JP5728845B2 - 改質浚渫土の強度推定方法及び浚渫土の改質方法 - Google Patents
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Description
これに対して、特許文献1には、鉄鋼スラグに含まれるCaO分を積極的に活用し、浚渫土に鉄鋼スラグを混合して強度改質を行う技術が示されている。この技術では、主に鉄鋼スラグのCaO分と浚渫土のSi、Al等とのポゾラン反応により、浚渫土の強度改質を行うものである。この特許文献1では、使用する鉄鋼スラグの遊離CaO量や浚渫土に対する混合割合などについて詳細な検討がなされ、強度改質に好適な条件が示されている。
浚渫土と製鋼スラグの混合材が単純に固化するかどうかだけであれば、特許文献1の技術でも特に問題はないが、構造的に強度が必要な場合や、生物着生しやすい強度に設計する場合など、特定の強度が望まれるケースもある。そのような場合、適切な強度を確保できるように条件を設定する必要があるが、上記のように特許文献1の技術では想定通りの強度を得ることが難しく、さまざまな実験を繰り返して強度を経験的に設定するしかなかった。
また、本発明の他の目的は、製鋼スラグを混合して浚渫土の強度改質を行う際に、設計強度に応じた製鋼スラグの適正な混合量を決定することができる浚渫土の改質方法を提供することにある。
浚渫土と製鋼スラグの固化反応は、製鋼スラグからのCaイオン、OHイオンの供給量と浚渫土からのSi浸出量に関係があると考えられている。本発明者らがさらに詳細に検討した結果、浚渫土のSi分は溶液に浸出する必然性はなく、浚渫土の表面で反応性が高ければよいことが判った。すなわち、浚渫土の微粒子分が多ければ反応性が高くなり、強度が高まり易いことが判った。一方、浚渫土中の微粒子分は、Ca分を吸着する効果もあることが知られている。本発明者らが検討した結果、浚渫土に製鋼スラグを混合した場合、製鋼スラグから供給されるCa分のうち、ある特定量のCa吸着が終わった後に、安定した強度発現が実現できることが判った。さらに、反応する対象の製鋼スラグについては、CaO量などの成分組成よりも遊離CaO含有量の影響が極めて大きく、加えて、粒径2mm以下のスラグ粒子の比率が重要であることが判った。そして、これらの要因を考慮した推定式を用いることにより、様々な確性実験を行うことなく、浚渫土と製鋼スラグの混合材の強度を的確に推定することができ、混合材の適正な強度設計を実現できることが判った。また、このようなことから、混合材の設計強度に応じて最適な製鋼スラグ(組成、粒度)を選択するとともに、浚渫土に対する製鋼スラグの適正な混合量を決定できることが判った。
[1]製鋼スラグを混合して浚渫土の改質を行う際に、浚渫土と製鋼スラグの混合材(x)の強度を推定する方法であって、下記(1)式に基づき、混合材(x)の28日養生後の一軸圧縮強度の推定値f(N/cm2)を求めることを特徴とする改質浚渫土の強度推定方法。
f=α×Ds×Sg×{(Co−Ch)/Wa} …(1)
但し
Ds=[混合材(x)中の粒径0.075mm以下の浚渫土粒子の質量]/[混合材(x)の固形分の質量]×100(%)
Sg=[混合材(x)中の粒径2mm以下の製鋼スラグ粒子の質量]/[混合材(x)の製鋼スラグの質量]×100(%)
Ch:事前の試験において、改質対象である浚渫土に消石灰を混合し、その混合材の28日養生後の一軸圧縮強度が50kN/m2となる場合の混合材1m3中の消石灰の質量(kg)×1.5
Co:製鋼スラグが含有する遊離CaOであって、混合材(x)1m3中の遊離CaOの質量(kg)
Wa:混合材(x)1m3中の水分の質量(kg)
α:3.6
fO=α×Ds×Sg×{(Co−Ch)/Wa} …(2)
但し
Ds=[混合材(x)中の粒径0.075mm以下の浚渫土粒子の質量]/[混合材(x)の固形分の質量]×100(%)
Sg=[混合材(x)中の粒径2mm以下の製鋼スラグ粒子の質量]/[混合材(x)の製鋼スラグの質量]×100(%)
Ch:事前の試験において、改質対象である浚渫土に消石灰を混合し、その混合材の28日養生後の一軸圧縮強度が50kN/m2となる場合の混合材1m3中の消石灰の質量(kg)×1.5
Co:製鋼スラグが含有する遊離CaOであって、混合材(x)1m3中の遊離CaOの質量(kg)
Wa:混合材(x)1m3中の水分の質量(kg)
α:3.6
また、本発明の浚渫土の改質方法によれば、製鋼スラグを混合して浚渫土の強度改質を行う際に、設計強度に応じた製鋼スラグの適正な混合量を決定することができ、浚渫土を所望の設計強度に改質することができる。
以上のような本発明法は、従来のように最適条件を求めるための実験を繰り返し行う必要がなく、改質対象となる浚渫土に対して試薬(消石灰)を用いた試験を行うだけでよいため、極めて簡便に実施することができる。
この改質浚渫土の強度推定方法は、製鋼スラグを混合して浚渫土の改質を行う際に、浚渫土と製鋼スラグの混合材(x)の強度を推定する方法であり、下記(1)式に基づき、混合材(x)の28日養生後の一軸圧縮強度の推定値f(N/cm 2 )を求めるものである。
f=α×Ds×Sg×{(Co−Ch)/Wa} …(1)
但し
Ds=[混合材(x)中の粒径0.075mm以下の浚渫土粒子の質量]/[混合材(x)の固形分の質量]×100(%)
Sg=[混合材(x)中の粒径2mm以下の製鋼スラグ粒子の質量]/[混合材(x)の製鋼スラグの質量]×100(%)
Ch:事前の試験において、改質対象である浚渫土に消石灰を混合し、その混合材の28日養生後の一軸圧縮強度が50kN/m2となる場合の混合材1m3中の消石灰の質量(kg)×1.5
Co:製鋼スラグが含有する遊離CaOであって、混合材(x)1m3中の遊離CaOの質量(kg)
Wa:混合材(x)1m3中の水分の質量(kg)
α:Chを求めるに当たって使用する消石灰の種類により決まる定数
図2によれば、混合材の強度発現の上で、消石灰と製鋼スラグの添加量には極めて強い相関が認められ、製鋼スラグと浚渫土の混合材の強度発現が始まる指標として、消石灰(水酸化カルシウム試薬)を添加したときに強度が発現する最小必要量が重要であると考えられた。
図6によれば、浚渫土中の粒径0.075mm以下の土粒子の比率に対応して混合材の強度が変化していることが判る。これはコンクリートにおけるペースト部分のように、安定して強度発現をさせるためには、微粒子の比率が重要であることを示している。
f=α×Ds×Sg×{(Co−Ch)/Wa} …(1)
但し
Ds=[混合材(x)中の粒径0.075mm以下の浚渫土粒子の質量]/[混合材(x)の固形分の質量]×100(%)
Sg=[混合材(x)中の粒径2mm以下の製鋼スラグ粒子の質量]/[混合材(x)の製鋼スラグの質量]×100(%)
Ch:事前の試験において、改質対象である浚渫土に消石灰を混合し、その混合材の28日養生後の一軸圧縮強度が50kN/m2となる場合の混合材1m3中の消石灰の質量(kg)×1.5
Co:製鋼スラグが含有する遊離CaOであって、混合材(x)1m3中の遊離CaOの質量(kg)
Wa:混合材(x)1m3中の水分の質量(kg)
α:Chを求めるに当たって使用する消石灰の種類により決まる定数
ここで、定数αはChを求めるに当たって使用する消石灰の種類(例えば、活性度を左右する粒度及び/又は純度)により決まり、通常は、3〜4程度の範囲で選択される。
従来では、浚渫土と製鋼スラグの混合材の強度が明確に予測できなかったり、或いは実験を繰り返して所望の強度が得られる混合条件を見極める必要があったが、本発明法を適用することにより、改質対象となる浚渫土に対して試薬(消石灰)を用いた事前の試験を行うだけで、混合材の強度を容易に推定することが可能となり、設計条件に適した材料、混合条件を事前に簡便に設定することが可能となる。
製鋼スラグを混合して浚渫土の改質を行うに当たり、混合材の目標強度(設計強度)が与えられれば、上記強度推定式により目標強度を得るための製鋼スラグの混合量を求めることができる。
すなわち、本発明の浚渫土の改質方法では、浚渫土と製鋼スラグの混合材(x)の28日養生後の一軸圧縮強度の目標値をfO (N/cm 2 )とした場合、下記(2)式に基づき浚渫土に対する製鋼スラグの混合量を決定する。
fO=α×Ds×Sg×{(Co−Ch)/Wa} …(2)
但し
Ds=[混合材(x)中の粒径0.075mm以下の浚渫土粒子の質量]/[混合材(x)の固形分の質量]×100(%)
Sg=[混合材(x)中の粒径2mm以下の製鋼スラグ粒子の質量]/[混合材(x)の製鋼スラグの質量]×100(%)
Ch:事前の試験において、改質対象である浚渫土に消石灰を混合し、その混合材の28日養生後の一軸圧縮強度が50kN/m2となる場合の混合材1m3中の消石灰の質量(kg)×1.5
Co:製鋼スラグが含有する遊離CaOであって、混合材(x)1m3中の遊離CaOの質量(kg)
Wa:混合材(x)1m3中の水分の質量(kg)
α:Chを求めるに当たって使用する消石灰の種類により決まる定数
浚渫土に所定量の製鋼スラグを混合して強度改質を行う場合、混合方法としては、浚渫された泥土等に対して所定量の製鋼スラグを投入し、混ぜ合わせればよい。混ぜ合わせる方法としては、例えば、バックホーなどの重機を用いて混合する方法、連続式ミキサーに泥土と製鋼スラグを適正比率で投入しながら混合する方法、バッチ式ミキサーに泥土と製鋼スラグを所定量計量して投入して混合する方法などが適用できる。また、混合材の施工方法としては、例えば、混合直後の流動性がある状態でトレミー管などを通して海中に施工する方法、一旦、土運船などに取りおき、少し硬化が始まった状態でバケット投入や底開バージにより施工する方法などが適用できる。また、陸域で使用する場合には、例えば、混合後にトラック等で運搬して施工する方法、泥土発生現地で製鋼スラグを所定量混合し、そのまま養生する方法などが適用できる。
製鋼スラグの混合で改質された浚渫土(混合材)は、主に水域の土工材や盛土材などに好適に利用されるが、陸上の土工材などとしても利用できる。
表1に示す浚渫土A〜Cを改質対象の浚渫土とし、これに添加する製鋼スラグとして表2に示す製鋼スラグa〜cを用いた。なお、一部の浚渫土については、粒度調整のために珪砂を添加した。表3及び表4に示すような組み合わせと混合条件で、浚渫土に対して製鋼スラグを混合し、この混合材の28日養生後の一軸圧縮強度の推定値を本発明法により求めた。本実施例において事前の試験に用いた消石灰は、工業用消石灰特号(JIS−R−9001:2006)であり、(1)式の定数αは3.6とした。また、Chを求めるための事前の試験は、各浚渫土に対して上記消石灰を計量し、モルタルミキサーを用いて混合し、50φ×1100mmのモールドで成形、固化させて実施した。封かん状態で28日養生したサンプルの一軸圧縮強度を測定し、その強度の立ち上がり状況からChを求めた。また、求められた推定値の実測値との相関を確認するために、各混合材の28日封かん養生後の一軸圧縮強度を実測した。それらの結果を表3及び表4に併せて示す。
本発明法で求められた一軸圧縮強度の推定値と、一軸圧縮強度の実測値との相関を図7に示すが、両者の値はよく対応しており、本発明によれば、多様な条件にも関わらず、統括的に圧縮強度を推定することが可能であることが判る。
表1に示す浚渫土Aに対して製鋼スラグを混合して強度改質するに当たり、28日養生後の一軸圧縮強度の目標値(平均値)を500kN/m2とした。製鋼スラグとしては、遊離CaO含有量が3.5質量%のものを使用した。使用する製鋼スラグについて、実施時における粒径2mm以下のスラグ粒子の比率を粒度分布測定により評価した上で、(2)式により製鋼スラグの混合量を28質量%と決定した。この混合割合でバッチ式の大型ミキサーにより浚渫土と製鋼スラグを大量混合し、複数個所のサンプルを採取した。混合材の28日養生後の一軸圧縮強度を実測した結果を図8に示す。これによれば、大量製造であるために浚渫土や製鋼スラグの粒度にある程度の変動があり、このため強度にはある程度の幅はあるものの、平均値は506kN/m2である。したがって、本発明の浚渫土の改質方法によれば、設計強度に応じた製鋼スラグの適正な混合量を決定することができ、浚渫土を所望の設計強度に改質することができることが確認できた。
Claims (2)
- 製鋼スラグを混合して浚渫土の改質を行う際に、浚渫土と製鋼スラグの混合材(x)の強度を推定する方法であって、
下記(1)式に基づき、混合材(x)の28日養生後の一軸圧縮強度の推定値f(N/cm2)を求めることを特徴とする改質浚渫土の強度推定方法。
f=α×Ds×Sg×{(Co−Ch)/Wa} …(1)
但し
Ds=[混合材(x)中の粒径0.075mm以下の浚渫土粒子の質量]/[混合材(x)の固形分の質量]×100(%)
Sg=[混合材(x)中の粒径2mm以下の製鋼スラグ粒子の質量]/[混合材(x)の製鋼スラグの質量]×100(%)
Ch:事前の試験において、改質対象である浚渫土に消石灰を混合し、その混合材の28日養生後の一軸圧縮強度が50kN/m2となる場合の混合材1m3中の消石灰の質量(kg)×1.5
Co:製鋼スラグが含有する遊離CaOであって、混合材(x)1m3中の遊離CaOの質量(kg)
Wa:混合材(x)1m3中の水分の質量(kg)
α:3.6 - 製鋼スラグを混合して浚渫土の改質を行う方法であって、
浚渫土と製鋼スラグの混合材(x)の28日養生後の一軸圧縮強度の目標値をfO(N/cm2)とした場合、下記(2)式に基づき浚渫土に対する製鋼スラグの混合量を決定することを特徴とする浚渫土の改質方法。
fO=α×Ds×Sg×{(Co−Ch)/Wa} …(2)
但し
Ds=[混合材(x)中の粒径0.075mm以下の浚渫土粒子の質量]/[混合材(x)の固形分の質量]×100(%)
Sg=[混合材(x)中の粒径2mm以下の製鋼スラグ粒子の質量]/[混合材(x)の製鋼スラグの質量]×100(%)
Ch:事前の試験において、改質対象である浚渫土に消石灰を混合し、その混合材の28日養生後の一軸圧縮強度が50kN/m2となる場合の混合材1m3中の消石灰の質量(kg)×1.5
Co:製鋼スラグが含有する遊離CaOであって、混合材(x)1m3中の遊離CaOの質量(kg)
Wa:混合材(x)1m3中の水分の質量(kg)
α:3.6
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