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JP5692803B2 - 中継増幅装置、中継増幅装置制御方法、及びプログラム - Google Patents
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中継増幅装置、中継増幅装置制御方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、中継増幅装置、中継増幅装置制御方法、及びプログラムに関する。
基地局側アンテナで受信した下り無線信号を中継増幅して移動局側アンテナに供給する下り系増幅部と、移動局側アンテナで受信した上り無線信号を中継増幅して基地局側アンテナに供給する上り系増幅部とを備えた中継増幅装置には、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1の中継増幅装置では、運用帯域内の下り無線信号および上り無線信号のそれぞれの一部を検波し、ある基準値を超えたら異常発振状態と判断していた。
特開平11−225102号公報
しかしながら、特許文献1の中継増幅装置は、下り無線信号及び上り無線信号がキャリアを含めて過大である場合においては、異常発振状態でもないのに異常発振と誤判定するという欠点があるとともに、異常発振状態が長時間継続した場合には、上り系増幅部及び下り系増幅部の故障または劣化につながることがあった。
本発明は、異常発振状態を的確に検出できると共に、異常発振状態を回避することのできる中継増幅装置、中継増幅装置制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る中継増幅装置は、
第1のアンテナで受信した下り無線信号を増幅して第2のアンテナに供給する下り系増幅部と、
前記第2のアンテナで受信した上り無線信号を増幅して前記第1のアンテナに供給する上り系増幅部と、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の振幅を検出する振幅検出手段と、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の周波数成分を検出する周波数成分検出手段と、
検出された前記疑似正弦波の振幅が所定値を越え、且つ検出された前記周波数成分が前記下り系増幅部及び上り系増幅部の絶対群遅延量から計算される値と一致した場合に、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出する状態検出手段と、
を備えることを特徴とする。
上記目的を解決するために、本発明の第2の観点に係る中継増幅装置制御方法は、
第1のアンテナで受信した下り無線信号を増幅して第2のアンテナに供給する下り系増幅部と、前記第2のアンテナで受信した上り無線信号を増幅して前記第1のアンテナに供給する上り系増幅部とを備える中継増幅装置に対し、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の振幅を検出する振幅検出処理と、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の周波数成分を検出する周波数成分検出処理と、
検出された前記疑似正弦波の振幅が所定値を越え、且つ検出された前記周波数成分が前記下り系増幅部及び上り系増幅部の絶対群遅延量から計算される値と一致した場合に、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出する状態検出処理と、
を行うことを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
第1のアンテナで受信した下り無線信号を増幅して第2のアンテナに供給する下り系増幅部と、前記第2のアンテナで受信した上り無線信号を増幅して前記第1のアンテナに供給する上り系増幅部とを備える中継増幅装置に対し、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の振幅を検出する振幅検出処理と、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の周波数成分を検出する周波数成分検出処理と、
検出された前記疑似正弦波の振幅が所定値を越え、且つ検出された前記周波数成分が前記下り系増幅部及び上り系増幅部の絶対群遅延量から計算される値と一致した場合に、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出する状態検出処理と、
を行わせることを特徴とする。
本発明は、異常発振状態を的確に検出できると共に、異常発振状態を回避することのできる。
本発明の第1の実施形態に係る中継増幅装置を示す構成図である。 発振検出部の構成を示すブロック図である。 BPFの通過帯域特性を示す図である。 演算処理部の構成を示すブロック図である。 (a)は、正常状態時の下り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性が平坦であることを示し、(b)は、両アンテナ間の結合量が低下することによる異常発振状態時の下り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性が振動状態(疑似正弦波状態)になることを示す図である。 (a)は、正常状態時の下り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性が平坦状態であり、かつキャリアが存在する場合を示し、(b)は、異常発振状態時の下り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性が振動状態(疑似正弦波状態)であり、かつキャリアが存在する場合を示す図である。 中継増幅装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る中継増幅装置を示す構成図である。 発振検出部の構成を示すブロック図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る中継増幅装置を示す構成図である。
この中継増幅装置は、基地局側アンテナであるアンテナ1と、下りと上り無線信号を分波し、下り無線信号を出力するデュプレクサ(以下、DUPという)2と、下り無線信号を増幅する増幅部3とを備える。増幅部3の出力側には、カプラ4が接続されている。
カプラ4は、増幅部3で増幅された下り無線信号を殆ど損失することなくバンドパスフィルタ(以下、BPFという)5に伝達すると共に一部を発振検出部6にするものである。カプラ4より抽出されて発振検出部6に与えられる下り無線信号は、約−10dB値になるように設定されている。BPF5は、下り運用帯域の帯域制限を行う。BPF5の出力側には、帯域制限された下り無線信号を増幅し利得を可変できる可変増幅部7が接続されている。発振検出部6の出力側には、演算処理部8が接続されている。
可変増幅部7の出力側には、DUP2と同様に、下り無線信号と上り無線信号を分波し、下り無線信号を出力するDUP9が接続されている。DUP9には、充分増幅された下り無線信号を放射するアンテナ10が接続されている。
DUP2、増幅部3、BPF5、可変増幅部7、及びDUP9は、下り系増幅部を構成している。
DUP9には、DUP9で分波された上り無線信号を増幅する増幅部11が接続されている。増幅部11の出力側に、上り運用帯域の帯域制限を行うBPF12が接続され、BPF12の出力側に、BPF12で帯域制限された上り無線信号を増幅し利得を可変できる可変増幅部13が接続されている。可変増幅部13の出力側がDUP2に接続されている。
DUP9、増幅部11、BPF12、可変増幅部13、及びDUP2は、上り系増幅部を構成している。下り系増幅部と上り系増幅部の利得は、同じ値に設定されている。
発振検出部6は、カプラ4の出力信号と後述するチャネル指定信号にしたがって指定された周波数のローカル信号との混合信号を、狭帯域の帯域制限して検波する。
図2は、発振検出部6の構成を示すブロック図である。
発振検出部6は、混合部61と、シンセサイザ部62と、基準信号発生部63とを備えている。
混合部61の一方の入力端子には、カプラ4から供給された下り無線信号(例えば運用帯域2110〜2120MHz)の一部が入力される。
基準信号発生部63は、チャネル指定間隔と同じ200KHzの整数倍の5.12MHzの基準信号を発生する。シンセサイザ部62は、基準信号発生部63の出力側に接続されている。
シンセサイザ62は、基準信号発生部63からの基準信号を基準とし、演算処理部8から供給される後述のチャネル指定信号により指定された周波数の例えば2060〜2070MHzのローカル信号を生成する。混合部61の他方の入力端子には、シンセサイザ部62の生成したローカル信号が入力される。
混合部61の出力側には、BPF64が接続されている。混合部61は、ローカル信号と下り無線信号の周波数差成分の例えば50MHzを出力する。周波数差成分は、BPF64より狭帯域に帯域制限された後に、図示しない検波ダイオードと負荷抵抗,平滑コンデンサにより構成されて直流電圧を生成する検波部65により検波される。
図3は、BPF64の通過帯域特性を示しており、横軸は周波数、縦軸は減衰量である。
BPF64は、センター周波数50MHz、通過帯域幅100KHzという狭帯域に帯域制限する特性を有している。通過帯域幅を100KHzという狭帯域に設定している理由は、後述の擬似正弦波の各周波数ポイント(特に傾斜部分)のエネルギーレベルを正確に検出し、擬似正弦波であることを分析するために必要だからである。このようなBPF64は、SAWフィルタで構成することができる。
尚、本実施形態では、周波数差が50MHzになるようにローカル信号の周波数を設定しているが、BPF64が100KHz以下の狭帯域幅を実現できるのであれば、40MHzでも60MHzでもよい。
BPF64に検波部65が接続されている。検波部65により、BPF64の出力信号が検波される。検波部65により直流電圧に変換された信号は演算処理部8に送出される。演算処理部8は、発振検出部6に対して連続的にチャネル指定信号を送出すると共に、発振検出部6の出力信号を記録する共に演算し、演算結果によっては可変増幅部7,13に制御信号を送出する機能を有する。
図4は、演算処理部8の構成を示すブロック図である。
演算処理部8は、CPU81を備えている。
CPU81は、基準信号発生部63より基準信号を受けており、基準信号と同期したチャネル指定信号を発振検出部6のシンセサイザ部62に対して送出する。ここで、チャネル指定信号とは、チャネルデータ(分周数)信号、クロック信号及びストローブ信号を指している。本実施形態では、100ms毎に、2060〜2070MHzの10MHzにわたって200KHz間隔でチャネルを指定するために、チャネル指定信号を順次送出する。すなわち、1回目は2060.0MHz、2回目は2060.2MHz、3回目は2060.4MHz、・・・、51回目の場合は2070.0MHzがシンセサイザ部62から順次出力されるように順次チャネル指定を行う。
発振検出部6の検波部65の出力する検波電圧は、A/Dコンバータ82により、アナログ/デジタル変換され、データDATAとしてCPU81に入力にされるようになっている。チャネル指定毎にデータDATAが1個が入力されるため、10MHzを掃引した場合には合計51個のデータDATAが入力されることになる。CPU81は入力されたデータDATAと、チャネル指定信号の指定周波数を順次RAM83に格納すると共に、検波部65の出力信号の最大値(MAX値),最小値(MIN値)を分析し、MAX値とMIN値の差が、ある閾値(例えば0.5V)以上かどうかを常時監視している。例えば、MAX値が1.5VでMIN値が1.0Vとなれば、差は0.5Vとなり閾値を超えたことになる。
閾値以上になった場合は、MAX値が得られた時の周波数とMIN値が得られた時の周波数との差が、絶対群遅延量から計算される値(本例では1MHzとなる)と一致するかどうかを判定する。仮に一致した場合には異常発振状態と判断し、CPU81は警報を送出すると共に、D/Aコンバータ8484,85に制御信号を送出することによって、デジタル/アナログ変換された制御電圧を可変増幅部7,13に供給する。
次に、異常発振状態について、説明する。
図5(a)は、正常状態時の下り系の運用帯域内の熱雑音(KTBF+G)の周波数特性が平坦であることを示している。横軸は下り周波数、縦軸は出力レベルである。
熱雑音のレベルは、KT:ボルツマン定数(−174dBm/Hz)、B:帯域幅、F:ノイズフィギュア(NF)、G:利得によって決定される。
Bは通信システムによって異なり、NCDMA(Narrowband Code Division Multiple Access)であれば1.23MHz、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)であれば3.84MHzとなって一定値である。NFはDUP2の挿入損失と増幅部3のノイズフィギュアによって決定される一定値、Gは増幅部3と可変増幅部7を合わせた利得からDUP2、BPF5、DUP9の挿入損失を差し引いた総利得であり固定値である。したがって、正常状態時の熱雑音のレベルは常に安定しており変動することはない。
図5(b)は、両アンテナ間の結合量が低下することによる異常発振状態時の下り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性が振動状態(疑似正弦波状態)になることを示している。
アンテナ10の出力がアンテナ1に帰還されると、絶対群遅延量だけ遅れて増幅される、この増幅された出力がまたアンテナ1に帰還され遅延されて増幅される。この繰り返しにより、擬似正弦波状態となり定在波のように安定した状態になる。したがって、擬似正弦波の周波数成分は絶対群遅延量(アンテナ1〜アンテナ10までの下り系の絶対遅延量)の逆数と同じとなる。
すなわち、絶対群遅延量が例えば500nsであれば、1周期が500nsとなるので、擬似正弦波の周波数成分は2MHzとなる。運用帯域幅が10MHzであれば、5周期の擬似正弦波が発生することになる。
仮に絶対群遅延量が1000ns(1μs)であれば、擬似正弦波の周波数成分は1MHzとなり、運用帯域幅の10MHz内に10周期の擬似正弦波が発生する。絶対群遅延量は、DUP2,DUP9でも発生するが、主にBPF5が支配的であり、BPF5の段数が増えて特性が急峻になればなるほど、絶対群遅延量は増えていく。
両アンテナ1,10間の結合量がさらに小さくなって悪化すると、熱雑音のレベルが上昇し擬似正弦波の振幅も大きくなるが周波数成分は変化しない。ここで、下り系で説明しているが、結合量悪化時には上り系も同様な状態になる。
図6(a)は、正常状態時の下り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性が平坦状態であり、かつキャリアが存在する場合を示している。横軸は下り周波数、縦軸は出力レベルである。
図6(b)は、異常発振状態時の下り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性が振動状態(疑似正弦波状態)であり、かつキャリアが存在する場合を示している。キャリアの存在の有無により熱雑音レベルの大きさに変動はない。
次に、図1の中継増幅装置の動作を説明する。
図7は、中継増幅装置の動作を説明するためのフローチャートである。
最初にCPU81は、チャネルの番号を指定するnを1とし、1番目のチャネルCH1が指定されるようにチャネル指定信号を設定し、発振検出部6に与える(ステップS1)。発振検出部6のシンセサイザ62は、CPU81からチャネル指定信号を受け、1番目のチャネルCH1に対応するローカル信号を出力する。混合部61は、ローカル信号と下り無線信号の周波数差成分を出力する。
混合部61の出力信号は、BPF64より狭帯域に帯域制限された後に、検波部65により検波される。検波部65の出力する検波電圧は、A/Dコンバータ82により、チャネルCH1に対応するデジタルのデータDATA1に変換され、CPU81に与えられる。CPU81は発振検出部6からデータDATA1を受け、RAM203に記録する。その時のチャネル指定信号の指示する周波数(CH1の周波数)も同時に記録する(ステップS2)。CPU81は、データDATA1が閾値の3.0V以下かを判断する(ステップS3)。
図6(b)に示すように、キャリアが存在する場合においては、携帯電話システムにおけるキャリアの最小レベルは、共通チャネル信号(複数の移動局が共有して使用する信号)のみが受信されているので、熱雑音レベルより高いレベルとなる。そこで、本実施形態では閾値を3.0Vとし、入力されたDATA1が3.0Vを超える値の場合には(ステップS3:NO)、1キャリアの占有帯域幅より少し大きな帯域幅の離れた位置のチャネルを指定するように、スキップさせる。すなわち、例えば、1.4MHz(7チャネル分)離れた位置のチャネルにスキップさせて(n+7)チャネル指定を行い(ステップS4)、処理をステップS2に戻す。これにより、本DATA値を無効とし、キャリアの影響で異常発振状態を誤検出することを回避できる。
CPU81に入力されたデータDATAnが3.0V以下を示す場合には(ステップS3:YES)、データDATANnがMAX値(最大値)かどうか(ステップS5)、MIN値(最小値)かどうか(ステップS6)を判定する。MAX値とMIN値の分析は、CPU81にデータDATAnが入力される毎に行い、更新していく。ステップS6の後、MAX値−MIN値を計算し、MAX値−MIN値が0.5V以下か、どうかを確認する(ステップS7)。このステップS7の確認は、データDATAnが入力される毎に行う。
ステップS7の確認で、MAX値−MIN値が0.5以下の場合(ステップS7:YES)、nをインクリメントし(ステップS8)、nが51になったか否かを確認する(ステップS9)。nが51でない場合(ステップS9:NO)、処理をステップS1に戻す。nが51の場合(ステップS9:YES)、ステップS10で、RAM83のデータDATA1〜DATA51、及びチャネルCH1〜CHnを示すチャネルデータをクリアすると共に、nを1にして処理をステップS1に処理を戻す(ステップS10)。
ステップS7の確認で、MAX値−MIN値が0.5を越える場合(ステップS7:NO)、データDATAnがMAX値となる周波数とMIN値となる周波数の差は、1±0.2MHzかを確認する(ステップS11)。この1±0.2MHzは、絶対群遅延量から計算された値であり、疑似正弦波状の熱雑音の周波数特性における半周期に相当する。データDATAnがMAX値となる周波数とMIN値となる周波数の差が、1±0.2MHzでない場合には(ステップS11:NO)、異常発振状態ではないので、処理をステップS8に移す。
データDATAnがMAX値となる周波数とMIN値となる周波数の差が、1±0.2MHzの場合には(ステップS11:YES)、異常発振状態なので、警報送出中か否かを判断する(ステップS12)。警報送出中でない場合(ステップS11:NO)、可変増幅部7,13の利得を20dBに設定し(ステップS13)、警報の送出を行い(ステップS14)、処理をステップS10に移す。
ステップS12の判断が、警報送出中の場合(ステップS12:YES)、可変増幅部7,13の利得を10dBに設定し(ステップS15)、処理を終了する。
次に、本実施形態の利点について説明する。
アンテナ1とアンテナ10間の結合量α(dB)が中継増幅装置の下り系の総利得β(dB)より大きい正常状態について説明する。例えば、結合量αが−80dBで総利得βが70dBの場合には、−α<βの式に合致しないため、異常発振状態にはならない。ここで、総利得βとは、増幅部3の利得と可変増幅部7利得を加えた利得からDUP2,BPF5,DUP9の挿入損失を差し引いた値である。
すなわち、正常状態の場合は図5(a)や図6(a)のように下り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性が平坦のため、発振検出部6からCPU81に送出される51個のDATAにレベル差は殆どなく0.5V以下である。そのため、図7のフローチャートで示しているように、メインループ(ステップS1〜ステップS10の正常フロー)をぐるぐる回っている状況にあり、警報は送出されない。
一方、アンテナ1とアンテナ10間の結合量α(dB)が中継増幅装置の下り系増幅部の総利得β(dB)より小さくなり異常発振状態になった場合、例えば、結合量αが−60dBで総利得βが70dBの場合には、−α<βの式に合致するため、異常発振状態になる。異常発振状態とは、アンテナ10から輻射される下り無線信号の出力の一部がアンテナ1に帰還され増幅され、増幅された成分の一部がまたアンテナ1に帰還され増幅され、同時にアンテナ1から輻射される上り無線信号の出力の一部がアンテナ10に帰還され増幅され、増幅された成分の一部がまたアンテナ10に帰還され増幅される等により、下り系(及び上り系)が異常な過入力状態,過出力状態になることである。
異常発振状態になると、図5(b)や図6(b)に示すように、下り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性が振動状態(疑似正弦波状態)になる。発振検出部6からCPU81に送出される51個のデータDATAにレベル差が発生する。データDATAのMAX値とMIN値の分析は、CPU81にDATAが入力される毎に行われて更新していくので、1周期(2MHz)分の11個のデータDATAの中で0.5V以上の差が発生するとすぐにステップS11の周波数差確認フローに移行する。つまり、51個すべてのデータDATAを取得する必要がなく、最短では頭の11個のデータDATAの分析により発振異常を検出することができる。
データDATAと周波数は関連して記録されているので、MAX値とMIN値の周波数差を容易に算出できる。周波数差が1±0.2MHzと判明した場合には、両アンテナ1,10間の結合量悪化による異常発振と断定し、CPU81より可変増幅部7,13にD/Aコンバータ84,85経由で制御電圧を供給すると共に警報を送出する。
可変増幅部7,13のそれぞれの利得が30dBから20dBに低減されることにより、下り系の総利得βは60dBになり、異常発振状態は回避される。
可変増幅部8,13の利得を20dBに設定した後においても監視を継続し、MAX値とMIN値の差が0.5V以上ある場合は、可変増幅部7,13の利得を20dBから10dBに低減することができる、
このように、本実施形態では、中継増幅装置の下り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性変動を検出する機能と、運用帯域内に発生する擬似正弦波の周波数成分を算出する機能を具備し、両アンテナ1,10間の結合量悪化による異常発振状態を的確に検出し、下り系と上り系の利得をあらかじめ設定した小さい値に制御して異常発振状態を回避することにより、携帯電話システムの加入者容量の低下や長時間の過大出力状態による下り系および上り系の増幅部の劣化または故障の回避を行うと共に警報を発することができる。
[第2の実施形態]
図8は、本発明の第2の実施形態に係る中継増幅装置を示す構成図であり、図1中の要素と共通する要素には、共通の符合が付されている。
この中継増幅装置では、第1の実施形態のカプラ4が省かれ、カプラ14と発振検出部15とが設けられている。
増幅部3の出力側にBPF5が直接接続されている。増幅部11の出力側に、カプラ14が接続されている。カプラ14は、カプラ4と同様の機能を有し、カプラ14の出力側が、BPF12と発振検出部15に接続されている。発振検出部15の出力側が演算処理部8に接続されている。演算処理部8は、発振検出部15にチャネル指定信号を与えるようになっている。他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図9は、発振検出部15の構成を示すブロック図である。
発振検出部15は、混合部151と、シンセサイザ部152と、基準信号発生部153とを備えている。
混合部151の一方の入力端子には、カプラ14から供給されたね上り無線信号(例えば運用帯域1920〜1930MHz)の一部が入力される。
基準信号発生部153は、基準信号を発生する。シンセサイザ部152は、基準信号発生部153の出力側に接続されている。
シンセサイザ部152は、基準信号発生部153からの基準信号を基準とし、演算処理部8から供給されるチャネル指定信号により指定された周波数の例えば1870〜1880MHzのローカル信号を生成する。混合部151の他方の入力端子には、シンセサイザ部152の生成したローカル信号が入力される。
混合部151の出力側には、BPF154が接続されている。混合部151は、ローカル信号と下り無線信号の周波数差成分の例えば50MHzが出力される。周波数差成分は、BPF154により狭帯域に帯域制限された後に、検波部155により検波される。BPF154の通過帯域は、図3のBPF64と同じであり、センター周波数が50MHzであり、通過帯域幅が100KHzである。検波部155の出力端子が演算処理部8に接続されている。
この中継増幅装置も、第1の実施形態の中継増幅装置と同様の動作を行う。
アンテナ1とアンテナ10間の結合量α(dB)が中継増幅装置の上り系の総利得β(dB)より大きい場合、例えば、結合量αが−80dBで総利得βが70dBの正常状態の場合には、−α<βの式に合致しないため、異常発振状態にはならない。
ここで、総利得βとは、増幅部11と可変増幅部13を加えた利得からDUP2,BPF12,DUP9の挿入損失を差し引いた値である。図5(a)や図6(a)に示すように上り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性は平坦のため、発振検出部15から演算処理部6のCPU81に送出される51個のデータDATAにレベル差(電圧差)は殆どなく0.5V以下である。そのため、図7のフローチャートで示しているように、メインループ(ステップS1〜S10の正常用フロー)をぐるぐる回っている状況にあり、警報は送出されない。
一方、アンテナ1とアンテナ10間の結合量α(dB)が中継増幅装置の上り系の総利得β(dB)より小さくなった場合、例えば、結合量αが−60dBで総利得βが70dBの場合には、−α<βの式に合致するため、異常発振状態になる。異常発振状態になると、第1の実施例と同様に、図5(b)や図6(b)に示すように、上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性が振動状態(疑似正弦波状態)になる。
発振検出部15からCPU81に送出されるデータDATAにレベル差が発生するため、データDATAのMAX値−MIN値が0.5V以上になり、かつMAX値とMIN値の周波数差が1MHz±0.2MHzに合致した場合は、両アンテナ1,10間の結合量悪化による異常発振と断定し、CPU81により、可変増幅部7,13にD/Aコンバータ84,85経由で制御電圧を供給すると共に警報を送出する。可変増幅部7,13のそれぞれの利得は30dB→20dBに低減されることにより、上り系の総利得βは60dBになり異常発振状態は回避される。
可変増幅部7,13の利得を20dBに設定した後においても監視を継続し、MAX値とMIN値の差が0.5V以上ある場合は、可変増幅部7,13の利得を20dB→10dBに低減することができる、
このようにして、第2の実施例においても、中継増幅装置の上り系の運用帯域内の熱雑音の周波数特性変動を検出する機能と、運用帯域内に発生する擬似正弦波の周波数成分を算出する機能を具備し、両アンテナ1,10間の結合量悪化による異常発振状態を的確に検出し上り系増幅部と下り系増幅部の利得をあらかじめ設定した小さい値に制御し、異常発振状態を回避することにより、携帯電話システムの加入者容量の低下や長時間の過大出力状態による上り系および下り系増幅部の劣化または故障の回避を行うことができると共に警報を発することができる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1のアンテナで受信した下り無線信号を増幅して第2のアンテナに供給する下り系増幅部と、
前記第2のアンテナで受信した上り無線信号を増幅して前記第1のアンテナに供給する上り系増幅部と、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の振幅を検出する振幅検出手段と、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の周波数成分を検出する周波数成分検出手段と、
検出された前記疑似正弦波の振幅が所定値を越え、且つ検出された前記周波数成分が前記下り系増幅部及び上り系増幅部の絶対群遅延量から計算される値と一致した場合に、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出する状態検出手段と、
を備えることを特徴とする中継増幅装置。
(付記2)
前記状態検出手段が、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに警報を発生する警報手段を備えることを特徴とする付記1に記載の中継増幅装置。
(付記3)
前記状態検出手段が、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに該下り系増幅部及び上り系増幅部の利得を低下させる利得低下手段を備えることを特徴とする付記1又は2に記載の中継増幅装置。
(付記4)
第1のアンテナで受信した下り無線信号を増幅して第2のアンテナに供給する下り系増幅部と、前記第2のアンテナで受信した上り無線信号を増幅して前記第1のアンテナに供給する上り系増幅部とを備える中継増幅装置に対し、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の振幅を検出する振幅検出処理と、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の周波数成分を検出する周波数成分検出処理と、
検出された前記疑似正弦波の振幅が所定値を越え、且つ検出された前記周波数成分が前記下り系増幅部及び上り系増幅部の絶対群遅延量から計算される値と一致した場合に、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出する状態検出処理と、
を行うことを特徴とする中継増幅装置制御方法。
(付記5)
前記状態検出処理で、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに警報を発生する警報処理を行うことを特徴とする付記4に記載の中継増幅装置制御方法。
(付記6)
前記状態検出処理で、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに該下り系増幅部及び上り系増幅部の利得を低下させる利得低下処理を行うことを特徴とする付記4又は5に記載の中継増幅装置制御方法。
(付記7)
コンピュータに、
第1のアンテナで受信した下り無線信号を増幅して第2のアンテナに供給する下り系増幅部と、前記第2のアンテナで受信した上り無線信号を増幅して前記第1のアンテナに供給する上り系増幅部とを備える中継増幅装置に対し、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の振幅を検出する振幅検出処理と、
前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の周波数成分を検出する周波数成分検出処理と、
検出された前記疑似正弦波の振幅が所定値を越え、且つ検出された前記周波数成分が前記下り系増幅部及び上り系増幅部の絶対群遅延量から計算される値と一致した場合に、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出する状態検出処理と、
を行わせることを特徴とするプログラム。
(付記8)
前記状態検出処理で、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに警報を発生する警報処理を行わせることを特徴とする付記7に記載のプログラム。
(付記9)
前記状態検出処理で、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに該下り系増幅部及び上り系増幅部の利得を低下させる利得低下処理を行わせることを特徴とする付記7又は8に記載のプログラム。
1,10 アンテナ
2,9 DUP
3,11 増幅部
4,14 カプラ
5,12 BPF
6,15 発振検出部
7,13 可変増幅部
8 演算処理部

Claims (9)

  1. 第1のアンテナで受信した下り無線信号を増幅して第2のアンテナに供給する下り系増幅部と、
    前記第2のアンテナで受信した上り無線信号を増幅して前記第1のアンテナに供給する上り系増幅部と、
    前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の振幅を検出する振幅検出手段と、
    前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の周波数成分を検出する周波数成分検出手段と、
    検出された前記疑似正弦波の振幅が所定値を越え、且つ検出された前記周波数成分が前記下り系増幅部及び上り系増幅部の絶対群遅延量から計算される値と一致した場合に、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出する状態検出手段と、
    を備えることを特徴とする中継増幅装置。
  2. 前記状態検出手段が、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに警報を発生する警報手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の中継増幅装置。
  3. 前記状態検出手段が、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに該下り系増幅部及び上り系増幅部の利得を低下させる利得低下手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の中継増幅装置。
  4. 第1のアンテナで受信した下り無線信号を増幅して第2のアンテナに供給する下り系増幅部と、前記第2のアンテナで受信した上り無線信号を増幅して前記第1のアンテナに供給する上り系増幅部とを備える中継増幅装置に対し、
    前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の振幅を検出する振幅検出処理と、
    前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の周波数成分を検出する周波数成分検出処理と、
    検出された前記疑似正弦波の振幅が所定値を越え、且つ検出された前記周波数成分が前記下り系増幅部及び上り系増幅部の絶対群遅延量から計算される値と一致した場合に、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出する状態検出処理と、
    を行うことを特徴とする中継増幅装置制御方法。
  5. 前記状態検出処理で、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに警報を発生する警報処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の中継増幅装置制御方法。
  6. 前記状態検出処理で、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに該下り系増幅部及び上り系増幅部の利得を低下させる利得低下処理を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の中継増幅装置制御方法。
  7. コンピュータに、
    第1のアンテナで受信した下り無線信号を増幅して第2のアンテナに供給する下り系増幅部と、前記第2のアンテナで受信した上り無線信号を増幅して前記第1のアンテナに供給する上り系増幅部とを備える中継増幅装置に対し、
    前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の振幅を検出する振幅検出処理と、
    前記下り系増幅部または上り系増幅部の運用帯域内の熱雑音の周波数特性を監視し、該熱雑音の周波数特性が平坦な状態から疑似正弦波状に変化した場合の該疑似正弦波の周波数成分を検出する周波数成分検出処理と、
    検出された前記疑似正弦波の振幅が所定値を越え、且つ検出された前記周波数成分が前記下り系増幅部及び上り系増幅部の絶対群遅延量から計算される値と一致した場合に、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出する状態検出処理と、
    を行わせることを特徴とするプログラム。
  8. 前記状態検出処理で、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに警報を発生する警報処理を行わせることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
  9. 前記状態検出処理で、前記下り系増幅部及び上り系増幅部が異常発振状態であるとして検出したときに該下り系増幅部及び上り系増幅部の利得を低下させる利得低下処理を行わせることを特徴とする請求項7又は8に記載のプログラム。
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