JP5702172B2 - 活性アルミナ触媒および亜酸化窒素除去方法 - Google Patents
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Description
そこで、還元剤が存在しない、もしくは、流動層燃焼炉の燃焼条件においても炉内に存在する反応性の低い還元剤を用いて効率的に窒素化合物を除去する技術が求められている。
特許文献1には、上記のような還元剤が存在しない雰囲気でもN2Oの除去反応を進行させるアルミナ触媒が記載されている。特許文献2には、燃焼炉内に活性アルミナまたは活性アルミナと金属化合物との混合物を装入することにより、燃焼炉内でN2Oを分解する方法が記載されている。
一般的に、アルミナ触媒は高温に長時間曝されることで、順次熱的凝集が進行する。特許文献2に記載されているように、熱的凝集によって生成すると考えられるα−アルミナを用いた場合、全くN2O分解性能を示さない。流動層ボイラーの燃焼ガス温度では急速なアルミナの相変化は起こらないものの、長期間ボイラー内に滞留するとθ型、α型への相変化が進行することが考えられる。また良く知られているように石炭中には多くの無機金属が微量存在し、これらの微量元素による触媒の失活も予想される。これらの触媒失活による性能低下を補うためには流動媒体であるアルミナ触媒を炉内で順次入れ替えていく必要が有り、触媒の使用量および手間が増え、コストが増大する。このため、アルミナ触媒自体の性能向上によりN2O除去に必要なアルミナ触媒量を削減することが望まれている。
すなわち、本発明の活性アルミナ触媒は、燃焼ガス中の亜酸化窒素を除去する活性アルミナ触媒であって、活性アルミナを含み、前記活性アルミナは、κ、δ、γ、η、χ、ρ、およびベーマイト型のいずれか一種、又はそれらの混合物により構成され、さらに卑金属を0.1質量%以上1.0質量%以下含み、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、およびIr(イリジウム)のいずれも含まないことを特徴とする。
さらに、本発明の活性アルミナ触媒において、前記卑金属は、Cu(銅)、Fe(鉄)、およびNi(ニッケル)の中から選ばれる少なくともいずれか1種である。
そして、本発明の亜酸化窒素除去方法において、前記流動層燃焼炉の炉内温度を550℃以上900℃以下に制御することが好ましい。
さらに、本発明の亜酸化窒素除去方法においては、前記活性アルミナ触媒は、前記流動層燃焼炉内の流動媒体として充填されることが好ましい。
[活性アルミナ触媒]
本実施形態の活性アルミナ触媒は、流動層燃焼炉で発生した燃焼ガス中に含まれるN2Oに接触して燃焼ガス中からN2Oを除去する。
そして、本実施形態の活性アルミナ触媒は、活性アルミナとして、κ、δ、γ、η、χ、ρ、およびベーマイト型のいずれか一種、又はそれらの混合物を含み、さらに卑金属を0.1質量%以上20質量%以下含むことが好ましい。
例えば、攪拌機付き容器にアルミナと希塩酸を混合したアルミナ含有スラリー(スラリー濃度が50質量%以下)を入れて、1〜24時間攪拌し、ろ過などで固液分離して得られる固体分を十分な水で洗浄する。水洗後の水のpHが、水洗に使う前の水と略同じpHに収まった時点で洗浄をやめる。
さらに、ほぼ完全にNa2Oを含有しない活性アルミナを製造する方法として、アルミニウムアルコキシドを加水分解しても良い。
SO3の含有量が1質量%を超える場合には、N2Oの除去性能が低下する。SO3の含有量を0.01質量%以下としたのは、通常、SO3の検出に用いられる蛍光X線分析(XRF)の検出限界であり、これ以下であれば確実にN2Oの除去性能が向上するからである。
なお、Na2Oの場合と同様に、アルミナの洗浄効率を考慮すれば、SO3の下限値は0.001質量%であり、0.001質量%未満としてもN2Oの除去性能がこれ以上飛躍的に向上するとは考えられないからである。
なお、Na2O及びSO3以外の不純物は、含有量が多い場合でもN2Oの除去性能は著しく低下することはない。
ここで、活性アルミナがα−アルミナ、θ−アルミナ、又は、α−アルミナ及びθ−アルミナの混合物の場合、N2Oの除去性能が低いため、好ましくない。そのため、活性アルミナは、κ、δ、γ、η、χ、ρ、およびベーマイト型のいずれか一種、又はそれらの混合物により構成されていることが好ましい。
また、活性アルミナがχ、ベーマイト型のいずれか一種、又はそれらの混合物で構成されている場合、Na2Oの含有量が多いと、上記塩酸による洗浄によりNa2Oの含有量を0.01質量%未満まで容易に減少させることができる。
石炭燃焼排ガス中には還元剤として有用な炭素数2以上の炭化水素はほとんど存在しないが、メタン、一酸化炭素(以下、COという場合がある。)のような反応性の低い還元剤は存在する可能性がある。Fe,Ni,Cuのいずれかを含む活性アルミナ触媒は、反応性の低いCOを還元剤として用いても、活性アルミナを単独で用いる場合に対してN2O除去性能が大きい。また、還元剤を全く使用しない条件においてCuまたはNiを含む活性アルミナ触媒は活性アルミナ単独に比べN2O除去性能が高く、特にCuを含む活性アルミナ触媒において、N2O除去性能が高い。
卑金属の含有量は、活性アルミナ触媒中、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。卑金属の含有量が0.1質量%未満の場合には、金属添加による活性向上効果が少なく、金属を添加する触媒コストの上昇に性能が見合わなくなる恐れがある。また、触媒としての性能が頭打ちになるため、20質量%を超えた場合には、金属量の増加コストに応じた性能向上が見込めない可能性がある。
流動層燃焼炉としては、例えば、常圧型、加圧型、バブリング型、循環型などが挙げられる。
次に、本実施形態の亜酸化窒素の除去方法について説明する。
まず、流動層燃焼炉内に、流動媒体として活性アルミナ触媒と燃料を充填する。充填後、流動層燃焼炉の下部から空気を流入させて、活性アルミナ触媒と燃料を流動させ、燃焼状態とする。この際、流動層燃焼炉の温度制御部により、流動層燃焼炉内の温度を550℃以上900℃以下に制御することが好ましく、600℃以上900℃以下にすることがより好ましい。この温度範囲では、燃焼ガス中にN2Oが含まれており、活性アルミナ触媒は、N2Oと接触することにより、N2Oを除去できる。燃焼温度が550℃未満であると、燃料の不完全燃焼や、燃料が本来持つ燃焼エネルギーを効率よく利用できなくなる恐れがあり、900℃を超えるとNOxが多量に発生する等の恐れがある。前記温度範囲で制御すると、強力な温暖化ガスであるN2Oの発生量が増えるリスクが高くなるが、本発明のN2O除去方法を用いることで前記リスクを著しく軽減できるので、本発明の利用価値が非常に高くなる。
実施例1〜5および比較例2〜3では、通常の含浸法により、γ−アルミナ(AKP−G015、住友化学株式会社製)に表1に示す金属を所定の割合で担持させ、活性アルミナ触媒を調製した。比較例1としては、前述のγ−アルミナを活性アルミナ触媒として、単独で用いた。
なお、γ−アルミナの不純物量は、Fe:4ppm、Si:2ppm、Na:2ppm、Mg:1ppm、Cu:1ppm以下であり、比表面積は、148m2/gであった。
活性アルミナ触媒は以下に示した金属塩を用いて含浸(蒸発乾固)法により調製した。金属塩を純水に溶解させて、アルミナに含浸後、室温でエバポレーターを用いて真空下で蒸発させた。その後120℃で24時間乾燥後、空気中で500℃4時間焼成した。触媒粉末を30−42メッシュに整粒後、空気中で800℃4時間焼成して反応に用いた。
<金属塩>
Ag(NO3) 関東化学製
Co(CH3COO)2・4H2O キシダ化学製
Cu(CH3COO)2・H2O キシダ化学製
Fe(NO3)・9H2O 関東化学製
Ni(CH3COO)2・4H2O 関東化学製
図1に示すように、実験装置1は、N2Oガス、O2ガス、Heガス、COガスおよびC2H4ガスをそれぞれ貯留するガス貯留部11a〜11dと、それぞれのガス貯留部11a〜11dに連結されたガス導入管12と、ガス導入管12が底部に連結された内径6mmの石英管13と、石英管13の頂部に連結されたガス排出管14とを備える。また、石英管13の軸方向の略中央部には、石英管13の周囲を包囲して活性アルミナ触媒を加熱する電気炉15を備える。ガス貯留部11a〜11dに連結されたガス導入管12のそれぞれには、ガス流量計121a〜121dが配置され、石英管13に導入される各ガスのガス排出管14の略中央部には、ガスクロマトグラム141が配置され、石英管13の略中央部には、温度計151に接続された熱電対152が連結されている。
アルミナ層21の上端には、石英ウール層22aを形成した。また、アルミナ層21の下端には、同様に、石英ウール層22bを形成した。これらの石英ウール層22a、22bによりアルミナ層21を保持固定している。
ヘリウムで希釈し、酸素濃度2%、N2O濃度が1000ppm、かつ、全ガスの合計流量130mL/分(常温、常圧)の割合となるよう、ガス流量計121a〜121d経由でガス導入管12から石英管13の底部に各ガスを供給した。還元剤としてCOを用いる場合、CO濃度は1000ppmとし、還元剤としてC2H4を用いる場合、C2H4濃度は500ppmとした。そして、電気炉15でアルミナ層21の温度を変化させながら、アルミナ層21にN2Oガスを通過させた。そして石英管13の頂部からガス排出管14に排出された排ガスをガスクロマトグラム141に導き、ここで排ガス中のN2O濃度を分析して各活性アルミナ触媒についてのN2O除去率を測定した。測定結果を表1に示す。
一方、比較例2のCo含有触媒及び比較例3のAg含有触媒は、還元剤の有無に関わらず比較例1のアルミナ単独および実施例1から実施例5よりN2O分解性能が低い。すなわち、本発明によれば、実施例1から実施例5までは、還元剤の有無に関わらず、流動層燃焼炉内でN2Oを有効に除去できることがわかる。特に実施例1および実施例2のCu含有触媒が有効である。
11a,11b,11c,11d ガス貯留部
12 ガス導入管
13 石英管
14 ガス排出管
15 電気炉
21 アルミナ層
141 ガスクロマトグラム
Claims (4)
- 燃焼ガス中の亜酸化窒素を除去する活性アルミナ触媒であって、
活性アルミナを含み、
前記活性アルミナは、κ、δ、γ、η、χ、ρ、およびベーマイト型のいずれか一種、又はそれらの混合物により構成され、
さらに卑金属を0.1質量%以上1.0質量%以下含み、
Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、およびIr(イリジウム)のいずれも含まず、
前記卑金属は、Cu(銅)、Fe(鉄)、およびNi(ニッケル)の中から選ばれる少なくともいずれか1種である
ことを特徴とする活性アルミナ触媒。 - 流動層燃焼炉内で、請求項1に記載の活性アルミナ触媒と亜酸化窒素を含む燃焼ガスを接触させることにより、前記亜酸化窒素を除去する
ことを特徴とする亜酸化窒素除去方法。 - 請求項2に記載の亜酸化窒素除去方法において、
前記流動層燃焼炉の炉内温度を550℃以上900℃以下に制御する
ことを特徴とする亜酸化窒素除去方法。 - 請求項2または請求項3に記載の亜酸化窒素除去方法において、
前記活性アルミナ触媒は、前記流動層燃焼炉内の流動媒体として充填される
ことを特徴とする亜酸化窒素除去方法。
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