JP5728883B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[A]塩基解離性基を含む構造単位(f)を有する含フッ素重合体(以下、単に「[A]含フッ素重合体」ともいう。)
を含有し、
分子量1,000以下の[A]含フッ素重合体(以下、「低分子量重合体」ともいう。)の含有量が0.02質量%以下である感放射線性樹脂組成物である。
[A]含フッ素重合体を含む溶液を液液精製法により処理する工程を有する当該感放射線性樹脂組成物の製造方法である。当該製造方法によれば、当該感放射線性樹脂組成物に含まれる低分子量重合体の含有量を、容易に上記特定範囲にすることができ、保存安定性に優れる感放射線性樹脂組成物を、製造コストの上昇を抑制しつつ容易かつ確実に製造することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[A]含フッ素重合体を含有し、また、好適成分として、後述する[B][A]含フッ素重合体よりフッ素原子含有率が小さい重合体、[C]感放射線性酸発生剤、[D]酸拡散制御剤、[E]溶媒を含有してもよく、さらに本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分について詳述する。
本発明における[A]含フッ素重合体は、塩基解離性基を含む構造単位(f)を有し、フッ素原子を有する重合体である。[A]含フッ素重合体は、重合体中にフッ素原子を有していればよく、その位置は問わない。上記構造単位(f)中にフッ素原子を有していてもよく、構造単位(f)以外の他の構造単位中に有していてもよい。[A]含フッ素重合体は、フッ素原子を主鎖に有していてもよく、側鎖に有していてもよい。[A]含フッ素重合体はフッ素原子を有しているため、その疎水性の高さに起因して、レジスト被膜表面は高い動的接触角を示す。従って、当該感放射線性樹脂組成物によれば、[A]含フッ素重合体が被膜表面に偏在して被膜からの酸発生剤等の溶出を抑制すると共に、被膜表面に高い水切れ特性を付与できる。また、[A]含フッ素重合体は、塩基解離性基を含む構造単位(f)を有しており、アルカリ現像において加水分解により解離して親水基を生じるので、レジスト被膜表面の疎水性が低下する。その結果、アルカリ現像工程において被膜表面の現像液やリンス液に対する濡れ性が大きく向上するので、リンス液による洗浄効率が低いことに起因して起こるレジスト膜の現像欠陥の発生を抑制ができる。
[A]含フッ素重合体のうち、分子量が1,000以下の範囲であるものであり、[A]含フッ素重合体を構成する塩基性解離性基を含む構造単位(f)を与える単量体、構造単位(f)を含む二量体及びオリゴマーをも含む概念である。[A]含フッ素重合体の低分子量重合体の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は優れた保存安定性を有する。この低分子量重合体の含有量としては、0.017質量%以下がより好ましく、0.014質量%以下がさらに好ましい。
構造単位(f)は、塩基解離性基を含む。塩基解離性基とは、塩基との接触によって解離する基を意味し、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基等の極性官能基中の水素原子を置換する基であって、アルカリの存在下(例えば、23℃のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38質量%水溶液中)で解離する基をいう。構造単位(f)における塩基解離性基としては、そのような性質を有する基である限り特に限定されないが、具体例として、下記式(f−a)〜(f−c)で表される基を挙げることができる。
上記式(f−c)中、Rcは、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基である。Rdはハロゲン原子で置換されていてもよい1価の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。
メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ヘキサデカン、イコサン等の直鎖状又は分岐状の鎖状飽和炭化水素;
エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン、テトラデセン、プロピン、ヘキシン、ブタジエン、ヘキサジエン、デカジエン、ヘキサジイン、デカジイン等の直鎖状又は分岐状の鎖状不飽和炭化水素;
シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン等の単環式飽和炭化水素;
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデシン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロデカジエン、シクロデカジイン等の単環式不飽和炭化水素;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.12,6]デカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、アダマンタン等の多環式飽和炭化水素;
ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクテン、トリシクロ[5.2.12,6]デセン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デセン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデセン等の多環式不飽和炭化水素;
ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、クメン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、デュレン等の芳香族炭化水素。
この中で、炭素数1〜8の直鎖状及び分岐状の鎖状飽和炭化水素、炭素5〜12の脂肪族環状炭化水素、炭素数2〜6の鎖状不飽和炭化水素、炭素数6〜15の芳香族炭化水素から2〜4個の水素原子を除いた炭化水素基が好ましい。
上記式(E−1)中、nが2又は3の場合、複数のQ及びRyはそれぞれ独立して上記定義を有する。
上記炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基としては、炭素数1〜10の2価の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5の2価の炭化水素基がより好ましい。
上記炭素数3〜20の2価の脂肪族環状炭化水素基としては、単環式飽和炭化水素基が好ましく、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロヘキシルメタンジイル基が特に好ましい。
上記炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基としてはフェニレン基、ベンジレン基、フェネチレン基がより好ましい。これらの中でも、炭素数1〜5の2価の炭化水素基が特に好ましい。
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等の単環式飽和炭化水素基;
シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロオクタジエニル基、シクロデカジエン等の単環式不飽和炭化水素基;
ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル基、アダマンチル基等の多環式飽和炭化水素基;
ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル基、ビシクロ[2.2.2]オクテニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセニル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デセニル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデセン等の多環式不飽和炭化水素基等の有する水素原子の少なくとも1つをフッ素原子に置換したものが挙げられる。
上記[A]含フッ素重合体は、下記式(2)で表される構造単位(II)を有していてもよい。
[A]含フッ素重合体は、下記式(3)で表される構造単位(III)を有していてもよい。
上記[A]重合体は、下記式(4)で表される構造単位(IV)を有していてもよい。[A]重合体が構造単位(IV)を含むことにより、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンのアルカリ現像後の形状をより改善することができる。
上記[A]含フッ素重合体は、アルカリ可溶性基を有する構造単位(以下、「構造単位(V)」ともいう。)を有していてもよい。[A]含フッ素重合体が構造単位(V)を含むことにより、現像液に対する親和性を向上できる。
上記[A]含フッ素重合体は、下記式(6)で表される構造単位(VI)を有していてもよい。[A]含フッ素重合体が構造単位(VI)を含むことにより、現像液に対する親和性を向上させることができる。
上記[A]含フッ素重合体は、ラジカル重合等の常法に従って合成することができる。ラジカル重合の方法としては、例えば、(1)単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;(2)単量体を含有する溶液とラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;(3)各々の単量体を含有する、複数種の溶液とラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法が好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]含フッ素重合体とは別に、[B]酸解離性基を有し、上記[A]含フッ素重合体よりもフッ素原子含有率の小さい重合体(以下、単に「[B]重合体」ともいう。)を含有することが好ましい。このような酸解離性基を有する重合体は酸の作用前はアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性で、後述する[C]酸発生剤等から発生する酸の作用により酸解離性基が脱離するとアルカリ可溶性となる。重合体が「アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性」であるとは、当該感放射線性樹脂組成物を用いて形成したレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、レジスト被膜に代えてこのような重合体のみを用いた膜厚100nmの被膜を現像した場合に、被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質をいう。
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルに由来する構造単位;
上記構造単位(V);
下記式(o−1)等で表される構造単位が好ましい。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[C]感放射線性酸発生剤(以下、単に「[C]酸発生剤」ともいう。)を含有することが好ましい。[C]酸発生剤としては、例えばスルホニウム塩やヨードニウム塩等のオニウム塩化合物、有機ハロゲン化合物、ジスルホン類やジアゾメタンスルホン類等のスルホン化合物が挙げられる。[C]酸発生剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[D]酸拡散制御剤としては、例えば下記式(8)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」ともいう。)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」ともいう。)、窒素原子を3個以上有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」ともいう。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。[D]酸拡散制御剤を含有すると、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度を向上させることができる。[D]酸拡散制御剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
n−ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;
ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;
トリエチルアミン等のトリアルキルアミン類;
アニリン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
X+Z− ・・・(9)
ヒドロキシメチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;
メトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシル基;
シアノ基;
シアノメチル基等の炭素数2〜5のシアノアルキル基等の置換基を1種以上有する基等が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシメチル基、シアノ基、シアノメチル基が好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物は通常、[E]溶媒を含有する。[E]溶媒は少なくとも[A]含フッ素重合体、及び所望により含有される[B]重合体、[C]酸発生剤等を溶解可能な溶媒であれば、特に限定されない。このような溶媒としては、例えば
直鎖状又は分岐状のケトン類;
環状のケトン類;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;
3−アルコキシプロピオン酸アルキル類等が挙げられる。
この中で、当該感放射線性樹脂組成物の保存安定性の観点から、直鎖状又は分岐状のケトン類、環状のケトン類、及びプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びシクロヘキサノンがより好ましい。
本発明の感放射線性樹脂組成物には、上記の他、必要に応じその他の任意成分として、偏在化促進剤、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤、架橋剤等を配合することができる。
偏在化促進剤は、[A]含フッ素重合体をより効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有する。当該感放射線性樹脂組成物にこの偏在化促進剤を含有させることで、[A]含フッ素重合体の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、LWR、現像欠陥、パターン倒れ耐性等のレジスト基本特性を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上できる。このような偏在化促進剤として用いることができるものとしては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えばラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
界面活性剤は、塗布性、現像性等を改良する作用を示す成分である。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名で、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(大日本インキ化学工業社)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子社)等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等をさらに改善する作用を示す成分である。
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
増感剤は、[C]酸発生剤に吸収される放射線のエネルギー以外のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを例えば電子やラジカルのような形で[C]酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を有する。
本発明の感放射線性樹脂組成物をネガ型感放射性樹脂組成物として用いる場合においては、アルカリ現像液に可溶な重合体を、酸の存在下で架橋しうる化合物(以下、「架橋剤」ともいう。)を配合しても良い。架橋剤としては、例えば、アルカリ現像液に可溶な重合体との架橋反応性を有する官能基(以下、「架橋性官能基」ともいう。)を1種以上有する化合物が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物は、上記その他の任意成分以外に、染料、顔料、接着助剤等を含有することもできる。例えば、染料或いは顔料を用いることによって、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和できる。また、接着助剤を配合することによって、基板との接着性を改善することができる。他の添加剤としてはアルカリ可溶性樹脂、酸解離性の保護基を有する低分子のアルカリ溶解性制御剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、当該感放射線性樹脂組成物は金属や水分を含有していてもよいが、含まれる金属や水分の含有量を以下に示す所定値以下とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の保存安定性を向上させることができる。
当該感放射線性樹脂組成物は、金属を含有していてもよいが、当該感放射線性樹脂組成物中に含まれる金属の合計含有量が30質量ppb以下であることが好ましく、20質量ppbがより好ましく、10質量ppb以下がさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、金属の合計含有量を30質量ppb以下とすることで、保存安定性がさらに向上する。すなわち、長期間の保存においても、パーティクルの発生が抑制されると共に、感度及び得られるレジスト被膜の後退接触角の変動が小さい感放射線性樹脂組成物を得ることができる。
当該感放射線性樹脂組成物は、水を含有していてもよいが、当該感放射線性樹脂組成物中に含まれる水の含有量は3質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物の水の含有量を3質量%以下とすることで、長期間における保存安定性が向上する。感放射線性樹脂組成物の水の含有量を一定値以下にすることで、保存安定性が向上する理由については必ずしも明確ではないが、例えば、以下のように考えることができる。すなわち、当該感放射線性樹脂組成物中の水の存在は、保存中における[A]含フッ素重合体の塩基解離性基の加水分解反応を促進すると考えられる。そして、上記加水分解によりカルボキシル基等が生成し、[A]含フッ素重合体の組成物中における相溶性が低下するため、パーティクルの発生が起こるものと推定される。従って、水の含有量が一定値以下である当該感放射線性樹脂組成物によれば、パーティクル生成が抑制される。また、当該組成物中の感放射線性酸発生剤の酸発生効率は、上記生成したカルボキシル基等の存在の影響を受けると考えられる。従って、当該感放射線性樹脂組成物によれば、その放射線感度の変動を抑制することができる。さらに、感放射線性樹脂組成物の保存中の加水分解により、[A]含フッ素重合体の疎水性は低下する。しかし、当該感放射線性樹脂組成物によれば、そのような加水分解が抑制され、塩基解離性基からのカルボキシル基等極性基の生成が抑制されているので、保存後の当該感放射線性樹脂組成物から得られるレジスト被膜表面の後退接触角の低下や変動を抑制することができるものと考えられる。なお、感放射線性樹脂組成物中の水の含有量は、カールフィッシャー法により測定することができる。
当該感放射線性樹脂組成物は、通常、その使用に際して全固形分濃度が1質量%〜50質量%、好ましくは3質量%〜25質量%となるように上記溶媒に溶解した後、例えば孔径0.02μm程度のフィルターでろ過することによって組成物溶液として調製される。
当該感放射線性樹脂組成物を用いるレジストパターンの形成方法は(1)感放射線性樹脂組成物を用いて基板上にフォトレジスト膜を形成する工程(以下、「工程(1)」ともいう。)、(2)上記フォトレジスト膜上に液浸露光用液体を配置し、上記液浸露光用液体を介して上記フォトレジスト膜を液浸露光する工程(以下、「工程(2)」ともいう。)と、(3)液浸露光された上記フォトレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程(以下、「工程(3)」ともいう。)とを有する。当該形成方法では、フォトレジスト組成物として当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、被膜表面の水切れ性が高く、高速スキャン露光によりプロセスタイムを短縮させると共に、現像欠陥の発生を抑制して、良好なレジストパターンを効率良く形成できる。
アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
重量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0mL/分、溶出溶媒にテトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した。
重合体の各構造単位含有率を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製「JNM−ECX400」)を使用して測定した。
[A]含フッ素重合体である重合体(A−1)〜(A−11)を、下記式(M−1)〜(M−15)で表される化合物(以下、それぞれ「化合物(M−1)〜(M−15)」ともいう。)から選ばれる化合物を用い、下記手順に従って合成した。
化合物(M−4)42.7g(60mol%)、化合物(M−5)57.3g(40mol%)を2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.2gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内を攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノール中へ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を、2度、300gのメタノールを用いてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色粉末を50℃で17時間乾燥し、無色固体の共重合体を得た(収量72g、収率72%)。13C−NMR分析の結果、化合物(M−4)及び化合物(M−5)に由来する構造単位の含有率(mol%)はそれぞれ61:39であった。これを、重合体(A−1)とする。この共重合体のMwは7,500であった。
化合物(M−4)11.1g(20mol%)、化合物(M−5)88.9g(80mol%)を2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.49gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内を攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノール中へ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を、2度、300gのメタノールを用いてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色粉末を50℃で17時間乾燥し、無色固体の共重合体を得た(収量70g、収率70%)。13C−NMR分析の結果、化合物(M−4)及び化合物(M−5)に由来する構造単位の含有率(mol%)はそれぞれ20:80であった。これを、重合体(A−2)とする。この共重合体のMwは7,300であった。
化合物(M−5)100g(100mol%)を2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.24gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mlの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。窒素パージの後、三口フラスコ内を攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノール中へ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を、2度、300gのメタノールを用いてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色粉末を50℃で17時間乾燥し、無色固体の重合体を得た(収量75g、収率75%)。これを、重合体(A−3)とする。この重合体のMwは7,400であった。
化合物(M−4)15.4g(20mol%)及び化合物(M−6)84.6g(80mol%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.47gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内を攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノール中へ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を、2度、300gのメタノールを用いてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色粉末を50℃で17時間乾燥し、無色固体の共重合体を得た(収量72g、収率72%)。13C−NMR分析の結果、化合物(M−4)及び化合物(M−5)に由来する構造単位の含有率(mol%)はそれぞれ21:79であった。これを、重合体(A−4)とする。この共重合体のMwは6,400であった。
化合物(M−4)11.6g(20mol%)及び化合物(M−7)88.4g(80mol%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.61gを投入して単量体溶液を準備した。一方100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内を攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノール中へ投入し、白色固体を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色固体を2度、400gのメタノールにてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色固体を60℃で17時間乾燥し、白色固体の共重合体を得た(収量70g、収率70%)。13C−NMR分析の結果、化合物(M−4)及び化合物(M−7)に由来する構造単位の含有率(mol%)はそれぞれ21:79であった。これを、重合体(A−5)とする。この共重合体のMwは7,500であった。
化合物(M−8)13.8g(20mol%)及び化合物(M−9)86.2g(80mol%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.13gを投入して単量体溶液を準備した。一方100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内を攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノール中へ投入し、白色固体を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色固体を、2度、400gのメタノールを用いてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色固体を60℃で17時間乾燥し、白色固体の共重合体を得た(収量65g、収率65%)。13C−NMR分析の結果、化合物(M−8)及び化合物(M−9)に由来する構造単位の含有率(mol%)がそれぞれ20:80であった。これを、重合体(A−6)とする。この共重合体のMwは7,300であった。
化合物(M−9)78.1g(75mol%)及び化合物(M−10)21.9g(25mol%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.05gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内を攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノール中へ投入し、白色固体を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色固体を、2度、400gのメタノールを用いてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色固体を60℃で17時間乾燥し、白色固体の共重合体を得た(収量68g、収率68%)。13C−NMR分析の結果、化合物(M−9)及び化合物(M−10)に由来する繰り返し単位の含有率(mol%)はそれぞれ76:24であった。これを、重合体(A−7)とする。この共重合体のMwは7,600であった。
化合物(M−4)16.3g(30mol%)及び化合物(M−11)83.7g(70mol%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.44gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内を攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノールへ投入し、白色固体を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色固体を、2度、400gのメタノールを用いてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色固体を60℃で17時間乾燥し、白色固体の共重合体を得た(収量68g、収率68%)。13C−NMR分析の結果、化合物(M−4)及び化合物(M−11)に由来する構造単位の含有率(mol%)はそれぞれ33:67であった。これを、重合体(A−8)とする。この共重合体のMwは7,200であった。
化合物(M−4)16.0g(20mol%)及び化合物(M−12)84.0g(80mol%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.59gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内を攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノール中へ投入し、白色固体を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色固体を、2度、400gのメタノールを用いてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色固体を60℃で17時間乾燥し、無色固体の共重合体を得た(収量64g、収率64%)。13C−NMR分析の結果、化合物(M−4)及び化合物(M−12)に由来する構造単位の含有率(mol%)はそれぞれ23:77であった。これを、重合体(A−9)とする。この共重合体のMwは7,400であった。
化合物(M−4)14.0g(20mol%)及び化合物(M−13)86.0g(80mol%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.15gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内を攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノール中へ投入し、白色固体を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色固体を、2度、400gのメタノールを用いてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色固体を60℃で17時間乾燥し、白色固体の共重合体を得た(収量63g、収率63%)。13C−NMR分析の結果、化合物(M−4)及び化合物(M−12)に由来する構造単位の含有率(mol%)はそれぞれ24:76であった。これを、重合体(A−10)とする。この共重合体のMwは7,300であった。
化合物(M−4)18.8g(30mol%)、化合物(M−15)5.4g(10mol%)及び化合物(M−14)75.8g(60mol%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.82gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内を攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合溶液を2,000gのメタノール中へ投入し、白色固体を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色固体を、2度、400gのメタノールを用いてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色固体を60℃で17時間乾燥し、無色固体の共重合体を得た(収量64g、収率64%)。13C−NMR分析の結果、化合物(M−4)、化合物(M−15)及び化合物(M−14)に由来する構造単位の含有率(mol%)はそれぞれ32:11:57であった。これを、重合体(A−11)とする。この共重合体のMwは7,600であった。
上記合成した[A]含フッ素重合体(重合体(A−1)〜(A−11))を感放射線性樹脂組成物の調製に用いる際には、上記得られた[A]含フッ素重合体の重合反応溶液について、下記の精製操作を行ってから用いた。
(i)[A]含フッ素重合体の重合反応溶液を固形分濃度が50質量%になるまで濃縮した。この濃縮液を分液漏斗に移液し、この濃縮液と等質量のメタノールを加えて濃縮液を均一に希釈した後、上記濃縮液質量の4倍のn−ヘキサンを投入して混合した。
(ii)得られた下層を回収し、分液漏斗に移液した後、濃縮液質量の0.2倍の2−ブタノンを加え、再び上記と同質量のメタノール、次いで上記と同質量のn−ヘキサンを投入して混合した。
(iii)上記(ii)の操作をもう一度繰り返した。
(iv)得られた下層をエバポレーターを用いてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶媒へ溶媒置換し、[A]含フッ素重合体の25重量%溶液とした。
(v)上記溶液を、[A]含フッ素重合体溶液として、感放射線性樹脂組成物の調製に用いた。
[合成例12](重合体(B−1)の合成)
化合物(M−1)33.11g(40モル%)、化合物(M−2)12.22g(10モル%)及び化合物(M−3)54.67g(50モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル8.08gを投入して単量体溶液を準備した。一方、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。
窒素パージの後、三口フラスコ内の2−ブタノンを攪拌しながら、80℃に加熱した。次いで、事前に準備した上記単量体溶液を、滴下漏斗を用いて、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、80℃で3時間撹拌した。
重合終了後、重合溶液を水冷により、30℃以下に冷却した。そして、この重合反応溶液を2,000gのメタノール中へ投入し、白色粉末を析出させ、その後、これを濾別した。濾別された白色粉末を、2度、400gのメタノールを用いてスラリー洗浄した後、濾別した。次いで、白色粉末(共重合体)を50℃で17時間乾燥した(収量80.1g、収率80%)。13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−2)及び化合物(M−3)に由来する構造単位の含有率(モル%)はそれぞれ41:10:49であった。これを重合体(B−1)とする。この重合体(B−1)のMwは7,300であった。
上記合成例で合成した[A]含フッ素重合体及び[B]重合体以外の感放射線性樹脂組成物を構成する成分([C]酸発生剤、[D]酸拡散抑制剤、[E]溶媒)について以下に示す。
(C−1)4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(C−2)トリフェニルスルホニウム−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニルジフルオロメタンスルホナート
(D−1)tert−ブチル−4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボキシレート
(D−2)2,6−ジイソプロピルアニリン
(E−1)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(E−2)シクロヘキサノン
重合体(A−1)5質量部を含有する上記精製で得られた重合体(A−1)溶液、重合体(B−1)100質量部、酸発生剤(C−1)6質量部及び(C−2)6質量部、酸拡散抑制剤(D−1)0.8質量部、並びに溶媒(E−1)1,980質量部([A]含フッ素重合体溶液からの持ち込み分を含む)及び溶媒(E−2)848質量部を混合して均一溶液とし、実施例1の感放射線性樹脂組成物を得た。
感放射線性樹脂組成物を構成する各成分を下記表1に記載の種類及び配合量とした以外は、実施例1と同様にして実施例2〜11の感放射線性樹脂組成物を調製した。
実施例1において、重合体(A−1)として、上記精製操作において(iii)の操作を行わなかったものを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例12及び実施例13の感放射線性樹脂組成物を調製した。実施例13においては、溶媒(E−1)として、含水率の高いものを用いた。
実施例1において、重合体(A−1)として、上記精製操作の(i)において重合体(A)の固形分濃度が40質量%になるように濃縮したこと、及び(iii)の操作を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、実施例14及び実施例15の感放射線性樹脂組成物を調製した。実施例15においては、溶媒(E−1)として含水率の高いものを用いた。
感放射線性樹脂組成物を構成する各成分を下記表1に記載の種類及び配合量とし、[A]含フッ素重合体の上記精製操作を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1〜3の感放射線性樹脂組成物を調製した。
比較例1において、メンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液に窒素バブリングを行って、液中の水の含有量を低減させた以外は比較例1と同様にして、比較例4の感放射線性樹脂組成物を調製した。
上記実施例及び比較例の各感放射線性樹脂組成物について、調製後、90日間室温かつ暗所に保存した後の組成物について、各含有量を下記方法にて測定した。
各感放射線性樹脂組成物中の低分子量重合体、すなわち、分子量1,000以下の[A]含フッ素重合体についての含有量(質量%)は以下の方法にて測定した。
感放射線性樹脂組成物50gをナス型フラスコ中に秤量し、エバポレーターにてバス温度30℃で2日間かけて溶媒留去し、残った固形分の質量を測定し、感放射線性樹脂組成物の固形分濃度(質量%)を算出した。
上記算出した固形分濃度に基づいて、感放射線性樹脂組成物100gを上記操作と同様にして、固形分濃度が25%になるまで濃縮した。得られた濃縮液を、攪拌している10倍質量のn−ヘキサンへゆっくり滴下し、不溶成分を析出させた。得られた懸濁液を0.1μmのメンブレンフィルターで濾過し、得られた濾液の濾液質量(以下、「(1)」とする。単位:g)を測定した。
上記濾液からエバポレーターを用いてn−ヘキサンを完全に留去し、得られた残渣の質量を測定し、濾液中の残渣成分濃度(以下、「(2)」とする。単位:質量%)を算出した。
ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS:サーモサイエンティフィック製ITQ900)を用いて上記残渣中の各成分を同定し、低分子量重合体に対応する成分を選り分けた。さらに、GC(水素炎イオン化型検出器(FID)のもの:サーモサイエンティフィック製TRACE GC Ultra)を用いて、残渣中の低分子量重合体の成分の比率(以下、「(3)」とする。単位:質量%)を測定した。
上記得られた(1)から(3)の値から下記式(L)を用いて、感放射線性樹脂組成物に含まれる低分子量重合体含有量(質量%)を求めた。
感放射線性樹脂組成物中の低分子量重合体含有量(質量%)
=感放射線性樹脂組成物中の低分子量重合体の質量/感放射線性樹脂組成物の質量(100g)×100
=[(1)×{(2)/100}×{(3)/100}]×100/100
=(1)×(2)×(3)/10,000 ・・・(L)
各感放射線性樹脂組成物に含まれる水の量(質量%)は、微量水分測定装置(三菱化学社製)を用い、測定時の発生液は、エーピーアイコーポレーション社製「アクアミクロン(登録商標)AX」を、対極液は、エーピーアイコーポレーション社製「アクアミクロン(登録商標)CXU」を用いて、カールフィッシャー法により測定した。
上記実施例及び比較例において調製した各感放射線性樹脂組成物を、調製直後、及び所定日数、室温、暗所に保存した後の組成物を用いて、以下の各項目について測定し、評価した。
上記実施例及び比較例において調製直後、及び調製後、室温かつ暗所に30日間保存した後の組成物について、液中パーティクルカウンター(リオン社製「KS−41」)を用いて、感放射線性樹脂組成物1mLあたりに含まれる0.15μm以上のパーティクル数を測定した。
調製直後に対する30日保存後の液中パーティクル数の増加数が、0個以上10個以下の場合は「○」、10個を超えて50個以下の場合は「△」、50個を超える場合は「×」と評価した。
上記実施例及び比較例において調製直後、及び調製後、室温かつ暗所に30日間保存した後の組成物について、感放射線性樹脂組成物から形成されるレジスト被膜の後退接触角を、下記手順に従って、測定した。
(1)反射防止層の形成
12インチシリコンウエハ表面に、下層反射防止膜形成用組成物(商品名「ARC66」、日産化学社製)を、半導体製造装置(型式名「Lithius Pro−i」、東京エレクトロン社製)を使用して、スピンコートした。次いで、プレベーク(PB)(205℃、60秒間)を行うことにより、膜厚105nmの反射防止層を形成した。
(2)フォトレジスト層の形成
その後、半導体製造装置(型式名「CLEAN TRACK ACT12」、東京エレクトロン社製)を使用して、フォトレジスト組成物をスピンコートした。そして、PB(110℃、60秒間)し、冷却(23℃、30秒間)することにより、膜厚100nmのフォトレジスト層を形成した。
(3)接触角の測定
形成した被膜について、室温23℃、湿度45%、常圧の環境下で、KRUS社製の「DSA−10」を用いて以下の手順で後退接触角を測定した。
まず、ウェハステージ位置を調整する。次に、ウェハをステージにセットする。「DSA−10」の針に水を注入する。次に、針の位置を微調整する。次に、針から水を排出してウェハ上に25μLの水滴を形成した後、水滴から針を一旦引き抜く。次に、針を上記微調整した位置に再び引き下げる。続いて、針によって水滴を10μL/分の速度で90秒間吸引するとともに、接触角を毎秒(計90回)測定する。次に、接触角が安定した時点から計20点の接触角について平均値を算出して後退接触角(°)とした。
上記実施例及び比較例の各感放射線性樹脂組成物について、調製直後及び30日保存後に、下記手順により最適露光量を測定し、それぞれの「感度」とした。
12インチシリコンウエハ表面に、下層反射防止膜形成用組成物(商品名「ARC66」、日産化学社製)を、半導体製造装置(型式名「Lithius Pro−i」、東京エレクトロン社製)を使用して、スピンコートした。次いで、PB(205℃、60秒間)を行うことにより、膜厚105nmの反射防止層を形成した。
(2)フォトレジスト層の形成
その後、半導体製造装置(型式名「CLEAN TRACK ACT12」、東京エレクトロン社製)を使用して、フォトレジスト組成物をスピンコートした。そして、PB(110℃、60秒間)し、冷却(23℃、30秒間)することにより、膜厚100nmのフォトレジスト層を形成した。
(3)レジストパターンの形成
次いで、ArF液浸露光装置(商品名「S610C」、NIKON社製)を使用して、NA:1.30、Crosspoleの光学条件にて、ターゲットサイズが48nmライン/96nmピッチのマスクを介して露光した。その後、半導体製造装置(型式名「Lithius Pro−i」、東京エレクトロン社製)のホットプレート上で、PEB(95℃、60秒間)し、冷却(23℃、30秒間)した。次に、現像カップのGPノズルにて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液としてパドル現像(10秒間)し、超純水でリンスした。その後、2000rpm、15秒間振り切りで、スピンドライすることにより、48nmライン/96nmピッチのレジストパターン(ライン・アンド・スペースパターン)が形成された評価用シリコンウエハを得た。このとき、48nmライン/96nmピッチのマスク寸法において、48nmライン/96nmピッチのパターンを形成する露光量を最適露光量として求め、それを「感度」とした。
Claims (6)
- [A]塩基解離性基を含む構造単位(f)と酸解離性基を含む構造単位(p)とを有する含フッ素重合体、及び
[C]感放射線性酸発生剤
を含有し、
上記構造単位(f)が下記式(1)で表され、
上記[A]含フッ素重合体のうち分子量1,000以下のものの含有量が0.02質量%以下である感放射線性樹脂組成物。
(式(1)中、Rは水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4の1価の鎖状炭化水素基であり、この炭素数1〜4の1価の鎖状炭化水素基が少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよい。Eは(n+1)価の連結基である。Rfはフッ素原子で置換されていてもよい1価の鎖状炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。nは1〜3の整数である。nが2又は3の場合、複数のRfは同一でも異なっていてもよい。) - 上記構造単位(f)の塩基解離性基がフッ素原子を有する請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記塩基解離性基がフッ素化芳香族炭化水素基である請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記式(1)が、下記式(1−1)、(1−2)及び(1−3)でそれぞれ表される構造単位群より選ばれる少なくとも1種である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
(式(1−1)中、R及びRfの定義は上記式(1)と同じである。Raは置換基で置換されていてもよい2価の鎖状の有機基又は芳香族炭化水素基である。Xは少なくとも1個のフッ素原子で置換された2価の炭化水素基である。)
(式(1−2)中、R及びRfの定義は上記式(1)と同じである。Raは置換基で置換されていてもよい2価の鎖状の有機基又は芳香族炭化水素基である。)
(式(1−3)中、Rの定義は上記式(1)と同じである。R0は置換基で置換されていてもよい1価の芳香族炭化水素基である。R21はメチレン基、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−CH2CH2−又は酸素原子である。R22は水素原子又は置換基である。) - 上記式(1)で表される構造単位が、上記式(1−1)で表される請求項4に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記構造単位(p)が、下記式(4)で表される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
(式(4)中、Rは水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4の1価の鎖状炭化水素基であり、この炭素数1〜4の1価の鎖状炭化水素基が少なくとも1個のハロゲン原子で置換されていてもよい。Yは下記式(Y−1)で表される基である。)
(式(Y−1)中、Rp1は炭素数1〜4の1価の鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の1価の脂肪族環状炭化水素基である。Rp2及びRp3はそれぞれ独立して炭素数1〜4の1価の鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の1価の脂肪族環状炭化水素基であるか、又はRp2及びRp3が互いに結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂肪族環状炭化水素基を形成する。)
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