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JP5707919B2 - 内燃機関搭載車両 - Google Patents
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Description

本発明は、内燃機関を搭載する車両の減速時における、発電機の発電量及びスロットルバルブ開度の制御装置に関する。
内燃機関により駆動される発電機を備える車両では、発電機で発電する際に、基本的には内燃機関の駆動力の一部が使われる。しかし、車両減速時に発電機を回生制御して、車両の運動エネルギを電気エネルギとして回収すれば、通常走行時に発電のために消費される内燃機関の駆動力を低減し、結果的に燃費性能を向上させることができる。
また、燃費性能向上のための制御としては、アクセルオフでの減速時に所定条件が成立する領域内で行われる、いわゆる燃料カット制御が知られている。
燃料カット制御は、アクセルペダルから足を離しての減速中に、車速等が所定の条件を満たした場合に、燃料噴射を停止し(燃料カットという)、所定の条件を満たさなくなったり、アクセルペダルが踏み込まれたりしたら燃料噴射を再開する(燃料カットリカバーという)制御である。
燃料カットリカバーは、例えば、燃料噴射を再開すればアイドル回転速度を維持できるタイミングで行えばよい。しかし、実際には、燃料カットリカバーを決定してから、燃料が筒内で燃焼するまでに遅れ時間が生じるので、遅れ時間中に低下するエンジン回転速度を考慮して、燃料噴射を再開すれば内燃機関が運転再開できるような燃料カットリカバーのタイミングを決定する必要がある。このため、減速加速度が大きいほど、より高いエンジン回転速度で燃料カットリカバーを行うことになる。
すなわち、車両の減速加速度を低下させれば、より低車速まで燃料カットを継続できるようになり、燃費性能をより向上させることができる。
また、オルタネータによるエネルギ回生は燃料カット制御中に行うので、車両の減速加速度を低下させることは、オルタネータの回生電力量の増加にも効果的である。
ところで、車両の減速加速度を低減させる方策として、スロットルバルブを開いてポンピングロスを低減させることが考えられる。
しかし、燃料カットリカバー時にスロットルバルブが開いていると、吸気量が多くなる分だけエンジン回転速度が吹け上がり、車両が押し出されるような感覚を運転者に与えるおそれがある。
そこで、このような車両押し出し感の発生を防止すべく、特許文献1では、燃料カットリカバー時に、燃料カットリカバー後の加速開始から所定時間経過後まで発電機の回生制御を継続させている。
これによれば、スロットルバルブが開いていることによる内燃機関の過剰なトルクは発電機の回生により吸収されるので、車両押し出し感の発生を防止することができる。
特開2002−166754号公報
しかしながら、発電機で回生可能な電力量は、バッテリの蓄電量(バッテリSOC)が高くなるほど少なくなる。このため、燃料カットリカバー時のバッテリSOCによっては、車両の押し出し感を吸収するだけの回生発電を行えないおそれがある。
そこで、本発明では、燃料カットリカバー時の車両押し出し感を、発電機の回生発電により確実に吸収し得る制御装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関搭載車両は、車両の減速状態を検出する手段と、車両減速中に燃料カット及び燃料カットリカバーを行う燃料カット手段と、燃料カットリカバー時にスロットル開度をゼロより大きく設定するスロットル制御手段と、を備える。また、燃料カット実行中に発電機により回生発電を行い、燃料カットリカバー時に、スロットル開度に応じて発生する機関トルクによる車両押し出し感を相殺するように発電機の発電量を増加させる発電制御手段と、を備える。さらに、発電機により発電する電気エネルギを充電するバッテリと、バッテリが受入可能な電気エネルギである受入可能電気エネルギを検知する受入可能電気エネルギ検知手段と、を備える。そして、発電制御手段が、受入可能電気エネルギが前記燃料カットリカバー時に発電によって吸収する機関トルクに対応する大きさまで低下したら、前記発電機の回生を禁止して、燃料カットリカバー時の受入可能電気エネルギが車両押し出し感を相殺するために発電機で発生させる電気エネルギである燃料カットリカバー時発電電気エネルギ以上となるように、燃料カット実行中の発電機の発電量を制限する。
本発明によれば、受入可能電気エネルギが燃料カットリカバー時に発電によって吸収する機関トルクに対応する大きさまで低下したら、発電機の回生を禁止して、燃料カット実行中の発電機の発電量を制限する。これにより、確実に、燃料カットリカバー時に車両押し出し感を相殺できるだけの発電を行うことができる。
本発明の第1実施形態を適用するシステムの構成図である。 エンジンコントローラが実行する、回生制御の許否を決定するルーチンを示すフローチャートである。 エンジンコントローラが実行する、スロットルバルブ及びオルタネータの制御ルーチンを示すフローチャートである。 バッテリ受入可能電流とバッテリSOCの関係を示す図である。 オルタネータMAX発電電流とオルタネータ回転速度の関係を示す図である。 発電電流と発電可能トルクとの関係との関係を示す図である。 減速G要求可能発電電流値を実発電トルクに変換するためのマップである。 余裕発電トルクを余裕発電分スロットル開度に変換するためのマップである。 減速加速度オーバー量から減速加速度調整開度を算出するためのマップである。 スロットル開度と燃料カット終了車速との関係を示す図である。 スロットル開度と回転吹け上がり防止オルタネータ発電量の関係を示す図である。 第1実施形態に係る制御を実行した結果の一例を示すタイムチャートである。 第1実施形態に係る制御を実行した結果の他の例を示すタイムチャートである。 第2実施形態に係る制御を実行した結果の一例を示すタイムチャートである。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を適用するシステムの構成図である。
内燃機関1の吸気通路3には、吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ5が設けられている。吸気通路3は分岐して内燃機関1の各気筒へとつながっており、分岐した部分には通路内へ燃料を噴射する燃料噴射弁4が取り付けられている。
内燃機関1には、内燃機関1で発生したトルクを駆動輪へ伝達する変速機2が接続されている。
また、内燃機関1の、変速機2とは反対側のクランクシャフト端部にはプーリ11が取り付けられており、プーリ11と発電機としてのオルタネータ6の回転軸に取り付けられたプーリ13とにはベルト12が掛け回されている。これにより、内燃機関1のクランクシャフトが回転するとオルタネータ6も回転する。つまり、オルタネータ6は、内燃機関1のトルクの一部を用いて発電を行うことができる。
また、車両減速時には、駆動輪側からの入力によるクランクシャフトの回転を利用して発電を行う、いわゆる回生制御により、車両の走行エネルギを電力として回収することもできる。
オルタネータ6で発生した電力は、燃料噴射弁4やスロットルバルブ5の他、点火装置、ヘッドライト、エアコン等を含む車両抵抗9で消費されたり、バッテリ7に充電される。
バッテリ7の充電状態は受入可能電気エネルギ検知手段としてのバッテリセンサ8により監視され、バッテリセンサ8の検出信号はエンジンコントローラ(ECM)10に読み込まれる。ECM10には、この他に減速状態検出手段としての車速センサ20の検出信号も読み込まれる。
スロットルバルブ5及び燃料噴射弁4の作動や、オルタネータ6への発電指令等は、いずれもECM10により運転状態に応じて制御される(スロットル制御手段、発電制御手段)。ECM10は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。ECM10を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
次に、燃料カット制御手段としてのECM10が燃料カットを伴う減速時に実行する、スロットルバルブ5の開度及びオルタネータ6の発電量の制御について説明する。
ECM10は、燃料カット制御を実行する時間の長期化、及びオルタネータ6の回生電力量の増加を目的として、燃料カット制御中の減速加速度を低下させるようにスロットルバルブ5を制御する。また、燃料カットリカバー時にスロットルバルブ5が開いていることによる車両押し出し感の発生を防止するように、オルタネータ6の発電量を制御する。具体的な制御内容は、図2及び図3を参照して説明する。
図2は、ECM10が実行する、オルタネータ6の回生制御を許可するか否かを決定するルーチンを示すフローチャートである。図3は、ECM10が実行する、スロットルバルブ5及びオルタネータ6の制御ルーチンを示すフローチャートである。両ルーチンは並行して実行される。また、いずれのルーチンも、例えば10ミリ秒程度の間隔で繰り返し実行される。
まず、図2のオルタネータ6の回生制御の許可/禁止判定のフローチャートについて説明する。
ステップS110で、ECM10は燃料カット中であるか否かを、別途実行する燃料カット制御の許可/禁止ルーチンの結果に基づいて判定し、燃料カット中の場合にはステップS120の処理を実行し、燃料カット中でない場合はルーチンを終了する。燃料カット制御実行の許可/禁止ルーチンは、公知の燃料カット制御の場合と同様で、例えば、車速及びバッテリSOCが所定値以上、かつ、減速加速度が所定値以下の場合には燃料カットを許可し、これらの条件が満たされていなければ燃料カットを禁止する。
ステップS120で、ECM10はバッテリ受入可能電流と車両消費電流の和を算出する。車両消費電流は、車両抵抗9等で消費される電流である。バッテリ受入可能電流は、図4に示すようにSOCに応じて変化する。そこで、使用するバッテリ7の特性を予め試験して図4に示すようなマップを作成し、これをECM10に持たせる。そして、バッテリセンサ8の検出値から求まる現在のSOCを用いてマップ検索することで、バッテリ受入可能電流を算出する。
ステップS130で、ECM10はオルタネータ6の最大発電電流(オルタネータMAX発電電流)を算出する。オルタネータMAX発電電流は、図5に示すようにオルタネータ6の回転速度に応じて変化する。そこで、使用するオルタネータ6の特性を予め試験して図5に示すようなマップを作成し、これをECM10に持たせる。そして、エンジン回転速度から求まるオルタネータ回転速度を用いてマップ検索することにより、オルタネータMAX発電電流を算出する。
ステップS140で、ECM10はバッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が、オルタネータMAX発電電流と後述する最大必要吸収トルク相当電流のいずれか低い方以上か否かを判定する。
最大必要吸収トルク相当電流とは、燃料カットを実行する運転領域を最大限まで拡大したときにオルタネータ6で吸収しなくてはならないトルクである最大必要吸収トルクを吸収する際に、オルタネータ6で発生する電流である。
ここで、最大必要吸収トルクについてより詳細な説明をする。
燃料カットを終了する条件、つまり燃料カットリカバーを実行する条件の一つに、車速が所定値を下回ること、がある。燃料カットリカバーは、内燃機関1がアイドル回転を維持できる下限の車速のときまでに行う必要がある。ただし、燃料カットリカバーを決定してから内燃機関1が燃焼開始するまでには遅れ時間があり、遅れ時間中も車速は低下してエンジン回転速度も低下するので、アイドル回転を維持できる下限の車速になってから燃料カットリカバーの実行を決定したのでは、内燃機関1は再始動できない。そこで、上記所定値は、アイドル回転を維持できる下限の車速よりも、遅れ時間中の車速低下分だけ高く設定する必要がある。
遅れ時間中の車速の低下量は、減速加速度を低下させれば小さくなるので、減速加速度を低下させることによって、より低車速まで燃料カットを継続できるようになる。減速加速度は、スロットルバルブ5を開くことにより低下させることができる。スロットルバルブ5が開くことでポンピングロスが低下し、いわゆるエンジンブレーキによる制動力が弱まるからである。
一方、燃料カット実行可能な領域を拡大できる限界は減速加速度以外の要因、例えば車速等により決まる。そして、この限界に基づいて、この限界まで燃料カットを行うためには減速度をどれだけ低下させなければならないか、つまりスロットルバルブ5をどれだけ開かなければならないかが決まる。スロットルバルブ5の開き量が決まると、燃料カットリカバー時のエンジン回転の吹け上がり量が決まる。吹け上がり量が決まると、燃料カットリカバー時の車両押し出し感の発生を防止するためにオルタネータ6で吸収しなくてはならないトルクが決まる。この、オルタネータ6が吸収しなくてはならないトルクが最大必要吸収トルクであり、最大必要吸収トルクを吸収するためにオルタネータ6で発生する電流が、最大必要吸収トルク相当電流である。
ステップS140の説明に戻る。
燃料カットリカバー時に最大必要吸収トルク相当電流をオルタネータ6が発生するためには、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が最大必要吸収トルク相当電流以上でなければならない。ただし、オルタネータMAX発電電流が最大必要吸収トルク相当電流以下の場合は、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和はオルタネータMAX発電電流以上であればよい。
一方、バッテリ受入可能電流は、SOCが高いほど減少する。つまり、オルタネータ6の回生を行うとSOCが上昇し、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が低下する。そして、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が燃料カットリカバー時に必要な受入電流より小さくなると、燃料カットリカバー時の車両押し出し感を相殺しきれなくなる。
そこで、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が、燃料カットリカバー時に必要な受入電流以上の場合には、ステップS150でオルタネータ6の回生を許可し、そうでない場合は、それ以上のバッテリ受入可能電流の低下を防止するため、ステップS160でオルタネータ6の回生を禁止する。
なお、回生制御開始後のオルタネータ発電電流は、オルタネータMAX発電電流またはバッテリ受入可能電流と車両消費電流の和のうち低い方以上の間は、当該低い方の電流値に一致させる。
上記のようにオルタネータ6の回生制御の許可/禁止を決定することにより、例えばスロットルバルブ5を開くことによって燃料カット可能な領域を拡大して燃費性能の向上を図る場合に、バッテリ7の受入可能な電流に余裕があればオルタネータ6を回生制御が行われるので、さらなる燃費性能の向上が望める。
次に、図3に示すスロットルバルブ5及びオルタネータ6の制御ルーチンについて説明する。
ステップS210からステップS230は、図2のステップS110からステップS130と同様なので説明を省略する。
ステップS240で、ECM10は、現在のオルタネータ6の発電可能トルクを算出する。発電可能トルクは、オルタネータ6の発電電流に応じて変化する。そして、オルタネータ6は、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和を超える電流を発生することはできない。したがって、発電可能トルクは、オルタネータMAX発電電流発生時又はバッテリ受入可能電流+車両消費電流発生時のいずれか小さい方に制限される。そこで、図6に示すような発電電流と発電可能トルクとの関係を予めマップ化し、これをECM10に持たせて、オルタネータMAX発電電流又はバッテリ受入可能電流+車両消費電流のいずれか小さい方を用いてマップ検索することで、発電可能トルクを算出する。
ステップS250で、ECM10は減速加速度要求可能発電トルクを算出する。減速加速度要求可能発電トルクとは、減速加速度要求可能発電電流発生時のトルクであり、減速加速度要求可能発電電流とは、スロットルバルブ5が全閉であると仮定した場合に、予め設定した目標減速加速度となるように発電する際に発生する電流であり、車速が高いほど大きくなる。
そこで、図7に示すような、電流値をトルクに変換するためのマップをECM10に持たせておき、減速加速度要求可能発電電流を用いてマップ検索することにより、減速加速度要求可能発電トルクを算出する。
ステップS260で、ECM10は発電可能トルクから減速加速度要求可能発電トルクを減算し、これを余裕発電トルクとする。つまり、余裕発電トルクとは、現在オルタネータ6が増やすことができる発電トルクである。
ステップS270で、ECM10は、余裕発電トルクを発生させることによる減速度の増大を相殺するためのスロットル開度である余裕発電分スロットル開度を算出する。ここでは、図8に示すようなトルクをスロットル開度に変換するためのマップをECM10に持たせておき、余裕発電トルクを用いてマップ検索することにより、余裕発電分スロットル開度を算出する。
ステップS280で、ECM10は、図2の判定ルーチンの結果に基づいて、オルタネータ6の回生制御が実行中か否かを判定し、回生制御実行中であればステップS290の処理を実行し、回生制御実行中でなければステップS300の処理を実行する。
ステップS290で、ECM10はスロットル開度をステップS270で算出した開度、つまり余裕発電分スロットル開度に設定する。
ステップS300で、ECM10は現在の減速加速度が目標減速加速度からオーバーしている量(減速加速度オーバー量)を算出し、減速加速度オーバー量に基づいて、現在の減速加速度を目標減速加速度に一致させるためのスロットル開度(減速加速度調整開度)を算出する。減速加速度オーバー量が大きくなるほど減速加速度調整開度も大きくなる特性があるので、図9に示すようなマップをECM10に持たせておき、減速加速度オーバー量を用いてマップ検索することで減速加速度調整開度を算出する。
ステップS310で、ECM10はスロットル開度をステップS300で算出した減速加速度調整開度に設定する。ただし、ステップS270で算出した余裕発電分スロットル開度を上限とする。
ステップS320で、ECM10は燃料カット終了車速を算出する。燃料カット終了車速は、スロットル開度が大きいほど低くなる。これは、スロットル開度が大きいほど減速加速度が小さくなるからである。そこで、スロットル開度と燃料カット終了車速との関係を図10に示すようにマップ化してECM10に持たせておき、ステップS290またはステップS310で設定したスロットル開度を用いてマップ検索することで、燃料カット終了車速を算出する。
ステップS330で、ECM10は現在の車速が燃料カット終了車速以下か否かを判定する。燃料カット終了車速以下の場合はステップS340の処理を実行し、燃料カット終了車速より高い場合はルーチンを終了する。
ステップS340で、ECM10は燃料カットリカバーを実行する。
ステップS350で、ECM10は、スロットルバルブ5が開いていることによって増大する内燃機関1の始動時のトルクを相殺し得るオルタネータ発電量である、回転吹け上がり防止オルタネータ発電量を算出する。回転吹け上がり防止オルタネータ発電量は、図11に示すようにスロットル開度が大きくなるほど大きくなる。スロットル開度が大きくなるほど始動時のトルクが大きくなるからである。そこで、回転吹け上がり防止オルタネータ発電量とスロットル開度との関係を図11に示すようにマップ化してECM10に持たせておき、ステップS290またはステップS310で設定したスロットル開度を用いてマップ検索することで、回転吹け上がり防止オルタネータ発電量を算出する。
ステップS360で、ECM10は、ステップS350で算出した回転吹け上がり防止オルタネータ発電量を発電するようにオルタネータ6を制御する。
図12は、図2及び図3の制御を実行した結果の一例を示すタイムチャートである。なお、オルタネータMAX発電電流が最大必要吸収トルク相当電流より大きいオルタネータ6を使用する場合について示している。
t0で、アクセルペダルが離されてスロットル開度がゼロになり、燃料カットを伴う減速を開始する。減速開始時は車速がまだ高いため、減速加速度要求可能発電電流は大きくなる。ここでは、減速加速度要求可能発電電流が最大必要吸収トルクを超えて、オルタネータ6の回生制御が許可されるものとする。また、減速加速度要求可能発電電流がオルタネータMAX発電電流を超えているので、オルタネータ発電電流はオルタネータMAX発電電流に固定する。なお、減速開始時には、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和は減速加速度要求可能発電電流よりも大きくなっている。
t0からt1までは、減速加速度要求可能発電電流がオルタネータMAX発電電流より大きいので、オルタネータ発電電流はオルタネータMAX発電電流に固定したままにする。この間、オルタネータ6の回生制御を実行することによりバッテリ受入可能電流が低下するので、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和も低下する。
t1からt2の間は、減速加速度要求可能発電電流がオルタネータMAX発電電流以下になるので、余裕発電トルク分だけスロットルバルブ5を開くことができるようになる。そこで、オルタネータ発電電流がオルタネータMAX発電電流に一致するように徐々にスロットルバルブ5を開いていき、回生量を増やす。
t2からt3の間は、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和がオルタネータMAX発電電流以下になるので、オルタネータ発電電流がバッテリ受入可能電流と車両消費電流の和に一致するように徐々にスロットルバルブ5を開く。
なお、図12では、t1からt2まではオルタネータMAX発電電流と減速加速度要求可能発電電流との差で余裕発電トルクが決まっており、オルタネータ発電電流がオルタネータMAX発電電流に固定され、減速加速度要求可能発電電流が徐々に低下している。これに対して、t2からt3までは、バッテリ受入可能電流と車両消費電流との和と、減速加速度要求可能発電電流との差で余裕発電トルクが決まっており、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和、及び減速加速度要求可能発電電流が共に徐々に低下している。したがって、t2からt3までの方が、t1からt2までよりもスロットル開度の増加率が小さくなっている。
t3で、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が最大必要吸収トルク相当電流まで低下したら、オルタネータ回生を禁止することによって、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が最大必要吸収トルク相当電流以下にならないようにする。回生の禁止に伴ってスロットルバルブ5を閉じ、その後は、スロットル開度を減速加速度調整開度に設定する。
t4で、減速加速度要求可能発電電流がゼロになったら、減速加速度を目標減速加速度に維持するためにスロットル開度を徐々に開いていく。ただし、余裕発電分スロットル開度を上限とする。すなわち、ECM10は、燃料カット実行中に車両減速時の減速加速度を低減するためにスロットルバルブ5の開度を増大させ、その開度を、車両押し出し感がオルタネータ6の発電量の増加で相殺可能な機関トルクに対応する大きさに制限する。
t5で車速が燃料カット終了車速に達したら、燃料カットリカバーを実行する。このとき、スロットル開度に基づいて算出した回転吹け上がり防止オルタネータ発電量となるように一次的に発電を行い、スロットルバルブ5を閉じる。なお、燃料カット終了車速は、スロットル開度を余裕発電分スロットル開度として図10から算出した車速である。これにより、減速加速度を過大にすることなく、燃料カットをより長い時間実行することができる。
次に、上述した実施形態の作用効果について説明する。
上記のように、減速中に余裕発電分だけ発電を行い、スロットルバルブ5を開くことで余裕発電分の発電による減速加速度の増大を相殺しているので、オルタネータ6の回生電力量を増加させつつ、燃料カットを実施できる領域を拡大することができる。ここでの比較対象は、図12の燃料カット及びスロットル開度のチャートに破線で示したように、減速中にスロットルバルブ5を閉じたままにした場合である。この場合の燃料カット終了車速は、図12の車速のチャートに示したように、本実施形態の燃料カット終了車速より高くなる。
バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が最大必要吸収トルク相当電流まで低下したt3以降は回生を禁止して、燃料カットリカバー時にバッテリ7が最大必要吸収トルクを受け入れ可能な状態にしている。これにより、燃料カットリカバー時にスロットルバルブ5が開いていることによるトルク増加分を吸収することができる。これにより、燃料カットを実施できる領域をさらに拡大することができる。また、減速中のスロットル開度の上限を余裕発電分スロットル開度に制限するので、燃料カットリカバー時の車両押し出し感を確実に防止できる。
図13は、図2及び図3の制御を実行した結果の他の例を示すタイムチャートである。なお、オルタネータMAX発電電流が最大必要吸収トルク相当電流より小さいオルタネータ6を使用する場合について示している。
t0で、アクセルペダルが離されてスロットル開度がゼロになり、燃料カットを伴う減速を開始する。減速開始時は車速がまだ高いため、減速加速度要求可能発電電流は大きくなる。ここでは、減速加速度要求可能発電電流がオルタネータMAX発電トルクを超えて、オルタネータ6の回生制御が許可されるものとする。
また、減速加速度要求可能発電電流がオルタネータMAX発電電流を超えているので、オルタネータ発電電流はオルタネータMAX発電電流に固定する。
t0からt1の間は、減速加速度要求可能発電電流がオルタネータMAX発電電流より大きいので、オルタネータ発電電流はオルタネータMAX発電電流に固定したままにする。この間、オルタネータ6の回生制御を実行することによりバッテリ受入可能電流が低下するので、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和も低下する。
t1からt2の間は、減速加速度要求可能発電電流がオルタネータMAX発電電流以下になるので、余裕発電トルク分だけスロットルバルブ5を開くことができるようになる。そこで、オルタネータ発電電流がオルタネータMAX発電電流に一致するように徐々にスロットルバルブ5を開いていき、回生量を増やす。
t2でバッテリ受入可能発電電流と車両消費電流の和がオルタネータMAX発電電流と一致したら、オルタネータ回生を禁止し、バッテリ受入可能発電電流と車両消費電流の和がオルタネータMAX発電電流を下回らないように、スロットルバルブ5を閉じる。
t3で減速加速度要求可能発電電流がゼロになったら、減速加速度を目標減速加速度に維持するためにスロットル開度を徐々に開いていく。ただし、余裕発電分スロットル開度を上限とする。
t5で車速が燃料カット終了車速に達したら、燃料カットリカバーを実行する。このとき、スロットル開度に基づいて算出した回転吹け上がり防止オルタネータ発電量となるように一次的に発電を行い、スロットルバルブ5を閉じる。
上記のように制御することにより、オルタネータMAX発電電流が最大必要吸収トルク相当電流より低い場合でも、図12の場合と同様の効果が得られる。ただし、オルタネータ6が発電できる電流が最大必要吸収トルク相当電流より低いため、燃料カットリカバーのタイミングは図12の場合より早まる。
第2実施形態について説明する。
第2実施形態を適用するシステムと、オルタネータ6及びスロットルバルブ5の制御は、基本的には第1実施形態と同様であるが、一部が異なる。ここでは相違点についてのみ説明する。
第1に、第2実施形態を適用する車両は、コースト走行時の減速加速度が第1実施形態を適用した車両に比べて小さい。
第2に、第1実施形態では、図2のステップS140で、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が、最大必要吸収トルク相当電流またはオルタネータ発電電流のいずれか低い方以下の場合にオルタネータ回生を許可している。これに対して第2実施形態では、最大必要吸収トルク相当電流またはオルタネータ発電電流のいずれか低い方より低くなった場合にオルタネータ回生を許可する。
第3に、第1実施形態では、図3のステップS290で、スロットル開度をステップS270で算出したスロットル開度に設定している。これに対して第2実施形態では、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が最大必要吸収発電電流まで低下した場合は、それ以上低下しないようにオルタネータ発電電流を低下させる。そして、オルタネータ発電電流の低下による減速加速度の変化を相殺するように、スロットル開度を小さくする。
図14は、本実施形態を実施した場合のタイムチャートである。t0からt3までは図12と同様なので説明を省略する。
t3でバッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が最大必要吸収発電電流まで低下しても、オルタネータ回生は継続する。ただし、バッテリ受入可能電流と車両消費電流の和が最大必要吸収発電電流を下回らにようにオルタネータ発電電流を低下させ、オルタネータ発電電流の低下によって減速加速度が変動しないようにスロットル開度を小さくする。
t5で燃料カット終了車速に達したら、スロットルバルブ5が開いていることにより増大するトルクを相殺するように、オルタネータ発電電流を一時的に増加させ、スロットルバルブ5を閉じる。
コースト走行時の減速加速度、つまり車両のもともとの減速加速度が小さくなるほど、減速加速度要求可能発電電流が高くなるので、余裕発電トルクは小さくなる。このため、第1実施形態と同様にt3でオルタネータ回生を禁止すると、オルタネータ回生発電量は第1実施形態に比べて少なくなる。
しかし、上記のようにt3以降もオルタネータ発電電流及びスロットル開度を低下させながらオルタネータ回生を継続することで、第1実施形態と同様に、燃料カットリカバー時のオルタネータ6の回生発電量を確保することができる。
また、バッテリ受入可能電流と車両消費電流が最大必要吸収トルク相当電流より低くならないようにスロットルバルブ5及びオルタネータ6を制御することにより、燃料カットリカバー時の車両押し出し感の発生を確実に防止することができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
1 内燃機関
2 変速機
3 吸気通路
4 燃料噴射弁
5 スロットルバルブ
6 オルタネータ
7 バッテリ
8 バッテリセンサ
9 車両抵抗
10 エンジンコントローラ(ECM)
20 車速センサ

Claims (3)

  1. 車両の減速状態を検出する減速状態検出手段と、
    車両減速中に所定の条件が成立したら内燃機関への燃料供給を停止する燃料カットを実行し、前記所定の条件が成立しなくなったら燃料供給を再開する燃料カットリカバーを実行する燃料カット手段と、
    前記燃料カットリカバー時にスロットル開度をゼロより大きく設定するスロットル制御手段と、
    前記燃料カット実行中に発電機により回生発電を行い、前記燃料カットリカバー時に、前記スロットル開度に応じて発生する機関トルクによる車両押し出し感を相殺するように前記発電機の発電量を増加させる発電制御手段と、
    前記発電機により発電する電気エネルギを充電するバッテリと、
    前記バッテリが受入可能な電気エネルギである受入可能電気エネルギを検知する受入可能電気エネルギ検知手段と、
    を備える内燃機関搭載車両において、
    前記発電制御手段は、前記受入可能電気エネルギが前記燃料カットリカバー時に発電によって吸収する機関トルクに対応する大きさまで低下したら、前記発電機の回生を禁止して、燃料カットリカバー時の前記受入可能電気エネルギが前記車両押し出し感を相殺するために前記発電機で発生させる電気エネルギである燃料カットリカバー時発電電気エネルギ以上となるように、前記燃料カット実行中の前記発電機の発電量を制限することを特徴とする内燃機関搭載車両。
  2. 前記スロットル制御手段は、前記燃料カット実行中に車両減速時の減速加速度を低減するためにスロットル開度を増大させ、そのスロットル開度を、前記車両押し出し感が前記発電機の発電量の増加で相殺可能な機関トルクに対応する大きさに制限する請求項に記載の内燃機関搭載車両。
  3. 前記燃料カットリカバー時の車速は、スロットル開度が、前記車両押し出し感が前記発電機で相殺可能な大きさであるときの前記内燃機関の吸気量に対応する大きさになったときの車速である請求項1または請求項2に記載の内燃機関搭載車両。
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