以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明は発光装置を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
(発光装置)
本発明の実施の形態1に係る発光装置100を図1及び図2に示す。図1は発光装置100の断面図、図2は平面図を、それぞれ示す。なお図2におけるI−I’線の断面図が、図1に相当する。これらの図に示す発光装置100は、発光素子10と、これを上面に載置する透明基板20と、透明基板20に固定された一対の導電体22と、発光素子10及び導電体22を内部に含む被覆部材46と、被覆部材46の側面方向から一対の導電体22上に挿入された一対の金属プレート30とを備える。これにより、発光素子からの光の取り出しを広範囲に行えることに加えて、一対の金属プレートを異なる方向に突出させることで、電力供給のための電極で発光装置を安定して固定する。さらに金属プレートで放熱性を確保できるので、信頼性、安定性も向上する。発光素子10はLEDチップやLDチップ等が利用できる。図1のLEDチップは、透光性のダイボンド部材52で透明基板20上にダイボンドされている。
(透明基板20)
本発明の透明基板20は、載置される発光素子10からの光を70%以上透過することが可能で、且つ、発光素子10から発生した熱を金属プレート30まで伝導することが可能な支持基板である。透明基板20上に透光性のダイボンド部材52を介して発光素子10を固定することにより、発光素子10の下面から発光される光を、ダイボンド部材52内及び透明基板20を透過させ、外部に放出させることができる。このような熱伝導性を備えた透明基板20としては、サファイアやGaN、酸化ベリリウム(ベリリア)、ZnO、SiC、Si、ZnS、Al、Cu、W、AlN、ダイヤモンド、銅ダイヤモンド、ルビー等の単結晶または多結晶を用いることができる。
特に透明基板20として、導電性を有する部材を使用すると、発光素子10の載置面でも導通を得ることができるので、ワイヤボンディングは一方の電極のみで足り、ワイヤ44の数を減らして製造コストの削減と歩留まりを向上でき、この点においても信頼性の向上に寄与できる。特にワイヤ44は、これを被覆する樹脂中で熱膨張係数の違い等によって断線するおそれがあるため、ワイヤ44の使用本数を減らすことでこのようなリスクを低減できる。
透明基板20の下面は、光が放出されやすいように、非平滑面であることが好ましい。これにより透明基板の下面から光を放出されやすくできる。例えば、透明基板20の下面を研磨せず、凹凸を残したままの面とする他、意図的にストライプやディンプル等の凹凸を設けてもよい。このような下面の形状を有する透明基板20を用いることで、透明基板20の下面側に別途透光性部材を設けなくとも発光素子10下面から導光された光を効率良く外部へ取り出すことができる。さらに、透明基板20の下面形状を曲面にすることも好ましい。このようにすることで、透明基板20の下面で全反射される光の成分を低減させることができ、光の取り出し効率の高い発光装置が得られる。
また、発光素子10と透明基板20との界面における反射を低減するために、これらの間の屈折率を調整することが好ましい。発光素子10が成長基板上に素子構造体が支持されている場合、成長基板と透明基板20との屈折率差が小さいことが好ましく、または成長基板の屈折率が透明基板20の屈折率より小さくなるように両者の材質を決定することにより、光の反射を少なくすることができる。たとえば、サファイア基板に半導体層を成長させた発光素子10を用いる場合、サファイアからなる透明基板を使用することが好ましい。また成長基板を有さないGaN系半導体素子であれば、GaNからなる透明基板を用いることが好ましい。
(ダイボンド部材52)
本実施形態におけるダイボンド部材52として、発光素子10と透明基板20とを固定すると共に、発光素子10からの光を透過することが可能な材料であれば、特に限定されず、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の有機材料、無機材料、およびこれらのハイブリッド材料を用いることができる。具体的には、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂であるアクリル樹脂やポリイミド樹脂等が挙げられる。また、ダイボンド部材52は、光や熱等による劣化で着色すると、光の取り出し効率が低下するため、耐熱性、耐光性、および熱伝導性を備えることが望ましい。また、ダイボンド部材52の熱膨張率を調整するため、あるいは導電性を高めるため、これらの樹脂にフィラーを含有させることもできる。
(金属プレート30)
透明基板20上には、導電体22を介して被覆部材46の側面方向から挿入された金属プレート30の端部が固定されている。金属プレートの端部の角部は、図3の平面図に示す金属プレート30Bのように丸みを帯びていることが好ましく、これにより透明基板20と固定した後の残留応力を緩和することができる。金属プレート30は、熱伝導性と導電性に優れた素材の表面に、発光素子10からの光を反射することが可能な金属メッキを施すことが好ましい。
熱伝導性に優れた素材として、例えば銅、鉄・ニッケル・コバルトの合金であるコバール(商標)や銅、あるいはコバールと銅の合金等等が挙げられる。これらの素材は、通常の導電体よりも熱伝導性に優れているので、放熱性を向上して更なる高出力にも対応できる。特に本発明において、耐食性、耐摩耗性、メッキ性、ろう付け性、耐応力腐食割れ性、導電性、熱伝導性に優れ、プレス、曲げ、絞り等の加工性にも優れたりん青銅を用いることが好ましい。
また、上記の素材の表面にメッキを施す前に、予め銅ストライクメッキを施すことが好ましい。このように、素材の酸化物除去し、活性化とメッキを同時に行うことにより、素材が密着性のよい銅皮膜で覆われ、この後のメッキの付き回りが改善されると同時に、耐食性も向上することができる。更に、メッキ浴中への素材金属の溶解も防ぐことができ、浴の汚染を防止することもできる。
このように表面処理された素材に、発光素子10からの光を反射することが可能なメッキを有していることが好ましい。特にメッキとして、光沢度が90以上である導電性膜が設けられていることが好ましい。ここで本明細書における光沢度とは、JIS規格に基づき、発光素子10からの光を60°で入射したときの鏡面反射率が%となる、屈折率1.567のガラス面を光沢度0と規定し、日本電色工業株式会社製VSR300A微小面色差計にて測定した値である。具体的なメッキ主材料として、Au,Ag,およびAl等が挙げられる。また、金属プレート30と発光素子10とを金属製のワイヤ44にて電気的に接続する場合、金属プレート30の表面メッキの主材料は、金属ワイヤ44との主材料と同一にすることが好ましい。
金属プレート30は、ワイヤ44等により発光素子10と接続される略矩形形状の端部と、透光性部材から露出し外部に取り付けられる他方の端部とを有している。本実施の形態の発光装置において、他方の端部は、後述する図14等に示す金属プレート30Cのように、端部と同じ幅の略矩形形状と端部よりも幅広く形成された略正方形とからなる凸形状で構成されている。このように構成されることにより、外部への放熱性および実装性を向上させることができる。また、略凸形状の角部は、角取りされていることが好ましく、このような形状とすることにより、ハンドリングしやすい発光装置が得られる。また凸形状の面積の広い箇所には、外部へ固定するためのプレートねじ孔31を設けることも可能であり、これにより熱伝導率の高い金属等に有機物を介さずに固定することが可能となる。
金属プレート30は、発光素子10の左右に離間して設けられて、被覆部材46の向かい合う側面からそれぞれ露出している。これにより、発光素子10から透明基板20を介して左右へ熱引きをすることができ、外部へ効率よく放熱することができる。また、発光素子を多数載置する場合や、同一面側に両電極を有する発光素子をフリップチップ実装する場合等は、一対の金属プレートの間に、発光素子より幅の狭い導線を設けることも可能である。これにより、発光素子を下面から発光される光を遮ることなく、あらゆる方法にて実装することが可能となる。また、後述するように、左右に延長された金属プレート30は、透光性バルブ60内に固定する際の取り付け部となる。
(導電体22)
透明基板20上と金属プレート30とは、透明基板20上に予め形成された導電体22を介して溶接される。導電体22の塗布面積は、透明基板20と金属プレート30との接合面より広い、もしくは小さいことが好ましい。つまり、接合面と合金膜面との形状が異なっていることが好ましく、これにより溶接後の透明基板20に発生する残留応力を小さくすることができ、信頼性の高い発光装置を得ることができる。特に、透明基板20と金属プレート30との接合面より広い場合、接合強度を保ちつつ上記残留応力を低下させることができ、好ましい。導電体22は、透明基板20と金属プレート30との熱膨張差を緩和することが可能で熱伝導性を有するものが好ましく、具体的にはタングステンやモリブデン、およびこれらの少なくとも1種と銅との複合材料を用いることが好ましい。導電体22は、印刷にて形成することが好ましい。
また、透明基板20の表面において、一対の導電体22の占有率は、20%〜50%であることが好ましい。50%より大きい場合、光の取り出し効率が低下する他、透明基板20と一対の導電体22の接合時の残留応力が大きくなる。20%より小さい場合、透明基板20と一対の導電体との接合強度を得ることができない。また、一対の導電体22の内部接合用端子部の厚みは、透明基板20の厚みの20%〜50%であることが好ましく、20%より薄い場合、透明基板20と一対の導電体の接合時の残留応力が大きくなり、50%より厚い場合、透明基板20と一対の導電体との接合強度を得ることが困難となる。
なお、これら発光素子10と透明基板20とを接合するダイボンド部材52、透明基板20と導電体22とを接合する接着材であるバインダ樹脂自体の熱伝導性を改善することで、これら接合界面での熱伝導性を維持できる。例えばバインダ樹脂に粉末状のアルミナやダイヤモンド等を混入することで、熱伝導性が向上する。
(被覆部材46)
このようにして透明基板20上に、発光素子10、導電体22が固定され、必要なワイヤ44のボンディング等を行った後、周囲を透光性を有する樹脂等の被覆部材46で被覆する。被覆部材46としては耐熱、耐光性に優れたシリコーン樹脂が好適に使用できる。図1の例では、透明基板20上の発光素子10が、下方の透明基板20の形状と外形がほぼ同一である矩形状のシリコーン樹脂にて覆われている。
(第二の透光性部材40)
さらにこの上から、第二の透光性部材40で被覆してもよい。図4に、第二の透光性部材40で被覆した発光装置200の断面図を示す。この図に示すように、第二の透光性部材40の表面を球状とすれば、発光素子から発する光を球形の透光性部材で周囲に無指向に放出できる。特に第二の透光性部材40を光学レンズとして機能させることも可能であり、これにより全方向へ均等な光を放出することが可能な発光装置が得られる。第二の透光性部材40は、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂、ガラス等にて形成することができる。また、第二の透光性部材40は、トランスファー成型等によってあらゆる光学レンズ状の曲面に成型することができる。
一方、必ずしも第二の透光性部材40を光学レンズ状あるいはその他の球状等の曲面状に形成する必要はない。例えば図5に示す発光装置300のように、第二の透光性部材40Bを矩形状に形成することもできる。矩形状であれば、成型を容易に行える利点がある。また後述するように発光装置を透光性バルブ60内に保持する構成においては、透光性バルブ60に光学レンズを持たせることができるので、透光性部材40の構成を簡素化できる利点も得られる。
また、発光素子10の周囲には、図4に示すように必要に応じて波長変換部材50を配置できる。波長変換部材50は、発光素子10の発光を吸収して波長変換し、異なる光を発光することができる。このような波長変換部材50は、蛍光体を含む樹脂層やガラス層等が好適に利用できる。例えば図5の例では、透光性部材40の表面に、蛍光体を含む波長変換部材50Bを層状にコーティングし、波長変換層を形成している。このように、光学レンズ状の曲面上に均一に波長変換層を形成することで、均一な混色が得られる。また、使用する発光素子の数や配置に応じて、波長変換層中の蛍光体の分布を偏らせることもできる。言い換えると、波長変換部材は発光素子の全周に配置する必要はなく、上面や下面といった光量が多くなる領域に重点的に配置することもできる。
また波長変換部材50は、第二の透光性部材40に含めることもできる。例えば図6に示す発光装置400のように、透光性部材40Cであるエポキシ樹脂中に蛍光体48を混入することで、波長変換部材として機能させることができる。あるいは図7に示す発光装置400Bのように、波長変換部材を被覆部材46Bに含めることもできる。すなわち被覆部材46Bを構成するシリコーン樹脂等に蛍光体48を混入させることで、波長変換部材を兼用させ、製造工数やコストの削減といった効果が得られる。また、蛍光体48は被覆部材46Bのみならず、ダイボンド部材52Bにも混入させる、もしくは透明基板20の周囲を蛍光体層でラミネートコーティングする等によって、LEDチップの下面も含めた全面から放出される光を波長変換させることができる。あるいはまた、透光性バルブの内面に蛍光体を塗布した波長変換層を形成する構成も利用できる。
(透光性バルブ60)
このようにして得られた発光装置500は、単体で使用することもできるが、照明装置にセットすることで照明等として利用し易くできる。図8は、照明装置の一例として、白熱電球と同様の外形に設計された透光性バルブ60内に、フィラメントに替わって本発明の発光装置500を配置した状態の断面図を示している。透光性バルブ60は、透光性のガラス等で構成された電球状の部材である。透光性バルブ60は、内部に一対の支持リード62が配置され、一対の支持リード62の先端部は、発光装置の金属プレート30の外部接続用端子部の受け口が形成されている。この例では、支持リード62の先端部は図9の拡大斜視図に示すように、凹部63を形成しており、この凹部63に金属プレート30を挿入し、ねじ止め等により固定される。ねじ止めのため、例えば図9に示すように発光装置500の金属プレート30にプレートねじ孔31Bを開口させ、一方支持リード62にも対応する位置にリードねじ孔65を開口する。そして図8に示すように発光装置500のLEDチップが、発光装置500の側面に面する姿勢で、金属プレート30を凹部63に挿入して位置決めし、水平方向からねじ66をプレートねじ孔31Bとリードねじ孔65に挿入して螺合する。これによって、発光装置を確実に固定できる。また支持リード62に凹部を設けることなく、リードねじ孔65のみでも、ねじを直接プレートねじ孔とリードねじ孔に螺合して固定できる。さらに固定方法はねじ止めに限らず、リベットやかしめ、溶接、接着、係止、係合、嵌合など、他の手段も利用可能であることは言うまでもない。
またLEDチップの上面が透光性バルブの側面を向く姿勢に固定することで、LEDチップの上面及び下面から発する光を直接外部に取り出せるという利点が得られる。すなわち、従来のLEDでは一方向から光を取り出すため、反射層やリフレクタを設けており、このため指向性が強くなる傾向があり、広範囲への光放射が求められる照明用途としては不向きという問題があった。また、上記のように反射層やリフレクタにて光を全反射させて外部へ取り出すことは不可能であった。そこで、LEDチップの上面が照明装置の側面に面するような姿勢とすることで、上面及び下面からの光を直接光出力として取り出すことにより、LEDチップからの光を効率よく外部へ取り出すことができる。これによって反射板等の部材が不要となりコスト面で有利となる他、反射部材による光のロスや指向性が強くなる問題も回避できる。また、LEDチップは、上面や下面のみならず側面からも光を放射するものであり、このような発光素子の光を効率よく全面から取り出すことで、発光装置の側面周囲および上下への光出力を十分に確保することができる。
また、図10に示すようにLEDチップの上面を透光性バルブの上面側に指向させた姿勢で固定することも可能である。本実施の形態の発光装置においてLEDチップは上面、下面、側面など周囲の全面から光を放出するので、発光装置をいずれの姿勢で配置しても、広範囲に光を照射できる。重要なことは、LEDチップからの光を遮る部材を極力排することであり、いわばLEDチップを透光性バルブ等の発光装置内部で浮かせたような状態に近付け、LEDチップの周囲の全面から発される光を効率よく外部に取り出せる構造を採用したことであり、これによって広い範囲に照明可能な照明装置として好適に機能させることが可能となる。図10の例では、図11に示すように支持リード62Bの先端部に凹部63Bを形成しており、この凹部63に金属プレート30を挿入し、上方向からねじ66による螺合等により固定される。
また透光性バルブ60は、既存の白熱電球用のソケットに螺合可能な口金64を設けている。口金64の電極は、支持リード62と接続されている。口金64の電極に供給される電力で、パッケージ状発光装置500の発光素子10が駆動されるように設計することで、この発光装置を既存の白熱電球と同様に使用することができ、既存の白熱電球を使用した照明を発光素子に置き換えることが容易となる。特にLEDチップ等を使用した発光装置は、白熱電球に比べて低消費電力で発熱も少なく長寿命であり、電球交換等のメンテナンスも省力化でき、省資源、省ゴミ化の要求にも適用可能な次世代照明として、極めて有用である。
さらに従来のLED等の発光素子では、指向性が強いため広範囲に照明する用途には不適であったが、上述の通り発光素子10を載置する透明基板20を透光性とし、さらに発光素子10の周囲全体をレンズ状に透光性部材40で囲むことで、全周囲から光を取り出す構成により、広範囲に光を放出して一般照明用途にも利用可能な照明とすることが可能となった。
また、透光性バルブ60の形状は、照明として種々のデザインが採用できる。既存の白熱電球と同様としてこれらを置換する他、専用の設計としても良いことは言うまでもない。例えば透光性バルブを円筒状としてもよい。また、この円筒状の透光性バルブの内面に波長変換部材として蛍光体層を塗布してもよい。この照明装置は、内部に配置したパッケージ状発光装置には波長変換部材を含まず、代わりに透光性バルブに波長変換部材として蛍光体を混入したコーティングを内面に塗布している。あるいは、パッケージ状発光装置と透光性バルブに、それぞれ波長変換部材を付加する構成とすることもできる。複数の蛍光体を混入する等した波長変換部材を組み合わせることで、2波長、3波長型の照明とする等、所望の発光色を得ることができる。
さらに、透光性バルブの内部を充填材で充填したり、透光性バルブ自体をモールドにより成型することもできる。モールドや充填によって、LEDチップや蛍光体を外部応力、水分および塵芥等から保護する。特に、比較的小型の照明装置においては、モールド量が少なく、重量の増加も問題とならないので、好適に利用できる。
(支持リード62)
支持リード62は、導電性及び熱伝導性に優れた金属製とし、例えばステンレス、鉄、銅、アルミニウム等が利用できる。また金属プレート30と同じ部材とすることも好ましい。支持リード62に発光装置500を熱伝導及び導電可能に装着することで、発光装置500に支持リード62を介して電力が供給されるとともに、発光装置500で発生した熱は支持リード62に熱伝導されて放熱される。
あるいは図12に示すように、パッケージ状発光装置600の金属プレート30D自体を延長し、折曲して口金64の内部に固定する構成としてもよい。これによって、金属プレート30Dを支持リードに兼用して、部品点数や製造工数を低減できる。
透光性バルブ60の内部は、通常の空気とすることもできるが、内部を気密にして不活性ガスを封入したり、真空にすることもできる。例えば内部から酸素を排除することで、パッケージ状発光装置500から突出した金属プレート30が酸化して劣化する事態を抑制でき、信頼性の向上に繋がる。
一方、透光性バルブ60内部の支持リード62は、これで支持する発光装置500を脱着式とすることもできる。これにより、出力の低下した発光装置を交換したり、発光色の異なるパッケージ状発光装置に交換することも可能となり、使い勝手がさらに広がる。
なお、以上のように透光性バルブに収納するパッケージ状発光装置とする場合は、発光素子を被覆する第二の透光性部材を形成する必要はない。
以上の例では、金属プレート30をほぼ左右対称に透明基板20に設け、ワイヤ44でそれぞれ電気配線した構成を示したが、この構成に限られるものでない。図1等の例では発光素子10として、下面を絶縁し、上面にn側電極、p側電極を設けたため、2本のワイヤ44を必要としているが、発光素子の下面を電極面(例えばn側電極)とし、さらに透明基板を導電性部材とすることで、上面に1本のワイヤのみで導通を得ることもできる。
(発光素子10)
本明細書において発光素子10とは、LED、LD等の発光素子10が利用できる。本発明の実施の形態においては、発光素子10として波長が550nm以下、好ましくは460nm以下、さらに好ましくは410nm以下の発光素子10を利用する。例えば紫外光として250nm〜365nmの波長の光を発する紫外光LEDを利用できる。例えば発光素子10として紫外光を出力するLEDチップ等を利用し、波長変換部材50で可視光に変換する構成とすることもできる。なお、本明細書においては光とは可視光、不可視光を含む意味で使用する。
LEDやLDを構成する各半導体層としては、種々の窒化物半導体を用いることができる。具体的には、有機金属気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HVPE)等により成長基板上にInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の半導体を複数形成させたものが好適に用いられる。LEDは一般的には、特定の成長基板上に各半導体層を成長させて形成される。例えば成長基板として、サファイア、スピネル、SiC、GaN、およびGaAs等公知の部材が用いることができる。サファイア等の絶縁性基板を用い、その絶縁性基板を最終的に取り除くことも可能である。
また、発光素子10は、420nmから490nmの範囲において主発光ピークを変更することができる。また、発光波長は、上記範囲に限定されるものではなく、360〜550nmに発光波長を有しているものを使用することができる。特に、発光装置を紫外光LED発光装置に適用した場合、励起光の吸収変換効率を高めることができ、透過紫外光を低減することができる。
(蛍光体)
蛍光体は、発光素子10から放出された可視光や紫外光を他の発光波長に変換する。ここでは、吸収光の波長より長波長の光を放出する波長変換材料として蛍光体を使用し、発光素子10の発光と蛍光体の変換光の混色により所望の光を外部に放出させる。蛍光体は透光性を備えており、例えばLEDの半導体発光層から発光された光で励起されて発光する。好ましい蛍光体としては、ユーロピウムが附括されたYAG系、銀とアルミニウムによって共附括された硫化亜鉛、アルカリ土類窒化珪素蛍光体等のナイトライド系、アルカリ土類酸化窒化珪素蛍光体等のオキシナイトライド系の蛍光体が利用できる。また紫外光により励起されて所定の色の光を発生する蛍光体を用いてもよい。
これらの蛍光体は、発光素子10の励起光により、黄色、赤色、緑色、青色に発光スペクトルを有する蛍光体を使用することができる他、これらの中間色である黄緑色、青緑色、橙色等に発光スペクトルを有する蛍光体も使用することができる。これらの蛍光体を種々組み合わせて使用することにより、種々の発光色を有する発光装置を製造することができる。
例えば、緑色から黄色に発光するCaSi2O2N2:Eu、又はSrSi2O2N2:Euと、蛍光体である青色に発光する(Sr,Ca)5(PO4)3Cl:Eu、赤色に発光する(Ca,Sr)2Si5N8:Euとからなる蛍光体を使用することによって、演色性の良好な白色に発光する発光装置を提供することができる。これは、色の三源色である赤・青・緑を使用しているため、第1の蛍光体及び第2の蛍光体の配合比を変えることのみで、所望の白色光を実現することができる。
蛍光体は、平均粒径が3μm以上、好ましくは5μm〜15μmとする。微細な蛍光体は分級等の手段で分別し排除し、粒径が2μm以下の粒径の粒子は体積分布で10%以下となるようにする。これによって発光輝度の向上を図ることができるとともに、2μm以下の粒径の粒子数を低減することによって光の配向方向の色度ばらつきを低減することができる。
ここで粒径は、空気透過法で得られる平均粒径を指す。具体的には、気温25℃、湿度70%の環境下において、1cm3分の試料を計り取り、専用の管状容器にパッキングした後、一定圧力の乾燥空気を流し、差圧から比表面積を読みとり、平均粒径に換算した値である。本発明で用いられる蛍光体の平均粒径は2μm〜8μmの範囲であることが好ましく、さらに、この平均粒径値を有する蛍光体が、頻度高く含有されていることが好ましい。また、粒度分布も狭い範囲に分布していることが好ましく、特に粒径2μm以下の微粒子が少ないと好ましい。このように粒径及び粒度分布のバラツキが小さい蛍光体を用いることにより、より色ムラが抑制され、良好な色調を有する発光装置が得られる。
(波長変換部材50)
以上のような蛍光体を樹脂に混入し、蛍光を含有する波長変換部材50を構成する。波長変換部材50を構成する蛍光含有樹脂には熱硬化性樹脂が利用できる。蛍光体は、蛍光含有樹脂中にほぼ均一の割合で混合されていることが好ましい。ただ、蛍光体が部分的に偏在するように配合することもできる。例えば、蛍光含有樹脂の外面側に蛍光体が多く含まれるよう偏在させ、発光素子10と蛍光含有樹脂との接触面から離間させることにより、発光素子10で発生した熱が蛍光体に伝達し難くして蛍光体の劣化を抑制できる。蛍光含有樹脂は、シリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物等を使用することが好ましいが、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物、アクリル樹脂組成物等の透光性を有する絶縁樹脂組成物を用いることもできる。また蛍光含有樹脂中には、顔料、拡散剤等を混入することもできる。
蛍光含有樹脂は、硬化後でも軟質であることが好ましい。硬化前は、発光素子10の周囲に蛍光含有樹脂を行き渡らせ、かつ、フリップチップ実装させる発光素子10とリード電極とを電気的に接続する部分以外の隙間部分へ蛍光含有樹脂を浸入させるため、粘度の低い液状のものが好ましい。また蛍光含有樹脂は、接着性を有していることが好ましい。蛍光含有樹脂に接着性を持たせることにより、発光素子10と透明基板20との固着性を高めることができる。接着性は、常温で接着性を示すものだけでなく、蛍光含有樹脂に所定の熱と圧力を加えることにより接着するものも含む。また蛍光含有樹脂は、固着強度を高めるために温度や圧力を加えたり乾燥させたりすることもできる。
(拡散剤)
さらに、蛍光含有樹脂中に蛍光体の他に拡散剤を含有させてもよい。具体的な拡散剤としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素等が好適に用いられる。これによって良好な指向特性を有する発光装置が得られる。
ここで本明細書において拡散剤とは、中心粒径が1nm以上5μm未満のものをいう。1μm以上5μm未満の拡散剤は、発光素子10及び蛍光体からの光を良好に乱反射させ、大きな粒径の蛍光体を用いることによって生じやすい色ムラを抑制することができるので、好適に使用できる。また、発光スペクトルの半値幅を狭めることができ、色純度の高い発光装置が得られる。一方、1nm以上1μm未満の拡散剤は、発光素子10からの光波長に対する干渉効果が低い反面、透明度が高く、光度を低下させることなく樹脂粘度を高めることができる。
(フィラー)
さらに、蛍光含有樹脂中に蛍光体の他にフィラーを含有させてもよい。具体的な材料としては、拡散剤と同様のものが使用できる。ただ、拡散剤とフィラーとは中心粒径が異なり、本明細書においてはフィラーの中心粒径は5μm以上100μm以下とすることが好ましい。このような粒径のフィラーを透光性樹脂中に含有させると、光散乱作用により発光装置の色度バラツキが改善される他、透光性樹脂の耐熱衝撃性を高めることができる。これにより、高温下での使用においても、発光素子10と外部電極とを電気的に接続しているワイヤ44の断線や発光素子10下面とパッケージの凹部底面と剥離等を防止可能な信頼性の高い発光装置とできる。さらには樹脂の流動性を長時間一定に調整することが可能となり、所望とする場所内に封止部材を形成することができ、歩留まり良く量産することが可能となる。
以上のような構成の発光装置を使用して、自由度の高い多様なデザイン設計が可能となる。例えば図13のような形態の発光装置700を構成でき、例えば照明として要求される機能やデザインに応じた仕様の発光装置を設計できる。図13に示す発光装置700は、透明基板20の下方向のみに光学レンズ40Dを設け、透明基板20から取り出された光を発光素子10B載置方向へ取り出すことができる。このように構成することにより、発光素子10の多方向から取り出した光を一方向へ集光させることができ、高輝度に発光することが可能な発光装置を得ることができる。
なお、以上の例では波長変換部材50を発光素子10の周囲に配置する構成としたが、波長変換部材を配置せず、発光素子の光をそのまま出力する発光装置としても良い。例えば青色LEDを使用した青色の照明装置や、黄色、緑色等のLEDを使用した黄色、緑色等の照明装置を得ることができる。
また以上の例では、1個のLEDチップを使用した発光装置を説明したが、発光素子10は複数利用することもできる。例えば図14の平面図に示すように、LEDチップ10Cを4個使用し、一対の金属プレート30C同士の間で2個を直列に接続し、さらにこれを2組並列に電気接続したLEDチップ10Dを使用する発光装置1200とすることで、発光出力を増加させることもできる。また図15の平面図に示すように、フィラメントの長さ方向に、複数のLEDチップ10Dを配置したライン状の光源を使用することもできる。図15の例では、12個のLEDチップ10Dを水平に並べ、この内6個を一組として直列に接続し、さらにこれらの組を並列に接続している。またワイヤボンディングによる配線を容易にするため、各導電体22Dから中央付近までリード領域23を延長している。また図16に示すように、LEDチップ10Eのワイヤボンディングのための共通のリード領域23Bを中央に独立して設けてもよい。
このように本実施の形態によれば、発光素子10を利用した高性能な照明装置を得ることができる。従来の発光装置では、金属プレート30上にLEDチップを配置すると、導電体22で下方向への光が遮られてしまうという問題があった。これに対して本実施の形態では、発光素子10の下面発光領域を導電体22上に直接配置しない。すなわち発光素子10を構成するLEDチップの一番広い面である上面や下面に面するようには導電体22を配置せず、側面側に配置することで、下方向への光の取り出しを可能とした。
また一般に、発光素子10を載置する基板は絶縁基板を使用しているため、熱伝導性が悪く、放熱性が不十分となる。さらにこのような発光素子10をそのままガラス製バルブ中に封入すると、高温になり信頼性が低下する。そこで本実施の形態では、発光素子10を透明基板20上に配置し、熱伝導性及び放熱性を向上させている。さらに透明基板20を導電性とすれば、熱伝導性が飛躍的に改善されるので、高出力の発光素子10を安定して使用可能な高性能、高信頼性とできる。