(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る照明装置の構成例を示すブロック図である。例えば、図1に示すように、照明装置100は、特定部110と、光源制御部120と、光源130とを有する。
特定部110は、例えば、利用者からの操作入力を受け付けて、受け付けた入力内容に基づき、利用者の動作を特定する。図2は、利用者による操作入力の例を示す図である。例えば、図2に示すように、利用者は、利用者の脳に記憶を形成させる動作を表す学習動作を行なう場合に、学習モードを「ON」にする操作を行なう。ここで、図2に示す学習モードの「ON/OFF」の操作入力に利用される入力部は、物理的なボタンやタッチパネル等であり、特定部110に接続される。また、学習モードが「OFF」である場合については、初期設定モードと呼ぶことがある。
かかる入力部においては、「学習」という表示でなくても良く、例えば、「勉強」、「宿題」、「自己啓発」等という表示であっても良いし、ピクトグラムや所定のアイコン等により対応が表示されていても良い。すなわち、詳細には、特定部110は、入力部から学習モード「ON」の入力を受け付けた場合に、利用者の動作が学習動作であることから、動作モードを学習モードに特定する。一方、特定部110は、入力部から学習モード「OFF」の入力を受け付けた場合に、利用者の動作が学習動作ではないことから、動作モードを初期設定モードに特定する。
光源制御部120は、例えば、特定部110によって特定された利用者の動作が学習動作である場合に、利用者の覚醒水準が所定水準より低くなるように光源130の発光強度を制御する。詳細には、光源制御部120は、動作モードごとに光源130の制御量設定値が記憶される所定のメモリを有する。そして、光源制御部120は、特定部110によって学習モードに特定された場合に、学習モードに対応する制御量設定値をメモリから取得し、取得した制御量設定値で光源130を制御する。一方、光源制御部120は、特定部110によって初期設定モードに特定された場合に、初期設定モードに対応する制御量設定値をメモリから取得し、取得した制御量設定値で光源130を制御する。
かかる学習モードに対応する制御量設定値は、利用者の覚醒水準が所定水準より低くなる設定値であり、一つの様態として、デフォルト値の3割減の発光強度となるような設定値である。また、光源制御部120による光源130に対する制御は、例えば、光源130が有する各発光体に流れる電流量の制御、又は、光源130が有する各発光体に印加する電圧の制御が挙げられる。かかる制御の方法は、PWM(Pulse Width Modulation)制御や位相制御等の任意のもので良い。
光源130は、例えば、発光強度が独立して制御可能である1つ以上の発光体を有する。また、光源130は、分光分布の異なる複数の発光体を有していても良い。かかる場合には、それぞれの発光体の光が混色されたものが光源130の発する光となる。また、発光体の例としては、白熱電球、蛍光管、LED等が挙げられる。これらの他に、光源130は、複数の発光体の光の混色のための光拡散板等をさらに有していても良い。例えば、発光体がn種類(nは、1以上の整数)であり、そのi番目の発光体の分光分布がP
i(λ)であるとすれば、光源130の分光分布は、以下の(数1)で表される。
ここで、上述した覚醒水準を低くするとは、具体的には、メラトニン分泌抑制スペクトルと光源130の分光分布の積の積分値を小さくするか、錐体、かん体、メラノプシン含有神経節細胞の応答を考慮したメラトニン分泌抑制予測式の値を小さくするかの何れかに当てはまるもののことを言う。
メラトニン分泌抑制スペクトルと光源130の分光分布の積の積分値とは、光源130から放射される光エネルギーの分光分布をP(λ)、メラトニン分泌抑制スペクトルをM
1(λ)とおいて、以下の(数2)により定義される。
また、錐体、かん体、メラノプシン含有神経節細胞の応答を考慮したメラトニン分泌抑制予測式については、以下のTの値(数3)により場合分けされ、T≧0のときは(数4)、T<0のときは(数5)により算出することができる。
ここで、定数k=0.31,α1=0.285,α2=0.2,α3=0.72,b1=0.01,b2=0.001,rodSat=6.5である。また、M2(λ)はメラノプシン含有神経節細胞の分光反応感度、V10(λ)はL錐体とM錐体の分光反応感度、V’(λ)はかん体の分光反応感度、S(λ)はS錐体の分光反応感度である。
なお、覚醒水準(上記の式の値)を低くするには、光源130が有する発光体の種類が1種類の場合にはその1種類の発光体の発光強度を低くすることにより実現できる。一方、光源130が有する発光体の種類が2種類以上である場合には、460nm付近の波長(青色)が多く含まれる発光体の発光強度の比率を、これ以外の発光体の発光強度と比較して小さくすることにより実現できる。
上記の式を利用する理由を以下に説明する。例えば、覚醒水準を高めるような照明の光を浴びた際に、メラトニンと呼ばれるホルモンの分泌量が減少することが知られている。かかるメラトニンは、MT1やMT2と呼ばれるメラトニン受容体がある組織に作用することで、生体に様々な影響をもたらすことが知られている。また、メラトニン受容体は、脳の記憶に携わる部位である人の海馬にも存在することが知られている。また、遺伝子組み換えによりメラトニン受容体を欠損させた動物では、記憶の形成が阻害されることが知られている。これらにより、覚醒水準を低くするために、メラトニン分泌抑制スペクトルと光源130の分光分布の積の積分値を小さくするか、錐体、かん体、メラノプシン含有神経節細胞の応答を考慮したメラトニン分泌抑制予測式の値を小さくすることが好ましいからである。
次に、図3を用いて、第1の実施形態に係る照明装置100による制御処理を説明する。図3は、第1の実施形態に係る制御処理の流れの例を示すフローチャートである。なお、かかる制御処理は、一つの様態として、照明装置100の光源130から照射光が照射されている状態において実行される。
例えば、図3に示すように、特定部110は、所定の入力部から動作モードが入力された場合に(ステップS101肯定)、学習モード又は初期設定モードの何れかに動作モードを特定する(ステップS102)。一方、特定部110は、所定の入力部から動作モードが入力されない場合に(ステップS101否定)、所定の入力部からの動作モードの入力待ちの状態となる。
そして、光源制御部120は、特定部110による動作モードの特定について、学習モードであるか否かを判定する(ステップS103)。このとき、光源制御部120は、特定部110による動作モードの特定が学習モードであると判定した場合に(ステップS103肯定)、利用者の覚醒水準が所定水準より低くなるように光源130の発光強度を制御する(ステップS104)。
かかる光源130に対する制御の制御量設定値は、所定のメモリに記憶されており、学習モードに対応する設定値は、初期設定モードに対応する設定値と比較して、利用者の覚醒水準が低くなるように設定されている。一方、光源制御部120は、特定部110による動作モードの特定が初期設定モードであると判定した場合に(ステップS103否定)、処理を終了する。
本実施形態によれば、利用者の動作が学習動作である場合に、利用者の覚醒水準を低くするように光源の発光強度を制御するので、利用者のその後の睡眠に及ぼす影響を抑制し、学習効果を向上させることができる。
(第1の実施形態の変形例‐1)
また、動作モードについては、学習モード又は初期設定モードの何れかではなく、さらに複数の動作モードを設けても良い。図4は、特定部110に接続される入力部の例を示す図である。
例えば、図4に示すように、入力部は、「学習」の他に「作業」や「読書」等の複数の動作モードを設定可能にしている。これにより、特定部110は、入力部から学習モード、作業モード又は読書モードの入力を受け付けて、利用者の動作モードを特定する。また、光源制御部120は、特定部110によって特定された動作モードに応じた発光強度で光源130を制御する。例を挙げると、作業モードでは、発光強度の設定値を学習モードと比較して覚醒水準が高くなるように設定されている。なお、動作モードについては、学習モードよりも覚醒水準が低くなるような「睡眠モード」等を設けても良い。また、動作モードごとの設定値は、所定のメモリに記憶されている。
次に、図5を用いて、第1の実施形態の変形例に係る照明装置100による制御処理を説明する。図5は、第1の実施形態の変形例に係る制御処理の流れの例を示すフローチャートである。
例えば、図5に示すように、特定部110は、所定の入力部から動作モードが入力された場合に(ステップS201肯定)、複数の動作モードのうちの何れかに動作モードを特定する(ステップS202)。一方、特定部110は、所定の入力部から動作モードが入力されない場合に(ステップS201否定)、所定の入力部からの動作モードの入力待ちの状態となる。
そして、光源制御部120は、特定部110による動作モードの特定について、学習モードであるか否かを判定する(ステップS203)。このとき、光源制御部120は、特定部110による動作モードの特定が学習モードであると判定した場合に(ステップS203肯定)、利用者の覚醒水準が所定水準より低くなるように光源130の発光強度を制御する(ステップS204)。一方、光源制御部120は、特定部110による動作モードの特定が学習モード以外の動作モードであると判定した場合に(ステップS203否定)、各動作モードに応じた制御量設定値により光源130の発光強度を制御する(ステップS205)。
本実施形態によれば、ある程度高い覚醒水準を保つことが好ましい動作や、逆にある程度低い覚醒水準を保つことが好ましい動作等の利用者の各動作に応じて光源130の発光強度を制御することができ、利用者の動作が学習動作である場合にも、利用者のその後の睡眠に及ぼす影響を抑制し、学習効果を向上させることができる。
(第1の実施形態の変形例‐2)
また、光源制御部120による光源130の発光強度の制御については、時間帯によってその実行可否を決定するようにしても良い。具体的には、光源制御部120は、時刻を計時する計時装置(図示しない)を備え、計時装置から取得する時間の時間帯によって処理を実行する。図6は、第1の実施形態の変形例に係る制御処理の流れの例を示すフローチャートである。
例えば、図6に示すように、特定部110は、所定の入力部から動作モードが入力された場合に(ステップS301肯定)、学習モード又は初期設定モードの何れかに動作モードを特定する(ステップS302)。一方、特定部110は、所定の入力部から動作モードが入力されない場合に(ステップS301否定)、所定の入力部からの動作モードの入力待ちの状態となる。
そして、光源制御部120は、特定部110による動作モードの特定について、学習モードであるか否かを判定する(ステップS303)。このとき、光源制御部120は、特定部110による動作モードの特定が学習モードであると判定した場合に(ステップS303肯定)、計時装置から時間を取得し、取得した時間が所定時間帯であるか否かを判定する(ステップS304)。一方、光源制御部120は、特定部110による動作モードの特定が初期設定モードであると判定した場合に(ステップS303否定)、処理を終了する。
また、光源制御部120は、取得した時間が所定時間帯であると判定した場合に(ステップS304肯定)、利用者の覚醒水準が所定水準より低くなるように光源130の発光強度を制御する(ステップS305)。一方、光源制御部120は、取得した時間が所定時間帯でないと判定した場合に(ステップS304否定)、処理を終了する。
かかる所定時間帯とは、一つの様態として、日没付近の時間である夕方の18時から日の出付近の時間である朝の6時までの時間帯である。なお、所定時間帯は、利用者の生活習慣等に合わせて任意に設定されても良い。
本実施形態によれば、早朝や日中等の光が夜の睡眠に及ぼす影響が少ない時間帯に学習を行なう場合に覚醒水準を高く維持し、夕方から夜間にかけての光が夜の睡眠に及ぼす影響が大きい時間帯に学習を行なう場合に覚醒水準を低くするように、光源の発光強度を制御するので、学習効果をより向上させることができる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る特定部の構成例を示すブロック図である。第2の実施形態では、装置や各機能部に対する符号について、照明装置200、特定部210、光源制御部120、光源130として説明する。すなわち、第1の実施形態と同様の処理を実行する機能部については同一の符号を付し、同一の処理についてはその説明を省略する場合がある。
例えば、図7に示すように、特定部210は、記憶装置211と、書籍情報受付部212と、動作モード特定部213とを有する。記憶装置211は、例えば、書籍の種類と書籍を特定する書籍情報とを対応付けて記憶する。かかる書籍情報は、例えば、ISBN(International Standard Book Number)コード、Cコード又は書籍名等の書籍の種類を特定可能な情報である。また、書籍の種類は、書籍が学習用の種類であるか否かを特定可能な情報である。なお、記憶装置211は、照明装置200に含まれていなくても良く、例えば、インターネット等のネットワーク上に存在するものであっても良い。
ここで、Cコードとは、4桁の数字から構成されており、1桁目が販売対象、2桁目が書籍の形態、3桁目及び4桁目が書籍の内容を表すものである。例えば、1桁目が6であれば小中学生向けの学習参考書、7であれば高校生向けの学習参考書であることを表している。これにより、動作モード特定部213は、記憶装置211を参照することにより、該当する書籍が学習用の種類であるか否かを特定することができる。
書籍情報受付部212は、例えば、ISBNコード、Cコード又は書籍名等の書籍情報を受け付けて、動作モード特定部213に通知する。また、書籍情報受付部212は、例えば、バーコードの読み取り機やカメラであっても良いし、利用者による操作で入力された書籍IDの入力を受け付けるインタフェースであっても良い。
動作モード特定部213は、例えば、書籍情報受付部212によって通知された書籍情報に対応する書籍の種類を記憶装置211から取得する。そして、動作モード特定部213は、取得した書籍の種類に基づいて、利用者の動作モードを特定する。かかる動作モードの特定について、動作モード特定部213は、書籍の種類が学習モードに相当するか否かの情報を保持するテーブルを利用する。なお、記憶装置211がインターネット等のネットワーク上に存在する場合に、動作モード特定部213は、ネットワークにアクセスする機能を有することとなる。
次に、図8を用いて、第2の実施形態に係る照明装置200による制御処理を説明する。図8は、第2の実施形態に係る制御処理の流れの例を示すフローチャートである。
例えば、図8に示すように、動作モード特定部213は、書籍情報受付部212によって書籍情報が受け付けられた場合に(ステップS401肯定)、書籍情報に対応する書籍の種類を記憶装置211から取得し、取得した書籍の種類に基づいて利用者の動作モードを特定する(ステップS402)。ここで、動作モードの特定では、書籍の種類が学習モードに相当するか否かの情報を保持するテーブルを利用することとなる。
また、光源制御部120は、特定部210による動作モードの特定について、学習モードであるか否かを判定する(ステップS403)。このとき、光源制御部120は、特定部210による動作モードの特定が学習モードであると判定した場合に(ステップS403肯定)、利用者の覚醒水準が所定水準より低くなるように光源130の発光強度を制御する(ステップS404)。一方、光源制御部120は、特定部210による動作モードの特定が初期設定モードであると判定した場合に(ステップS403否定)、処理を終了する。
本実施形態によれば、利用者自身が学習動作であると認識していない場合においても、書籍の種類に応じて適切に学習動作であることを判定し、光源の発光強度を制御するので、利用者のその後の睡眠に及ぼす影響を抑制し、学習効果を向上させることができる。
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態に係る照明装置の構成例を示すブロック図である。なお、図9では、第1の実施形態と同様の処理を実行する機能部については同一の符号を付し、同一の処理についてはその説明を省略する場合がある。
例えば、図9に示すように、照明装置300は、特定部110と、光源制御部320と、光源130と、保持部340とを有する。保持部340は、例えば、利用者が学習動作を行なったことを表す履歴情報を所定期間保持する。かかる所定期間は、その日の24時のことを指すものである必要はないが、利用者の生活サイクルに基づいて決定されることが好ましい。例えば、午前4時に設定されても良いし、24時以降に照明装置300の電源が切られるまでというように設定されても良い。また、保持部340は、所定期間の保持のために、履歴情報とともに履歴情報を登録した時刻も登録・保持する。
光源制御部320は、例えば、特定部110によって特定された動作モードが学習モードでない場合、且つ、保持部340に履歴情報が保持されている場合に、利用者の覚醒水準が所定水準より低くなるように光源130の発光強度を制御する。
次に、図10を用いて、第3の実施形態に係る照明装置300による制御処理を説明する。図10は、第3の実施形態に係る制御処理の流れの例を示すフローチャートである。
例えば、図10に示すように、特定部110は、所定の入力部から動作モードが入力された場合に(ステップS501肯定)、学習モード又はその他のモードに動作モードを特定する(ステップS502)。一方、特定部110は、所定の入力部から動作モードが入力されない場合に(ステップS501否定)、所定の入力部からの動作モードの入力待ちの状態となる。
そして、光源制御部320は、特定部110による動作モードの特定について、学習モードであるか否かを判定する(ステップS503)。光源制御部320は、特定部110による動作モードの特定が学習モードであると判定した場合に(ステップS503肯定)、利用者の覚醒水準が所定水準より低くなるように光源130の発光強度を制御する(ステップS504)。
このとき、保持部340は、学習モード、すなわち学習動作を行なったことを表す履歴情報を登録・保持する(ステップS505)。その後、保持部340は、所定期間が経過したと判定した場合に(ステップS506肯定)、保持している履歴情報を削除する(ステップS507)。また、保持部340は、所定期間が経過していないと判定した場合に(ステップS506否定)、処理を終了する。
一方、光源制御部320は、特定部110による動作モードの特定が学習モードでないと判定した場合に(ステップS503否定)、保持部340に履歴情報が存在するか否かを判定する(ステップS508)。このとき、光源制御部320は、履歴情報が存在する場合に(ステップS508肯定)、利用者の覚醒水準が所定水準より低くなるように光源130の発光強度を制御する(ステップS509)。一方、光源制御部320は、履歴情報が存在しない場合に(ステップS508否定)、各動作モードに応じた制御量設定値により光源130の発光強度を制御する(ステップS510)。また、これらの後には、上述したステップS506及びステップS507の処理が実行される。
本実施形態によれば、動作モードが学習モードではなくても、その日に学習を行なっていれば、利用者のその後の睡眠に及ぼす影響を考慮して光源の発光強度を制御するので、学習効果を向上させることができる。なお、本実施形態は、特定部110が、保持部340に履歴情報が保持されている場合に、利用者の動作が学習動作であるとして判定し、特定部110による判定に基づいて光源130の発光強度を制御するようにしても良い。
(第4の実施形態)
図11は、第4の実施形態に係る照明装置の構成例を示すブロック図である。なお、図11では、第1の実施形態と同様の処理を実行する機能部については同一の符号を付し、同一の処理についてはその説明を省略する場合がある。
例えば、図11に示すように、照明装置400は、特定部410と、光源制御部120と、光源130と、識別情報受信部450とを有する。また、照明装置400は、携帯電話機、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、PC等の通信機能を有する外部端末と通信可能である。
かかる外部端末上では、例えば、単語帳や種々の問題を出題するといった機能を有する学習用のソフトウェアや、表計算や文書作成等の作業を行なうための作業用のソフトウェア等の各種アプリケーションソフトウェアを実行することができる。また、外部端末は、各種アプリケーションソフトウェアが自己の外部端末上で実行されていることを、通信機能により照明装置400に対して通知する。
識別情報受信部450は、例えば、外部端末上で利用者が実行するアプリケーションソフトウェアの種別を識別可能な識別情報を受信する。かかる識別情報は、一つの様態として、アプリケーションソフトウェアが属するジャンル(学習用のソフトウェア等)を表す情報である。ここで、外部端末と識別情報受信部450との間の通信手段は、例えば、無線LAN(Local Area Network)、赤外線通信、可視光通信、又は、USB(Universal Serial Bus)等、この他にも任意の手段を利用しても良い。
特定部410は、例えば、識別情報受信部450によって受信された識別情報に基づいて、利用者の動作を特定する。詳細には、特定部410は、アプリケーションソフトウェアが属するジャンルの情報に対応する動作モードを、ジャンルと動作モードとが対応付けられているテーブルから取得し、利用者の動作モードを特定する。
次に、図12を用いて、第4の実施形態に係る照明装置400による制御処理を説明する。図12は、第4の実施形態に係る制御処理の流れの例を示すフローチャートである。
例えば、図12に示すように、識別情報受信部450によって外部端末から識別情報を受信した場合に(ステップS601肯定)、特定部410は、識別情報に対応する動作モードを所定のテーブルから取得し、利用者の動作モードを特定する(ステップS602)。一方、識別情報受信部450によって外部端末から識別情報を受信していない場合には(ステップS601否定)、識別情報の受信待ちの状態となる。また、光源制御部120は、特定部410による動作モードの特定について、学習モードであるか否かを判定する(ステップS603)。
このとき、光源制御部120は、特定部410による動作モードの特定が学習モードであると判定した場合に(ステップS603肯定)、利用者の覚醒水準が所定水準より低くなるように光源130の発光強度を制御する(ステップS604)。一方、光源制御部120は、特定部410による動作モードの特定が学習モード以外の動作モードであると判定した場合に(ステップS603否定)、各動作モードに応じた制御量設定値により光源130の発光強度を制御する(ステップS605)。
本実施形態によれば、利用者による動作モードの入力を必要としないため、動作モードの選択ミスや、動作モード設定のし忘れ等を抑止することができるとともに、利用者の学習効果を向上させることができる。
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態に係る照明装置の構成例を示すブロック図である。なお、図13では、第1の実施形態と同様の処理を実行する機能部については同一の符号を付し、同一の処理についてはその説明を省略する場合がある。
例えば、図13に示すように、照明装置500は、特定部510と、光源制御部120と、光源130と、履歴情報受信部560とを有する。また、照明装置500は、携帯電話機、スマートフォン、タブレットPC、PC等の通信機能を有する外部端末と通信可能である。
かかる外部端末は、1日のうちに利用者が学習動作を行なったか否かを表す履歴情報を記録し、履歴情報を通信機能により照明装置500に対して通知する。ここで、学習動作を行なったか否かについては、外部端末上で学習用のソフトウェアが実行されたか否かによって記録しても良いし、外部端末に搭載されたGPS(Global Positioning System)機能等の測位システムから学校や学習塾に滞在したか否かによって記録しても良いし、外部端末上のスケジュール管理ソフトウェアに登録されたスケジュールをもとに記録しても良い。
履歴情報受信部560は、例えば、利用者が学習動作を行なったことを表す履歴情報を外部端末から受信し、受信した履歴情報を記憶する。ここで、外部端末と履歴情報受信部560との間の通信手段は、例えば、無線LAN、赤外線通信、可視光通信、又は、USB等、この他にも任意の手段を利用しても良い。
特定部510は、例えば、履歴情報受信部560によって受信された履歴情報に基づいて、利用者の動作を特定する。詳細には、特定部510は、履歴情報受信部560によって学習動作の履歴情報が記憶されている場合に、利用者の動作モードを学習モードとして特定する。
次に、図14を用いて、第5の実施形態に係る照明装置500による制御処理を説明する。図14は、第5の実施形態に係る制御処理の流れの例を示すフローチャートである。
例えば、図14に示すように、履歴情報受信部560によって外部端末から履歴情報を受信した場合に(ステップS701肯定)、特定部510は、履歴情報に対応する動作モードを特定する(ステップS702)。一方、履歴情報受信部560によって外部端末から履歴情報を受信していない場合には(ステップS701否定)、履歴情報の受信待ちの状態となる。また、光源制御部120は、特定部510による動作モードの特定について、学習モードであるか否かを判定する(ステップS703)。
このとき、光源制御部120は、特定部510による動作モードの特定が学習モードであると判定した場合に(ステップS703肯定)、利用者の覚醒水準が所定水準より低くなるように光源130の発光強度を制御する(ステップS704)。一方、光源制御部120は、特定部510による動作モードの特定が学習モード以外の動作モードであると判定した場合に(ステップS703否定)、各動作モードに応じた制御量設定値により光源130の発光強度を制御する(ステップS705)。
本実施形態によれば、利用者による動作モードの入力を必要としないため、動作モードの選択ミスや、動作モードの設定のし忘れ等を抑止することができるとともに、利用者の学習効果を向上させることができる。また、本実施形態によれば、照明装置500の下で利用者が学習を行なった場合でなくても、学習した時刻以降に照明装置500に起因する光の影響を低減することができるとともに、利用者の学習効果を向上させることができる。
(第6の実施形態)
図15は、第6の実施形態に係る照明装置の構成例を示すブロック図である。なお、図15では、第1の実施形態と同様の処理を実行する機能部については同一の符号を付し、同一の処理についてはその説明を省略する場合がある。
例えば、図15に示すように、照明装置600は、特定部110と、光源制御部120と、光源130と、推定部670と、第1算出部680と、第2算出部690とを有する。光源130は発光強度が独立に制御可能であり、分光分布が異なる2種類以上の発光体を含む。この発光体は、典型的にはRGBの3原色に相当するLEDである。LEDは、形状が小型および軽量であるため、複数のLEDを1つの照明器具に組み込み、個々のLEDの発光強度を独立に制御することも比較的容易である。なお、発光体としては、LEDの他に蛍光管、白熱電球、および、ナトリウムランプなど、任意のものを用いることができる。また、発光体はこれらの組合せであってもよい。また、複数の発光体の光の混色のために、光源130が光拡散板などを更に備えるように構成してもよい。
光源制御部120は、光源130を構成する各発光体の発光を制御する。典型的には、光源制御部120は、各発光体に流れる電流量を制御する。光源制御部120が発光体に印加する電圧を制御してもよい。また、制御する電流や電圧は直流であってもよいし交流であってもよい。また、制御の方法はPWM制御や位相制御など任意の形式であってよい。光源制御部120は、内部に光源130の各発光体の分光分布の値のテーブルを保持している。発光体の数がn種類であれば、このテーブルには、Pi(λ),(i=1,2,・・・,n)のそれぞれについて、可視光の領域で所定の刻み幅で値を記憶する。また、光源制御部120は、それぞれの発光体の発光強度をai(i=1,2,・・・,n)とした時に、光源1の発光強度P(λ)を、上記(数1)に従い算出する機能を有する。
また、光源制御部120は、算出したP(λ)の値を、第1算出部680および第2算出部690に通知する機能を有する。さらに、光源制御部120は、第1算出部680および第2算出部690それぞれが算出した推定値(第1評価値および第2評価値)を受け取り、これらの推定値を目的変数とした最適化問題を解く機能を有する。
推定部670は、光源130の照射光によって照らされる物体(図示せず)の分光反射率を推定する。図16は、第6の実施形態に係る推定部670の構成例を示すブロック図である。以下、推定部670の構成について説明する。推定部670は、撮像部671と、可変フィルタ672と、撮像制御部673と、画像処理部674と、を備えている。
撮像部671は、CCDカメラやCMOSカメラなどの撮像素子である。撮像部671の分光感度S(λ)は既知である。撮像部671は、撮像制御部673からの通知に従い、可変フィルタ672と同期して可変フィルタ672を通して光源130の照射光によって照らされる物体を撮像する。撮像した画像は画像処理部674へ送られる。可変フィルタ672は、分光透過率が既知である複数のフィルタを切り替えることが可能なフィルタである。可変フィルタ672は、撮像制御部673からの通知に従い分光透過率を切り替える。分光透過率の切り替えは、例えば、物理的に異なる複数のフィルタが回転・移動することによって切り替わっても良いし、電気的に制御可能な液晶チューナブルフィルタ等であっても良い。m種類の分光透過率が実現可能であるとして、それぞれの分光透過率をTj(λ),(j=1,2,・・・,m)とおく。
撮像制御部673は、可変フィルタ672の分光透過率の切り替え、および、撮像部671による撮像を順次実行するように制御する。
画像処理部674は、可変フィルタ672の分光透過率が異なる状態で、撮像部671によって撮像された複数の画像から、光源130の照射光によって照らされる物体の分光反射率を推定する。画像処理部674による分光反射率の推定方法は以下に示す通りである。
物体の任意の部分の分光反射率をR(λ)、光源130の分光分布をP(λ)、撮像部671の分光感度をS(λ)、可変フィルタ672で切り替え可能なそれぞれの分光透過率をTj(λ),(j=1,2,・・・,m)とおく。なお、S(λ)およびTj(λ)の値は、例えば画像処理部674の中にテーブル(図示しない)として保持している。
j種類目の分光透過率に切り替えられた可変フィルタ302を通して撮像された物体に対する撮像部301の出力値V
jは、以下の(数6)によって表される。
ここで、λ
1およびλ
wは、それぞれ撮像部671の感度の存在する波長の下限、上限を表す。上記の積分を離散値で近似し、分解すると以下の(数7)の行列式が得られる。ここでΔλは離散化を行う際の量子化幅である。
(数7)の右辺左側の行列をFとおき、Fの疑似逆行列Gをwiener法等を用いて求めれば、以下の(数8)により物体の分光反射率R(λ)を求めることができる。
なお、これまでは撮像部671のチャンネル数が1チャンネル(モノクロ画像)である場合を示した。例えばRGBの3チャンネルの撮像部671を用いれば、(数7)の方程式の数を3倍にすることができるから、より精度の高い分光反射率の推定が可能となる。また、物体の分光反射率を推定する方法は上記に限られるものではなく、任意の他の技術に置き換えてもよい。
或いは、撮像と同期して光源130の分光分布を変更するようにしても良い。かかる場合には、物体のある部分の分光反射率をR(λ)、光源130による異なるm種類の分光分布をそれぞれP
j(λ)(j=1,2,・・・,m)、撮像素子の分光感度をS(λ)とおく。これにより、j種類目の分光分布の光源の下で撮影された物体の撮像素子の出力値V
jは、以下の(数9)によって表される。
上記積分を離散値で近似し、分解すると以下の(数10)の行列式が得られる。
上記(数10)の右辺左側の行列をFとおき、Fの擬似逆行列Gをwiener法等を用いて求めれば、以下の(数11)により物体の分光反射率R(λ)を求めることができる。
なお、光源130の分光分布の変更と可変フィルタ672による撮像とを組み合わせることも可能である。かかる場合には、可変フィルタ672の種類をm1、光源130による異なる分光分布の種類をm2とすると、(数10)の方程式の数を最大m1×m2個とすることが可能であり、より精度良く物体の分光反射率を推定することが可能である。
第2算出部690は、光源制御部120から通知された光源130の分光分布P(λ)に基づき、照明の非視覚影響量Y1を推定する。推定された非視覚影響量Y1は光源制御部120へと通知される。また、第2算出部690の推定値は、上記(数2)から(数5)において説明した、メラトニン分泌抑制スペクトルと光源130の分光分布の積の積分値か、錐体、かん体、メラノプシン含有神経節細胞の応答を考慮したメラトニン分泌抑制予測式の値のいずれかである。
第1算出部680は、光源130の分光分布と、物体の分光反射率とに基づいて、視覚により知覚される物体の色の適切さ(物体の色の見え)を表す出力値(第1評価値)を算出する。例えば、第1算出部680は、推定部670によって推定された、光源130の照射光によって照らされる物体の分光反射率の値R(λ)と、光源制御部120によって決定された光源130の分光分布の値P(λ)とに基づき、標準光源の下での物体の色の見えを推定する。推定の具体的方法は以下の通りである。
まず、第1算出部680は、光源130の分光分布P(λ)による光色の相関色温度を求め、標準光源として用いる光源を決定する。第1算出部680は、P(λ)の相関色温度が5000K未満のときには完全放射体のP(λ)と等しい相関色温度の光を標準光源とする。また、第1算出部680は、5000K以上であったときはCIE昼光のP(λ)と等しい相関色温度の光を標準光源とする。以降、ここで求めた標準光源の分光分布の値をS(λ)とおく。なおこの値は例えばテーブルとして第1算出部680の中(図示しない)に記憶されている。
XYZ表色系における光源1に対応する座標値(X
p,Y
p,Z
p)、および、標準光源に対応する座標値(X
s,Y
s,Z
s)を、以下の(数12)から(数19)により求める。
ただし、
次に、CIE1960UCS色度図上における光源130に対応する座標値(u
p,v
p)、および標準光源に対応する座標値(u
s,v
s)を、それぞれ以下の(数20)から(数23)により求める。
また、物体色の三刺激値を、光源1の下での値(X
pr,Y
pr,Z
pr)および標準光源の下での値(X
sr,Y
sr,Z
sr)それぞれについて、以下の(数24)から(数31)により求める。
ただし、
これらの値より、CIE1960UCS色度図上における光源130の下での座標値(u
pr,v
pr)、および標準光源の下での座標値(u
sr,v
sr)を、それぞれ以下の(数32)から(数35)により求める。
続いて、以下の(数36)から(数39)に従い、色順応補正を行う。
ここで、c
s,c
p,c
pr,d
s,d
p,d
prは、それぞれ以下の(数40)〜(数45)である。
次に、CIE1964均等色空間での標準光源の下での座標(W
* sr,U
* sr,V
* sr)および、光源130の下での座標(W
* pr,U
* pr,V
* pr)をそれぞれ、以下の(数46)から(数51)で求める。
以上の手順を得て、色度差ΔEは以下の(数52)により求まる。
このΔEの値は、撮像部671により撮像された画像のそれぞれの画素について求まる。従って、それぞれの画素の値をΔEhw(h=1,2,・・・,H)(w=1,2,・・・,W)とおいて、画像全体での色度差の合計を、2つの照明下での色の見えの遠さとする。
なお、上記(数53)では、画像の全領域に渡って値を合計しているが、特定の領域の値のみを考慮するようにしてもよい。
色の見えの近さについては、上記ΔEsumの値が大きくなるほど値が小さくなる任意の関数Y2=F(ΔEsum)により定義できる。この色の見えの近さの値Y2が、第1算出部680の出力値(第1評価値)となる。
以上はCIE1964均等色空間における標準光源の下での色の見えと照明装置600の光源130の下での色の見えの近さを算出する方法である。この方法は、例えばL*a*b*色空間のような他の色空間における色度差を求める方法に置き換えることもできるし、CIEDE2000のような色度差式を代わりに用いることも可能である。
また、光源制御部120は、第1算出部680の推定結果Y2、第2算出部690の推定結果Y1に関して最適化問題を解き、光源130の各発光体の発光強度aiを決定する機能を有する。光源130の分光分布P(λ)は、光源130を構成する各発光体の発光強度aiによって上記(数1)により定まる。また、第1算出部680の推定結果Y2、第2算出部690の推定結果Y1は、ともにP(λ)によって決定される値であるから、aiによりY1及びY2に任意の拘束条件を設けて最適化する問題は、一般的な数値最適化問題であり、勾配法や焼きなまし法等の手法により解くことができる。
次に、図17を用いて、第6の実施形態に係る照明装置600による制御処理を説明する。図17は、第6の実施形態に係る制御処理の流れの例を示すフローチャートである。
例えば、図17に示すように、推定部670は、照明によって照らされる物体の分光反射率を推定する(ステップS801)。推定した結果は、第1算出部680へ通知される。また、特定部110は、利用者の動作モードを特定する(ステップS802)。
このとき、光源制御部120によって特定部110における動作モードの特定について、学習モードであると判定された場合には(ステップS803肯定)、学習モードに対応する拘束条件により、光源130の各発光体の発光強度aiの最適化を行なう(ステップS804)。ここで、最適化を行なう上での拘束条件は、第2算出部690の推定値Y1を一定値X1L以下に保ったうえで、第1算出部680の推定結果Y2を最大化するという条件とする。
一方、光源制御部120によって特定部110における動作モードの特定について、学習モード以外の動作モードであると判定された場合には(ステップS803否定)、学習モード以外に対応する拘束条件により、光源130の発光体の発光強度aiの最適化を行なう(ステップS805)。ここで、最適化を行なう上での拘束条件は、第2算出部690の推定値Y1を一定値X1N以下に保ったうえで、第1算出部680の推定結果Y2を最大化するという条件とする。その後、光源制御部120は、決定された発光強度aiの値に基づいて、光源130の各発光体の発光強度を制御する(ステップS806)。
ここで、X1LとX1Nとの間には、X1L<X1Nの関係があるものとする。すなわち、学習モードの方が、覚醒水準を低くするという拘束条件により最適化問題を解き、発光強度を決定することとなる。
或いは、ステップS804における拘束条件を、第1算出部680の推定結果Y2を一定値X2L以上に保ったうえでY1を最小化すると置き換えることもできる。同様に、ステップS805における拘束条件を、第1算出部680の推定結果Y2を一定値X2N以上に保ったうえでY1を最小化すると置き換えることもできる。ここで、X2LとX2Nとの間には、X2L<X2Nの関係があるものとする。一般に、Y1を小さくすることと、Y2を大きくすることとは相反するので、上記の拘束条件で最適化を行なうと、学習モードにおける照明の光の方が覚醒水準を低くするような結果となる。
本実施形態によれば、利用者の動作が学習動作である場合に利用者の覚醒水準が低くなるように光源を制御することができるとともに、照明によって照らされる物体の色の見えを、標準光源の下での色の見えに近い状態を保つことができる。
(第6の実施形態の変形例)
図18は、複数の色を含む照明光に照らされる物体の一例を示す図である。例えば、図18に示すように、分光反射率がRA(λ)である背景1に、分光反射率がRB(λ)である文字2が書かれている物体を考える。このとき、背景1の領域と文字2の領域とで知覚される色の色度差が十分大きければ、仮に標準光源の下で知覚される色とのズレが大きかったとしても文字2を読むことは可能である。
すなわち、上述した最適化問題を解いて、aiを求める際に用いるY2の値を、複数の分光反射率の異なる領域の色度差に置き換えても良い。このために、本変形例では、第1算出部680の行う処理内容は以下に置き換わる。
まず、推定部670によって推定された、それぞれの画素についての分光反射率の値R(λ)に対してクラスター分析を行う。これにより、分光反射率の値R(λ)は、それぞれの領域に属するクラスターに分類される。第1の領域および第2の領域のクラスターの代表値(例えばセントロイド)に相当する分光反射率の値を、それぞれR1(λ)およびR2(λ)とおく。
光源130の下でのCIE1964均等色空間での座標は、既述の方法と同様に算出することが可能である。第1の領域の座標を(W* pr1,U* pr1,V* pr1)、第2の領域の座標を(W* pr2,U* pr2,V* pr2)とおく。
第1の領域と第2の領域の色度差ΔE12は、以下の(数54)により求めることができる。この値を第1算出部680の出力値Y2とすることができる。
なお、本変形例でもCIE1964均等色空間での色度差の代わりに、例えばL*a*b*色空間のような他の色空間における色度差を求める方法に置き換えることもできるし、CIEDE2000のような色度差式を代わりに用いることも可能である。
また、上記は分光反射率の異なる領域が2つの場合についての処理であるが、領域が3つ以上の場合であっても同様の処理が可能である。この場合、それぞれの領域の組合せについて色度差を算出し、その平均値や最小値を第1算出部680の出力値とすればよい。
例えば、白色光源の下では黒色に見える背景(すべての波長の光をほぼ反射しない)に、白色光源の下では白色に見える文字(概ね赤色、緑色、青色の波長を反射する)が書かれていた場合であれば、仮に光源130は青色の光を含まなかったとしても、文字の領域は赤色と緑色の波長の光を反射するため、黒色からは十分遠い黄色に見える。従って、非視覚的な影響の大きい青色の光を含まずに、Y2の値を大きく保つことができる。すなわち、本変形例によれば、より効率的に覚醒水準を低くすることが可能となる。
なお、上記では背景の色と文字の色での例の説明をしたが、背景と文字以外であっても異なる色を見分けたい場合(例えば色分けされた地図など)でも同様に利用可能である。
(第7の実施形態)
図19は、第7の実施形態に係る照明装置700の構成例を示すブロック図である。なお、図19では、第6の実施形態と同様の処理を実行する機能部については同一の符号を付し、同一の処理についてはその説明を省略する場合がある。
例えば、図19に示すように、照明装置700は、特定部110と、光源制御部120と、光源130と、推定部770と、第1算出部680と、第2算出部690とを有する。
図20は、第7の実施形態に係る推定部770の構成例を示すブロック図である。例えば、推定部770は、入力部771と、入力処理部772と、分光反射率データベース773とを有する。
入力部771は、例えばタッチパネルディスプレイで構成される。図21は、第7の実施形態に係る入力部771の構成例を示す図である。例えば、図21に示すように、利用者は、入力部771を用いることにより、照明によって照らされる物体(例えば書籍)で使用されている色を選択する。入力部771で選択された情報は、入力処理部772へ通知される。なお、入力部771がタッチパネルディスプレイの代わりに物理的なボタン等によって構成されていてもよい。
入力処理部772は、入力部771から通知された情報を元に、分光反射率データベース773の内容を参照することにより、分光反射率を推定する。推定した結果は、第1算出部680へ通知される。
分光反射率データベース773は、それぞれの色について例えば典型的な(平均的な)用紙やインクの分光反射率の値を記憶する記憶部である。分光反射率データベース773は、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、メモリカード、RAM(Random Access Memory)などの一般的に利用されているあらゆる記憶媒体により構成することができる。
分光反射率データベース773は、入力処理部772からの問い合わせに応じて、それぞれの色に対応する分光反射率P(λ)の値を入力処理部773へ伝える。なお、分光反射率データベース773は、例えばWeb等の外部のネットワーク上に存在していてもよい。この場合、入力処理部772は上記ネットワークに接続する機能を有する。
以上の構成により、第7の実施形態に係る推定部770は、物体の分光反射率を推定することができる。第7の実施形態によれば、推定部770に、高コストであるカメラ(撮像部)や可変フィルタを備えることなく、実施形態6と同様の機能を実現することができる。
(第7の実施形態の変形例)
本変形例では、利用者は照明によって照らされる物体の色を直接指定するのではなく、照明によって照らされる物体の名称を指定する。
図22は、第7の実施形態の変形例に係る入力部771の構成例を示す図である。例えば、図7に示すように、入力部771は、タッチパネルディスプレイで構成され、照明によって照らされる物体の固有名称又は一般名称を利用者に選択させることができる。なお、図22に例示した特定の出版物のシリーズを指定する形式以外として、例えば、「教科書」、「参考書」、「プリント」といった粒度で指定できるようにしても良い。或いは、具体的な書籍の名称や書籍を特定可能なISBNコードを入力できるようにしても良いし、バーコードリーダやカメラ等を利用して入力できるようにしても良い。
分光反射率データベース773は、入力部771で指定されたそれぞれの物体で使用されている用紙やインクのそれぞれの色について、分光反射率の値を記憶している。分光反射率データベース773は、入力処理部772からの問い合わせに応じて、使用されているそれぞれの色に対応する分光反射率P(λ)の値を入力処理部772へ伝える。なお、分光反射率データベース773は、例えばWeb等の外部のネットワーク上に存在していてもよい。また、分光反射率データベース773は、新しい雑誌が創刊された場合や、使用される紙やインクの種類が変更された場合に、その都度内容を更新できるように構成してもよい。
本変形例によれば、ユーザは照明によって照らされる物体の色を指定する手間を省くことができる。また実際の物体の分光反射率の値を用いることができるため、より精度のよい分光反射率の値を基に、光源の分光分布を最適化することが可能となる。
以上説明したとおり、第6及び第7の実施形態によれば、光源の照射光により照らされる実際の物体の分光反射率を考慮して当該物体の色の見えを評価し、物体の色の見えを保つために不必要な波長の光を含ませないことができる。これにより、より効率的に覚醒水準を低くすることができる。
(上記以外の実施形態)
図23は、情報処理装置の構成例を示すブロック図である。例えば、図23に示すように、情報処理装置10は、特定部11と、光源制御部12と、光源13とを有する。これらのうち、光源13は、例えば、情報処理装置10に搭載されるディスプレイの背面に設けられる。また、特定部11、光源制御部12、光源13による各処理内容については、上述してきた実施形態と同様であるためその説明を省略する。すなわち、一つの様態として、特定部11は、情報処理装置10上で利用者が実行するアプリケーションの種別に基づいて、利用者の動作を特定する等の処理を実行することとなる。
また、上述してきた実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。