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JP5692979B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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本発明は、インクジェット記録ヘッドのクリーニング技術に関する。
従来、記録ヘッドのノズル内に設けられたヒータを加熱して気泡を急激に生成させ、該気泡の押圧力によりインクをノズルの吐出口から噴射させて記録媒体に画像を記録する方式のインクジェット記録装置が普及している。このような方式の記録装置において、ノズル内のインクが時間の経過とともに増粘して固着することにより、ノズルの目詰まりや着弾ずれなどによる吐出不良が生じる。また、インク吐出ノズル内に時間の経過に応じて気泡が徐々に生成され、その気泡によりノズルからインクが吐出できなくなることによっても吐出不良が生じる。このような吐出不良により、記録画像にスジ状の色ムラや濃度ムラが生じ、画像不良となってしまう。
これに対し、ヘッドクリーニングモードに切り替え、クリーニング処理による回復を行う。このクリーニング処理としては、ノズルからインクを勢いよく吐出する予備吐出動作や、強制的にインクを吸引して排出する吸引動作などが行われる。しかしながら、この予備吐出動作や吸引動作には廃インクが排出されるため、コストの増大を招くおそれがある。
また、記録ヘッド内やインク流路内に、複数のノズルにかかる大きな気泡が発生した場合、前述の予備吐出動作や吸引動作では取り除くことができない。これに対し、ポンプ等によりインクタンクからインク供給流路を通じ、インクを循環させることによってインク流路中の気泡をインクタンク内に回収し(インク循環)、気泡による吐出不良を解決する方法が知られている(特許文献1)。
一方、ノズル面に紙粉や大気中を浮遊する塵など(以下、ゴミという)が付着することがある。ゴミが付着すると、インク滴の着弾精度が低下するだけでなく、不吐出状態により形成される画像にスジが発生してしまう。このようなゴミは、前述の予備吐出動作や吸引動作で全て取り除くことは難しい。このゴミに対しては、弾性体からなるブレードによってノズル面を拭き取るワイピング機構により、ゴミと除去する方法が知られている。
特開平9−11496号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、インクを循環させることにより気泡が原因の吐出不良を解決することはできるが、ゴミの付着が原因の吐出不良を解決することはできない。一方、ブレードによるワイピングでは、ゴミの付着が原因の吐出不良を解決することはできるが、気泡が原因の吐出不良を解決することはできない。
本発明は、このような課題に基づいてなされたものであり、気泡が原因の吐出不良とゴミが原因の吐出不良とを効率的に回復させ、かつ廃インクを低減可能なインクジェット記録装置の提供を目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、インクを吐出する吐出口が複数設けられた吐出口面を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、該インクタンクと前記記録ヘッドの間でインクを循環する循環流路と、前記吐出口面をワイピングするワイピング手段と、前記吐出口の吐出状態を検出する検出手段を備えるインクジェット記録装置において、前記循環流路にインクを循環させる循環動作または前記ワイピング手段によって前記吐出口面をワイピングするワイピング動作を行わせる制御手段と、前記検出手段によって吐出不良と検出された吐出口の位置情報に基づいて、前記循環動作と前記ワイピング動作とから実行すべき動作を選択する選択手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、効率的に短時間で吐出不良ノズルを回復であり、かつ廃インクを低減可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
第1の実施形態に適用する回復方法のフローを示す図 インクジェット記録装置の概念構成を示す図 記録ヘッドの構成図 ワイパーユニットの構成を示す概略図 インク供給系の構成を示す概略図 第2の実施形態に適用する回復方法のフローを示す図 記録ヘッドの隣接ノズル列及びゴミの付着状態と気泡の発生状態を示す概略図 第3の実施形態に適用する回復方法のフローを示す図 気泡の発生状態を示す概略図 加圧併用ブレードワイピングの説明図
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する主旨のものではない。以下、記録装置の例としてインクジェット方式のプリンタの実施形態を説明する。本明細書において「記録装置」とは、プリント機能に特化した専用機に限らず、プリント機能とその他の機能を複合した複合機や、基板などにパターンを形成する製造装置等も含むものとする。
(第1の実施形態)
図2は、本発明の実施形態に適用するインクジェット記録装置の概念構成を示す図であり、図3は記録ヘッドの配列状態を模式的に示す平面図である。
本実施形態におけるインクジェット記録装置1は、記録媒体の搬送方向と直交する方向に延在する長尺な記録ヘッド2Y,2M,2C,2Bkを、複数個並設してなるフルラインタイプのカラーインクジェット記録装置である。記録ヘッド2Y,2M,2C,2Bkは、それぞれイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクを吐出する記録ヘッドである。各記録ヘッドは略同一の構成を有するものとなっており、以下の説明において特に区別の必要がない場合には、これらをまとめて記録ヘッド2と記述する。
各記録ヘッド2は、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクをそれぞれ貯留した4つのサブタンク3Y,3M,3C,3Bk(以下、これらをまとめてサブタンク3と記述する)にそれぞれインク供給路4を介して接続されている。そして、各サブタンク3は、記録ヘッド2のインク吐出面、すなわち後述のノズル列44面よりもおよそ150mmの水頭圧差がある。
制御装置9は、後述するヘッドドライバ2a、キャップ移動部8、モータドライバ12、帯電器ドライバ13a、モータドライバ16、ヘッド移動部10、ワイパー移動部25の作動を制御する。まず、ヘッド移動部10は、プラテン6との対向方向に昇降する。記録ヘッド2は、無端の搬送用ベルト5を挟んでプラテン6と対向するように搬送用ベルト5の搬送方向に沿って所定間隔で配列されている。なお、記録ヘッド2には、インクを吐出するインク吐出口が並んだノズル列44、前述のサブタンク3のインクが供給される液室100、この液室から各インク吐出口へとインクを導く後述のインク供給口が形成されている。各ノズル列には、供給されるインク吐出用の熱エネルギーを発生する吐出エネルギー発生手段としての電気熱変換体(ヒータ)とからなるノズルが複数設けられている。また、ヒータは、ヘッドドライバ2aを介して制御装置9に電気的に接続されている。この制御装置から送られるオン/オフ信号(吐出/不吐出信号)に応じてヒータの駆動、停止が制御される。
一方、各記録ヘッド2の側方には、記録ヘッドの配列間隔に対して半ピッチずらした状態でヘッドキャップ7が配置されている。このヘッドキャップ7は、記録媒体Pに対する記録動作に先立ち、インク流路内の増粘インクを記録ヘッド2の吐出口から排出して回復処理を行うためのものである。そして、このヘッドキャップ7は、キャップ移動部8によりそれぞれ記録ヘッド2の直下に移動可能であり、インク吐出口から排出される廃インクを受けることができる。また、記録ヘッド2の吐出面に付着したインク等を拭き取る為のワイパーユニット23が、記録ヘッド2の長手方向の延長線上に配置されている。このワイパーユニット23は、ワイパー移動部25によりそれぞれ記録ヘッド2の直下に移動可能であり、インクを吐出するノズル面に当接した状態で移動することにより、付着したインク等を拭き取ることができる。
記録媒体Pを搬送する搬送用ベルト5は、ベルト駆動モータ11に連結された駆動ローラに掛け渡され、モータドライバ12によってその作動が切り替えられる。また、搬送用ベルト5の上流側には、この搬送用ベルト5を帯電させて記録媒体Pを密着させる帯電器13が設けられており、帯電器ドライバ13aによりその通電のオン/オフが切り替えられる。搬送用ベルト5の上に記録媒体Pを供給するための一対の給紙ローラ14には、駆動回転させるための給送用モータ15が連結されている。この給送用モータ15は、モータドライバ16によって作動が切り替えられる。
従って、記録媒体Pに対する記録動作を行う場合には、まず、各記録ヘッド2がプラテン6から離れるように上昇する。次いで、ヘッドキャップ7が各記録ヘッド2の直下に移動してワイパーユニット23で回復処理を行い、ヘッドキャップ7が元の待機位置へ移動する。そして、記録ヘッド2が記録位置までプラテン側に移動する。その後、帯電器13を作動させると同時に搬送用ベルト5を駆動し、さらに給紙ローラ14によって記録媒体Pを搬送用ベルト上に載置し、各記録ヘッド2によって所定のカラー画像が記録媒体Pに記録される。
その後、吐出不良ノズルの位置情報取得するため、例えば4,800dpiの解像度を持つラインセンサーを用いた検査ユニット17で吐出状態の検査を行う。この検査ユニット17による吐出不良ノズルの検査方法は、所定の検査パターンを記録し、それをセンサにより読み込んで吐出不良ノズルを特定する方法や、ノズルからのインクドットの吐出をセンサにより検出して吐出不良ノズルを特定する方法などがある。
この位置情報に基づいて制御装置9により、後述する回復のためのモードの選択及び実行、不吐ノズル数算出、不吐ノズル割合算出が行われる。
以下、本実施形態は、複数のインク色のうち、イエローインクを用いた系を例として用いる。
<記録ヘッド>
図3は、本実施形態におけるインクジェット記録装置1に用いるフルライン型長尺記録ヘッド2を示す図であり、インク吐出口面側から見た図である。図3(a)は、色毎に記録ヘッドを設ける場合の図であり、本図はイエローインク用記録ヘッド2Yを示している。この記録ヘッド2Yに、後述する記録ヘッドチップ41が配置されている。図3(b)及び(c)はノズル列を複数有する記録ヘッドチップ41を拡大した図であり、図3(b)には8列のノズル列が設けられているチップの例であり、図3(c)には2列のノズル列が設けられているチップの例である。なお、本明細書においては、吐出口と液路とを含めてノズルと称す。
本実施形態で用いる記録ヘッドチップ41には、インク供給口43をはさんでノズル列44が交互に千鳥状に形成されている。なお、インク供給口43はノズル列の奥に設けられ、ノズル列と連通し、後述の図5におけるインクが貯留される液室100とも連通している。この記録ヘッドチップ41を複数個並べることによってフルライン型の長尺記録ヘッド2が構成されている。なお、図3(a)においては、6個の記録ヘッドチップ41を連結することによって長尺の記録ヘッド2Yが構成されている。このとき、ノズル列のつなぎ部分における白スジや黒スジを回避するため、千鳥配置の記録ヘッドチップ41のノズル列の一部をオーバーラップさせる構成が一般的である。
図3(b)の8列のノズル列が形成された記録ヘッドを用いると、記録媒体との1回の相対走査において8パス相当の記録を行うことができる。同様に、図3(c)の2列のノズルが形成された記録ヘッドを用いると、2パス相当の記録を行うことができる。ここで、本実施形態では吐出口が千鳥状に配置された記録ヘッドを用いるため、この2パス相当の記録について説明する。例えば、一方のノズル列の吐出口が1列当たり1,200dpi(21μm)ピッチで形成され、インク供給口43を挟んで他方のノズル列の吐出口が、同じピッチで2,400dpi(10.6μm)だけずれて配置されているとする。このとき、1,200dpi角(21μm角)の枠に、5ピコリットルのインク滴を2発打ち込むことで1画素が埋まる構成が2パス相当となる。したがって、1画素を2つのノズルによって記録するため、偶発的に発生する1ノズル単位の吐出不良があっても画像不良がおきないようにすることが可能である。以下、本実施形態では、図3(c)に示す2列のノズル列を有する記録ヘッドの例を用いて説明する。
図4は、複数個の記録ヘッド、例えば前述のイエロー用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用の4個の記録ヘッドのノズル列周辺をクリーニングするためのワイパーユニット23の構成を示す図である。このワイパーユニット23は、ワイパーブレード21、ワイパーベース22Bと、ゴム或いは樹脂のワイパーブレード21が千鳥配置の記録ヘッドチップ41に対応して各色2個ずつ固定されたワイパーホルダー22が4個並べられている。
<インク供給系>
図5は、本実施形態のインクジェット記録装置1に用いるインク供給系の詳細構成図である。本図においては、イエローインクの例を用いて説明する。まず、記録ヘッド2Yは、内部にイエローインクが貯留される液室100を有する。サブタンク3Yは、インクが貯留される大気連通口32を備えている。供給口34は、記録ヘッド2Yにインクを供給するためのフィルター(不図示)を有し、インク供給路4と連結している。供給ポンプ36は記録ヘッド2Yにインクを供給するためのポンプであり、インク並行供給路37はインク供給路4に並行接続され、対応する記録ヘッド2にインクを供給する。そして、このインク並行供給路37の途中に開閉弁38が備えられている。さらに、記録ヘッド2内部のインクを記録ヘッド2のフィルターを有する還流口39から対応するサブタンク3Yに戻すためのインク還流路30と、インク還流路30の途中に備えられサブタンク3Yにインクを戻す還流ポンプ31とを備えている。
ここで、本実施形態におけるインク供給系の動作について説明する。まず、インクタンク9Yからチューブ93を使って供給ポンプ92で所望量のインク(不図示)をサブタンク3Yまで供給する。次に、インク並行供給路37とインク還流路30にインクを充填する。記録ヘッド2Yの代わりに、充填治具(不図示)をセットし、インク並行供給路37の途中に備えられる開閉弁38を開いた状態で供給ポンプ36を回すと、インクがサブタンク3Yから供給ポンプ36を通ってインク並行供給路37に充填される。開閉弁38のところを含め充填されたら、供給ポンプ36を止めて開閉弁38を閉じる。次に、供給ポンプ36と還流ポンプ31をまわすと、インク供給路4とインク還流路30にインクが充填される。次に、記録ヘッド2Yに交換し、記録ヘッド2Yにインクを充填する。記録ヘッド2Yの初期充填時には還流ポンプ31を先に駆動して、2列のノズル列44とインク供給口43で連通する液室100の物流用のインク(不図示)を吸出す。ノズル列44から空気を引き込まないように、またノズル列44からインクが漏れないように還流ポンプ31との流量バランスを調整しながら供給ポンプ36を駆動する。このような動作により、ノズル列44から出る廃インク量を少なく抑えて初期充填することができる。そして液室100内の泡が無くなったら、供給ポンプ36と還流ポンプ31を停止する。
次に、インクジェット記録時に吐出により消費されるインク(不図示)は、ノズル列44のそれぞれのノズルの毛管力で、サブタンク3Yから開いている開閉弁38を通って記録ヘッド2Yに供給される。このとき、解像度1,200dpi角の枠の中に5ピコリットルのインク滴を最大2発打ち込むことで、画像が形成される。
<インク循環/加圧回復>
更に、長時間インクジェット記録を続行していくと、液室100内にインク内の溶存空気等により泡が溜まる恐れがあるので、印刷後に定期的に循環流路のインクの循環を行うことが望ましい。この循環流路のインク循環は、開閉弁38を開き供給ポンプ36を停止したまま還流ポンプ31を回転させると、インクがサブタンク3Yからインク並行供給路37とインク供給路4を通って記録ヘッド2Yの供給口34から液室100に入る。その後、還流口39からインク還流路30を通りサブタンク3Yに戻すことが出来る。
また、記録ヘッド2Yの回復方法として、供給ポンプ36を回転させて液室100内を加圧してインクを記録ヘッド2Yの記録ヘッドチップ41の複数のノズル列44から排出することも可能である。この加圧回復は、開閉弁38を閉じ還流ポンプ31を停止したまま供給ポンプ36を回転させることにより可能で、サブタンク3Yから供給ポンプ36を通ってインクが記録ヘッド2Yの供給口34から液室100に入る。このとき、還流ポンプ31が停止しているので、インクが記録ヘッド2Yの還流口39からインク還流路30に流れることが出来ずに、記録ヘッド2Yの記録ヘッドチップ41の複数のノズル列44から排出可能である。しかしながら、インクを無駄に排出してしまうので、出来る限り使用しないことが好ましい。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置における課題について説明する。上述したような装置を用いて記録を行う際、空気中の塵やロール紙(不図示)からの紙紛等のゴミが、記録ヘッド2Yのノズル列44近傍に付着することがある。通常はインク吐出と共に除去されるが、塵や紙紛等によっては吐出不良が発生し、画像不良となることがある。
本実施形態の記録ヘッドは、1,200dpi角の枠に5ピコリットルの液滴を2発打ち込むことで1画素埋まる構成であり、実質的には2パス相当であるため、偶発的に発生する1ノズル単位の吐出不良があっても画像不良が生じる可能性は低い。しかしながら、連続した2ノズル以上の吐出不良が発生した場合は画像不良が生じてしまう。これについて、図7を用いて説明する。
図7(a)〜(c)は、記録ヘッドのノズル列を表す図である。図7(a)はノズル列が2列形成された記録ヘッドを示している。図7(a)に示すように、着目ノズル45が吐出不良であるとする。この場合、着目ノズル45の周囲に存在するノズル、すなわち同一ノズル列に存在する隣接ノズル45A、及び隣接ノズル列に存在する隣接ノズル45Bに吐出不良が生じると連続吐出不良となり、画像不良が生じる。同様に、図7(b)に3列以上のノズルが形成された記録ヘッドについて示す。この図において、着目ノズル46が吐出不良の場合、この周囲に存在するノズルである、同一ノズル列に存在する隣接ノズル46A、及び隣接ノズル列に存在する隣接ノズル46Bに吐出不良が生じると連続吐出不良となり、画像不良が生じる。
吐出不良が生じる原因としては、1ノズル単位の場合には前述したインクの増粘による固着や気泡が考えられるが、図7(a)及び(b)に示すような複数の隣接したノズルが連続吐出不良となる場合は、ゴミや大きな泡が考えられる。これについて以下に説明する。
まず、図7(c)を用いて、ゴミが原因で隣接ノズルが連続吐出不良となる場合について説明する。同一ノズル列内の隣接ノズルに付着したゴミ47や、隣接したノズル列にまたがるゴミ48による吐出不良は、画像不良が発生しやすい。従って、このようなゴミ、例えば塵や紙紛等は、ワイパーで拭き取って除去する必要がある。
一方、図7(d)を用いて、大きな泡が原因で隣接ノズルが連続吐出不良となる場合について説明する。記録ヘッド2において、液室100からインク供給口43やノズル列44の複数列の入口に渡って大きな泡24が出来ることが有る。この場合、泡24によって多数のノズルが連続吐出不良となる。泡24は記録ヘッドのノズル内部に生じるため、ワイパーでの拭き取りを行ったとしても解消することが出来ないが、前述のインク循環にて解消することができる。
本発明は、吐出不良ノズルの状態に応じて、ゴミが原因の吐出不良であるか気泡が原因の吐出不良であるかを判断し、その判断結果に応じてワイピングモードとインク循環モードのいずれかを選択するものである。これについて、以下に詳しく説明する。
図1に、本実施形態に特徴的な回復方法の選択を行うフローを示す。本実施形態では、検査ユニット17で吐出不良の有無を判別する不吐出検査を行って吐出不良ノズルの位置情報を取得し(ステップS1)、取得した位置情報に応じて回復操作が必要かを判断する(ステップS2)。ここで、吐出不良がない場合、または1ノズル単位での吐出不良、すなわち着目した吐出不良ノズルに対して周囲に吐出不良ノズルが存在しない場合は、回復操作不要と判断し(N)、印刷を再開する(ステップS12)。一方、周囲の隣接ノズルが連続して吐出不良となっている場合は、回復操作が必要と判断し(Y)、次のステップS3に進む。
ステップS3では、着目不吐ノズルの周囲に存在する吐出不良ノズルの数が10ノズル未満か10ノズル以上かを判断する。ここでは、図7(a)および(b)に示すように、着目する吐出不良ノズルに対し、周囲に存在する吐出不良ノズルの数を算出する。そして、全ての吐出不良ノズルを着目不吐ノズルとして周囲に存在する吐出不良ノズルの数を算出する。そして、着目した不吐ノズルの周囲に存在する吐出不良ノズルの数が10ノズル未満の場合(N)は、図7(c)に示す記録ヘッドチップに付着したゴミによる吐出不良と判断し、ワイパーブレード21でゴミを拭き取るワイピングを実行する(ステップS4)。一方、着目不吐ノズルの周囲に吐出不良ノズルが10ノズル以上存在すると判断された場合(Y)は、前述の図7(d)に示す泡による吐出不良であると判断し、インク循環を実行する(ステップS5)。このインク循環は、例えば2分間インクを循環させるものである。その後、再度不吐出検査を行い(ステップS6)、着目不吐ノズルの周囲に2ノズル以上の吐出不良ノズルが存在するかどうかにより回復操作が必要か判断する(ステップS7)。回復操作不要と判断された場合(N)は、ステップS12に進み、印刷を再開する。回復操作が必要と判断された場合(Y)は、ステップS8に進み、加圧回復を行う。この加圧回復とは、前述の供給ポンプ36の回転により、ノズル列44からインクの排出を行うものであり、本実施形態では、20〜30秒間行う。その後、再度不吐出検査を行い(ステップS9、S10)、回復操作不要の場合(N)はステップS12に進み、印刷を再開する。一方、まだ回復操作が必要と判断された場合(Y)は、人手による対処を行う必要があるため、オペレーターコールを行う(ステップS11)。
以上のように、本実施形態において、吐出不良ノズルの位置情報に応じて吐出不良の原因が泡であるかゴミであるかを判断し、その判断結果に応じてワイピングモードとインク循環モードとから選択して実行することにより、吐出不良を改善することが可能である。さらに、上述のようなワイピングやインク循環という方法を用いることにより、吸引動作や予備吐出動作により回復を行う場合に比べて無駄な廃インク量を低減し、効率的に吐出不良を回復することが可能となる。
本実施形態では、一色のインクを例として簡略したが、従来の記録装置では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの他に、色材濃度の薄いシアン、マゼンタなど6色以上のインクが用いられており、インク色ごとに本実施形態の構成を適用可能である。
また、本実施形態では、吐出不良ノズルが1ノズル単位、すなわち隣接して複数の吐出不良ノズルが存在しない場合は回復操作不要と判断したが、このような形態に限るものではない。すなわち、吐出不良ノズルが1ノズルでもあれば回復操作を行うような形態でもよい。
また、本実施形態では、着目不吐ノズルの周囲に存在する吐出不良ノズルの数が所定の数以上か所定の数未満かで、吐出不良の原因をゴミの付着によるものか泡によるものかを推定して判断したが、本発明はこの数値に限るものではない。ノズル径やノズルピッチによっても条件が異なるため、適宜数値を決定すればよい。着目不吐ノズルに対して、周囲の吐出不良ノズルを算出する範囲も、ノズル径やノズルピッチによって適宜数値を決定すればよい。
さらに、吐出不良の原因が泡であるかゴミであるかを判断する手法として、本実施形態では取得した吐出不良ノズルの位置情報から着目不吐ノズルの周囲に存在する吐出不良ノズルの数を算出したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、吐出不良ノズルの位置情報において、吐出不良ノズルが高密度に存在する領域がある場合に、泡による吐出不良であると判断してインク循環を行い、低密度に存在する場合にゴミによる吐出不良であると判断してワイピングを行ってもよい。このとき、記録ヘッドのノズル列を複数ブロックに分割し、それぞれのブロックごとに吐出不良ノズルの位置情報を取得して判断してもよい。また、吐出不良ノズルの存在する位置の分布に応じて判断してもよく、分割されたブロック内の全ノズルに対する吐出不良ノズルの割合を算出することにより判断してもよい。いずれの場合にも、所定値以上の場合に泡による吐出不良だと判断してインク循環を行い、所定値未満の場合にゴミによる吐出不良と判断してワイピングを行う。また、同一ノズル列において、吐出不良ノズルが連続して存在する数(吐出不良ノズルの連続数)の最大値が所定の数、例えば10ノズル以上の場合に、泡による吐出不良であると判断し、所定の数未満の場合にゴミによる吐出不良であると判断してもよい。また、吐出不良ノズルの分布が、複数のノズル列に渡って同一ノズル番号もしくは隣接するノズル番号に渡って存在する場合に、泡による吐出不良であるとし。それ以外の場合にゴミの付着による吐出不良であると判断してもよい。
(第2の実施形態)
前述の実施形態では、着目不吐ノズルの周囲に存在する吐出不良ノズルの数が10ノズル未満の場合にブレードワイピングを行うワイピングモードを選択し、10ノズル以上の場合にインクを循環するインク循環モードを選択した。そして、これらを行っても解消できない場合に、加圧回復を行った。このときのブレードワイピングはインクの加圧を行わずにワイピングするものであるが、本実施形態では、前述の実施形態のブレードワイピングの後に新たなワイピング方法を用いて回復を行う。このワイピング方法は、従来のワイピング方法に比べて小さなゴミを取り除くことが可能である。この新たなワイピング方法について図10を用いて説明する。
まず、図10(a)に示すように、記録ヘッド2のノズル列44にゴミ49が付着している場合、ノズル面とゴミ49の間にインクが介在すると、インクの界面張力の作用によりゴミ49がノズルに強く付着する。また、ノズルのインクはインクタンクと記録ヘッド2のノズル面との高低差による水頭圧差による負圧状態を保っているため、メニスカスを形成している。ここで、図10(c)のように、供給ポンプ36を回転させて液室100内を加圧することにより、記録ヘッド2のノズルからインクを溢れ出させる。このとき、ノズル面に付着しているゴミは溢れ出るインクと共に押し出されてノズル面から離れ、溢れ出たインク内部や大気との界面に位置する。加圧が継続されると各ノズルから個別に溢れ出たインク同士が合体し、複数のノズルにまたがって大きなインク滴を形成し、図10(d)のように、一部のインク滴は重力により落下する。
その後、供給ポンプ36の回転を止めて加圧を停止する。このとき、インクタンクと記録ヘッドのノズル面との高低差による水頭圧差が発生しないため、記録ヘッドには負圧が発生せず、図10(e)のようにノズル面はインクが溢れ出た状態を維持する。そして、図10(f)のように、ワイパーホルダー22によってワイパー21を移動させ、記録ヘッド2のノズル面に対してワイピング動作を行う。ゴミ49はノズル面からは離れて溢れ出たインク内部や大気との界面に存在するので、溢れ出たインクと共に容易に拭き取ることができる。拭き取られたインク及びゴミ49は、ワイパー21の移動方向にかき寄せられてワイパーホルダー22を介してインク排出機構へ排出される。図10(g)はワイパー21がワイピング終了位置まで移動した状態を示す。ノズル面に付着していたゴミ49は残らず除去されている。その後、供給ポンプを開放することにより、メニスカスを形成させる。
以上のようなワイピング方法を行うことにより、従来のブレードワイピングで取れにくかったゴミを除去することができることを発見した。特に1,200dpi、すなわち21μmピッチで並んでいるノズルの場合、ちょうど隣接ノズル両方にかかる20〜30μmの大きさの皮膚等の塵がノズル列44からの加圧で浮き上がる為、その状態でブレードワイピングを行い、ゴミを除去する。本明細書では、これを「加圧併用ブレードワイピング」と称す。なお、従来のブレードワイピングでは取れにくかった20〜30μmの大きさの皮膚等の塵は、600dpi(42μm)ピッチでは除去可能であったが、900dpi(28μm)ピッチ辺りから取れにくくなる。本実施形態では、加圧を行わないワイピングを行う第1ワイピングモードと、加圧併用ブレードワイピングを行う第2ワイピングモードの両方を選択可能である。以上の加圧併用ブレードワイピングを用いる本実施形態のフローを、図6に示す。
まず、検査ユニット17により吐出不良ノズルを検出し、位置情報を取得する(ステップS21)。第1の実施形態と同様に、取得した位置情報に応じて吐出不良ノズルがない場合もしくは1ノズル単位の吐出不良の場合は、回復操作不要と判断し(ステップS22、N)、印刷を再開する(ステップS35)。一方、着目した吐出不良ノズルの周囲に存在する隣接ノズルが吐出不良である場合は回復操作が必要と判断する(ステップS22、Y)。そして、着目不吐ノズルの周囲に存在する吐出不良ノズルの数が10ノズル未満か10ノズル以上かを判断する(ステップS23)。この隣接不吐出ノズルの連続数が10ノズル未満の場合(N)は、第1の実施形態と同様にブレードワイピングによる第1ワイピングモードを選択してワイパーブレード21での拭き取りを行う(ステップS24)。その後、再度不吐出検査を行う(ステップS26)。この不吐出検査によりさらに着目ノズルの周囲に2ノズル以上の吐出不良ノズルが検出され、さらに回復操作が必要と判断された場合(ステップS27、Y)は、前述の加圧併用ブレードワイピングを行う第2ワイピングモードを選択する(ステップS28)。一方、ステップS23で着目不吐ノズルの周囲に存在する吐出不良ノズルの数が10ノズル以上の場合(Y)は、インク循環を行うインク循環モードを選択する(ステップS25)。そして、再度不吐出検査を行い(ステップS29)、回復操作不要と判断された場合(N)はステップS35に進み、印刷を再開する。回復操作が必要と判断された場合(Y)は、第1の実施形態と同様に加圧回復を行う(ステップS31)。それでも解消できない場合は、人手による対処を行う必要があるため、オペレーターコールを行う(ステップS34)。
以上のように、本実施形態によれば、吐出不良ノズルの位置情報に応じて吐出不良の原因が泡であるかゴミであるかを判断し、その判断結果に応じて回復モードを選択することにより、無駄な廃インク量を低減し、効率的に回復を行うことが可能となる。また、本実施形態は、第1の実施形態と同様に、着目した吐出不良ノズルの周囲に存在する吐出不良ノズル数が所定値未満(本実施形態では10ノズル未満)の場合、通常のブレードワイピングによりゴミの除去を行う。この通常のブレードワイピングを行っても除去できないゴミがある場合、第1の実施形態では加圧回復を行うが、本実施形態では加圧回復を行う前に加圧併用ブレードワイピングを行う。これにより、加圧回復を行わなくても空中の塵、例えば人の皮膚等が除去可能となるため、加圧回復による廃インクが低減可能となり、さらに記録装置の稼働時間を伸ばすことができる。なお、第1の実施形態と同様に、吐出不良の原因が泡であるかゴミであるかを判断する方法は、上述の方法に限るものではない。また、本実施形態では加圧併用ブレードワイピング時にもインクがヘッドから垂れるおそれがあるため、図2におけるキャップ7がワイパーの下で待機する構造にしてもよい。
(第3の実施形態)
本実施形態のフローを図8に示す。本実施形態は、第1の実施形態における通常のブレードワイピング(図1のステップS4)を行うかわりに、第2の実施形態で用いた加圧併用ブレードワイピングを用いている。これにより、短時間で確実にゴミを除去することができ、加圧回復を行う場合に比べて廃インク量を低減することができる。このブレードワイピング以外のフローについては第1の実施形態と同様である。また、加圧併用ブレードワイピングを行うことで、検査ユニット17での判別回数を減らすことができ、記録装置の稼動時間をさらに伸ばすことが可能になる。
(第4の実施形態)
次に、複数のノズル列のノズルが共通の液室を有する記録ヘッドを用いる場合のインク循環とブレードワイピングの選択方法について図9を用いて説明する。図9(a)は、記録ヘッドチップを吐出口側から見た図であり、図9(b)は、図9(a)の線A−A´の矢印側から見た図である。インク供給口43から複数のノズルに共通な液室100に供給されたインクは、記録ヘッドチップ41の小さな液室101に送られる。この液室101は、それぞれ3つのノズルに繋がっている。そして、液室101から流路50を通ってノズル列44の吐出口にインクが送られ、ヒーターボード52により熱せられて吐出する。このような構成の記録ヘッドにおいて、図9に示すように液室100内に泡24が発生し、この泡24が原因で複数のノズルに吐出不良が生じた場合、インク循環を行わなければならない。
ここで、第1から第3実施形態では、着目吐出不良ノズルの周囲に存在する吐出不良ノズルの数が所定値以上の場合にインク循環を行ったが、本実施形態では、隣接する複数のノズル列に渡って吐出不良ノズルが所定のノズル数以上存在する場合にインク循環を行う。すなわち、複数のノズル列に渡って吐出不良が生じた場合に、共通な液室101に大きな気泡が発生したことによる吐出不良であると判断する。一般に、記録ヘッドのノズルにはノズル列ごとに端からノズル番号が付せられている。本実施形態ではこのノズル番号を用い、複数のノズル列に渡って同一のノズル番号もしくは隣接するノズル番号に渡って吐出不良ノズルが存在した場合、泡が原因の吐出不良であると判断してインク循環モードを選択する。このときのワイピングは、加圧を行わない第1ワイピングモードと加圧併用ブレードワイピングの第2ワイピングモードの両方から選択可能であり、さらに第2の実施形態のように第1ワイピングモードの後に第2ワイピングモードを実行する方法であってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、複数のノズル列のノズルが共通な液室を有する記録ヘッドにおいて、隣接する少なくとも2列のノズル列に渡って同一ノズル番号もしくは連続するノズル番号に渡って吐出不良ノズルが存在するか否かを判断する。そして、存在した場合に泡の発生による吐出不良と判断し、存在しなかった場合にはゴミの付着による吐出不良と判断する。これにより、廃インクを低減しつつ、適切に回復方法を選択することができる。

Claims (7)

  1. インクを吐出する吐出口が複数設けられた吐出口面を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、該インクタンクと前記記録ヘッドの間でインクを循環する循環流路と、前記吐出口面をワイピングするワイピング手段と、前記吐出口の吐出状態を検出する検出手段を備えるインクジェット記録装置において、
    前記循環流路にインクを循環させる循環動作または前記ワイピング手段によって前記吐出口面をワイピングするワイピング動作を行わせる制御手段と、
    前記検出手段によって吐出不良と検出された吐出口の位置情報に基づいて、前記循環動作と前記ワイピング動作とから実行すべき動作を選択する選択手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記選択手段は、前記検出手段によって吐出不良と検出された着目吐出口の周囲に存在する吐出不良の吐出口の数に応じて、前記実行すべき動作を選択することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記選択手段は、前記着目吐出口の周囲に吐出不良の吐出口が所定数以上存在する場合は前記循環動作を選択し、前記所定数未満存在する場合は前記ワイピング動作を選択することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記制御手段は、前記循環動作が行われた後に、前記検出手段に再度前記吐出口の吐出状態を検出させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記検出手段によって吐出不良の吐出口が検出された場合は、前記循環流路内のインクを加圧して前記吐出口からインクを排出させることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記制御手段は、前記ワイピング動作が行われた後に、前記検出手段に再度前記吐出口の吐出状態を検出させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記検出手段によって吐出不良の吐出口が検出された場合は、前記循環流路内のインクを加圧した状態で前記ワイピング手段にワイピング動作を行わせることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
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