1062との間に余分なスペースを設ける必要がなくなる。これにより、アクチュエータ103,106の駆動効率の高効率化や小型化を達成することができる。
また、本実施形態では、第1のアクチュエータ103により可動ユニット100Aを第1の移動部材102とともにヨー方向に駆動する際は、第2の移動部材105や第2のアクチュエータ106のコイル1061をヨー方向に移動させる必要がない。また、第2のアクチュエータ106により可動ユニット100Aを第2の移動部材105とともにピッチ方向に駆動する際は、第1の移動部材102や第1のアクチュエータ103のコイル1031をピッチ方向に移動させる必要がない。これにより、可動ユニット100Aの軽量化が可能になり、アクチュエータ103,106の駆動負荷を軽減することができる。
更に、本実施形態では、アクチュエータ103,106は、コイル1031,1061がマグネット1032,1062に対して一方向にしか移動しない。そのため、コイル1031,1061の移動方向と直交する方向では、コイル1031,1061とマグネット1032,1062とを接近配置して、コイル1031,1061を貫く磁束密度を大きくすることができる。これにより、アクチュエータ103,106の駆動効率を向上させることができる。
更に、本実施形態では、可動ユニット100AをV字溝と2点で接触するボールで支持しているので、可動ユニット100Aのがたつきを防止することができ、可動ユニット100Aの位置決め精度を高めることができる。
更に、本実施形態では、可動ユニット100Aに対する移動部材102,105のがたつきも防止することができる。このため、移動部材102,105に位置センサ114,115の被検出部であるLED116,117を取り付けた場合も可動ユニット100Aの位置を正確に検出することができる。これにより、可動ユニット100Aに被検出部を取り付けた場合に比べて、可動ユニット100Aの重量低減や位置出センサへの給電の簡略化が可能となる。
更に、本実施形態では、固定地板101に対して移動部材102,105がボールを介して転動支持され、移動部材102,105に対して可動ユニット100Aがボールを介して転動支持される。これにより、可動ユニット100Aをヨー方向及びピッチ方向に駆動する際の摩擦力を大幅に減らすことができ、アクチュエータ103,106の駆動負荷の軽減及び可動ユニット100Aの位置決め精度の向上を達成することができる。
更に、本実施形態では、ヨー方向に延びるV字溝1012,1021,1052,1102やピッチ方向に延びるV字溝1014,1051,1022,1101の長さを、可動ユニット100Aの移動可能量よりも短くしている。
第1の移動部材102及び固定地板101を例に採って説明する。なお、第1の移動部材102の移動距離をSとして、第1の移動部材102に設けたヨー方向のV字溝1022及び固定地板101に設けたヨー方向のV字溝1012を同一形状とする。
第1の移動部材102がヨー方向に距離Sだけ移動したとき、第1の移動部材102は、固定地板101のV字溝1012を0.5Sだけ移動し、第1の移動部材102のV字溝1022を0.5Sだけ移動する。これにより、V字溝1012,1022の長さを第1の移動部材102の移動距離Sよりも短くすることができる。本実施形態では、加工誤差等を考慮して、V字溝1012,1022の長さを第1の移動部材102の移動距離Sの0.8倍程度としている。
これにより、固定地板101及び第1の移動部材102を小型化することができ、また、同様に、第2の移動部材105及びボール受け部材110も小型化することができ、装置全体の小型化を達成することができる。
(第2の実施形態)
次に、図6及び図7を参照して、本発明の第2の実施形態である像振れ補正装置について説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
図6は本発明の第2の実施形態である像振れ補正装置の分解斜視図、図7は図6に示す像振れ補正装置の組立体を軸方向から見た図である。
本実施形態の像振れ補正装置200では、図6及び図7に示すように、可動ユニット200Aをヨー方向に駆動する第1のアクチュエータ203は、ステッピングモータ2031、ねじ軸2032、及びナット2033を備える。また、可動ユニット200Aをピッチ方向に駆動する第2のアクチュエータ206は、ステッピングモータ2061、ねじ軸2062、及びナット2063を備える。
可動ユニット200Aは、補正レンズ108、可動鏡筒109、ボール受け部材110、及び磁石213により構成され、本発明の可動部材の一例に相当する。
第1の移動部材202は、ナット保持部2021を備え、ナット保持部2021には、第1のアクチュエータ203のナット2033がその軸線をヨー方向に向けた状態で固定される。これにより、ステッピングモータ2031を駆動してねじ軸2032を回転させると、第1の移動部材202がナット2033とともにヨー方向に移動する。
第2の移動部材205は、ナット保持部2051を備え、ナット保持部2051には、第2のアクチュエータ206のナット2063がその軸線をピッチ方向に向けた状態で固定される。これにより、ステッピングモータ2061を駆動してねじ軸2062を回転させると、第2の移動部材205がナット2063とともにピッチ方向に移動する。
磁石213は、円柱形状をなして軸方向に着磁されており、ボール受け部材110に固定されて、強磁性材料で形成された固定地板201との間に磁気的な吸引力を発生させることができる。
磁石213は、その合力が可動ユニット200Aの重心を通るように、ボール受け部材110の円周方向に等間隔で3カ所配置されており、これにより、ボール104,107,111,112へ挟持力を働かせる。
また、本実施形態では、図7を参照して、ボール112の可動範囲をヨー方向に延長したB領域の少なくとも一部が、2つのボール111を結ぶA領域に重なるように配置される。
第2のアクチュエータ206を駆動したとき、可動ユニット200Aは、ボール112からピッチ方向の力を受け、Bエリアは、このときの力の作用線となる。この作用線の力が可動ユニット200Aの回転を規制するAエリアに働くため、第2のアクチュエータ206の力が可動ユニット200Aに対して回転力として働きにくい。
このため、可動ユニット200Aをピッチ方向に直進支持するボール111に対して支持する方向以外からの力が発生しにくく、可動ユニット200Aを安定して直進支持することができる。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
(第3の実施形態)
次に、図8及び図9を参照して、本発明の第3の実施形態である像振れ補正装置について説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
図8は本発明の第3の実施形態である像振れ補正装置の分解斜視図、図9は図8に示す像振れ補正装置の組立体の断面図である。
本実施形態の振れ補正装置300では、図8及び図9に示すように、可動ユニット300Aをヨー方向に駆動する第1のアクチュエータ303は、圧電素子3031及びガイドバー3032を備える。また、可動ユニット300Aをピッチ方向に駆動する第2のアクチュエータ306は、圧電素子3061及びガイドバー3062を備える。
可動ユニット300Aは、補正レンズ108、可動鏡筒109、ボール受け部材110、及び不図示の付勢部材により構成され、本発明の可動部材の一例に相当する。付勢部材としては、上述した付勢ばね113や磁石213等を用いることができる。
固定地板301は、ガイドバー3032を保持する保持部3011、及びガイドバー3062を保持する保持部3012を備える。
また、固定地板301には、ピッチ方向に延びる平面溝3014及びヨー方向に延びる平面溝3013が形成されており、平面溝3014には、ボール107が収納され、平面溝3013には、ボール104が収納される。
第1の移動部材302は、図9に示すように、バー挟持部3021を備え、バー挟持部3021は、ガイドバー3032を挟み込むように保持する。これにより、第1の移動部材302とガイドバー3032との間に一定の摩擦力が生じる。また、第1の移動部材302は、ボール104と1点で接触することによって、ガイドバー3032を中心とする回転が規制される。
そして、第1のアクチュエータ303の圧電素子3031にのこぎり波などの駆動波形を印加することで、ガイドバー3032を前進方向と後退方向とで異なる速度で移動させる。
このとき、ガイドバー3032をバー挟持部3021で摩擦保持する第1の移動部材302は、往復で摩擦力の差が生じ、これを利用し、第1の移動部材302をガイドバー3032に沿って移動させることができる。そして、圧電素子3031に印加する電圧や駆動波形、パルス数を制御することで、第1の移動部材302を高精度に位置決めすることができる。
第2の移動部材305は、図8に示すように、バー挟持部3051を備え、バー挟持部3051は、ガイドバー3062を挟み込むように保持する。これにより、第2の移動部材305とガイドバー3062との間に一定の摩擦力が生じる。また、第2の移動部材305は、ボール107と1点で接触することによって、ガイドバー3062を中心とする回転が規制される。
そして、第2のアクチュエータ306の圧電素子3061にのこぎり波などの駆動波形を印加することで、ガイドバー3062を前進方向と後退方向とで異なる速度で移動させる。
このとき、ガイドバー3062をバー挟持部3051で摩擦保持する第2の移動部材305は、往復で摩擦力の差が生じ、これを利用し、第2の移動部材305をガイドバー3062に沿って移動させることができる。そして、圧電素子3061に印加する電圧や駆動波形、パルス数を制御することで、第2の移動部材305を高精度に位置決めすることができる。
本実施形態では、圧電素子3031,3061で駆動されるアクチュエータ303,306を用いているので、移動部材302,305のがたつきを抑制することができ、ボールとV字溝を用いて移動部材302,305を支持しなくてすむ。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
なお、本発明の構成は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
また、上記各実施形態では、像振れ補正装置について説明したが、その像振れ補正装置はビデオカメラ、デジタル及び銀塩スチルカメラ、双眼鏡、望遠鏡、フィールドスコープといった観察装置を含む光学機器に搭載可能である。したがって、上記各本実施形態の像振れ補正装置を有する光学機器も本発明の一側面を構成する。