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JP5687367B2 - 化合物粒子、化合物粒子の製造方法、半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 - Google Patents
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JP5687367B2 - 化合物粒子、化合物粒子の製造方法、半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 - Google Patents

化合物粒子、化合物粒子の製造方法、半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、I−III−VI族化合物を含む半導体層を製造するための化合物粒子およびその製造方法、ならびに、半導体層の製造方法および光電変換層の製造方法に関するものである。
太陽電池として、カルコパイライト系のI−III−VI族化合物を含む半導体層を具備する光電変換装置を用いたものがある。I−III−VI族化合物としては、CISやCIGS等がある。
このような半導体層の作製方法として特開2008−192542号公報には、I−III−VI族化合物の微粒子を含む溶液を用いてコーティング層を形成し、これを焼結することによって半導体層を形成することが記載されている。
近年、光電変換装置の需要は増加傾向にあり、光電変換装置のさらなる光電変換効率の向上が望まれている。
本発明の目的は、半導体層およびそれを用いた光電変換装置の光電変換効率を高めることである。
本発明の一実施形態に係る化合物粒子は、I−B族元素、インジウム元素、ガリウム元素およびカルコゲン元素を含んだ化合物粒子であって、インジウム元素とガリウム元素との合計原子濃度に対するガリウム元素の原子濃度の比率が中心部よりも表面部で高い。
本発明の一実施形態に係る化合物粒子の製造方法は、I−B族元素、インジウム元素およびカルコゲン元素を含む原料液を、ガリウム金属と接触させながら加熱することによって、インジウム元素とガリウム元素との合計原子濃度に対するガリウム元素の原子濃度の比率が中心部よりも表面部で高い化合物粒子を形成する工程を具備する。
本発明の一実施形態に係る半導体層の製造方法は、上記の化合物粒子を用いて皮膜を形成する工程と、該皮膜を加熱してI−III−VI族化合物を含む半導体層を形成する工程とを具備する。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、上記の半導体層の製造方法を用いてI−III−VI族化合物を含む第1の半導体層を形成する工程と、該第1の半導体層に電気的に接続されるように、該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を形成する工程とを具備する。
本発明によれば、半導体層および光電変換装置の光電変換効率を高めることができる。
光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 化合物粒子の断面のTEM写真である。 化合物粒子におけるGa元素の含有比率を示すグラフである。 化合物粒子におけるIn元素の含有比率を示すグラフである。
以下に本発明の一実施形態に係る化合物粒子、化合物粒子の製造方法、半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
<(1)化合物粒子>
化合物粒子は、I−III−VI族化合物を含む半導体層を形成するための原料として用いられる。化合物粒子は皮膜状に成形され、これが加熱されることによって化合物粒子同士が反応して半導体層となる。
I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物であり、例えば、Cu(In,Ga)Se(CIGSともいう)やCu(In,Ga)(Se,S)(CIGSSともいう等が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Seとは、CuとInとGaとSeとから主に構成された化合物をいう。また、Cu(In,Ga)(Se,S)とは、CuとInとGaとSeとSとを主成分として含む化合物をいう。
化合物粒子は、I−B族元素、インジウム(In)元素、ガリウム(Ga)元素およびカルコゲン元素を含んでいる。なお、カルコゲン元素とは、VI−B族元素のうち、硫黄(S)元素、セレン(Se)元素およびテルル(Te)元素をいう。また、化合物粒子は、In元素とGa元素との合計原子濃度に対するGa元素の原子濃度の比率(以下、In元素とGa元素との合計原子濃度に対するGa元素の原子濃度の比率をGa比率という)が、化合物粒子の中心部よりも表面部で高くなっている。
このような構成により、化合物粒子同士の反応性が高くなり、結晶性の高い半導体層が形成されやすくなる。その結果、半導体層の光電変換効率が向上する。
化合物粒子同士の反応性を高めるとともに、組成ばらつきの少ない良好な半導体層を形成しやすくするという観点からは、化合物粒子の表面部におけるGa比率は、中心部におけるGa比率の1.3倍〜2.5倍であってもよい。
化合物粒子のGa元素やIn元素の原子濃度測定は、例えば以下のような方法で行なうことができる。まず、複数の化合物粒子をエポキシ樹脂やアクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂と混合する。次に、この混合体を加熱して熱硬化する。そして、この熱硬化体を切断し、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することによって、化合物粒子の断面を特定する。そして、この化合物粒子の断面の各地点に対して、エネルギー分散型X線分析(EDS)によって各元素の原子濃度を測定する。なお、原子濃度とは、単位体積中に含まれる原子数(atoms・cm−3)のことである。
化合物粒子同士の反応性をより高めてより結晶性の高い半導体層を形成するという観点から、化合物粒子の平均粒径は10nm〜200nmであってもよい。化合物粒子の平均粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定することができる。具体的には、化合物粒子を試料台の上に粘着テープ等で固定し、これをSEMで外観観察する。そして、得られたSEM画像より複数の化合物粒子の粒径を測定し、平均粒径を求めればよい。
<(2)化合物粒子の製造方法>
上記の化合物粒子は、例えば以下のようにして作製することができる。まず、Cu等のI−B族元素、In元素およびカルコゲン元素が溶解した原料液を用意する。そして、この原料液とGa金属とを接触させながら加熱することによって、Ga比率が中心部よりも表面部で高い化合物粒子が生成する。なお、原料液とGa金属とが接触しているというのは、原料液にGa金属が溶解せず、金属の状態で存在している状態をいう。この原料液と接触しているGa金属は液状金属であってもよい。
つまり、I−B族元素およびIn元素は原料液に溶解しやすく、Ga元素は溶解し難い状態とすることで、溶解したI−B族元素およびIn元素が比較的速くカルコゲン元素と反応し、その後、徐々に溶解したGa元素が遅れてカルコゲン元素と反応することとなる。その結果、中心部に比べて表面部でGa比率が高い化合物粒子が生成することとなる。
原料液の溶媒としては、例えばアニリンやピリジン等の有機溶媒等を用いることができる。原料液に含まれるI−B族元素およびIn元素は、上記溶媒中に例えば錯体等の状態で溶解している。また、原料液に含まれるカルコゲン元素は、上記溶媒中に例えばカルコゲン元素含有有機化合物等の状態で溶解している。なお、カルコゲン元素含有有機化合物とは、カルコゲン元素を含む有機化合物であり、炭素元素とカルコゲン元素との共有結合を有する有機化合物である。カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、チオール、スルフィド、ジスルフィド、セレノール、セレニド、ジセレニド、テルロール、テルリド、ジテルリド等がある。カルコゲン化反応をより高めるという観点からは、原料液に含まれるI−B族元素はカルコゲン元素含有有機化合物が配位子として結合した錯体であってもよい。同様にIn元素はカルコゲン元素含有有機化合物が配位子として結合した錯体であってもよい。このような金属元素にカルコゲン元素含有有機化合物が配位子として結合している場合、金属元素とカルコゲン元素とが接近した状態となり、反応性が高くなる。
上記のような原料液とGa金属とが接触した状態で、例えば150〜250℃で加熱することにより、Ga金属は原料液中の配位子と結合してGa錯体を形成しながら徐々に溶解する。そして、この溶解したGa錯体が原料液中の他の金属元素やカルコゲン元素と反応して、I−B族元素、In元素、Ga元素およびカルコゲン元素を含む化合物粒子が生成する。このようなGa錯体を形成する配位子は、上記I−B族元素やIn元素に結合していた配位子が、I−B族元素やIn元素から遊離したものであってもよく、原料液に別途、添加されたものであってもよい。Ga元素のカルコゲン化反応を適度に高めるという観点から、上記Ga錯体を形成する配位子として、カルコゲン元素含有有機化合物を原料液中に添加しておいてもよい。
なお、原料液とGa金属とが接触した状態で、この原料液とGa金属との混合体を加熱する際に、この混合体の昇温速度を変えることによって、生成する化合物粒子の中心部におけるGa比率と表面部におけるGa比率との差を変化させることができる。つまり、上記混合体の昇温速度が低いほど化合物粒子の中心部におけるGa比率を小さくすることができ、中心部と表面部とのGa比率の差を大きくなる傾向がある。
以上のようにして、原料液中に、中心部に比べて表面部でGa比率が高い化合物粒子が生成する。この化合物粒子を遠心分離等で取り出して、それを洗浄してもよい。これにより、不純物を良好に取り除くことができる。
なお、I−B族元素およびIn元素が溶解した原料液は、I−B族元素の錯体およびIn元素の錯体を溶媒に溶解させることによって作製できるが、これに限定されない。例えば、溶媒にカルコゲン元素含有有機化合物等の配位子が溶解された溶液を用意し、この溶液にI−B族金属およびIn金属を投入して加熱し、I−B族金属およびIn金属を錯体化合物にして溶解させることによって原料溶液を作製してもよい。
<(3)半導体層の製造方法>
上記化合物粒子を用いた半導体層の製造方法について、以下に詳細に説明する。まず、上記化合物粒子を用いて皮膜を形成する。皮膜の形成方法としては、化合物粒子を溶媒や添加剤(添加剤としては例えば界面活性剤やバインダー等がある)等と混合して液状体にし、この液状体を、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレーまたはダイコータ等によって皮膜形成する方法がある。また、他の方法として、粉体状の化合物粒子を気体とともに支持体に吹き付けることによって皮膜を形成する方法や、粉体状の化合物粒子をプレス成型して皮膜を形成する方法等がある。
次に、この皮膜を加熱してI−III−VI族化合物を含む半導体層にする。皮膜の加熱は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気あるいは水素ガス等の還元ガス雰囲気において、例えば350〜600℃の温度で行なう。これにより、化合物粒子同士が反応して多結晶構造の半導体層が生成する。より結晶化を促進するという観点から、皮膜の加熱時の雰囲気中にカルコゲン元素を、例えば、硫黄蒸気、硫化水素、セレン蒸気、セレン化水素、テルル蒸気またはテルル化水素等として含めてもよい。
<(4)光電変換装置の構成>
上記化合物粒子を用いて作製した半導体層を具備する光電変換装置について、以下に詳細に説明する。図1は光電変換装置を示す斜視図であり、図2はこの光電変換装置の断面図である。光電変換装置11は、基板1上に複数の光電変換セル10が並べられて互いに電気的に接続されている。なお、図1においては図示の都合上、2つの光電変換セル10のみを示しているが、実際の光電変換装置11においては、図面左右方向、あるいはさらにこれに垂直な方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配設されていてもよい。
図1、図2において、基板1上に複数の下部電極層2が平面配置されている。図1、図2において、複数の下部電極層2は、一方向に間隔をあけて並べられた下部電極層2a〜2cを具備している。この下部電極層2a上から基板1上を経て下部電極層2b上にかけて、第1の半導体層3が設けられている。また、第1の半導体層3上には、第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4が設けられている。さらに、下部電極層2b上において、接続導体7が、第1の半導体層3の表面(側面)に沿って、または第1の半導体層3を貫通して設けられている。この接続導体7は、第2の半導体層4と下部電極層2bとを電気的に接続している。これら、下部電極層2、第1の半導体層3および第2の半導体層4によって1つの光電変換セル10が構成され、隣接する光電変換セル10同士が接続導体7を介して直列接続されることによって、高出力の光電変換装置11となる。なお、本実施形態における光電変換装置11は、第2の半導体層4側から光が入射されるものを想定しているが、これに限定されず、基板1側から光が入射されるものであってもよい。
基板1は、光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。基板1としては、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)を用いることができる。
下部電極層2(下部電極層2a、2b、2c)は、基板1上に設けられた、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体である。下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成手法を用いて、0.2μm〜1μm程度の厚みに形成される。
第1の半導体層3は、光吸収層として機能する半導体層であり、例えば1μm〜3μm程度の厚みを有する。第1の半導体層3は、I−III−VI族化合物を主に含んでおり、上記の化合物粒子を用いて作製され得る。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3とは異なる導電型を有する半導体層である。第1の半導体層3および第2の半導体層4が電気的に接合することにより、電荷を良好に取り出すことが可能な光電変換層が形成される。例えば、第1の半導体層3がp型であれば、第2の半導体層4はn型である。第1の半導体層3がn型で、第2の半導体層4がp型であってもよい。
第2の半導体層4としては、例えば、CdS、ZnS、ZnO、Zn(OH,S)、In、InSe、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。この場合、第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成される。なお、Zn(OH,S)とは、Znが水酸化物および硫化物として含まれる混晶化合物をいう。In(OH,S)とは、Inが水酸化物および硫化物として含まれる混晶化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnおよびInがセレン化物およぶ水酸化物として含まれる混晶化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnおよびMgが酸化物として含まれる化合物をいう。
図1、図2のように、第2の半導体層4上にさらに上部電極層5が設けられていてもよい。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷を良好に取り出すことが可能となる。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
上部電極層5は、例えばITO、ZnO等の0.05〜3μmの透明導電膜である。透光性および導電性を高めるため、上部電極層5は第2の半導体層4と同じ導電型の半導体で構成されてもよい。上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成され得る。
また、図1、図2に示すように、上部電極層5上にさらに集電電極8が形成されていてもよい。集電電極8は、第1の半導体層3および第2の半導体層4で生じた電荷をさらに良好に取り出すためのものである。集電電極8は、例えば、図1に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体7にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3および第4の半導体層4で生じた電流が上部電極層5を介して集電電極8に集電され、接続導体7を介して隣接する光電変換セル10に良好に通電される。
集電電極8は、第1の半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
図1、図2において、接続導体7は、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5を貫通する溝内に設けられた導体である。接続導体7は、金属や導電ペースト等が用いられ得る。図1、図2においては、集電電極8を延伸して接続導体7が形成されているが、これに限定されない。例えば、上部電極層5が延伸したものであってもよい。
<(5)光電変換装置の製造方法>
次に、上記構成を有する光電変換装置11の製造方法について説明する。まず、ガラス等から成る基板1の主面に、スパッタリング法等を用いてMo等から成る下部電極層2を所望のパターンに形成する。
そして、この下部電極層2の上に、第1の半導体層3を、上記の半導体層の製造方法を用いて形成する。
第1の半導体層層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4および上部電極層5を、CBD法やスパッタリング法等で順次形成する。そして、第1の半導体層3、第2の半導体層4および上部電極層5をメカニカルスクライブ加工等によって加工し、接続導体7用の溝を形成する。
その後、上部電極層5上および溝内に、例えば、Agなどの金属粉を樹脂バインダーなどに分散させた導電ペーストをパターン状に印刷し、これを加熱硬化させることで集電電極8および接続導体7を形成する。
最後に接続導体7からずれた位置で、第1の半導体層3〜集電電極8をメカニカルスクライブ加工によって除去して複数の光電変換セル10に分割することで、図1および図2で示された光電変換装置11が完成する。
化合物粒子について、以下のようにして評価した。本実施例においては半導体層としてCIGSを用いた。
<化合物粒子の作製>
まず、500mmolのアニリンと、250mmolのジフェニルジセレニドとを混合し、混合溶媒を作製した。次に、この混合溶媒に65mmolの金属Inおよび100mmolの金属Cuを混入し、70℃で攪拌して金属Inおよび金属Cuを完全に溶解させることによって原料液を作製した。次に、この原料液に35mmolの金属Gaを投入し、190℃で攪拌して金属Gaを徐々に溶解させながら、Cu、In、Gaおよびジフェニルジセレニド中のSeを反応させた。そして、この原料液にヘキサンを添加することによって、粉末状の化合物粒子(以下、評価用粉末ともいう)を取り出した。
この評価用粉末を熱硬化性のアクリル系樹脂に混ぜ、このアクリル系樹脂を熱硬化させた。熱硬化させたアクリル系樹脂を切断し、この切断部をTEMによって観察し、上記評価用粉末の断面が現れている部分を特定した。このTEM観察の結果を図3に示す。そして、図3に示す評価用粉末の断面のa〜eの5か所についてEDS分析を行なった。その結果、上記評価用粉末は、Cu元素、In元素、Ga元素およびSe元素を含んでいることが確認できた。また、評価用粉末の断面の各地点でのGa比率およびIn比率は、図4および図5のようになっていることが確認できた。図4および図5はそれぞれ、Ga元素とIn元素との合計原子濃度に対するGa元素の原子濃度の比率およびGa元素とIn元素との合計原子濃度に対するInの原子濃度の比率を示している。この結果から、生成した評価用粉末は、粒子の中心部よりも表面部でガリウム元素の原子濃度の比率が高くなっていることがわかった。
また、別途、上記評価用粉末をSEMによって観察し、得られたSEM画像から評価用粉末の平均粒径を測定した。この結果から、評価用粉末の平均粒径は100nmであることがわかった。
一方、比較例としての化合物粒子を以下のようにして作製した。まず、500mmolのアニリンと、250mmolのジフェニルジセレニドとを混合し、混合溶媒を作製した。次に、この混合溶媒を3等分し、1つめの混合溶媒には65mmolの金属Inを混入し、70℃で溶解した。また、2つめの混合溶媒には35mmolの金属Gaを混入し、70℃で溶解した。また、3つめの混合溶媒には100mmolの金属Cuを混入し、70℃で溶解した。そして、これらの各金属を溶解した各混合溶媒を混合し、190℃で攪拌して、Cu、In、Gaおよびジフェニルジセレニド中のSeを反応させた。そして、この混合溶媒にヘキサンを添加することによって、比較用としての粉末状の化合物粒子(以下、比較用粉末ともいう)を取り出した。
この比較用粉末を上記と同様、TEM観察してEDS分析を行なったところ、上記比較用粉末は、Cu元素、In元素、Ga元素およびSe元素を含んでいることが確認できたが、Ga元素の比率およびIn元素の比率は、粒子表面部と中心部とで違いはなかった。また、比較用粉末の平均粒径は100nmであった。
<光電変換装置の作製>
以上のようにして作製された評価用粒子および比較用粒子をそれぞれアニリンに分散して、分散液を作製した。次にこれらの分散液をそれぞれドクターブレード法にて、ソーダライムガラス基板のMoからなる下部電極層上に塗布膜を形成した。塗布膜は、グローブボックス内で、キャリアガスとして窒素ガスを用いて各分散液を下部電極層上へ塗布することにより形成した。塗布の後、上記試料をホットプレートで110℃に加熱しながら、5分間乾燥させることによって皮膜を形成した。
皮膜形成後、水素ガス雰囲気下で皮膜の熱処理を実施した。熱処理条件は、皮膜を525℃まで5分間で急速昇温し、525℃で1時間保持することで行ない、その後、自然冷却することによって、厚み1.5μmの第1の半導体層を得た。この第1の半導体層のX線回折結果から、得られた第1の半導体層は、評価用粉末および比較用粉末のいずれを用いた場合もCIGSであることを確認した。
この後、酢酸カドミウム、チオ尿素をアンモニア水に溶解し、これに上記試料を浸漬し、各第1の半導体層上に厚み0.05μmのCdSを含む第2の半導体層を形成した。さらに、第2の半導体層の上に、スパッタリング法にてAlドープ酸化亜鉛膜(上部電極層5)を形成して光電変換装置を作製した。
この光電変換装置の光電変換効率を測定したところ、比較用粉末を用いて作製した光電変換装置の光電変換効率は7.4%であったのに対し、評価用粉末を用いて作製した光電変換装置の光電変換効率は11.5%と比較用粉末を用いた場合よりも優れていることがわかった。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が施されることは何等差し支えない。
1:基板
2、2a、2b、2c:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
7:接続導体
8:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置

Claims (5)

  1. I−B族元素、インジウム元素、ガリウム元素およびカルコゲン元素を含んだ化合物粒子であって、
    インジウム元素とガリウム元素との合計原子濃度に対するガリウム元素の原子濃度の比率が中心部よりも表面部で高い化合物粒子。
  2. 平均粒径が10〜200nmである、請求項1に記載の化合物粒子。
  3. I−B族元素、インジウム元素およびカルコゲン元素を含む原料液を、ガリウム金属と接触させながら加熱することによって、インジウム元素とガリウム元素との合計原子濃度に対するガリウム元素の原子濃度の比率が中心部よりも表面部で高い化合物粒子を形成する工程を具備する化合物粒子の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の化合物粒子を用いて皮膜を形成する工程と、
    該皮膜を加熱してI−III−VI族化合物を含む半導体層を形成する工程と
    を具備する半導体層の製造方法。
  5. 請求項4に記載の半導体層の製造方法を用いてI−III−VI族化合物を含む第1の半導体層を形成する工程と、
    該第1の半導体層に電気的に接続されるように、該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を形成する工程と
    を具備する光電変換装置の製造方法。
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