本発明にかかる実施例のパチンコ遊技機1を添付図面に従って説明する。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10(図2参照)が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。さらに前枠5には、遊技盤10を覆うガラス板6が設けられている。また、前枠5の下部には、二つの球受皿7,8が上下に列設されており、各球受皿7,8を臨む位置には、遊技球が払い出される球払出口30,31が夫々開口している。二つの球受皿7,8のうち、下側に設置された下部球受皿8の底部には、開閉可能な球抜孔33が設けられており、遊技者は、下部球受皿8の手前側に設けられた球抜レバー34が操作されて球抜孔33を開放することで、下部球受皿8の遊技球を機外に排出できる。また、前枠5には、右下部に発射ハンドル9が突設される。ここで、遊技機本体3により本発明の機台が構成されている。
図2は、遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、ガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されている。遊技領域12の中央には、演出画像表示器14等の各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。演出画像表示器14は、液晶表示器又はCRT表示器等からなり、その表示画面には各種演出画像等が表示される。
また、センターケース13の下部には、特別図柄の始動記憶(以下、特別始動記憶)を記憶保持している個数を表す未消化数(特別図柄始動記憶数)を報知するための特別始動記憶数表示装置17が配設されている。ここで、4個のLEDからなる特別始動記憶数表示装置17は、その点灯数により4個までの未消化数を報知する。
さらにまた、センターケース13の右側上部には、6個のLED(発光ダイオード)からなる特別図柄表示器15が配設される。この特別図柄表示器15は、LEDの点灯態様によって特別図柄を表示するものであり、後述するように、所定契機によって、各LEDが点滅して特別図柄が変動状態となり、点滅後にいずれかのLEDが点灯することで特別図柄が停止表示状態となる。本実施例では、右側のLEDが点灯した停止図柄態様が当り停止図柄態様、それ以外のLEDが点灯した停止図柄態様がハズレ停止図柄態様と設定されており、特別図柄の停止図柄態様が当り態様で確定された場合に、いわゆる「大当り」となって後述の大当り遊技(特別遊技作動)に移行する。
図2に示すように、センターケース13の左側には普通始動ゲート19が設けられている。この普通始動ゲート19を遊技球が通過すると、普通始動ゲート19に具備された普通始動スイッチS2(図4参照)が遊技球を検知して球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて、センターケース13の下部右側に設けられた2個の普通図柄表示器(図示せず)が点滅して所定点灯態様で停止する。
また、センターケース13の下方には、遊技球を流入可能とする始動口21を備えた普通電動役物20が配設されている。この始動口21の内部には、遊技球を検知する特別始動スイッチS1(図3参照)が配設されており、該始動口21への遊技球流入に伴って特別始動スイッチS1が遊技球を検知することによって特別図柄表示器15のLEDが点滅開始する。また、この遊技球を検知することにより球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
さらに普通電動役物20の直下かつアウト口28の直上方位置には、大入賞口25を有する特別電動役物26が配設されている。この特別電動役物26は横長矩形状の開閉片27を具備している。開閉片27は内蔵する特別電動役物ソレノイドにより開閉制御され、これによって大入賞口25が開放状態と閉鎖状態に変換される。また、特別電動役物26の内部には入賞した遊技球を検知するカウントスイッチS3(図4参照)が設けられている。また、この遊技球を検知することにより球検知信号を出力し、この球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
また、普通電動役物20の両側に配設された一般入賞装置29に遊技球が入賞すると、一般入賞装置29に内蔵された一般入賞スイッチS4(図4参照)が球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
尚、本実施例にあって、上記した普通電動役物20の始動口21が、本発明の始動口であり、普通電動役物20内に設けられた特別始動スイッチS1が、本発明にかかる球検知手段である。
また、パチンコ遊技機1の背面側には、図3に示すように、遊技島から供給される遊技球を貯留する球タンク35と、該球タンク35から、球受皿7,8の球払出口30,31へ遊技球を流下させる球流下樋36と、球流下樋36に配設されて、球タンク35側から流下する遊技球を球払出口30,31側へ送り出すことで、球受皿7,8に遊技球を払い出す球払出装置37とが設けられている。球払出装置37が送り出す遊技球は、上側の上部球受皿7に優先的に払い出され、上部球受皿7が満杯となると自然に下部球受皿8へ遊技球が払い出されることとなる。そして、球流下樋36には、下部球受皿8の球払出口31の直前位置に、下部球受皿8の満杯状態を検知する満杯検知センサ38が配設される。この満杯検知センサ38は、リミットスイッチからなり、下部球受皿8が満杯となった時に、球払出口31の手前に滞留した遊技球を検知し、満杯検知ONして満杯検知ON信号を出力する。満杯検知センサ38は、球払出口31の手前に滞留した遊技球を検知しなければ、前記満杯検知ON信号を出力せず、いわゆる満杯検知OFFである。そして、遊技球を検知している間、満杯検知ONが継続し、満杯検知ON信号を出力し続ける。本実施例では、上下の球受皿7,8のうち、満杯検知センサ38が配設された下部球受皿8が、本発明に係る球受皿に相当する。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の一連の遊技動作を制御する制御回路を、図4を参照して説明する。
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技動作等を制御するための基板回路が設けられる。この主制御基板60は、遊技の統括的な制御を実行するものである。この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設される。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。記憶装置ROMには、制御プログラムや、抽選乱数を参照して当落判定や図柄の変動・停止態様、演出態様等を決定するための各種テーブルが格納されている。
一方、記憶装置RAMには、各種球検知スイッチからの球検知信号等が一時的に記憶される記憶エリア、各種のタイマや乱数カウンタ、計数カウンタ等を構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
さらに、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTMも接続される。
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62〜68に設置される各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御信号を三つの制御基板62,63,64へ出力し、これらの制御基板62,63,64の中央制御装置CPUがこの制御信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令信号が、演出制御基板62、図柄制御基板63、および払出制御基板64の各入力ポートに向け、一方向に出力される。また、主制御基板60の入力ポートには、盤面中継基板61を介して、特別始動スイッチS1や普通始動スイッチS2等の各種スイッチやセンサ等が接続されている。そして、主制御基板60が2msごとに、これらに内蔵された各スイッチの遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があると、その球検出信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。ここで、下部球受皿8の奥に配設された満杯検知センサ38が盤面中継基板61を介して接続されており、下部球受皿8の満杯時には、満杯検知センサ38から主制御基板60へ満杯検知ON信号が送信される。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物ソレノイドや特別電動役物ソレノイド等が接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に、これらに内蔵されたソレノイドやモータを作動させる。
上記の演出制御基板62には、パチンコ遊技機1で実行される演出全般を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、演出を制御処理する演出制御用中央制御装置CPUに、多岐にわたる演出態様に関する固定データが格納された記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。演出制御基板62の出力ポートには、演出画像表示器14を制御する画像制御基板65、スピーカを制御する音源制御基板66、及びLEDランプによる演出を制御する光源制御基板67が接続されている。そして、演出制御基板62は、主制御基板60からの制御信号が入力ポートに入力されると、演出制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、該制御信号で指示された演出態様を実行するために、画像制御基板65、音源制御基板66、及び光源制御基板67へ向けて制御信号を送信する。
上記の画像制御基板65には、演出画像表示器14で表示する演出画像を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、演出画像の表示態様を制御処理する画像制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや画像データ等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、描画領域等のデータを読み書きする領域が設けられた記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。画像制御基板65は、演出制御基板62から演出画像等の表示に係る信号を受信すると、画像制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所要の画像データを記憶装置RAMに書き込んで一画面分の画像データを作成し、出力ポートを介して演出画像表示器14に出力し、演出画像表示器14の表示画面に、出力した画像データに係る演出画像を表出させる。
上記の音源制御基板66には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられる。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音声データ等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。音源制御基板66は、演出制御基板62から演出音声等の出力に係る信号を受信すると、所要の音声データを記憶装置RAMで展開・混合してスピーカ(図示せず)に送出し、スピーカから出力させる。
上記の光源制御基板67には、遊技機本体3に配設された多数の演出用ランプを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、演出用ランプの点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、演出ランプを所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板67は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の演出制御基板62から入力ポートを介して入力された制御信号を演算処理し、出力ポートを介して、各種の演出用ランプを点灯、点滅させる。
上記の図柄制御基板63には、特別図柄表示器15を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、特別図柄表示器15のLEDの点灯、点滅等を制御する図柄制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、LEDを所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この図柄制御基板63は、図柄制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力された制御信号を演算処理し、所定の光データを、出力ポートを介して、特別図柄表示器15のLEDを発光作動するドライバを配した図柄作動基板に出力し、この図柄作動基板が、各装置のLEDを点灯、点滅させる。
上記の払出制御基板64には、遊技球の払出しを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、球払出装置37のソレノイドを作動して、賞球の払い出しを制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータや未払球数等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板64は、主制御基板60から入力される払出要求信号を払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、出力ポートを介して球払出装置37のソレノイドを作動して、所定個数の賞球を払出す払出処理(図5参照)を実行する。
払出制御基板64の出力ポートには、発射制御基板68が接続される。発射制御基板68には、発射装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、動作プログラム等が格納されている記憶装置ROMと、入出力信号等を一時的に記憶する記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。発射制御基板68の入力ポートには、発射ハンドル9に内蔵された回動角度検知センサから発射ハンドル9の現在角度に応じた電圧信号が入力される。発射制御基板68の出力ポートには発射装置が接続されており、発射制御基板68は、発射ハンドル9からの入力信号に応じた電圧強度で、発射装置に内蔵されたロータリーソレノイドを間欠的に駆動することで、発射ハンドル9の現在角度に応じた強さで遊技球を立て続けに打圧発射する。
以上の制御回路にあって、本発明に係る払出制御手段は、主に、主制御基板60及び払出制御基板64によって実現される。また、本発明に係る演出制御手段は、主に、主制御基板60、演出制御基板62、画像制御基板65によって実現される。また、本発明に係る遊技制御手段は、主に、主制御基板60、演出制御基板62、図柄制御基板63、払出制御基板64によって実現される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の一連の遊技動作の態様について説明する。なお、本実施例のパチンコ遊技機1の基本的な作動は、既存のパチンコ遊技機と同様であるため詳細な説明は省略する。
遊技盤10の遊技領域12に発射された遊技球が、普通電動役物20の始動口21へ流入すると、各種テーブルから乱数抽選が行われて特別図柄用の特別始動記憶が発生する(図5の入賞検知処理参照)。そして、この特別始動記憶を消化することにより、特別図柄表示器15でLEDが点滅して特別図柄が変動開始し(図7の特別図柄処理参照)、変動開始から所定時間経過すると、いずれかのLEDを点灯して特別図柄が変動停止して停止図柄態様を確定する。このように、特別始動記憶の消化によって特別図柄の変動開始から確定停止までの一連の図柄生成行程を実行する。ここで、特別図柄の停止図柄態様が当り停止図柄態様であると大当りとなり、後述の特別遊技作動を実行する。
また、上記の図柄生成行程の実行に伴って、スピーカや演出用ランプが所定態様で作動すると共に、演出画像表示器14の表示画面で演出画像を表示する。例えば、特別図柄表示器15で特別図柄が変動表示されている間(図柄生成行程の実行中)は、演出画像表示器14の表示画面で特別図柄変動用(図柄生成行程用)の演出画像F2(図10(c)参照)が表示され、時折リーチ演出画像や予告演出画像などが表示されることによって、遊技者の大当りへの期待感を盛り上げる。また、特別遊技作動中には大当り用の演出画像F1(図10(a)参照)が演出画像表示器14に表示され、大当り遊技を盛り上げる。このように、図柄生成行程や特別遊技作動等を順次実行する一連の遊技動作に応じた演出画像F1,F2を、演出画像表示器14で表示するように制御している。ここで、本実施例では、この一連の遊技動作に応じて表示制御される演出画像F1,F2を、通常の演出画像と言い、この通常の演出画像によって一連の遊技動作が実行されていることを遊技者に報知して遊技を盛り上げる役割を有するものとなっている。また、演出画像の表示と並行して、演出用LED(図示省略)が発光・点滅する。さらに、これらと並行するように、スピーカから演出音声が逐次出力されることで、画像、光、音声などを組み合わせた盛大な演出が行われる。
上記の特別始動記憶としては、記憶装置ROMに格納された特別図柄用の各種テーブルから夫々抽出した複数の乱数値によるデータ集合体から構成されており、始動口21に流入した遊技球を特別始動スイッチS1が検知することによって複数の乱数値が夫々抽出される(図5の入賞検知処理参照)。特別始動記憶を構成する各乱数値は、上述したように、特別図柄の当落判定や停止態様、演出画像の変動・表示パターン等を決定するためのものであり、具体的には、当り又はハズレを判定するための大当り乱数値、当りとなる場合の停止図柄態様を決定するための大当り図柄乱数値等を含む。このような特別始動記憶を消化することにより、当該始動記憶の大当り乱数値を判定し、その判定結果に基づき、他の乱数値に従って停止図柄態様、演出態様、変動時間等を選定する処理(図7中の変動演出態様選択処理)を行う。これに従って、特別図柄表示器15で特別図柄を変動開始すると共に前記変動演出態様選択処理で決定した変動時間を時間消化開始し、該変動時間の消化満了(タイムアップ)に伴って停止図柄態様で確定停止する。このような一連の図柄生成行程の実行に伴って、上述したように、該図柄生成行程に応じた演出画像が演出画像表示器14で表示される。この演出画像は、前記変動演出態様選択処理により決定された変動演出パターンに従って表示される。
始動口21への入賞によって生成された特別始動記憶は、当該特別始動記憶の消化により図柄生成行程が開始されるまで、記憶装置RAMに設定された特別始動記憶領域に記憶保持される。そして、特別始動記憶領域に記憶保持されている特別始動記憶の個数である未消化数を、上記した特別始動記憶数表示装置17の点灯数によって報知している。尚、本実施例にあっては、未消化数の上限が4個となっており、未消化数が4個ある状態では新たな特別始動記憶を発生しない(図5参照)。
特別図柄表示器15で変動した特別図柄が当り停止図柄態様で確定停止すると、図9の大入賞口処理に従って特別遊技作動を実行する。特別遊技作動は、大入賞口25が開閉する開放ラウンドを所定回数実行する作動であり、上述したように、特別図柄が当り停止図柄態様で停止して大当りとなることにより開始する。その後、所定回数の開放ラウンドを満了することにより当該特別遊技作動を満了する。ここで、一回の開放ラウンドは、大入賞口25の30秒間開放または9個の入賞のいずれか一方を満足することにより満了する。特別遊技作動では、この開放ラウンドを15回繰り返し実行する。このような特別遊技作動の実行状態では、大入賞口25へ100個以上の入賞が期待でき、遊技者は多量の賞球を獲得できる。さらに、特別遊技作動の実行に伴って、上述したように、該特別遊技作動に応じた演出画像が演出画像表示器14で表示される。
このように、パチンコ遊技機1は、上記の主制御基板60等によって、遊技球の始動口21への入賞に基づいて、特別図柄表示器15で特別図柄を変動し、その停止図柄態様が当り態様である場合に大入賞口25を開閉する特別遊技作動を実行するという、一連の遊技動作を処理制御するものである。
以下に、本発明の要部に係る構成について説明する。
本実施例では、遊技球が始動口21などに入賞すると、通常は、入賞の種類に応じて予め設定されている規定数の遊技球が賞球として球受皿7,8に払い出される(図5の入賞検知処理)。球払出装置37が送出する遊技球は、上述のように、上部球受皿7に優先的に払い出され、上部球受皿7が満杯となって遊技球が上部球受皿7に流入不能となると、下部球受皿8に払い出される(図3参照)。そして、下部球受皿8も満杯となると、遊技球の払出しが停止する。
下部球受皿8が遊技球で満杯となると、上記の満杯検知センサ38が、球払出口31の手前に滞留した遊技球を検知することにより、満杯検知ONして満杯検知ON信号を出力し、検知している間で該満杯検知ON信号の出力を継続する。ここで、満杯検知センサ38は、満杯により滞留する遊技球を検知しない状態では、満杯検知OFFを維持して、満杯検知ON信号を出力しない。すなわち、遊技球が満杯となると、満杯検知センサ38が満杯検知OFFから満杯検知ONとなることによって、満杯検知ON信号を出力していない状態(満杯フラグ=0)から満杯検知ON信号を出力する状態(満杯フラグ=1)となる(図6の満杯処理参照)。
満杯検知センサ38から出力した満杯検知ON信号は、上述したように主制御基板60に入力される。主制御基板60は、満杯検知ON信号を入力すると、図6の満杯処理により満杯フラグ=1として、該満杯検知ON信号が継続している間で(満杯フラグ=1)、図5の入賞検知処理により上記した各スイッチS1,S3,S4から球検出信号を入力する毎に、未払球数Nをカウントして記憶装置RAMに記憶し、払出制御基板64への払出要求信号(賞球コマンド)を出力しない。これにより、払出制御基板64は球払出装置37の駆動を停止する。すなわち、下部球受皿8が遊技球で満杯となると、賞球の払い出しを中断する。その後、前記満杯が解消されることにより満杯検知OFFとなると、満杯検知ON信号の入力が停止することから、図6の満杯処理により満杯フラグ=0として、未払球数Nに従って未払いの賞球を払い出す未払い処理を実行する。この未払い処理では、未払球数Nに基づく払出要求信号を払出制御基板64へ出力し、払出制御基板64が、払出要求信号に従って球払出装置37を駆動して、未払球数Nによる数の賞球を払い出す。ここで、本発明に係る未払い制御処理が、入賞検知処理、満杯処理(および未払い処理)により実現される。
一方、図6の満杯処理では、満杯検知ON信号の入力によって満杯フラグ=1とすることから、満杯検知ON信号を入力していない状態で、満杯フラグ=0を維持し、満杯検知ON信号を継続的に入力している状態で、満杯フラグ=1を維持する。
満杯検知ON信号の入力により満杯フラグ=1となると、特別遊技作動の実行中(特別遊技フラグ=1)であるか否かを確認し、特別遊技フラグ=1であれば特別満了フラグ=1とする。特別遊技作動の実行中に満杯フラグ=1となっても、実行中の特別遊技作動を継続して実行制御すると共に、図10(a)のように該特別遊技作動に応じて演出画像表示器14で表示している演出画像F1も継続して表示制御する。そのため、主制御基板60は、満杯フラグ=1となっても、特別遊技フラグ=1であれば、特別遊技作動に応じて表示されている演出画像を変更するような信号を、演出制御基板62へ送信しない。
このように、特別遊技作動の実行中に下部球受皿8が満杯となっても、該特別遊技作動を継続することから、大入賞口25への入賞をカウントし、満杯フラグ=1に従って未払球数Nとしてカウントして記憶する。このため、新たな賞球が発生しない(図5参照)。
満杯フラグ=1は、満杯検知ON信号の入力が継続している間、継続する。そして、特別遊技作動が満了して特別遊技フラグ=0となると、図6のように満杯フラグ=1により擬似中断フラグ=1として擬似中断演出処理を実行する。この擬似中断演出処理では、擬似中断演出画像の表示を指示する信号が主制御基板60から演出制御基板62へ送信され、演出制御基板62は画像制御基板65を介して、予め設定されている擬似中断演出画像データに基づいて、一画面分の演出画像データを作成し、当該演出画像データに係る擬似中断演出画像Gを演出画像表示器14の表示画面に表出させる。ここで、擬似中断演出画像Gとして、図10(b)のように「球受皿が満杯です!/遊技を中断しますので球を排出してください!」という画像を、演出画像表示器14の表示画面に大きく表示させる。このように擬似中断演出画像Gは、遊技動作が中断したと見せかけるような画像であることから、遊技者に遊技が中断したと思い込ませることができ、遊技者は余裕を持って球抜レバー34を操作して満杯解消することができる。
尚、本実施例では、特別遊技作動が満了すると、擬似中断演出画像Gを表示する擬似中断演出処理を実行することから、満杯フラグ=1の状態で特別遊技作動が満了する時点が、本発明に係る擬似中断タイミングとして設定されている。
また、上記のように特別遊技作動の満了により特別遊技フラグ=0となると、図7の特別図柄処理が実行される。この特別図柄処理により、特別始動記憶を記憶している場合には、未消化の特別始動記憶を消化して図柄生成行程を実行する。これにより、特別図柄表示器15ではLEDが点滅して特別図柄が変動する。しかし、図柄生成行程が実行されても、満杯フラグ=1(および擬似中断フラグ=1)であることから、変動演出態様選定処理により選定した変動演出パターンを記憶して、該変動演出パターンによる演出画像F2を演出画像表示器14で表示しない。すなわち、擬似中断フラグ=1の場合には、図柄生成行程に応じた演出画像F2よりも上記の擬似中断演出画像Gを優先して、演出画像表示器14で表示する(図10(b)参照)。
このように擬似中断演出画像Gを表示している状態で、遊技者による球抜レバー34(図1参照)の操作によって満杯解消されると、満杯検知センサ38が、満杯検知ONを継続した状態から、満杯検知OFFとなる。これにより、満杯検知ON信号の入力が無くなることから、図6の満杯処理により、満杯フラグ=0および擬似中断フラグ=0として、擬似中断演出中止処理を実行する。この擬似中断演出中止処理では、擬似中断フラグ=0により擬似中断演出画像Gの表示中止を指示する信号が主制御基板60から演出制御基板62へ送信され、演出制御基板62は画像制御基板65を介して、擬似中断演出画像データによって演出画像表示器14で表示している擬似中断演出画像Gを消して表示中止する。これと共に、演出制御基板62は画像制御基板65を介して、上記の特別図柄処理により記憶した変動演出パターンと変動時間の経過とに基づいて、当該変動時間の残り時間に応じた残演出画像データを作成し、該残演出画像データに係る演出画像F2を演出画像表示器14の表示画面に表出させる。ここで、残演出画像データによる演出画像F2は、図10(c)のように、擬似中断演出画像Gを表示しなければ表示していた図柄生成行程の演出画像F2を途中から表示するものであり、該図柄生成行程に応じた演出画像F2である。このように、満杯フラグ=0かつ擬似中断フラグ=0によって擬似中断演出画像Gの表示中止と共に、変動中の図柄生成行程に応じた演出画像F2を復帰表示している。
尚、満杯フラグ=0かつ擬似中断フラグ=0となった際に、図柄生成行程を実行していない場合には、その際の遊技動作に応じた演出画像データを作成し、これに伴って演出画像を表示する。例えば、図柄生成行程も特別遊技作動も実行しておらず、新たな特別始動記憶の発生を待っている遊技状態であれば、当該遊技状態に応じた演出画像を復帰表示する。
また、本実施例にあっては、満杯フラグ=1の状態で特別遊技作動が満了すると、ハズレ確定する特別始動記憶を優先して消化するように処理している。この処理としては、図8の先読み処理により、最先に消化される未消化の特別始動記憶を読み込んで、その大当り乱数値を当落判定し、ハズレ判定した場合には図7の特別図柄処理により当該特別始動記憶を消化する。一方、前記先読み処理では、当り判定すると、次に消化される未消化の特別始動記憶を読み込んで当落判定し、ハズレ判定であれば、前記のように当該特別始動記憶を消化する。このように先読み処理により、未消化の特別始動記憶を消化する順番に従って消化前に順に読み込んで当落判定し、ハズレ判定であればこの特別始動記憶を有効として特別図柄処理により消化し、当り判定であれば次の特別始動記憶を当落判定する。こうして、未消化の特別始動記憶を消化前に先読み判定し、ハズレ判定した特別始動記憶を優先的に消化するようにしている。これにより、擬似中断演出画像Gの表示中に、当り確定する図柄生成行程が実行されることを可及的に抑制している。ここで、当り確定する図柄生成行程では、リーチ演出等の遊技を盛り上げる演出画像が表示されて、遊技者の期待感を昂揚させる効果が著しく高いこと、および当り確定は遊技者が最も求めているものであることから、この図柄生成行程の演出画像F2を表示しなければ、遊技の興趣性を低減してしまう虞がある。そのため、ハズレ判定した特別始動記憶を優先消化して、前記興趣性の低減を抑制している。
尚、この先読み処理では、未消化の特別始動記憶が一個であった場合や、未消化の特別始動記憶を全て当り判定した場合には、ハズレ判定する特別始動記憶を優先できないことから、最先に消化される未消化の特別始動記憶により図柄生成行程が実行される。但し、特別遊技作動の満了後では、通常、未消化の特別始動記憶が上限の個数まで記憶されていること、および当り確定する特別始動記憶に比してハズレ確定する特別始動記憶が多く発生することから、前記のような状態は極めて稀であり、ほとんどの場合でハズレ確定する特別始動記憶を優先して消化できる。
いずれにせよ、本実施例の構成では、下部球受皿8が満杯となっても、特別遊技作動を継続し、未消化の特別始動記憶を消化し、賞球を発生し(未払球数Nにカウント)、遊技球を発射可能であることから、一連の遊技動作は継続する。そのため、下部球受皿8の満杯によって、遊技に要する時間がロスしてしまうこともなく、該時間的なロスによって生ずる遊技者の不利益を生じない。
また、本実施例にあっては、特別遊技作動を実行していない状態(特別遊技フラグ=0)で、下部球受皿8が満杯となると、図6の満杯処理の満杯エラー報知処理により、図示しない満杯エラー画像を演出画像表示器14で表示する。満杯エラー報知処理では、主制御基板60から演出制御基板62へ信号が送信されて、該演出制御基板62が画像制御基板65を介して、画像データを作成して「球受皿が満杯です!/球を排出して下さい!」という満杯エラー画像を、遊技動作に応じた演出画像に加えて表示する。その後、満杯解消されると、満杯エラー報知満了処理により、満杯エラー画像を消して、遊技動作に応じて演出画像を表示する。尚、特別遊技作動を実行していない状態では、遊技動作を継続すると共に、満杯エラー画像による報知を行う。
上述したように、本実施例の構成によれば、特別遊技作動の実行中に下部球受皿8が満杯となると、当該特別遊技作動の満了後に擬似中断演出画像Gを演出画像表示器14で表出し、あたかも満杯解消するために遊技中断したように遊技者に見せかけることができる。これにより、遊技者は、実際は継続している遊技動作を気にすることなく、満杯を解消するための操作(球抜レバー34の操作)に集中でき、該操作を余裕を持って行うことができる。その後、満杯解消すると、満杯開始から解消までに発生した賞球を払い出すことから、遊技者の利益が確実に担保される。さらに、満杯解消に伴って擬似中断演出画像Gを消して、継続している遊技動作に応じた演出画像が復帰表示される。そのため、満杯発生による操作ミス等の不利益が発生することを抑制できると共に、満杯解消後に、遊技者は遊技進行に集中できるため、遊技を十分に満喫できる。また、特別遊技作動の実行中に下部球受皿8が満杯となっても、当該特別遊技作動が継続し且つ該特別遊技作動に応じた演出画像F1も継続することから、遊技者は満杯であることを気にすることなく、特別遊技作動を満喫できる。
尚、本実施例の構成にあって、図6の満杯処理(擬似中断画像演出処理、擬似中断演出画像中止処理)により、本発明に係る擬似演出処理を実現できる。また、本発明に係る通常の演出画像として、特別遊技作動に応じた演出画像F1と図柄生成行程に応じた演出画像F2を備えている。また、図8の先読み処理により、本発明に係る先読み処理を実現できると共に、図7の特別図柄処理および図8の先読み処理により、本発明に係る優先消化処理を実現できる。
一方、上述した実施例の構成にあっては、満杯フラグ=1の状態で特別遊技作動が満了する時点を擬似中断タイミングとして設定した構成であるが、その他の構成として、この擬似中断タイミングを、特別遊技作動の満了から最初の図柄生成行程の満了までの間で適宜設定することができる。例えば、特別遊技作動の満了から所定時間経過した時点を擬似中断タイミングとして設定しても良い。この場合には、図11の満杯処理のように、特別遊技作動の満了後に最初の図柄生成行程を実行している間で、擬似中断タイミングとなると、擬似中断演出画像処理によって擬似中断演出画像Gを演出画像表示器14で表出する。すなわち、特別遊技作動の実行中に下部球受皿8が満杯となった後に当該特別遊技作動を満了すると、予め設定された擬似時間を時間消化開始し、該擬似時間が経過すると、擬似中断フラグ=1として擬似中断演出処理を実行する。これにより、特別遊技作動の満了後に実行されている最初の図柄生成行程に応じた演出画像を表示中止して、擬似中断演出画像Gを優先表示する。その後、満杯解消されると、擬似中断演出画像中止処理により、擬似中断演出画像Gを表示中止して演出画像を復帰表示する。この構成では、擬似中断タイミングを、特別遊技作動の満了後に所定の擬似時間(例えば、5秒)経過した時点として設定している。かかる構成にあっても、上述した実施例と同様の作用効果を奏し得る。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、上述の実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。