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JP5713422B2 - 色素増感型太陽電池用ガラス組成物および色素増感型太陽電池用材料 - Google Patents
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JP5713422B2 - 色素増感型太陽電池用ガラス組成物および色素増感型太陽電池用材料 - Google Patents

色素増感型太陽電池用ガラス組成物および色素増感型太陽電池用材料 Download PDF

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Description

本発明は、色素増感型太陽電池用ガラス組成物および色素増感型太陽電池用材料に関し、具体的には色素増感型太陽電池の透明電極基板と対極基板の封着、集電電極の被覆およびセル間を区切るための隔壁の形成に好適な色素増感型太陽電池用ガラス組成物および色素増感型太陽電池用材料に関する。
グレッチェルらが開発した色素増感型太陽電池は、シリコン半導体を使用した太陽電池と比べ、低コストであり、且つ製造に必要な原料が豊富にあるため、次世代の太陽電池として期待されている。
色素増感型太陽電池は、透明導電膜が形成された透明電極基板と、透明電極基板に形成された多孔質酸化物半導体層(主にTiO層)からなる多孔質酸化物半導体電極と、その多孔質酸化物半導体電極に吸着されたRu色素等の色素と、ヨウ素を含むヨウ素電解液と、触媒膜と透明導電膜が形成された対極基板等により構成される。
透明電極基板と対極基板には、ガラス基板やプラスチック基板等が使用される。透明電極基板にプラスチック基板を使用すると、透明電極膜の抵抗値が大きくなり、色素増感型太陽電池の光電変換効率が低下する。一方、透明電極基板にガラス基板を使用すると、透明電極膜の抵抗値が上昇し難く、色素増感型太陽電池の光電変換効率を維持することができる。したがって、近年では、透明電極基板として、ガラス基板が使用されている。
色素増感型太陽電池は、透明電極基板と対極基板の間にヨウ素電解液が充填される。色素増感型太陽電池からヨウ素電解液の漏れを防止するために、透明電極基板と対極基板の外周縁を封着する必要がある。また、発生した電子を効率よく取り出すために、集電電極(例えば、Ag等が用いられる)を透明電極基板上に形成することがある。このとき、集電電極を被覆し、ヨウ素電解液により、集電電極が侵食される事態を防止する必要がある。さらに、一枚のガラス基板上に電池回路を形成する場合、透明電極基板と対極基板の間に隔壁を形成することがある。
特開平1−220380号公報 特開2002−75472号公報 特開2004−146425号公報
色素増感型太陽電池は、長期耐久性の向上が実用化への課題である。長期耐久性を損なう原因として、太陽電池部材(封着材料、集電電極等)とヨウ素電解液が反応し、太陽電池部材やヨウ素電解液が劣化することが挙げられる。特に、封着材料に樹脂を用い、ヨウ素電解液にアセトニトリル等の有機溶媒を用いたときに、その傾向が顕著である。この場合、樹脂がヨウ素電解液により侵食されるため、色素増感型太陽電池からヨウ素電解液が漏洩し、電池特性が著しく低下する。同様にして、集電電極の被覆や隔壁の形成に樹脂を使用した場合も、樹脂がヨウ素電解液により侵食されるため、集電電極の劣化や隔壁の破れ等が生じる。
封着材料にガラスを用いると、この問題を解決できる可能性がある。例えば、特許文献1には、封着材料にガラスを用いることが記載されている。特許文献2、3には、封着材料に鉛ガラスを用いることが記載されている。
しかし、鉛ガラスもヨウ素電解液に対する耐性(耐電解液性)が十分とは言えず、鉛ガラスを用いた場合でも、長期間の使用により、鉛ガラスの成分がヨウ素電解液中に溶出する。その結果、ヨウ素電解液が劣化し、電池特性が低下してしまう。また、集電電極の被覆や隔壁の形成に鉛ガラスを用いた場合でも、長期間の使用により、集電電極の劣化や隔壁の破れが生じる。これらの現象も、鉛ガラスの耐電解液性が不十分であることが原因である。
また、鉛を含まないガラスとして、V−P系ガラスが鋭意検討されている。しかし、V−P系ガラスは、耐水性が十分でない場合が多く、外部の水分等により侵食されやすく、長期の使用により、色素増感型太陽電池からヨウ素電解液が漏洩し、電池特性が著しく低下するおそれがある。
さらに、封着材料の軟化点が透明電極基板と対極基板の歪点より高いと、封着に際し、高温焼成が必要になり、封着時に透明電極基板と対極基板が変形するおそれがある。したがって、封着材料(封着材料に含まれるガラス)は低融点特性が要求される。具体的には、封着材料には550℃以下、特に500℃以下の軟化点が要求される。
そこで、本発明は、低融点特性を有し、且つ耐電解液性や耐水性に優れる色素増感型太陽電池用ガラス組成物および色素増感型太陽電池用材料を提供することにより、色素増感型太陽電池の長期耐久性を高めることを技術的課題とする。
本発明者は、種々の検討を行った結果、ガラス組成中にV、P、ZnOおよびBaOを必須成分として所定量導入することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の色素増感型太陽電池用ガラス組成物は、ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%で、V 20〜50%、P 15〜45%、ZnO 5〜35%、BaO 15〜40%含有することを特徴とする。
本発明の色素増感型太陽電池用ガラス組成物において、ガラス組成中にV、P、ZnOおよびBaOを必須成分として導入し、その含有量を厳密に規制することにより、低融点特性を確保できるとともに、耐電解液性を高めることができる。特に、カ゛ラス組成中にPの含有量を45モル%以下、ZnOの含有量を5モル%以上およびBaOの含有量を15モル%以上含有させることにより、耐水性を顕著に高めることができる。その結果、本発明の色素増感型太陽電池用ガラス組成物を用いると、色素増感型太陽電池の長期耐久性が高まるため、長期の使用により、電池特性が低下する事態を防止することができる。
第二に、本発明の色素増感型太陽電池用材料は、上記の色素増感型太陽電池用ガラス組成物からなるガラス粉末 50〜100体積%と、耐火性フィラー 0〜50体積%とを含有することを特徴とする。なお、本発明の色素増感型太陽電池用材料は、上記のガラス組成物からなるガラス粉末のみで構成される態様を含む。
第三に、本発明の色素増感型太陽電池用材料は、70℃のヨウ素電解液に2週間浸漬したときの質量減が0.1mg/cm以下であることを特徴とする。ここで、「ヨウ素電解液」には、アセトニトリル中に、ヨウ化リチウム0.1M、ヨウ素0.05M、tert−ブチルピリジン0.5M、および1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド0.6Mを溶解させたものを使用する。また、「質量減」は、色素増感型太陽電池用材料を緻密に焼き付けたガラス基板(焼成膜付きガラス基板)を、密閉容器中にてヨウ素電解液に浸漬し、浸漬前の質量から2週間経過後の質量を減じた値を、ヨウ素電解液に接する焼成膜の面積で除することで算出する。なお、ガラス基板は、ヨウ素電解液によって侵食されないものを用いる。
一般的に、ヨウ素電解液は、ヨウ素、アルカリ金属ヨウ化物、イミダゾリウムヨウ化物、四級アンモニウム塩等のヨウ素化合物を有機溶媒に溶解させたものを指すが、ヨウ素化合物以外にもtert−ブチルピリジン、1メトキシベンゾイミダゾール等を溶解させたものもある。溶媒として、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等のカーボネート系溶媒、ラクトン系溶媒等が用いられる。これら化合物や溶媒で構成されるヨウ素電解液であっても、ガラスがヨウ素電解液に侵食される上記問題は生じ得る。したがって、本発明の色素増感型太陽電池用材料は、これらのヨウ素電解液に70℃で2週間浸漬したときの質量減も、0.1mg/cm以下であることが好ましい。
第四に、本発明の色素増感型太陽電池用材料は、軟化点が550℃以下であることを特徴とする。ここで、「軟化点」とは、マクロ型示差熱分析(DTA)装置で測定した値を指し、DTAは室温から測定を開始し、昇温速度は10℃/分とする。なお、マクロ型DTA装置で測定した軟化点は、図1に示す第四屈曲点の温度(Ts)を指す。
第五に、本発明の色素増感型太陽電池用材料は、封着に用いることを特徴とする。ここで、封着には、透明電極基板と対極基板の封着に加えて、ガラス管の封着等が含まれる。
なお、透明電極基板と対極基板等に複数の開口部を設けて、各開口部にガラス管を封着した後、ガラス管を介して、色素増感型太陽電池内に色素を含有させた液体等を循環させて、多孔質酸化物半導体に色素を吸着させる場合がある。このような場合、本発明の色素増感型太陽電池用材料を用いると、ガラス管から液体等が漏洩する事態を防止することができる。
第六に、本発明の色素増感型太陽電池用材料は、集電電極の被覆に用いることを特徴とする。
本発明の色素増感型太陽電池用ガラス組成物は、ガラス組成中にV、P、ZnOおよびBaOを所定量含有するため、低融点特性を有し、且つ耐電解液性や耐水性が良好である。その結果、色素増感型太陽電池の長期耐久性が向上するため、長期間の使用により、電池特性が低下する事態を防止することができる。同様にして、本発明の色素増感型太陽電池用材料は、ガラス粉末のガラス組成中にV、P、ZnOおよびBaOを所定量含むため、低融点特性を有し、且つ耐電解液性(特に70℃のヨウ素電解液に2週間浸漬させたときの質量減が0.1mg/cm以下)や耐水性が良好である。その結果、色素増感型太陽電池の長期耐久性が向上するため、長期間の使用により、電池特性が低下する事態を防止することができる。
マクロ型DTA装置で測定した時の色素増感型太陽電池用材料(ガラス粉末)の軟化点を示す模式図である。
本発明の色素増感型太陽電池用ガラス組成物において、上記のようにガラス組成範囲を限定した理由を以下に説明する。なお、以下の%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を指す。
は、ガラスネットワークを形成する成分であるとともに、軟化点を下げるための主要成分であり、その含有量は25〜55%、好ましくは28〜50%、より好ましくは30〜45%である。Vの含有量が少ないと、ガラスの粘性が高くなるため、焼成温度(封着温度等)が上昇する。一方、Vの含有量が多いと、ガラスが熱的に不安定になり、耐水性も低下する。
は、ガラスネットワークを形成する成分であり、その含有量は15〜45%、好ましくは15〜40%、より好ましくは20〜30%である。Pの含有量が少ないと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時または焼成時にガラスが失透しやすくなる。一方、Pの含有量が多いと、ガラスの粘性が高くなり過ぎ、また耐水性が低下する。
ZnOは、ガラスを熱的に安定化させるとともに、耐水性を高める成分であり、その含有量は5〜35%、好ましくは10〜30%、より好ましくは13〜25%である。ZnOの含有量が少ないと、ガラスが熱的に不安定になり、また耐水性が低下する。一方、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが熱的に不安定になる。
BaOは、ガラスを熱的に安定化させるとともに、耐水性を高める成分であり、その含有量は15〜40%、好ましくは15〜30%、より好ましくは15〜25%である。BaOの含有量が少ないと、耐水性が低下する。一方、BaOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが熱的に不安定になる。
上記の成分以外に、下記の成分をガラス組成中に添加することができる。
SrOは、ガラスを熱的に安定化させて、失透を抑制する成分であるとともに、ガラスの粘性を低下させる成分であり、その含有量は0〜20%、好ましくは0〜15%である。SrOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが熱的に不安定になる。
CuOは、ガラスを熱的に安定化させて、失透を抑制する成分であるとともに、耐水性を高める成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%である。CuOの含有量が多いと、ガラスの粘性が高くなるため、焼成温度が上昇する。
Alは、ガラスを熱的に安定化させて、失透を抑制する成分であるとともに、耐水性を高める成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは1〜5%である。Alの含有量が多いと、ガラスの粘性が高くなり過ぎて、焼成温度が上昇する。
Biは、耐水性を高める成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは1〜5%である。Biの含有量が多いと、ガラスの粘性が高くなり過ぎて、焼成温度が高くなりやすい。
上記成分に加えて、CaO、MgO、TeO、B、Fe、SiO等の成分を10%までガラス組成中に添加してもよい。
なお、耐電解液性を高めるために、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm(質量)以下の場合を指す。なお、実質的にPbOを含有しない態様にすれば、近年の環境的要請も満たすことができる。
本発明の色素増感型太陽電池用材料は、上記の色素増感型太陽電池用ガラス組成物からなるガラス粉末のみで構成されることが好ましい。このようにすれば、太陽電池のセルギャップを小さく、且つ均一化しやすくなるとともに、耐火性フィラー等の混合工程等が不要になるため、色素増感型太陽電池用材料の製造コストを低廉化することができる。
本発明の色素増感型太陽電池用材料は、機械的強度を向上、或いは熱膨張係数を低下させるために、耐火性フィラーを含有してもよい。その混合割合は、ガラス粉末50〜100体積%、耐火性フィラー0〜50体積%、特にガラス粉末65〜100体積%、耐火性フィラー0〜35体積%が好ましい。耐火性フィラーの含有量が50体積%より多いと、相対的にガラス粉末の割合が少なくなるため、所望の流動性を確保し難くなる。一方、耐火性フィラーの添加量を低減すれば、色素増感型太陽電池用材料の流動性、特に封着性を高めることができる。なお、流動性を考慮すると、耐火性フィラーの含有量は10体積%以下、5体積%以下、特に1体積%以下が好ましく、上記の通り、実質的に耐火性フィラーを含有しないことが望ましい。
耐火性フィラーは、特に限定されず、種々の材料を選択することができるが、本発明に係るガラス粉末や電解液と反応し難いものが好ましい。具体的には、耐火性フィラーとして、ジルコン、ジルコニア、酸化錫、チタン酸アルミニウム、石英、β−スポジュメン、ムライト、チタニア、石英ガラス、β−ユークリプタイト、β−石英、リン酸ジルコニウム、ウイレマイト、コーディエライト、[AB(MO]の基本構造をもつ化合物、
A:Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cu、Ni、Mn等
B:Zr、Ti、Sn、Nb、Al、Sc、Y等
M:P、Si、W、Mo等
若しくはこれらの固溶体が使用可能である。
耐火性フィラーを含む場合、耐火性フィラーの最大粒子径は25μm以下が好ましい。色素増感型太陽電池のセルギャップは非常に薄い(例えば50μm以下)ため、耐火性フィラーの粒子経が大き過ぎると、透明電極基板と対極基板を封着し難くなる。ここで、「最大粒子径」とは、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
本発明の色素増感型太陽電池用材料において、70℃のヨウ素電解液に2週間浸漬させた時の質量減が0.1mg/cm以下、特に0.05mg/cm以下が好ましく、実質的に質量減がないことが望ましい。質量減が0.1mg/cm以下であれば、長期に亘り、ヨウ素電解液による侵食や電池特性の低下を防止することができる。ここで、「実質的に質量減がない」とは、質量減が0.01mg/cm以下の場合を指す。
本発明の色素増感型太陽電池用材料において、軟化点は550℃以下、特に500℃以下が好ましい。軟化点が550℃より高いと、ガラスの粘性が高くなり過ぎるため、焼成温度(特に封着温度等)が不当に上昇し、焼成時に透明電極基板や対極基板が変形しやすくなる。また、多孔質酸化物半導体(主にTiO)層の形成と透明電極基板と対極基板の封着を同時に行う場合、封着温度が高過ぎると、酸化物粒子の融着が進行し、多孔質酸化物半導体層を形成し難くなり、結果として、色素増感型太陽電池の製造工程を簡略化し難くなる。
本発明の色素増感型太陽電池用材料において、熱膨張係数は60〜120×10−7/℃、特に65〜110×10−7/℃が好ましい。色素増感型太陽電池用材料と透明電極基板や対極基板に用いられるソーダガラス等の熱膨張係数の差が大きいと、焼成後に、両者に不当な応力が残留し、クラックや剥れが生じやすくなる。ここで、「熱膨張係数」とは、押棒式熱膨張係数測定(TMA)装置により、30〜300℃の温度範囲で測定した値を指す。
本発明の色素増感型太陽電池用材料は、粉末のまま使用に供してもよいが、ビークルと均一に混練し、ペーストに加工すると取り扱いやすい。ビークルは、主に溶媒と樹脂とからなる。樹脂は、ペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。作製されたペーストは、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いてガラス基板上に塗布される。
樹脂としては、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル酸エステル、ニトロセルロースは、熱分解性が良好である。
溶媒としては、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−ターピネオールは、高粘性であり、樹脂等の溶解性も良好である。
本発明の色素増感型太陽電池用材料は、封着に用いることが好ましく、特に透明電極基板と対極基板の封着に用いることが好ましい。本発明の色素増感型太陽電池用材料は、低融点特性を有し、且つ耐電解液性や耐水性が良好であるため、色素増感型太陽電池の長期耐久性が向上し、長期間の使用により、電池特性が低下する事態を防止することができる。
本発明の色素増感型太陽電池用材料は、ガラス粉末のガラス組成中にVを20%以上含有しているため、レーザー光による封着処理に供することができる。レーザー光を用いると、色素増感型太陽電池用材料を局所加熱できるため、ヨウ素電解液等の構成部材の熱劣化を防止した上で、透明電極基板と対極基板を封着することができる。本発明の色素増感型太陽電池用材料は、レーザー光を用いて透明電極基板と対極基板を封着する場合、ガラス粉末のガラス組成として、Vを30%以上、特に40%以上含有することが好ましい。このように規制すれば、レーザー光の光エネルギーを熱エネルギーに効率良く変換できるため、換言すればガラスがレーザー光を的確に吸収できるため、封着すべき部位のみを的確に局所加熱することができる。なお、レーザー光として、種々のレーザー光を使用することができるが、半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザー等は取り扱いが容易な点で好適である。また、ガラスに的確にレーザー光を吸収させるために、レーザー光は500〜1600nm、特に750〜1300nmの発光中心波長を有することが好ましい。
本発明の色素増感型太陽電池用材料は、ガラスビーズ等のスペーサーを含んでもよい。このようにすれば、透明電極基板と対極基板の封着に用いる場合に、太陽電池のセルギャップを均一化することができる。
本発明の色素増感型太陽電池用材料は、集電電極の被覆に用いることが好ましい。一般的に、集電電極にはAgが使用される。しかし、Agはヨウ素電解液に侵食されやすい性質を有する。このため、集電電極にAgを用いる場合、ヨウ素電解液に接する表面を被覆する必要がある。そこで、本発明の色素増感型太陽電池用材料を用いると、低温で緻密な被覆層を形成でき、且つ耐電解液性が良好であるため、長期間に亘って、Agを保護することができる。
本発明の色素増感型太陽電池用材料は、隔壁の形成に用いることができる。本発明の色素増感型太陽電池用材料は、低融点特性を有するため、緻密な隔壁を低温で形成できるとともに、耐電解液性が良好であるため、長期間に亘って、隔壁の破れを防止することができる。なお、一般的に、隔壁で形成されたセル内にはヨウ素電解液が充填される。
実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。表1は、本発明の実施例(試料No.1〜4)および比較例(試料No.5〜8)を示している。
Figure 0005713422
次のようにして、表中に記載の各試料を調製した。まず、表中のガラス組成になるように、各種酸化物、炭酸塩等の原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1000〜1200℃で1〜2時間溶融した。次に、溶融ガラスの一部を耐水性評価用サンプルとしてステンレス製の金型に流し出し、その他の溶融ガラスは、水冷ローラーにより薄片状に成形した。耐水性評価用サンプルは、成形後に所定の徐冷(アニール)処理を行った。最後に、薄片状のガラスをボールミルにて粉砕後、目開き75μmの篩いを通過させて、平均粒子径が約10μmの各ガラス粉末を得た。なお、試料No.8は、表中の耐火性フィラー(チタン酸鉛、平均粒子径10μm)を表中の割合で添加、混合したものである。
次いで、各ガラス粉末(試料No.8は混合粉末)と、ビークル(エチルセルロースをα−ターピネオールに溶解させたもの)を混錬し、ペースト状とした。これをソーダガラス基板(熱膨張係数:90×10−7/℃)に、直径40mmで20〜40μm厚となるようにスクリーン印刷し、電気炉で120℃10分間乾燥した後、430〜610℃で10分間焼成し、質量減の評価用サンプルを得た。
以上の試料を用いて、軟化点、耐電解液性および耐水性を評価した。その結果を表1に示す。
軟化点は、マクロ型DTA装置により求めた。測定は、空気中で行い、昇温速度は10℃/分とした。
次のようにして、耐電解液性を評価した。まず上記質量減の評価用サンプルについて、焼成膜の質量と焼成膜のヨウ素電解液に接する表面積を測定した。次に、このサンプルをガラス製密閉容器中のヨウ素電解液に浸漬した上で、70℃の恒温槽にガラス製密閉容器を静置し、浸漬前のサンプルの質量から2週間経過した後のサンプルの質量を減じた値を、焼成膜の表面積で除することで、ヨウ素電解液に浸漬させた時の焼成膜の質量減を算出し、耐電解液性を評価した。なお、ヨウ素電解液は、アセトニトリルに対し、ヨウ化リチウム0.1M、ヨウ素0.05M、tert−ブチルピリジン0.5M、および1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド0.6Mを加えたものを使用した。
次のようにして、耐水性を評価した。まず、バルク状の耐水性評価用サンプルの質量を測定した。次に、このサンプルを80℃の純水中に3時間浸漬し、浸漬後の質量を測定した。なお、浸漬後の試料は、洗浄後、十分に乾燥させたものとした。最後に、質量減がなかった場合を「○」、質量減があった場合を「×」として評価した。
表1から明らかなように、試料No.1〜4は、軟化点が414〜479℃であり、ヨウ素電解液に浸漬させた後の質量減が認められず、耐水性も良好であった。一方、試料No.5は、ガラス組成中のV量が少なく、P量が多いため、軟化点が590℃と高く、耐水性が不良であった。試料No.6は、ガラス組成中にZnOを含有していないため、耐水性が不良であった。試料No.7は、ガラス組成中にBaO量を10モル%しか含有していないため、耐水性が不良であった。試料No.8は、鉛ガラスであるため、質量減が0.32mg/cmであり、また耐水性も不良であった。
本発明の色素増感型太陽電池用ガラス組成物および色素増感型太陽電池用材料は、色素増感型太陽電池の透明電極基板と対極基板の封着、集電電極の被覆およびセル間を区切るための隔壁の形成に好適であり、特に色素増感型太陽電池の透明電極基板と対極基板の封着に好適である。

Claims (5)

  1. ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%で、V 20〜50%、P 15〜45%、ZnO 5〜35%、Bi 1〜10%、BaO 15〜40%(ただし、15%は除く)、CuO 0〜10%、Al 0〜10%を含有し、かつ、実質的にPbOを含有しない、レーザー光による封着処理に用いることを特徴とする色素増感型太陽電池用ガラス組成物。
  2. ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%で、V 30〜50%を含有することを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池用ガラス組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池用ガラス組成物からなるガラス粉末 50〜100体積%と、耐火性フィラー 0〜50体積%とを含有することを特徴とする色素増感型太陽電池用材料。
  4. 70℃のヨウ素電解液に2週間浸漬したときの質量減が0.1mg/cm以下であることを特徴とする請求項3に記載の色素増感型太陽電池用材料。
  5. 軟化点が550℃以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の色素増感型太陽電池用材料。
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