以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.従来の電気光学装置の駆動方法及び問題点>
まず、図面を参照しなから、従来の液晶表示素子を用いた電気光学装置の駆動方法及びその問題点について説明する。図6は、従来の電気光学装置の駆動回路の構成について示す説明図である。
図6に示したように、従来の電気光学装置300は、ゲート回路301と、蓄積容量駆動回路302と、ソース駆動回路303と、コモン駆動回路304と、を含んで構成される。電気光学装置300は、水平方向に複数の電極を配してなるゲートラインG1、G2、・・・Gnと、垂直方向に複数の電極を配してなるソースラインS1、S2、・・・、Smと、水平方向に複数の電極を配してなる蓄積容量ラインC1、C2、・・・Cnと、を有する。そして、従来の電気光学装置300は、表示領域305に、上記ゲートライン及び上記ソースラインの各交点に、マトリクス状に配置された複数の画素306を有し、それぞれの画素306は、TFTスイッチ311と、液晶容量Clcと、蓄積容量Cstと、を含んで構成される。
ゲート回路301は、ゲートラインG1、G2、・・・、Gnを駆動するための回路であり、シフトレジスタ307を備えている。蓄積容量駆動回路302は、上記蓄積容量ラインC1、C2、・・・Cnを駆動するための回路である。ソース駆動回路303は、上記ソースラインS1、S2、・・・、Smを駆動する回路である。そして、コモン駆動回路304は、液晶容量Clcの一端に共通して接続されるコモン電極COMを駆動するためのものである。
ゲート回路301には、スタートパルスSTVと、クロック信号CK1、CK2と、が入力されている。また、ゲート回路301には、ゲート回路301を駆動するためのロジック電圧としてVGHとVGLとが入力される。
蓄積容量駆動回路302は、ラッチ回路321と、出力バッファ322、323と、イネーブルTFT324と、インバータ325と、を含んで構成され、また、偶数行においては、ラッチ回路321とインバータ325との間にインバータ326が設けられている。蓄積容量駆動回路302には、蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnの駆動を制御するためのFRM信号と、蓄積容量駆動回路302を駆動するためのロジック電圧としてVGHとVGLとが入力される。
このような構成を有することで、電気光学装置300は、従来の一般的なコモン電極を反転する駆動方法と比較して、コモン電極COMに対し、ある一定のDC電圧を印加することができ、かつデータ電圧の振幅も低減できるため、低消費電力化に有効な構成を有している。
しかし、上述したように、かかる構成を有する電気光学装置300は、ソースラインS1、S2、・・・、Smと蓄積容量ラインC1、C2、・・・Cnとの間に存在する寄生容量の影響で、ソースライン電圧信号の歪みが蓄積容量ラインに重畳されることになり、その結果、ソースライン電圧信号の歪みが蓄積容量ライン電圧の波形の歪みとなって現れる。同様に、ゲートラインG1、G2、・・・、Gnと蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnとの間にも寄生容量が存在するため、ゲートラインの立ち上がり、立ち下がりによっても、蓄積容量ライン電圧の波形の歪みとなって現れる。
図7は、蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnの波形の歪みを表す説明図であり、図8は、画素306に、ソースラインと蓄積容量ラインとの間に存在する寄生容量Csa、及びゲートラインと蓄積容量ラインとの間に存在する寄生容量Cgcを反映させたものを回路図で示す説明図である。
図7に示したように、ゲートライン(ここではゲートラインGn)の立ち上がり及び立ち下がりの際に、寄生容量Cgcの存在によって、蓄積容量ラインCnに歪みが生じてしまう。そして、ソースラインSnの選択期間においても、寄生容量Csaの存在によってソースライン電圧信号の歪みが蓄積容量ラインに重畳されてしまい、結果として所望の画素電圧が得られず、クロストークとなって画質低下の原因となってしまっていた。これは、特に1つのラインに異なる輝度を有する画像を表示する際に顕著になり、図9に示したように、画面の中央部分に白い画像を、その白い画像の周辺部分にグレーの画像を表示させたような場合に、グレー画像部分にムラが生じる原因となってしまっていた。
そこで、以下で説明する本発明の実施形態では、多大なサイズアップを要すること無く、表示品位を向上させると共に低消費電力化の実現が可能な電気光学装置の駆動回路及びその駆動方法について説明する。
<2.本発明の第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態にかかる液晶表示素子を用いた電気光学装置の構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる液晶表示素子を用いた電気光学装置100の構成について示す説明図である。以下、図1を用いて本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100の構成について説明する。
図1に示したように、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100は、ゲート回路101と、蓄積容量駆動回路102と、ソース駆動回路103と、コモン駆動回路104と、を含んで構成される。また、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100は、水平方向に複数の電極を配してなるゲートラインG1、G2、・・・Gnと、垂直方向に複数の電極を配してなるソースラインS1、S2、・・・、Smと、水平方向に複数の電極を配してなる蓄積容量ラインC1、C2、・・・Cnと、を有する。
そして、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100は、表示領域105に、上記ゲートライン及び上記ソースラインの各交点に、マトリクス状に配置された複数の画素106を有し、それぞれの画素106は、TFTスイッチ111と、液晶容量Clcと、蓄積容量Cstと、を含んで構成される。
ゲート回路101は、ゲートラインG1、G2、・・・、Gnを駆動するための回路であり、シフトレジスタ107を備えている。蓄積容量駆動回路102は、上記蓄積容量ラインC1、C2、・・・Cnを駆動するための回路である。ソース駆動回路103は、上記ソースラインS1、S2、・・・、Smを駆動する回路である。そして、コモン駆動回路104は、液晶容量Clcの一端に共通して接続されるコモン電極COMを駆動するためのものである。
ゲート回路101には、スタートパルスSTVと、クロック信号CK1、CK2と、蓄積容量ラインC1、C2、・・・Cnの駆動を制御するためのFRM信号とが入力されている。また、ゲート回路101には、ゲート回路101を駆動するためのロジック電圧としてVGHとVGLとが入力される。
ゲート回路101は、各ラインに対して、インバータ131と、TFT132、133、134、135、136、137と、をそれぞれ有している。また、ゲート回路101は、偶数行については、さらにインバータ138を有している。TFT132、133、134、135、136、137のオン・オフの切り替えにより、表示領域105には、電圧V1、V2のいずれかが蓄積容量ラインC1、C2、・・・Cnに印加される。ゲート回路101の動作については後に詳述する。
蓄積容量駆動回路102は、ラッチ回路121と、TFT122、123と、イネーブルTFT124と、インバータ125と、を含んで構成され、また、偶数行においては、ラッチ回路121とインバータ125との間にインバータ126が設けられている。蓄積容量駆動回路102には、蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnの駆動を制御するためのFRM信号と、蓄積容量駆動回路102を駆動するためのロジック電圧としてVGHとVGLとが入力される。
図2は、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100の画素106に着目した場合の駆動波形について示す説明図である。
図2に示した駆動波形において、VgはゲートラインG1、G2、・・・、Gnに印加されるゲート回路101の出力波形を、Vcは蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnに印加される蓄積容量駆動回路102に出力波形を示している。また、VCOMはコモン駆動回路104の出力波形であり、Vsはソース駆動回路103の出力波形であり、VPIXは画素106のPIX点の電圧波形(画素電圧の電圧波形)である。
Nフレームの期間において、t1の時点でゲート電圧VgがVGHになると、TFTスイッチ111がオンとなり、ソース電圧Vshが液晶容量Clcと蓄積容量Cstに書き込まれる。従って、画素電圧VPIXはVshの電位まで変化する。
次に、t2の時点でゲート電圧VgがVGLになると、TFTスイッチ111はオフ状態となり、画素電圧VPIXはTFTスイッチ111のゲート電極とPIX点との間に存在する寄生容量の影響でΔVだけ低下した後保持される。
次に、t5の時点で蓄積容量駆動回路102の出力VcがV2からV1まで変化すると、蓄積容量Cstを介して、画素電圧VPIXはVa’だけ突き上げられ、次のフレームまで保持される。結果として、液晶駆動電圧はコモン電圧VCOMと画素電圧VPIXとの間の差分の電圧V+となる。
通常、液晶材料は劣化防止のため反転駆動が必要であるため、次のフレームN+1では、t1の時点でTFTスイッチ111がオンとなり、ソース電圧Vslが書き込まれる。t2の時点でゲート電圧VgがVGLとなると、TFTスイッチ111はオフとなり、同様に寄生容量によりΔVだけ低下した後保持される。
次にN+1フレームの期間において、t5の時点で蓄積容量駆動回路102出力VcがV1からV2まで変化すると蓄積容量Cstを介して画素電圧VPIXはVb’だけ突き下げられ、次のフレームまで保持される。このとき液晶駆動電圧はV−となる。上述したような駆動方法は、独立容量駆動法とも呼ばれ、負荷の大きいコモン電極電圧を常に一定電圧(DC駆動)にしたまま、ソース電圧振幅を小さくすることができるため、パネルの低消費電力化に有効な駆動方法である。
以上、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100の構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100の駆動の詳細について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100の電位の変化を示す説明図である。以下、図3を用いて本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100の駆動の詳細について説明する。
図3には、ゲートラインG1、G2と、蓄積容量ラインC1、C2と、図1に示した電気光学装置100の構成におけるPointA、PointB、PointC、PointDの電位の変化が示されている。
ゲート回路101には、シフトレジスタ107を動作させるためのスタートパルスSTVと、クロック信号CK1、CK2と、蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnの駆動を制御するためのFRM信号が入力されている。またゲート回路101には、ゲート回路101を駆動するためロジック電圧としてVGHとVGLが入力される。
上記VGH、VGL電圧はゲートラインG1、G2、・・・、Gnの出力電圧VGH、VGLと同じ電圧である。なお、本発明の第1の実施形態では、上記制御信号及び駆動電圧を定義したが、結果としてゲートラインG1、G2、・・・、Gnが順次選択出力されるような回路構成であれば、別の構成を取っても、本発明の効果を得るには何ら問題はない。
ゲート回路101にスタートパルスSTVが入力されると、クロック信号CK1、CK2に同期してシフトレジスタ107から、順次ゲートラインG1、G2、・・・、Gnにパルスが出力される。
図3を参照しながら、ゲートラインG1に着目すると、t1の時点でゲートラインG1がHigh(VGH)になると、TFT132、133がそれぞれオンし、FRM信号が134、135のゲート電極に入力される。Nフレームの期間でFRMはHなので、TFT134はオフ、TFT135がオンとなり、蓄積容量ラインC1には電圧V2が供給される。
その後、t2の時点でゲートラインG1がLow(VGL)になると、TFT132、133はそれぞれオフとなり、代わりにインバータ131の出力がHighとなるので、TFT137、138がオンとなる。またTFT132、133のゲート電極にはそれぞれ電圧V1、V2が印加されることから、TFT134、135は共にオフとなり、蓄積容量ラインC1から電気的に切り離される(ハイインピーダンス状態となる)。
このようにTFT136、137はTFT132、133が共にオフ状態になった場合、及びTFT134、135のゲート入力がハイインピーダンス状態となった場合に、確実にオフとなる電圧を与え外部からのノイズ等の混入の要因で、TFT134、135が誤動作することを防止する。
次に、N+1フレームの期間において、t1の時点でゲートラインG1がHighになると、TFT132、133がオンとなり、FRM信号はTFT134、135のゲートに入力される。N+1フレームではFRM信号はLなので、TFT134はオン、TFT135がオフとなり、蓄積容量ラインC1には電圧V1が印加される。
その後、t2時点でゲートラインG1がLowになると、TFT132、133はそれぞれオフとなり、代わりにインバータ131の出力がHとなるので、TFT136、137がオンとなる。このように、ゲートラインG1が選択された期間ではゲート回路101にある、TFT134、135からなるバッファ回路から、電圧V1もしくはV2が供給され、それ以外の期間では、上記バッファ回路からの出力はハイインピーダンス状態となり、蓄積容量ラインC1から電気的に切り離される。
なお、Nフレーム、N+1フレームのいずれにおいても、ゲートラインG1がLowになってから、ゲート回路101側にある、TFT134、135からなるバッファ回路がオフするまでの期間については、ゲート回路101の各TFTのW/Lサイズを適正に選択することにより、図2のαに相当するディレイを発生されることが可能である。これはゲートラインG1がオフするタイミングにおいては、ゲートライン電圧がVGHからVGLに変動するため、この電圧変動によるノイズが、寄生容量(図示せず)等を介して、蓄積容量ラインC1へ重畳され、結果として表示品位を悪化させる要因となる。上記αのディレイを発生させることにより、ゲートラインG1が確実にオフしてから蓄積容量ラインC1を電気的に切り離すことが可能となるため、上述したような表示品位の悪化を防止することができる。従って、実際にゲート回路101にある、TFT134、135からなるバッファ回路から蓄積容量ラインC1へ給電する期間は、Nフレーム及びN+1フレーム共にt1〜t2+αの期間となる。
次に、蓄積容量駆動回路102の動作を説明する。蓄積容量駆動回路102は、ラッチ回路121、TFT122、123、インバータ124、及びイネーブルTFT125で構成されている。ゲート回路101と同様に、蓄積容量駆動回路102には、ロジック電圧としてはVGH、VGL電圧が入力されるとともに、蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnの駆動を制御するためのFRM信号が入力される。
イネーブルTFT125のゲートには、ゲート回路101からのゲート出力G3、G4、・・・、Gn+2が入力される。例えば、蓄積容量ラインC1に該当するイネーブルTFT125のゲートには、ゲート出力G3が接続されている。同様に蓄積容量ラインCnにはゲート出力Gn+2が接続されている。これは、図3に示すように、t2時点でゲートラインG1がオフとなった所定の期間後のt5時点で、蓄積容量ラインC1のイネーブルTFT125がオンとなり、FRM信号によりラッチ回路121が更新されて、その出力状態により、最終段の出力バッファであるTFT122、123のいずれかをオンさせる。
例えばNフレームでFRM信号がHighの場合、ゲート出力G3がHighになると、蓄積容量ラインC1のイネーブルTFT125がオンとなり、ラッチ回路121が更新されて、その出力はHighとなる。この場合、バッファ回路122がオンとなり、V1電圧が選択されて蓄積容量ラインC1に出力され、次のフレームでラッチ回路121のデータが更新されるまでこの状態が保持される。
次のN+1フレームにおいては、FRM信号がLとなるので、t5時点でバッファ回路123がオンとなり、蓄積容量ラインC1にはV2電圧が供給される。このように、蓄積容量駆動回路102の出力はフレーム毎にV1もしくはV2の電圧を選択する動作を繰り返す。なお、蓄積容量ラインC1の駆動に関して、ゲート回路101と蓄積容量駆動回路102の関係について図3を用いて整理すると、NフレームではゲートラインG1が選択されている期間t1からt2+αにおいて、ゲート回路101側にあるTFT135がオンとなりV2電圧を供給すると共に、蓄積容量駆動回路102からも同様にV2電圧が供給される。t2+α以降の期間では、ゲート回路101側のTFT134、135からなるバッファ回路は、蓄積容量ラインC1から切り離されるが、蓄積容量駆動回路102からはV2電圧が印加され続ける。その後、t5時点で蓄積容量駆動回路102の出力がV2からV1に変化する。次にN+1フレームではゲートラインG1が選択されているt1からt2+αの期間でゲート回路101側にあるTFT134がオンとなりV1電圧が供給されると共に、蓄積容量駆動回路102からも前のNフレームで出力しているV1電圧が継続して供給される。その後、t5時点で蓄積容量駆動回路102の出力は、V1からV2に変化する。
次に、ゲートラインG2および蓄積容量ラインC2に着目すると、図3に示すように、ゲート回路101のゲートラインG2に相当する回路にはFRM信号ラインにインバータ138が存在するため、ゲートラインG2がHighとなるt3からt4の期間において、TFT134、135のゲート電極にはそれぞれFRMの反転信号Lowが入力される。すなわち、Nフレーム期間において蓄積容量ラインC1にはV2電圧が供給されたが、蓄積容量ラインC2にはTFT134がオンとなるため、V1電圧が供給される。同様に蓄積容量駆動回路102にもインバータ126が存在するため、結果として蓄積容量駆動回路102の出力信号は蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnの1ライン毎に反転した信号が順次出力されることとなる。すなわち、蓄積容量ラインC2は、期間t3からt4+αにおいて、ゲート回路101側からもV1電圧が印加され、t4+α以降の期間では、ゲート回路101は蓄積容量ラインC2から切り離されるが、蓄積容量駆動回路102からはV1電圧が蓄積容量ラインC2に印加され続ける。そして、その後t6時点で、蓄積容量ラインC2に印加されるのはV2電圧に変化する。
なおここで、図3中に示したt1、t2、t5の各期間は、図2のt1、t2、t5の期間と一致している。すなわち、あるゲートラインのゲート電圧が選択された期間に画素106のTFTスイッチ111を順次選択すると共に、ソース駆動回路103から所望のデータ電圧を液晶容量Clcに書き込む。データ電圧を液晶容量Clcに書き込んだ後は、所定のタイミングで蓄積容量駆動回路102から所定の電圧(V1またはV2)を蓄積容量ラインへ重畳することにより、蓄積容量Cstを介して画素106に書き込まれたデータ電圧を所望の液晶の光学特性に適した電圧に変換する。
また、コモン電極COMには常に一定の電圧VCOMがコモン駆動回路104から印加されており、上記の変換後の画素電圧VPIXとコモン電圧VCOMとの間で、最終的な液晶駆動電圧が決定される。
蓄積容量ラインC1に再度着目すると、上記ゲートラインG1が選択される期間(t1からt2)において、対応する蓄積容量ラインC1は蓄積容量駆動回路102側から1フレーム前に更新された所定の電圧が供給される。図3の場合、この所定の電圧は、NフレームではV2電圧、N+1フレームではV1電圧である。電気光学装置100は、この所定の電圧の供給と共に、ゲート回路101側から蓄積容量ラインC1に対して、蓄積容量駆動回路102からの出力電圧と同じ電圧(NフレームではV2電圧、N+1フレームではV1電圧)を、時間t1からt2+αの間、供給する構成となっている。
より具体的には、Nフレームにおいて、上記ゲート選択期間t1からt2では、最終的な液晶印加電圧がCOM電圧に対して高電位側のデータ電圧を書き込むので、蓄積容量駆動回路102とゲート回路101に具備された双方のバッファ回路のうち、TFT135とTFT123がオンとなり、低電圧V2を選択して蓄積容量ラインC1に印加する。次にN+1フレームにおいて、ゲート選択期間t1からt2においては、最終的な液晶印加電圧がCOM電圧に対して低電位側のデータ電圧を書き込むので、上記双方のバッファ回路のうちTFT134とTFT122がオンとなり、高電圧V1を選択して蓄積容量ラインC1に印加する。
このように、蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnを、所定の期間のみ、蓄積容量駆動回路102とゲート回路101の双方に具備されたバッファ回路から駆動することにより、データ書き込み時に寄生容量Csa及び寄生容量Cgd、Cgcによる歪み波形の影響を抑制し、蓄積容量ラインの電圧変動を安定化させクロストークを低減させることが可能となる。
より具体的には、ある蓄積容量ラインのゲート電圧がオンになってから、ゲート電圧がオフになる以降その次の行の蓄積容量ラインのゲート電圧がオンになるまでの間(例えば、ある蓄積容量ラインのゲート選択期間+αの期間だけ)、ゲート回路101側からも電圧を供給する。また、各蓄積容量ラインは蓄積容量駆動回路102によって、いずれの期間においても常にV1またはV2の電圧が選択され、常に安定した電圧が供給されている。蓄積容量駆動回路102によって常にV1またはV2の電圧が供給されている結果、外部からのノイズ等の影響もない。
また、コモン電圧は常に一定のDC電圧を印加すれば良く、液晶のモードが変わっても、負荷の大きいコモン電極を反転駆動させる必要がないため、低消費電力化に有利となる。また、上記データ書き込みの期間で蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnは蓄積容量駆動回路102とゲート回路101の両側から給電されるため、電圧変動を安定化させるために蓄積容量駆動回路102のバッファの駆動能力を必要以上に大きくせずともクロストークの問題が発生しないので、バッファサイズを従来と比較して小さくすることが可能となり、結果として液晶表示装置の表示領域以外のサイズ(額縁)を小さくすることが可能となる。
<3.本発明の第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態にかかる液晶表示素子を用いた電気光学装置の構成について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態にかかる液晶表示素子を用いた電気光学装置200の構成について示す説明図である。以下、図4を用いて本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置200の構成について説明する。
図4に示したように、本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置200は、ゲート回路201と、蓄積容量駆動回路202と、ソース駆動回路203と、コモン駆動回路204と、を含んで構成される。また、本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置200は、水平方向に複数の電極を配してなるゲートラインG1、G2、・・・Gnと、垂直方向に複数の電極を配してなるソースラインS1、S2、・・・、Smと、水平方向に複数の電極を配してなる蓄積容量ラインC1、C2、・・・Cnと、を有する。
そして、本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置200は、表示領域205に、上記ゲートライン及び上記ソースラインの各交点に、マトリクス状に配置された複数の画素206を有し、それぞれの画素206は、TFTスイッチ211と、液晶容量Clcと、蓄積容量Cstと、を含んで構成される。
ゲート回路201は、ゲートラインG1、G2、・・・、Gnを駆動するための回路であり、シフトレジスタ207を備えている。蓄積容量駆動回路102は、上記蓄積容量ラインC1、C2、・・・Cnを駆動するための回路である。ソース駆動回路103は、上記ソースラインS1、S2、・・・、Smを駆動する回路である。そして、コモン駆動回路104は、液晶容量Clcの一端に共通して接続されるコモン電極COMを駆動するためのものである。
ゲート回路201には、スタートパルスSTVと、クロック信号CK1、CK2と、蓄積容量ラインC1、C2、・・・Cnの駆動を制御するためのFRM信号とが入力されている。また、ゲート回路201には、ゲート回路201を駆動するためのロジック電圧としてVGHとVGLとが入力される。
ゲート回路201は、各ラインに対して、インバータ231と、TFT232、233、234、235、236、237と、をそれぞれ有している。TFT232、233、234、235、236、237のオン・オフの切り替えにより、表示領域205には、電圧V1、V2のいずれかが蓄積容量ラインC1、C2、・・・Cnに印加される。ゲート回路101の動作については後に詳述する。
蓄積容量駆動回路202は、ラッチ回路221と、TFT222、223と、イネーブルTFT224と、インバータ225と、を含んで構成され、蓄積容量駆動回路202には、蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnの駆動を制御するためのFRM信号と、蓄積容量駆動回路202を駆動するためのロジック電圧としてVGHとVGLとが入力される。
上述した本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100の構成との違いは、ゲート回路201及び蓄積容量駆動回路202において、偶数行にインバータが設けられていない点であり、その他の構成については上述した本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100の構成と変化は無い。
以上、本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置200の構成について説明した。次に、本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置200の駆動の詳細について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置200の電位の変化を示す説明図である。以下、図5を用いて本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置200の駆動の詳細について説明する。
図5には、ゲートラインG1、G2、G3、G4と、蓄積容量ラインC1、C2、C3、C4の電位の変化が示されている。
ゲート回路201には、シフトレジスタ207を動作させるためのスタートパルスSTVと、クロック信号CK1、CK2と、蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnの駆動を制御するためのFRM信号とが入力されている。また、ゲート回路201を駆動するための電圧としてVGHとVGLがゲート回路201に入力される。スタートパルスSTVがゲート回路201に入力されると、クロック信号CK1、CK2に同期してシフトレジスタ207が動作し、順次ゲートパルスG1、G2、・・・、Gnが出力される。
図5を参照しながら、ゲートラインG1に着目すると、t1の時点でゲートラインG1がHigh(VGH)、TFT232、233がそれぞれオンとなり、FRM信号がTFT232とTFT233のゲートに入力される。Nフレーム期間において、t1からt2でFRM信号はHigh(VGH)であるので、TFT234はオフ、TFT235がオンとなり、結果的に蓄積容量ラインC1にはV2電圧が印加される。
t2時点でゲートラインG1がVGLになると、TFT232、233はそれぞれオフとなり、代わりにインバータ231の出力がHighとなるので、TFT236、TFT237がオンとなる。TFT234、235のゲート電極にはそれぞれV1、V2電圧が印加されることから、TFT234、235は共にオフ状態(ハイインピーダンス)となり、蓄積容量ラインC1から切り離される。
TFT236、237は、TFT232、233が共にオフ状態になった場合に、TFT234、235が誤動作することを防止する。すなわち、TFT234、235のゲート入力がハイインピーダンス状態とならないように、オフ電圧を確実に与えることにより、外部からのノイズ等の混入の要因によるTFT234、235の誤動作を防止する役割を持っている。
次に、N+1フレームの期間では、t1の時点でゲートラインG1がHigh(VGH)になると、TFT232、233がオンとなり、FRM信号がTFT234、235のゲートに入力される。N+1フレームのt1からt2の期間でFRM信号はLow(VGL)状態であるので、TFT234はオン、TFT235がオフとなり、結果的に蓄積容量ラインC1にはV1電圧が印加される。
t2の時点でゲートラインG1がLow(VGL)になると、TFT232、233はそれぞれオフとなり、代わりにインバータ231の出力がHighとなるので、TFT36、237がオンとなる。このようなゲート回路201の回路構成から、ゲートラインG1が選択された期間ではゲート回路201側にある、TFT234、235からなるバッファ回路から、V1もしくはV2の電圧が供給され、それ以外の期間では、TFT234、235からなるバッファ回路の出力は、ハイインピーダンス状態となり蓄積容量ラインC1から切り離される。
なお、Nフレーム、N+1フレームのいずれにおいても、ゲートラインG1がLowになってから、ゲート回路201側の、TFT234、235からなるバッファ回路がオフするまでの期間については、ゲート回路201中の各TFTのW/Lサイズを適正に選択することにより、図5のαに相当するディレイを発生させることが可能である。これはゲートラインG1がオフするタイミングにおいては、ゲートライン電圧がVGHからVGLに変動するため、この電圧変動によるノイズが、寄生容量(図示せず)等を介して、蓄積容量ラインC1へ重畳され、結果として表示品位を悪化させる要因となる。上記αのディレイを発生させることにより、ゲートラインG1が確実にオフしてから蓄積容量ラインC1を電気的に切り離すことが可能となるため、上述したような表示品位の悪化を防止することができる。従って、実際にゲート回路201にある、TFT234、235からなるバッファ回路から蓄積容量ラインC1へ給電する期間は、Nフレーム及びN+1フレーム共にt1〜t2+αの期間となる。
次に、蓄積容量駆動回路202の動作を説明する。蓄積容量駆動回路202は、ラッチ回路221、TFT222、223、インバータ224、及びイネーブルTFT225から構成されている。蓄積容量駆動回路202には、ゲート回路201と同様に、回路駆動電圧としてVGH、VGL電圧が入力されるとともに、蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnの駆動を制御するためのFRM信号が入力される。
イネーブル用TFT225のゲートには、ゲート回路201からのゲート出力G3、G4、・・・、Gn+2が入力される。例えば蓄積容量ラインC1に該当するイネーブルTFT225のゲートには、ゲート出力G3が接続されている。同様に蓄積容量ラインCnにはゲート出力Gn+2が接続されている。これは、図5に示すように、t2時点でゲートラインG1がオフとなった所定の期間後のt5時点で、蓄積容量ラインC1のイネーブルTFT225がオンとなり、FRM信号によりラッチ回路221が更新されてその出力状態により、最終段の出力バッファであるTFT222、223のいずれかのオン/オフを選択する。
例えばNフレーム期間のt5時点でFRM信号がHighの場合、ゲート出力G3がHighになると、イネーブルTFT225がオンとなり、ラッチ回路221の出力はHighとなる。この場合、出力バッファのTFT222がオンとなり、V1電圧が選択されて、蓄積容量ラインC1に出力され、次のN+1フレームでラッチ回路221のデータが更新されるまでこの状態が保持される。
次のN+1フレームのt5時点においては、FRM信号がLとなるので、出力バッファのTFT223がオンとなり、V2電圧が選択されて蓄積容量ラインC1に供給される。上記の本発明の第1の実施形態と異なるのは、このFRM信号が1HS毎、さらにはフレーム毎に反転する信号であるという点であるが、FRM信号が反転信号であっても基本的な動作に変わりはない。
次に、蓄積容量ラインC1の駆動に関して、ゲート回路201と蓄積容量駆動回路202の関係について、図5を用いて整理する。NフレームではゲートラインG1が選択されている期間t1からt2+αにおいて、ゲート回路201側にあるバッファ回路のTFT235がオンとなりV2電圧を供給すると共に、蓄積容量駆動回路202からも同様にV2電圧が供給される。t2+α以降の期間では、ゲート回路201側のTFT234、235からなるバッファ回路は、蓄積容量ラインC1から切り離されるが、蓄積容量駆動回路202の出力からはV2が蓄積容量ラインC1に印加され続ける。その後、t5時点で蓄積容量駆動回路202の出力はV2からV1に変化する。次にN+1フレームでは、ゲートラインG1が選択されているt1からt2+αの期間で、ゲート回路201側にあるバッファ回路のTFT234がオンとなり、V1電圧が供給されると共に、蓄積容量駆動回路202からも、前のNフレームで出力しているV1電圧が継続して供給される。その後、t5時点で蓄積容量駆動回路202の出力はV1からV2に変化する。
次に、ゲートラインG2および蓄積容量ラインC2に着目すると、図5に示すように、ゲートラインG2がHighとなるt3からt4の期間において、FRM信号はLとなるため、バッファ回路のTFT234、235のゲート電極にはVGLが入力される。すなわち、Nフレーム期間において、前述の蓄積容量ラインC1にはV2電圧が印加されたが、蓄積容量ラインC2にはバッファ回路のTFT234がオンとなるため、V1電圧が印加される。同様に、蓄積容量駆動回路202の出力はt7の時点において、LowのFRM信号がラッチ回路221に取り込まれることで、V1からV2に変化する。結果として蓄積容量駆動回路202の出力信号は蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnの1ライン毎に反転した信号が順次出力されることとなる。
このように、本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置200は、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100のようにインバータ回路126、138がなくても、FRM信号を1HS毎の反転信号に置き換えることで、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100と同様の駆動が実現できる。
また、本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置200においても、画素206の駆動は同じである。すなわち、あるゲートラインのゲート電圧が選択された期間に、画素206のTFTスイッチ211を順次選択すると共に、ソース駆動回路203から所望のデータ電圧を液晶容量Clcに書き込む。データ電圧を液晶容量Clcに書き込んだ後は、1HS遅れたタイミングで蓄積容量駆動回路202から所定の電圧(V1またはV2)を蓄積容量ラインへ重畳することにより、蓄積容量Cstを介して画素206に書き込まれたデータ電圧を所望の液晶の光学特性に適した電圧に変換する。
また、コモン電極COMには常に一定の電圧VCOMがコモン駆動回路204から印加されており、上記の変換後の画素電圧VPIXとコモン電圧VCOMとの間で、最終的な液晶駆動電圧が決定される。
蓄積容量ラインC1に再度着目すると、上記ゲートラインG1が選択される期間(t1からt2)において、対応する蓄積容量ラインC1は蓄積容量駆動回路202側から1フレーム前に更新された所定の電圧が供給される。図5の場合、この所定の電圧は、NフレームではV2電圧、N+1フレームではV1電圧である。電気光学装置200は、この所定の電圧の供給と共に、ゲート回路201側から蓄積容量ラインC1に対して、t1からt2+αの期間だけ蓄積容量駆動回路202からの出力電圧と同じ電圧(NフレームではV2電圧、N+1フレームではV1電圧)を供給する構成となっている。
より具体的には、Nフレームのゲート選択期間t1からt2においては、最終的な液晶印加電圧がCOM電圧に対して高電位側のデータ電圧を書き込むので、蓄積容量駆動回路202とゲート回路201に具備された双方のバッファ回路のうち、TFT235とTFT223がオン状態となり、低電圧V2を選択して蓄積容量ラインC1に印加する。N+1フレームのゲート選択期間t1からt2においては、最終的な液晶印加電圧がCOM電圧に対して低電位側のデータ電圧を書き込むので、上記双方のバッファ回路のうちTFT234とTFT222がオン状態となり、高電圧V1を選択して蓄積容量ラインC1に印加する。
このように、本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置200では、1ライン置きにゲート回路201と蓄積容量駆動回路202の内部にインバータを持たなくても、FRM信号を上述した反転信号に置き換えることで、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置100と同様の駆動を実現することが可能となる。
また、蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnを、所定の期間のみ、蓄積容量駆動回路202とゲート回路201の双方に具備されたバッファ回路から駆動することにより、データ書き込み時に寄生容量Csa及び寄生容量Cgd、Cgcによる歪み波形の影響を抑制し、蓄積容量ラインの電圧変動を安定化させクロストークを低減させることが可能となる。
より具体的には、ある蓄積容量ラインのゲート電圧がオンになってから、ゲート電圧がオフになる以降その次の行の蓄積容量ラインのゲート電圧がオンになるまでの間(例えば、ある蓄積容量ラインのゲート選択期間+αの期間だけ)、ゲート回路201側からも電圧を供給する。また、各蓄積容量ラインは蓄積容量駆動回路202によって、いずれの期間においても常にV1またはV2の電圧が選択され、常に安定した電圧が供給されている。蓄積容量駆動回路202によって常にV1またはV2の電圧が供給されている結果、外部からのノイズ等の影響もない。
また、コモン電圧は常に一定のDC電圧を印加すれば良く、液晶のモードが変わっても、負荷の大きいコモン電極を反転駆動させる必要がないため、低消費電力化に有利となる。また、上記データ書き込みの期間で蓄積容量ラインC1、C2、・・・、Cnは蓄積容量駆動回路202とゲート回路201の両側から給電されるため、電圧変動を安定化させるための蓄積容量駆動回路202のバッファの駆動能力を必要以上に大きくせずともクロストークの問題は発生しないので、バッファサイズを従来と比較して小さくすることが可能となり、結果として液晶表示装置の表示領域以外のサイズ(額縁)を小さくすることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。