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JP5688631B2 - 触媒体担持方法、触媒体担持基材及び触媒体担持液調製用キット - Google Patents
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JP5688631B2 - 触媒体担持方法、触媒体担持基材及び触媒体担持液調製用キット - Google Patents

触媒体担持方法、触媒体担持基材及び触媒体担持液調製用キット Download PDF

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Description

本発明は、触媒体担持方法、触媒体担持基材及び触媒体担持液調製用キットに関するものである。
従来、太陽光等の光線の照射により光触媒活性を発揮することができ、当該光触媒活性に基づく消臭効果、抗菌効果等を発揮することのできる光触媒が知られており、このような光触媒として、酸化チタンを例示することができる。
酸化チタンは、紫外線の照射により光触媒活性を発揮することのできる光触媒(紫外線応答型光触媒)であって、可視光線が照射されたとしても光触媒活性を発揮することができないものであるため、室内のように紫外線強度が微弱な環境下においては、光触媒活性を十分に発揮することができない。
そこで、このような問題を解決すべく、従来、可視光線の照射により光触媒活性を発揮することのできる光触媒(可視光応答型光触媒)等が提案されている(特許文献1)。
そして、このような紫外線や可視光線の照射により光触媒活性を発揮し得る光触媒体は、例えば、繊維又は繊維製品等の各種基材に光触媒活性に基づく消臭機能等を付与することを目的として繊維等に固着されて使用されており、従来、当該光触媒体を固着させてなる繊維又は繊維製品や、当該光触媒体を練り込んでなる繊維等が提案されている(特許文献2、3)。
特開2001−205103号公報 特開2007−126764号公報 特開2000−78174号公報
しかしながら、特許文献2に記載されている繊維製品等は、光触媒体を含有する繊維処理剤に繊維製品を浸漬させることで、繊維に一定量の光触媒体が固着されてなるものであるが、得られる繊維製品等が、光触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等を十分に発揮し得ないという問題がある。
また、特許文献3に記載されている繊維は、光触媒体が練り込まれてなるものであるが、この繊維においても同様に光触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等を十分に発揮し得ないという問題がある。
このような課題に鑑みて、本発明は、繊維製品等を含む基材に、光触媒活性が十分に発揮され得るように触媒体を担持させることのできる触媒体担持方法、当該担持方法により触媒体が担持されてなる触媒体担持基材及び当該担持方法に使用し得る触媒体担持液調製用キットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、光線の照射により光触媒活性を発揮し得る触媒体を基材に担持させる方法であって、前記触媒体及び酸若しくはその塩又は2〜10質量%の尿素と、前記基材とを接触させることで、前記基材に前記触媒体を担持させる担持工程を含むことを特徴とする触媒体担持方法を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、触媒体を担持させる対象である基材に触媒体とともに酸若しくはその塩又は尿素を接触させることで、基材に担持された触媒体が十分な光触媒活性を発揮することができる。したがって、上記発明(発明1)に係る方法により触媒体が担持された基材が、触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能を十分に発揮することができる。
上記発明(発明1)においては、前記担持工程において、前記触媒体及び酸若しくはその塩又は尿素を含有する触媒体担持液に前記基材を浸漬させてもよい(発明2)。かかる発明(発明2)によれば、基材に略均一に触媒体を担持させることができる。
上記発明(発明1)においては、前記担持工程が、前記触媒体を含有する第1の液体に前記基材を浸漬させる工程と、前記酸若しくはその塩又は尿素を含有する第2の液体に前記基材を浸漬させる工程とを含むものであってもよい(発明3)。
触媒体の種類によっては、酸等と混合すると当該触媒体が沈殿してしまい、基材に触媒体を担持させるのが困難となるおそれがあるが、上記発明(発明3)のように触媒体を基材に接触させる工程と、酸等を基材に接触させる工程とを別工程とすることで、酸等と混合させることにより沈殿を生じてしまうような触媒体であっても、効果的に基材に担持させることができる。
上記発明(発明1〜3)においては、前記酸が、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、アジピン酸、酢酸、コハク酸、乳酸、酒石酸、塩酸、硝酸、リン酸及び炭酸からなる群より選択される少なくとも1種であるのが好ましい(発明4)。
さらに、本発明は、基材に、上記発明(発明1〜4)に係る触媒体担持方法により前記触媒体が担持されてなることを特徴とする触媒体担持基材を提供する(発明5)。かかる発明(発明5)によれば、光触媒活性を十分に発揮し得る触媒体担持基材を提供することができる。
さらにまた、本発明は、光線の照射により光触媒活性を発揮し得る触媒体を基材に担持させるために用いられる触媒体担持液の調製用キットであって、前記触媒体が収容されている第1の容器と、少なくとも酸若しくはその塩又は尿素が収容されている第2の容器とを備えることを特徴とする触媒体担持液調製用キットを提供する(発明6)。
本発明によれば、繊維製品等を含む基材に、光触媒活性が十分に発揮され得るように触媒体を担持させることのできる触媒体担持方法、当該担持方法により触媒体が担持されてなる触媒体担持基材及び当該担持方法に使用し得る触媒体担持液調製用キットを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る触媒体担持方法は、光線の照射により光触媒活性を発揮し得る触媒体及び酸若しくはその塩又は2〜10質量%の尿素と、基材とを接触させることで、基材に触媒体を担持させる担持工程を含むものである。
上記基材としては、特に限定されるものではなく、例えば、綿、ウール、麻、絹、セルロース系繊維等の繊維;それらの繊維のうちの少なくとも1種の繊維から構成される織布、不織布等の繊維集合体等が挙げられるが、これらのうち綿布が好適に用いられる。本実施形態に係る方法により綿布に触媒体を担持させることで、当該綿布を、触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に極めて優れたものとすることができる。
上記触媒体は、可視光線の照射により光触媒活性を発揮せず、紫外線の照射により光触媒活性を発揮し得る粉末状(粒子状)の光触媒体(いわゆる「紫外線応答型光触媒(従来型光触媒)」、以下「第1の触媒体」という場合がある。)であってもよいし、少なくとも可視光線の照射により光触媒活性を発揮し得る粉末状(粒子状)の光触媒体(いわゆる「可視光応答型光触媒(可視光型光触媒)」、以下「第2の触媒体」という場合がある。)であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
第1の触媒体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)等の金属酸化物;硫化亜鉛(ZnS)等の金属硫化物等が挙げられ、第2の触媒体としては、例えば、酸化タングステン(WO);酸化チタン又は酸化タングステンに白金(Pt)、金(Au)、鉄(Fe)、銅(Cu)等の金属のうちの少なくとも1種を担持させた金属担持酸化チタン又は金属担持酸化タングステン;酸化チタンに窒素、炭素、硫黄等のうちの少なくとも1種をドープしたドープ酸化チタン;二酸化チタンの結晶から部分的に酸素原子を引き抜いた酸素欠損型酸化チタン等が挙げられる。
第1の触媒体及び第2の触媒体として酸化チタン(第2の触媒体としての酸化チタンは、金属が担持され、窒素等がドープされ、又は部分的に酸素原子が引き抜かれる対象としての酸化チタン)を用いる場合、当該酸化チタンの結晶構造としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型等が挙げられ、当該酸化チタンは、これらのうち1種の結晶構造を有するもののみであってもよいし、2種以上の結晶構造を有するものの混合物であってもよい。当該酸化チタンは、これらのうち、光触媒活性が比較的高いとされるアナターゼ型の結晶構造を有する酸化チタンを少なくとも含んでいるのが好ましい。
酸化チタンの結晶構造は、例えば、X線回折スペクトルのピーク位置に基づいて同定することができる。また、このときのピーク位置とその半価幅から、結晶子径を求めることができる。例えば、アナターゼ型の結晶構造を有する酸化チタンを用いる場合、その結晶子径は、通常10nm以上であり、そのような光触媒であれば、光の照射に対して高い光触媒活性を示すものとなる。
酸又はその塩としては、特に限定されるものではなく、例えば、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、アジピン酸、酢酸、コハク酸、乳酸、酒石酸等の有機酸、塩酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸等、又はそれらのナトリウム塩、カルシウム塩等を用いることができる。
本実施形態に係る触媒体担持方法につき、以下具体的な実施形態を説明する。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態に係る触媒体担持方法は、触媒体及び酸若しくはその塩又は2〜10質量%の尿素と、基材とを接触させるべく、触媒体及び酸若しくはその塩又は2〜10質量%の尿素を含有する触媒体担持液に基材を浸漬させる。
触媒体担持液における触媒体の含有量は、特に限定されるものではなく、0.05〜2質量%であるのが好ましく、0.05〜1質量%であるのがより好ましく、0.05〜0.5質量%であるのが特に好ましい。0.05質量%未満であると基材への触媒体の担持量が少なくなり、所望とする光触媒活性が発揮されないおそれがあり、2質量%を超えると触媒体担持基材の製造コストが増大してしまう。
触媒体担持液は、触媒体の他、当該触媒体を分散させるための分散媒がさらに含まれるものである。このような分散媒としては、例えば、水;エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の有機溶媒等が挙げられ、これらのうち水を分散媒として用いるのが好ましい。
触媒体担持液における分散媒の配合量は、触媒体担持液中に触媒体が好適に分散し得る範囲内であれば特に限定されず、担持工程における作業性等に応じて適宜設定することができる。
触媒体担持液には、バインダー成分がさらに含まれていてもよい。バインダー成分としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂等を用いることができる。
触媒体担持液におけるバインダー成分の配合量は、特に限定されるものではなく、例えば、基材に触媒体を担持させる際に、当該触媒体が基材に効果的に担持され得るように適宜調整すればよい。
なお、触媒体担持液には、さらに任意成分として、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤(浸透剤);ゼオライト、シリカ等の消臭剤;イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類等が含まれていてもよい。
触媒体担持液が酸又はその塩を含有するものである場合、当該触媒体担持液における酸又はその塩の含有量は、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.05〜0.3質量%であるのがより好ましい。0.01質量%未満であると、基材に担持された触媒体の光触媒活性が発揮され難いおそれがあり、0.3質量%を超えると、上記担持工程を行うための装置が錆びたり、基材の酸性度が強くなったりするおそれがある。また、触媒体担持基材の製造コストが増大してしまう。
また、触媒体担持液が尿素を含有するものである場合、当該触媒体担持液における尿素の含有量は、2〜10質量%であり、4〜8質量%であるのが好ましい。2質量%未満であると、基材に担持された触媒体の光触媒活性が発揮されず、10質量%を超えても、基材に担持された触媒体による光触媒活性のさらなる向上が見込めないばかりか、触媒体担持基材の製造コストが増大してしまう。
触媒体担持液は、触媒体担持液を構成する各成分(触媒体、酸若しくはその塩又は尿素、分散媒、バインダー成分等)を所望含有量となるように混合することで調製することができるが、後述する触媒体担持液調製用キットを用いることにより、容易に調製することができる。
第1の実施形態において、触媒体担持液に基材を浸漬させる時間は、基材に所望とする量の触媒体を担持させることができる限り特に制限はなく、基材の種類等(基材として繊維集合体を用いる場合、繊維集合体を構成する繊維の種類、目付量、厚さ等)に応じて適宜設定することができる。
そして、触媒体担持液に浸漬させた基材を取り出し、触媒体担持液から取り出した基材を乾燥させる。基材の乾燥は、常温で行ってもよいし、乾燥機等を用いて常法により行ってもよい。
このようにして第1の実施形態により得られる触媒体担持基材における触媒体の担持量は、0.05〜1g/mであるのが好ましく、特に0.1〜0.5g/mであるのが好ましい。基材における触媒体の担持量が上記範囲内であれば、光触媒活性に基づく優れた消臭機能等の各種機能を触媒体担持基材に付与することができる。
上述したように、第1の実施形態に係る触媒体担持方法によれば、基材に担持された触媒体が十分な光触媒活性を発揮することができるため、光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に優れた触媒体担持基材を製造することができる。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態に係る触媒体担持方法は、触媒体を含有する第1の液体に基材を浸漬させる工程(第1の工程)と、酸若しくはその塩又は2〜10質量%の尿素を含有する第2の液体に基材を浸漬させる工程(第2の工程)とを含む。
第1の実施形態に係る方法のように触媒体と酸等とを混合させて触媒体担持液を調製したとしても、触媒体の種類によっては、当該触媒体担持液において触媒体が沈殿してしまうものもある。触媒体が沈殿してしまうと、触媒体担持液に基材を浸漬させたとしても、基材と触媒体とを接触させることが困難となり、結果として基材に触媒体を担持させることが困難となってしまう。そこで、第2の実施形態に係る方法のように、基材に触媒体を接触させる第1の工程と基材に酸等を接触させる第2の工程との別工程とすることで、酸等と混合すると沈殿してしまうような触媒体であっても効果的に基材に担持させることができる。
第1の液体における触媒体の含有量及び第2の液体における酸若しくはその塩又は尿素の含有量は、第1の実施形態の触媒体担持液におけるそれらの含有量と同様であればよい。
第1の液体には、第1の実施形態の触媒体担持液と同様に分散媒が含まれ、また、バインダー成分、浸透剤、消臭剤、アルコール類等が含まれていてもよい。なお、第1の液体におけるそれらの含有量も第1の実施形態の触媒体担持液と同様であればよい。
さらに、第1の液体に含まれる触媒体としては、第1の実施形態の触媒体担持液に含まれる触媒体と同様のものを用いることができるが、酸等と混合した際に沈殿を生じてしまうおそれのある触媒体を好適に用いることができ、第2の液体に含まれる酸又はその塩としては、第1の実施形態の触媒体担持液に含まれる酸又はその塩と同様のものを用いることができる。
第2の実施形態において、第1の工程と第2の工程とを行う順序は、特に限定されるものではないが、第1の工程を第2の工程よりも先に行うのが好ましい。第1の工程を第2の工程よりも先に行った方が、触媒体の光触媒活性に基づく、より優れた消臭機能等を有する触媒体担持基材を得ることができる。
第1の液体は、第1の液体を構成する各成分(触媒体、分散媒、バインダー成分等)を所望の含有量となるように混合することで得ることができ、第2の液体は、第2の液体を構成する各成分(酸若しくはその塩又は尿素)を所望の含有量となるように混合することで得ることができるが、後述する触媒体担持液調製用キットを用いることにより、容易に調製することができる。
第1及び第2の工程における基材の第1及び第2の液体への浸漬時間は、基材に所望とする量の触媒体を担持させることができる限り特に制限はなく、基材の種類等(基材として繊維集合体を用いる場合、繊維集合体を構成する繊維の種類、目付量、厚さ等)に応じて適宜設定することができる。
第1又は第2の工程後、第2又は第1の工程に移行する前に、基材を乾燥させてもよい。特に、第1の工程後に第2の工程を行う場合には、第1の工程後に基材を乾燥させるのが好ましい。基材を乾燥させることなく第1の工程から第2の工程に移行すると、第2の工程において第2の液体中に基材から触媒体が流出してしまうおそれがある。
このようにして得られる触媒体担持基材は、基材に担持された触媒体が十分な光触媒活性を発揮することができるため、光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に優れたものとなる。
第2の実施形態により得られる触媒体担持基材における触媒体の担持量は、0.05〜1g/mであるのが好ましく、特に0.1〜0.5g/mであるのが好ましい。基材における触媒体の担持量が上記範囲内であれば、光触媒活性に基づく優れた消臭機能等の各種機能を触媒体担持基材に付与することができる。
上述したように、第2の実施形態に係る触媒体担持方法によれば、基材に担持された触媒体が十分な光触媒活性を発揮することができるため、光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に優れた触媒体担持基材を製造することができる。特に、第2の実施形態に係る触媒体担持方法によれば、酸等と混合すると沈澱を生じてしまうような触媒体であっても効果的に基材に担持させることができる。
〔触媒体担持液調製用キット〕
触媒体担持液調製用キットは、少なくとも触媒体を含有する第1の原液を収容する第1の容器と、少なくとも酸若しくはその塩又は尿素を含有する第2の原液を収容する第2の容器とを備える。
上記触媒体担持液調製用キットを用いることで、上記第1の実施形態の担持工程において使用される触媒体担持液又は上記第2の実施形態の第1の工程及び第2の工程において使用される第1の液体及び第2の液体を極めて容易に調製することができる。
第1の実施形態における触媒体担持液は、第1の容器に収容されている第1の原液を水(純水等)で希釈して得られる第1の希釈液と第2の容器に収容されている第2の原液とを混合することにより調製することができる。なお、第1の原液中の触媒体含有量や第2の原液中の酸若しくはその塩又は尿素含有量によっては、第1の原液と、第2の原液又は第2の原液を純水等の水で希釈して得られる第2の希釈液とを混合して触媒体担持液を調製してもよい。
第2の実施形態における第1の液体としては、第1の液体中の触媒体含有量が所定の含有量となる限り、第1の原液中の触媒体含有量に応じて、第1の原液をそのまま使用してもよいいし、第1の原液を水(純水等)で希釈して得られる第1の希釈液を使用してもよい。
第2の実施形態における第2の液体としては、第2の液体中の酸若しくはその塩又は尿素含有量が所定の含有量となる限り、第2の原液中のそれらの含有量に応じて、第2の原液をそのまま使用してもよいし、第2の原液を水(純水等)で希釈して得られる第2の希釈液を使用してもよい。
上記希釈液(第1の希釈液、第2の希釈液)を調製する場合における希釈倍率(質量基準)は、基材の種類、第1の原液中の触媒体含有量、第2の原液中の酸若しくはその塩又は尿素含有量等に応じて適宜設定することができるが、例えば、基材として繊維集合体を使用する場合には、20〜80倍であるのが好ましく、30倍〜50倍程度であるのがより好ましい。
上述したように、上記触媒体担持液調製用キットによれば、それぞれ別個の容器に収容されている第1の原液(又は第1の原液を希釈して得られる第1の希釈液)と第2の原液(又は第2の原液を希釈して得られる第2の希釈液)とを混合するだけで、触媒体担持液を極めて簡単に調製することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記第1の実施形態又は第2の実施形態において、基材を触媒体担持液、又は第1の液体及び第2の液体に浸漬させることにより基材に触媒体を担持させているが、これに限定されるものではなく、基材表面に触媒体担持液、又は第1の液体及び第2の液体を噴霧する方法により、基材に触媒体を担持させるようにしてもよい。この場合において、基材に噴霧される触媒体担持液又は第1の液体中の触媒体含有量は、0.5〜5質量%であるのが好ましい。
また、上記方法以外にも、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等の塗工機を用いて基材表面に触媒体担持液、又は第1の液体及び第2の液体を塗布し乾燥する方法により基材に触媒体を担持させるようにしてもよい。
上記触媒体担持液調製用キットにおける第1の容器には第1の原液が収容されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第1の容器に触媒体(粉末状等)のみが収容されており、触媒体を分散させるための分散媒、バインダー等が収容された別個の容器をさらに備えるものであってもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
〔比較例1〕
紫外線応答型光触媒(F6−APS,昭和電工社製)と飽和共重合ポリエステル樹脂エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−10℃)とを混合し、水で希釈して、酸化チタン固形分7質量%、ポリエステル樹脂固形分3.0質量%の第1の原液を調製した。得られた第1の原液を水で40倍(質量基準)に希釈した希釈液に綿ブロード布(目付量:115g/m)を浸漬させ、その後乾燥させて、触媒体担持基材を得た。
〔比較例2〕
第1の原液を希釈した希釈液における尿素含有量が0.1質量%となるように尿素を添加した以外は、比較例1と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔比較例3〕
第1の原液を希釈した希釈液における尿素含有量が0.5質量%となるように尿素を添加した以外は、比較例1と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例1〕
第1の原液を希釈した希釈液における尿素含有量が4質量%となるように尿素を添加した以外は、比較例1と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例2〕
第1の原液を希釈した希釈液における尿素含有量が8質量%となるように尿素を添加した以外は、比較例1と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔比較例4〕
綿ブロード布に代えてウール(目付量:200g/m)を用い、第1の原液を希釈した希釈液における浸透剤含有量が0.05質量%となるように浸透剤(アニオン性界面活性剤,AOT)を添加した以外は、比較例1と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例3〕
第1の原液を希釈した希釈液における浸透剤含有量が0.04質量%となるように浸透剤を添加し、当該希釈液における尿素含有量が4質量%となるように尿素を添加した以外は、比較例4と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔比較例5〕
紫外線応答型光触媒(MPT−422,石原産業社製)とアニオン性アクリル樹脂エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−7℃)とを混合し、水で希釈して、酸化チタン固形分7質量%、アクリル樹脂固形分3.0質量%の第1の原液を調製した。得られた第1の原液を水で40倍(質量基準)に希釈した希釈液に綿ブロード布(目付量:115g/m)を浸漬させ、その後乾燥させて、触媒体担持基材を得た。
〔実施例4〕
第1の原液を希釈した希釈液におけるクエン酸含有量が0.02質量%となるようにクエン酸を添加した以外は、比較例5と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例5〕
第1の原液を希釈した希釈液におけるクエン酸含有量が0.05質量%となるようにクエン酸を添加した以外は、比較例5と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例6〕
第1の原液を希釈した希釈液におけるクエン酸含有量が0.1質量%となるようにクエン酸を添加した以外は、比較例5と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例7〕
第1の原液を希釈した希釈液におけるクエン酸含有量が0.2質量%となるようにクエン酸を添加した以外は、比較例5と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例8〕
第1の原液を希釈した希釈液におけるクエン酸含有量が0.5質量%となるようにクエン酸を添加した以外は、比較例5と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔比較例6〕
紫外線応答型光触媒(MPT−422,石原産業社製)とアニオン性アクリル樹脂エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−7℃)とを混合し、水で希釈して、酸化チタン固形分7質量%、アクリル樹脂固形分3質量%の第1の原液を調製した。得られた第1の原液を水で50倍(質量基準)に希釈した希釈液に11号帆布(目付量:260g/cm)を浸漬させ、その後乾燥させて、触媒体担持基材を得た。
〔実施例9〕
第1の原液がクエン酸2質量%を含有する以外は、比較例6と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔比較例7〕
11号帆布に代えて綿シーチング(目付量:140g/cm)を用いた以外は、比較例6と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例10〕
第1の原液がクエン酸2質量%を含有する以外は、比較例7と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔比較例8〕
11号帆布に代えて綿ブロード布(目付量:115g/m)を用いた以外は、比較例6と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例11〕
第1の原液を希釈した希釈液におけるクエン酸ナトリウム含有量が0.2質量%となるようにクエン酸ナトリウム水溶液を添加した以外は、比較例8と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例12〕
第1の原液を希釈した希釈液に4質量%塩酸を添加して当該希釈液のpHを3.0に調整した以外は、比較例6と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例13〕
第1の原液を希釈した希釈液における酢酸含有量が0.2質量%となるように酢酸を添加した以外は、比較例6と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例14〕
第1の原液を希釈した希釈液におけるリンゴ酸含有量が0.1質量%となるようにリンゴ酸を添加した以外は、比較例6と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例15〕
第1の原液を希釈した希釈液におけるシュウ酸含有量が0.1質量%となるようにシュウ酸を添加した以外は、比較例6と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例16〕
第1の原液を希釈した希釈液におけるアジピン酸含有量が0.1質量%となるようにアジピン酸を添加した以外は、比較例6と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔比較例9〕
紫外線応答型光触媒(F6−APS,昭和電工社製)と飽和共重合ポリエステル樹脂エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−10℃)とを混合し、水で希釈して、酸化チタン固形分7質量%、ポリエステル樹脂固形分3.0質量%の第1の原液を調製した。得られた第1の原液を水で40倍(質量基準)に希釈した希釈液に綿ブロード布(目付量:115g/m)を浸漬させ、その後乾燥させた。乾燥後の綿ブロード布を純水に浸漬させ、その後乾燥させて、触媒体担持基材を得た。
〔実施例17〕
第1の原液を希釈した希釈液に浸漬させ、乾燥させた後の綿ブロード布を純水に代えて0.2質量%クエン酸水溶液に浸漬させる以外は、比較例9と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例18〕
第1の原液を希釈した希釈液に浸漬させ、乾燥させた後の綿ブロード布を純水に代えて0.5質量%クエン酸水溶液に浸漬させる以外は、比較例9と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例19〕
第1の原液を希釈した希釈液に浸漬させ、乾燥させた後の綿ブロード布を純水に代えて1質量%クエン酸水溶液に浸漬させる以外は、比較例9と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例20〕
第1の原液を希釈した希釈液に浸漬させ、乾燥させた後の綿ブロード布を純水に代えて2質量%クエン酸水溶液に浸漬させる以外は、比較例9と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例21〕
第1の原液を希釈した希釈液に浸漬させ、乾燥させた後の綿ブロード布を純水に代えて4質量%クエン酸水溶液に浸漬させる以外は、比較例9と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔実施例22〕
紫外線応答型光触媒(MPT−422,石原産業社製)とアニオン性アクリル樹脂エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−7℃)とを混合し、水で希釈して、酸化チタン固形分7質量%、アクリル樹脂固形分3.0質量%の第1の原液を調製した。0.1質量%クエン酸水溶液に綿ブロード布(目付量:115g/m)を浸漬させ、その後乾燥させた。乾燥後の綿ブロード布を、第1の原液を水で40倍(質量基準)に希釈した希釈液に浸漬させ、その後乾燥させて、触媒体担持基材を得た。
〔比較例10〕
紫外線応答型光触媒(MPT−422,石原産業社製)とアニオン性アクリル樹脂エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−7℃)とを混合し、水で希釈して、酸化チタン固形分7質量%、アクリル樹脂固形分3.0質量%の第1の原液を調製した。得られた第1の原液を水で40倍(質量基準)に希釈した希釈液にキュプラ布(目付量:60g/m)を浸漬させ、その後乾燥させて、触媒体担持基材を得た。
〔実施例23〕
第1の原液を希釈した希釈液におけるクエン酸含有量が0.1質量%となるようにクエン酸を添加した以外は、比較例10と同様にして触媒体担持基材を得た。
〔アセトアルデヒド消臭試験〕
実施例1〜23及び比較例1〜10の触媒体担持基材について、下記のようにしてアセトアルデヒド消臭試験を行った。
触媒体担持基材(実施例1〜23,比較例1〜10)を5×5cmに切断し、試料とした。ブラックライト(型式:FL40S・BLB−A,東芝ライテック社製)を用い、試料表面での紫外線強度が1mW/cmとなるようにブラックライトと試料との距離を調整し、前処理として紫外線を所定時間(表1参照)照射した。
容量1Lのテドラーバックの中に上記前処理を施した試料を収容した後、空気を抜いてから20ppmのアセトアルデヒド1Lを注入した。
ブラックライト(型式:FL40S・BLB−A,東芝ライテック社製)を用い、テドラーバック内の試料に紫外線を所定時間(表1を参照)照射し(試料表面での紫外線強度が1mW/cm)、その後、テドラーバック内のアセトアルデヒド濃度を、アセトアルデヒド用検知管(ガステック社製)を用いて測定した。
コントロールとして光触媒を担持させていない基材(綿ブロード布、ウール、11号帆布、綿シーチング、キュプラ布)のみについても上記と同様の操作を行ってアセトアルデヒド濃度を測定し、下記式によりアセトアルデヒド除去率(%)を算出した。
アセトアルデヒド除去率(%)=(B−A)/B×100
式中、Aは「試料のアセトアルデヒド濃度」を表し、Bは「コントロールのアセトアルデヒド濃度」を表す。
結果を表1〜3に示す。
Figure 0005688631
Figure 0005688631
Figure 0005688631
表1に示すように、尿素を所定量(4質量%,8質量%)含有する触媒体担持液に浸漬させて得られた触媒体担持基材(実施例1,2)は、尿素を含有しない触媒体担持液に浸漬させて得られた触媒体担持基材(比較例1)よりも消臭性能に優れることが確認された。また、尿素含有量を低減させた触媒体担持液に浸漬させて得られた触媒体担持基材(比較例2,3)の消臭性能は、尿素を含有しない触媒体担持液に浸漬させて得られた触媒体担持基材(比較例1)と略同等であった。この結果から、所定量の尿素と触媒体とを含有する触媒体担持液に基材を浸漬させることで、基材に担持された触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に優れた触媒体担持基材が得られることが判明した。
また、実施例3及び比較例4の試験結果から明らかなように、基材として綿布に代えてウールを用いても、尿素を含有する触媒体担持液に基材を浸漬させることで、基材に担持された触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に優れた触媒体担持基材が得られることが確認された。
さらに、実施例4〜16及び比較例5〜8の試験結果(表2を参照)から明らかなように、酸又はその塩を含有する触媒体担持液に基材を浸漬させることで、基材に担持された触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に優れた触媒体担持基材が得られることが確認された。
さらにまた、実施例17〜23及び比較例9の試験結果(表3を参照)から明らかなように、触媒体を含有する第1の液体に基材を浸漬させる工程(第1の工程)と、酸若しくはその塩又は所定量の尿素を含有する第2の液体に基材を浸漬させる工程(第2の工程)との別工程にて触媒体及び酸若しくはその塩又は尿素と基材とを接触させることによっても、基材に担持された触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に優れた触媒体担持基材が得られることが確認された。
なお、実施例17〜22の試験結果から、第1及び第2の工程を行う順序にかかわらず、基材に担持された触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に優れた触媒体担持基材が得られることが確認された。
実施例23及び比較例10の試験結果(表3を参照)から明らかなように、セルロース系繊維であるキュプラ布を基材として使用した場合であっても、酸若しくはその塩を含有する触媒体担持液に基材を浸漬させることで、基材に担持された触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に優れた触媒体担持基材が得られることが確認された。
このことから、セルロース系繊維材料である木材等を基材として使用しても、基材に担持された触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に優れた触媒体担持基材を得ることができると推察される。
本発明の触媒体担持方法は、光線の照射により光触媒活性を発揮し得る触媒体を担持させ、当該触媒体の光触媒活性に基づく消臭機能等の各種機能に優れた触媒体担持基材を製造する方法として有用である。

Claims (4)

  1. 光線の照射により光触媒活性を発揮し得る触媒体を基材に担持させる方法であって、
    前記触媒体と有機酸又はその塩とを、前記基材に接触させることで、前記基材に前記触媒体を担持させる担持工程を含み、
    前記有機酸がクエン酸、リンゴ酸又はシュウ酸であることを特徴とする触媒体担持方法。
  2. 前記担持工程において、前記触媒体と前記有機酸又はその塩とを含有する触媒体担持液に前記基材を浸漬させることを特徴とする請求項1に記載の触媒体担持方法。
  3. 前記担持工程が、前記触媒体を含有する第1の液体に前記基材を浸漬させる工程と、前記有機酸又はその塩を含有する第2の液体に前記基材を浸漬させる工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の触媒体担持方法。
  4. 基材に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒体担持方法により前記触媒体が担持されてなることを特徴とする触媒体担持基材。
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