JP5732382B2 - 連続鋳造鋳型 - Google Patents
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前記長辺の内側には、メニスカスより上領域を除いて上から下に連接する複数の分割勾配領域が前記凝固シェルの凝固収縮プロフィールに近似させて形成され、前記短辺の両端部は、前記長辺の内側形状に合わせて形成され、前記短辺の両側の内側部分には該短辺の端部を内側に延長した前記長辺との当接面を備えた断面三角形状の突出部が形成され、更に、前記突出部を含む前記短辺の内側にはメニスカスより上領域を除いて上から下に連接する複数の分割勾配領域が前記凝固シェルの凝固収縮プロフィールに近似させて形成されている。
ここで、突出部は、断面が直角三角形又は斜辺が角に向かって凹む円弧状となっていてもよい。なお、斜辺が角に向かって凹む円弧状の場合、円弧の曲率半径は、斜辺を除いた2辺に相当する部位の幅を超えることが好ましい。曲率半径を上記のように設定することで、凝固シェルのコーナ部の形状を滑らかな円弧とすることができ、鋳型空間部内で凝固シェルをスムーズに移動させることができる。
ここで、断面三角形状の突出部の斜辺とは、壁部材(長辺と短辺、以下同様)の内側隅(内側角部)に対向する辺をさす。
断面三角形状の突出部の斜辺を除く2辺に相当する部位のそれぞれの幅が8mm未満である場合、鋳片鋼種や圧延条件によっては、圧延時に鋳片コーナ部に割れが発生したり、鋳片コーナ部に折れ込みが発生するため好ましくない。一方、断面三角形状の突出部の斜辺を除く2辺に相当する部位のそれぞれの幅が30mmを超える場合、凝固シェルの冷却が効率的に行われる凝固シェルの辺領域と凝固シェルのコーナ部との間の距離が長くなって、凝固シェルのコーナ部の冷却効率が低下し、凝固シェルのコーナ部の厚みを十分に成長させることができず、強固な凝固シェルを形成することができないので好ましくない。
このため、壁部材で凝固シェルを均一に冷却することができ、凝固シェルの菱形変形を防止することができる。そして、凝固シェルは壁部材の内側に当接し、凝固シェルと壁部材の内側との間にエアギャップが形成されてもエアギャップの幅は僅少なので、凝固シェルの角取り部の冷却効率の低下を抑制することができる。
その結果、壁部材の内側四隅に突出部を形成して鋳片のコーナ部の形状を、圧延性確保のために要求される形状にしても、鋳造時における凝固シェルのコーナ部割れや菱形変形を防止して、鋳片の品質異常、形状異常の発生を回避し、製品歩留りの低下を防止することが可能になる。
先ず、本発明の第1の実施の形態に係る連続鋳造鋳型10について説明する。
図1(A)、(B)に示すように、連続鋳造鋳型10は、上下方向に貫通し断面が四角形であって、注入された溶鋼を凝固して凝固シェル(図示せず)を形成する鋳型空間部11を備えた角筒状となっている。そして、鋳型空間部11を形成する壁部材12の内側四隅には断面円弧状のコーナアール部13が形成されている。
ここで、コーナアール部13の曲率半径は8mm以上30mm以下である。また、壁部材12の内側には耐磨耗性の図示しない補強皮膜(例えば、めっき層、溶射層)がそれぞれ形成されている。
また、分割勾配領域17の傾斜勾配は、分割勾配領域14の傾斜勾配より大きく(垂直面となす角度を小さく)形成してもよい。
なお、壁部材12に設けられる分割勾配領域14、15、16、17の傾斜勾配は僅かであるが、説明の便宜上、図1(B)においては、誇張して示している。
連続鋳造鋳型10においては、鋳型空間部11を形成する角筒状の壁部材12の内側四隅に、断面円弧状のコーナアール部13が形成されているので、鋳型空間部11に形成される凝固シェルのコーナ部には、コーナアール部13に対応するコーナアール部が形成される。そして、内側四隅を除く壁部材12の内側には、メニスカスM1より上領域を除いて上から下に連接する3つの分割勾配領域14、15、16が、それぞれ凝固シェルの凝固収縮プロフィールに近似させて形成されているので、鋳型空間部11内に形成された凝固シェルは、鋳型空間部11の内表面(壁部材12の内側)に当接して又は僅少のエアギャップを介して鋳型空間部11内を下方に向けて移動する。
連続鋳造鋳型18は、図2(A)、(B)に示すように、壁部材が、対向配置された長辺19、20と、対向配置された長辺19、20の間に対向配置された短辺21、22とを有し、上下方向に貫通状態で形成される鋳型空間部23に溶鋼を入れて凝固シェルを形成するものである。そして、長辺19、20の内側には、メニスカスM2より上領域を除いて上から下に連接する複数、例えば3つの分割勾配領域25、26、27が凝固シェルの凝固収縮プロフィールに合わせて形成されている。短辺21、22の両端部は、長辺19、20の内側形状に合わせて形成され、短辺21、22の両側の内側部分には、短辺21、22の端部を内側に延長した当接面を備えた突出部24が形成され、しかも、突出部24は断面直角三角形状(断面三角形状の一例)となっている。更に、短辺21、22の内側には、突出部24が形成された領域を除いて、メニスカスM2より上領域を除いて上から下に連接する複数、例えば3つの分割勾配領域28、29、30が凝固シェルの凝固収縮プロフィールに合わせて形成されている。
ここで、短辺21、22の端部を内側に延長した長辺19、20の内側面に接触する突出部24の当接面の幅は8mm以上30mm以下、突出部24が短辺21、22に連接している部位の幅は8mm以上30mm以下である。また、長辺19、20及び短辺21、22の内側面(鋳型空間部23側)には耐磨耗性の図示しない補強皮膜(例えば、めっき層、溶射層)がそれぞれ形成されている。
また、分割勾配領域31の傾斜勾配は、分割勾配領域25の傾斜勾配より大きく(垂直面となす角度を小さく)、分割勾配領域32の傾斜勾配は、分割勾配領域28の傾斜勾配より大きく形成してもよい。なお、分割勾配領域25〜32の傾斜勾配は僅かであるが、説明の便宜上、図2(B)においては、誇張して示している。
なお、長辺19、20及び短辺21、22の鋳型空間部23側にそれぞれ形成する分割勾配領域の数を2又は4以上としてもよい。分割勾配領域の数を増加させることで、凝固収縮プロフィールを分割勾配領域で近似する際の近似精度を向上させることができる。これによって、鋳型空間部の内表面に対する凝固シェルの当接を促進することができると共に、凝固シェルと鋳型空間部の内表面との間に生じるエアギャップを減少させることができる。
連続鋳造鋳型18においては、長辺19、20の内側には、メニスカスM2より上領域を除いて上から下に連接する3つの分割勾配領域25〜27が凝固シェルの凝固収縮プロフィールに合わせて形成されているので、凝固シェルが鋳型空間部23内を下方に向けて移動する際に、凝固シェルは長辺19、20の内側と当接することができ、凝固シェルと長辺19、20の内側との間にエアギャップが形成されても、エアギャップの幅は僅少となる。また、短辺21、22の内側に、突出部24が形成された領域を除いて、メニスカスM2より上領域を除いて上から下に連接する3つの分割勾配領域28〜30が凝固シェルの凝固収縮プロフィールに合わせて形成されているので、凝固シェルが鋳型空間部23内を下方に向けて移動する際に、凝固シェルは短辺21、22の内側に当接することができ、凝固シェルと短辺21、22の内側との間にエアギャップが形成されても、エアギャップの幅は僅少となる。
第3の実施の形態に係る連続鋳造鋳型33は、第2の実施の形態に係る連続鋳造鋳型18と比較して、図3に示すように、対向配置される各短辺34の両側の内側部分に形成する断面直角三角形状(断面三角形状の一例)の突出部35の斜辺相当部分が角に向かって凹む円弧状となっていることが特徴となっている。このため、短辺34及び突出部35についてのみ説明し、連続鋳造鋳型18と同一の構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
なお、短辺34の母材は、銅又は銅合金でそれぞれ形成され、短辺34の内側面(溶鋼が注入される鋳型空間部側)には耐磨耗性の図示しない補強皮膜(例えば、めっき層、溶射層)がそれぞれ形成されている。
なお、当接面の幅と突出部35が短辺34に連接する部位の幅の長さが同一の場合は、円弧の曲率半径を当接面の幅(突出部が短辺34に連接する部位の幅)と一致させてもよい。
普通鋼(SS400)の鋳片を、鋳型空間部が角筒状の壁部材で形成された連続鋳造鋳型を用いて鋳造する際の、壁部材の内側四隅に形成する断面円弧状のコーナアール部の曲率半径(鋳型コーナ部R寸法)と凝固シェルの厚さの関係を、有限要素法を用いた凝固シェルの凝固収縮解析により求めた。
ここで、鋳型空間部の下端内寸法は縦185mm、横185mm、長さを800mm、鋳型コーナ部R寸法は3、5、12.5、20、25、及び30mmである。また、鋳造速度は1.70m/分、角筒状の壁部材による抜熱量は148×104kcal/m2・hrとした。
鋳型コーナ部R寸法を5mmとした場合の壁部材(連続鋳造鋳型)の下端における凝固シェルの部分断面図を図4(A)に、鋳型コーナ部R寸法を20mmとした場合の壁部材の下端における凝固シェルの部分断面図を図4(B)にそれぞれ示す。また、鋳型コーナ部R寸法とコーナ部最小シェル厚との関係を図5(A)に示す。
普通鋼の鋳片を、鋳型空間部が角筒状の壁部材で形成された連続鋳造鋳型を用いて鋳造する際の、鋳型コーナ部R寸法と凝固シェルの厚さの関係を、有限要素法を用いた凝固シェルの凝固収縮解析により求めた。
ここで、鋳型空間部の下端内寸法は縦185mm、横185mm、長さを800mm、鋳型コーナ部R寸法は3、5、12.5、20、25、及び30mmである。また、鋳造速度は1.70m/分、角筒状の壁部材による抜熱量は148×104kcal/m2・hrとした。そして、壁部材の鋳型空間部側にはテーパ率0.8%/mの勾配を設けた。
鋳型コーナ部R寸法を5mmとした場合の壁部材(連続鋳造鋳型)の下端における凝固シェルの部分断面図を図4(C)に、鋳型コーナ部R寸法を20mmとした場合の壁部材の下端における凝固シェルの部分断面図を図4(D)にそれぞれ示す。また、鋳型コーナ部R寸法とコーナ部最小シェル厚との関係を図5(B)に示す。
高炭素鋼の鋳片を、鋳型空間部が角筒状の壁部材で形成された連続鋳造鋳型を用いて鋳造する際の、鋳型コーナ部R寸法と凝固シェルの厚さの関係を、有限要素法を用いた凝固シェルの凝固収縮解析により求めた。
ここで、鋳型空間部の下端内寸法は縦185mm、横185mm、長さを800mm、鋳型コーナ部R寸法は3、5、12.5、20、25、及び30mmである。また、鋳造速度は1.65m/分、角筒状の壁部材による抜熱量は199×104kcal/m2・hrとした。
鋳型コーナ部R寸法を5mmとした場合の壁部材(連続鋳造鋳型)の下端における凝固シェルの部分断面図を図6(A)に、鋳型コーナ部R寸法を20mmとした場合の壁部材の下端における凝固シェルの部分断面図を図6(B)にそれぞれ示す。また、鋳型コーナ部R寸法とコーナ部最小シェル厚との関係を図5(A)に示す。
高炭素鋼の鋳片を、鋳型空間部が角筒状の壁部材で形成された連続鋳造鋳型を用いて鋳造する際の、鋳型コーナ部R寸法と凝固シェルの厚さの関係を、有限要素法を用いた凝固シェルの凝固収縮解析により求めた。
ここで、鋳型空間部の下端内寸法は縦185mm、横185mm、長さを800mm、鋳型コーナ部R寸法は3、5、12.5、20、25、及び30mmである。また、鋳造速度は1.65m/分、角筒状の壁部材による抜熱量は199×104kcal/m2・hrとした。そして、壁部材の鋳型空間部側にはテーパ率0.8%/mの勾配を設けた。
鋳型コーナ部R寸法を5mmとした場合の壁部材(連続鋳造鋳型)の下端における凝固シェルの部分断面図を図6(C)に、鋳型コーナ部R寸法を20mmとした場合の壁部材の下端における凝固シェルの部分断面図を図6(D)にそれぞれ示す。また、鋳型コーナ部R寸法とコーナ部最小シェル厚との関係を図5(B)に示す。
普通鋼(SS400)の鋳片を、鋳型空間部が角筒状の壁部材で形成された連続鋳造鋳型を用いて鋳造する際の、壁部材の内側四隅に形成する断面直角二等辺三角形状の突出部の斜辺を除く2辺に相当する部位の幅(以下、鋳型コーナ部C寸法という)と凝固シェルの厚さの関係を、有限要素法を用いた凝固シェルの凝固収縮解析により求めた。
ここで、鋳型空間部の下端内寸法は縦185mm、横185mm、長さを800mm、鋳型コーナ部C寸法は3、5、12.5、20、25、及び30mmである。また、鋳造速度は1.70m/分、角筒状の壁部材による抜熱量は148×104kcal/m2・hrとした。
鋳型コーナ部C寸法を5mmとした場合の壁部材(連続鋳造鋳型)の下端における凝固シェルの部分断面図を図7(A)に、鋳型コーナ部C寸法を20mmとした場合の壁部材の下端における凝固シェルの部分断面図を図7(B)にそれぞれ示す。また、鋳型コーナ部C寸法とコーナ部最小シェル厚との関係を図8(A)に示す。
普通鋼の鋳片を、鋳型空間部が角筒状の壁部材で形成された連続鋳造鋳型を用いて鋳造する際の、鋳型コーナ部C寸法と凝固シェルの厚さの関係を、有限要素法を用いた凝固シェルの凝固収縮解析により求めた。
ここで、鋳型空間部の下端内寸法は縦185mm、横185mm、長さを800mm、鋳型コーナ部C寸法は3、5、12.5、20、25、及び30mmである。また、鋳造速度は1.70m/分、角筒状の壁部材による抜熱量は148×104kcal/m2・hrとした。そして、壁部材の鋳型空間部側にはテーパ率0.8%/mの勾配を設けた。
鋳型コーナ部C寸法を5mmとした場合の壁部材(連続鋳造鋳型)の下端における凝固シェルの部分断面図を図7(C)に、鋳型コーナ部C寸法を20mmとした場合の壁部材の下端における凝固シェルの部分断面図を図7(D)にそれぞれ示す。また、鋳型コーナ部C寸法とコーナ部最小シェル厚との関係を図8(B)に示す。
高炭素鋼の鋳片を、鋳型空間部が角筒状の壁部材で形成された連続鋳造鋳型を用いて鋳造する際の、鋳型コーナ部C寸法と凝固シェルの厚さの関係を、有限要素法を用いた凝固シェルの凝固収縮解析により求めた。
ここで、鋳型空間部の下端内寸法は縦185mm、横185mm、長さを800mm、鋳型コーナ部C寸法は3、5、12.5、20、25、及び30mmである。また、鋳造速度は1.65m/分、角筒状の壁部材による抜熱量は199×104kcal/m2・hrとした。
鋳型コーナ部C寸法を5mmとした場合の壁部材(連続鋳造鋳型)の下端における凝固シェルの部分断面図を図9(A)に、鋳型コーナ部C寸法を20mmとした場合の壁部材の下端における凝固シェルの部分断面図を図9(B)にそれぞれ示す。また、鋳型コーナ部C寸法とコーナ部最小シェル厚との関係を図8(A)に示す。
高炭素鋼の鋳片を、鋳型空間部が角筒状の壁部材で形成された連続鋳造鋳型を用いて鋳造する際の、鋳型コーナ部C寸法と凝固シェルの厚さの関係を、有限要素法を用いた凝固シェルの凝固収縮解析により求めた。
ここで、鋳型空間部の下端内寸法は縦185mm、横185mm、長さを800mm、鋳型コーナ部C寸法は3、5、12.5、20、25、及び30mmである。また、鋳造速度は1.65m/分、角筒状の壁部材による抜熱量は199×104kcal/m2・hrとした。そして、壁部材の鋳型空間部側にはテーパ率0.8%/mの勾配を設けた。
鋳型コーナ部C寸法を5mmとした場合の壁部材(連続鋳造鋳型)の下端における凝固シェルの部分断面図を図9(C)に、鋳型コーナ部C寸法を20mmとした場合の壁部材の下端における凝固シェルの部分断面図を図9(D)にそれぞれ示す。また、鋳型コーナ部C寸法とコーナ部最小シェル厚との関係を図8(B)に示す。
更に、本実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
Claims (2)
- 対向配置された長辺と該対向配置された長辺の間に対向配置された短辺とを有し、上下方向に貫通状態で形成される鋳型空間部に溶鋼を入れて凝固シェルを形成する連続鋳造鋳型において、
前記長辺の内側には、メニスカスより上領域を除いて上から下に連接する複数の分割勾配領域が前記凝固シェルの凝固収縮プロフィールに近似させて形成され、前記短辺の両端部は、前記長辺の内側形状に合わせて形成され、前記短辺の両側の内側部分には該短辺の端部を内側に延長した前記長辺との当接面を備えた断面三角形状の突出部が形成され、更に、前記突出部を含む前記短辺の内側にはメニスカスより上領域を除いて上から下に連接する複数の分割勾配領域が前記凝固シェルの凝固収縮プロフィールに近似させて形成されていることを特徴とする連続鋳造鋳型。 - 請求項1記載の連続鋳造鋳型において、断面三角形状の前記突出部の斜辺を除く2辺に相当する部位の幅は、それぞれ8mm以上30mm以下であることを特徴とする連続鋳造鋳型。
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