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JP5707331B2 - 黒液回収ボイラの床を空にするための方法および装置 - Google Patents
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JP5707331B2 - 黒液回収ボイラの床を空にするための方法および装置 - Google Patents

黒液回収ボイラの床を空にするための方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、黒液回収ボイラの床を空にすることに関する。具体的には、本発明は、ボイラの停止中に、スメルトや洗浄水を取り除いて黒液回収ボイラを空にすることに関するが、単にこれだけに関するわけではない。
発明の背景
黒液回収ボイラは、パルプ製造に関連して生成された黒液を燃やすために使用される。黒液は、有機物や水の他に種々のナトリウム塩を含有する。ボイラの動作中、これらの塩は、炉床上にスメルトプールを形成する。スメルトは、そこからスメルト吐出口を通って溶解タンクに連続的に流れる。スメルト吐出口は、典型的には、炉床の高さから約250mm上に位置する。典型的には、動作中連続的に、炉床上に少なくとも約300mmのスメルト層が存在する。
黒液ボイラを例えばメンテナンスのために停止する場合、炉床はスメルトに覆われたままである。床が冷えると、スメルトは凝固して、固い「固形物」を形成する。この固形物は、メンテナンス作業または点検のために床を清浄することが目的である場合、洗浄や切削によって除去しなければならない。床の清浄のためにボイラの停止期間が大幅に延びてしまう。そこで、その時間を短縮する目的で、ポンピングによりスメルトを炉から除去するための方法および装置が考案されている(フィンランド国特許出願第974206号明細書)。ポンピングは、ボイラの停止中に、スメルトの表面がスメルト吐出口の開口部の下側縁の高さに達した場合に開始される。スメルトの加熱は、ガスまたは油を燃やすことによって継続され、ポンピングには渦巻きポンプが使用される。
渦巻きポンプを使用する際、スメルトは、一方の端部が管口で他方の端部がポンプドライブである直線的な管を使用して、炉床からポンプで送出される。この管の中央部付近には湾曲部分が存在するが、その部分は排出管を形成し、そこを通ってスメルトが管から排出される。スメルトプールがボイラの最深部にあるような床形状を有する黒液回収ボイラ、すなわちスメルトプールがスメルト吐出口に近い位置にあるような床形状を有する黒液回収ボイラにおいては、プールの最深位置から渦巻きポンプでスメルトをポンプで送出することができない場合がある。つまり、多くの場合、相当量のスメルトが、ポンピングの後に炉床に残る場合がある。この結果、洗浄に必要とされる時間が延びることになり、ひいてはボイラの停止時間が延びることになる。渦巻きポンプの使用に関する別の問題として、このポンプの設置には、スメルト吐出口の近接部においてかなり長時間の作業が必要であることが挙げられる。
フィンランド国特許出願第20065668号は、ボイラの停止中に、スメルトを取り除いて黒液回収ボイラの床を空にするための方法および装置を開示する。床は、スメルトエダクタでスメルトを炉から吸引することによって空になる。スメルトの排出方向に加圧ガスが排出されるように、加圧ガスをエダクタの吸引管内に導くことによって、陰圧が装置中に生成される。
フィンランド国特許出願第974206号明細書 フィンランド国特許出願第20065668号明細書
本発明の目的は、スメルトを黒液回収ボイラから吸引する効率をさらに上げることを可能にする方法および装置を提供することにある。
本発明の第1の側面によると、黒液回収ボイラの停止中に該ボイラの床を空にする方法であって:吸引器内部の出口から、該吸引器の排出方向に圧力媒体が排出するように構成することによって、該吸引器に陰圧吸引力を生成することと;前記吸引器により、陰圧吸引力によって、前記黒液回収ボイラの壁面の開口部を通じて前記黒液回収ボイラからスメルトを吸引することと;前記圧力媒体を前記出口から排出する前に該圧力媒体を予熱することと;を含む方法が提供される。
本発明のある実施形態では、スメルトは、圧力媒体管を通じて供給される圧力媒体を使用して生成される陰圧吸引力により、吸引器を使用して、黒液回収ボイラの壁面の開口部を介して黒液回収ボイラから吸引される。また、吸引器内に配される圧力媒体管の排出口から排出される前に圧力媒体が予熱される。
本発明のある実施形態では、吸引器に必要とされる陰圧は、ガスが吸引器の排出方向に排出されるように、加圧ガスまたは加圧蒸気等の圧力媒体を吸引器内に導いて該吸引器の排出方向に排出することによって生成される。
本発明のある実施形態では、圧力媒体の加熱は高温のスメルトを用いて行われる。本発明のある実施形態では、圧力媒体は、吸引管内へ入る前に、高温のスメルトによって、および/またはスメルトとは異なる別の熱源によって加熱される。したがって、本発明のある実施形態では、圧力媒体は、吸引器の吸引管の外部に位置する圧力媒体管または圧力媒体チャネルを圧力媒体が流れる間に、高温のスメルトによって、および/またはスメルトとは異なる別の熱源によって加熱される。ある実施形態では、圧力媒体は、吸引器の吸引管内における圧力媒体管において圧力媒体が流れる間に、高温のスメルトを使用して加熱される。
本発明のある実施形態では、圧力媒体は、電気抵抗器等の、スメルトとは異なる別の熱源を使用して加熱される。
本発明の第2の側面によると、黒液回収ボイラの床を空にするための吸引器であって、スメルトを前記黒液回収ボイラから吸引する陰圧吸引力を圧力媒体を用いて生成する構成と、前記圧力媒体を加熱する予熱構成とを備える吸引器が提供される。
本発明のある実施形態では、前記吸引器は圧力媒体管を備え、その排出口は、吸引器が備える吸引管内に存在する。前記予熱構成は、排出口の前に圧力媒体を予熱するように構成される。
本発明のある実施形態では、吸引器は、吸引器が備える吸引管の形状に沿った形状の圧力媒体管を備える。
本発明のある実施形態では、吸引器は、吸引器が備える吸引管内に延設される圧力媒体管を備える。
本発明のある実施形態では、吸引器は、吸引器が備える吸引管の外面に沿って延設される圧力媒体管を備える。
本発明のある実施形態では、吸引器は、加熱抵抗器等の、別の圧力媒体加熱装置を備える。
本発明のある実施形態では、前記加熱抵抗器は圧力媒体管を加熱するように構成される。好ましくは、前記加熱抵抗器は圧力媒体管を囲む。
本発明のある実施形態では、前記予熱構成は、スメルトエダクタの使用中の高温のスメルトで加熱する範囲にわたってスメルトエダクタに配置される圧力媒体管を備える。
本発明のある実施形態では、吸引器は、排出に使用される陰圧を生成し、スメルトは、陰圧吸引力によって吸引される。
本発明のある実施形態では、使用されるスメルトエダクタは、非機械的装置のようなものである。吸引は、例えば、高速で排出されるガスまたは蒸気によって生成される。ある実施形態では、ガスまたは蒸気は、吸引器内に導かれ、吸引器内においてその排出方向に流れるように更に導かれる。ある実施形態では、ガスは、まず摩擦によりその周囲のガスを引き込む傾向にあり、その直後(スメルトエダクタが実際に動作を開始する際)、ガスはスメルトを黒液回収ボイラから引き込む。
本発明のある実施形態では、スメルトは、黒液回収ボイラの壁面の開口部を通じて吸引される。本発明のある実施形態では、その開口部は、スメルト吐出口開口部または空にする目的で配される別の開口部である。
本発明のある実施形態では、スメルトは、スメルトエダクタを使用して、黒液回収ボイラの炉からスメルト吐出口内に吸引される。または、直接もしくは吐出口を通じてスメルトプールもしくは溶解タンク、または別の回収システムに吸引される。吸収される物質は、好ましくは、スメルトである。ある実施形態では、吸収される物質は洗浄水であってもよい。
本発明のある実施形態では、床を空にすることは、スメルトが依然としてスメルト吐出口に流れている場合に開始するように進められる。この時点で、依然として非溶解スメルトが炉の隅に存在する場合、例えば、スメルトの溶解は、黒液の噴霧が炉床全体に均一に配分されるように黒液を炉に噴霧し、かつ黒液の噴霧を調整することによって同時に続けられてもよい。
本発明のある実施形態では、スメルトの排出は、炉の床からスメルトが完全に無くなるまで続けられる。本発明のある実施形態では、炉の床上のスメルトプールが空になる前に黒液タンクが空になる場合、床の加熱は、オイルバーナまたはガスバーナのみを使用して続けられる。排出の開始は、スメルトの加熱がガスバーナまたはオイルバーナのみに依存する期間を短くするべく、早く始まるようにスケジュール化され、床が空になる前にスメルトが凝固する時間がないようにする。
本発明のある実施形態では、スメルトプールの最深位置からスメルトが吸引されるようにエダクタを配置および成形することによって、黒液回収ボイラの停止が早まり、これによって、より完全に床を空にすることができる。結果として、ボイラは、床を空にした後、より速く冷却されるので、炉と、炉の上側部分に位置する過熱器との洗浄の開始を早めることができる。
本発明のある実施形態では、黒液回収ボイラの停止中にボイラの床を空にするための吸引器が提供され、この吸引器は、黒液回収ボイラの壁面に配置された開口部に設置されるように適合され、吸引器は、黒液回収ボイラからスメルトを空にするための吸引力を生成するための機構を備える。
本発明のある実施形態では、スメルトエダクタは、吸引口および排出口を有する吸引管を備える吸引器として使用され、この吸引管は、吸引口を通じて黒液回収ボイラの炉からスメルトを吸引するように構成され、排出口は、エダクタからスメルトを排出するように配置される。
本発明のある実施形態では、吸引器は、ボイラにおける開口部の適所に設置される場合に、吸引管の吸引口が床に近いスメルトプールの深い位置に配置され、かつ排出口が、スメルト吐出口にまたは直接排出タンクにスメルトを排出するように設計される。ある実施形態では、吸引器は、黒液回収ボイラのスメルト吐出口の形状に適合するように設計される。
本発明のある実施形態では、吸引器の吸引管に少なくとも1つの湾曲部が配置され、その角度は、吸引口および排出口の位置を決定する。好ましくは、吸引口と湾曲部との間の吸引管の部品は、炉床上の所望の位置に吸引口が到達するように設計される。エダクタが黒液回収ボイラの壁面の開口部に設置される場合、吸引管のこの湾曲部品はまた、炉から外側のエダクタの移動を制限するように構成されることが好ましい。
本発明のある実施形態では、吸引器は、吸引器が備える圧力媒体管内に圧力媒体を導き、予熱し、圧力媒体管が備える排出口から吸引器の排出方向に排出することによって陰圧吸引力を生成するように構成される。
本発明のある実施形態では、吸引器は、予熱された加圧ガスを圧力媒体管内に導き、吸引器の排出方向に排出することによって陰圧吸引力を生成するように構成される。
本発明のある実施形態では、スメルトエダクタは、エダクタが備える加圧ガス接続部からエダクタ内に加圧ガスを導き、そのガスをエダクタの排出方向に排出することによって、陰圧吸引力を生成するように構成される。エダクタは、例えば、溶接によって吸引管に適合された加圧ガス管を有してもよい。この加圧ガス管は、エダクタをボイラ壁面の開口部の適所に押し入れる事を補助する設置アームとして使用されてもよい。
本発明のある実施形態では、加圧ガス管は、加圧ガス管が吸引管内に延在し、かつ排出口に向かうように、吸引管の直径よりも小さい。これは吸引管に溶接される。
本発明のある実施形態は、陰圧吸引に基づくスメルトエダクタであって、スメルトスメルト吐出口に流れる間であっても安全に適所に設置可能であり、装置の吸引管に可動部分は存在しないために機械的故障に強い、スメルトエダクタを使用することを伴う。
本発明の種々の実施形態は、本発明の側面のうちの1つまたはいくつかに関連してのみ後述されるか、または前述されている。当業者は、本発明の同一の側面および他の側面を単独で、または他の実施形態と組み合わせて用いて、本発明の任意の側面の任意の実施形態他の側面を適用することができることを理解されたい。
以下において、添付の図面を参照しながら、例を用いて本発明を以下に説明する。
黒液回収ボイラの断面図である。 本発明のある実施形態に従う、スメルトエダクタを示す。 本発明の第2の実施形態に従う、スメルトエダクタを示す。 本発明の第3の実施形態に従う、スメルトエダクタを示す。 本発明の第4の実施形態に従う、スメルトエダクタを示す。 本発明のある実施形態に従う、スメルトエダクタの断面図を示す。 適所に設置された、本発明のある実施形態に従うスメルトエダクタを示す。
詳細な説明
提示される図面は、主に本発明の実施形態を例示する役割を果たす。図面が完全に縮尺通りであるとは限らないことに留意されたい。
図1は、黒液回収ボイラ10の炉の部分における断面図を示す。ボイラの床上に、部分的に溶解したスメルトのプール11およびスメルト堆積物12が存在する。黒液は、黒液噴霧ノズル13でボイラ内に噴霧される。噴霧ノズルの開口部は4つ全ての壁面に設けられることが多い。ボイラの最大運転時には、ボイラのサイズに依存するが、典型的には6個から10個の噴霧ノズルが使用される。黒液噴霧開口部は、典型的には床から6メートルから7メートルの高さにある。ボイラの炉における黒液の燃焼は、1次空気用開口部16、2次空気用開口部17、および3次空気用開口部(図示せず)から、空気をボイラ内に導くことによって制御される。床上で形成されるスメルトは、スメルトプール11からスメルト吐出口15を通って溶解タンク19へと流れる。
本発明のある実施形態に従う方法の目的は、黒液回収ボイラの停止中に、炉床のスメルトをまず全体的に溶解することである。これは、黒液および補助燃料を同時に燃やすことによって行われる。この補助燃料は、一般的には油またはガスである。補助燃料は、ボイラの壁面に設置されたスタートバーナー18(図1)で燃やされる。
黒液の噴霧は、黒液噴霧が炉床全体に均等に配分されるように調節される。これによって、炉の縁上のスメルト堆積物も溶解可能になる。この調節は、例えば、ボイラの停止中、常に、ボイラ内の向かい合う壁面に配置される噴霧ノズルの組を使用することによって、行うことができる。これによって堆積物の溶解を対称的に進めることができる。ある実施例では、2つの黒液噴霧ノズルを使用し、黒液ラインの弁は、対向する2つの壁面に設けられる黒液噴霧ノズルのために開放したままとされる。代替的または付加的に、黒液ノズルの方向および圧力を調整して、黒液を床全体に均一に分散して黒液が効果的に水滴を形成するようにしてもよい。使用する黒液噴霧ノズルの選択や制御機構は、当業者に既知であるものである。
本発明のある実施形態では、黒液の燃焼は、ボイラの停止中に、燃焼空気の量および分布を制御することによって2次空気および3次空気の流れに比べて十分な量の1次空気が炉内に導かれるようにし、また、黒液および補助燃料の量および配分を制御することによって炉の下部において黒液が主に燃焼されるように調整される。黒液の燃焼は、ガスの炎よりも効率的に床の上のスメルトを加熱する。(例えば、ガスの炎による加熱では、床への伝達が弱い。)燃焼空気の量や配分の制御機構は、当業者に既知であるものである。
床の上のスメルトが全体的または部分的に溶かされ、かつ適当な量の黒液が黒液タンク(図示せず)に残る場合、床を空にすることは、ボイラの壁面における開口部にスメルトエダクタを設置し、エダクタへと導く加圧ガスラインの弁を開放することによって開始される。黒液の流れを調整して、スメルトエダクタが、黒液とともに炉に運ばれたスメルトの量よりも、多い量のスメルトを炉床から除去するようにし、これによって、炉床の上のスメルトプールは空になり始める。これは、黒液タンクが空になるまで続けられる。その後、床の加熱は、オイルバーナまたはガスバーナ18(図1)のみで続けられる。
スメルトの排出は、スメルトを取り除いて床が空になるまで続けられ、その結果、エダクタの吸入口の口が部分的に露出し、その時点で、吸引は、スメルトの除去に十分でなくなる。その後、スメルトエダクタをメンテナンスのために取り外してもよい。
本発明のある実施形態では、スメルトエダクタは、スメルトを吸引するために使用される。このスメルトエダクタは、加圧ガス管の排出口の前で予熱される圧力媒体を使用する。
図2から図5および図7は、スメルト排出に適切なスメルトエダクタの例を、部分断面図で示す。小型パイプライン22を通じて加圧ガスまたは加圧蒸気等の圧力媒体をエダクタ内に導くことによって、エダクタ20において陰圧を生成する。加圧ガスライン22等の圧力媒体管がエダクタ20に取り付けられ、加圧ガスが、スメルト除去の方向に、エダクタの排出側に排出されるようにする。有利には、加圧ガスは、エダクタが備える吸引管21の中心線の方向に、加圧ガス管22の排出口から排出される。加圧ガス管22および出口として機能するその排出口は、吸引管の中央に、またはその縁に近接して、または吸引管の内壁上で境界となるように、配置され得る。
図2に示すように、エダクタ20は、吸引管21および加圧ガス管22を備える。これらは、例えば、耐酸鋼から作製される。実施例では、吸引管21の外径は76mmであり、管壁面の厚さは3mmである。加圧ガス管22の外径は15mmであり、管壁面の厚さは1mmである。図2に示す実施例では、吸引管21は、3つの直管部および2つの湾曲部から溶接製造され、直管部の長さがそれぞれ300mm、750mm、および250mmであるようにし、これらの部品が100°および112°の湾曲部によってそれぞれ接合される。加圧ガス管22は、管の中央直管部の壁面に設けられた開口部を通じて吸引管21内に入れられ、その開口部に、例えば溶接によって取り付けられる。吸引管21内への加圧ガス管22の入口は、(特に吸引の初期段階において)吸引管21において適切な陰圧を生成するために、密閉される。エダクタの排出口36は、長さが250mmの直線的な管から形成され、112°の湾曲部を使用して長さが750mmの直管部に取り付けられる。加圧ガス管22は、加圧ガス管22が吸引管の形状に一致するように、吸引管内に取り付けられる。好ましくは、加圧ガス管22は、吸引管21内において、長さ750mmの直管部および排出口36を形成する直管部の中に位置するように固定され、これらの管の中心線と整合される。したがって、加圧ガスは、エダクタ20の排出方向に排出され、これにより、スメルトまたは水を炉から除去する吸引力を生成する。ある実施形態では、加圧ガスは、スメルト流を滴状にばらばらにするため、滴化のために更なる蒸気噴流を用いる必要は必ずしもない。
図2の実施例では、加圧ガス管22の形状を、加圧ガス管22が吸引管21内に入る前に、吸引管21の外部で吸引管21の形状に沿ったものとしている。吸引管内において、加圧ガス管22は、吸引管の形状に合ったものとなっている。
エダクタに配置される加圧ガス管22には高温のスメルトによる加熱の影響が及ぶため、加圧ガスは、吸引管21内に侵入する際に、吸引管21の外部および内部で加熱される。好ましくは、加圧ガス管は、管の中央直管部の外面に取り付けられる。
代替として、加圧ガス管22を、スメルトによる加熱の影響が及ばない位置に配してもよい。その場合、加圧ガス管の形状を、入口の前で適当に変えてよく、吸引管21の形状に一致させる必要はない。また、これは、他の実施形態にも適用可能である。
図3は、スメルトを排出するのに適切なスメルトエダクタ20の別の例を示す。その説明については図2を参照されたいが、加圧ガス管の配置が異なり、また加圧ガスが別の加熱装置によって予熱されることに留意されたい。加圧ガス管22が、入口の後の極めて短い距離にあるように配置される場合、予熱は、実際は、加熱装置24のみによって行う。加圧ガス管22が、より長い距離において吸引管21内に移動するように配置される場合、加圧ガス管は、吸引管の形状に一致し、加圧ガスの加熱は、より効果的である。加熱装置24について、以下により詳細に説明する。加圧ガス管22は、排出口36に先行する湾曲部の壁面内に設けられる開口部を通じて吸引管21内に入り、その開口部に加圧ガス管22は、例えば、溶接によって取り付けられる。吸引管21内への加圧ガス管22の入口は、特に、吸引の初期段階に吸引管21において適切な陰圧を生成するように、例えば、溶接によって密閉状態となるように実装される。好ましくは、加圧ガス管22は、吸引管21内において排出口36を形成する直線的な管に取り付けられ、排出口36の管の中心線と整合される。これによって、加圧ガスは、エダクタ20の排出方向に排出され、スメルトまたは水を炉から引き込む吸引力を生成する。
図4は、スメルトを排出するのに適切なスメルトエダクタ20の第3の例を示す。吸引管21の説明については図2を参照されたい。加圧ガス管の配置は図2とは異なり、加圧ガス管22の配置により提供された予熱に加え、加圧ガスは、別の加熱装置24によって予熱されることができる。加圧ガス管22を、吸引管21の外部でスメルトと直接接触させてもよい。加圧ガス管22は、エダクタ20の吸引口32を形成する直管部内に設けられる開口部を通じて吸引管21内に入り、その開口部に加圧ガス管22は、例えば、溶接によって取り付けられる。エダクタの排出口36は、湾曲部を通じて吸引管の中央直管部に取り付けられる直線的な管によって形成される。加圧ガス管22は、加圧ガス管22が吸引管の形状に一致するように、吸引管21に適合される。好ましくは、加圧ガス管22は、吸引管内で吸引管とほぼ同じ長さを有し、また吸引管の中心線に合うように設けられる。加圧ガスは、エダクタ20の排出方向に排出され、スメルトまたは水を炉から引き込む吸引力を生成する。図4では、加圧ガス管22は、加圧ガス管が吸引管21内に入る前に、吸引管の外部で吸引管21の形状に沿うものとなっている。好ましくは、加圧ガス管22は、吸引管21の中央直管部の外面および吸引口32の外面に取り付けられる。
図5は、スメルトを排出するのに適切なスメルトエダクタ20の第4の例を示す。本図面では、スメルトエダクタは短く、図2および図4に示すように、排出口36側の第2の湾曲部が存在しない。吸引管については図2の説明を参照されたい。加圧ガス管22の配置により提供された予熱に加え、加圧ガスはまた、別の加熱装置24によっても予熱されることができる。加圧ガス管22は、エダクタ20の吸引口32を形成する直管部内に設けられる開口部を通じて吸引管21内に入り、その開口部に加圧ガス管22は、例えば、溶接によって取り付けられる。エダクタの排出口36は、湾曲部を通じて吸引口32に取り付けられる直線的な管によって形成される。加圧ガス管22は、加圧ガス管22が吸引管の形状に一致するように、吸引管内に取り付けられる。図5では、加圧ガス管22は、好ましくは、吸引口32を形成する直管部から排出口36を形成する直管部のはじめの部分にかけては吸引管21の内壁に接するか又は近接するように配され、排出口36を形成する直管部の後段部においては、吸引管21の中心線に整合するように取り付けられる。加圧ガスは、エダクタ20の排出方向に排出され、スメルトまたは水を炉から引き込む吸引力を生成する。図5では、加圧ガス管22は、加圧ガス管が吸引管21内に入る前に、吸引管21の外部で吸引管21の形状に一致する。好ましくは、加圧ガス管は、吸引管21の排出口36および吸引口32の外面に取り付けられる。
加圧ガスの予熱は、例えば、図2から図5および図7に示す方式でなされてもよい。ある実施形態では、別の加熱装置24を使用して加圧ガスを予熱してもよい。ある実施形態では、スメルトエダクタ20の外面に沿って加圧ガスが移動するように加圧ガス管22を配することによって予熱される。すなわち加圧ガスは、スメルトおよび炉の影響により加熱される。ある実施形態では、吸引管21内で加圧ガスが移動するように加圧ガス管22を配置することによって加圧ガスを予熱する。すなわち加圧ガスは、その排出中にスメルトによって加熱される。ある実施形態では、加圧ガスを予熱するための構成は、加熱ガス管22を高温のスメルトによる加熱の影響が及ぶ範囲に配置することと、加圧ガスのために別の加熱装置24を用いることを含む。ある実施形態において、この加熱装置24は、加熱抵抗器である。好ましくは、加熱抵抗器24は、加圧ガス管22を介して加圧ガスを加熱するように配置される。ある実施形態では、加熱抵抗器24は、エダクタ20の外面の外部で加圧ガス管22を囲むように配置される。ある実施形態では、加熱装置は、加圧ガスの温度を、例えば300℃に上昇させることを可能にする。
図6はスメルトエダクタ20の断面を描いたものである。加圧ガス管22は、1つ以上の支持部23によって、吸引管21内の適当な断面位置(図6の例では吸引管の中心線に沿った位置)に取り付けられる。1つまたは複数の支持部23によって吸引管の中心線に沿って吸引管21内に加圧ガス管22を取り付けることは、図3、図4、および図5においても図示されている。図4では2つの支持部23が使用されており、1つは吸引管の中央直管部の中央周囲で、もう1つは加圧ガス管22の排出口で使用されている。図3および図5では、1つの支持部23が、加圧ガス管22の排出口において使用されている。支持部23は、好ましくは、例えば、加圧ガス管22の外面と吸引管21の内面との間を溶接することによって取り付けられるアームを備える。好ましくは、上記アームが3つ存在する。アーム23は、事前に製作された部品であることができ、例えば、溶接によって適所に取り付けられる。支持部23のアームは、好ましくは、スメルトの流れに対する妨害を最小限に抑えるような形状を有する。ある実施形態では、加圧ガス管22の少なくとも一部は、好ましくは、吸引管21の中心線と一致するように、吸引管の中心線に沿うように配置される。
加圧ガス管22を吸引管の形状に沿ったものとするという構成によって、圧力媒体が加圧ガス管22の排出口から排出される前に、加圧ガス等の圧力媒体の予熱が得られる。典型的には、加圧ガスの温度は、加圧ガスが加圧ガス管22内へ入る前に約20℃でありえるが、これは、排出口から排出される場合に吸引されているスメルトの温度にかなり近い。従って、エダクタ20の排出口36との間で大きな温度差が発生する可能性は減少する。
加圧ガス管(または加圧空気連結部)は、エダクタを適所に押し入れる際のアーム、エダクタを取り付けるためのアームとしての役割を果たすように作られてもよい。また別の例では、エダクタ20を、スメルト吐出口開口部または黒液ボイラの壁面に設けた開口部に取り付けるための特別な設置アーム(図示せず)を(例えば溶接によって)エダクタに取り付けてもよい。
エダクタ20に用いる加圧ガスは、製造工場で使用する低圧蒸気ラインまたは加圧空気システム(図示せず)から取り出されることができる。加圧ガス管22は、適切な取り付け具が装備された圧力ホースにより、製造工場の蒸気または加圧ガス供給網に接続される。
図7は、適所に設置されたスメルトエダクタ20を示す。図4に示すスメルトエダクタが例として使用されている。図7では、高温のスメルトによる加熱の影響が及ぶ範囲に加圧ガス管22が配されているので、加圧ガスは、加圧ガス管22の排出口から排出される前に、吸引管21の外部および内部で予熱される。さらに加圧ガスは、加圧ガス管22の周囲に配された加熱装置24を使用して、加圧ガス管22の排出口から排出される前に加熱されてもよい。
実施例では、エダクタの吸引管21はスメルト吐出口15に設置される。エダクタの吸引口は、炉30の床上のスメルトプール11へとスメルト吐出口の開口部から押し入れられ、プールの液面下で床に近い高さに位置せしめられる。本発明のある実施形態では、スメルトエダクタは、スメルト吐出口15の形状に適合するように設計される。本発明のある実施形態では、吸引口の口32は、良好な吸引を実現すべく、その使用時に実質的に水平面にあるように設計される。吸引口の湾曲部33と口32との間の吸引管21の部品は、炉床上の所望の位置に到達するように設計される。本発明のある実施形態では、湾曲部品の先端は降下する傾向があるため、この湾曲部品は、エダクタの側方移動およびエダクタの片側への傾斜を防止する役割を果たす。また、エダクタに入る加圧ガス連結部も、側方移動を防止する役割を果たし得る。スメルト吐出口15の上にヒンジ型カバー35を備えるフードが存在する場合、これは、スメルトエダクタの側方移動を防止する役割を果たし得る。典型的には、フード35の幅は、スメルト吐出口15の幅と同じである。フード35の縁は、加圧ガス連結部の側方移動のマージンを限定する。
本発明のある実施形態では、スメルト吐出口15は、炉30の壁面におけるスメルト吐出口の開口部においてカラー34を形成する部品を備える。図7に図示する実施例では、湾曲部と吸引口と間の湾曲部品(または、湾曲部33)は、スメルトエダクタが開口部に設置される場合に、スメルト吐出口のカラー34の縁に存在する。この点から排出口へ延出する吸引管21の部品は、スメルト吐出口15の残りの部品上に存在する。言い換えると、スメルト吐出口15は、スメルトエダクタが存在し、かつスメルトエダクタを適所に維持する支持表面を形成する。
図7に示す実施形態では、スメルトは、エダクタの排出口36における開口部から溶解タンク19内に直接落ちる。代替として、エダクタを短くしても、および/または排出口側の湾曲部を省略してもよい。この場合、例えば、スメルトは、まずエダクタを介してスメルト吐出口15に排出され、スメルト吐出口を通って溶解タンク19内に排出され得る。
スメルトエダクタが適所に設置されると、スメルトエダクタは、適切な取り付け具37で加圧ガス管22を加圧ガスライン38に連結され、かつ加圧ガスラインにおける弁39を開放することによって使用される。エダクタ内に吹き込まれるガスが、排出に使用される陰圧を生成するようにする。加圧ガスラインの弁39は、エダクタから離れて位置してもよく、これによって、エダクタの使用の際に、そこに接近して作業する必要がなくなる。
本発明のある実施形態では、加圧ガスライン39における圧力媒体の圧力は、約10バールである。
場合によっては、高温蒸気が、黒液回収ボイラの近くで容易に入手可能である。本発明のある実施形態では、圧力媒体は、蒸気であり、ある実施形態では、蒸気の温度は、約200℃である。
本発明の代替実施形態では、黒液回収ボイラの床を空にすることは、上述の方式とは異なる方式で実装される。例えば、スメルト吐出口の代わりに、エダクタは、具体的には床を空にする目的で、炉の壁面に設けられた開口部に設置されてもよい。この開口部は、床上のスメルトプールが最も深くなっているあたりに設けられる。これによって、エダクタは、スメルトプールの最深位置により容易に到達し、床は、ほぼ完全にスメルトが取り除かれて空になることができる。
スメルトを除去することに加え、上述のスメルトエダクタは、ボイラの洗浄時に、炉床に回収された洗浄水を除去することにも適当である。洗浄水を除去する際、エダクタは、原理上、スメルトを除去する方式と同じ方式で設置される。吸引口は、スメルトプールの代わりに、ボイラに形成された水プールに押し入れられる。
エダクタの吸引管および加圧ガス管の形状およびサイズ、ならびに加圧ガスの圧力は、エダクタの力を特定の各必要性および既存の構造に適合させるように変化してもよい。加えて、エダクタをスメルト吐出口または溶解タンクに直接連結する代わりに、使用目的に応じて、エダクタを管延長部に連結してもよく、この管延長部を通じて、スメルトは、溶解タンクまたは別の回収システムに流れる。
エダクタの代替材料には、特に、耐酸鋼よりも高温耐熱であり、かつスメルトによる浸食や腐食に強い種々の鋼が含まれてもよい。
本発明のさらなる実施形態では、例として上に記載した圧力媒体管に基づく構成の代わりに、特別な圧力媒体チャネルによる構成が、吸引器内において圧力媒体を移送するために使用されてもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、別の管、すなわち、外管が、上記に提示した吸引管(21)を囲み、これによって、中空空間、すなわち、圧力媒体チャネルが、吸引管(21)の外面と、外管の内面との間に設けられる。圧力媒体チャネルは、吸引管(21)の長手方向と形が合うようにされてもよく、これによって、圧力媒体チャネルは、吸引管(21)の長手方向に、吸引管(21)の外面と外管の内面との間の空間に延在する。代替として、外管の代わりに、別の閉鎖型構造を使用して、吸引管(21)の外面とその構造の内面との間に対応する圧力媒体チャネルを形成してもよい。圧力媒体は、吸引器の吸引口の近くで圧力媒体チャネル内に導かれ、吸引器の排出口の近くでチャネルの排出口から吸引管(21)へと供給されてもよい。従って、チャネルの排出口は、吸引管(21)内において圧力媒体チャネルの出口を形成する。実際には、圧力媒体チャネルから吸引管(21)へと入口が設けられてもよい。ある実施形態では、吸引管(21)内の圧力媒体の流動方向が、吸引管(または吸引器)の排出方向に一致するように構成される。それは、管やそれに似たものを、入口に対して長くしたり短くしたりすることによってなされてもよく、それによって、圧力媒体は、その出口において、吸引管の排出方向に吸引管(21)内に排出される。圧力媒体の予熱は、上記に提示した方式と同じ方式で、すなわち、高温のスメルトを利用して、または別の熱源を使用して行われる。
上述の説明は、本発明の実施形態のある非限定的な例を提供する。本発明が提示された詳細に限定されず、他の同等な方式で実装されてもよいことは、当業者に明らかである。また、説明された方法およびスメルトエダクタは、スメルトが生成される他の可能な産業プロセスにおいてスメルトを吸引するために使用されてもよい。本書において、用語の「備える」および「含む」は、非制約的であって、限定的であることを意図されない。
開示された実施形態のいくつかの特徴は、他の特徴を使用せずに利用されてもよい。したがって、上述の説明は、本発明の原理の説明的な提示として見なされ、本発明を限定するものとして見なされるべきではない。ゆえに、本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ限定される。

Claims (8)

  1. 黒液回収ボイラの停止中に前記黒液回収ボイラの床を空にする方法であって、
    吸引器(20)内部の出口から、該吸引器の排出方向に圧力媒体が排出するように構成することによって、該吸引器(20)に陰圧吸引力を生成することと、
    吸引管を有する前記吸引器(20)により、陰圧吸引力によって、前記黒液回収ボイラの壁面の開口部を通じて前記黒液回収ボイラからスメルトを吸引することと、
    前記圧力媒体を前記出口から排出する前に、前記吸引管の形状に沿った形状を有し前記黒液回収ボイラ内を通過する圧力媒体管内で前記圧力媒体を前記スメルトによって予熱することと、
    を含む、方法。
  2. 前記圧力媒体を、電気抵抗器等の、前記スメルトとは異なる別の熱源(24)を使用して加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 加圧ガスや加圧蒸気等の圧力媒体の流れが前記出口から排出される前に加熱されるように、前記吸引器(20)内の前記圧力媒体管(22)または圧力媒体チャネル内に前記圧力媒体の流れを導く、請求項1または2に記載の方法。
  4. 黒液回収ボイラの床を空にするための吸引器であって、圧力媒体を用いて、スメルトを前記黒液回収ボイラから吸引する陰圧吸引力を生成する構成を備え、
    さらに、前記吸引器を構成する吸引管の形状に沿った形状を有し前記黒液回収ボイラ内を通過する圧力媒体管内で、前記圧力媒体を前記スメルトによって加熱するように構成される予熱構成を備える、
    ことを特徴とする、吸引器。
  5. 前記圧力媒体管(22)の排出口は前記吸引管(21)内に存在し、前記予熱構成は、前記排出口により形成される出口の前に前記圧力媒体を予熱する、請求項4に記載の吸引器。
  6. 前記圧力媒体管は前記吸引管(21)内を延伸するように配される、請求項4または5に記載の吸引器。
  7. 前記圧力媒体管は前記吸引管(21)の外面に沿って延伸するように配される、請求項4から6のいずれかに記載の吸引器。
  8. 加熱抵抗器等の別の圧力媒体加熱装置(24)を備える、請求項4から7のいずれかに記載の吸引器。
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