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JP5696356B2 - 光拡散性ポリエステルフィルム - Google Patents
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JP5696356B2 - 光拡散性ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ディスプレイのバックライトユニット、照明装置等に用いられる光拡散性フィルムに関する。さらに詳しくは、光拡散性と光線透過率を両立し、かつ高温処理でもカールの発生がなく、かつ輝度も良好な光拡散性ポリエステルフィルムに関する。
近年、液晶ディスプレイの技術進歩は目覚しく、パソコンやテレビ、携帯電話等の表示装置として広く用いられている。特に近年では、液晶ディスプレイの各種用途で高精細化が進んでおり、特にテレビ用途では、ハイビジョン放送の普及に伴い、従来は大画面液晶テレビでの採用が中心であった横1920×縦1080ドットのいわゆるフルHD表示が可能な液晶パネルが比較的小型の画面サイズの液晶テレビにも採用されるようになってきており、高精細化の要求がますます高まっている。これらの液晶ディスプレイは、液晶表示ユニット単独では発光機能を有していないため、その裏面にバックライトユニットを設置して表示が可能になっている。
バックライトユニットには光源が照光面の内側に設置される直下型や、照光面の外側から導光板を介して光を導入するエッジライト型などがある。これらのバックライトユニットには、さらに光拡散性フィルムが設置され、光を拡散、散乱させ、照光面の輝度を均一にする工夫がなされている。また、正面輝度を向上させるため、光拡散性フィルムを透過した光をできるだけ正面方向に集めるように、レンズシートと呼ばれる集光機能を有するシートが用いられる場合がある。このシートの表面にはプリズム状やウェーブ状、ピラミッド状等の微小な凹凸が多数並んでおり、光拡散性フィルムを透過した出射光を屈折させて正面に集め、照光面の輝度を向上させる。この様なレンズシートは、前記光拡散性フィルムの表面側に、1枚もしくは2枚重ねで配設され使用される。また、レンズシートの配設によって生じた輝度ムラやレンズシートの欠陥を目立たなくする(隠蔽性を向上させる)ため、レンズシートの表面側にも、光拡散性フィルムを配設する場合がある。
上記のようなバックライトユニットに用いられる光拡散性フィルムとしては、基材フィルムの表面に微粒子を含有した透明樹脂からなる光拡散層をコーティングして得られたもの(例えば、特許文献1、2を参照)が用いられている。
しかしながら、この方法では、基材フィルムの片面にコーティングにより光拡散層を設ける必要があるため、光拡散層と基材フィルムとの線膨張係数の違いにより、光拡散性フィルムがバイメタル状の構造となり、加熱によるカールを生じやすいという問題がある。この問題は特に大型液晶TVなど、大型でかつ極めて高い輝度が必要な、直下型バックライトユニットを採用する液晶ディスプレイにおいて、重要な問題となりつつある。光拡散性フィルムが大面積化すればする程、カールが顕著になるからであり、さらにディスプレイが高輝度化すればする程、光源の消費電力、即ちバックライトユニットの発熱量が大きくなるからである。
一方、近年では、バックライトユニット部品点数の削減や製造工程の簡略化、低コスト化を目的として、光拡散性フィルムと他の光学機能性フィルムとを一体化する検討も多くなされている(特許文献3、4)。しかしながら、基材内部の光散乱物質により光拡散性が付与されているので、一部の入射光が後方散乱を生じ、光線透過率が低下するという問題がある。
また、近年では、優れた耐熱性、機械的強度、厚み均一性を併せ持つ二軸延伸ポリエステルフィルム自体に光拡散性を持たせようとするアプローチもなされている(特許文献5)。しかしながら、二軸延伸ポリエステルフィルムが本来有している特長(耐熱性、機械的強度など)の何れかを損なうものであるか、光線透過率や光拡散性といった光拡散性フィルムが具備すべき特性を損なうものである。
また、融点が210℃以下、または非晶性のポリエステルを構成樹脂として、該構成樹脂に非相溶の粒子や熱可塑性樹脂よりなる光拡散性添加剤を配合した光拡散性層を中間層として、その両面に結晶性ポリエステル樹脂層を積層したフィルムが開示されている(特許文献6〜13参照)。
しかしながら光拡散性中間層と表面層との間に大きな結晶性の違いがあることに変わりはなく、若干の層厚み変動や表裏の物性変動等によって、温度変化時の平面性が著しく悪化したり、機械的強度が低下する問題を内在している。
上述のような問題に鑑み、主として結晶性ポリエステルからなる光拡散層を用いることで二軸延伸ポリエステルフィルム本来の優れた耐熱性、機械的強度を有し、主として表面ヘーズにより光拡散性を付与することで全光線透過率と光拡散性を両立する光拡散性ポリエステルフィルムが提案されている(特許文献14、15)。
特開平6−59108号公報 特許第3698978号明細書 特開平9−281310号公報 特許第3732253号明細書 特開2005−181648号公報 特開2001−324606号公報 特開2002−162508号公報 特開2002−182013号公報 特開2002−196113号公報 特開2002−372606号公報 特開2004−219438号公報 特開2004−354558号公報 特開2004−354558号公報 特開2009−48156号公報 特開2009−139684号公報
特許文献14、15に開示の光拡散性ポリエステルフィルムは、優れた機械的強度と、光拡散性と高い光線透過率を併せ持つという特性を有している。
光拡散性フィルムは、レンズシートやプリズムシート、レンズ層と組み合わせて用いる場合、光拡散性フィルム単体の光拡散性と光線透過率の両立が求められるだけでなく、光拡散性フィルムとレンズシートまたはプリズムシートと組み合わせた際に奏される正面輝度が求められる。そのため、光拡散性ポリエステルフィルムの種々の利用形態に適用した場合、特に環境対応型の低消費電力タイプの液晶ディスプレイにおいては、正面輝度が低下する場合がある。低消費電力タイプでは、省エネルギー化のため、バックライトに必要な照射量が最小限に抑えられている。よって、表面光拡散性ポリエステルフィルムをレンズシートやプリズムシートと組み合わせて用いる場合、低消費電力タイプであっても、優れた正面輝度に特性を奏することが必要である。
さらに、上記の光拡散性ポリエステルフィルムの光拡散層面の反対には平滑面を有しており、好適にレンズ層を設けてレンズシートを作成することが可能である。光拡散性ポリエステルフィルムにレンズ層を設ける場合は、通常レンズ形状を転写するロール型の型部材を用い、これに紫外線硬化樹脂などのレンズ樹脂を積層した光拡散性ポリエステルフィルムを通過させつつ、活性エネルギーを賦与することによりレンズ層を形成させる。
しかしながら、生産性の向上に伴い、基材フィルムがロール型の型部材を通過する速度は向上しつつある。そのため、レンズ加工の生産性の向上により、より高温(例えば100℃以上)での加工条件にも対応し得るフィルムが求められつつある。
そこで、本発明の目的は、優れた機械的強度と、光拡散性と高い光線透過率を併せ持ちつつ、高温加工性に優れた光拡散性ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、共押出法により積層された、それぞれ作用・構成の異なる3層の層構成を有する光拡散性ポリエステルフィルムにより上記課題が解決されることを見出し、本発明に至ったものである。上記の目的を達成することができる本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、以下の構成からなる。
すなわち、本発明の内、第1の発明は、二軸配向ポリエステルフィルムよりなる光拡散性ポリエステルフィルムであって、中間層(A)の片面に光拡散層(B)を有し、反対面に平滑層(C)を有する共押出法により積層された3層構成からなり、中間層(A)は、結晶性ホモポリエステル、または共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなり、光拡散層(B)は、融点が225〜255℃である共重合成分を含む結晶性ポリエステル50〜99質量部と該ポリエステルに非相溶性の添加剤1〜50質量部からなり、平滑層(C)は、融点が225〜255℃である共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなり、光拡散層(B)表面の平均傾斜勾配(△a)が0.03以上である、光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の内、第2の発明は、表面ヘーズが15%以上であり、内部ヘーズが表面ヘーズ未満である前記光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の内、第3の発明は、150℃における寸法変化率が縦方向及び横方向とも3%以下、引張強さが縦方向及び横方向とも100MPa以上、引張伸びが100%以上である前記光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の内、第4の発明は、フィルムの長手方向300mm×幅方向210mmの長方形のフィルム試料について加熱オーブンで150℃で30分間熱処理した後の、四隅のカールの高さの平均が3.0mm以下である前記光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の内、第5の発明は、全光線透過率が86%以上で、かつ、くし幅2mmにおける像鮮明度が40%以下である前記光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の内、第6の発明は、前記光拡散層(B)の表面に、フィルムの延伸・配向完了前に設けられた共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有する前記の光拡散性ポリエステルフィルムです。
本発明の内、第7の発明は、前記光拡散性ポリエステルフィルムの光拡散層(B)と平滑層(C)の両方の表面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有する前記光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の内、第8の発明は、前記光拡散性ポリエステルフィルムの平滑層(C)の表面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有するレンズシート用光拡散性ポリエステルフィルムである。
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、二軸延伸ポリエステルフィルム本来の優れた力学的特性を有し、さらに全光線透過率と光拡散性を両立するという効果に加え、高温での後加工での加熱によるカールがなく、さらに光拡散層表面凹凸の傾斜勾配を制御することにより、レンズシートやプリズムシート、レンズ層と組み合わせた際に高い輝度が得られるという効果を奏する。
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、中間層(A)の片面に光拡散層(B)を有し、反対面に平滑層(C)を有する共押出法により積層された3層構成からなり、中間層(A)は、結晶性ホモポリエステル、または共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなり、光拡散層(B)は、融点が225〜255℃である共重合成分を含む結晶性ポリエステル50〜99質量部と該ポリエステルに非相溶性の添加剤1〜50質量部からなり、平滑層(C)は、融点が225〜255℃である共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなり、光拡散層(B)表面の平均傾斜勾配(△a)が0.03以上である、ことを特徴とする。このような特殊な層構成を採用する技術的な意味を以下に詳述する。
(1)光拡散層(B)
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、共重合成分を含む結晶性ポリエステルと該ポリエステルに非相溶性な添加剤からなる光拡散層(B)を有する。ここで、結晶性ポリエステルとは融点を有するポリエステルのことをいう。融点とは、いわゆる示差走査熱量測定(DSC)の1次昇温時に検出される融解時の吸熱ピーク温度のことである。示差走査型熱量計を用いて測定した場合に、融点として明確な結晶融解熱ピークが観測されるポリエステルであれば、結晶性ポリエステルにふくまれる。このように本発明の光拡散層(B)を構成するポリエステルは結晶構造を有するため耐熱性、機械的強度、厚み精度といったポリエステルフィルム特有の機械的特性が好適に保持される。
フィルムの耐熱性、機械的強度、厚み精度の点からすれば、結晶構造は多い方が有利であるため、ポリエステル樹脂の融点は高いほど望ましい。しかしながら、ポリエステル樹脂の融点が高い場合は、延伸時に伴い発生する延伸応力が増加するため、樹脂中に非相溶添加剤があるとボイド(空洞)が発生しやすくなり、全光線透過率が低下する。よって、ポリエステルとしての機械的特性は保持しつつ、ボイドの発生を抑えるには、光拡散層(B)を構成する樹脂の融点は一定範囲内で制御することが望ましい。光拡散層(B)を構成する共重合成分を含む結晶性ポリエステルの融点の下限は225℃が好ましく、230℃がさらに好ましく、235℃がよりさらに好ましい。融点が225℃以上であれば、望ましい耐熱性、機械的強度および厚み精度が好適に発揮できる。また、光拡散層(B)を構成する共重合成分を含む結晶性ポリエステルの融点の上限は255℃が好ましく、250℃がより好ましく、245℃がよりさらに好ましい。融点が255℃以下であれば、光拡散層(B)内でのボイドの発生が好適に抑制することができる。
光拡散層(B)を構成する結晶性ポリエステルの融点は、共重合成分を導入することにより制御することができる。共重合成分をポリエステル中に導入することにより、空洞発生を抑制し、光線透過率と光拡散性を高度に両立することが可能となる。しかしながら、共重合成分を過大に導入すると、ポリエステルの融点が低下し、二軸延伸ポリエステルフィルム本来の優れた特性が得られなくなるので、注意が必要である。共重合成分の導入量は、芳香族ジカルボン成分全体、あるいはグリコール成分全体に対し、3モル%以上であることが好ましく、さらに好ましくは5モル%以上、特に好ましくは8モル%以上である。共重合成分の含有量が3モル%より大きい場合には、ボイドの発生が抑制され、光線透過率と光拡散性を高度に両立しやすくなるので好ましい。一方、共重合成分の導入量の上限としては、上記成分に対して20モル%以下であることが好ましく、さらに好ましくは18モル%以下、特に好ましくは15モル%以下である。共重合成分の含有量が20モル%を以下である場合は、二軸延伸ポリエステルフィルムの力学的特性が実用範囲になる程度の融点が得られるので好ましい。なお、本発明で使用可能な共重合成分の組成については、後述する。
本発明の光拡散層にはポリエステルに非相溶な添加剤を含み、好適な光拡散性を奏する。本発明の光拡散層の好適な態様は、光拡散層表面に非相溶な添加剤による凹凸形状を有する。光拡散層に入射(光拡散層からの出射)する光は、フィルム表面に付与された凹凸によって、ランダムな方向に屈折・拡散され、表面光拡散性が発現する。そのため、本発明の光拡散性フィルムは内部ヘーズが表面ヘーズ未満であることが望ましい。
光拡散層(B)での光の拡散は、フィルムの表面構造に起因する散乱と、フィルムの内部構造に起因する散乱に分かれる。前記散乱は表面ヘーズとして、後記散乱は内部ヘーズとして評価できる。ボイドなどの内部構造による光の散乱は後方散乱を伴う為、高い全光線透過率が得られない。一方、表面構造による光の散乱は、全光線透過率を大きく低下することなく、高い光拡散性を得ることができる。なお、本発明で使用可能なポリエステルに非相溶性の材料については、後述する。
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムにおける光拡散層は、前記共重合成分を含む結晶性ポリエステル50〜99質量部と該ポリエステルに非相溶性の添加剤1〜50質量部との配合組成物からなる。両者の好ましい配合比率は、ポリエステル75〜98質量部と添加剤2〜25質量部との配合であり、さらに好ましくはポリエステル80〜97質量部と添加剤3〜20質量部との配合である。
そして、上記添加剤の混合比率が1質量部未満の場合には、添加剤によるフィルム表面の凹凸形成能力が不足し、十分な表面光拡散性能が得られない。一方、添加剤の混合比率が50質量部を超える場合には、添加剤/ポリエステル界面での光散乱が増大するとともに、ポリエステルの延伸応力が増大して添加剤の周りにボイドを生じやすくなる。その結果、光拡散層の内部ヘーズが大きくなり、全光線透過率が低下する傾向にある。
光拡散層(B)の表面ヘーズは表面凹凸が大きい程、高くなる傾向にある。そのため、光拡散層(B)の添加剤の粒径は大きい方が望ましい。表面ヘーズに有効な粒径を得るためには、光拡散層(B)の厚みの下限は3μm以上であることが好ましく、4μmがさらに好ましく、特に好ましくは5μmである。
一方、光拡散層(B)の厚みが、非相溶の添加剤の粒径を相当程度上回ると、効果的に表面凹凸構造を形成しにくくなり。そのため、光拡散層(B)の厚みを厚くすると、表面凹凸形成が減少し、表面ヘーズが低下する。また、光拡散層(B)の厚みに従い、光拡散層(B)の内部構造に起因する内部ヘーズが高くなり、全光線透過率が低下する。高い全光線透過率と光拡散性の両立を図る為には、光拡散層(B)の厚みを所定以下の範囲に制御することが望ましい。そのため、光拡散層(B)の厚みの上限は、50μmが好ましく、30μmがさらに好ましく、特に好ましくは20μmである。
(2)平滑層(C)
フィルムのレンズを積層する表面に適度な柔軟性を付与することがレンズ加工に好適である。すなわち、レンズ樹脂の硬度が増したり、レンズ形状が複雑化した場合に、基材フィルム表面には強い応力が生じる場合がある。また、レンズ加工での生産性が向上し、基材フィルムがロール型の型部材を高速で通過する場合、基材フィルムがロール型の型部材に追随しにくくなる場合がある。そのため、レンズ層を付与する平滑層(C)に柔軟性を付与することは、フィルム表面の応力緩和を促し、レンズ層の密着性を向上させる上で好ましい。
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムの平滑層(C)の引張弾性率は4.0MPa未満であることが好ましく、3.8MPa以下であることがより好ましく、3.7MPa以下であることがよりさらに好ましい。平滑層(C)の引張弾性率が上記上限以下である場合は、レンズ加工に好適な柔軟性を奏する。一方、フィルム表面の機械的強度を保持する点からは平滑層(C)の引張弾性率は2.0MPa以上であることが好ましい。
平滑層(C)の引張弾性率を上記範囲に制御するには、平滑層(C)を構成する樹脂の融点を制御することが望ましい。そのため、本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、融点が225〜255℃である共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなる平滑層(C)を有することが好ましい。前述のようにフィルムの機械的特性の点からすれば、ポリエステル樹脂の融点は高いほど望ましい。しかしながら、レンズ層を付与するフィルム表面の柔軟性を向上させるためには、平滑層(C)を構成する樹脂の融点は一定範囲内で制御することが望ましい。平滑層(C)を構成する共重合成分を含む結晶性ポリエステルの融点の下限は225℃が好ましく、230℃がより好ましく、235℃がさらに好ましく、240℃がよりさらに好ましい。融点が225℃以上であれば、基材フィルムとして望ましい耐熱性、機械的強度および厚み精度が好適に発揮できる。また、平滑層(C)を構成する共重合成分を含む結晶性ポリエステルの融点の上限は255℃が好ましく、250℃がより好ましい。融点が255℃以下であれば、レンズ層の付与にあたり平滑層(C)が好適な柔軟性を発揮し、好適なレンズ密着性を奏することができる。
平滑層(C)を構成する結晶性ポリエステルの融点は、共重合成分を導入することにより制御することができる。共重合成分の導入量は、芳香族ジカルボン成分全体、あるいはグリコール成分全体に対し、3モル%以上であることが好ましく、さらに好ましくは5モル%以上、特に好ましくは8モル%以上である。共重合成分の含有量が3モル%より大きい場合には、レンズ賦与においてフィルム表面の柔軟性が向上し、レンズ加工を行いやすくなるので好ましい。一方、共重合成分の導入量の上限としては、上記成分に対して20モル%以下であることが好ましく、さらに好ましくは18モル%以下、特に好ましくは15モル%以下である。共重合成分の含有量が20モル%を以下である場合は、二軸延伸ポリエステルフィルムの力学的特性が実用範囲になる程度の融点が得られるので好ましい。なお、本発明で使用可能な共重合成分の組成については、後述する。
平滑層(C)表面はレンズ加工やハードコート加工などの加工処理を施しやすいように平滑面であることが好ましい。具体的には、平滑層(C)の三次元面表面粗さ(SRa)は0.02μm以下であることが好ましく、0.01μm以下であることがより好ましい。
さらに、本発明の光拡散フィルムは両最外層に融点が低く、比較的屈折率の低い樹脂構成を有するため、中心層に至るまでに段階的に屈折率が変化する。そのため、光の入射、出射にあたり全反射が生じにくく、後述の表面凹凸形状とも相まって高い輝度を奏する上で好ましい。
(3)中間層(A)
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、上述のように3層構成を有し、表層の2層はいずれも共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなる。さらに、本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、結晶性ホモポリエステル、または共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなる中間層(A)を有する。中間層(A)は主としてフィルムの機械的強度を付与する作用を有する。すなわち、中間層(A)により基材フィルムとしての腰感を付与させることで、平滑層(C)との役割を分担し、柔軟性と腰感とを両立させることができる。
中間層(A)を構成する結晶性ホモポリエステル/結晶性ポリエステルは、機械的特性の点から高い融点を有することが好ましい。具体的には、融点の下限は、250℃以上であることが好ましく、255℃以上であることがより好ましい。融点が250℃以上の場合は、支持層として好適な機械的特性を奏することができる。融点の上限は、ポリエステルの性質から260℃程度が上限であると考える。
(4)層構成
レンズ加工の生産性向上に伴う加熱温度の上昇や、後加工での高温の加熱処理(例えば100℃以上)を想定する場合、光拡散性ポリエステルフィルムにカールが生じ、光学設計や加工性の上で問題が生じる場合がある。そこで、加熱によるカールの抑制を図るべく、本発明者らは、光拡散性ポリエステルフィルムを構成する各層の熱応力に着目し、光拡散性ポリエステルフィルムの積層構成,各層の線膨張係数と弾性率を調整する検討を行った。検討の結果、中間層(A)、光拡散層(B)、平滑層(C)の融点と層厚みとを制御することで、各層、特に最表層である光拡散層(B)と平滑層(C)の線膨張係数と弾性率を対応させることで、積層体の加工特性のみならず高温加工を施した場合においても好適にカールを抑制することができる。
すなわち、バイメタル構造を持つ積層体のカール量は、加熱温度と各層の弾性率,線膨張係数によって決定される。先述の物性値は、収縮もしくは膨張する力(熱応力)として働き、厚み方向で熱応力が不均一な場合、熱応力は、平面形状から変形し、反ることによって安定な構造を取る力として働く。従って、厚み方向の熱応力を適切な範囲に制御すればカールを制御することが可能となる。そこで、本発明者らは、加熱により得られる各層の熱応力を最適化することを試みた。すなわち、積層体を厚み方向に2分割し、上半分の熱応力と下半分の熱応力を、想定される温度において一定の値となるように、積層構成を設計した。
熱応力は、複合材料力学における線形弾性論に基づいて、(1),(2)の式により導出することができる。
Figure 0005696356
Figure 0005696356
ここで、σは熱応力,nは積層フィルムの分割数,lは分割した層の中心と積層フィルムの中心線との距離,σは分割した層が有する熱応力,Eは分割した層の弾性率,Tは加熱前の温度,Tは加熱温度,αは分割した層をTからTまで温度変化したときの線膨張係数である。
さらに3層の積層構成の場合、熱応力だけでなく、中心線と各層との距離とその距離点での応力の発生の程度も考慮する必要がある。すなわち、力をモーメントに変換することにより、積層構成による差異をキャンセルすることが可能になる。そこで、モーメントの計算方法として、積層構成をさらに細分化し、上半分のモーメント合計値と下半分のモーメント合計値として対応させることが望ましい。細分化の単位は、各層の厚みの最小単位を採用することができる。たとえば、10μmと50μmと40μmの3層を積層した100μmのフィルムの場合、3層の最小単位は10μmであるので、10μm×10層に分けて、それぞれの熱応力と中心線までの距離を掛け合わせて合算することにより、上半分と下半分のモーメント差を求めることができる。このようにして求めた上半分と下半分のモーメント差が熱応力である。本発明の光拡散性ポリエステルフィルムの高温加熱時のカールの発生を抑制させる為には、熱応力を小さくすることが好ましい。具体的には150℃での熱応力が0.7N/m以下が好ましく、0.5N/m以下がより好ましく、0.2N/m以下がよりさらに好ましく、0N/mが特に好ましい。150℃での熱応力が上記範囲であれば、150℃、30分間の熱処理によるカールを好適に3.0mm以下とすることができる。
上記のようにモーメント差を小さくしカールを制御するためには、最表層である光拡散層(B)と平滑層(C)との線膨張係数、引張弾性率を適切な条件に調節することが好ましい。具体的には、光拡散層(B)と平滑層(C)との線膨張係数の差は、1.2×10−5/℃以下が好ましく、1.0×10−5/℃以下がより好ましく、0.5×10−5/℃以下がよりさらに好ましい。また、光拡散層(B)と平滑層(C)との引張弾性率の差は1.0MPa以下が好ましく、0.5MPa以下がよりさらに好ましい。線膨張係数と引張弾性率は、ポリエステル樹脂を用いる限り融点と相関がある。従って、各層の融点を前述の範囲において制御することにより、加熱時のカール制御が好適に可能になる。
すなわち、高温処理でのカールの発生を高度に制御するためには、光拡散層(B)の融点と平滑層(C)の融点とを高度に制御することが望ましい。光拡散層(B)については前述のように光学特性の点から好適な融点の範囲が設定されるため、平滑層(C)については光拡散層(B)の融点に対応させるため、融点が225〜255℃である共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなることが望ましい。平滑層(C)の融点は係る上限を超える場合は、平滑層(C)側にカールが生じやすくなり、平滑層(C)の融点が係る下限未満の場合は、光拡散層(B)側にカールが生じやすくなる。平滑層(C)を構成する共重合成分を含む結晶性ポリエステルの融点の下限は230℃がより好ましく、235℃がさらに好ましく、240℃がよりさらに好ましい。また、光拡散層の融点の上限は250℃がより好ましい。平滑層(C)を構成する結晶性ポリエステルの融点を制御するには、前述のように共重合成分の添加量により制御することができる。また、光拡散層(B)の融点と、平滑層(C)の融点の差は10℃以下が好ましく、8℃以下がより好ましく、5℃以下がさらに好ましい。上記融点差が10℃以下の場合は、加熱時のカールの発生をより好適に抑制することができる。
さらに、より好適に加熱によるカールを制御するには、各層の厚みを制御することも好ましい。光拡散層(B)のフィルム全体厚みに対する比率が小さいと、光拡散層(B)中の添加剤が、フィルムの表面にブリードアウトする場合や、脱落する場合がある。一方、光拡散層(B)のフィルム全体厚みに対する比率を大きくすると全光線透過率が低下する場合がある。そこで、光拡散層(B)のフィルム全体厚みに対する比率は所定の範囲に制御することが望ましく、2〜50%の範囲が好ましい。光拡散層(B)のフィルム全体厚みに対する比率の下限は、2%が好ましく、3%がさらに好ましく、4%が特に好ましい。一方、光拡散層(B)のフィルム全体厚みに対する比率の上限は、50%が好ましく、35%がさらに好ましく、20%が特に好ましい。
一方、平滑層(C)については加熱によるカールを制御する点で、上記光拡散層(B)に対応させてその厚み構成を制御することが好ましい。具体的には、平滑層(C)の厚みは、総厚みの5〜50%の範囲にあることが好ましく、さらに10〜40%であることが好ましく、さらに好ましくは15〜30%にあることが好ましい。平滑層(C)の厚みが上記範囲内の場合は、より好適にカールの低減を図ることができるため好ましい。
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、150℃、30分間の熱処理によるカールが3.0mm以下であることが好ましい。上記カールは2mm以下がより好ましく、1.0mm以下がさらに好ましい。上記条件で測定したカールが3mm以上の場合は、高温での後加工においてフィルムにカールが生じるため、レンズ層を付与するにあたり高度な光学設計を保持できない場合がある。
(5)表面凹凸形状
発光体(陰極管もしくは導光板)から射出した光は、光拡散性フィルムとレンズシートとを通過する。この場合、光拡散性フィルムで拡散された光線は、レンズシートに設けられた主としてプリズム型のレンズにおいて集光角度が合わせられ、正面方向へ射出される。このため、光拡散性フィルムには拡散性だけでなく、レンズシートと組み合わさった場合にも所定の正面輝度が得られるような光学設計を有することが必要である。
光拡散性フィルムにより光が広角に拡散した場合、レンズシートやプリズムシート,レンズ層で補足・集光する光量の割合が少なくなるため、正面へ射出する透過光の輝度が低くなる。一方、光拡散性フィルムにより光が狭角に拡散した場合、レンズシートもしくはレンズ層で補足・集光する光量の割合は多くなるものの、拡散される成分が少なくなる。そのため、透過光の光拡散性は低くなり、拡散フィルムによる隠蔽性や照射面全体における輝度の均一性が低下する。よって、レンズシートもしくはレンズ層を組み合わせた際の輝度と光拡散フィルム単独での拡散性の両立を高度に図ることが好ましい。
レンズシートの集光角度に合わせた最適な光学設計を持つフィルムを得る方策を鋭意検討したところ、本願発明者は光拡散層表面の凹凸構造が有する微細な傾斜勾配に、正面輝度を得るための光学設計上の意義を見出した。すなわち、本発明者は、光拡散層表面の平均傾斜勾配(△a)を制御することにより、光拡散の拡散分布角度がレンズシートと組み合わさった場合に優れた正面輝度を奏するような光学設計を持つ光拡散性フィルムを実現するに至った。
光拡散層(B)の表面には前述のように非相溶な添加剤に起因した表面凹凸構造を有する。光拡散層表面の表面凹凸プロファイルをマイクロマップを用いて観察すると、山型の微細な凹凸プロファイルが観察される。この山型の凹凸によって形成される傾斜面で光の反射が生じるが、この傾斜勾配が所定以上である場合、レンズシートとの組み合わせにより効率よく光が補足・集光され、輝度が向上するのである。
ここで平均傾斜勾配(△a)とは、マイクロマップで観察した表面凹凸プロファイルから求めるものである。表面凹凸プロファイルを所定ピッチ(x)毎に高さ(y)を測定し、連続した2つの測定点での高さの差(y−yn+1)を測定ピッチ間隔(x)で割りかえしたものを傾斜勾配とし、これ縦方向(フィルムの長手方向)を横方向(フィルムの幅方向)の直行する2方向において所定長さにわたって測定し、その平均を平均傾斜勾配(△a)として求めた。すなわち、平均傾斜勾配(△a)は光拡散層表面に形成される凹凸構造に起因する平均した勾配(傾き)を表現するものである。本願において平均傾斜勾配(△a)は光拡散層表面の凹凸構造に起因する光の拡散と、レンズシートと組み合わせた際に奏する輝度との両立を支配する因子である。
本発明の表面光拡散性ポリエステルフィルムは、光拡散層表面の平均傾斜勾配(△a)が0.03以上であることが重要である。当該△aが0.03以上の場合、陰極管などの隠蔽性に必要な光拡散性を奏するだけでなく、低照射量であってもレンズフィルムと合わせた際の十分な輝度を奏することができる。当該△aの下限は、好ましくは0.04以上であり、より好ましくは0.05以上である。当該△aの上限は、0.10以下であることが好ましく、0.09以下であればより好ましく、0.08以下であればさらに好ましい。当該△aは0.10を超える場合は、用いるレンズシートにもよっては、光学設計上、面内反射による背面反射が生じ、正面輝度の向上が見られない場合がある。
光拡散層(B)を構成する非相溶な添加剤を有する組成物は延伸工程において有効な凹凸形成に寄与する。これは、延伸工程においてフィルム内部に生じる延伸応力により非相溶な添加剤が外側へ押し出され、有効な凹凸構造を形成することによると考えられる。
ただ、製膜工程初期において凹凸構造を設けても、その後の製膜工程において凹凸構造が平坦化し、レンズシートと組み合わせた場合に所定の輝度が生じる程度の平均傾斜勾配(△a)を有する凹凸構造が保持されない。たとえば、フィルム内部のボイドを減少させるため、熱処理工程において235から250℃の高温での熱処理が施す場合がある。この場合、光拡散層(B)を構成する共重合成分を含む結晶性ポリエステルが高温の熱処理により軟化し、延伸工程において形成された凹凸構造の傾斜勾配が平坦化する場合がある。
そこで、本願発明の平均傾斜勾配(△a)を達成する方法として、光拡散層(B)を構成する樹脂の融点と熱処理温度の差を大きくすることが望ましい。光拡散層(B)を構成する樹脂の融点と熱処理温度の差が小さくなると、熱処理工程において光拡散層が軟化してしまい、結果として輝度に優れた平均傾斜勾配(△a)を有する表面凹凸構造が形成されなくなる。ただし、光拡散層(B)を構成する樹脂の融点と熱処理温度の差が大きくなると熱処理温度の低下するため、フィルムの熱収縮率が悪化する。また、光拡散層(B)を構成する樹脂の融点が高くなると、光拡散層(B)に含まれる非相溶樹脂の周りに生じたボイドが熱処理によっても消失せず、残存してしまう。ボイドの発生したフィルムは、内部ヘーズが上昇することにより全光線透過率が低下するため好ましくない。そこで、光拡散層(B)の融点と熱処理温度の差は、9℃以上25℃以下の範囲内で制御することが好ましい実施の形態であり、11℃以上23℃以下であればより好ましく、13℃以上21℃以下であれば更に好ましい。
さらに、本発明の光拡散性ポリエステルフィルムを得るための構成、および特性について、以下に詳述する。
(原料)
本発明でフィルム原料として用いる結晶性ホモポリエステルは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸又はそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる直重法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合させるエステル交換法か、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。
前記のポリエステルの代表例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2,6−ナフタレートが挙げられる。前記のポリエステルはホモポリマーであってもよく、実質的にその結晶性を阻害しない範囲で、第三成分を共重合したものであってもよい。これらのポリエステルの中でも、エチレンテレフタレート単位、あるいはエチレン−2,6−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であるポリエステルが好ましい。
また、本発明に用いることができる共重合成分を含む結晶性ポリエステルとは、上記の結晶性ホモポリエステルを基本骨格として、第3成分(共重合成分)が主鎖中に導入されたポリエステルのことであり、その構造、分子量、及び組成は限定されず任意である。
また、本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、芳香族ジカルボン酸成分と、エチレングリコール及び、分岐状脂肪族グリコール又は脂環族グリコールの少なくとも1種を含むグリコール成分とから構成される共重合ポリエステルを、原料の一部あるいは全部に用いることが好ましい。
分岐状脂肪族グリコールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオールなどが例示される。また、脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどが例示される。
これらのなかでも、ネオペンチルグリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールが特に好ましい。さらに、本発明においては、上記のグリコール成分に加えて1,3−プロパンジオールや1,4−ブタンジオールを共重合成分とすることが、より好ましい実施態様である。これらのグリコールを共重合成分として、前述の範囲で導入し、使用することは、前記の特性を付与するために好適であり、さらに、光拡散層内のボイドを低減させ、光線透過率と光拡散性を高度に両立させる点からも好ましい。
さらに、必要に応じて、前記のポリエステルに下記のようなジカルボン酸成分及び/又はグリコール成分を1種又は2種以上を共重合成分として併用してもよい。
テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体とともに併用することができる他のジカルボン酸成分としては、(1)イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸又はそれらのエステル形成性誘導体、(2)シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸等の脂肪族ジカルボン酸又はそれらのエステル形成性誘導体、(3)シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸又はそれらのエステル形成性誘導体、(4)p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシカルボン酸又はそれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
一方、エチレングリコール及び、分岐状脂肪族グリコール及び/又は脂環族グリコールとともに併用することができる他のグリコール成分としては、例えばペンタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコール及びそれらのエチレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ダイマージオール等が挙げられる。
さらに、必要に応じて、前記ポリエステルに、さらにトリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン等の多官能化合物を共重合させることもできる。
前記ポリエステルを製造する際に用いる触媒としては、例えば、アルカリ土類金属化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、チタン/ケイ素複合酸化物、ゲルマニウム化合物などが使用できる。これらのなかでも、チタン化合物、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、アルミニウム化合物が触媒活性の点から好ましい。
前記ポリエステルを製造する際に、熱安定剤としてリン化合物を添加することが好ましい。前記リン化合物としては、例えばリン酸、亜リン酸などが好ましい。
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、前記共重合ポリエステルをそのままフィルム原料として用いてもよいし、共重合成分が多い共重合ポリエステルをホモポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)とブレンドして、共重合成分量を調整しても構わない。
特に、後者のブレンド法を用いてフィルムを製造することによって、共重合ポリエステルのみを用いた場合と同等の光拡散性と全光線透過率を両立しながら、高融点(耐熱性)を有する、共重合成分を含む結晶性ポリエステルを調整することができる。
また、異なる2種類の結晶性ポリエステルを溶融混合して、両者のエステル交換反応を利用して、主鎖中に第3成分(共重合成分)を導入する方法を採用しても良い。特に、前記共重合ポリエステルと、ポリエチレンテレフタレート、及びポリエチレンテレフタレート以外のホモポリエステル(例えば、ポリテトラメチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート)を少なくとも1種以上ブレンドして、本発明の光拡散性ポリエステルフィルムの原料として使用することは、ボイド低減の点からもさらに好ましい。
なお、前記中間層(A)を構成するポリエステルには、実質的に粒子を含有させないことが好ましい。また、光拡散層(B)を構成する結晶性共重合ポリエステルには、後述する添加剤以外の粒子を実質的に含有させないことが好ましい。上記の「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。このように不純物の無い、クリーンなポリエステル原料を用いることで、液晶ディスプレイにおける光学欠点の発生を抑制することができる。
該結晶性ポリエステルの固有粘度の下限としては、0.50dl/gが好ましく、0.52dl/gがさらに好ましい。固有粘度が0.50dl/g未満では、メルトラインに異物除去用フィルターを設けた場合、溶融樹脂の押出時における吐出安定性が低下する傾向がある。また、結晶性ポリエステルを光拡散層(B)の構成として用いる場合は、結晶性ポリエステルの固有粘度が高くなると、溶融攪拌での剪断力が増加するため、添加剤が細粒化し、光拡散層(B)表面に良好な凹凸構造を付与する程度に有効な分散径が得られい場合がある。そのため、該結晶性ポリエステルの固有粘度の上限としては、0.61dl/gが好ましく、0.59dl/gがさらに好ましい。固有粘度が0.61dl/gを超える場合は、前記添加剤のポリエステル中の分散径が小さくなり、光拡散性が低下する傾向がある。
(添加剤<表面凹凸付与剤>)
本発明における添加剤は、光拡散層表面に凹凸を付与し、表面光拡散性能を発現させる目的で添加される。上記添加剤は、ポリエステルに非相溶性の材料であれば何ら制限されるものではなく任意であるが、下記のような材料を使用することが好ましい。
(ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂)
本発明において用いることができる最も優れた添加剤は、前記ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂である。すなわち、ポリエステルと熱可塑性樹脂との非相溶性を活用して、二軸延伸フィルムの製造工程(溶融・押し出し工程)において、ポリエステルからなるマトリックス中に該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂からなるドメインを分散形成させ、表面凹凸形成剤として活用する技術である。この技術を用いることにより、フィルムの溶融・押し出し工程において高精度のフィルターで異物を濾過し、液晶ディスプレイ用フィルムとして必要なクリーン度を達成することができる。
これに対し、後述する非溶融性のポリマー粒子や無機粒子を添加剤として用いる場合には、フィルムの製造工程において使用できるフィルターの目開きの細かさに限界があり、高精度で異物を除去することが困難となる。さらに、ポリマー粒子や無機粒子を用いた場合には、粒子とポリエステルとの界面にボイドを発生しやすく、光拡散性と全光線透過率を高度に両立することが困難である。
前記添加剤として用いることができるポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂としては、例えば以下の材料が挙げられる。即ち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、各種環状オレフィン系ポリマー等のポリオレフィン、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、アイソタクティックポリスチレン等のポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル樹脂、及びこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれらの樹脂の混合物等である。
その中でも特に、非晶性の透明ポリマーを用いることが、高い光線透過率を有するフィルムを製造するために好ましい。これに対し、結晶性ポリマーを添加剤として用いた場合には、結晶性ポリマーが白濁してフィルムの内部ヘーズが大きくなり、光線透過率が低下する恐れがある。
本発明に用いることができる非晶性の透明ポリマーとしては、例えば以下のものが挙げられる。即ち、ポリスチレン(PS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、メタクリル酸メチル・スチレン共重合体(MS樹脂)、環状オレフィン系ポリマー、メタクリル樹脂、PMMA、等が例示される。
これらの中でも、ポリエステルからなるマトリックスに対して、ポリマーの表面張力が近い非晶性の透明ポリマーを選択することが、ボイド低減の点からも、さらに好ましい。このような表面張力がポリエステルに近い非晶性の透明ポリマーとしては、ポリスチレン(PS樹脂)、PMMA等が特に好ましい。
本発明者は光拡散層(B)を構成する該結晶性ポリエステルと非相溶性の熱可塑性樹脂との溶融粘度差とが同程度の場合、二成分は容易に分散し、該熱可塑性樹脂は細粒化し、光拡散層(B)表面に良好な凹凸構造が得られず、表面ヘーズが低下する場合がある。そのため、本発明では、光拡散層(B)を構成する共重合成分を含む結晶性ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂との溶融粘度差が大きい方が好ましい。該溶融粘度差は、35Pa・s以上が好ましく、40Pa・s以上がさらに好ましい。溶融粘度差が35Pa・s以上では、添加剤のポリエステル中の添加剤が良好な分散径を有し、より好適に光拡散性を奏しやすい。
(非溶融性ポリマー粒子)
本発明の添加剤として用いることができる非溶融性ポリマー粒子は、融点測定装置(Stanford Research Systems社製、MPA100型)を用いて、30℃から350℃まで10℃/分で昇温した際に、融解による流動変形が起こらない粒子であれば、その組成は限定されない。例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂および有機シリコーン系樹脂等が挙げられる。粒子の形状は、球状もしくは楕円状が好ましい。また、該粒子は細孔を有していてもよいし、無くてもよい。さらに、両者を併用してもよい。
上記の非溶融性ポリマー粒子が350℃以上の融点を有するポリマーよりなる場合は、非架橋ポリマー粒子を用いてもよいが、耐熱性の点から、架橋構造を有するポリマーよりなる架橋ポリマー粒子を用いることが好ましい。
上記の非溶融性ポリマー粒子の平均粒径は、0.1〜50μmが好ましい。上記の非溶融性ポリマー粒子の平均粒径の下限は、0.5μmがより好ましく、特に好ましくは5μmである。良好な光拡散効果を発揮するには、上記の非溶融性ポリマー粒子の平均粒径が0.1μm以上であることが好ましい。
一方、上記の非溶融性ポリマー粒子の平均粒径の上限は、30μmがより好ましく、特に好ましくは20μmである。上記の非溶融性ポリマー粒子の平均粒径が50μmを超える場合、フィルム強度や全光線透過率が低下しやすくなる。該非溶融性ポリマー粒子は、できる限りシャープな粒度分布を有する粒子を用いることが好ましい。
上記の非溶融性ポリマー粒子は、1種類でもよいし、2種類以上使用してもよい。シャープな粒度分布を有し(粒子の粒径が均一であることを意味する)、かつ平均粒径の異なる複数の非溶融性ポリマー粒子を併用することは、フィルムの欠点となる粗大粒子の混入が抑制できるので、好ましい実施形態である。
なお、上記の粒子の平均粒径の測定は下記方法により行う。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。また、フィルム中に含有する粒子が単独の場合は、個々の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。
(無機粒子)
添加剤として用いることができる無機粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナ、カオリナイト、タルク等が挙げられる。
上記無機粒子の平均粒子径は、通常0.1〜50μmが好ましい。0.5〜30μmがより好ましく、1〜20μmがさらに好ましい。平均粒径が0.1μm未満では良好な光拡散効果が得られない。逆に、50μmを超える場合はフィルム強度の低下等に繋がるので好ましくない。該無機粒子の粒度分布はできる限りシャープなものを用いるが好ましい。粒度分布を広げる必要が生じた場合は、シャープな粒度分布の粒子を複数数配合して対応することが好ましい。該対応によりフィルムの欠点となる粗大粒子径の粒子の混入を抑制することができる。
なお、上記の粒子の平均粒径の測定は下記方法により行う。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。また、フィルム中に含有する粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。
上記の無機粒子の形状は限定されないが、実質的に球状あるいは真球状が好ましい。また、該粒子は無孔または多孔タイプのいずれでもよい。さらに、両者を併用してもよい。
本発明に用いる添加剤は、上記の3種の中の1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[光拡散性ポリエステルフィルムの特性]
(面配向係数)
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、面配向係数(ΔP)が0.08〜0.16であることが好ましい。面配向係数(ΔP)の下限は、0.09がより好ましく、特に好ましくは0.10である。一方、面配向係数(ΔP)の上限は、0.15がより好ましく、特に好ましくは0.14である。
面配向係数(ΔP)が0.16を超える場合、用いる添加剤の種類にもよるが、添加剤の周りに発生するボイドの数や大きさが増加する場合がある。そのため、内部散乱(内部ヘーズ)が大きくなり、全光線透過率が低下する場合がある。
一方、面配向係数が0.08以上では、二軸延伸フィルムとしての特徴が発揮され、耐熱性、機械的強度、厚み均一性などが良好であり、加熱カールの発生が抑制される。
面配向係数を上記範囲内に制御する方法は任意であるが、例えば、前記共重合成分を含む結晶性ポリエステル中への共重合成分の比率を調整することにより制御することが可能である。光拡散層(B)中、または平滑層(C)中の共重合成分の比率を多くすれば、面配向係数は低下する、また、共重合成分の比率を小さくすれば面配向係数を上昇させることができる。好ましい共重合成分の比率は、前記の通りである。
(光学的特性)
次に、本発明においては、表面ヘーズが15%以上、かつ内部ヘーズが表面ヘーズ未満であることが好ましい。表面ヘーズは、光拡散層の表面凹凸に由来する特性である。そのため、フィルム表面から光が出射する際に、またはフィルム表面に光が入射する際に、光拡散層の表面凹凸で光が屈折することにより表面ヘーズが高くなる。したがって、表面ヘーズと全光線透過率とは基本的に無関係である。そのため、表面ヘーズを高くすることにより、全光線透過率の低下を抑制した状態で、光拡散性を高めることができる。
一方、内部ヘーズは、フィルム内部での光散乱に由来する特性である。そのため、入射光の後方散乱の影響により全光線透過率が低下する。したがって、優れた光拡散性と、高い全光線透過率を有する光拡散性ポリエステルフィルムを製造するためには、表面ヘーズを高くするとともに、内部ヘーズを極力小さくすることが有効な手段である。
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムの表面ヘーズは15%以上が好ましく、より好ましい下限は20%である。表面ヘーズが15%以上であれば、導光板の印刷柄や、冷陰極管のランプ像に対して有効な拡散効果が発揮され、光拡散性フィルムとして有効な光拡散性能が得られるやすい。
一方、表面ヘーズの好ましい上限値は60%であり、より好ましい上限値は70%、さらに好ましい上限は80%である。表面へーズが80%以下であれば、内部ヘーズが抑制され、全光線透過率が高くなる場合がある。
また、内部ヘーズは、表面ヘーズ未満であることが好ましい。内部ヘーズの上限値は、好ましくは40%、より好ましくは30%、さらに好ましくは20%、特に好ましくは10%である。
内部ヘーズが表面ヘーズと同じ、もしくは表面ヘーズを超える場合には、フィルムの光拡散機能の主体を内部ヘーズが担うこととなり、フィルム内部で、(後方散乱を伴う)光散乱を生じ、全光線透過率が大きく低下する。一方、内部ヘーズの下限は1%が好ましい。内部ヘーズが1%未満のフィルムでは、十分な表面ヘーズが得られない傾向がある。
また、本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、86%以上の全光線透過率であることが望ましい。より好ましい光線透過率の下限値は87%であり、さらに好ましい下限値は88%である。
また、光拡散性フィルムの光拡散性能は、例えば像鮮明度によって定量的に評価することができる。像鮮明度とは、フィルムを通して蛍光ランプなどの光源を見た場合の鮮明さを示す指標であり、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」像鮮明度に準拠して測定する通常の方法で評価された像鮮明度である。像鮮明度が小さい程、隠蔽性が良好であり、光拡散性能が優れていることを表す。
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムでは、光学くし幅が2mmの透過法において、50%以下の像鮮明度を得ることが可能である。より好ましい像鮮明度の上限値は40%であり、さらに好ましい上限値は20%である。なお、像鮮明度は小さければ小さいほど良いが、必要以上に像鮮明度を低下させようとすると、内部ヘーズが高くなり、全光線透過率が低下する。本発明において、像鮮明度の下限値は1%が好ましく、より好ましくは3%である。
本願発明において輝度は、光拡散性フィルムとレンズシートを重ね合わせて光を照射した際の平行線透過率と全光線透過率との比率を、レンズシート単独での前記比率を100として導出した輝度比率として評価した。前記輝度比率が101%以上であれば光拡散性フィルムがない場合に比べて高い輝度を確保することができる。本発明では、前記輝度比率は高い方が好ましく、具体的には103%以上であることが好ましく、105%以上であることがさらに好ましい。前記輝度比率が、103%以上であれば、光量が低い場合でも高い輝度を確保することができる。
(力学的特性)
また、本発明において、フィルムの原料として結晶性ポリエステルを用いているので、二軸延伸フィルム本来の優れた耐熱性、機械的強度、及び優れた厚み精度を得ることができる。
耐熱性に関して、150℃における寸法変化率が横方向、縦方向のいずれにおいても3%以下であることが好ましく、より好ましい上限は2.5%であり、さらに好ましい上限は2%であり、特に好ましい上限は1.5%であり、より特に好ましい上限は1%である。一方、150℃における横方向、縦方向の寸法変化率は小さい方が望ましいが、0%が下限と考える。寸法変化率が3%以下の場合は、高温での加工や高温環境での使用において、寸法変化や平面性が悪化せず、良好な平面性が保たれる。その結果、バックライトユニットにおける光出射面の輝度を均一にするという、光拡散性フィルムの本来目的が達成できる。なお、本発明で縦方向とは製膜時におけるフィルムの流れ方向(巻き取り方向)をいい、横方向とはそれに垂直な方向をいう。
また、フィルムの引張強さの下限は、好ましくは100MPa、さらに好ましくは130MPa、特に好ましくは160MPaである。引張強さが100MPa以上では、二軸延伸フィルムの力学的強度が発揮され、フィルムの加工工程で割れ、破れ、折れ、裂け等の不具合を生じ難くなる。
さらに、フィルムの引張伸びの下限は、好ましくは100%、さらに好ましくは120%、特に好ましくは140%である。引張伸びが100%以上では、フィルムに柔軟性が付与され、レンズ塗工後も巻取りや切り取りの工程で割れ、破れ、折れ、裂け等の不具合を生じ難くなる。
また、本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、厚み斑が5.0%以下であることが好ましい。フィルムの厚み斑が5.0%以下の場合は、フィルムをロール上に巻き上げた時に、シワやコブを生じ難く、平面性が保持される。その結果、バックライトユニットにおける光出射面の輝度が均一になり、光拡散性フィルムの本来目的が達成できる。
また、本発明の光拡散性ポリエステルフィルムの厚みは任意であり、特に制限されないが、25〜500μmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは75〜350μmの範囲である。
(二軸延伸フィルムの製造)
本発明において、前記の特性を満足させる方法として、例えば、以下の製造方法を用いることが好ましい。
フィルムの力学的特性や光学特性は製膜条件によっても制御することができる。フィルムの延伸温度を高くすると、延伸応力が低下するので、配向係数が低くなり、ボイドの発生が抑制される。また、非相溶性の添加剤による表面凹凸も形成されやくなるので、全光光線透過率と光拡散性の両立の点からは、高温で延伸することが望ましい。しかしながら、延伸温度を高くすると、フィルムの厚み変動が大きくなり、厚み斑などが発生して、フィルム本来の力学的特性が得られ難い。本発明の光拡散性ポリエステルフィルムにおいて、優れた力学的特性と、全光線透過率と光拡散性の両立を図る為には、樹脂特性や要求特性に応じた製膜条件、特に延伸時の温度の温度を適宜に制御することが望ましい。本発明の光拡散性ポリエステルフィルムを、ポリエステル樹脂を延伸して作製する場合、その横延伸時の温度は120℃から160℃の温度範囲内が望ましい。
以下、本発明の光拡散性ポリエステルフィルムの好適な製造方法について、光拡散層(B)の原料である共重合成分を含む結晶性ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート共重合体(以下、単にポリエステルと略称することもある)のペレットを用いた代表例について詳しく説明する。
まず、フィルム原料として、ポリエステルと、ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂をそれぞれ、真空乾燥あるいは熱風乾燥によって、水分率が100ppm未満となるように乾燥する。次いで、各原料を計量、混合して押し出し機に供給し、シート状に溶融押出を行う。さらに、溶融状態のシートを、静電印加法を用いて、表面温度10〜50℃に制御された金属製の回転ロール(チルロール)に密着させ、未延伸PETシートを得る。本発明においては、各原料のうち、非相溶添加剤については、基材ポリマーの全部または一部と、非相溶性添加剤をあらかじめ押出機を用いて溶融混合した予備混練マスターペレットとして用いることが重要である。
この際、押出機の溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂温度を220〜290℃、その後のポリマー管、ダイまでの樹脂温度を210〜295℃に制御することが、劣化物等の異物の発生を抑制するために好ましい。
また、溶融樹脂が一定温度275℃に保たれた任意の場所で、樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行う。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材としては、ステンレス焼結体の濾材が、樹脂中のSi、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分とする凝集物や高融点の有機物を除去する性能に優れ好適である。高精度濾過を行う際に、溶融樹脂の温度が275℃よりも低い場合には濾圧が上昇するため、原料樹脂の吐出量を低くするなどの操作を行う。
さらに、濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は、20μm以下、特に15μm以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が20μmを超えると、20μm以上の大きさの異物を十分に除去することが困難になる。濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が20μm以下の濾材を用いて溶融樹脂の高精度濾過を行うことにより、生産性が低下する場合があるが、粗大粒子による光学欠点の少ないフィルムを得るためには重要な工程である。なお、本発明では、添加剤として結晶性共重合ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を用いることで、上記のような高精度濾過が可能となる。
光拡散層(B)、中間層(A)、平滑層(C)とを共押出し積層するためには、2台以上の押出し機を用いて、各層の原料を押出し、多層フィードブロック(例えば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて各層を合流させ、スリット状のダイからシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。あるいは多層フィードブロックを用いる代わりにマルチマニホールドダイを用いても良い。
また、本発明の光拡散性ポリエステルフィルムにおいては、少なくとも一方の表面に塗布層を有していることが好ましく、さらには両面に塗布層を有していることが好ましい。好ましい塗布量は、0.005〜0.20g/mの範囲である。光拡散層(B)の表面に塗布層を設けることによって、フィルム表面での反射光の発生を抑制して、全光線透過率をさらに高めることができる。また、平滑層(C)に塗布層を設け、該塗布層の表面にレンズシート加工やハードコート加工を施す場合には、易接着性を付与することができる。
この場合、前記の方法によって得られた未延伸フィルムに塗布層を設けた後、二軸延伸を行う。同時二軸延伸法でも逐次二軸延伸法によっても良いが、逐次延伸法で行う場合、縦または横方向に一軸延伸したフィルムに易接着層を設けた後、直交方向に延伸し、二軸延伸を行う。
塗布層形成用塗布液を未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムに塗布するための方法は、公知の任意の方法から選択することが出来、例えば、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法、などが挙げられ、これらの方法を単独で、あるいは組み合わせて塗工する。
塗布層を構成する樹脂は、レンズシート用途や光拡散性フィルム用途において、他の光学機能層とのより優れた密着性を確保する観点から、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル系樹脂の少なくとも1種以上を主成分とすることが好ましい。また、これらの樹脂は、光拡散層の表面における反射光の発生を抑制するという観点からも推奨される。なお、塗布層を構成する樹脂において、前記の「主成分」とは、該塗布層を構成する樹脂100質量%に対して、前記の樹脂の少なくとも1種が50質量%以上含まれていることを意味する。
なお、フィルムの透明性を高くするために、中間層(A)中に粒子を含有させないか、透明性を阻害しない程度に少量しか含有させないと、フィルムの易滑性が不十分となりハンドリング性が悪化する場合がある。そのため、上記の塗布層には、易滑性の付与を目的に、粒子を含有させることが好ましい。これらの粒子には、透明性を確保するために可視光線の波長以下の極めて平均粒径が小さい粒子を用いることが重要である。
上記の粒子としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデンなどの無機粒子;架橋高分子粒子;シュウ酸カルシウムなどの有機粒子などが挙げられる。塗布層を、上記共重合ポリエステル樹脂を主体として形成する場合には、シリカが特に好ましい。シリカは、ポリエステルと屈折率が比較的近いため、より透明性に優れた光拡散性ポリエステルフィルムを確保し得る点で最も好適である。
塗布層に含有させる粒子は、平均粒径(SEMにより観察される個数基準の粒子の平均最大径)が0.005〜1.0μmであることが、フィルムの透明性、ハンドリング性、耐スクラッチ性確保の点から好ましい。粒子の平均粒径の上限は、透明性の点から、0.5μmであることがさらに好ましく、特に好ましくは0.2μmである。また、粒子の平均粒径の下限は、ハンドリング性と耐スクラッチ性の点から、0.01μmであることがさらに好ましく、特に好ましくは0.03μmである。
なお、上記の粒子の平均粒径の測定は下記方法により行う。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。また、塗布層に含有する粒子の平均粒径を求める場合は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で塗布フィルムの断面を撮影し、塗布層の断面に存在する粒子の最大径を求める。凝集体からなる粒子の平均粒径は、塗布フィルムの塗布層の断面を、光学顕微鏡を用いて倍率200倍で300〜500個撮影し、その最大径を測定する。
塗布層中の粒子の含有量は、塗布層を構成する組成物に対して、0.1〜60質量%であることが、光学用積層フィルムの透明性、密着性、ハンドリング性、耐スクラッチ性を確保する点から好ましい。粒子の含有量の上限は、透明性と密着性の点から50質量%であることがさらに好ましく、特に好ましくは40質量%である。また、粒子の含有量の下限は、ハンドリング性と耐スクラッチ性の点から1質量%がさらに好ましく、特に好ましくは0.5質量%である。
上記粒子は2種類以上を併用してもよく、同種の粒子で粒径の異なるものを配合してもよいが、いずれにしても、粒子全体の平均粒径、および合計の含有量が上記範囲を満足することが好ましい。
次に、上記の方法で得られた未延伸フィルムを同時二軸延伸または逐次二軸延伸し、次いで熱処理を行う。
上記の二軸延伸は、縦、横、両方向に2.8倍以上の延伸倍率で行うことが重要である。なお、本発明で定義する延伸倍率とは、フィルムが実際に延伸された実延伸倍率のことである。この延伸倍率は各延伸工程前後での単位面積あたりの質量変化率や、格子状の倍率マーカーを未延伸フィルムに記入することによって把握することができる。
縦方向または横方向のいずれかの延伸倍率が2.8倍未満の場合は、得られるフィルムの厚み斑が低下すると共に、二軸延伸フィルム本来の優れた耐熱性と機械的強度が得られない。また、フィルムの厚み均一性が著しく悪化する。本発明における好ましい延伸倍率の下限は3.0倍、より好ましい下限は3.2倍である。また、延伸倍率の好ましい上限は5倍である。
フィルムの延伸温度を高くすると、延伸応力が低下するので、配向係数が低くなり、ボイドの発生が抑制される。また、非相溶性の添加剤による表面凹凸も形成されやくなるので、全光光線透過率と光拡散性の両立の点からは、高温で延伸することが望ましい。しかしながら、延伸温度を高くすると、フィルムの厚み変動が大きくなり、厚み斑などが発生して、フィルム本来の力学的特性が得られ難い場合がある。本発明の光拡散性ポリエステルフィルムにおいて、優れた力学的特性と、全光線透過率と光拡散性の両立を図る為には、樹脂特性や要求特性に応じた製膜条件、特に延伸時の温度の温度を適宜に制御することが望ましい。本発明の表面光拡散性ポリエステルフィルムを、ポリエステル樹脂を延伸して作製する場合、その横延伸時の温度は120℃から160℃の温度範囲内が望ましい。
次に実施例及び比較例を用いて、本発明を具体的に説明する。まず、本発明で使用した特性値の評価方法を下記に示す。
[評価方法]
(1)固有粘度
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
(2)結晶融解熱量、融点およびガラス転移温度
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220型示差走査型熱量計を用いて求める。窒素雰囲気下、樹脂サンプルを300℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷し、粉砕した樹脂サンプル10mgを20℃/分の速度で昇温させ、示差熱分析を行った。結晶融解熱量は、JIS−K7121−1987、9・1項に定義される融解ピーク温度(Tpm)、補外融解開始温度(Tim)および補外融解終了温度(Tem)とを囲むDSC曲線を積分して求めた。また、該融解ピーク温度(Tpm)を融点とした。さらに、JIS−K7121−1987、9・3項に基づいて、ガラス転移温度(Tg)を求めた。
(3)溶融粘度
樹脂サンプルの粘度は、JIS K 7199「プラスチック−キャピラリーレオメータ及びスリットダイレオメータによるプラスチックの流れの特性試験方法」、5.1.3項の方法A(キャピラリーダイ)に準拠して測定した。東洋精機製キャピログラフ1Bにて、φ1mm、L/D=10のキャピラリーダイを用い、270℃に保ったシリンダ内に、乾燥した樹脂サンプルを充填し、約1分間溶融した後、せん断速度608.0sec−1下で溶融粘度を測定した。なお、複数の樹脂を基材ポリマーとして用いる場合、前記基材ポリマーの溶融粘度は、予め複数の樹脂サンプルを十分に混合した後、シリンダに充填し、上記と同様の方法にて溶融粘度を測定した。
(4)フィルムの厚み斑
横延伸方向に3m、縦延伸方向に5cmの長さの連続したテープ状サンプルを巻き取り、フィルム厚み連続測定機(アンリツ株式会社製)にてフィルムの厚みを測定し、レコーダーに記録する。チャートより、厚みの最大値(dmax)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出した。なお、横延伸方向の長さが3mに満たない場合は、つなぎ合せて行う。なお、つないだ部分については上記データ解析からは削除する。
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
測定は3回行い、その平均値を求め、下記の基準により評価した。
○:厚み斑が5%以下
×:厚み斑が5%を超える
(5)平滑層(C)表面の三次元表面粗さ(SRa)
平滑層(C)表面を、触針式三次元粗さ計(SE−3AK、株式会社小阪研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重30mgの条件下に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25mmで、測定長1mmにわたり、針の送り速度0.1mm/秒で測定し、2μmピッチで500点に分割し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(SPA−11)に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150回、すなわちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に解析装置を用いて中心面平均粗さ(SRa)を求めた。
(6)ヘーズ、全光線透過率
フィルム試験片のヘーズ(曇価)および全光線透過率はJIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して測定した。フィルム試験片のフィルム長手方向を鉛直方向に、光拡散層(B)面を光源側に向けて設置し、日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いて測定した。
(7)内部ヘーズ、全ヘーズ、表面ヘーズ
フィルム試験片の両面にセダー油を塗布し(塗布量:片面につき20±10g/m2)、ヘーズが1.0%未満の高透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(例えば、東洋紡績社製、A4300、厚さ100μm)2枚で挟み合わせたものを、内部ヘーズ測定用試料とした。また、該高透明ポリエチレンテレフタレートフィルム2枚を、セダー油を介して重ね合わせたものを、ブランク試料とした。
次いで、内部ヘーズ測定用試料と、ブランク試料のヘーズを、(6)記載の方法によって測定した。そして、内部ヘーズ測定用試料のヘーズ値から、ブランク試料のヘーズ値を差し引き、内部ヘーズを求めた。また、(6)記載の方法により測定したフィルム試験片単体でのヘーズを全ヘーズとし、全ヘーズ値から内部ヘーズ値を差し引き、表面ヘーズを求めた。
(8)像鮮明度
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」像鮮明度に準拠して透過法により測定した。フィルム試験片はフィルム長手方向を鉛直方向とし、光拡散層(B)の面を光源側に向けて測定した。測定器には、スガ試験機社製ICM‐1T型写像性測定器を用いた。
(9)引張強さ、引張伸び率
JIS C 2318−1997 5.3.3(引張強さ及び伸び率)に準拠して測定した。
(10)線膨張係数
各層単独のフィルムサンプルを採取した。各層の線膨張係数はJIS K 7197に準拠し、Seiko社製熱機械分析装置(TMA SS−6100)を使用し測定温度範囲25〜200℃で測定した。
(11)引張弾性率
各層単独のフィルムサンプルを採取した。各層の引張弾性率はJIS K 7161に準拠し、東洋ボールドウィン社製強伸度分析装置(TMI RTM−100)を使用して測定した。
(12)熱応力
下記の(1)、(2)式を用いて導出した。
Figure 0005696356
Figure 0005696356
ここで、σは熱応力,nは積層フィルムの分割数,lは分割した層の中心と積層フィルムの中心線との距離,σは分割した層が有する熱応力,Eは分割した層の弾性率,Tは加熱前の温度,Tは加熱温度,αは分割した層をTからTまで温度変化したときの線膨張係数である。計算においては、下記の数値を用いた。まず、TとTについては、カール測定方法と対応させるため、Tを25℃,Tを150℃とした。さらに、Eとαは、(9),(10)で求めた値を使用した。nは、3層を細分化したときの最小単位数をもとに決定した。なお、lは中心線より上をプラス,下をマイナスとした。
(13)寸法変化率
JIS C 2318−1997 5.3.4(寸法変化)に準拠して測定した。
(14)面配向係数(ΔP)
JIS K 7142−1996 5.1(A法)により、ナトリウムD線を光源としてアッベ屈折計によりフィルム長手方向の屈折率(nx)、幅方向の屈折率(ny)、厚み方向の屈折率(nz)を測定し、下記式によって面配向係数(ΔP)を算出した。
ΔP=(nx+ny)/2−nz
(15)カール値
高温加熱時のカールは以下(a)〜(f)の方法により測定する。
(a)フィルム製膜の長手方向300mm×幅方向210mmの長方形のフィルム試料を切り出す。
(b)前記試料を、光拡散層(B)面を上にして平らな台紙に乗せ、150℃に調整した加熱オーブンの棚板に載せ、30分間加熱処理を行う。
(c)加熱処理後、台紙ごと前記試料を取り出し、室温で30分放置する。ここでの室温条件は、温度23±2℃、湿度65±5%に管理された条件であることが望ましい。
(d)30分間放置した前記試料を光拡散層(B)を上に向けて水平なガラス板に乗せ、前記試料の四隅のカールの高さ(水平面から垂直方向の高さ)をJIS金尺(0.5mm目盛)で、目視により最小目盛りの10分の1まで測定する。全試料について四隅のカールの高さを測定し、四隅のカールの高さの平均を求めてこの試料の高温カールとする。
(e)一方、加熱後室温で放置した後の前記試料のカールの高さが0mmであるか、もしくは、前記試料の断面(長方形のいずれかの辺)がM字状である場合は、前記試料の上下面を反対にして(前記光拡散層(B)を下にして)四隅のカールの高さを測定し、四隅のカールの高さの平均を求めこの試料の高温カールとする。
(f)上記により測定した高温カールの値には、カールの向きを明示するために符号を付す。すなわち、カールが光拡散層(B)面側を凹部とする場合には、その値に+の符号を付すこととする。一方、カールが中間層(A)側を凹部とする場合には、その値に−の符号を付すこととする。
(16)レンズ密着性
プリズム頂角65°、ピッチ50μmの形状のレンズ型を有する転写ロール(直径300mm)に紫外線硬化性樹脂組成物を注入延展し、毎分2mの速度でフィルムを被覆後、フィルム側から波長200〜600nmの紫外線を0.8J/cmとなるように高圧水銀灯を照射し、光拡散性ポリエステルフィルムの平滑層(C)面(なお、比較例2はB層、比較例3はA層)にレンズ型を形成させた。レンズ型にレンズアレイの残存が認められるものは×、認められないものは○とした。
(17)平均傾斜勾配(△a)
フィルムの光拡散層(B)を上向きにして、三次元形状測定装置(菱化システム社製、マイクロマップTYPE550、対物レンズ10倍)を用いて光拡散層(B)表面の表面凹凸プロファイルを測定した。測定したプロファイルからフィルムの縦方向(長手方向)、横方向(幅方向)の直行する2軸おいて断面プロファイルを切り出した。各方向について測定長さ1.0mm、2.5μm間隔で連続的に高さ(y)を測定し、ピッチ間隔2.5(μm)毎のそれぞれの高さy,y,y,,,y(μm)をエクセルファイルに出力した。突起高さのエクセルファイルへの出力は、解析ソフトウェア(菱化システム社製、SX−Viewer)のWave機能を使用した。さらに下記式を計算することにより、△aを導出した。△aは縦方向、横方向についてそれぞれ平均傾斜勾配を導出し、縦方向と横方向の値を平均したものを採用した。
△a=[(y−0)/2.5+(y−y)/2.5+・・+(y−yn−1)/2.5]/n
(18)輝度比率
得られた表面光拡散フィルムの輝度評価に組み合わせるレンズシートとしてはシャープ社製液晶テレビ(アクオスLC−37GS10、2007年製)に搭載のレンズシートを用いた。切り出した光拡散性フィルム片の中間層(A)面と、レンズシートのレンズ裏面と重なるように二枚のフィルムを重ねあわせた。光拡散性フィルム片の縦方向(フィルム製膜の長手方向)が鉛直方向になるように、光拡散性フィルムの光拡散層(B)面を光源側に向けて濁度計に設置した。濁度計は日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いた。測定方法は、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して実施した。測定により得られた平行線透過率を全光線透過率で除した値を導出し、レンズシート単体を測定することにより得られる平行線透過率を全光線透過率で除した値に対する輝度比率(%)を導出した。
実施例1
(1)結晶性ホモポリエステル樹脂(M1)の製造
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸(86.4質量部)及びエチレングリコール(64.4質量部)からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモン(0.017質量部)及びトリエチルアミン(0.16質量部)を添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kgf/cm、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水和物(0.071質量部)、次いでリン酸(0.014質量部)を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸(0.012質量部)、次いで酢酸ナトリウム(0.0036質量部)を添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、所定の固有粘度になるまで、285℃で重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、濾過粒子サイズ5μm(初期濾過効率:95%)のナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られた結晶性ホモポリエステル樹脂(M1)は、結晶融解熱が35mJ/mg、融点が256℃、固有粘度が0.56dl/g、溶融粘度が91Pa・sであった。また、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。
(2)共重合ポリエステル樹脂(M2)の製造
芳香族ジカルボン酸成分としてテレフタル酸単位100モル%、ジオール成分としてエチレングリコール単位70モル%及びネオペンチルグリコール単位30モル%を構成成分とする、固有粘度が0.59dl/g、溶融粘度が121Pa・s、の共重合ポリエステル樹脂(M2)を(M1)の作製方法に準じて作製した。
(3)ポリスチレン(M3)
溶融粘度が147Pa・sのポリスチレン樹脂(PS)を使用した。
(4)塗布液(M4)の調製
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n−ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。
さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3質量部を水50質量部に分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46質量部にサイリシア310の水分散液0.54質量部を加えて、撹拌しながら水20質量部を加えて、塗布液(M4)を得た。
(5)光拡散性ポリエステルフィルムの製造
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)74質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)23質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給した。また、中間層(A)の原料として135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)を押出機1に供給した。また、平滑層(C)の原料として135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)74質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)23質量部とを押出機3に供給した。
各押出機の溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの設定温度を275℃、フィルターの後のポリマー管の設定温度を270℃とし、押出機2、押出機3、及び押出機1から供給された各原料を、3層合流ブロックを用いて積層し、口金よりシート状に溶融押し出した。
なお、(B)層,(A)層と(C)層の厚み比率は、11対78対11となるように、各層のギアポンプを用いて制御した。また、上記のフィルターには、いずれもステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度:10μm粒子を95%カット)を用いた。また、口金の温度は、押出された樹脂温度が275℃になるように制御した。
押し出した樹脂を、表面温度30℃の冷却ドラムに静電印加法を用いて密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作成した。このとき、(C)層面を冷却ドラムに接する面とした。また、冷却ドラムによる未延伸フィルムの引き取り速度は、12m/分とした。
得られた未延伸フィルムを、予熱ロールを用いて79℃に加熱し、周速が異なるロール間で、流れ方向に3.4倍に延伸した。このとき、赤外線放射温度計にてフィルムの温度をモニターし、フィルムの最高温度が100℃になるように、ヒーター温度を制御した。
縦延伸完了後、得られた一軸延伸フィルムを50℃まで冷却した後、フィルムの両面に塗布液(M4)を塗布した。溶液塗布量は、両面ともそれぞれ最終膜厚が0.08g/mとなるように制御した。その後、乾燥炉にて塗布面を乾燥した。
塗布層を有する一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持して、テンターに導き、120℃に予熱した後、135℃で幅方向に2.5倍延伸したのち、140℃で幅方向に1.6倍延伸し、さらに231℃で10秒間熱処理し、60℃まで冷却する過程で幅方向に3.3%の緩和処理を行い、全厚み188μmの光拡散性ポリエステルフィルムを作成した。
なお、各層のポリエステルの融点および固有粘度を測定するため、(B)層,(C)層の吐出を一時的に停止して(A)層単独の未延伸フィルムを採取した。同様にして、(B)層,(C)層単独の未延伸フィルムを採取した。
(6)フィルムの特性
本実施例1で得られたフィルムの特性を表1に示す。表1から分かる通り、本発明で得られる光拡散性ポリエステルフィルムは、二軸延伸フィルム本来の優れた耐熱性と機械的強度、厚み精度を有している。また、内部ヘーズが小さく、高い光線透過率を有している。さらに、全ヘーズの大半が表面ヘーズによって付与されており、その光拡散性も優れていることが分かる。加えて、高温処理時においてもカールの発生はほとんど認められず、レンズシートと組み合わせた際にも高い輝度が得られた。
実施例2
平滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)87質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)13質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、(B)層と(A)層と(C)層との厚み比率を11対67対22となるように制御したこと、幅方向の延伸後、222℃で10秒間熱処理したことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて実施例2の光拡散性ポリエステルフィルムを作成した。
本実施例2で得られたフィルムの特性を表1に示す。表1から、本実施例2は実施例1と同様に優れた特性を有していることが分かる。
実施例3
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)51質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)46質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)53質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)47質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、延伸後のフィルム厚みが100μmとなるように冷却ドラムによる未延伸フィルムの引き取り速度を調整したこと、(B)層と(A)層と(C)層の厚み比率を22対56対22となるように制御したこと、塗布液(M4)を(C)層のみに塗布したこと、135℃で幅方向に2.4倍延伸したのち、140℃で幅方向に1.6倍延伸し、さらに223℃で17秒間熱処理し、60℃まで冷却する過程で幅方向に1.0%の緩和処理を行ったことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて厚み100μmの実施例3の光拡散性ポリエステルフィルムを作成した。
本実施例3で得られたフィルムの特性を表1に示す。表1から、本実施例3は実施例1と同様に優れた特性を有していることが分かる。
実施例4
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)69質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)21質量部と、ポリスチレン(M3)10質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)67質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)33質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、232℃で17秒間熱処理したこと、厚み100μmとなるように調整したこと、(B)層と(A)層と(C)層との厚み比率を11対84対7としたことを除いては実施例3に示したのと同じ方法にて実施例4の光拡散性ポリエステルフィルムを作成した。
本実施例4で得られたフィルムの特性を表1に示す。表1から、本実施例4は実施例1と同様に優れた特性を有していることが分かる。
実施例5
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)55質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)38質量部と、ポリスチレン(M3)7質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)60質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)40質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、224℃で10秒間熱処理したことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて実施例5の光拡散性ポリエステルフィルムを作成した。
本実施例5で得られたフィルムの特性を表1に示す。表1から、本実施例5は実施例1と同様に優れた特性を有していることが分かる。
比較例1
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)74質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)23質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)27質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)73質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、(B)層と(A)層と(C)層との厚み比率を11対66対33としたこと、60℃まで冷却する過程で幅方向に3.3%の緩和処理を行ったことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて比較例1の光拡散性ポリエステルフィルムを作成した。
比較例2
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)74質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)23質量部と、ポリスチレン(M3)10質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)にかえて光拡散層(B)を設けたこと、(B)層と(A)層と(B)層の厚み比率を11対78対11としたことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて比較例2の光拡散フィルムを作成した。
比較例3
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)74質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)23質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)を設けなかったこと、(B)層と(A)層の厚み比率を11対89としたことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて比較例3の光拡散フィルムを作成した。
比較例4
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)63質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)34質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、滑層(C)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)60質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)40質量部とを混合し、押出機3に供給したこと、縦方向の延伸倍率を3.3倍としたこと、横延伸後240℃で17秒間熱処理し、60℃まで冷却する過程で幅方向に1.3%の緩和処理を行ったことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて比較例4の光拡散フィルムを作成した。
Figure 0005696356
参考比較例1
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)58質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)32質量部と、ポリスチレン(M3)10質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、平滑層(C)を設けなかったこと、(B)層と(A)層の厚み比率を11対89としたこと、234℃で17秒間熱処理し、60℃まで冷却する過程で幅方向に3.3%の緩和処理を行ったことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて参考比較例1の光拡散性フィルムを作成した。
参考比較例2
光拡散層(B)の原料として、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した結晶性ホモポリエステル(M1)51質量部と、70℃で12時間減圧乾燥(1Torr)した共重合ポリエステル(M2)46質量部と、ポリスチレン(M3)3質量部とを混合し、押出機2に供給したこと、延伸後のフィルム厚みが100μmとなるように冷却ドラムによる未延伸フィルムの引き取り速度を調整したこと、平滑層(C)を設けなかったこと、(B)層と(A)層との厚み比率を20対80となるように制御したこと、135℃で幅方向に2.4倍延伸したのち、140℃で幅方向に1.6倍延伸し、さらに233℃で17秒間熱処理し、60℃まで冷却する過程で幅方向に1.0%の緩和処理を行ったことを除いては実施例1に示したのと同じ方法にて厚み100μmの参考比較例2の光拡散性フィルムを作成した。
Figure 0005696356
本発明の光拡散性ポリエステルフィルムは、液晶ディスプレイのバックライトユニット、照明装置等に用いられる光拡散性フィルムとして用いることができる。また、プリズムシート用基材フィルムとして用いることができる。したがって、産業界に寄与することが大である。

Claims (8)

  1. 二軸配向ポリエステルフィルムよりなる光拡散性ポリエステルフィルムであって、
    中間層(A)の片面に光拡散層(B)を有し、反対面に平滑層(C)を有する共押出法により積層された3層構成からなり、
    中間層(A)は、結晶性ホモポリエステル、または共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなり、
    光拡散層(B)は、融点が225〜255℃である共重合成分を含む結晶性ポリエステル50〜99質量部と該ポリエステルに非相溶性の添加剤1〜50質量部からなり、
    平滑層(C)は、融点が225〜255℃である共重合成分を含む結晶性ポリエステルからなり、
    光拡散層(B)表面の平均傾斜勾配(△a)が0.03以上、0.10以下であり、
    平滑層(C)の厚みは、総厚みの5〜50%である、
    光拡散性ポリエステルフィルム。
  2. 表面ヘーズが15%以上であり、内部ヘーズが表面ヘーズ未満である請求項1に記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
  3. 150℃における寸法変化率が縦方向及び横方向とも3%以下、引張強さが縦方向及び横方向とも100MPa以上、引張伸びが100%以上である請求項1または2に記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
  4. フィルムの長手方向300mm×幅方向210mmの長方形のフィルム試料について加熱オーブンで150℃で30分間熱処理した後の、四隅のカールの高さの平均が3.0mm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
  5. 全光線透過率が86%以上で、かつ、くし幅2mmにおける像鮮明度が40%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
  6. 前記光拡散層(B)の表面に、フィルムの延伸・配向完了前に設けられた共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有する請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
  7. 前記光拡散性ポリエステルフィルムの光拡散層(B)と平滑層(C)の両方の表面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有する請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散性ポリエステルフィルム。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散性ポリエステルフィルムの平滑層(C)の表面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有するレンズシート用光拡散性ポリエステルフィルム。
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