JP5696356B2 - 光拡散性ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本発明の内、第2の発明は、表面ヘーズが15%以上であり、内部ヘーズが表面ヘーズ未満である前記光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の内、第3の発明は、150℃における寸法変化率が縦方向及び横方向とも3%以下、引張強さが縦方向及び横方向とも100MPa以上、引張伸びが100%以上である前記光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の内、第4の発明は、フィルムの長手方向300mm×幅方向210mmの長方形のフィルム試料について加熱オーブンで150℃で30分間熱処理した後の、四隅のカールの高さの平均が3.0mm以下である前記光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の内、第5の発明は、全光線透過率が86%以上で、かつ、くし幅2mmにおける像鮮明度が40%以下である前記光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の内、第6の発明は、前記光拡散層(B)の表面に、フィルムの延伸・配向完了前に設けられた共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有する前記の光拡散性ポリエステルフィルムです。
本発明の内、第7の発明は、前記光拡散性ポリエステルフィルムの光拡散層(B)と平滑層(C)の両方の表面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有する前記光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の内、第8の発明は、前記光拡散性ポリエステルフィルムの平滑層(C)の表面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有するレンズシート用光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、共重合成分を含む結晶性ポリエステルと該ポリエステルに非相溶性な添加剤からなる光拡散層(B)を有する。ここで、結晶性ポリエステルとは融点を有するポリエステルのことをいう。融点とは、いわゆる示差走査熱量測定(DSC)の1次昇温時に検出される融解時の吸熱ピーク温度のことである。示差走査型熱量計を用いて測定した場合に、融点として明確な結晶融解熱ピークが観測されるポリエステルであれば、結晶性ポリエステルにふくまれる。このように本発明の光拡散層(B)を構成するポリエステルは結晶構造を有するため耐熱性、機械的強度、厚み精度といったポリエステルフィルム特有の機械的特性が好適に保持される。
フィルムのレンズを積層する表面に適度な柔軟性を付与することがレンズ加工に好適である。すなわち、レンズ樹脂の硬度が増したり、レンズ形状が複雑化した場合に、基材フィルム表面には強い応力が生じる場合がある。また、レンズ加工での生産性が向上し、基材フィルムがロール型の型部材を高速で通過する場合、基材フィルムがロール型の型部材に追随しにくくなる場合がある。そのため、レンズ層を付与する平滑層(C)に柔軟性を付与することは、フィルム表面の応力緩和を促し、レンズ層の密着性を向上させる上で好ましい。
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、上述のように3層構成を有し、表層の2層はいずれも共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなる。さらに、本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、結晶性ホモポリエステル、または共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなる中間層(A)を有する。中間層(A)は主としてフィルムの機械的強度を付与する作用を有する。すなわち、中間層(A)により基材フィルムとしての腰感を付与させることで、平滑層(C)との役割を分担し、柔軟性と腰感とを両立させることができる。
レンズ加工の生産性向上に伴う加熱温度の上昇や、後加工での高温の加熱処理(例えば100℃以上)を想定する場合、光拡散性ポリエステルフィルムにカールが生じ、光学設計や加工性の上で問題が生じる場合がある。そこで、加熱によるカールの抑制を図るべく、本発明者らは、光拡散性ポリエステルフィルムを構成する各層の熱応力に着目し、光拡散性ポリエステルフィルムの積層構成,各層の線膨張係数と弾性率を調整する検討を行った。検討の結果、中間層(A)、光拡散層(B)、平滑層(C)の融点と層厚みとを制御することで、各層、特に最表層である光拡散層(B)と平滑層(C)の線膨張係数と弾性率を対応させることで、積層体の加工特性のみならず高温加工を施した場合においても好適にカールを抑制することができる。
発光体(陰極管もしくは導光板)から射出した光は、光拡散性フィルムとレンズシートとを通過する。この場合、光拡散性フィルムで拡散された光線は、レンズシートに設けられた主としてプリズム型のレンズにおいて集光角度が合わせられ、正面方向へ射出される。このため、光拡散性フィルムには拡散性だけでなく、レンズシートと組み合わさった場合にも所定の正面輝度が得られるような光学設計を有することが必要である。
(原料)
本発明でフィルム原料として用いる結晶性ホモポリエステルは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸又はそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる直重法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合させるエステル交換法か、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。
本発明における添加剤は、光拡散層表面に凹凸を付与し、表面光拡散性能を発現させる目的で添加される。上記添加剤は、ポリエステルに非相溶性の材料であれば何ら制限されるものではなく任意であるが、下記のような材料を使用することが好ましい。
本発明において用いることができる最も優れた添加剤は、前記ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂である。すなわち、ポリエステルと熱可塑性樹脂との非相溶性を活用して、二軸延伸フィルムの製造工程(溶融・押し出し工程)において、ポリエステルからなるマトリックス中に該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂からなるドメインを分散形成させ、表面凹凸形成剤として活用する技術である。この技術を用いることにより、フィルムの溶融・押し出し工程において高精度のフィルターで異物を濾過し、液晶ディスプレイ用フィルムとして必要なクリーン度を達成することができる。
本発明の添加剤として用いることができる非溶融性ポリマー粒子は、融点測定装置(Stanford Research Systems社製、MPA100型)を用いて、30℃から350℃まで10℃/分で昇温した際に、融解による流動変形が起こらない粒子であれば、その組成は限定されない。例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂および有機シリコーン系樹脂等が挙げられる。粒子の形状は、球状もしくは楕円状が好ましい。また、該粒子は細孔を有していてもよいし、無くてもよい。さらに、両者を併用してもよい。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。また、フィルム中に含有する粒子が単独の場合は、個々の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。
添加剤として用いることができる無機粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナ、カオリナイト、タルク等が挙げられる。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。また、フィルム中に含有する粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。
(面配向係数)
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、面配向係数(ΔP)が0.08〜0.16であることが好ましい。面配向係数(ΔP)の下限は、0.09がより好ましく、特に好ましくは0.10である。一方、面配向係数(ΔP)の上限は、0.15がより好ましく、特に好ましくは0.14である。
次に、本発明においては、表面ヘーズが15%以上、かつ内部ヘーズが表面ヘーズ未満であることが好ましい。表面ヘーズは、光拡散層の表面凹凸に由来する特性である。そのため、フィルム表面から光が出射する際に、またはフィルム表面に光が入射する際に、光拡散層の表面凹凸で光が屈折することにより表面ヘーズが高くなる。したがって、表面ヘーズと全光線透過率とは基本的に無関係である。そのため、表面ヘーズを高くすることにより、全光線透過率の低下を抑制した状態で、光拡散性を高めることができる。
また、本発明において、フィルムの原料として結晶性ポリエステルを用いているので、二軸延伸フィルム本来の優れた耐熱性、機械的強度、及び優れた厚み精度を得ることができる。
本発明において、前記の特性を満足させる方法として、例えば、以下の製造方法を用いることが好ましい。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。また、塗布層に含有する粒子の平均粒径を求める場合は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で塗布フィルムの断面を撮影し、塗布層の断面に存在する粒子の最大径を求める。凝集体からなる粒子の平均粒径は、塗布フィルムの塗布層の断面を、光学顕微鏡を用いて倍率200倍で300〜500個撮影し、その最大径を測定する。
(1)固有粘度
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220型示差走査型熱量計を用いて求める。窒素雰囲気下、樹脂サンプルを300℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷し、粉砕した樹脂サンプル10mgを20℃/分の速度で昇温させ、示差熱分析を行った。結晶融解熱量は、JIS−K7121−1987、9・1項に定義される融解ピーク温度(Tpm)、補外融解開始温度(Tim)および補外融解終了温度(Tem)とを囲むDSC曲線を積分して求めた。また、該融解ピーク温度(Tpm)を融点とした。さらに、JIS−K7121−1987、9・3項に基づいて、ガラス転移温度(Tg)を求めた。
樹脂サンプルの粘度は、JIS K 7199「プラスチック−キャピラリーレオメータ及びスリットダイレオメータによるプラスチックの流れの特性試験方法」、5.1.3項の方法A(キャピラリーダイ)に準拠して測定した。東洋精機製キャピログラフ1Bにて、φ1mm、L/D=10のキャピラリーダイを用い、270℃に保ったシリンダ内に、乾燥した樹脂サンプルを充填し、約1分間溶融した後、せん断速度608.0sec−1下で溶融粘度を測定した。なお、複数の樹脂を基材ポリマーとして用いる場合、前記基材ポリマーの溶融粘度は、予め複数の樹脂サンプルを十分に混合した後、シリンダに充填し、上記と同様の方法にて溶融粘度を測定した。
横延伸方向に3m、縦延伸方向に5cmの長さの連続したテープ状サンプルを巻き取り、フィルム厚み連続測定機(アンリツ株式会社製)にてフィルムの厚みを測定し、レコーダーに記録する。チャートより、厚みの最大値(dmax)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出した。なお、横延伸方向の長さが3mに満たない場合は、つなぎ合せて行う。なお、つないだ部分については上記データ解析からは削除する。
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
○:厚み斑が5%以下
×:厚み斑が5%を超える
平滑層(C)表面を、触針式三次元粗さ計(SE−3AK、株式会社小阪研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重30mgの条件下に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25mmで、測定長1mmにわたり、針の送り速度0.1mm/秒で測定し、2μmピッチで500点に分割し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(SPA−11)に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150回、すなわちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に解析装置を用いて中心面平均粗さ(SRa)を求めた。
フィルム試験片のヘーズ(曇価)および全光線透過率はJIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して測定した。フィルム試験片のフィルム長手方向を鉛直方向に、光拡散層(B)面を光源側に向けて設置し、日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いて測定した。
フィルム試験片の両面にセダー油を塗布し(塗布量:片面につき20±10g/m2)、ヘーズが1.0%未満の高透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(例えば、東洋紡績社製、A4300、厚さ100μm)2枚で挟み合わせたものを、内部ヘーズ測定用試料とした。また、該高透明ポリエチレンテレフタレートフィルム2枚を、セダー油を介して重ね合わせたものを、ブランク試料とした。
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」像鮮明度に準拠して透過法により測定した。フィルム試験片はフィルム長手方向を鉛直方向とし、光拡散層(B)の面を光源側に向けて測定した。測定器には、スガ試験機社製ICM‐1T型写像性測定器を用いた。
JIS C 2318−1997 5.3.3(引張強さ及び伸び率)に準拠して測定した。
各層単独のフィルムサンプルを採取した。各層の線膨張係数はJIS K 7197に準拠し、Seiko社製熱機械分析装置(TMA SS−6100)を使用し測定温度範囲25〜200℃で測定した。
各層単独のフィルムサンプルを採取した。各層の引張弾性率はJIS K 7161に準拠し、東洋ボールドウィン社製強伸度分析装置(TMI RTM−100)を使用して測定した。
下記の(1)、(2)式を用いて導出した。
JIS C 2318−1997 5.3.4(寸法変化)に準拠して測定した。
JIS K 7142−1996 5.1(A法)により、ナトリウムD線を光源としてアッベ屈折計によりフィルム長手方向の屈折率(nx)、幅方向の屈折率(ny)、厚み方向の屈折率(nz)を測定し、下記式によって面配向係数(ΔP)を算出した。
ΔP=(nx+ny)/2−nz
高温加熱時のカールは以下(a)〜(f)の方法により測定する。
(a)フィルム製膜の長手方向300mm×幅方向210mmの長方形のフィルム試料を切り出す。
(b)前記試料を、光拡散層(B)面を上にして平らな台紙に乗せ、150℃に調整した加熱オーブンの棚板に載せ、30分間加熱処理を行う。
(c)加熱処理後、台紙ごと前記試料を取り出し、室温で30分放置する。ここでの室温条件は、温度23±2℃、湿度65±5%に管理された条件であることが望ましい。
(d)30分間放置した前記試料を光拡散層(B)を上に向けて水平なガラス板に乗せ、前記試料の四隅のカールの高さ(水平面から垂直方向の高さ)をJIS金尺(0.5mm目盛)で、目視により最小目盛りの10分の1まで測定する。全試料について四隅のカールの高さを測定し、四隅のカールの高さの平均を求めてこの試料の高温カールとする。
(e)一方、加熱後室温で放置した後の前記試料のカールの高さが0mmであるか、もしくは、前記試料の断面(長方形のいずれかの辺)がM字状である場合は、前記試料の上下面を反対にして(前記光拡散層(B)を下にして)四隅のカールの高さを測定し、四隅のカールの高さの平均を求めこの試料の高温カールとする。
(f)上記により測定した高温カールの値には、カールの向きを明示するために符号を付す。すなわち、カールが光拡散層(B)面側を凹部とする場合には、その値に+の符号を付すこととする。一方、カールが中間層(A)側を凹部とする場合には、その値に−の符号を付すこととする。
プリズム頂角65°、ピッチ50μmの形状のレンズ型を有する転写ロール(直径300mm)に紫外線硬化性樹脂組成物を注入延展し、毎分2mの速度でフィルムを被覆後、フィルム側から波長200〜600nmの紫外線を0.8J/cm2となるように高圧水銀灯を照射し、光拡散性ポリエステルフィルムの平滑層(C)面(なお、比較例2はB層、比較例3はA層)にレンズ型を形成させた。レンズ型にレンズアレイの残存が認められるものは×、認められないものは○とした。
フィルムの光拡散層(B)を上向きにして、三次元形状測定装置(菱化システム社製、マイクロマップTYPE550、対物レンズ10倍)を用いて光拡散層(B)表面の表面凹凸プロファイルを測定した。測定したプロファイルからフィルムの縦方向(長手方向)、横方向(幅方向)の直行する2軸おいて断面プロファイルを切り出した。各方向について測定長さ1.0mm、2.5μm間隔で連続的に高さ(y)を測定し、ピッチ間隔2.5(μm)毎のそれぞれの高さy1,y2,y3,,,yn(μm)をエクセルファイルに出力した。突起高さのエクセルファイルへの出力は、解析ソフトウェア(菱化システム社製、SX−Viewer)のWave機能を使用した。さらに下記式を計算することにより、△aを導出した。△aは縦方向、横方向についてそれぞれ平均傾斜勾配を導出し、縦方向と横方向の値を平均したものを採用した。
△a=[(y1−0)/2.5+(y2−y1)/2.5+・・+(yn−yn−1)/2.5]/n
得られた表面光拡散フィルムの輝度評価に組み合わせるレンズシートとしてはシャープ社製液晶テレビ(アクオスLC−37GS10、2007年製)に搭載のレンズシートを用いた。切り出した光拡散性フィルム片の中間層(A)面と、レンズシートのレンズ裏面と重なるように二枚のフィルムを重ねあわせた。光拡散性フィルム片の縦方向(フィルム製膜の長手方向)が鉛直方向になるように、光拡散性フィルムの光拡散層(B)面を光源側に向けて濁度計に設置した。濁度計は日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いた。測定方法は、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して実施した。測定により得られた平行線透過率を全光線透過率で除した値を導出し、レンズシート単体を測定することにより得られる平行線透過率を全光線透過率で除した値に対する輝度比率(%)を導出した。
(1)結晶性ホモポリエステル樹脂(M1)の製造
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸(86.4質量部)及びエチレングリコール(64.4質量部)からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモン(0.017質量部)及びトリエチルアミン(0.16質量部)を添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kgf/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水和物(0.071質量部)、次いでリン酸(0.014質量部)を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸(0.012質量部)、次いで酢酸ナトリウム(0.0036質量部)を添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、所定の固有粘度になるまで、285℃で重縮合反応を行った。
芳香族ジカルボン酸成分としてテレフタル酸単位100モル%、ジオール成分としてエチレングリコール単位70モル%及びネオペンチルグリコール単位30モル%を構成成分とする、固有粘度が0.59dl/g、溶融粘度が121Pa・s、の共重合ポリエステル樹脂(M2)を(M1)の作製方法に準じて作製した。
溶融粘度が147Pa・sのポリスチレン樹脂(PS)を使用した。
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n−ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)74質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)23質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給した。また、中間層(A)の原料として135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)を押出機1に供給した。また、平滑層(C)の原料として135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)74質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)23質量部とを押出機3に供給した。
本実施例1で得られたフィルムの特性を表1に示す。表1から分かる通り、本発明で得られる光拡散性ポリエステルフィルムは、二軸延伸フィルム本来の優れた耐熱性と機械的強度、厚み精度を有している。また、内部ヘーズが小さく、高い光線透過率を有している。さらに、全ヘーズの大半が表面ヘーズによって付与されており、その光拡散性も優れていることが分かる。加えて、高温処理時においてもカールの発生はほとんど認められず、レンズシートと組み合わせた際にも高い輝度が得られた。
平滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)87質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)13質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、(B)層と(A)層と(C)層との厚み比率を11対67対22となるように制御したこと、幅方向の延伸後、222℃で10秒間熱処理したことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて実施例2の光拡散性ポリエステルフィルムを作成した。
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)51質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)46質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)53質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)47質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、延伸後のフィルム厚みが100μmとなるように冷却ドラムによる未延伸フィルムの引き取り速度を調整したこと、(B)層と(A)層と(C)層の厚み比率を22対56対22となるように制御したこと、塗布液(M4)を(C)層のみに塗布したこと、135℃で幅方向に2.4倍延伸したのち、140℃で幅方向に1.6倍延伸し、さらに223℃で17秒間熱処理し、60℃まで冷却する過程で幅方向に1.0%の緩和処理を行ったことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて厚み100μmの実施例3の光拡散性ポリエステルフィルムを作成した。
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)69質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)21質量部と、ポリスチレン(M3)10質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)67質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)33質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、232℃で17秒間熱処理したこと、厚み100μmとなるように調整したこと、(B)層と(A)層と(C)層との厚み比率を11対84対7としたことを除いては実施例3に示したのと同じ方法にて実施例4の光拡散性ポリエステルフィルムを作成した。
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)55質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)38質量部と、ポリスチレン(M3)7質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)60質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)40質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、224℃で10秒間熱処理したことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて実施例5の光拡散性ポリエステルフィルムを作成した。
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)74質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)23質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)27質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)73質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、(B)層と(A)層と(C)層との厚み比率を11対66対33としたこと、60℃まで冷却する過程で幅方向に3.3%の緩和処理を行ったことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて比較例1の光拡散性ポリエステルフィルムを作成した。
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)74質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)23質量部と、ポリスチレン(M3)10質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)にかえて光拡散層(B)を設けたこと、(B)層と(A)層と(B)層の厚み比率を11対78対11としたことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて比較例2の光拡散フィルムを作成した。
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)74質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)23質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)を設けなかったこと、(B)層と(A)層の厚み比率を11対89としたことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて比較例3の光拡散フィルムを作成した。
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)63質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)34質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)60質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)40質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、縦方向の延伸倍率を3.3倍としたこと、横延伸後240℃で17秒間熱処理し、60℃まで冷却する過程で幅方向に1.3%の緩和処理を行ったことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて比較例4の光拡散フィルムを作成した。
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)58質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)32質量部と、ポリスチレン(M3)10質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)を設けなかったこと、(B)層と(A)層の厚み比率を11対89としたこと、234℃で17秒間熱処理し、60℃まで冷却する過程で幅方向に3.3%の緩和処理を行ったことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて参考比較例1の光拡散性フィルムを作成した。
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)51質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)46質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、延伸後のフィルム厚みが100μmとなるように冷却ドラムによる未延伸フィルムの引き取り速度を調整したこと、平滑層(C)を設けなかったこと、(B)層と(A)層との厚み比率を20対80となるように制御したこと、135℃で幅方向に2.4倍延伸したのち、140℃で幅方向に1.6倍延伸し、さらに233℃で17秒間熱処理し、60℃まで冷却する過程で幅方向に1.0%の緩和処理を行ったことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて厚み100μmの参考比較例2の光拡散性フィルムを作成した。
Claims (8)
- 二軸配向ポリエステルフィルムよりなる光拡散性ポリエステルフィルムであって、
中間層(A)の片面に光拡散層(B)を有し、反対面に平滑層(C)を有する共押出法により積層された3層構成からなり、
中間層(A)は、結晶性ホモポリエステル、または共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなり、
光拡散層(B)は、融点が225〜255℃である共重合成分を含む結晶性ポリエステル50〜99質量部と該ポリエステルに非相溶性の添加剤1〜50質量部からなり、
平滑層(C)は、融点が225〜255℃である共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなり、
光拡散層(B)表面の平均傾斜勾配(△a)が0.03以上、0.10以下であり、
平滑層(C)の厚みは、総厚みの5〜50%である、
光拡散性ポリエステルフィルム。 - 表面ヘーズが15%以上であり、内部ヘーズが表面ヘーズ未満である請求項1に記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
- 150℃における寸法変化率が縦方向及び横方向とも3%以下、引張強さが縦方向及び横方向とも100MPa以上、引張伸びが100%以上である請求項1または2に記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
- フィルムの長手方向300mm×幅方向210mmの長方形のフィルム試料について加熱オーブンで150℃で30分間熱処理した後の、四隅のカールの高さの平均が3.0mm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
- 全光線透過率が86%以上で、かつ、くし幅2mmにおける像鮮明度が40%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
- 前記光拡散層(B)の表面に、フィルムの延伸・配向完了前に設けられた共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有する請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
- 前記光拡散性ポリエステルフィルムの光拡散層(B)と平滑層(C)の両方の表面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有する請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散性ポリエステルフィルムの平滑層(C)の表面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有するレンズシート用光拡散性ポリエステルフィルム。
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